2019年3月1日

 

       党

政策御担当

東京都北区志茂2丁目43-1

木村文男方

企業年金の受給権を守る連絡会

代表世話人 夏野 弘司

 

 

企業年金に関する公開質問状

 

はじめに

「企業年金の受給権を守る連絡会」について

 私ども「企業年金の受給権を守る連絡会」は、企業からの一方的な企業年金減額や制度の変更を止めさせ、受給権の完全な法的保護と支払保証制度の確立などを求め、受給権侵害の問題や提訴について受給者を支援するセンターとして活動している団体です。

(創立は2005年1月、参加団体は12団体。)

 

質問状提出の趣旨

 2001年の企業年金二法成立後、一定条件の下で黒字企業でも給付減額可能とか、キャッシュバランスプランの「給付設計弾力化」や更なる「規制緩和」、AIJ事件を契機としての「厚生年金保険法等の一部改正」が進められ、更にリスク分担型の政省令が施行されました。これらには、広範な受給者及び加入者から受給権の侵害にならないか不安と疑問の声が挙がっています。

貴党として企業年金制度と受給権に関わる諸問題について、どのような見解、政策、方針かお示し頂き、私どもとしましては、各種選挙での政党選択の一助に致したく お伺いする次第です。

 ご多忙のなか。誠に恐れ入りますが3月20日を目途にご回答頂ければ幸いです。宜しくお願いします。

 

質 問

1.企業年金の受給権について

 企業年金は、賃金の後払いである退職金の延払いであり、受給者にとっては退職の時点で確定した金銭債権です。この受給権を国が法律や厚生労働省令・局長通知などで削減を推進したり容認したりすることは、憲法の保障する財産権・生存権の侵害になります。企業年金の受給権について貴党の見解をお伺いします。

 

2、近時の企業年金改定への基本姿勢について

(1)2017年1月にリスク分担型企業年金の政省令を公布、2018年5月に確定拠出年金法を改定などに先立ち、政府は企業年金を公的年金を補完するものと位置付けてきました。

また、今後の方向として政府は2018年2月に閣議決定した「高齢社会対策大綱」の「資産形成等の支援」の項で「公的年金を補完」するものと位置づけ「リスク分担型企業年金制度等の周知等を行うことにより、私的年金制度の普及・充実を図る」と明記しました。

企業年金は退職年金であって、企業が独自に主体的に責任をもって給付すべきものであり、その改定は労働組合または労働者代表、受給者と協議し合意を得て決定すべきものと考えています。公的年金は法の目的と趣旨により独自に拡充を図るべきであって、公的年金を企業年金が「補完」するものと位置付けるべきでないと考えますが、貴党の見解をお伺いします。

 

(2)政府は「日本再興戦略」で「金融・資本市場の活性化」などの項において企業年金の「運用リスクを事業主と加入者で分け合う制度の導入」を2015年版、2016年版に掲げてリスク分担型企業年金の政省令公布に至りましたが、加入者・受給者の権利やメリットの言及はありません。ここに掲げる動機と狙いをどう評価しますか。また、リスク分担型は企業の自己責任で給付すべき退職年金の本質を歪めるものでないか、貴党の見解をお伺いします。

 

3、 リスク分担型企業年金について

(1)2017年1月1日に厚生労働省は、リスク分担型企業年金施行の政省令を公布しました。既存の確定給付企業年金からリスク分担型に移行する場合、施行日前の受給者をも対象とすることが可能としています。かかる扱いは不遡及の原則に反しないのか、貴党の見解をお伺いします。

 

(2)既存の確定給付企業年金からリスク分担型へ労使合意で移行し受給者をも対象とする場合、①減額とならない設計であれば受給者の合意は得なくてもよい、②減額となる設計であれば受給者の同意を求める、と省令で定めています。

①については当初は減額でなくても、後で積立金不足によりリスク分担の局面で減額はあり得る仕組みなのに、債権者たる受給者の意思不問を国が認めることについて貴党の見解をお伺いします。

②で求めた同意者が3分の2以上であれば、残る少数不同意者は(一時金の選択肢があるとしても)従来通りの受給権は侵害されることとなります。

多数決でもって少数者の金銭債権を侵害することについて貴党の見解をお伺いします。

 

4、支払保障制度の法制化について

 2001年、確定給付企業年金法の審議における衆参両院の厚生労働委員会での付帯決議では、企業年金の加入者及び受給者の受給権保護の観点から支払保障制度につき引き続き検討を加えること、とされていました。しかるに18年を経過して今なお着手もされていません。母体企業の都合や倒産、制度終了、基金解散などで給付額の一部または全部が支払われない場合に備え、年金給付を保障する支払保障制度の法制化について、貴党としては、どのようにお考えでしょうか。

 

 

企業年金受給権を守る連絡会参加団体(五十音順、個人参加者名は割愛)

企業年金受給者ユニオンKDDI東京

  銀行年金を守る会

  国際人権活動日本委員会有志

  商工中金懇話会

  全日本損害保険労働組合三井住友支部

  南海放送年金受給者の会

  西日本放送年金受給者の会

  JAL退職者懇談会

  法政大学年金裁判の会

  松下(パナソニック)年金を知る会

三菱UFJ銀行の企業年金を考える会

明治大学年金受給者の会

 

回答先: 115-0042

     東京都北区志茂2-43-1 木村文男方

     企業年金の受給権を守る連絡会

 

     Tel/Fax  03-3902-2189

     Eメール    kimura-f@jcom.zaq.ne.jp

 

 

 

 

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