2017年3月10日 社会保障審議会企業年金部会確定拠出年金の

運用に関する専門委員会(第2回)

年金局企業年金・個人年金課

 

○日時  平成29年3月10日(金)9:58~12:23

 

○場所  全国都市会館(2階大ホール)

 

○出席者

森戸委員長、臼杵委員長代理、井戸委員、大江委員、重富委員、清家委員、山崎委員

○議題

(1)関係団体からのヒアリング

(2)その他

○議事

○森戸委員長

 皆さん、おはようございます。定刻には早いのですが、メンバーがもうそろっていますし、今日はスケジュールがタイトなので、済みませんけれども始めたいと思います。

 ただいまより、第2回「社会保障審議会企業年金部会確定拠出年金の運用に関する専門委員会」を開催いたします。

 お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。

 本日は、杉浦委員から御欠席の連絡をいただいております。

 では、早速議事に入りたいと思います。カメラの方は、済みませんけれども、ここで退室をお願いいたします。

 今回は関係団体からのヒアリングが主な議題ですけれども、ヒアリングの前に、まずは事務局から資料の確認をお願いいたします。

 

○青山企業年金・個人年金課長

 資料の確認をさせていただきます。

 議事次第の次に座席表があるかと思いますが、その次に資料1として「 関係団体からのヒアリング」という今日ヒアリングに来られている方々の名簿があります。

 資料2以降が各団体からの提出資料ですが、団体名だけ申し上げます。

 資料2-1が、日本証券業協会の資料。

 資料2-2も、日本証券業協会の資料。

 資料3-1が、投資信託協会の資料。

 資料3-2も、投資信託協会の資料でございます。

 資料4が、信託協会の資料。

 資料5として、全国銀行協会の資料。

 資料6として、生命保険協会の資料。

 資料7として、日本損害保険協会の資料でございます。

 あとは、参考資料1として本専門委員会の名簿があります。

 参考資料2として、前回の第1回の配付資料の一部を再提出しております。

資料の不備等はございませんでしょうか。 以上でございます。

 

○森戸委員長

 ありがとうございます。

 では、議事に入る前に、前回の委員会において委員の皆様からいただいた御質問を踏まえまして、事務局より補足がありますのでお願いします。

 

○青山企業年金・個人年金課長

 それでは、参考資料2にあります、前回の第1回目の資料に関するものでございますが、その中の18ページに「運用商品提供数の推移」という円グラフがあります。例えば、2016年調査では18.4という平均がありますけれども、その本数の数え方について御質問がありました。調査を行った企業年金連合会に確認したところ、調査ではどのように数えるか、特段、指定していないということでした。よって、担当者の判断で数えておりまして、例えば個々の商品を数えているということもあり得るとのことです。

 また、同じく、また戻りますが、13ページから17ページまでのデータは各DC加入者等の認識についてのものですが、企業型年金なのか、個人型年金についてなのかという御質問がありましたが。13ページと16ページ、17ページのフィデリティ退職・投資教育研究所のデータについては、個人型と企業型、両方の加入者が含まれています。

 また、14ページの企業年金連合会のデータ、それと15ページの確定拠出年金総合研究所のデータは、企業型年金の加入者についてのデータとなります。以上でございます。

 

○森戸委員長

 ありがとうございます。今の点は前回の補足ですけれども、よろしいですか。

 では、議事に入りたいと思います。本日は、「関係団体からのヒアリング」を主な議題としております。今回は、本委員会での検討事項である運用の方法の上限数、指定運用方法の選定基準の検討に資するため、日本証券業協会、投資信託協会、信託協会、全国銀行協会、生命保険協会、日本損害保険協会から、各協会における業務運営の実態や、それを踏まえた御意見を頂戴するということになっております。

 本日の進め方ですけれども、以下のようにしたいと思います。

 2方ずつといいますか、2協会ずつ、まず10分程度ずつ説明をしていただいた後に、その2協会に対し15分程度の質疑応答の時間をとるという方式でいきたいと思います。

 では、早速ですが、日本証券業協会より説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

 

○日本証券業協会(松本)

 ありがとうございます。日本証券業協会の松本でございます。本日は、このようなヒアリングの機会をいただき、まことにありがとうございます。

 また、森戸委員長初めといたします委員の皆様方には、日ごろから御指導賜り、まことにありがとうございます。

 私ども日本証券業協会でございますが、証券界の業界団体と自主規制団体の両方の機能を有する団体でございます。また、国民の長期的な資産形成の支援を行うということを重要な施策と位置づけてございます。確定拠出年金制度につきましては、まさにこうした資産形成に資する重要な制度であるという認識のもと、私ども協会の中に個人の自助努力による資産形成に関するワーキンググループと題するワーキングを設置いたしまして、確定拠出年金制度の普及推進に向けた検討を行ってきております。

 本日は、本専門委員会のヒアリングテーマでございます指定運用方法の選定基準並びに運用方法の上限数につきまして、ワーキンググループを中心に取りまとめました内容につきまして説明をさせていただきたいと存じます。

 説明につきましては、ワーキンググループ主査の野村証券 景山様よりさせていただきたいと存じます。

 

○日本証券業協会(景山)

 ただいま御紹介にあずかりました景山と申します。本日はヒアリングの機会をいただき、ありがとうございます。

 早速ですが、お手元に配付しておりますパワーポイントの資料に沿って説明をさせていただきます。

 まず、「指定運用方法の基準関連」について申し上げます。資料の1ページをご覧ください。

 中段にお示ししておりますが、平成27年1月に企業年金部会の議論の整理において、「デフォルト商品を設定する場合には、一定の基準に基づいた分散投資効果が見込まれる商品を設定することを努力義務とする」とされています。これは、投資教育を受けても自ら年金運用の商品を選択できずに諦めてしまう加入者や、未指図のまま放置してしまう加入者であっても、年金運用として適切な商品選択が実践できるようにすることが必要だという考え方が背景にあって、指定運用方法が導入されたものだと理解しております。

 右下をご覧ください。公的年金の積立金を運用しているGPIFを参照すると、長期分散投資が実践されております。確定拠出年金も長期の年金資産の運用ですから、適切な分散投資を実行することが基本であり、指定運用方法は適切な分散投資を後押しする制度であるべきだと考えます。したがって、指定運用方法の基準は長期的な資産分散を期待できる運用商品が相当であり、元本確保型商品は該当しないと考えます。

 また、指定運用方法を実効性の高い制度にするためには適切な基準設定が必要と考えます。

 さらに、左下の例のように、具体例を法令解釈等にて示していただければ、より有効だと考えます。

 2ページをご覧ください。指定運用方法の先行例である米国の401kのQDIA規則では、デフォルト商品として適格な商品のタイプ、合致する商品例、特徴が示されています。

 注目いただきたいのは、4の元本維持商品は最初の120日に限定するという条件です。これは、元本維持商品は長期的に見て十分なリターンが見込めない。つまり、長期的な年金運用には適切ではないと米国労働省が判断したからと聞いています。将来、経済がどう変化するかは誰にもわかりませんが、インフレとなった場合であっても、年金の実質価値を確保可能な運用を実現することが国民全体にとっての幸せにつながると考えております。

 次に、運用商品提供数の上限についてです。3ページをご覧ください。

 まず、商品の法令上の上限数と、加入者にとって望ましい本数とは別けて御議論いただきたいと考えます。政省令で規定する上限はあくまでも超えてはいけない最大数であり、超えると法令違反になる本数です。加入者にとって望ましい本数を別途、法令解釈通知等で示していただければと考えます。

 法令上の上限数を超えると、商品除外手続等の是正措置が必要ですが、事務的に事業主にとって大きな負担となるだけでなく、除外される商品を選択している加入者は本人の意思とは関係なく他商品への切りかえを余儀なくされます。

 また、期限内に是正措置が実施できなかった場合、その規約は法令違反となり、非適格規約とみなされる可能性もあり、税制面での優遇の適否も含め、制度維持が困難となるおそれもあります。

 右下の円グラフをご覧ください。企業年金連合会によると、運用商品を31本以上提供している規約は3.9%ですが、仮に上限数を30本と設定した場合、20万人を超える加入者が影響を受ける可能性があり、軽視すべきではないと思います。既存の加入者への影響を最小限に抑える観点から、企業型については少なくとも30本~40本程度までを上限数の目安としていただきたいと考えます。

 4ページをご覧ください。企業型と個人型では、ご覧のように基本的に異なる点があり、同じ基準を用いるべきではないと考えます。企業型と異なり、個人型の加入者は自身でどの金融機関のプランに加入するかを選択できますので、商品が多いプランか、少ないプランかを自由に選択できるようにすべきです。

 金融機関にとって、商品ラインアップは差別化を図るポイントの一つですので、より自由に競争させることがiDeCoの普及にもつながると思います。

 以上のことから、個人型は企業型とは異なる基準で、企業型を上回る提供数を設定していただきたいと考えます。

 5ページをご覧ください。単純に商品本数が多いと、加入者が選択できなくなるわけではないと考えます。加入者が商品を選択しやすくなるよう、提示方法の工夫を可能にすればよいと考えます。現制度下では、左の表のように商品数を同列に並べなければならず、これでは確かに本数が多いと戸惑われる方がいらっしゃるというのはうなずけます。

 しかし、右の表のように加入者の投資知識や関心度合いに応じて商品群を分けて提示することによって、自身に適した商品を選びやすくできます。

 階層1は、指定運用方法の基準を満たす商品が該当し、大多数の加入者にとって長期の年金運用にふさわしいコア商品群として提示します。より多様な選択肢を望む加入者向けには、階層2及び3として幅広い商品を提供し、自己責任で選択していただければよいと考えます。

 その際、指定運用方法の基準を満たす商品群は、ほかの商品とは区分した表示を行うことになりますが、これが推奨行為に該当しない旨を政省令やQ&Aで示していただきたいと考えます。

 また、シリーズで提示されている商品は、1シリーズを1本として数えることが加入者にとっては理解されやすいと考えます。例えばターゲットイヤー型、バランス型、アロケーション型等が該当します。定期預金の年限の違うものも、1シリーズとして考えればよいのではないかと思います。

 6ページをご覧ください。一番上にお示ししているように、今回の法改正により現行の1つ以上の元本確保型商品を含む3つ以上の運用商品の提供から、リスク・リターン特性の異なる3つ以上の運用商品の提供に変更されております。これは、分散投資を促すことを目的とした改正の一つであると理解しております。運用に関する専門性が求められる事項であり、リスク・リターン特性が異なるとされた基準の定義についても、専門委員会においてぜひ御議論いただきたいと考えます。

 御参考として、2つの切り口を例示させていただきました。

 事前にお送りいただきました論点で、以上に含まれないテーマにつきましては、本来は運営管理機関が答えるべき内容でございますが、本日は野村証券の例を資料の7、8ページに記載させていただきましたので、ご覧いただければと存じます。全体の実態につきましては、ぜひ運管協のほうにもヒアリングをしていただければと思います。

 以上で、私からの説明を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

 

○森戸委員長

 ありがとうございました。

 では、続いて投資信託協会より説明をお願いします。

 

○投資信託協会(松下)

 それでは、投資信託協会のほうから御説明をさせていただきます。

 まず、この場でヒアリングの機会をお与えいただき、まことにありがとうございます。御礼申し上げます。投資信託協会ですけれども、投資信託の組成、供給という形になります。協会のメンバーで2社ほど運営管理機関を兼務しております企業が存在しておりますが、どちらかというと専ら商品提供機関に対して投資信託を供給する。あとは、お預かりした資産をいかにパフォーマンスを上げるか、それを担っている業界団体でございます。現在、協会員数ですと174社ございます。

 申しおくれました。私、投資信託協会の中で中長期的資産形成等に係る検討小委員会の委員長を務めさせていただいております松下敦司と申します。

 横におりますのが、委員長代理を担当いただいております野村アセットの石川伸男でございます。以上、2名で説明させていただきます。

 説明に先立ちまして、当投資信託協会の協会長の確定拠出年金制度普及推進協議会にも参加させていただいております。協会のスタンスとしては、こういった資産形成の機会が広く国民に普及し、恒久的な制度として定着すること、または数多くの国民がこの制度を利用して将来の資産形成に資するような制度として発展していくことを強く願っているものでございます。

 それでは、資料に沿って説明を始めさせていただきます。

 冒頭申し上げましたが、あくまでも商品の供給という立場、それから運用に特化している立場ですので、実際の現場の勧誘等々については直接的ではないのですが、運用の立場から意見を述べさせていただきたいと思います。

 まず、ページをめくっていただきまして、運用商品の上限数についてでございます。まず、商品の上限を定めるというのは、運用の立場からしますと、制約条件が少ないほどパフォーマンスを上げる可能性がふえてまいりますので、制約は少ないほうがいいというスタンスではございます。

 ただ、実際の加入者が投資していただかないと、そもそも制度自体が利用されないということになりますので、上限数についてはある程度必要で重要な判断だと認識しております。

 ただ、ポイントとして大きく3つ申し上げたいことがございます。

 まず、この制度が魅力的な制度であるためには、ある程度の商品ラインアップがあること。少ないと、結局関心を示されなくなっても困ります。

 もう一点は、恒久的な制度として発達するためには、将来的にも魅力的な商品ラインアップが継続し続ける制度であってほしい。

 もう一点が、現在魅力的なラインアップがそろっていたとしても、当然、淘汰更新がなされて魅力的な制度が維持され続けること。

 この3つが、非常に重要なポイントかと思います。上限数を定める際に、それが阻害されないような水準にしていただければと考えております。

 先ほど日証協さんからもありましたけれども、本数が多いと確かに選べなくなる。これは、事実ではございます。

 ただ、羅列すると確かに難しいんですけれども、選びやすくするための配列の仕方、提示の仕方等を工夫することで、実際に投資家の方に選んでもらって投資行動に踏み出してもらえるようなことは前向きに検討するべきだと考えております。

 2番目に書いてございますけれども、上限数ということで、これは政令で定められますので、罰則規定等がかかわる世界になるかと思います。

 これにつきましては、図1というのを2ページ先につけさせていただいております。こちらは米国における指定運用方法を定めている年金プラン、これが17,459プランありますが、それぞれのプランの提示している商品提示数というのを横軸にして、点の一つ一つが各プランになっております。重なっているところは当然濃く写っている形になります。これを見ていただきますと、数字の制約条件のない米国において実際に提示されている本数、これは右上に書いてございますが、平均は23本というのが現実でございます。

23本が平均になるということですが、見てのとおり最大77本まで提示しているプランも存在しております。ここまで上限を求める必要はないと考えておりますが、実際に自由に本数が提示できる状況を想定しても、大体40本前後ぐらいのところまでを上限の範囲として各プランがそれぞれの裁量に応じて競争し、本数を提示することによって、平均として22~23本という数字に落ち着きそうだというのが実態でございます。

 こういったことを鑑みたうえで、望ましい本数を考えて見ます。アセットクラスで分けてみたり、投資手法で分けたり、カテゴリーで分けたりした場合でも、ざっくり30種類ぐらいのパターンは存在しております。それから、これにアクティブファンドを加えて10本程度乗ったとしても、40本ぐらいというのが上限として考えられる数字ではないかというのが当協会の見解でございます。

 上限を40にしたとして、各労使間の交渉等々で実際に提示するプランというのは、その範囲内である程度定められてくるかと思います。米国の例で見ても、そうであったとしても現実には二十数本程度というのが海外の実情ですので、望ましい水準としては二十数本程度、上限としては40本程度というふうなことが現実的ではないかと考えております。冒頭申し上げましたとおり、そのプラン間の競争を持続する。それから、将来的な展開の可能性を残す。そういった意味も踏まえて、こういった数字というのが一つの上限数として考えられるのではないかというのが当協会としての意見でございます。

 また、先ほどの個人型と企業型についてですけれども、企業といたしまして個人の場合には加入者の多様性が広がってまいります。そうした中においては、やはりアクティブの分野において本数をふやすとすれば、さらに10本程度上乗せぐらいの感じが検討されるかと思います。

 下のページでございます。先ほどの分布図でも、ターゲットイヤーはシリーズで1本と考えております。それから、アクティブファンドについても先ほどの参考の次のページにございますが、米国において各カテゴリーにおいてもアクティブの比率は約半分を超えております。こういったことから商品というか、制度の魅力を維持する意味においても、アクティブファンドについての本数というのはある程度必要だと認識しております。

 続きまして、指定運用方法の基準についてということで3ページ目のほうに戻らせていただきます。こちらにつきましては、あくまでも長期の資産形成を目的とする制度であるという観点から考えますと、実質的に資産がふえなければ意味がないという観点がベースになります。そうしますと、30年、40年デフレが続かない限りにおいては、ある程度期待リターンが得られるような商品というのをベースに考えるべきだと考えております。

 その具体的な手法としまして、当協会として挙げられますのはアセットクラスを分散して、しかも運用期間に応じてある程度リスクコントロールしていくターゲットイヤー型ファンドが最も望ましいかと思います。そのほか、バランス型、アロケーション型といった、ある程度、期待リターンが維持できるファンドというのが考えられるかと思います。

 そのほか関連する意見としましては、こういったデフォルトファンド、指定運用方法を提示するに当たりまして、あくまでも加入者が商品選択をしたものとみなすという旨が定められておりますが、これは労使等で決めていく中において事業主側では責任が問われないといったこと、これをある程度、明文化することによって、より普及を促せるのではないかと考えております。

 運用会社の立場の意見ではございますが、当協会からの意見としては以上でございます。御清聴ありがとうございました。

 

○ 森戸委員長

 ありがとうございました。

 では、ただいま2協会より説明のありました内容について、委員の皆様から御質問をい

ただきたいと思います。よろしくお願いします。

 

○臼杵委員長代理

 どうも貴重な御報告ありがとうございます。時間もありますので、たくさん伺いたいことはあるんですけれども、それぞれに2点お伺いしたいと思います。

 まず共通の御質問として、個人型については少し商品の上限を緩めたほうがいいんじゃないかというお話だったのではないかと思います。もちろんそれで競争が働くというところもあるかと思うんですが、逆に絞ることで競争が働く。いいものを選ぶという意味で競争が働いて、加入者は運営管理機関を選べるわけですから、欲しいものがある運営機関を選べば一つの運営機関に全てがなくてもいいんじゃないかという考え方もあるんじゃないかと思うのですけれども、逆にそれで多過ぎると、そこの運営機関の中で何を選んでいいかわからないという問題が出てくるかなということもちょっと考えたりしますので、その点をお2方にお伺いしたい。

 それから、証券業協会さんのほうは、スライドの5ページに「階層的な提示方法」というのがあります。確かにこういう形があるかとは思うのですが、逆にこれもどの階層のものを選んでいいかという、そもそも最初のそこから意思決定ができないと結局選びにくいんじゃないかと思ってやはり数というのは大事じゃないかと思うのですが、いかがでしょうかというのが証券業協会さんへの御質問です。

 それから、投資協会さんのほうにつきましては、これはおわかりになればということなんですが、実際にそのアクティブファンドでベンチマークに勝っているものがどのぐらいあるんでしょうかということです。以上です。

 

○森戸委員長

 ありがとうございます。では、共通の質問と、それぞれの質問とありましたので、まず日証協さんに共通のものと日証協さんの質問とまとめて答えていただいていいですか。

 

○日本証券業協会(景山)

 まず、最初の御質問にお答えいたします。個人型の本数で多過ぎると迷われるんじゃないかというお話をされていましたけれども、確かにそういう側面もあると思います。

 ただ、逆に言いますと、本数が多くて選びづらいというような方は、本数をより厳選した運管を選べばいいということだと思いますので、商品の本数を多く並べることを強味とする運管さんであったり、あるいは非常に本数を絞った選びやすい提示をする運管さんであったりということで、これは色々とあってもいいんじゃないかと思います。そして、選ばれる方が望ましいほうを選ぶ、あるいはそういう加入者の動きをみて運管側で色々と検討もされていくのだろうと考えております。

 それから、5ページの私どもの資料の階層的な提示方法について御質問いただきましたが、これは基本的には選べない、あるいは誰かに教えてほしいといったような方は階層の一番上の指定運用方法のところから選べばいいというような形の提示をわかりやすくしていけばいいのだろうと思っています。いわゆるコアのところの商品と、その周辺にあるサテライトの商品というような形で、その並べ方についてもその趣旨がわかるような提示方法をすればいいと考えております。以上です。

 

○森戸委員長

 ありがとうございます。

 では、投信協会さんお願いします。

 

○投資信託協会(松下)

 まず、最初のほうの質問ですけれども、結局、ある程度制限がある中で競争が生じるということについては大いに賛同する点ではございます。実際、運用会社の商品供給の競争においても、各運用会社はそれぞれスタイルがありまして、私どものように大手の場合には商品ラインアップの豊富さというところで信頼、資産をお預けいただいている部分もございます。

 逆に、例えば日本株の運用に特化している運用会社であるとか、それぞれの供給サイドの持ち味を生かしてラインアップを提供している運用会社もございます。それと同様に、運営管理機関におきましてもやはり絞り込んでアピールする。ここの運管であれば絞られてはいるけれども、いいものしかない。どこの運管もいいものしか提供していないと思うんですけれども、バリエーションの豊富さで打ち出すところも存在するかと思います。

 そうしますと、結局そこの分布状況というのが、先ほど手前どもで提示させていただきましたフィデリティさんとの図というのが実際海外で行われている参考例です。あれでやはり絞っている運管さん、多い運管さんとございます。

 ですから、多過ぎることで結局選べなくなってしまったら困りますので、ある程度の上限数というのを考えるべきだということについては賛同しますが、それは運管間の競争を阻害しない範囲にとどめたほうがいいのではというのが手前どもの考え方でございます。

 もう一つ、パフォーマンスの点ですけれども、ちょっと調べてみました。DC専用ファンド、過去5年、10年、それぞれのアクティブファンドのリターンです。これは、投資環境によってよかったり悪かったりということがございますが、過去5年の実施専用ファンドにおいては全てのファンドがトピックスを上回っております。

 逆に、10年やりますと約半数を超える55ファンド中34本というのが現実なんですけれども、これがトピックスを下回る結果となっております。下回り方も、どちらかと言うとマイナス10%程度以内の範囲内ですので若干下回る程度で、やはり環境によって勝ったり負けたりというのはありますが、5年、10年、今後の特に10年という日本の経済環境を考えるとアクティブが非常に厳しい環境下であったというのがあるかと思います。一概にパフォーマンスのいい悪いだけで判断せず、アクティブ運用それぞれのよしあしというのは存在しますので、これもやはりファンドというか、供給商品の選定であるとか、そういったところの競争につながるようにこういったラインアップは必要ではないかと考えております。

 

○ 臼杵委員長代理

 1点だけ、ちょっと確認なんですけれども、今のことは日本株ファンドに限定してということですね。

 

○投資信託協会(松下)

 済みません。日本株ファンドです。

 

○ 臼杵委員長代理

 日本株のアクティブファンドで、手数料控除後でということですね。信報控除でということですね。

 

○投資信託協会(松下)

 はい。

 

○ 臼杵委員長代理

わかりました。

 

○森戸委員長

 臼杵委員、よろしいですか。

 

○ 臼杵委員長代理

 はい。

 

○森戸委員長

では、ほかの委員の方いかがでしょうか。

 井戸委員、お願いします。

 

○井戸委員

 御説明ありがとうございました。

 まず、投信協会さんにご質問です。フィデリティのグラフのところで、アメリカは平均が23本で、多いところでは70本以上あるということで、1ページのところで御提示いただいている上限数が40本というふうに今お聞きしました。40本を選ばれた理由というのも今お聞きしたんですけれども、上限を定めるというところと、その40本というところの意味合いが私の中でちょっと理解ができなかったので、40本というのはどうしても多過ぎるという感覚がございます。

 実務上、例えばある企業さんだと全く同じ商品で信託報酬が0.42で信託財産留保額も必要だというのと、新しく導入されたのが0.17という場合があります。そうすると、当然そちらから全く同じ商品だったら新しく導入された方に移っていただいたほうがいいわけです。しかし、閉鎖するというのには多大な人件費とコストと、事業主もコストがかかるので大変だということなのですが、本数と、本当は閉鎖したほうがいいものと、コストを下げながらうまく入っていらっしゃる方が気づいて移動できるようなシステムみたいなものもあわせて私は考えていきたいと思います。そういうものもあわせて上限40本というのは何となく多過ぎる気がするのですが、いかがですか。

 

○森戸委員長

 では、投信協会さんお願いします。

 

○投資信託協会(松下)

40本という数字について、まず1つは先ほどフィデリティさんの米国における実態から大体これぐらいを上限にしておいたほうが実際の競争も発生するでしょうし、現実に20本程度になっているというところからしますと、感覚としては実際の提示本数としては20本程度が平均というのが日本でも現実に発生し得るのかなというところから、1つ考えたのは40という数字でございます。

 もう一つは、商品カテゴリーを認識した際にターゲットイヤーとバランス型、安定成長、積極というもので固定比率で低信報のもの、ある程度アロケーション等付加価値のあるもの、これぐらいでもざっくり7種類ぐらい存在します。

 それから、株、債券、REITといった主要資産の国内もの、これで3ぐらいで、これは海外でまた3つ、為替リスクを排除するとさらに3つ乗ってくるといったところが最低でも基本的なところかと思います。

 それで、これに新興国、それから預金、保険といった元本確保型の商品、それから冒頭申し上げました将来的に現在ないようなキャッシュ代替のオルタナティブ運用の商品であるとか、そういうものをカテゴリーとして考えますと、ざっくりそれだけでも30程度というのが現状協会として考えているレベルです。

 これはカテゴリーだけですので、一番コストの安いインデックスものだけでそれぐらいになりますから、これにアクティブものを全部にそろえる必要はないにしても10本程度、今のカテゴリーでそれぞれに準備しますと、40ぐらいというのはそんなにおかしな数字ではないのかなと思います。

 同じカテゴリーで、より信報の安い、コストの安い商品を追加していっても大丈夫なようにという意味ではなくて、やはりアセットクラスカテゴリーとしてもそれぐらいはあってもおかしくないのではないか。

 そこまでこの制度に可能性を広げるのか、もうちょっと絞り込んでベーシックなところにして、高度な運用手法についてはあくまでも個人に委ねるという考え方もありますが、運用会社として考えるのであればこれぐらいは必要ではないかということで提示させていただきました。

 

○森戸委員長

 よろしいですか。

 

○投資信託協会(石川)

 若干補足をさせていただきますと、40本という本数はあくまでも政令で規定する余裕のある数ということでございます。

 望ましい数はまた別で示すべきということなんですけれども、この40本というのはいわばゲームのルールを途中で変えるということでございますので、できるだけ既存の加入者、あるいは事業主に過度な負担や不利益が被らないような形で決めるべきだろうという考えでございます。

 そういう意味で、例えば平均は23本であっても、仮に40本というところで線を引けば、かなり多くの事業主や加入者に負担がかからないようなところではないだろうか。20本とか、平均あたりで決められますと、やはりそれを上回る事業主や加入者にとって相当大きな負担がかかる。そこを、私どもとしてはひとつ考えております。

 

○森戸委員長

 ありがとうございます。井戸委員、よろしいですか。

 

○井戸委員

 はい。

 

○森戸委員長

 では、大江委員お願いします。

 

○大江委員

 どうも御報告ありがとうございます。証券業協会さんにお聞きしたいんですけれども、資料の3ページで上限数が加入者にとって望ましい本数と必ずしもイコールではないというお話がありました。そういう中で、上限数については30本~40本ぐらいが適切ではないかという御報告をいただいたのですが、先ほど投資信託協会さんのほうは上限が40本で望ましいというような表現をされたどうかは記憶にないのですが、23本程度というお話がありました。

 これについて、例えば証券業協会さんのほうでは、その上限数は40とした場合、その加入者にとって望ましい本数というものの具体的なイメージとかお考えがおありかどうかをお聞きしたいということが1つです。

 それからもう一つは質問というよりは要望に近いのですが、今日お越しいただいている各団体の皆様方はいずれも確定拠出年金に関する業界の方ばかりなのですが、ほとんどが基本的には商品を提供する側の商品提供団体というところになりますので、当然のことながら商品を提供する側からすれば余り本数は制限してほしくないというのは誰しも共通することだろうと思うんです。

 では、実際にその商品を選定する側というのは運営管理機関がやるわけですし、実際に日々のオペレーション等についても運営管理機関がやっていくことになりますので、もちろん今日お越しいただいている団体の皆さんの中で傘下にそういう運営管理機関があるということも承知はしておりますが、少なくとも運営管理機関連絡協議会のような全体としてその運営管理機関の各業態から集まった団体のいろいろなお話とか、報告とか、そういうこともぜひ聞かせていただきたいと思います。

 これは今日御参加いただいている各団体の皆さんにではなくて、むしろ事務局様のほうへのお願いということにはなると思いますが、そういう意味で実務の面から今日お越しいただいている方よりは多分実務に関しては運管の皆さんのほうが詳しいかと思いますので、ぜひお話を聞かせていただきたいと思っております。

 

○森戸委員長

 2点目に関しては、先ほど景山さんも最後におっしゃったことと共通するかと思いますけれども、それはこの後の報告でも一部、運管の立場からのお話も少しは入っているかと思いますが、おっしゃることはもっともだと思いますので、事務局とまた検討して、要望ということでまた検討はしたいと思います。

 では、1点目の質問について日証協さんよろしいですか。

 

○日本証券業協会(景山)

 御質問ありがとうございます。上限本数は30本~40本ということで提示させていただきましたが、できれば40本がやはりありがたいと思っていまして、ちょうど去年マイナス金利の影響もあってDC-MMFの償還を今実施中なのですが、事務に1年近くかかりますし、なおかつ色々と加入者に向けて情報発信等はしているのですが、ほとんどの方がなかなか動いてくださらないということで、対応に非常に時間をとられております。

 また、MMFの場合には値段が動かないといいますか、固定的な商品ですからやりやすいのですが、やはり価格変動があるようなものを途中で除外していくということになりますと、そのタイミングによっては加入者の方にとって不利益といいますか、タイミングとして結果よくなかったというようなことも起こり得ると思いますので、既存のプランではやはり40本ぐらいの上限を確保していただきたいと思っています。

 そして、ここから望ましい本数では大体どの程度かという御質問なんですけれども、企業型であれば当該企業型の企業のお考えがあって色々だと思いますが、私見ということでお答えさせていただければ、やはり20本前後かなと思います。

20本ございましたらおおむねのカテゴリーを含めてくることができると思いますので、加入者の方の御理解をいただきやすいかと考えます。以上です。

 

○森戸委員長

 ありがとうございます。ほかの委員の方、いかがですか。

 では、清家委員どうぞ。

 

○清家委員

 幾つか御質問させていただきたいと思います。

 まず1点目は、指定運用方法について元本確保型の扱いについて該当しないというような御指摘をいただいておりますが、アメリカの場合も拝見しますと完全に排除しているわけではないということなのですが、両団体の皆様にお伺いしたいのは、これは完全に排除するという意味で該当しないんだということでおっしゃられているのかどうかを1点確認させていただければと思います。

 それからもう一点は、本数につきまして今、幾つか例示がされておりますが、それはあくまでも御提案いただいているように、幾つかのカテゴリーについては一つにまとめるということが前提での本数なのか、そうでないのか。その2点を確認させていただければと思います。

 

○森戸委員長

 では、日証協さんからよろしいですか。

 

○日本証券業協会(景山)

 元本確保型商品につきましてはどんなプランであっても基本は含まれていると思いますので、元本確保のほうがいいんだという加入者の方は元本確保を選んでいただければいいと思います。それと、法律では指定運用方法を設定できるとなっていますので、設定しないという選択肢もあると思います。その場合には全ての加入者の方に選択をいただくということになるわけでございますが、指定運用方法を定めるというときにはやはり元本確保はふさわしくないのではないかと基本としては考えております。

 それから、本数についての御質問ですけれども、これにつきましてはシリーズものはまとめるということを前提にして本数を提示させていただきました。以上でございます。

 

○森戸委員長

 ありがとうございます。

 では、投信協さんお願いします。

 

○投資信託協会(松下)

 運用のスタンスで考えまして、先ほど申し上げたとおり、やはり財産がふえなければ資産形成に役立たないというのが現実ですので、期待リターンがある程度読めるかどうかということが非常に重要だと考えております。

 当然、誰も損したくないわけですから、元本確保の仕組みがついていれば、なおよしという考え方でございます。現時点においては、このマイナス金利の環境下では、元本確保の仕組みをつけることによって結局求める期待リターンが得られないという状況になるのであれば望ましくないというのが運用としての考え方です。ですから、元本確保イコール、イエス、ノーという考え方はそもそも持っておりません。

 もう一つ、本数の数え方についてなんですけれども、これは運用の質が変われば別のファンド、当然運用の特性が変われば別のファンドという考え方でございます。

 ただ、ターゲットイヤーのように年限に応じて同じ質で運用するタイプのものについては、これは1本と考えていただくということを前提にしております。以上です。

 

○森戸委員長

 ありがとうございます。では、ほかの委員の方いかがですか。

 重富委員、どうぞ。

 

○重富委員

 ありがとうございます。それでは、運用商品数について少しお尋ねしたいと思います。

 この間、投資の世界でいきますと、新たな投資商品もさまざま開発されてきたんだろうと思っております。例えば40本ですとか本数はありますけれども、少ない数で商品数に上限、キャップがはめられた場合、商品を提供する側として確定拠出年金の投資商品の開発などにかかわる動機の部分について、上限があることで新たな商品開発に関する動機が少なくなってしまうような影響があるのかについて、それぞれ確認させていただきたいというのが1点です。

 それと、資料についてそれぞれ確認をしたいんですけれども、まず日本証券業協会さんのワードの資料ですが、2ページの指定運用方法のところで真ん中あたりです。下線が引いてある「指定運用方法の要件は」というところに書いてありまして、その商品としては資産形成に適した投資判断を行うことを支援するための商品が適当ということで、バランス型の投資信託が挙げられるという書き方をされています。指定運用方法の要件として、その商品が投資判断を行うことを支援するという、この意味合いについて説明をいただきたいというのが1点でございます。

 それから、投資信託協会さんの資料3-2になりますけれども、最後のページで、これも確認ですが、個人型における指定運用方法ということで、iDeCoの普及には指定運用方法の制度が措置されることも必要だということで書いてあるんですけれども、私の認識ですと個人型の加入者は投資意欲の高い方が多いのかなと思っておりまして、この指定運用方法を措置することが普及につながるということの意味合いについて教えていただきたいということでございます。

 それと、これは事務局への確認になるかもしれませんけれども、日本証券業協会さんの先ほどのワードの資料でいきますと3ページの(2)で、「運用指図の特例」の「ア」ということで「法改正後の新規の制度導入に関しては、原則としてDC規約において指定運用方法を設定する」ということで理解されていらっしゃるということなのですが、原則として設定をするものなのかについて、私の認識では設定することができるものと思っておりますので、その点を確認させていただきたいと思います。以上でございます。

 

○森戸委員長

 では、日証協さんのほうからよろしいですか。

 

○日本証券業協会(景山)

 まず、最初の新たな商品の開発に影響があるかということについては、やはり本数の上限が低くなればなるほど提供が難しくなってきますので、商品の開発、それから提供に対してのモチベーションは下がっていくということになり、やはり影響はあるのではないかと考えます。

 それから、2点目の支援するという意味合いなのですけれども、これはやはり日本のDCの中を見ても非常に元本確保型の商品が多くて、そこが望ましいと思って指図されている方もいらっしゃるのはよくわかるのですが、やはり年金資産ですから長期に分散された資産形成ができるようにしていくために、選びづらい人、誰かに選んでほしい人というようなニーズに対しては、やはりこういった指定運用方法のようなものをつくって後押しをしていくんだということで、今回この指定運用方法というのが設定されるんだというふうに趣旨を我々は理解しておりまして、そのような表現を使わせていただきました。

 

○森戸委員長

 事務局にとおっしゃいましたけれども、3ページの今、重富委員がおっしゃったことはどういう趣旨で書かれたかを教えていただいてよろしいですか。

 

○日本証券業協会(松本)

 まず、3ページのところの「原則として」ですけれども、法令上はこれはできる規定と認識しておりますので、解釈として直ちにこういうことが出てくるとは認識してございません。

 ただ、指定運用方法につきましては、2番目の御質問とも関係いたしますけれども、選ばなかった加入者がこの指定運用方法で運用するという消極的な意味に加えて、指定運用方法が確定拠出年金にあっては、最も基本的な運用方法であるという積極的な意味もあると考えてございます。そういう意味から、ちょっと筆が滑ったところもあるんですけれども、「原則として」ということで、そういう表現はさせていただいてございます。

 ちなみに、御質問いただいた2点目のところですが、投資判断を行うことを支援するというのも今、申し上げました積極的な意味もあるということで、投資判断を支援するという面でも指定運用方法が使えるのではないかということで書かせていただいているという趣旨でございます。

 

○森戸委員長

 ありがとうございます。事務局には特に聞かなくていいかと思いますけれども、何かありますか。いいですかね。

 では、投信協会さんからお願いします。

 

○投資信託協会(松下)

 まず、最初の質問の商品開発に影響があるかという点ですけれども、運用会社としてはDC専用の運用会社というのは余りないので、ありとあらゆる金融商品の開発、業界なりマーケット環境が変わった際に、より魅力的な商品をつくるという意味においての活動は特に影響はないと思います。

 ただ、DC専用商品ということで動き始めますと、結局、採用していただけるかどうかということを前提に商品を開発しますので、やはり本数制限があること自体はネガティブな影響は出ると思います。

 もう一点、指定運用方法を個人型にもという点なんですけれども、おっしゃるとおり個人でDCプランを選ばれる方というのはおのずと意識が高い方ですので、必要ないという考え方もあるかとは思います。

 ただ、実際に運用のプロフェッショナルであったとしてもマーケット環境、状況によってはまずは始めたけれども、一旦、置いておこうかというケースが多々、現実には存在し得ることですので、個人型においてもデフォルトというか、指定運用方法というのが規定されているのは望ましいのではないか、実際に投資に踏み入れる際の足がかりとしてあったほうが望ましいのではないかという考え方でございます。

 

○投資信託協会(石川)

 今回の法改正で、公務員の方々を含め、初めて投資信託を買うという方々も多く参入されます。投資初心者の方が相当多くこのiDeCoに加入されるというのも事実でございますので、そういう意味ではその方々はなかなか商品を選べないというところはあろうかと思います。

 したがって、やはり個人型にも指定運用方法というものが定められていたほうが、よりiDeCoに入りやすくなるのではないかと考えます。

 

○森戸委員長

 ありがとうございます。よろしいですか。ほかの委員の方はいかがですか。

 では、山崎委員。

 

○山崎委員

 山崎でございます。私のほうは、意見だけということにさせていただきます。

 証券業協会さんの資料の1ページ目で、アロケーション型ファンドというものの例示がございました。今までの議論の中では出てこなかった類型で、恐らく私もこれは指定運用方法の類型を議論するに当たっては、今後検討の中に一回入れておく必要はあるかと思いますので、今日お答えをいただくというわけではなくて、今後の議論の中でバランス型ファンド、ターゲットイヤー型ファンド、アロケーション型ファンド、それぞれの特徴の理解を踏まえながら、指定運用方法の例示として採用する意義があるかどうかということは議論が必要かなというのが1点目の意見です。

 もう一点目の意見は、同じ証券業協会さんの6ページです。上限の話はもちろんなんですけれども、リスク・リターン特性の異なる3つ以上の運用商品の提供という新しい法令に基づいた、このリスク・リターン特性の異なる3つ以上の運用商品というのは何かという基準の定義も本専門委員会で議論されてはどうかと、御意見を頂戴しているわけですけれども、これもまさにそのとおりかと思います。

 もちろん、どこかで議論がされてパブリックコメント等に出て、また民間の意見もいただいて最終的な成案に至るんでしょうけれども、もしよかったら専門委員会の中でも1回ぐらいディスカッションがあってもいいのかなと思いました。

 一応、意見2つでございます。

 

○森戸委員長

 ありがとうございます。では、御意見ということで先にいきたいと思います。

 ちょっと時間も既に押しておりますので、また後で最後に全団体に対する質疑応答の時間もとっておりますので、ここでとりあえず2協会分については終わりにしたいと思います。

 では、次にいきますが、この分でいくと皆さんお昼を食べられませんので、ちょっとスピードアップというか、どうしても全委員質問しなければいけないということではありませんので御協力いただければと思います。別に発言を遮るつもりはないんですけれども、最後にももうちょっと時間をとっていますのでよろしくお願いいたします。

 では、信託協会さんよろしくお願いします。

 

○信託協会(清水)

 信託協会会長会社、三菱UFJ信託銀行の清水です。横におりますのが、弊社担当の西部と申します。基本的には、私のほうから御説明をさせていただきたいと思います。

 まず、本日はヒアリングの機会を与えていただきましてまことにありがとうございます。

 信託協会につきましては、信託制度の発達を目的とします一般社団法人でございまして、加盟会社は社員会社4社、準社員会社が55社、計59社で構成されております。本日は、社員会社間での議論を踏まえまして運営管理機関としての御説明をさせていただければと思います。

 それでは、早速ですけれども、資料に沿って御説明させていただきたいと思います。

 資料の2ページをご覧ください。本日は、提供本数の上限並びにデフォルトファンドに関しましてポイントを絞って述べさせていただきたいと思います。

 まず、1点目の上限についてでございます。今回、政令で上限数を示すということでございまして、何本といろいろ議論はあるかと思うんですけれども、それに当たりまして当協会としましてはあわせて労使合意を前提とした特例というのを設けていただきたいと考えております。

 商品を選定いたしますのはあくまでも運営管理機関でございますけれども、労使でしっかりとした協議をして、それを踏まえて運営管理機関が商品を選定していれば、法令の上限を上回る商品の提示が可能であるというふうにしていただきたいというお話でございます。

 この背景につきましては、私どもの実務の現場に沿って「背景」と書いてあるところで御説明をさせていただきたいと思います。

 まず1つ目のレ点ですけれども、現在、商品の選定に当たりましてはどうやっているかといいますと、私どもが運管を受託したとしますと労使様の御意向をヒアリングしまして、その会社様の特性ですとかその企業様の事情といったものをまず把握してまいります。

 例えばどういうことかと申し上げますと、うちの会社の従業員は投資を怖がっているので、最初は少し少な目にしてほしいですとか、あるいはうちの会社というのは海外展開でいろいろな国に行っているので、新興国投資なども抵抗ないどころか、むしろちょっといろいろなところに投資したい人が多いんですとか、あるいは金融業、それに近いようなサービス業さんですと、うちの会社はかなり詳しい人が多いのでいろいろな商品を並べてほしいとか、そういったようなことを事業主様からよく伺います。

 そういったことを踏まえて、運営管理機関がそれぞれの選定プロセス、これは各社いろいろあると思います。具体的なところは次ページにありますので、後ほど御参照いただければと思いますけれども、それらを経て選定していくといったことをやってございます。

 こういったことをやってまいりますと、それぞれの事業主様で事情とかそういう背景が異なってまいりますので、ある会社様では15本で足りるとしても、他の会社様では20本以上になるかなということになりますので、その結果としての商品本数は異なってまいります。

 私どもが特例と申しますのは、1つにはそういうことを実際にやった結果として制定の本数をちょっと上回ってしまったというところにも対応いただければといった趣旨で書かせていただいております。

 次に、2つ目のレ点でございます。仮に今回、日本全国いろいろな会社様が25本とか、30本あれば十分かなということで定めたとします。これは現在の話だと思うんですけれども、その数というのは多分、年々上がっていくんじゃないかと見ております。ここでは金融リテラシーの向上と書いてございますけれども、我々運営管理機関がまさに取り組んでおります投資教育ですとか継続教育、こういったものによってリテラシーが上がってくると、やはり加入者様の商品へのニーズというのは多様性が広がっていくのではないかと考えておりまして、そういったときにちょっと法令の上限に抵触しても、そこでしっかり労使協議とかをして対応していただければと思っております。

 本日の資料に間に合わなかったので大変恐縮ですけれども、口頭になりますが、弊社のコールセンターに寄せられているそういった加入者様の声を一部御紹介させていただきたいと思います。3つほど、御紹介させていただきます。

 1つ目としましては、伝統4資産では選択肢が狭過ぎる。これは、20本以上商品がある会社様の加入者様です。

 2点目、リスクの高い商品をもっと入れてほしい。これは二十数本、20本を大きく上回る会社様の加入者様です。

 3つ目、自己責任で運用するというのならば選択肢がもっとあるべきだ。これは少し傾向がございまして、20本以下の商品数の会社様ではこういった声が多く出るようでございます。これは、結構ありました。

 こういった方々につきましては、コールセンターの話をよくよく聞いておりますと比較的投資に詳しい方、ここで言うリテラシーが高い方でございまして、それぞれの方が言わんとするところは商品を入れかえてくれという話ではなくて、増やしてくれといった声でございます。

 次に3つ目のレ点でございますけれども、法改正の時点で上限は超えているのですが、既に全てのファンドに従業員の一定水準、1人とか2人とかじゃなくて、何十人とか100人とか、そういうような形で投資しているプランの企業様ですとか、あるいは合併して上限を超えてしまって、まだやはりそれでも一通り投資しているというような会社様につきましては、その時点で既に選べている、選択できているということかと思いますので、そういった先についての何らかの考慮というのは必要になるのではないかと考えております。

 以上が先ほどの特例の背景でございまして、商品本数の考え方につきましては記載のとおりでございますので一旦、省略をさせていただきたいと思います。

 続きまして、資料は飛んでいただきまして5ページへお進みください。デフォルト商品についてでございます。デフォルト商品につきましては法の23条の2で、長期的な観点から物価その他経済事情の変動により生じる損失に備え、収益の確保を図るということでございますので、1点目のレ点にありますように、まずは適切な資産分散が図られたファンドが適しているというふうに私どもは考えてございます。

 ただし、事業主様が自社のDC制度を導入したとき、その当初にそのDC制度を退職給付制度とか、あるいは福利厚生のメニューの中でどういうふうに位置づけ、それでデフォルトファンドというものをどういうふうに考え、議論してきたか。さらには、運用についてどう考えてきたのだろうか。それを労使で恐らく話し合っていると思うんですけれども、どこまで共有したか。

 こういったことを振り返ってまいりますと、特に想定利回りが低い制度などでは元本確保商品も排除すべきではないのではないか。適しているとかということではないですけれども、排除すべきではないと考えてございます。

 1点目の2行目の元本確保型商品の記載、それから2点目の下線を引いておりますけれども、基準を制限し過ぎるべきではないというのは、そういった趣旨で書かせていただいてございます。

 もう少しこの点で、ではどういう過去があるのかということを振り返って述べさせていただきますと、事業主様からよく聞こえてまいりますのは、やはりインフレというのは私どもも当然理解しているつもりですけれども、そういったときの目減りに対するよりも、やはり元本が割れたときの痛み、こちらのほうを重視せざるを得ない。そういった事業主様につきましては、これまでの法律のたてつけ上はデフォルト商品は定期でよいということでございましたので、ではうちの会社の従業員にとっては無理に選択を迫る必要がないんだな。そうであれば、DC制度というのはもう少しポジティブに考えてみようかということで検討を重ねて、その前提で労使協議をされたという会社が多いのではないかと認識しております。

 この前提がいいのかどうかという議論はちょっと別でございますが、ただ、そういった経緯がございますということを申し上げたいわけでございます。

 そういった方々が既に日本全国で何千プランとあるかと思うのですけれども、そういったプランにとりましては今回デフォルトをリスク性資産だけにするとか、そういった話になってまいりますと相当大きな考え方の転換ということになろうかと思いますので、やはり相当しっかりした会社様の中でも議論する時間、それから労使の協議をする時間、そして加入者全員に対して周知していくといったプロセスが必要になるかと思います。

 そういったことを踏まえますと、元本確保も候補に入れるとか、それから3点目のレ点でございますけれども、線を引かせていただいております、十分な経過措置の期間といったものを設けていただければと考える次第でございます。

 背景のところに3つほど書かせていただいておりますけれども、2点目のところはこれまで私が述べたところと趣旨が重複いたしますので省略させていただきます。

 最後のレ点のところですけれども、ここで申し上げております法的リスクに対する担保というのはいわゆるセーフハーバーに関してでございまして、今回、政省令で定める基準ということがうたわれておりますので、それでもということなのですけれども、その内容によるのかなということです。

 それから、先ほど申し上げた経緯を踏まえますと、マイナスの収益になっていた場合、やはり訴訟リスクは気になるということで、ぜひ御検討いただければということで書かせていただいております。

 若干、最後にこの点を補足させていただきますと、訴訟する方というのは基本的にはかなりお怒り、御不満になっているということかと思います。それで、訴訟に勝てるか、負けるかというのは非常に重要な点ではございますけれども、我々としてはそういったことが頻繁に起こらないことがいいのかなと思ってございます。やはりそういうことがあちらこちらで起きますと、運管だけではなくてこの制度自体のレピュテーションということもやはり気になるところでございまして、そういう観点で書かせていただいてございます。

 私どものほうはポイントだけになりますけれども、以上でございます。ありがとうございました。

 

○森戸委員長

 ありがとうございます。

 では、続きまして全国銀行協会より説明をお願いします。

 

○全国銀行協会(山内)

 それでは、全銀協を代表いたしまして、業務委員長行であります三菱東京UFJ銀行のほうから「運用商品提供数の上限および指定運用方法の基準について」、発言をさせていただきます。

 本日は、このような場をいただきましてまことにありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 お手元の資料は右下にページ数が振ってございますが、全18ページございますが、必要な箇所につきまして御説明をさせていただきます。

 まず「運用商品提供数の上限について」でございますが、1ページ目に記載のとおり、上限数につきましては加入者様の選択の機会を損なわないよう十分な水準としていただきたいと考えております。

 現状の商品数は、企業型でございますと労使合意のもとで運営管理機関が専門的知見に基づいて選定提示を行っているということで、各プランともやはり相応のレンジで商品がラインアップされていると考えておりまして、選定に当たっての基準や考え方は大体各金融機関とも同様な考え方ではないかと考えております。

 詳細につきましては、資料の2ページから6ページをご覧いただければと考えております。

 私ども全銀協では、7ページから10ページにかけまして意見を集約しております。7ページをご覧いただきますと、上限の意見につきましては加入者の選択の機会を損なわないよう十分な水準としていただき、労使合意により柔軟な運用商品の提供数を設定できるようお願いしたいと考えております。

 先ほど信託協会からもお話がありましたとおり、いわゆる説明会の場ですとかコールセンターの声を拾いますと、どちらかというと商品数が多くて選べないというよりは、もっと商品をふやしたらいいのではないかというような声が多いように感じられます。

 あとは10ページに記載しておりますけれども、商品の数え方ではございますが、バランス型ファンドにつきましては、例えばスタティック型でございますと組み入れ資産の配分比率が異なる投資信託商品で、大体そのうちのどれか1本を選んでいただくということが一般的ですので、こういったタイプの商品につきましては複数セットで1本とお考えいただきたいと考えております。

 8ページ、9ページには運用商品の除外ですとか、年金開始後商品についての意見を記載しておりますので、また後ほどご覧いただければと考えております。

 次に、11ページから18ページにかけまして、指定運用方法の基準について意見を述べさせていただきます。私どもの立場としましては16ページに記載をしておりますとおり、長期の資産形成の観点からはやはり投資信託商品の適用を検討するとともに、一方で多様な労使ニーズ等もございますので元本確保型も含めた検討も課題というふうに考えております。

 現状、いわゆるプランに元本確保型が多く並んでおります背景としましては、各運営管理機関がお客様に対しまして加入時に運用割合を御指定いただくようなことを説明会等でも進めておりますけれども、やむを得ず運用指図ができない方ですとか、あるいはそれでも運用指図を行わないという方がやはり見られることもありまして、安全性の観点で元本確保型商品をデフォルトとしているケースが現状は多いように考えております。

 多様な労使のニーズに合致しているかどうかですとか、投資に関心が低い層に対するリスク性商品での運用につきまして、これを適用することを課題として整理することは必要になってくるかというふうに考えております。

 指定運用方法を投資信託商品といった元本確保型商品以外とする場合には、17ページに記載のとおり、いわゆるセーフハーバールールの適用を御検討いただくことで広く加入者の方々に御認識をいただくことができるとともに、事業主や運営管理機関にとっても訴訟リスクが抑制されるのではないかと考えております。

 最後に18ページになりますけれども、2点、平成30年6月の施行までに加入された加入者の方の扱いにつきましては、今後の掛け金についても、例えば従前どおりの対応を認めていただきたいというふうに全銀協では考えております。

 また、DC制度を支えますレコードキーパーと呼ばれるRK会社もございます。これはDC制度を支えている非常に重要な会社でもございますので、今回の法改正等に当たりまして、全てのRK会社のシステム整備が完了するまで、こういった今回の対応につきましても一定の猶予期間を御検討いただきますと、こちらについても助かると考えております。

 以上をもちまして、全銀協から発言を終わらせていただきます。ありがとうございました。

 

○森戸委員長

 ありがとうございました。

 では、ただいま2協会より説明のありました内容について、委員の皆様から御意見、質問があればと思いますが、いかがでしょうか。

 では、大江委員。

 

○大江委員

 御説明ありがとうございました。全銀協さんにお聞きしたいのですが、資料15ページのところで「デフォルト適用になっている加入者に対して運管や事業主が行っている働きかけ」ということで、企業型、個人型、それぞれさまざまな働きかけを行っておられるということがこれでわかったのですが、具体的にこういうふうな活動を行うことによって、実際にその未指図の状態になっている加入者の方の数が変化したかどうかとか、そういったことのデータはお持ちでしょうか。

 

○全国銀行協会(山内)

 未指図者の働きかけにつきましては、その効果測定まではできておりませんが、各金融機関によってデータを捉えていると思います。今この場では持ち合わせておりませんが、一般的な傾向としましては、例えば個人別の管理資産額の通知がお手元に届く季節になりますと、コールセンターとかWebのアクセス件数がやはり非常に多くなる傾向がありまして、そういう意味では金融機関の働きかけによってそういった未指図者の方ですとか、あるいはいわゆる運用の預け替え等をされたことがない方が考えられるタイミングとしては、非常にいいタイミングであるかなと考えております。

 

○大江委員

 ありがとうございます。

 

○森戸委員長

 よろしいですか。ほかの委員の方、いかがでしょうか。

 では、井戸委員。

 

○井戸委員

 ありがとうございます。私も、全国銀行協会さんに御質問させていただきたいと思います。

 御説明ありがとうございました。10ページの下のところに「年金開始後商品は運用商品提供上限数から除外していただきたい」という文言がありまして、理由が「年金の受給タイミングで選択できる商品性で」と書いてありますが、ここのところは70歳まで運用し続けることができるので、ここを書かれた理由をお示しいただければと思います。よろしくお願いします。

 

○全国銀行協会(山内)

 年金開始後商品というのは一般的に5年、10年、15年、20年で受け取る確定年金とか終身年金を指しておりまして、通常は加入者、あるいは運用指図者の方が今後、年金裁定をされて商品として年金を受け取りたいというときに出てくる商品になっていまして、通常の社員の方への説明会の折などはこういった60歳以降、裁定請求で年金計画のお知らせというときに書類がお手元に届くんですけれども、ここで出てくる商品がいわゆる年金開始後商品と言われるものになっております。そういう意味では、通常の商品のラインアップとは別のものという位置づけをしておりまして、今回このような記載をさせていただいております。

 

○井戸委員

 ありがとうございます。では、年金に関しては本数は別という意味なんですか。

 

○全国銀行協会(山内)

 通常のいわゆるGICと言われる保険商品は元本確保型の商品と同じ、いわゆる定期預金等と同じ位置づけになりますので、それを商品数の上限の中に入れる、入れないというものについては、これは定期預金と同じような位置づけになると思っています。

 

○井戸委員

 わかりました。ありがとうございます。

 

○森戸委員長

 ほかの委員の方、いかがでしょうか。

 臼杵委員、どうぞ。

 

○臼杵委員長代理

 どうもありがとうございました。私が事前にお伺いしたようなことにほとんどお答えいただいているのに急な質問で恐縮なんですけれども、元本確保という場合に毎月とか、毎日毎日、元本確保をしていないといけないのか、それとも60歳までに元本を毀損しなければいいのかという2つの考え方があると思うんですが、例えば40歳の人が20年の国債を買うという場合、満期まで持っていれば基本的には元本確保される。

 ただ、途中で金利が動いたりするとマイナスになることもあるというような考え方があると思うのですが、元本確保という場合、本当に毎月、元本確保する必要があるのかどうかについて、2つの御発表のところにお伺いしたいんですけれども。

 

○信託協会(清水)

 基本的には、やはり毎日だと思います。金利が急激に上がると、その時点で国債といえどもマイナスになることはございます。そのときに加入者様がどういった状態になるのかというと、価格がマイナスになっているという意味においてはほかのリスク性資産と同じ状態になってくるかと思いますので、そこはやはり毎日なのかなというふうに考えます。

 

○全国銀行協会(山内)

DC制度のいわゆるいいところというのが、コールセンターとかWebでいつでも預け替えやスイッチングができますという制度になっておりまして、そういう意味でいきますと定期預金にしても保険商品にしても、きちんと元本が割れない状況というのが必要になってくるのではないかと思いまして、恐らく国債を満期までお持ちになりたいという方がいらっしゃったとしても、途中でスイッチングで違う商品に変えたいということが起こり得るときに、元本が割れてしまうということになりますと、性質上は元本確保商品と言いにくいのではないかと考えております。

 

○臼杵委員長代理

 わかりました。ドイツのリースター年金制度では、たしか60歳までで元本を確保すればよかったのかなと、誤解かもしれませんけれども、ちょっとそういうこともあったのでお伺いしました。どうもありがとうございました。

 

○森戸委員長

 ほかの委員の方、いかがでしょうか。

 では、重富委員。

 

○重富委員

 ありがとうございます。先ほど、日本証券業協会さんと投資信託協会さんの御説明でいきますと、運用商品数のところで、仮に商品数が多いことを理由に選ぶことができないというような加入者がいるとして、商品の提示方法などで工夫をすればいいのではないかというような御意見もありましたけれども、そうしたところで工夫の余地があるのかどうかについて確認させていただきたいと思います。

 また、先ほどの御説明ですと、そもそも運用商品が多過ぎて選べないというような課題を聞かれていないということかと受け止めたのですが、そもそもそういう課題があるのかどうかも含めて、あればそういう工夫の余地があるのか、あるいはそもそもないのか。その点についても教えていただきたいと思います。

 

○信託協会(清水)

 直接的に多過ぎて選べないという声を聞いているわけではないんですけれども、恐らくそれはコンセンサスとしてあるのだろうなというふうに認識してございます。もちろん人によりけりですけれども、そういった中で見せ方で工夫の余地というのは当然あると思います。例えばその見せ方というのを法令とか、あるいは制度的に先ほど証券業協会さんがお示しされたようなことは一つの工夫だとは思います。

 ただ、これもちょっと重複しますけれども、やはりそれが推奨とか何かとの境目、ここがちょっと今、微妙な状態にあるのかなと思います。

 あとは、それをいつもスタティックに何か掲げておくとかという方法よりも、これは投資教育といいますか、継続教育の話になってくると思いますが、こういうふうに見せて、これが何であるのかというのをきちんと説明していくことによって当然、我々は選べるようになっていくと考えています。本数で決めて選べるようにする、その見せ方、継続教育、こういったいろいろなレベル感の中で改善していくんじゃないかと考えています。

 

○全国銀行協会(山内)

 現在、多くの運営管理機関では、例えばWebを使ってリスク許容度診断というようなものを行っております。このリスク許容度判断に基づきますと新たなリスク許容度に応じて、こういったカテゴリーの商品は例えば適しているのではないですかというようなレベルまでは実際お示しをすることはできるんですけれども、現状は推奨が禁止されております。そこから先に今ラインアップされている商品は具体的にこういった商品になっていますというところまでモデルの例示ができるようなことがあれば、そういったようなものはひとつ、その運用方法の提示などの工夫の余地としてはあるかというふうには考えております。

 

○森戸委員長

 ありがとうございます。よろしいでしょうか。

 では、山崎委員。

 

○山崎委員

 私のほうは、また意見ということで言わせていただきます。

 全銀協さんの資料で、まず13ページ目です。指定運用方法の運営について、具体的な政省令とかで定めていく中で確かにナーバスなテーマが幾つかあって、1つは指定運用方法が想定しているのは恐らく健康で勤労されていて、ただ、どうしても商品理解が及ばないので指定運用方法で投資をさせたほうがいいのではないか。

 確かに、この13ページ目で御指摘されているような長期療養中、例えば鬱病でちょうど療養中で、でも掛け金は得られる立場にあって、私の友人でも実際、会社がDCを入れることになったので上司がわざわざ説明に来てくれたというんですけれども、仕方ないので定期預金100%と書いて出したというんですね。

 ただ、そうじゃないときにこの適用がされると、極めてリスク許容度が低い方が本当にバランス型ファンドみたいなものになっちゃっていいのかなというのは、確かにこういう長期療養中みたいな方というのはちょっと特殊なケースですけれども、少し配慮はもしかすると必要かもしれない。今後の議論の中で一回、俎上に上げる必要があるかもしれないなと思いました。

 あと、18ページ目は今度は既に定期預金等をデフォルト商品と理解されていて、ただ、会社の規約が変わった。そうしたら、新入社員は新しい指定運用方法で対象になるのはわかるんだけれども、既存の社員もいきなり切りかえてもいいのかという問題があると思うんです。

 確かに商品説明を受けたときには、未指図の場合は定期預金だ。それが、来年の6月からはあなたの1万円はある月突然、4月分は定期預金、5月分は定期預金、6月分は投資信託と変わってしまうというのが長い目で見れば、でもそれは好ましいのかなと思いますし、ただ、本人にとってのインパクトというか、影響というのはあるので、これはしっかりした説明を要件とするのか。ここはもし取り扱いをするのかは、これもまた議論かなと思いました。

 質問というわけではなくて、意見ということで2点です。

 

○森戸委員長

 わかりました。では、御意見ということで承っておきます。

 私から質問が両協会に2点ずつありまして、両協会さんとも現状運管がどうされているかという話で、労使合意でという説明がありましたけれども、労使合意とおっしゃった場合、組合がない場合の労使合意というのはどういうことをやっているのかというか、何をイメージされているかというのが1点目の質問です。

 2点目は、これは資料としては信託協会さんの5ページの資料にかかわるのですが、両方に質問させていただきたいんですが、意見のところで、デフォルトで「制度の目的や位置づけがプラン毎に異なることに鑑み、デフォルト商品の基準を制限しすぎるべきではない」というお話がありました。全銀協さんのほうも趣旨としては同じようなことをおっしゃったかと思うんですけれども、私の感じだと、デフォルト商品の話というのは、要するにその制度の目的とか位置づけはプランごとに異なるんだけれども、制度の目的や位置づけがわかっていない人というか、わかろうとしない人というのか、それにデフォルトをどうするかという話だから、その制度の目的や位置づけが異なるという話と、そのデフォルトをどうするかという話は一応分けなければいけないんじゃないかという気がしたんですが、その点はどうお考えかということです。

 2点ずつなんですけれども、お答えいただければと思います。

 

○信託協会(清水)

 ありがとうございます。2点目のほうを私から、1点目のほうは西部のほうから御回答させていただきたいと思います。

 デフォルト商品の基準の話とそのプランの話、そもそもわかっていないのであるからという御議論かと思いますけれども、おっしゃる論点も多分あるのだろうと思います。

 ただ、やはりそうはいってもその制度に参加している人だと思いますので、やはり提供する会社側、あるいはそこに参加してくる運営管理機関というのはそこを無視していくということはちょっとつらいのかと思います。やはりそれを踏まえた上で、その人たちがほかの従業員様と同じようにベネフィットを受けられるといった視点で考えていくべきということを私ども念頭に置いて、先ほど言ったようなことを発言させていただきました。

 

○信託協会(西部)

 1点目につきましては、労働組合がないような会社様であっても、その就業規則の変更を行う場合などですと、やはり労働者の方に御説明をして意見を聴取するというような仕組みを持っておられることが多いかと思いますので、それをそのまま使うか、少し変形されるかは会社様ごとの御判断ですけれども、そういう仕組みを使って意見をお聞きになられているかと思います。

 

○全国銀行協会(山内)

 組合のないところにつきましては今、信託協会からもお話がありましたとおり、従業員の代表というのが決められて、そこで従業員の声を拾って合意に持っていくという形が一般的だと考えております。デフォルト商品のところにつきましては回答がストレートに正解かどうかはわかりませんが、全銀協としましては投資信託商品の適用というのは検討というのは十分、値していると思っております。

 ただ、その中でも一方で、企業様によってはニーズもちょっと異なってくる。例えば、労使の話し合いの中で、それがやはりうまく受け入れられるかどうか等もありますので、そういう意味では元本確保型商品も含めた検討も課題というふうに考えておりまして、そういった位置づけで考えているという状況です。

 

○森戸委員長

 わかりました。ありがとうございます。

 ほかの委員の方、いかがですか。この両協会さんに関してはよろしいですか。また後でも時間がとれますので、ではこれで2協会については終わりにしたいと思います。ありがとうございました。

 では、続いて今度は生命保険協会より説明をお願いしたいと思います。

 

○生命保険協会(今井)

 生命保険協会でございます。本日は、このような機会をいただきましてまことにありがとうございます。お時間が限られてございますので、早速御説明に移らせていただきます。

 表紙をおめくりください。こちらにお示ししているのが、本日の御説明の内容でございます。運用商品提供数の上限、指定運用方法の基準、それぞれにつきまして現行実務を御説明した上で当協会の意見を述べさせていただきます。

 では、1枚おめくりください。初めに基本的な考え方でございます。当協会といたしましては、運用商品提供数及びデフォルト商品の設定、こちらに関する見直しの必要性というものに関しては前提として共有してございます。

 一方、企業型DC制度の多くは退職金制度として実施されているケースがございまして、見直しの際には多様な企業様のニーズへの配慮も必要なのではないかと考えてございます。

 また、個人型DCにつきましては、加入様自らが運営管理機関を選択できるという特性、こちらにつきましても考慮に入れる必要があろうかと考えてございます。

 以降、これらの基本的な考え方に基づきまして御意見を申し上げます。

 3ページをご覧ください。まず、運用商品提供数の上限でございます。最初に企業型について御説明した上で、最後に個人型について触れさせていただきます。

 4ページでございますけれども、こちらのページから幾ページかにわたりまして企業型の商品選定の実務につきまして、私ども第一生命の事例を中心に御説明をさせていただきます。

 まずは選定に当たっての基本的な考え方でございますが、記載の4点のような基本スタンスで運用商品の選定実務を実施してございます。

 続いて、5ページをご覧ください。御参考といたしまして、商品選定のベースとさせていただいております商品ラインアップを記載してございます。商品選定の際には、このような第一次案というものをお客様に対して御提案申し上げて、その後、労使交渉、労使協議を経て商品ラインアップが決定していくという流れでございます。

 次のページをご覧ください。こちらが今、申し上げました商品ラインアップにつきまして、労使合意に至るまでの大まかな流れでございます。まず初めに運営管理機関から案を御提案申し上げて、続いて事業主様と運営管理機関の間の協議に移ります。その上で労使の協議を経て、最終的に商品ラインアップを決定するというようなプロセスでございます。中段の四角囲みにありますような視点といったところを、それぞれのステップにおきまして考慮した上で協議を行っていくというのが一般的ではないかと考えてございます。

 7ページをご覧ください。こちらは第一生命、私ども個社が運営管理機関を受託させていただいております規約におきまして、実際に提供されている商品数でございます。左の円グラフでございますけれども、提供本数が20本を超える規約がおおよそ4割、30本を超える規約は1割未満となってございます。

 また、右の表をご覧いただきますと、投資対象ごとに複数の選択肢が確保されてございます。これは加入者様の知識レベルに応じて複数のラインアップを用意したり、あるいは最新の商品をラインアップに追加されたいというような企業様のニーズによるものでございます。

 次のページをご覧ください。こちらは、運用商品のラインアップの説明の一例でございます。一般的にはDC法令に定める記載事項を満たす形で、主に商品内容で分類した運用商品のラインアップを御説明してございます。

 次のページをご覧ください。先ほどは一般的な例ということでお示しいたしましたけれども、法令要件を満たす一般的な開示に加えて、運営管理機関各社が見せ方にそれぞれ工夫をしているという例もございます。それが、このページにお示ししている事例でございます。あくまでもこちらにあるのは一例でございますけれども、例えば加入者様の運用スタイル、あるいは投資経験に応じて分類して提示するということで、加入者様が着目する商品がおのずと絞られて商品を選びやすくなるのではないかということで工夫をしている事例でございます。

 次のページをおめくりください。以上を踏まえまして、企業型におけます運用商品提供数の上限についての生命保険協会としての意見でございます。選択肢が多過ぎることが加入様の選択を困難にするという側面は十分に理解してございます。

 ですが、労使の実情といったものを踏まえますと、運用商品提供数を一律に制限するのは望ましくないのではないかと考えます。つきましては、原則では政令で定める数を上限とするものの、例外として適切な選択が損なわれるおそれがない場合には上限を超える本数を設定できるということにされてはいかがかと考えてございます。

 例外事例といたしましては、下にお示ししているボックスに記載している例などが挙げられます。先ほど御説明した、選択肢を分類して提示している場合なども例外事例に含まれるのではないかと考えます。これによりまして、商品選定における一定の上限を意識させつつ、実態に応じた商品提供が可能になるのではないかと考えます。

 なお、原則の上限とする本数につきましては、現状の選択本数を踏まえまして30本程度を念頭に置いてございます。

 続いて、個人型でございます。11ページをご覧ください。運用商品選定に当たっての考え方などは、企業型と同様でございます。実際に提供している商品の本数の実態でございますけれども、こちらの表に簡単にまとめさせていただきました。当協会の会員会社の例だけを見ても、運用商品のラインアップにはそれぞれ特徴がございます。加入者は、これらの中から御自分に合った運営管理機関を選択できるのではないかと考えてございます。つきましては、加入者が運営管理機関を選択できる個人型につきましては上限の設定は不要と考えてございます。

 以上、ここまでが運用商品提供数の上限についてでございます。

 続いて12ページ、「指定運用方法の基準について」の御説明をさせていただきます。

 1枚めくっていただきまして、13ページをご覧ください。まずは、デフォルトの商品選定に当たっての考え方と実態でございます。当社、第一生命の例で御説明をさせていただきます。現在、デフォルト商品の選定に当たっては安全性が重視されており、ほとんどのケースで元本確保型商品である定期預金、あるいは保険が選択されてございます。

14ページをご覧いただきますと、これらの実態を踏まえた指定運用方法に関する生命保険協会の意見でございます。「分散投資効果が見込まれる商品」を指定運用方法に設定することにつきましては賛成してございます。

 一方で、指定運用方法を「分散投資効果が見込まれる商品」に限定するということに関しましては、労使の理解が得られない場合があるのではないかと懸念してございます。例えば左の円グラフになりますが、想定利回りが設定されておらず、リスクをとった運用を行わなくてよい場合ですとか、右のグラフになりますけれども、離転職を繰り返して勤続年数が短いケース、あるいは加入時点で既に50歳を超えていらっしゃるようなケースなど、長期投資のメリットが十分に得られない場合などでございます。

15ページをご覧ください。以上を踏まえまして、こちらの下の表にお示ししているのが当協会として指定運用方法に含まれるべきと考える選択肢でございます。

 まず「分散投資効果が見込まれる商品」につきましては、指定運用方法の要件として現行の法令解釈通知で示されている定義を引き続き適用するということでよいのではないかと考えます。個別具体的な商品としては、ライフサイクルファンドですとか、ターゲットデートファンドなどが想定されますが、これらの運用方法は例示にとどめて、商品提供機関の創意工夫の余地を残すことが望ましいと考えます。

 「元本確保型商品」につきましても、労使の実情に応じて指定運用方法に設定できるようにすることが考えられます。考慮すべき労使の実情としては表に記載のとおりでございますけれども、運用リスクをとる必要性が低い場合、あるいは長期の分散投資効果が期待しがたい場合、さらに定期的に指定運用方法を再評価する場合などが想定されるかと思います。

 次のページをご覧ください。最後に御参考として、単一商品を指定運用方法に設定することに加えて「複数商品の組合せ」を指定運用方法の一類型として認めることも御検討いただけると、より労使の実情に合った運営が可能になるものと考えてございます。

17ページをご覧ください。これまで御説明した内容の「まとめ」でございます。詳細は割愛させていただきますけれども、生命保険協会といたしましてはDC加入者の運用の改善を目的とした法改正については賛同してございます。つきましては、円滑な法施行のため、労使の多様性にも一定御配慮いただいた検討を実施していただくよう御要望申し上げます。

 最後になりますけれども、DC制度の普及発展を通じて加入者の老後に向けた資産形成がより充実したものになるよう、会員各社を通じて引き続き尽力してまいります。

 御説明は以上でございます。御清聴ありがとうございました。

 

○ 森戸委員長

 ありがとうございました。

 次は、日本損害保険協会より説明をお願いいたします。

 

○ 日本損害保険協会(中津野)

 日本損害保険協会を代表しまして、損害保険会社は今4社ほどが運営管理機関をやっておりますが、それを中心に年金制度PTという集まりがありまして、今そこのリーダーを務めさせていただいております、あいおいニッセイ同和損保の中津野と申します。どうぞよろしくお願いいたします。本日は、このような場にお呼びいただきましてまことにありがとうございます。

 それでは、資料に沿いまして、もう最後の団体の説明になりますので、かなりダブるところはありますけれども、駆け足でお話をさせていただきたいと思います。

 まずは、1ページからご覧いただければと思います。「運用商品提供数の上限関連」のところの運用商品選定数や構成の決定に当たっての基準や考え方、考慮要素のところなのですが、基本的には事業主のニーズにあわせた内容を最優先にしております。

 ただ、とはいえ、いきなりはわからないので、私どものほうから運営管理機関として提供するのは元本確保型商品があって、伝統的な4資産の資産、ファンドがあって、それにパッシブがあったりアクティブがあったりします。それで組み合わせたバランスがあったり、不動産投資信託があったりというようなお話をして、その中から事業主さんがこれとこれをというような感じで選んでくるような形が多いかと思います。

 私どもとしてはなるべく同じタイプ、この同じタイプというのはカテゴリーですね。国内株式ならば国内株式という中で、幾つも同じ商品を並べないようなことを考えております。せいぜいパッシブとアクティブを2つ準備するというような程度かと考えています。

 それから、これもなるべくということなのですが、投信会社をどこかに偏らないような形で割り振っていければということと、第三者評価機関がございますので、そちらで適格となっていないファンドなどは今ほとんどないですけれども、その中でもどうしてもお客さんから見ると手数料というのが目につくので、そこが低くても問題がない先や投信を選んでいるというような状況にございます。

 それから、個人型については損保業界全体に言えるのですが、ほかの業界団体さんと比べると対象としているお客さんの規模が小さい。100名に満たないような企業さんがかなりたくさんおりまして、そういう中小企業さん向けにちょっと目線を置いたお話になってくるところはあると思うのですけれども、そういう中で個人型というのも中小企業さんは結構雇用の回転が早いというか、雇用されている期間が短いケースも多かったりして、会社として制度を入れた後、退職して、その後にどうしても個人型に移換しなくてはいけないというケースも多かったりするので、企業型と基本的に類似した、場合によってはそっくりそのままの商品ラインアップというような設定をしているケースが多うございます。

 続きまして、ページをめくっていただきまして2ページ目になります。労使合意のなされかたは、今ちょっとお話がほかさんでもありましたけれども、それこそ中小企業なので労組がある場合がほとんどございません。基本的には先ほどもお話がありましたように、通常の何か就業規則等を決めるときにやるようなやり方で従業員代表を選んでいただいて、その方と合意をして皆さんに周知していただくというような流れをとっております。

 まためくっていただきまして、ラインアップ全体をどう説明しているかということです。まず、企業型については事業主に対してはこういうラインアップでいきましょうということの最終確認をさせていただいて、そうなった経緯みたいなものをお話させていただいています。個人個人に対しては説明会みたいなものを開きますので、その中で簡単に、これ本当にごく簡単にということになろうかと思います。従業員さんに下ろすときにそれほど反対意見が出て、それではだめだというようなことはなかなかございませんので、こういう趣旨で選んでいますよとか、こういう商品なんですよとか、こういう値動きをしていますよということを簡単にお話しします。余り細かく話してもわからないという方も大勢いらっしゃいますので、最低限のことだけお話ししていまして、その後はコールセンターなり、あるいは加入者へのインターネットサイトのほうで商品の内容はお示ししているということになります。

 個人型につきましては、個々に集まっていただいて説明する場も特にございませんので、パンフレットの中にチラシを挟んでみたり、あるいはわからないところはコールセンターに誘導したり、インターネットサイトを見ていただくというような形になります。

 続けてめくっていただきまして、4ページになります。実際に提示している商品の実態のところなのですが、先ほども申し上げましたように事業主のニーズ優先なのですけれども、おおむねほぼ10本から20本前後で収まっております。ちょっと企業規模が小さいということも関係あるのかもしれないですが、多くてもせいぜい三十数本ぐらいで、平均すると大体15本か、もうちょっと多いかなというぐらいのレベルになっています。商品の種類としては、先ほど申し上げたような商品が基本的に並んでいるという状況です。それで、個人型は先ほど申し上げましたように企業型と基本的に同じような形をとっております。

 次をめくっていただきまして、ここからは意見ということになるのですけれども、まず企業型について言いますと性質の異なるもの、いわゆるカテゴリーごとに一つずつ選ぶという前提でいうと20本あれば多分十分で、特に小さい企業さんでそんなに同じカテゴリーの中に何本も入られても、そこからどれを選べばいいのかということにも出てきますので、20本もあれば十分という理解ではおります。

 ただ、今後新しい考え方のコンセプトの商品が出てきたりとか、あるいはちょっと手数料が安くてほかと余りコンセプトが変わらない商品があったときに追加したりすることを考えると、もうちょっと上げて30本程度までというような考え方もあるかと思っております。

 それから、その次ですが、同じ企業の中でも当然ながら加入者の中には運用に関する知識がある方もいらっしゃれば、全くわからないという方もいらっしゃるので、ある程度の数はそろえる必要があるのかなと、余りにも少なくて5本とか6本とかになってくると全部のカテゴリーを網羅できないということにもなるので、10本というお話も最初はあったようですが、その辺だとちょっと少ないので、やはり目安としては先ほど申し上げた20~30ぐらいというようなイメージを持っております。あくまでも中小企業に目線を置いた話というところが中心になっていますので、そこは御承知おきください。

 それから、「併せて講ずべき措置」のところですけれども、どうしても既存規約の商品除外において、当該商品の指図をしている者の中で今、出ているお話の中では所在が明らかな者の3分の2以上の同意を得たら、当該商品の新規購入を認めない閉鎖型に移行するというお話に多分なっているかと思うのですけれども、その当該商品を上限数のカウントから外すという措置を行うということで今お話が進んでいるのかなということを確認したいということが1つございます。

 それから、個人型については企業型と基本的に考え方は同じなのですけれども、複数社がいる中ではやはり個人型のDCについては加入者が自分から進んで加入してくるということがございますので、そのときにはどういう商品ラインアップになっているということも見ながら入ってくるということを考えれば、運営管理機関の独自性に任せるのでいいのではないですか。余り制限を設けなくていいのではないですかという意見もございます。

 ただ、そうは言っても、例えば企業から退職してきた方々にしてみると、やはりそんなに積極的に個人型に入ってくるわけではない方も相当数いらっしゃいますので、一つの意見としてこういう考え方もあるというふうに御認識いただければと思います。

 次に、6ページにいきます。ここはもう皆さんからお話が出ていることなのですけれども、数え方の問題についてはターゲットイヤーファンドですとかバランスファンドみたいなもののワンシリーズは1本という考え方がやはりよろしいのかなと思います。

 1つ飛ばしてしまいましたけれども、元本確保型も同じような仕組みのものについては年限が違う程度であれば1本と数えてもよいのかなと思っております。

 3つ目ですが、これもお話が出ていたと思いますけれども、実際にやっていらっしゃるところもあるようですが、本当によくわからない初心者の方に対してはここから選んでください。それで、もうちょっといけるよという方についてはもっと広いこの辺からも選べますよというような例示をさせてもらえればと思っていたのですが、もうされているところもあるようですけれども、そういうふうにしたときに特定の商品を推奨しているとみなされないということをどこかにちらっと書いていただくなり、措置を講じてもらえればというのがここに書いてある趣旨でございます。

 7ページから、「指定運用方法の基準関連」のところになります。まずデフォルト商品については運管によって、そもそも現時点で局長通知で出ているデフォルト方式をやっているところとやっていないところがあるのですけれども、やっているところについては当業界は投資の初心者がかなり多いということもありまして、基本的には元本確保のもの、とりわけ元本保証、まさに先ほどちょっとお話が出ましたけれども、いつ解約しても元本を割らないような商品を選定しているケースが多いです。

 やはり事業主さんにしてみると、特に中小企業さんで投資経験のない方々を抱えている会社さんにしてみると、わからずに選んでいる方が放っておいて気がついたらマイナスになっていたということになってもらっては困るというお考えのところが多いということで元本確保型に基本的にはなってしまうということになります。

 続きまして、8ページです。これは簡単ですけれども、実態としてはデフォルト方式を取り扱っているところについては基本的に預金または保険で、ほんの一部、零点何パーセントぐらいで投資信託を選ばれる。ここは、事業主さんがそれを指定してくればそれにしているというようなケースもまれにございます。

 9ページで意見のところなのですが、1つ目がマイナス金利ですとか、インフレとか、貯蓄から投資への流れから鑑みれば、ターゲットイヤーファンドとかバランスファンドを指定運用方法とすることが望ましいというところは理解しております。これに元本確保型商品も含めた複数の商品を組み合わせたポートフォリオみたいなもの、これはもう組み合わせなので一つの商品ということにはならないのですけれども、多分一般のバランスファンドと言っても投資信託なのでどうしても投資信託の組み合わせでしかないのですが、そこに元本確保型も加えたような、例えば預金が4割入っていて、それ以外の4資産が例えば15%ずつ入っているような商品も一つの固まりとして、一つの指定運用方法だというような考え方ができないものかという意見がございます。

 それから、これは業界さんでばらばらなのでしょうけれども、我々としてはお客さんのニーズを考えると、どうしてもデフォルト商品の中に元本確保商品を外すことはできないと考えております。これもお話が出ていますように想定利回り0%ですとか、そもそも想定利回りを設定していない規約も結構ございますし、長い目で見れば運用する意味ではリスク性の商品が必要なのでしょうけれども、雇用期間が短いですとか、もう受給の年齢が迫っているですとか、そういう方々についてそれでもわからない方がいらっしゃるわけで、何を選ぶか迷っていてそのままデフォルト商品になっている方については、元本確保を使うというニーズはかなり高いかと考えております。

 最後のものは、もういろいろお話が出ていますように、セーフハーバールールのような仕組みはやはりつくっていただければと考えております。

10ページにまいりまして、デフォルト適用になっている加入者に対して現在行っている働きかけのところについては、これは一部の運管でということになってくるのですけれども、一部の運管でというのは2つ目のところがそうなのですけれども、1つ目のところは継続教育とかでデフォルト商品として設定されている預金、元本確保が多いわけですが、それだけではインフレ時の対応にはならないのですよとか、そういうようなことは説明しているケースがございます。

 それから、想定利回りを設定している事業主さんでは、それだと会社があげようと思っている金額に達していないんだということを社内で呼びかけているというようなところもありますし、資料の作成を依頼されたりするというようなことがございます。

 あとは、半年ぐらいのペースで、あなたはまだ何も運用指定していなくてこの商品になっていますよというような注意喚起をするというような働きかけをしているケースもございます。

11ページ、最後になりますけれども、その他指定運用方法に関する事項としまして、本人が選ぼうとしている商品とデフォルト商品、元本確保型商品なのですが、これが一致していることはわかっていて、だから何も運用指図をしていないという方も結構いらっしゃいます。既にデフォルト商品で運用している加入者に対して、第4号施行日以降に運用指図のやり直しをもう一回させるというのはちょっと厳しいのかなと、現在でデフォルト商品になっている方はもうそれで運用商品を指定したんだとみなしていただくようなことができればと考えております。

 最後に企業型年金規約で定める期間、その特定期間、5年とかを設定して、特定期間についてはデフォルト商品適用、5年ではなくてもっと短かったですね。デフォルト商品適用については現金管理とすることとなるようなのですけれども、既存のプランについては第4号施行日から即日現金管理に移行することになるように読めるのですが、それだとさすがにちょっと急なので、そこについては経過措置なり猶予期間みたいなものを設けていただければということを希望しております。

 大変駆け足でしたけれども、以上になります。御清聴ありがとうございました。

 

○ 森戸委員長

 ありがとうございました。

 では、ただいま2協会より説明のありました内容について、委員の皆様から御質問をいただきたいと思います。

 では、臼杵委員お願いします。

 

○ 臼杵委員長代理

 1点だけ生命保険協会さんにお願いなのですが、事前にもちょっとお伺いしてはいるのですが、想定利回りをゼロでも低水準でもいいのですけれども、達成すると確かに退職金規定上の以前の退職金には到達するかとは思うのですが、インフレ等に対応できないのではないかと思うのですが、そこはもう労使でそういうふうにのみ込んでいるということであればそれでいいということですか。

 

○ 生命保険協会(今井)

 御質問ありがとうございます。DCの2つの側面、すなわち退職金制度の一部としての機能、あるいは公的年金の補完としての機能をどのように考えることかと思います。

 企業型DCにつきましては、退職金として運営されているケースが比較的多いというのが実情でございますので、まずは従前の退職金水準をいかに低リスクで確保するのかといった点を優先しつつ、公的年金の補完としての物価上昇リスクですとか、そういったところにまで踏み込んで対応するか否かといった部分は労使の判断によるものなのではないかと考えてございます。

 

○ 森戸委員長

 ありがとうございました。

 では、大江委員。

 

○ 大江委員

 どうも御説明ありがとうございました。先ほど、臼杵委員長代理から元本確保型の定義というお話がありました。それは、60歳到達時に元本が確保されたらいいのか、それともいつ換金しても元本は割らないということなのかということで、先ほど信託協会さんと銀行協会さんのほうからはスイッチングとか、そういったこともありますし、常にどんな場合でも元本を割らないという定義であるべきだというお話だったですね。

 それで、私の認識が間違っていたら御指摘いただきたいのですが、例えば保険商品の一部には中途で換金した場合に金利情勢によっては解約控除がかかって元本を割る場合があるというふうに私は認識しているのです。ということは、それはもう元本確保型には入れないということでよろしいのでしょうか。それが、生保協会さんに対する御質問です。

 

○ 生命保険協会(今井)

 ほか様に対する御質問でございましたので、回答をその場では控えさせていただきましたけれども、御指摘のとおり私ども保険会社が出させていただいている商品、元本確保型という定義の中で扱わせていただいてございます。

 ただ、一方で御指摘の内容でございますと中途で解約、自らの意思で解約した場合等につきましては解約ペナルティーがかかった結果、元本を毀損するという可能性がございます。あくまでも元本確保というふうに十数年前、DC法施行の当時に規定された中においては、満期まで持つということをもって元本が確保されているという定義で私どもは商品開発させていただいたという経緯がございます。

 その意味で、正確に言いますと、元本確保と元本保証というのは実は私どもの業界の中では呼び分けてございます。

 

○ 大江委員

 ということは、満期まで保有した場合に元本が確保されるという定義だということですね。

 

○ 生命保険協会(今井)

 さようでございます。

 

○ 大江委員

 あと、もう1点済みません。これは損害保険協会さんにお聞きしたいのですが、ほかの団体さんからの御報告に比べますと、やはり商品数が実際に採用されているものが少ないというような感じがするのです。それは企業の規模によるものだというお話だったのですけれども、例えば損害保険協会さんの場合ですと総合型のプランというのがあって、これは多分ケースによって違うのだろうと思うのですが、総合型プランにおける本数というのは一般的にどれぐらいの感じなのか。それも、ちょっとお聞かせいただけるとありがたいと思います。

 

○ 日本損害保険協会(中津野)

 ほぼ全部10本台、12~13本から20本ぐらいまでの間がほとんどだと思います。

 

○ 大江委員

 総合型のプランで提供されているものが、それぐらいの本数ということですね。

 

○ 日本損害保険協会(中津野)

 そういうことになります。

 

○ 大江委員

DCの場合は、大企業さんの場合はほかの年金制度とか退職金制度がありますけれども、中小企業さんの場合はこれしかないということなので、むしろそちらのほうが議論をする場合は非常に重要な部分が含まれるかと思っているのです。そういった点で今、本数をお聞きしたかったということです。ありがとうございます。

 

○ 森戸委員長

 ありがとうございます。ほかの委員の方はいかがですか。

 

○生命保険協会(今井)

 済みません。大江先生から先ほど御指摘いただいた御質問に1点だけ補足させていただきますと、生命保険会社でGICというふうに呼んでいる保険商品がございますけれども、中途で御退職ですとか、そういった場合には確保されてございますので、あくまでも一般的な話で、途中で自らの意思で解約した場合には、確保されない可能性があるということでございます。

 

○ 大江委員

 そうですね。中途で本人の意思でということですね。わかりました。

 

○ 生命保険協会(今井)

 そういうことでございます。

 

○ 森戸委員長

 ほかの委員の方、いかがでしょうか。

 井戸委員、どうぞ。

 

○ 井戸委員

 御説明ありがとうございました。生命保険協会様の10ページのところを少し教えていただきたいのですけれども、原則は政令で定める本数を上限としているのですが、例外で適切な選択が損なわれるおそれがない場合となっておりまして、下のところに実際の例をお示しいただいているのですけれども、その中の1つ目の「・」でございますが、選択肢を分類して提示している場合は例外になるということは、この9ページのところにあるような運用スタイルとか投資経験で分けるとか、こういうようなイメージなのでしょうか。具体的にわからなかったので、教えていただければと思います。

 

○ 生命保険協会(畑岡)

 御質問ありがとうございます。お答えいたします。

 委員の御理解のとおり、9ページにあるような見せ方の工夫をしていれば例外の事由に当たると考えてございます。

 ポイントとしましては、労使によっては本数が多くても選びやすいような工夫をされているケースがございますので、そういった点についてはあわせてやるのであれば一定程度尊重したいという趣旨でございます。

 

○ 井戸委員

 ありがとうございます。そうすると、何か例外のところがふえそうな気がするのですけれども。

○ 生命保険協会(畑岡)

 それでも、実質的に加入者の方が選びやすいということが担保されていればよろしいのではないかと考えてございます。

 

○ 井戸委員

 ありがとうございます。

 

○ 森戸委員長

 よろしいですか。ほかの委員の方、いかがでしょうか。

 では、山崎委員。

 

○ 山崎委員

 損害保険協会の資料の5番で確認いたしたいという指摘がありましたけれども、損保協会というか、これは事務局へのことですが、これは今の段階で未定ならば未定ということでも構わないですけれども、既存の商品について既に保有されている方はいらっしゃる。ただ、新規の買いつけは商品除外がされた場合にはカウントから除外されるという理解でよろしいのですか。

 

○ 森戸委員長

 では、事務局お願いします。

 

○ 青山企業年金・個人年金課長

 この経過措置上、そういう整理をしております。

 

○ 森戸委員長

 それは、よろしいですか。

 ほかにいかがでしょうか。両協会に対する御質問等は、ほかの委員の方いかがですか。よろしいですかね。

 ありがとうございました。では、とりあえず2協会への説明、御質問のところは終わりということにしまして、この後は改めてといいますか、全体を通してもし質問があればいただきたいと思いますが、その前に本日御欠席の杉浦委員からの質問を事前にいただいていますので、それを事務局のほうからお願いします。

 

○ 青山企業年金・個人年金課長

 今日御欠席の杉浦委員の御質問を読み上げます。

 加入者の多様性というポイントから考えても、ある程度の数の商品のラインアップが必要と考えますが、資料を拝見するとそれなりにアグレッシブなものも入れたいという業者もいるように見受けられます。労使の合意の範囲も重要な論点ですが、やはり適合性原則的な考え方をとると、加入者の金融リテラシーの問題も重要かと考えますが、投資教育以外にどのような方法でリテラシーの程度を個別の加入者に対して確認できると考えられるか。その方法論について、具体的な手法や意見があれば教えていただきたいということでございます。以上です。

 

○ 森戸委員長

 そういう御質問を事前にいただいていますので、日本証券業協会から順に御回答いただけますでしょうか。

 なお、今までの御説明の中で既にお答えいただいている部分もあるかもしれませんので、そこは省略していただいてよろしいかと思います。

 では、順に済みませんが、よろしくお願いいたします。

 

○ 日本証券業協会(景山)

 では、お答えさせていただきます。

 例えば、私が所属しております野村グループも確定拠出年金を導入しておりまして、業の性格上、当然のことながら加入者の金融知識は相当担保されておりますので、リスクの高い商品が出ても問題ないと思います。それは極端な例としましても、一般の企業の場合、業種、勤務形態、それからグローバルな営業をされている企業かどうか等、個々のお客様の像を理解した上で商品ラインアップを検討することが大切だと考えております。

 

○ 森戸委員長

 順番に、よろしいですか。

 

○ 投資信託協会(松下)

 投資信託協会の立場では、あくまでも商品供給の側ということで、直接投資家の方とかに触れる機会がほとんどないのが現実です。

 ただ、昨今ロボアドバイザー的な機能でやはり投資経験等アンケート、ヒアリング等々によって投資家のリテラシーの程度をある程度図って、それに適した金融商品を提供するという動きはしております。

 ですから、形としては似たような形態、Webを使ったヒアリングであるとか、先ほど証券業協会さんでもありましたし、銀行窓販においても似たようなことをやっておられるようですけれども、経験、年収、それから職種等々、そういった概形的なところである程度判断していくという形になるかと考えております。

 

○ 信託協会(清水)

 信託協会です。リテラシーの確認できる方法ということで、先ほどたしか全銀協さんがお話されていたと思うのですけれども、リスク許容度診断みたいなものが多分各社あると思います。そういった中で質問項目として世帯年収とか、運用経験とか、そういうようなことをヒアリングしていると思います。そういったことで一つ確認ができるのかなということです。

 それから、新しい試みで多分あるのかなと思うのですけれども、日本全国のいろいろなデータを集めて、あるいはそれを業種ごとに分けたりして、そことの比較感でアンケートをとって、比較感でリテラシーが高い人、低い人などという分類方法もあるのではないか。これは個社の意見ですけれども、そういった測定方法もあると思っています。

 

○ 全国銀行協会(山内)

 全銀協です。恐らく各運営管理機関さんにおかれては、特に企業型の場合はプランの分析というのをまずされていると思います。その企業におけるプランの従業員が、例えば男性とか女性に応じてどういった商品を選んでいらっしゃるかとか、まずはそのプランの分析に基づきます。そこから個々人に落とすというのは個人情報の関係もあり難しいと思いますので、最終企業型であればやはり継続教育といったものにつながってしまうと思う。そのプランの分析ということが最初の足がかりになっているかと思います。

 一方で、個々の方々が自分で認識をしてもらうということも必要になってくると思います。それが先ほど申し上げました、例えばリスク許容度診断ですとか、こういったものを活用していただいて、御自身でも自分のリスク許容度を認識していただきながら、あとはいろいろな情報収集をしていただいてリテラシーを上げていただく。個々の自助努力のところで、ぜひともそういうことを御検討いただきたいと思っております。

 

○ 生命保険協会(畑岡)

 これまでお話も出ていますけれども、個人のリテラシーを確認する方法としましては、例えばアンケートの形式でして、残存の勤続年数ですとか、また個人の金融資産、こんなものをヒアリングすることによって結果をスコアリングして、個人のリテラシーを図るというようなことを実施してございます。

 一歩進みますと、リテラシーの水準に応じた商品ラインアップを限定して見せるようなことですね。そういったことを、いろいろな切り口で細分化していって提示するということも今後は考えられると思いますけれども、そうなってきますとやはり個別推奨の話とセットで議論するべき話かと考えてございます。以上でございます。

 

○ 日本損害保険協会(中津野)

 日本損害保険協会です。投資教育の場ではそれなりに確認できるところはあると思うのですけれども、そうでないとなるとやはりなかなか難しくて、例えば個人ベースのものまでの動きは我々がきっちり把握できないものなのですけれども、頻繁に売り買いをされている方ですとか、あるいはリスクの高いものを選ばれている方はそれなりに金融リテラシーが高いと推測できるかと思います。

 あるいは、コールセンターとかWebによく閲覧に訪れているとか、そういう方々についてはある程度興味を持っているということも含めて金融リテラシーが高いというふうに判断はできるのでしょうけれども、正確に個々人を追いかけていくということはできなくて、企業全体の数字として見ることができる程度かと考えています。

 

○ 森戸委員長

 ありがとうございます。

 どうぞ、臼杵委員。

 

○ 臼杵委員長代理

 これは今の関連で商品数とも関係するのでお伺いしたかったのですけれども、全団体にお伺いするというより、もしおわかりになる団体様が例えば運営管理機関等でおありになればということで、アグレッシブな商品、いわゆるとがった商品に投資されている方ですとか、例えば1年以内あるいは半年以内に頻繁にスイッチングされている方とか、そういうセミプロのような行動をされている方というのは実際にどのくらい加入者の中でおありなのか。5%なのか、10%なのか、もっとあるのか、そういうところがもしおわかりになればどこかお教えいただければと思います。

 

○ 森戸委員長

 どこか御回答いただけるところはありますか。

 

○ 臼杵委員長代理

 なければ、いいです。

 

○ 森戸委員長

 なかなか答えづらいかもしれないですけれども、そういう人は、金融リテラシーが高いのだか低いのだかわからないですね。中身はいろいろな方がいますから。

 

○ 臼杵委員長代理

 私が申し上げたかったのもその点で、要するにそういう人のニーズにまで応える必要があるのかというところです。

 

○ 森戸委員長

 わかりました。ありがとうございます。

 では、今の杉浦委員の御質問については一応お答えいただいたということで、ありがとうございました。

 今日は12時半ぐらいまではいいであろうということになっておりまして、出席の委員からまだ全体に対して、あるいはどこかの協会さんに対して質問をもうちょっとしたかったというところがあればいただきたいと思います。

 では、大江委員お願いします。

 

○ 大江委員

 よろしくお願いします。これは事前の質問でもお出ししているのですが、商品選定に当たって普通原理原則というか、当然労使で話し合って方向性を決めて、それを運営管理機関さんとお話をされて、商品を運営管理機関さんが中心になって選定をして合意していくというプロセスになっていくと思うのですが、その際に事業主さん、あるいは労働組合さんの側に商品選定に当たってコンサルタントが入ってくるというようなケースもあるかと思うのですね。

 これは一般的には、多分よほどの大企業でない限りは労使ともに、会社側についても、労働組合さん側についても運用の専門性、金融商品の専門性ということについてそれほど詳しくないという形が一般的でしょうから、それをサポートするような形で組合側、あるいは会社側としてコンサルタントが入ってくるというケースは結構あるのではないかという気がするんです。

 そういうケースというのは、これもなかなか運営管理機関さんでないとわからないと思うのですが、どれぐらいの比率があるのか。つまり、労使側が十分理解した上で運営管理機関と話し合っているケースというのはどれくらいあるのだろうということをちょっと聞きたくてお聞きしているんです。

 

○森戸委員長

 では、運管関連でしょうか。今のお話で何か、要するにコンサルタント的な外部の人とか、そういう人が入って労使協議というか、その選定をしている企業がどのぐらいあるのかというイメージで、データというのはないかもしれませんけれども、何イメージがあれば運管関係でお願いします。

 

○日本証券業協会(景山)

 では、お答えいたします。この1年間ぐらいで言いますと、商品の追加というところでコンサルの方が入ったケースはなかったように思うのですが、運営管理機関の選定というところも含めて新規に導入されるようなケースであったのは、比率というと難しいんですけれども、全体として1割ぐらいはちょっと超えてきているんじゃないかなという感じがします。感覚的な数字で大変恐縮なのですが、多少はコンサルを入れる企業様も出始めているというふうに認識しております。

 

○森戸委員長

 それは、やはりいわゆる大企業ということですか。

 

○日本証券業協会(景山)

 そうですね。

 

○森戸委員長

 では、信託協会さんお願いします。

 

○信託協会(清水)

 ほぼ同様なんですけれども、追加のときというのはないだろうということです。

 それから、普段から入れられているところは済みませんが、把握していないのですけれども、この1~2年ぐらい見ていて、コンサル会社を制度導入するとき、運営管理機関をどこにしようかというところで入ってこられるところはぱらぱらと見られますが、これも感覚になってしまうのですけれども、一応、当社のそういう案件は私が全部見ているのですが、年間数百件ぐらいそういうコンペティションがあるんですけれども、入っているところはやはり数えるぐらいで、1桁だと認識しています。

 視点としては商品をどうしましょうとかではなくて、制度のほう、運管をどうしましょうというところでコンサルタントが入っているというふうに認識しております。

 

○森戸委員長

 ありがとうございます。では、全銀協さんお願いします。

 

○全国銀行協会(山内)

 具体的な数値自体は持ってはいないんですけれども、外資系の事業主様の場合には運営管理機関の選定から商品の選定に至るまで、コンサルタントを活用されて行われているということが業務経験上よく見られるかと思っています。

 

○森戸委員長

 ありがとうございます。では、生保協会さんお願いします。

 

○生命保険協会(今井)

 私どもも具体的な割合というものは承知してございませんけれども、やはり外資系様ですとか、大規模な事業主様でコンサルを入れられるというケースが少しずつふえてきているのかなというふうに感じます。

 ただ、本音を申しますと、表に出てこられないで入っていらっしゃるコンサルさんもいらっしゃいますので、正面切ってコンサルティングファームのお名前を出して御質問いただくこともあるんですけれども、そうでないケースも潜在的にはあるのかなというふうには推察いたします。

 そういった意味合いも含めまして、正確なデータというところは正直つかみ切れていないというのが実情でございます。

 

○森戸委員長

 ほかはよろしいですか。

 ありがとうございます。では、ほかの御質問、御質問はいかがでしょうか。出席の委員の方からもう少しあればと思いますが。

 では、私から、これはどこに聞くのかわからないんですけれども、お話の中で皆さん、特に運管中心にお話いただいたところでしょうか。やはりその企業のニーズなり、労使のニーズというのがあるので、それにあわせて商品数も指定運用方法も変わるものですよというお話があったと思います。

 それはよくわかりますし、それからそのプランの分析が必要だという話も先ほどありましたが、ただ、最初の導入のとき、ちょっと言い方が悪いとまた怒られるんですけれども、要するに企業の労使のニーズが大事だ。それを把握しなければいけないというのはわかるんですけれども、それは結局、人事の人がどういったとかという話で、うちの会社は大体こんな社員ですよというような話なのか。それとも、うちの会社はこういう組織で、こういう年齢構成で、こういう性別で、こういう人で、こういう業種だからと、ある程度、本格的な分析みたいなものを人事の方と一緒になってやるようなイメージなのか。企業のニーズ、労使の実情が違うというのはわかるんですけれども、それはどういうふうに把握されているか。

 あとは、そうはいっても、うちの会社は大体こんな人が多いんですけれども、でも全員じゃないですよねということは恐らくあると思うし、先ほどコールセンターに電話がくるとかで本数をふやしてくれというのも、社員の99%は投資なんか興味ない人だけれども、物すごい興味を持っている人が1人か2人はいるかもしれませんね。大体、そういう人が電話をかけてくるわけでしょう。

 だから、そういうことをどういうふうに把握した上で、ここで労使のニーズとか企業のニーズというふうにおっしゃったのか、もうちょっと深く聞きたいなと思いまして、大体説明いただいたとは思うんですけれども、もし補足で何か伺えることがあればお伺いしたいんです。

 では、信託協会さんお願いします。

 

○信託協会(清水)

 まず、労使の聞き方はどんなことなんですかということですが、定形化したフォーマットがあるわけではないんですけれども、大体、運営管理機関に御指名いただいてから施行するまで1年とか、もうちょっと時間があるかと思います。そういった中で、その前からもいろいろな会話をすることがあるんですけれども、そもそもなぜDC制度を入れるんですか。どういう位置づけにするのですか。移行割合は8割なんですか、2割なんですかということがあると思います。

 そうすると、従業員さんに、ではDBのほうでは標準的に老後生活をカバーするような位置づけになっていますとか、では2割のところはちょっと余裕の部分なんですよねとか、そういう話が仮にあるとするならば、ではこちらのほうが少しはリスクをとれるんですよねという感覚が出てきます。

 また、一方で運用利回り、想定利回りがすごく低かった場合、それについてどう考えるかというのはあるんですけれども、それ以外にも、では福利厚生の中でどう考えたんですかとか、これを導入するに当たってほかの手当を廃止したんですかとか、そういったようなことも含めて聞いてまいります。

 そうすると、想定利回りというのは一つの軸として運用のターゲットになるんですけれども、それ以外の今、言ったようなところで幅が出てきて、もちろんインフレとかはどう考えているという話も含めてやっていくのかなといったことかと思います。

 先ほどのサンプルでコールセンターの声を私のほうから御紹介したんですけれども、おっしゃるようにごく一部です。今回御披露したかったのは選べない人に、当然今回の話があるんですけれども、やはり制度には選べる人も多分いるのだろうという観点で本日お話させていただくに当たって緊急に調べたというものでございますので、そういう位置づけでお願いいたします。

 

○森戸委員長

 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。

 では、清家委員お願いします。

 

○清家委員

 座長の御指摘は、恐らく次回以降のヒアリングにも関係するかと思いますので補足しますと、基本的に企業労使でまず対象給付制度がどうなのか。それは退職金由来もありますし、従来は恐らく確定給付がメインでしたので、そういう全体を考えながらということかと思います。

 それで、お隣に連合の方がおられますが、確定拠出型年金に関しては加入者側にリスクを押しつけるんじゃないかとか、いろいろな議論がありますので、そこはかなり各企業さんは丁寧に議論をされていらっしゃると思います。

 相当丁寧に制度を導入する前もそうですし、制度を導入した後も労使で話し合われているのではないかと思います。以上です。

 

○森戸委員長

 ありがとうございました。失礼しました。清家委員の発言を呼んでしまいまして、済みません。こちらへの質問だったんですけれども、ありがとうございます。もちろん、次回以降のヒアリングにもまたかかわってくるかと思います。

 では、私の質問に関してはとりあえずよろしいですか。ほかに出席の委員の方からいかがですか。

 では、臼杵委員お願いします。

 

○臼杵委員長代理

 半分感想めいていて恐縮なんですけれども、非常に今日はありがとうございました。

 本数に関しては、やはり経過措置とか現状をどう把握してスムーズに移行することが必要かというのを改めて認識したということですし、指定運用方法に関しても、この法律ができたのはやはり長期分散に資するものになるべく誘導しようという趣旨でできていると思いますので、指定運用方法にする以外にも行動経済学的に言えばそこにちょっと押していくような方法があるのかなと思いました。

 それから、本数に関してはさっき申し上げたように、マニアックなところまでカバーする必要はないんじゃないか。むしろ指定運用方法でなくても長期分散、例えばはっきり言うと仕事中に見なくてもいい、何も考えないで一生持っていてもいいような商品をなるべく多くそろえるべきなのではないかと思いました。

 最後に、セーフハーバーについてはいろいろ意見があって、これはむしろ森戸先生のほうがよく御存じだと思うんですけれども、多分アメリカと日本では法律の体系がかなり違って、訴訟をしたときに裁判所の判断を拘束するようなことは行政のルールではできないので、むしろ例えばDBのときに受託者責任ガイドラインみたいなものがあったと思うんですけれども、同様に指定運用方法に関する受託者責任ガイドラインみたいなものを定めて、元本確保でなくても、こういうふうにしていけば一応受託者責任を満たしていくことになると考えているということぐらいを出すのかなと思いました。以上です。

 

○森戸委員長

 ありがとうございます。では、今のまとめで今後の議論にもつながる話かと思いますので、十分参考にしたいと思います。

 大体時間になりましたが、ほかの委員の方はよろしいですか。

 今日は各協会の皆さん方、本当にお忙しいところありがとうございました。今後の検討において、本日頂戴した説明を十分参考にさせていただきたいと思います。本当にありがとうございました。

 では、大体予定の時間かと思いますので、本日の審議を終了いたしたいと思います。先ほどもちょっとお話がありましたが、次回も労使団体などからヒアリングを実施したいと考えております。

 開催に関して、事務局より連絡があればお願いします。

 

○青山企業年金・個人年金課長

 次回の委員会の開催日時は、事務局から各委員の御都合をお伺いした上で正式な御案内をお送りいたしますので、よろしくお願いいたします。以上です。

 

○森戸委員長

 ありがとうございました。

 では、本日の審議は終了いたします。御多忙の折、お集まりいただきありがとうございました。

 (了)

 

 

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