2019年12月23日 第82回社会保障審議会年金数理部会 議事録

年金局

 

○日時   令和元年12月23日 13時00分~15時30分

 

○場所   厚生労働省 専用第22会議室

 

 

 

○出席者

菊池部会長、浅野部会長代理、翁委員、小野委員、駒村委員、野永瀬委員、野呂委員、枇杷委員

○議題

(1)平成30年度財政状況について-厚生年金保険(第1号)-

(2)平成30年度財政状況について-国民年金・基礎年金制度-

(3)国民年金・厚生年金の財政検証結果について

(4)その他

○議事

 

○山本首席年金数理官 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第82回「社会保障審議会年金数理部会」を開始させていただきます。

審議に入ります前に、資料の確認をさせていただきます。

厚生労働省では審議会等のペーパーレス化を推進しており、本日の部会におきましてもペーパーレスで実施いたします。ただし、本日、委員の皆様のタブレットを用意できなかったため、委員の皆様には紙の資料をお配りしております。

本日準備をしております資料は、議事次第、委員名簿、座席図のほか、幾つかございまして、順に申し上げますと、資料1「平成30年度財政状況-厚生年金保険(第1号)-」。

資料2「平成30年度財政状況-国民年金・基礎年金制度-」。

資料3「2019(令和元)年財政検証結果のポイント」。

参考資料1-1「国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通し」。

参考資料1-2「国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通し(詳細結果)」。

参考資料2-1「国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通しの関連試算」。

参考資料2-2「国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通しの関連資産(詳細結果)」。

参考資料3「2019(令和元)年財政検証関連資料」でございます。

不備等ございましたら、事務局にお申しつけください。よろしいでしょうか。

次に、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。

本日は、関委員から御都合により欠席される旨の連絡を受けております。御出席いただきました委員の方が3分の1を超えておりますので、会議は成立しておりますことを御報告申し上げます。

また、前回の部会開催以降に事務局で異動がございましたので、紹介申し上げます。

年金局長の高橋でございます。

○高橋年金局長 高橋です。よろしくお願いいたします。

○山本首席年金数理官 総務課長の竹林でございます。

○竹林総務課長 竹林でございます。よろしくお願いいたします。

○山本首席年金数理官 それから、数理課長の山内でございます。

○山内数理課長 山内でございます。よろしくお願いいたします。

○山本首席年金数理官 それでは、以後の進行につきましては菊池部会長にお願いいたします。

○菊池部会長 委員の皆様におかれましては、師走の御多忙の折、お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。

社会保障審議会年金数理部会では、年金制度の安定性の確保に関し、毎年度報告を受けております。今年もその時期になりました。そこで本日、まず、平成30年度財政状況につきまして、厚生年金保険(第1号)国民年金基礎年金制度の報告を聴取いたします。

また、当部会では、年金制度の安定性の確保に関し、財政検証時における検証を行うことともされております。本年8月に令和元年財政検証の結果が公表されましたので、本日はその概要についても説明をお願いすることといたします。

それでは、説明者の方々はどうぞ、説明者席へお移りください。

(厚生労働省 山内数理課長、村田調査室長 説明者席へ移動)

○菊池部会長 本日は、議題1と議題2の報告をいただくため、年金局数理課の山内課長と年金局事業企画課調査室の村田室長に御出席をいただいております。

それでは、議題1に入ります。平成30年度の厚生年金保険(第1号)の財政状況について御説明をお願いいたします。

○山内数理課長 数理課長でございます。よろしくお願いいたします。

まず、平成30年度の厚生年金保険の財政状況でございますけれども、年金財政の関係につきましては私から、それから、受給者、被保険者の実績の統計につきましては隣の事業企画課調査室長から御説明を申し上げます。また、例年と同様でございますけれども、本日は厚生年金保険の第1号被保険者に係る分ということでありまして、旧厚生年金保険の範囲での御報告ということになります。

それでは、資料1でございます。表紙をめくっていただきまして1ページ目でございますけれども、収支の状況でございます。

まず、収入でございますが、平成26年度から平成30年度まで時系列で横に並んでおりまして、右のほうの平成30年度の欄をご覧いただければと思います。

最初に収入総額でございますけれども、基本的に積立金の運用に関しまして時価ベースで整理をしておりますので、ここでは括弧つきの時価ベースの数字をご覧いただきたいということでございます。収入総額が49兆7958億円となっています。

平成30年度につきましては、時価の運用収入はプラスでございましたけれども、前年度に比べると、そのプラスの幅が縮小したということでございまして、前年度の収入総額に比べて、さらにその一番右の欄でございますが、7兆754億円減少しているということでございます。

主な収入の内訳でございますが、まず保険料でございますけれども、31兆9287億円となっておりまして、これは前年度に比べまして9846億円、3.2%の増ということになっています。

増加の要因でございますけれども、基本的には被保険者の増加による影響が大きいということでございまして、3.2%のうちの大体2%ぐらいの程度。それから、被保険者1人当たりの標準報酬額の増加というものがございまして、それが大体1%ぐらいの程度ということとなっております。

保険料率の引き上げにつきましては、平成29年度が引き上げの最終年度でありまして、0.118%の引き上げがあったということでございまして、平成30年度においてもその半分程度の影響が生じているということではございますけれども、影響の程度の大きさとしては小さいものということになっているということでございます。

次に、国庫負担でございます。

国庫負担につきましては、保険料の下の欄でございますが、9兆7988億円ということでございまして、前年度に比べて3168億円の増ということになっています。

それから、運用収入でございますが、括弧のついた時価ベースのほうをご覧いただきますと2兆2133億円ということになっておりまして、前年に比べてこの部分で7兆2268億円の減少になっているということでございます。

さらに、その下に丸い括弧つきの再掲としておりますけれども、年金積立金管理運用独立行政法人納付金が4000億円となっております。これは平成29年度末までの累積運用収益の中から納付をされたものということでございます。

その下でございますけれども、基礎年金交付金が4340億円ということになっております。

それから、その2つ下の段でございますが、厚生年金拠出金収入が4兆4791億円というふうになっております。これは平成27年10月の被用者年金の一元化によりまして、各実施機関が1・2階積立金とか、それから、標準報酬などの負担能力に応じて厚生年金勘定に拠出するということになったものでございますけれども、平成28年度以降、おおむね4兆円台半ばということで推移をしているということでございます。

収入欄の2つ下に行きまして、解散厚年基金等徴収金というものがございます。これが7301億円ということになっておりまして、昨年度より8853億円の減ということになっております。平成26年4月から厚生年金基金制度が見直されたことによりまして、特に平成27年度、平成28年度に額が大きくなっておりましたけれども、厚生年金基金の解散がやや落ちついてきたということがあるというふうに考えております。

また、積立金より受け入れでございますけれども、平成26年度以降、同様ですけれども、平成30年度もないということになっております。資金繰りのために積立金から受け入れるものでございますけれども、平成30年度につきましても、保険料収入がふえたことや、先ほど申し上げたような解散厚生年金基金等の徴収金や、GPIFからの納付金があるということで、必要がなかったということでございます。

続きまして、支出でございますけれども、支出の総額につきましては47兆3864億円でありまして、前年度に比べまして9630億円の増ということになっております。

内訳でございますが、このうち給付費が23兆8045億円ということでありまして、対前年度で1376億円の増加。

それから、基礎年金拠出金が18兆6968億円ということになっておりまして、対前年度で8398億円の増加ということになっております。

基礎年金拠出金につきましては、被用者年金の一元化で基礎年金制度導入時に第3号被保険者となられた方々が国民年金に任意加入していたときに積み立てられていた積立金を充てていくということになっておりまして、その充てる額が厚生年金保険の第1号では大体1300億円ぐらいなのですけれども、この額を控除した後での額ということになっております。

さらに、被用者年金一元化によりまして、平成27年度から各実施機関が行う厚生年金の保険給付に要する費用のために厚生年金交付金が交付されていますけれども、これが4兆6963億円となっております。これも厚生年金拠出金と同様に、平成28年度以降、おおむね4兆円台半ばで推移している状況となっております。

全体をトータルいたしましての収支残でございますが、時価ベースで見ますと2兆4094億円でありまして、前年度に比べまして8兆385億円の減ということになっております。

以上を踏まえまして、年度末の積立金の時価ベースの額がどういうふうになっているかということでございますが、数字としては1番下から2段目の括弧で囲ってある部分ですが、157兆3302億円ということになっておりまして、前年に比べて2兆4267億円の増加になっているということでございます。

この値は先ほどの時価ベースの収支差引残がベースになっておりまして、これに収支残のすぐ下にあります業務勘定から積立金への繰り入れ、172億円を足したものということになっております。これが実質的な収支残といいますか、積立金の変化をあらわすものとなっております。

最後に、積立金の運用利回りでございますが、一番下の段にありますように、時価ベースの数字で1.43%になっているというところでございます。

収支状況につきましては、以上でございます。

○村田調査室長 事業企画課調査室長の村田でございます。よろしくお願いいたします。

私からは、受給権者及び被保険者の実績統計に関して御説明申し上げます。

まず、2ページをご覧ください。こちらは給付状況に関する資料になります。

平成27年10月から被用者年金制度が一元化されておりますけれども、この給付状況の資料では厚生年金保険の第1号に係る数値を計上しておりまして、一元化によって新たに厚生年金保険に含まれることとなりました国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、日本私立学校振興・共済事業団の情報は含んでいないということに御留意いただければと思います。

また、下のほうの特記事項の4.に記載しておりますけれども、新法老齢厚生年金のうち、旧法の老齢年金に相当するものを「老齢相当」に、それ以外のものは「通老相当・25年未満」のところに計上しております。平成29年8月施行の受給資格期間の短縮によって、受給資格期間が10年以上25年未満の方も新たに年金の受給権が発生しておりますが、このような方については「通老相当・25年未満」のところに計上されております。

厚生年金の受給権者数でございますけれども、平成31年3月末の欄、こちらが平成30年度末の数値になりますが、この一番上の段をご覧いただきますと、受給権者数は全体で3734万7000人となっております。前年度と比べまして16万8000人、0.5%の増加となってございます。このうち老齢相当が1608万7000人で、前年度と比べて1.2%の増加、それから、通老相当・25年未満が1472万3000人で、0.7%の減少という状況でございます。

年金総額につきましては、1つ下の2段目になりますけれども、こちらは厚生年金の年金総額ですので、基礎年金分が含まれていないということに御留意いただきたいと思います。

平成30年度末の年金総額は受給権者全体で26兆7035億円で、これは前年度と比べまして0.7%の減少となってございます。このうち老齢相当が18兆125億円で0.8%の減少、また、通老相当・25年未満についても3.1%の減少となっております。

これらの年金総額が減少した要因でございますけれども、1階部分込みで支給されております旧法の受給権者が抜けていきまして、かわりに報酬比例部分のみの特別支給の老齢厚生年金の受給権者が入ってくるということと、それから、女子の特別支給の老齢厚生年金の定額部分に関しまして支給開始年齢が引き上げられておりまして、平成29年度までは64歳の方に定額部分が支給されておりましたものが、平成30年度からは定額部分のない報酬比例部分のみの年金となっている、そういったことなどもありまして、平成30年度の年金総額は減少したということでございます。

続きまして、3ページでございます。こちらは繰上げ支給と繰下げ支給の状況でございます。

まず、平成29年度より繰下げの判定を精緻化しておりまして、本来と繰下げの分類を変更しております。そのため、平成29年度以降の数値は従来の数値と直接比較することができなくなってございますので、統計表でもその趣旨が明確になりますように平成29年度末以降の数値を記載し、右のほうに平成26年度から平成28年度末の数値を参考表という形で分離してお示ししてございます。

数字を見ていきますと、平成31年3月末の繰上げ支給の老齢厚生年金の受給権者数は7万8000人となってございます。一方で、繰下げ支給の老齢厚生年金の受給権者数は平成31年3月末で19万人となっております。

また、厚生年金の繰上げ制度は報酬比例部分の支給開始年齢の引上げに伴って導入されておりますけれども、平成30年度には女性の報酬比例部分の支給開始年齢が61歳に引き上げられております。このため、今回、平成31年3月末から女性の繰上げ支給の欄に数値が計上され始めているということでございます。

次に4ページでございますが、こちらは老齢年金受給権者の平均年金月額などについてでございます。

男女合計の老齢相当の老齢年金の平均年金月額は、一番上の段にありますように、平成31年3月末で9万3306円となっておりまして、前年度に比べて2.0%の減少となってございます。こちらは基礎年金分を含まない厚生年金分だけの額でございますので、この額に老齢基礎年金月額を加算した平均年金月額をご覧いただきますと、3段下の欄になりますけれども、14万3761円となっております。こちらが基礎年金分まで含めた平均年金月額でございまして、前年度に比べますと0.8%の減少となっています。

このように平均年金月額が減少していますのは、比較的年金額の高い高齢層の方が失権し、新規裁定される方は年金額が比較的低いということ、それから、先ほど2ページでも御説明しましたように、平成29年度までは64歳の女性に定額部分が支給されていましたものが、平成30年度にはなくなりまして、定額部分のない報酬比例部分のみの年金になった、そういったことなどが要因と考えております。

続きまして、5ページは新規裁定者に関する資料でございます。新規裁定者の年金は基本的には特別支給の老齢厚生年金ということになりますので、定額部分のない報酬比例部分のみの年金となってございます。

平成30年度の、加入期間が20年以上の新規裁定者の平均年金月額は9万2077円となってございます。前年度に比べて13.4%の増加となっておりますが、これは女性の支給開始年齢が61歳に引き上がったために、平成30年度に60歳を迎える女性が新規裁定の対象とならないということで、女性の新規裁定者が減少して、相対的に平均年金月額が高い男性の割合が高まったという、男女構成の変化によるものと考えております。

一方、女性の平均年金月額について見ていただきますと、こちらも16.6%増加しております。これは支給開始年齢の引上げの影響なのですけれども、こちらについては後ほど次ページ以降の説明の際にあわせて詳しく御説明いたします。

続きまして、6ページから8ページは、老齢相当の老齢年金につきまして、給付状況を詳細に見たものでございます。特に60代前半につきましては各歳別のデータとなっておりまして、支給開始年齢の引上げの状況が見てとれる形でお示ししております。

厚生年金の支給開始年齢の引上げに関しましては、報酬比例部分の引上げの影響と、定額部分の引上げの影響の2種類がございます。支給開始年齢の引上げは、先に定額部分が引き上げられて、その後で報酬比例部分が引き上げられるという形になっておりますので、報酬比例部分が引き上げられますと、それより下の年齢では、基本的に繰上げをしている場合を除いて受給権者がいなくなるということになります。

6ページは男女計ですが、男性と女性でスケジュールがずれておりますので、7ページ、8ページの男女別の数値をご覧ください。

まずは、報酬比例部分の支給開始年齢の引上げの影響について御説明いたします。7ページの男性の61歳の欄の平成28年3月末と平成29年3月末の欄を比較していただきたいのと、それから、女性に関しましては8ページの60歳のところの平成30年3月末と平成31年3月末の欄をご覧いただきたいのですけれども、これらの箇所ではともに受給権者数が大幅に減少して、平均年金月額が大幅に増加しております。

8ページの女性の場合で申し上げますと、平成30年度に報酬比例部分の支給開始年齢が61歳に引き上げられまして、60歳の受給権者は減少する。そしてまた、60歳の方は繰上げをしている方となりますので、繰上げの場合、同時に基礎年金を繰り上げることになることから、同時に繰り上げられている基礎年金分も合わせた年金額となるということで、平均年金月額が上昇しているものと考えております。

また、男性についても、平成28年度に報酬比例部分の支給開始年齢が62歳に引き上げられて、61歳の受給権者数が減少し、年金額が比較的高い坑内員や船員の受給権者が含まれているということなどもありまして平均年金月額が上昇しているということでございます。

次に、定額部分の支給開始年齢の引上げについてでございますけれども、8ページの女性について、63歳の平成27年3月末と平成28年3月末の欄、それから、64歳の平成30年3月末と平成31年3月末の欄をご覧ください。これらの箇所では平均年金月額が大幅に減ってございますが、こちらが定額部分の支給開始年齢の引上げによって報酬比例部分のみの年金となったことの影響でございます。

続きまして、9ページは老齢相当の老齢年金受給権者の年齢構成でございます。

平成30年度末は、いわゆる団塊の世代、昭和22年から昭和24年生まれの方々がちょうど69歳から71歳になっているということで、そうしたこともございまして、65歳以上70歳未満のところの構成割合が24.6%、70歳以上75歳未満のところの構成割合が22.7%と、ほかの年齢階級に比べて大きくなっている状況でございます。

10ページは、老齢年金受給権者の年金月額の分布を示したものでございます。この年金月額は基礎年金月額を含んだ金額となっております。

左側が老齢相当、右側が通老相当・25年未満となっておりますが、まず左側の老齢相当のほうを見ていただきますと、男女計の平均年金月額が14.4万円で、分布を見ますと大体10万円前後の階級が最も多いということが見てとれます。一方、右側の通老相当・25年未満の分布を見ていただきますと、平均年金月額が6.0万円でありまして、老齢相当と比較して低い金額水準のところに分布しているということが見てとれます。

次に、11ページからは被保険者の状況でございます。被保険者の統計につきましては、被用者年金一元化後は第1号厚生年金被保険者、いわゆるもとからの厚生年金の部分に係る数値を計上しております。

まず被保険者数ですけれども、平成31年3月末、平成30年度末でございますが、こちらが3980万6000人となっておりまして、前年度に比べて69万4000人、1.8%の増加となってございます。特に女性の伸びが大きく、2.9%の増加となっております。

平均年齢は、男性が44.5歳、女性が42.6歳、男女計で43.8歳となっておりまして、男女計で見ますと、前年度に比べて0.2歳上昇したという状況でございます。

次に、下の囲みの中段ぐらいのところにございます標準報酬総額〈総報酬ベース〉(年度累計)の数値を見ていただきたいのですが、こちらにつきましては176兆3725億円となっておりまして、男女計で2.8%の増加ということでございます。

また、1人当たりの標準報酬額の総報酬ベースの月額ですけれども、こちらは一番下の段でございますが、男性が42万2875円、女性が27万9866円、男女計で36万8694円となっておりまして、男女計では前年度に比べて0.9%の増加となっています。

また、平成28年10月から厚生年金保険の適用拡大が行われておりまして、一定の要件を満たす短時間労働者も加入対象となっておりますが、これに伴いまして平成29年3月末以降の列には短時間労働者の被保険者数等を再掲しております。平成31年3月末におきましては短時間労働者の被保険者数は43万5000人となっておりまして、前年度に比べて5万2000人、13.6%の増加となってございます。

なお、平成29年4月から、従業員数が500人以下の会社で働く方も、労使で合意がなされた場合には社会保険に加入できるようになっておりますが、そのような任意加入の被保険者数につきましては、特記事項に書いておりますように、平成31年3月末現在で6,000人となっております。

また、短時間労働者の被保険者の平均年齢は49.9歳となっておりまして、前年度に比べて0.1歳上昇といった状況でございます。

続きまして、12ページからは被保険者の分布でございます。上段は被保険者全体の分布、下段が短時間労働者の分布になっています。

こちらも男女別にご覧いただきたいのですけれども、まず13ページの男性につきまして、上段の分布を見ていただきますと、45歳以上50歳未満のところの人数が最も多くなっておりまして、14.3%でございます。ここをピークとした山の形になっております。

一方、下段の短時間労働者の再掲の分布を見ていただきますと、60歳以上65歳未満、それから65歳以上の人数が多くなっており、高齢層にピークがあることがわかります。

続いて、女性の分布でございますが、こちらは14ページでございますけれども、まず上段の分布を見ていただきますと、女性の場合はピークになる箇所が2カ所ございまして、一つは25歳以上30歳未満のところの12.0%、もう一つは45歳以上50歳未満のところの13.7%となっておりまして、いわゆるM字カーブのような形、山が2つある形となっています。こちらの分布の傾向につきましては従来と特に変わりはございません。

一方、下段の短時間労働者の再掲の分布を見ていただきますと、45歳以上50歳未満のところが14.8%と最も多くなっておりまして、ここをピークとした山の形となっています。

それから、15ページでございますが、15ページは標準報酬月額別の被保険者の分布でございます。左側が被保険者全体の分布、右側が短時間労働者の再掲になっています。

まず、男性につきましては、一番多いのが62万円の等級でございまして、こちらが全体の9.7%を占めております。次に多いのが26万円、28万円、30万円あたりのところでございまして、それぞれ6.5%、6.2%、6.5%と、6%台となっています。

女性につきましては、その右側の列でございますが、22万円のところが最も多くて10%、その前後のところが8%台ということで多くなってございます。

右側の短時間労働者の標準報酬月額の分布を見ていただきたいのですが、こちらは男性のピークが11.8万円、女性のピークも11.8万円ということで、ともに等級の低いところに山ができているということが見てとれます。

○山内数理課長 16ページでございます。積立金の運用状況でございます。

年度末の積立金でございますが、上の表の金額の欄の中ほどの段にあるとおり、157兆3302億円となっておりまして、その資産の構成割合でございますけれども、右のほうに構成割合が書いてございますが、預託金が4.4%、市場運用分が95.1%、財投債が0.5%ということになっております。

下の表でございますけれども、資産区分別の内訳ということでございますけれども、GPIFにおきましては、厚生年金と国民年金を合わせて一体として運用しておりまして、年金特別会計も加えた全体の運用資産の平成30年度末の時価総額は164兆1216億円となっておりまして、その内訳の割合は国内債券が26.3%、国内株式が23.6%、外国債券が17.0%、外国株式が25.5%、短期資産が7.7%ということになっております。

17ページ以降でございますけれども、財政検証における将来見通しとの比較ということでございます。

まず、17ページでございますが、収支状況の比較ということになっております。平成26年の財政検証との比較ということになるわけなのですが、平成26年の財政検証では被用者年金の一元化はまだ施行はされておりませんでしたが、それを踏まえて、足下から共済分も含んだ財政見通しをお示ししていたということがございます。

ただ、例年でございますが、本日は最初も申し上げましたように、旧厚生年金の実績と比較するということでありますので、共済分を含まない数値ということで計算をしているということでございます。

それから、もう一つでございますが、平成26年の財政検証におきましては、経済前提で8ケースといいますか、幅の広い経済前提を設定して、複数の見通しを作成しているということでございますが、ここではケースC、ケースE、ケースGの3つの数値を掲載しているということでございます。

そういう中で、これからの説明の中では一つの例ということで、3段書きになっている真ん中のケースEの数値を引用しながらお話をさせていただきたいというふうに考えてございます。

表の一番上の段でございますが、実績という欄があります。これは基本的には特別会計の実績ということでありまして、厚生年金の実績というと、この欄を指すことが多いのですけれども、財政検証では厚生年金基金の代行分も含んで全体の姿を示しておりますので、財政検証との比較のために、その下の段に実績推計の段を設けているということでございます。例年そうしているということでございます。これと、さらにその下の将来見通しを比較するということでございます。

実績推計の欄の作成方法でございますけれども、下の特記事項に書いておりまして、1つ目の○の中のマル1からマル8に書いておりますけれども、マル1にありますとおり、基礎年金の交付金を収支の両面から控除する。それから、マル2として、保険料に厚生年金基金に係る免除保険料を加え、マル3でございますが、給付費には厚生年金基金の代行分の給付を加えるといったようなこと。それから、細々とした幾つかの加算や控除。それから、いくつかの費用を加算、控除するということなどをやっていて、マル7でございますけれども、積立金に厚生年金基金の最低責任準備金8.2兆円を加える。それから、国庫負担の繰り延べ分を加える。それから、基金の分の運用収入を加える。そういった補正を行って、将来見通しと比較できる数字をつくっているということでございます。

上の表でございますけれども、まず保険料収入、一番左の列でございますけれども、平成26年の財政検証では、中ほどでございますが、ケースEで30.9兆円ということで見込んでいたということでございますが、実績推計の数値で申し上げますと32.0兆円ということになっておりまして、1兆円強、実績推計のほうが多くなっているということでございます。

この差の主な要因ということでございますが、被保険者数の上昇ということで、下の主な要因の欄に書いておりますけれども、見通し上は3526万人程度の被保険者数を見込んでいたところ、実績では3986万人ということで、460万人程度多くなっているということがございます。

それから、その右の列の国庫負担ですが、実績推計が9.8兆円となっておりまして、将来見通しが9.4兆円ということで、実績推計のほうがやや多くなっている。

その2つ右ですが、厚生年金拠出金収入については、将来見通しは4.9兆円と見込んでいたところ、実績推計では4.5兆円ということになっています。

さらに右でございますが、運用収益につきましては、将来見通しで4.3兆円と見込んでいたところ、実績推計では括弧つきの時価ベースで2.3兆円となっています。これは要因の欄に書いていますとおり、運用利回りが平成26年の財政検証の見通しでは3.08%と見込んでいたことに対して、実績では1.43%と低目であったという結果になってございます。

それから、右のほうに行きまして支出でございますけれども、まず合計の欄をご覧いただけますでしょうか。支出の一番右側の合計の欄がございますけれども、将来見通しでは48.4兆円の支出を見込んでいたのですけれども、実績推計では47.7兆円となっております。

そのさらに左側に戻っていただきまして、内訳でございますが、給付費が将来見通しの25.4兆円に対して実績推計が24.0兆円。

その1つ右側の基礎年金拠出金が、将来見通し17.9兆円に対して、実績推計が18.8兆円。

それから、厚生年金交付金が、将来見通しの5.0兆円に対して、実績推計では4.7兆円ということになっております。

一番右側の列でございますけれども、年度末の積立金でございますが、将来見通しでは143.3兆円と見込んでいたところ、実績推計では、この財政検証以降の運用利回りが全体的には高かったということがございまして、実績推計では括弧つきで169.3兆円ということになっております。

それから、18ページでございますけれども、被保険者数及び受給者数の比較ということでございますが、一番左から2つ目の欄の受給者数でございますが、将来見通しとその実績推計ではいずれも、丸い数字で見ますと3500万人程度ということで、それほど変わらない値ということになっておりますけれども、一番左の被保険者数のところが将来見通しでは大体3400万人から3500万人ぐらいであったとの見通しであったところ、実績では大体4000万人ぐらいということで、実績のほうがかなり大きな値となっているということでございます。

それから、次の19ページでございますけれども、19ページからは財政指標の比較ということになりますが、19ページは年金扶養比率ということで、何人で1人の受給者を支えるか。老齢相当の受給者1人当たりの被保険者数という言い方もできるかもしれませんが、それを見たものでございます。

実績としては、その上の表の一番左の欄の一番下に「平成30年度」と書いておりますけれども、2.60ということになっております。

これに対して、財政検証でございますが、下の表の上から3行目というか、経済再生ケースの平成30年度で見た場合、2.3ということであったところであります。前のページでもご覧いただきましたとおり、実績の被保険者数がかなり多くなっているということでございまして、年金扶養比率も実績のほうが大きくなっているということでございます。

最後でございますが、20ページでございますけれども、積立比率の比較ということになっております。

上の表の一番左の一番下、平成30年度の実績でございますが、積立比率が括弧つきで5.1ということになっております。財政検証の見通しでございますが、下の表の一番左の欄の真ん中ほどのケースEの上から3行目が平成30年度でございますけれども、4.2ということになっています。これも、これまでの運用実績のプラスの影響があって、積立金の水準が実績のほうが高いということがございまして、このような積立比率、実績のほうが高いというような状況になっているということでございます。

財政検証における将来見通しとの比較は以上です。

○村田調査室長 続きまして、21ページ以降の、「提出資料の元となるデータの精度と信頼性の確保に関する資料」をご覧ください。これは、今回御報告いたしました実績統計のデータについて、どのように作成・確認を行い、データの信頼性を確保しているかということを記載したものです。資料2の国民年金にも同様の資料がありますけれども、厚生年金保険と国民年金で共通ですので、こちら、資料1のほうで御説明させていただきます。

まず、23ページの「事務フローの概要図」をご覧ください。

データの作成につきましては、厚生年金保険と国民年金に関する適用・給付等の日々の業務を行っています日本年金機構の記録から、日本年金機構のシステムにより必要なデータを抽出・集計しまして、年金局事業企画課調査室のシステムに投入し、各種統計表作成のもととなる統計表を作成しております。この統計表からは、事業年報、事業月報や事業の概況などの業務統計を取りまとめて定期的に公表しますとともに、今回の報告資料のような各種資料を作成しておりますが、新しい資料を作成する都度、業務統計との整合性の確認を行うといったことをしております。

21ページにお戻りください。まず「1.データを確認・承認する体制の構築状況」の「1-1 データを確認・承認するルールの整備状況」についてですが、「データを確認・承認する体制や手続はどのようになっているか」というお尋ねでございます。

本日お出ししています年金数理部会用の統計資料につきましては、先ほども申し上げましたとおり、日本年金機構のシステムで出力したデータをもとに、年金局事業企画課調査室のシステムで統計表を作成しております。その統計表をもとに担当者が提出資料を作成し、それを複数人でチェックの上、数値の精査・分析を行いまして、その後、調査室内で打合せを行いまして、経年データの変動の要因ですとか、追加の分析の必要はないのか、そういったことをした上で、最終的には私、室長の承認を得て資料を提出しているという状況でございます。

続きまして「1-2 データの具体的な確認状況」の「1-2-1 データの完全性の確認状況」についてですが、「データに抽出漏れ、集計漏れなどによる欠損がないことをどのように確認しているか」というお尋ねでございます。

日本年金機構の全ての記録を対象に集計しているという意味で、抽出漏れはございません。実際に集計する際には、システムで集計を行っておりますけれども、集計に漏れがないことは、システムの開発時ですとか改修時にテストを行うことで、しかるべきところにしかるべき数値が出るということを確認することで行っております。また、システムから出力された統計表から先、提出資料を作成する過程におきましては、提出資料の数値と、別途つくっております事業月報、事業の概況のような業務統計の数値を突き合わせまして、一致すべき箇所が全て一致するということをチェックすることによって、データに集計漏れがないということを確認しております。

次に「1-2-2 データソースの取得時点」につきましてでございますが、こちらは、日本年金機構の業務は日々行われておりまして、遡及しての適用ですとか裁定処理ということが行われるため、年度末時点の数値に後から遡及される情報を完全に反映した形で確定値を作成するということは現実的には不可能でございますので、ある程度のところで期日を決めて統計をとるということになります。

その上でなのですけれども、「集計を行う元となるデータを適切に取得するためにどのような配慮をしているか」というお尋ねですが、各年度及び各年度末の状況が適切に反映され、なおかつ速報性を失わないという観点から、年度終了後のおおむね4月から5月ぐらいにかけまして、システムを稼働してデータを取得しております。また、例えば保険料の納付につきましては、納付期限を過ぎても2年間はさかのぼって納付できるということになっておりますので、なかなかデータが確定しないというようなこともございますが、そういったものにつきましては、まずは現年度分の納付率を先に一旦公表しまして、その後、2年たった後で最終納付率という形で最終的な納付状況の姿をお示しする、そういった工夫をしているところでございます。

続きまして、22ページをご覧ください。「1-2-3 提出資料内のデータの合理性・整合性の確認状況」につきまして、「データは、制度上あり得ない異常値を含まず、また、数値間に矛盾がないなど、データの合理性・整合性をどのように確認しているか」というお尋ねでございます。

今回提出しています資料の各項目の数値につきましては、制度上あり得ない箇所の数値がゼロになっていることですとか、制度改正によって新たに数値が入るべきところに正しく数値が入ってきているかなど、先ほどもいろいろ御説明しましたように、制度の改正にあわせて動くべき場所が動いているといったことを確認しまして、制度等と照らして数値に矛盾がないということは確認しております。それから、統計表内ですとか統計表間で論理矛盾がないということを確認いたしまして、それぞれ個別に確認することでデータの合理性・整合性の確認を行っています。また、異常値と疑われるデータが見られた場合には、日本年金機構に照会を行いまして、原因を特定して対処するということをしております。

次に「1-2-4 過去の資料との整合性の確認状況」について、「作成した資料が時系列データとして整合的なものとなっていることを、どのように確認しているか」というお尋ねでございます。

これについては、定期的に公表している業務統計における統計表の各項目について、時系列での増減率を見て、数値に著しい変化や異常な振る舞いがないかということを確認し、ある場合には、年金制度と照らして分析を行い、数値の増減が合理的なものになっているかということを確認しています。今回提出した資料につきましても、そのように確認を行っています業務統計の数値と整合しているということを確認しております。

最後に「2.データの確認手法の妥当性の確認状況」について、「データを確認・承認する体制の構築状況の妥当性を継続して確認しているか」というお尋ねです。

こちらは、基本的には、今御説明したような方法で確認を行っておりますが、新たに確認すべき観点が生じた場合などは、適宜、必要に応じて見直しを行うというようになっております。

以上です。

○菊池部会長 ありがとうございました。

それでは、ただいまの御説明に関しまして、何か御質問ございましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。

野呂委員、お願いいたします。

○野呂委員 御説明ありがとうございました。

一つは、御説明にちょっとキャッチアップできなかったところで、再度御説明いただくようなことで申しわけないのですけれども、まず、5ページ目の新規裁定の女性につきまして、16.6%ふえている。5ページ目の新規裁定の女性の平均年金月額が8,284円、16.6%ふえているということにつきまして、後ろの8ページの60歳の女性につきましては、61歳から基礎年金が開始になっている中で、繰り上げ受給の人に限っているために、定額部分が入っているためという御説明があったのですけれども、そうした点がよく理解できませんでした。

その説明で、ここも実は非常に金額がふえているのですけれども、もう一度、新規裁定の5ページ目の、女性が8,284円分ふえているとか、あるいは8ページ目の60歳の1,000人しかいない、これは繰り上げ支給の方だと思いますけれども、非常に高い金額になっている理由について御説明をお願いしたい。これが1点目でございます。

もう一つは、これはもしわかればという話なのですけれども、11ページ目のところで短時間労働者の数字が再掲で書いてありまして、今年、短時間労働者の人数が5万2000人ふえたということで、その前の年が9万人ぐらいふえているのですか。今般、被用者の適用拡大の議論がされている中で、これまでの被用者拡大によって、ふえた分がどれくらいいるのかという点です。今まで働いていない人が働いたことによって、この短時間労働者もふえたケースもあると思うのですけれども、これまでは1号に入っていた人が被用者適用拡大によって2号に入ってきたというケースもあるかと思います。そうした短期労働者の移動の状況等がわかれば次なる年金の制度改正の参考にもなるかなと思い、もしわかれば教えてほしいというのが2点目でございます。

○村田調査室長 まず、1点目のほうなのですけれども、最初に8ページを先に御説明したほうがわかりやすいと思うので、8ページの60歳のところ、平成30年3月末で5万3034円が、平成31年3月末で8万1956円となっています。これは、平成30年3月末の場合には、まだ報酬比例部分の支給開始年齢が引き上がっていないので、このときには2階部分の年金の方ということになります。一方で平成31年3月末になりますと、当然、ここは支給開始年齢が引き上がっているので繰上げをされた方になるのですけれども、繰上げをされた方は、2階は繰り上げるので、報酬比例部分はその分、繰り上げた分下がるのですけれども、繰上げされる方は基礎年金も必ず同時に繰り上げるという仕組みになっているので、1階部分も入ってくるのです。なので、2階部分は確かに下がるのですけれども、1階部分を、基礎年金を繰り上げた分が入るので、通常の2階の方よりも、1階足す2階の繰り上げたもののほうが高くなるというようなことになります。

○菊池部会長 どうぞ。

○野呂委員 多分、そういう御説明かと思ったのですけれども、ただ、1階部分につきましては、もっと高齢の62歳とか64歳の方ももらっているはずなのに、そこは1階部分を入れずに、その繰り上げた方だけ、今回60歳で基礎年金も含めて繰り上げた方だけ基礎年金含みの数字が入っているという、こうした数字の意味合いがわからなかったのです。

○村田調査室長 62歳とか64歳の方は、今はもう定額部分はない状態です。定額部分の支給開始年齢の引上げで、既に1階が出ている方は平成30年度にはいなくなりましたので、基本的に61歳以上の方は全て2階だけになっております。ですので、基礎年金を加算したという表現は誤解を生むかと思いますが、これは一部繰上げのような基礎年金を少しだけもらっているような方の分が入っているだけで、基本的には2階だけの数字です。一方で、この60歳のところは、繰上げ制度が報酬比例部分の引上げに伴って今年度から始まりましたので、基礎年金全体を繰り上げて、その繰り上げた分と2階の繰り上げた分を合わせるという形になっており、それで高いということになります。

それから、先ほど一緒に紹介されました5ページのほうの新規裁定者のところですが、こちらも原因は同じなのですけれども、新規裁定の場合には、皆さんが受給権が発生したときにすぐに請求されるわけではなくて、1年ぐらいおくれたり、半年おくれてしまったという形で出てくる方がいるので、繰上げだけの影響ではなく、そもそも裁定が1年ずれているような方も入っているので、先ほど見たところに比べると金額が低く、こちらは5万8000円になっている。それは2階だけの方もまざっているからというのが理由になります。ただ、金額が上がっているという原因は、こちらも支給開始年齢の引上げの影響だと考えております。

○野呂委員 構造がよくわからないです。

○村田調査室長 短時間労働者がどこから来たのかという話ですが、こちらは私どもの業務統計だと、もとが1号だったのか、3号だったのかはわからないのですが、高齢の60歳以上の方、1号でも3号でもないような方、特に男性で60歳以上の短時間労働者が多かったと思うのですが、そのような高齢の方の労働がふえたような方も入っていると思うので、定量的なものもなくて申しわけないのですけれども、1号からと3号からと、今まで1号でも3号でもなかった高齢の方が合わさった数字になります。

○野呂委員 そういうことですね。

○村田調査室長 はい。

それ以上の数値は持ち合わせていないです。

○山内数理課長 今の短時間労働者の件について、ちょっと若干の補足みたいな話ですけれども、今回のいろいろ、改正の議論の中で出ていました、後でちょっと財政検証のお話をさせていただきますけれども、2018年度時点で短時間被保険者の方のトータルの人数としては大体40万人ぐらい、現在、適用になっているかなというようなことは一応把握しているということでございます。

もう一つは、今回の年金制度の改正の議論の中で、どこから来られたかということで、適用拡大前の公的年金の被保険者はどうだったかということなのですけれども、国年の1号という方が最も多くて、大体4割ぐらい。それから、3号の方が2割ぐらいということで、あとは、もともとフルタイムで働いていた方が連続的に短時間被保険者になられた方が2割ぐらいとか、あとは高齢の方だと思うのですが、被保険者でなかった方が大体2割ぐらい。大体そういう構造になっているということは年金部会で資料などでお示しをしております。

○菊池部会長 ありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。

枇杷委員、お願いします。

○枇杷委員 済みません。御説明ありがとうございました。

17ページ、財政検証との比較をされているところで、保険料の増加というのがあるということで、被保険者数の増加が主要因というふうに御説明いただいているのですけれども、もう少し具体的にというのでしょうか、加入者の数としては1割ぐらいふえているので、それよりはない逆の要因が多分あって、保険料の増加は少な目になっているということだと思いますので、その辺の理由をもう少し御説明をいただければというのが一点。

関連して、このまま被保険者の増加というのが、短時間労働の方の適用だけではなくて、ほかの要因が多分かなり入っていると思うのですけれども、これについてどういうふうに評価をされていて、今度、財政検証の中で御説明があるとは思うのですが、その辺を今後の見通しの中でどのように考えられたかということをお伺いしたいと思います。

あとは、これは質問ではなくて、今後の御要望的な話にはなってしまうのですけれども、いわゆるGPIFさんのポートフォリオについて、単年度の数字はお載せいただいているのですけれども、ヒストリーでその推移などがあると、我々も見やすいかなということです。

済みません。以上です。

○山内数理課長 ありがとうございます。

17ページの保険料が将来見通しで30.9兆円で、実績推計が32.0兆円というところなわけなのですけれども、大きくは要因は、先ほど被保険者のほうでふえるほうだけを御説明いたしましたが、大きくは2つということでして、一つは被保険者数の増加ということでございまして、これが大きなプラスの要因。一方で賃金の上昇が、当時の財政検証のときの見通しよりも実績のほうが少し低目で推移していたということで、これはマイナスの要因で、大きくはその2つが相殺して大体このような結果になっているということでございます。

もう一つは短時間被保険者の影響ということでございますけれども、基本的に厚生年金の被保険者数4000万人規模に対して短時間被保険者の数は、今、御紹介申し上げましたが、大体40万人ぐらいということなので、そんな大きな影響はないのではないかと思うのですけれども、そこまでの計量的な分析ということは、今回はやっておりません。

あと、2つ目ということで、運用に関して単年度のデータ、断面だけ毎年お示しをしておりましたが、時系列で見られたほうがいいみたいなお話だと理解をしたのですけれども、これはどのような様式で御報告させていただくかといったようなことかと思いますので、また御指摘を踏まえて、今後どのようなことができるかということを考えるということかと思います。

以上です。

○菊池部会長 ほかにいかがでしょうか。

駒村委員、どうぞ。

○駒村委員 多分説明があったと思うのですけれども、読み方なのですけれども、短時間労働の読み方としては、12ページの下段で、15歳から20歳未満で、5年未満の短時間ということで読むのではなくて、この2というのは短時間の期間が2あるという読み方ではない、2,000人いるという読み方ではないのですね。そういう読み方でなくていいのですか。ちょっと読み方を確認です。

さらに、ここから斜めに線を引いていったときに、数字が入っているところと数字が入っていないところが出てくるのですが、斜めに線を引くということは2、0、0、0、0なのか、何もデータがなくてまた0、0、0、2となるのですけれども、数字がないということは制度上存在しないという意味なのか。ちょっと、そこを確認です。

○村田調査室長 まず1点目ですけれども、下の注3.に書いてありますように、短時間労働者に係る加入期間は、年度末における短時間労働者について、短時間労働者ではなかった期間も入っておりますので、ここの2とあるところの方はそういったことを考えて集計したものです。

それから、この斜めのところなのですけれども、この斜めのところは若干特殊なところでして、例えば4月生まれの方が20歳になって入られたというときに、ちょうど5年たつと、まだ年齢は3月末には24歳なのですけれども、期間はちょうど5年ということで、5年以上のところに区分けされるという特殊な方がこの斜めのところに並んでいますので、ほかのところより少ないのですけれども、空白のところはたまたま、これは抽出統計だということもあるかと思うのですけれども、抽出統計のほうでそこにサンプルがなかったということで、もともと数も少ないということで把握できていなくて、全体で推計したところもこのような形になっていますということでございます。

○菊池部会長 よろしいですか。

○駒村委員 はい。

○菊池部会長 それでは、永瀬委員、お願いします。

○永瀬委員 先ほどの野呂委員の質問のところに関係する基本的な質問です。女性の特別支給の報酬比例部分が、60歳から61歳、62歳と引き上がっていく過程についてです。そうすると60歳支給だった年までは、60歳で特別支給部分、つまり約半額相当をもらうことができたけれども、その支給が61歳、62歳・・と引き上げられて以降は、60歳で老齢年金をもらおうと思うと、特別支給の報酬比例部分だけでなく、基礎年金も60歳支給に繰り上げないといけないということでしょうか。そいう意味の御説明でしょうか。そうなのかどうかがちょっとよく理解できなかったので、教えていただけませんでしょうか。

○村田調査室長 老齢厚生年金の繰上げは、報酬比例部分はいわゆる支給開始年齢が上がっていく方について行われることになっているので、それ以前の方はそもそも繰上げが利用できない形になっています。今年の平成30年度から支給開始年齢を引き上げられた世代があらわれたので、その方たちについては支給開始年齢が61歳になってしまうので、繰上げ制度という形で繰り上げられるようになったということになります。

○永瀬委員 そのときは基礎年金も一緒に繰り上げるのでしょうか。

○村田調査室長 基礎年金は同時に繰り上げるという仕組みになっています。

○永瀬委員 そうれだとすれば、その後の年金額が結構下がってしまいますね。そうしますと、かなりその後の毎月の年金額が落ちるということになるわけですね。

○村田調査室長 一時的に60代前半のところでは基礎年金分が入っているので、従来の報酬比例だけの方よりは高いですけれども、将来的に見ますと繰り上げているので、当然、繰り上げなかった場合に比べたら水準は下がるということになります。

○永瀬委員 ですから、そこは基礎年金と特別支給の老齢厚生年金との時間差を置いて、それぞれ別々に繰り上げることはできないという制度になったのですね。

○村田調査室長 そうです。繰上げについてはばらばらにはできないという制度になっています。

○永瀬委員 ありがとうございます。60歳から年金をもらおうとすると、全体を繰り上げるので、かなり高齢期の年金が下がってしまうことですね。

○菊池部会長 ほかにいかがでしょうか。

お願いします。

○浅野部会長代理 御説明ありがとうございました。

まず1点目の質問が、2ページで支給の年金総額というのが、この平成31年3月末は老齢相当、通老相当・25年未満というのが減少してきているのですけれども、これはやはり支給乗率が下がっていること等により、今後、減少傾向になるのか、それとも、どこかで下げどまってまた増加していくのかどうかというところをちょっと教えていただければと思います。

それから、次が最後のほうで、データの精度、信頼性の確保に関する資料を新たにつけていただいて、どうもありがとうございます。それについてちょっと御確認、質問なのですが、一つは、もとデータは日本年金機構から出力されたデータを利用されているということなのですが、日本年金機構からデータをいただくときに、先方にそのデータの正確性とか、そういうものを保証してもらっているとか、ないしはいろいろ確認をしているとか、そういうことをされているのかどうかということが一点です。

それから「1-2-2 データソースの取得時点」ということで、基準日というのは各年度の3月末ということでいいのかどうかということ。それから、いろいろおくれとかそういうのは発生するのはよくあることだと思うのですが、そういう場合でも追い込み日というのでしょうか。この日まで追い込むという日にちがあるのではないかなと思いますし、ほかの共済とかを見ているとそういうのがあるようなのですが、厚生年金、国民年金ではそういうのはされていないのでしょうか。

これで最後なのですが、異常値があるということは、これはあると思うのですけれども、異常値というのは大体どの程度あって、どういうような異常値があるのでしょうか。もしも何か例があれば教えていただければと思います。

以上です。

○村田調査室長 まず1点目の年金総額が減っていくことについてですけれども、これは先ほど御説明したように、この年金総額といいますのは厚生年金分だけで、基礎年金分が入らないので、構造的な要因として、旧法の方は1階部分と2階部分、定額分も報酬比例部分もどちらも厚生年金という名前で出ますけれども、新法の方は、2階は厚生年金から出ますけれども、1階は基礎年金のほうから出るので、1年たって旧法のウェイトが下がって新法の方がふえていきますと、必然的に厚生年金のほうの総額が下がり、基礎年金のほうの額が上がるというような構造的な要因があって、これについては長期的にずっと続いていくものです。それに加えて、今年度は特別な事情としまして、女性の支給開始年齢が61歳に引き上がったことや、それから、定額部分のところは引き上がって、64歳のところの定額が出なくなった、そういったことがさらにきいてきて、このような現象になっているということでございます。

それから2点目で、データをもらっていることについて機構のほうに確認しているかということですが、新しいデータをとるときや、あるいは制度改正でデータのとり方を変えたりするようなシステムの開発時や改修時におきましては、ちゃんとデータがとれるかということをテストで確認していまして、そういったときには我々調査室のほうも最終的な出目がどうなっているかというのは連携して確認しているので、そういった意味でシステムの開発時にきちんとそこら辺は担保させていただいて、通常はそのシステムでもってデータをいただいているので、信頼してデータをいただいているということでございます。

それから、取得時期に関しての御質問で、基準日は3月末かということなのですが、これは年度末であれば3月末ですし、新規裁定等の年度の統計であれば4月から3月のところという基準でとっております。

それから、追い込み処理というのが、耳なじみがありませんが、基本的に日本年金機構は日々業務で取得や喪失など、そういった処理をしていまして、ある程度、3月が終わってすぐではなくて、若干タイムラグを置いてデータを取得しているので、機構に聞いてみないとわからないのですけれども、何か追い込み処理をしているというようなことは承知していないのですけれども、通常の自然体でデータをとっているという認識でおります。

それから、異常値がどういう感じでということなのですが、今回の資料とは別に、通常、我々は業務統計として月報を毎月出しているのですけれど、そちらで申しますと、先月から今月にかけて10%以上動いているようなものは自動的に検知するようにしていて、そこについて本当に動いているのか大丈夫なのかということは見るようにしております。今回の資料につきましては目視なのですけれども、全ての項目の伸び率を確認して、リーズナブルな伸びになっているかということは確認しているというような形でございます。

○浅野部会長代理 ありがとうございます。

○菊池部会長 ほかにはよろしいでしょうか。

翁委員、どうぞ。

○翁委員 細かいことで申しわけないのですが、解散厚生年金基金等徴収金の山ががくっと減ってきていますけれども、既にもう残っている基金というのはほとんど数が少なくなってきているということでございますか。もし、ちょっと今の具体的な数字がわかりましたら教えてください。

○山内数理課長 最初に数字だけ申し上げますと、平成30年度末に存続している厚生年金基金は10基金ということになっています。解散厚生年金基金等徴収金は厚生年金基金の解散プロセスは結構、それなりに時間がかかったりとかいたしますので、緩やかに推移してきている面はあるのですけれども、厚生年金基金の解散自体はかなり進んできていて、残り10基金という状況になっているということでございます。

○菊池部会長 よろしいでしょうか。

それでは、以上で厚生年金保険(第1号)についての報告聴取を終わります。

続いて議題2、平成30年度の国民年金・基礎年金制度の財政状況について説明をお願いいたします。

○山内数理課長 資料2でございます。平成30年度の国民年金と基礎年金制度についての御説明をいたします。

表紙をめくっていただきまして1ページ目でございますけれども、まず収支状況でございます。これは基礎年金の収支状況でございますけれども、平成30年度の収入総額でございますが、25兆988億円ということになっておりまして、前年に比べて6220億円の増ということになっております。

一方、支出の欄でございますが、支出の総額が23兆8644億円で、前年度に比べて2646億円の増となっているということでございます。

その結果でございますけれども、収支残で1兆2344億円ということで、前年に比べて3573億円の増となっているということでございます。

上の収入欄の上から2つ目の行でございますけれども、収入の大部分は基礎年金拠出金ということになっております。また、積立金より受け入れという欄がございますけれども、その中には、先ほど厚生年金のところでも触れました被用者年金一元化に伴って、基礎年金拠出金の軽減に活用するということにされた部分も含まれているということでございます。ここで受け入れた分、基礎年金拠出金が軽減されている。そういう関係になっているということでございます。

支出につきましては、基礎年金給付費の本来分が22兆9047億円となっておりまして、前年に比べて4958億円、2.2%の伸びということになっております。

それから、下から3段目の拠出金算定対象者数でございますが、5468万8000人ということになっておりまして、前年度に比べまして24万3000人、0.4%の増ということになっておりまして、ほぼ横ばいということかなということでございます。たしか昨年も話題になったと思いますけれども、基本的には、ここは20歳から59歳の人口の動向に対応するということではございますけれども、国民年金の第1号被保険者につきましては、保険料納付月数を12で割って人数換算するということになっていますので、一つは近年、被用者化の進展に伴って第1号被保険者数が減少して、被用者のほうに行きますと納付するということですし、国民年金自体の保険料納付率が上昇してきているということなどもございまして、20~59歳人口自体は減少傾向にあるわけなのですけれども、拠出金算定対象者数はほぼ横ばいで推移している。そういう状況になっているということでございます。

それから、2ページ目でございますけれども、平成30年度の基礎年金の制度別の給付と負担の状況でございます。

表の下のほうに注を書いてございますが、注1にあるとおり、拠出金とか交付金には概算値と確定値とがありまして、収支に出てくるのは当年度分の概算値と前々年度分の精算値の合計ということになりますが、この表は確定値で整理をしているということでございます。

また、注2にありますとおり、先ほどから厚生年金のところでも御説明をしておりますが、基礎年金拠出金軽減のための積立金からの受け入れ分というのは控除する前の数値で整理をしているということでありまして、そして控除額を下の表の上の段の括弧内に掲載しているということでございます。

上の表でございますけれども、まず基礎年金給付費の本来分、表の一番左でございますが、22兆8990億円というふうになっておりまして、これに旧法分の基礎年金相当給付費がその右に9702億円となっておりまして、その両者を合計したものが一番右の合計欄の23兆8692億円となっています。

これから、その下の表の右から2列目に特別国庫負担がございますが、特別国庫負担の3721億円を引いて基礎年金拠出金の23兆4971億円ということになっていて、これが拠出金算定対象者数に応じて各制度に分担されるということになっております。

3ページ目でございますが、こちらは国民年金勘定の収支状況ということになります。

右のほうの平成30年度の欄をご覧いただきますと、時価ベースの収入総額で、括弧に入っておりますが、3兆7331億円となっています。

内訳でございますけれども、保険料が1兆3904億円でございまして、前年度に比べて60億円、0.4%の減少ということになっています。平成16年改正に基づく国民年金の保険料額の引き上げのほうは平成29年4月で終了しておりますので、保険料収入への影響ということで見ますと、被保険者数の減少という減要因、それから、納付率の上昇という増要因との結果、こういう動きになっているということでございます。

国庫負担は1兆8207億円でございまして、前年度に比べて1156億円、6.0%の減になっています。これは下の支出の欄の基礎年金拠出金が平成30年度は3兆2103億円ということで、ここは前年度に比べまして2468億円、7.1%減となっていることに対応しているということでございます。

上のほうの収入に戻っていただきますと、時価ベースの運用収入、真ん中ぐらいに運用収入がありますけれども、括弧の中に入っておりますが、1329億円で、前年度に比べまして4563億円の減少となっております。また、丸い括弧つきの再掲で、平成29年度末までの累積運用収入の中から納付をされた年金積立金管理運用独立行政法人納付金が3300億円となっていることを示しています。

支出の総額の欄でございますが、3兆8103億円ということになっております。

収支残、その下のほうでございますが、時価ベースでマイナス772億円ということになっております。

これに、その下にある業務勘定から積立金への繰り入れの105億円を足したものが、前年度との比較の欄にあります、時価ベースで見た年度末積立金のマイナス、下から2行目の一番右に「△667」ということがございますが、マイナス667億円で、これが実質的な意味での収支残に当たるものということになっています。

そして、年度末の積立金でございますが、下から2行目でございますけれども、右から2つ目の平成30年度の年度末積立金は時価ベースで9兆1543億円となっております。

最後に、一番下にある運用利回りですが、1.46%ということになっております。

4ページは参考としてつくっておりますけれども、3ページでご覧いただきました保険料収入の内訳ということでございまして、現年度保険料と過年度保険料別に見たものでございます。

再掲の前納保険料の欄、上から3行目に前納保険料の欄がございますが、この中には平成30年度、平成31年度の2カ年分の保険料を前納していただく、いわゆる2年前納の額というのもこの平成30年度の欄に入っておりますが、そのほかにも前納も多様な前納ができますので、半年前納分とか1年前納分とか、あるいは1カ月前納ということもできますので、そうしたものが含めてこの欄に計上されているということでございます。

収支状況につきましては以上でございます。

○村田調査室長 続きまして、5ページをご覧ください。こちらは給付状況についての資料でございます。掲載しております数値は、新法の基礎年金と旧法の国民年金を合計したものになっておりまして、被用者年金のいわゆるみなし基礎年金に係る部分は含まれてございません。

まず受給権者数でございますが、平成31年3月末は合計で3593万3000人となっておりまして、前年度に比べて46万4000人、1.3%の増加となってございます。このうち老齢年金・25年以上は3266万4000人となっており、1.3%の増加でございます。また、通算老齢年金・25年未満につきましては平成31年3月末で94万5000人、前年度に比べて1.9%の増加となってございます。

年金総額につきましては、1つ下の段のところとなりますけれども、平成31年3月末で24兆297億円となっておりまして、前年度に比べ3783億円、1.6%の増加となっております。この大部分を占めております老齢年金・25年以上について見ますと、平成31年3月末で21兆8361億円、前年度に比べて1.6%の増加となってございます。

続きまして、6ページでございます。こちらは繰上げ支給、繰下げ支給の状況についての資料となります。

まず、繰上げ支給の男女合計の受給権者数でございますが、平成31年3月末で432万6000人となっておりまして、前年度と比べて17万3000人、3.8%の減少となってございます。近年の状況を見ますと、減少傾向で推移してございます。

一方、繰下げ支給の受給権者につきましては平成31年3月末で45万3000人となっておりまして、前年度に比べて2万8000人、6.6%の増加となってございます。

繰下げ支給につきましては、平成31年3月末において通算老齢年金・25年未満のところに数字が計上され始めております。これは、旧法の通算老齢年金では繰下げ制度が存在していなかったので、これまでずっとゼロだったのですけれども、平成29年8月の受給資格期間の短縮で受給権が得られるという方は、1年後の平成30年8月以降であれば繰下げ支給が可能となっているということで、これらの方に対して、通算老齢年金・25年未満の欄に値が出てきたということでございます。

続きまして、7ページでございます。こちらは上段と下段がございますけれども、上段につきましては、老齢年金受給権者の平均年金月額と平均加入期間についての資料となっています。男女合計の老齢年金・25年以上の平均年金月額は平成31年3月末で5万5708円となっておりまして、前年度に比べ190円、0.3%の増加となっています。この増加の要因でございますけれども、平成30年度は年金額の改定が平成29年度から据え置きではあったのですけれども、平均加入期間が延びているということで、平均年金月額が増加したということでございます。

それから、下段につきましては新規裁定者についての資料でございます。まず、男女計の老齢年金・25年以上のところの新規裁定者の老齢年金のところを見ていただきますと、平均加入期間が平成31年3月末で414月となっておりまして、前年度に比べて24月の増加となっています。この増加の要因ですけれども、平成29年度に一時的に平均加入期間が低下したことから、その反動としての増加となっております。

1年前の平成29年度の状況でございますが、平成29年8月から受給資格期間が10年に短縮されたために年金請求を皆さん行っていただいたのですが、その結果として合算対象期間等が見つかりまして、短縮前の受給要件に該当したという方が一定数いらっしゃいまして、そういった方は一般的に通常の方たちに比べると被保険者の期間が短い方だったということで、昨年度は平均加入期間が一時的に減少しておりました。今年度はまたもとの水準に戻ってきたということだと思っております。平均年金月額についても同じような動きをして、今回増加しているということでございます。

続きまして、8ページでございますが、こちらが老齢年金受給権者の年齢構成でございます。

男女合計で見ますと、割合が最も多いのが65歳以上70歳未満の24.4%のところ。それから、次いで70歳以上75歳未満のところの24.1%となってございます。

平均年齢は、男性が75.3歳、女性が76.9歳、男女計で76.2歳となっております。前年度末は男女の計で75.9歳でしたので、プラス0.3歳の上昇ということで、若干ではございますが、年齢構成も高いほうにシフトしているという状況でございます。

続きまして、9ページは老齢年金受給権者の年金月額の分布でございます。上側が受給権者全体に関する分布になっておりまして、下側がいわゆる基礎のみの受給権者に関する分布となっています。さらにそれぞれについて、左側が老齢年金・25年以上、右側が通算老齢年金・25年未満という形で分布をお示ししております。

上側の受給権者全体について見ていただきますと、左の老齢年金・25年以上の分布を見ますと、年金月額が6~7万円の階級のところが43.5%と最も多くなっています。一方、右側の通算老齢年金・25年未満の分布を見ますと、比較的低い水準の金額階級の割合が高くなっているということでございます。

続きまして、10ページからは被保険者の状況でございます。

まず、被保険者数でございますけれども、第1号被保険者数は引き続き減少傾向が続いておりまして、平成31年3月末で1471万1000人となっておりまして、前年度に比べて34万2000人、2.3%の減少となってございます。第3号被保険者につきましては、平成31年3月末で846万7000人となっておりまして、前年度に比べ23万4000人、2.7%の減少となっています。

平均年齢は、平成31年3月末で第1号被保険者が39.2歳、第3号被保険者が44.5歳となっています。

一番下のほうの段には免除等の状況について記載しておりますけれども、平成31年3月末の免除者数につきましては、前年度に比べまして申請全額免除者と申請4分の3免除者、申請半額免除者、申請4分の1免除者のところで人数が減少している状況でございます。

次に、11ページは第1号被保険者の分布でございます。

一番右の割合の欄をご覧いただきますと、最も多いのは20歳以上25歳未満のところの22.8%となっています。国民年金の第1号被保険者には自営業の方、無職の方などいろいろな方がいらっしゃいますが、今見た年齢層は学生の方が多く、そういったところでウェイトが大きくなっているという状況でございます。

12ページ、13ページは今見た分布を男女別に見たものなので、説明は割愛させていただきます。

続きまして、14ページをご覧ください。こちらは第3号被保険者の分布でございます。

第3号被保険者につきましては、最も多いのが45歳以上50歳未満のところで19.5%となっていまして、ここをピークとした山のような形になっています。

15ページ、16ページは今見た分布を男女別に見たものなので、こちらも説明は割愛させていただきます。

最後に、17ページをご覧ください。こちらは国民年金保険料の納付状況を年齢階級別にお示ししたものでございます。

特記事項にも記載しておりますが、納付状況の途中経過を示すものとして現年度納付率、それから、過年度1年目納付率をお示ししておりますけれども、最終的な納付状況を見るための指標としては最終納付率を見ていただくのが適切であると考えております。

直近の結果では、一番上の段に最終納付率がございますが、平成28年度分保険料の最終納付率が74.6%となっていまして、6年連続で上昇しております。統計をとり始めた平成14年度以降で最高の水準となっているという状況でございます。

それから、下段に年齢階級別の最終納付率をお示ししているのですが、最終納付率は今般、平成28年度分の保険料から統計をとれるようにしておりますので、ほかの年度がないものですから、括弧書きで参考に現年度納付率の年齢階級別の数値をお示ししています。どちらで見ましても、おおむね年齢階級が高くなるにつれて納付率が上昇するといった傾向が見てとれます。

なお、20歳以上25歳未満の納付率が25歳以上30歳未満の納付率よりも高くなっていまして、逆転しておりますけれども、こちらは、20代前半は学生納付特例で保険料の納付を猶予するという方がいらっしゃることと、それから、本人にかわって親が保険料を負担しているというケースも多く見られておりまして、そういったことが影響しているものと考えております。

○山内数理課長 18ページでございます。積立金の運用状況でございます。

上の表の中ほどに9兆1543億円ということで書いておりますが、平成30年度末の国民年金の積立金の運用でございますが、右のほうに預託金が4.2%、それから、市場運用分が95.2%、財投債が0.7%となっておりまして、運用利回りは下のほうに書いておりますが、1.46%ということになっております。

それから、下の表でございますけれども、これは厚生年金と国民年金の合計の資産区分別の内容を見たものでありまして、先ほど厚生年金でご覧いだいたものと同じ数値となっております。

19ページ目以降でございますが、財政検証における将来見通しとの比較でございます。

厚生年金と同様、国民年金に関しましても将来見通しとベースをそろえる必要がありますので、具体的には下の特記事項のような処理を行いまして、一番上の段の平成30年度の実績をベースに、上から2段目の平成30年度の実績推計をつくりまして、その下の将来見通しと比較をしているということでございます。

これを比較してみますと、まず収入の一番左側の保険料収入でございますが、将来見通しでは、ケースEを中心にご覧いただきますと、1.6兆円と見込んでいたものが、実績推計では1.4兆円というふうになっているということでございます。

その右の国庫負担につきましては、将来見通しで2.2兆円と見込んでいたものが、実績推計では1.8兆円となっている。

右側に支出の基礎年金拠出金、支出の欄の左から2列目ですけれども、基礎年金拠出金の欄がありますけれども、将来見通しで4.0兆円見込んでいたものが、基本的には第1号被保険者が少なくなって、拠出金の按分率が低下したといったことなどの影響で実績推計は3.2兆円となっておりまして、これに伴って国庫負担も見通しより実績のほうが少なくなっているということでございます。

収入のほうに戻っていただきまして、左から4列目の運用収益でございますけれども、将来見通しでは0.3兆円と見込んでいたものが、実績では0.1兆円ということになっております。

右の支出でございますが、給付費につきましては将来見通し、それから、実績推計でも0.1兆円ということになっています。

一番右から2つ目の列の収支残ということでございますが、将来見通しでは0.0兆円というふうに見込んでいたものが、実績推計ではマイナス0.1兆円ということになっております。

一番右側の年度末積立金は、将来見通しでは10.6兆円と見込んでいたものが、実績推計では11.5兆円ということでございます。これまでの運用収益の影響で積立金が大きくなっているということでは厚生年金と同様でございます。

20ページでございます。国民年金の被保険者数及び基礎年金の受給者数の比較ということになっております。

実績と将来見通しで見比べますと、被保険者数につきましては将来見通しに比べて実績がやや大きくなっているということでございます。受給者数は将来見通しと実績との間で大きな差はないということが言えるかなというふうに思っております。

21ページ以降ですが、財政指標の比較でございますけれども、21ページ目は国民年金・基礎年金全体の年金扶養比率ということでご覧いただければいいかなと思います。

平成30年度の数値でございますが、実績につきましては上の表の左側の一番下の数値で1.94となっております。将来見通しは下の表の経済再生ケースの一番上の段にありますが、1.9ということで、それほど変わらない値ということでございます。

22ページは、その国民年金勘定の保険料比率ということでございます。

平成30年度の数値でございますが、実績につきましては上の表の左の一番下で93.7ということになっておりまして、将来見通しは下の表の真ん中のケースEの一番上の平成30年度をご覧いただきますと86.8となっております。実績のほうがやや高目ということになっております。

それから、23ページが収支比率ということになっております。

括弧の中の時価ベースということでご覧いただきますと、平成30年度の数値は上の表の左下で97.4ということでございますが、将来見通しは下の表の左側の中ほどの平成30年度は96.4ということで、それほど変わらないということかと思います。

最後でございますが、国民年金勘定の積立比率ということでございます。

平成30年度の実績は上の表の左側の一番下の数値で7.8ということになっておりまして、将来見通しは下の表のケースEの一番上の行で5.6ということになっております。厚生年金のときと同様なのですが、これまでの運用実績のプラスということもありますし、財政検証時の見通しに比べまして指標の分母に当たる支出が国民年金の場合は小さ目になっているといった、そういうことなどが影響しまして実績のほうが高くなっている。このようなことかと考えております。

財政検証における将来見通しの比較は以上でございます。

○菊池部会長 ありがとうございました。

それでは、ただいまの説明に関しまして、何か御質問ございますでしょうか。

駒村委員。

○駒村委員 データ読み方のところで、この10ページの免除者は、これは1号の中に含まれているという理解でいいですか。1号の人数の中で免除者数である。こういう理解でいいかということです。

○村田調査室長 先生御指摘のとおりでございます。

○駒村委員 ちょっと書いておいたほうがいいような気がします。当然ながら、そうですけれども。

○村田調査室長 わかりました。

○駒村委員 あと、次の11ページですけれども、65歳以降で加入していて40年以上というのは、65歳以降だと受給資格期間をクリアするために加入しているのかなと思うのですが、制度上40年というのはばらつきは出てくるのかどうかという、ここはちょっと確認です。

○村田調査室長 先生の問題意識は、ここの65歳以上のところについては、受給資格期間を満たしていない方が特別に任意加入できるのに、何でこの階級に人がいるのかということかと思うのですが、ここの表頭の被保険者期間というのは、被保険者期間なので保険料を未納されていた期間を含んだものになっています。ですので、未納の期間があって受給資格期間がまだ満たせないような方がここに計上されているということです。

○駒村委員 わかりました。

最後ですが、そうすると、これも読み方なのですけれども、例えば16ページの3号の女性の、ここで被保険者期間というのは3号であるという意味ではなくて、基礎年金の被保険者期間という理解で、3号期間ではないのですね。

○村田調査室長 注が見にくいのですけれども、11ページの一番最初の被保険者の分布のところの下に、注1のところにあるのですが、ここの被保険者期間は1号の被保険者期間と3号の被保険者期間を合計したものになっています。

○駒村委員 例えばこの中で、そうすると読み方としては、40年間3号だった人というのはこのデータから読み取れないのですか。

○村田調査室長 1号と3号を合わせた期間になっていますので、この表からはわからないということになります。

○駒村委員 40年間3号だった人がどのくらいいるかというのは、再集計すればわかるということですか。

○山内数理課長 再集計すればわかるかどうかを含めて、データの持ち方とか確認をする必要があるかなと思っていますので、ちょっと確認したいと思います。

○駒村委員 モデル年金の姿というのが本当にリアルな、40年間専業主婦だった人は本当にどのくらいいるのかというのがやはり議論になると思うので、これで読み取れればよかったのですけれども、その説明だと読み取れませんので、了解ですけれども、ちょっと必要な資料でもないかなと思いますので、よろしくお願いします。

○菊池部会長 ほかにはいかがでしょうか。

小野委員、お願いします。

○小野委員 ありがとうございます。

確認だけなのですけれども、データの取得の関係なのですけれども、やはり年金制度というのは、諸届けに関しては届け出時点、届け出の事由の発生時点、裁定の時点、あるいは裁定に基づいて給付金等の資金が移動する時点とか、こういったいろんな時点があるわけで、相関が一律でもない、裁定遅れもあるということだと理解しました。

その意味で、先ほど御指摘すればよかったかもしれないのですが、最後のページの1-2-2というところに各年度及び各年度末の状況が適切に反映され、かつ速報性を失わない時期というのは、そういったことを総合的に判断しているということであり、これを、発生主義を徹底させてしまうということになるとなかなか難しい話になってくるのではないかなと思います。一定の整理ということで現在実施されているわけで、徹底した結果として、過去の報告を遡及的に変更するとか、そういうことは一切されずに、必要に応じて、例えば国民年金保険料の納付率だとか、あるいは基礎年金拠出金の概算・精算だとか、こういったことで適切に処理されているというふうに理解しました。こんなことですねということが一つです。

質問としては、全数統計というふうにおっしゃられていますけれども、ところどころ、抽出統計がある。これを、厚生年金では50分の1だし、国民年金ですと100分の1となっていまして、このあたりはどういうふうに使い分けているかとか、整理の仕方をおうかがいします。最後に余計な話ですけれども、資料2の10ページの統計調査の方法のところが空欄になっていますので、そこは埋めておいていただいたほうがよろしいかと思います。

以上でございます。

○菊池部会長 いかがでしょうか。

○村田調査室長 最初に先生にいろいろ御指摘いただいたところはおっしゃるとおりで、いろいろ制限がある中で統計をどのように取得するかという観点から、今、3月末のデータだったら4月、5月のところで一旦とめさせていただいて、そこで数値を出しているということでございます。

それから、被保険者に関して、全数統計ではないところというのは主に被保険者の年齢や期間の分布のところでございまして、それは現状、そういうような抽出でしたものでしかできていないということです。そこから後は、数理課の部分なので、数理課のほうから説明します。

それから、10ページのところで調査の方法を書いていなかったのですが、ここは平均年齢は別なのですけれども、それ以外は全数統計ということで、後で書かせていただきたいと思います。

○山内数理課長 済みません。抽出の話です。

年齢分布は従来から抽出統計のほうを使わせていただいて、主にはうちの財政検証の基礎データを活用して、全数で年齢分布などが把握できないという、把握するような形になっていないということがあるので、そういうことで推計を交えて、実績として報告をさせていただいているということでございます。

これ自体、過去、少し一部、抽出率を上げたりとかしてきた経緯はあるのですけれども、データをいただくもととか、受けるこちら側も含めて、システムなどの開発とか、そういったこともあるので、できるところから御指摘を踏まえながらこれから考えてはいきたいとは思っています。

ちょっと今、事情だけお話をさせていただきました。

○菊池部会長 ほかにはいかがでしょうか。

野呂委員。

○野呂委員 資料の22ページから24ページの、平成26年財政検証結果との決算結果の比較の表ですけれども、ちょっと形式的な話になりますが、これから何を読み取るのかが少しわかりにくい。決算結果は平成26年から平成30年があって、前回財政検証については平成30年から平成34年ということで、これはこのように時系列でつながっていきますよというように見るのか、平成30年のピンポイントで財政検証と今回決算の違いを見るのか。何を見るかがよくわからないのですが、なぜそういう質問をしたかといいますと、その前の厚生年金のほうでは決算結果の年度と財政検証の年度がもう少しかぶっていまして、財政検証結果は平成28年度から載っており、何を読み取るかというのを整理されたほうがいいかなと思いました。

それに加えて、24ページの積立比率ですけれども、特にこれは最近、順調に上がっているわけなのですけれども、その要因の一つとして、やはり1号被保険者が2号にシフトして、積立金がうまく残っているといいますか、1号被保険者の減少が積立比率の改善というか、向上に資しているという理解でよろしいのでしょうか。

○山内数理課長 済みません。確かに御指摘のとおりで、厚生年金とこの部分は様式もちょっと違っていますし、何か意図を感じ取っていただきにくいみたいなところはあるかとは思うのですが、私たちも一応、これは指定された様式に基づいて御報告をさせていただいたようなところもありまして、一応、私の理解を申し上げますと、基本的には毎年度行っていただいております、この決算ヒアリングの財政状況の推移というか、分析的なところにつきましては、基本的には前回の財政検証後の毎年の決算が財政検証の見通しと比べてどうなのかという、そういうことをこれから毎年レポートに取りまとめていただくというのが大きな主な目的の一つだと考えて承知しております。

そういう意味では、何年先まで書くかどうかというよりも、平成30年度の分を今年の場合は比較してご覧いただいて、この部分は変わらないとか、この部分はちょっと実績のほうが高いとか、そういったことをご覧いただくということかと思いまして、様式のほうについては来年度以降、私たちのほうでも少しよく見て対応させていただきたいと思います。

それから、最後の積立比率のお話でありますけれども、大きな要因として、先に最近の運用利回りで積立金の水準が大きいという話を先に申し上げましたけれども、それにつけ加えて分子もちょっと小さくなっていますというお話もしましたが、両方の要因があるというふうに理解しています。ただ、どっちがどの程度というところまではきょうの時点ではやっていませんが、いずれもそれなりに影響しているということかと理解をしております。

○菊池部会長 翁委員、どうぞ。

○翁委員 先ほどの野呂委員と今の御質問と関連しますけれども、やはりこれから適用拡大の議論になっていくと、やはりどういうふうにチェックしていくかということを、これからよく見ていただくということが非常に大事かなと思いますので、よろしくお願いしますということが一つ。

あと、質問のもう一つは、最終納付率が上がってきていますけれども、これの、いろんなインセンティブをつけたりとかされていますけれども、厚生労働省としてはどういうふうに上昇の背景を分析されているのか、今の時点で教えていただければと思います。

○村田調査室長 納付率の上昇の要因ですけれども、通常、我々の分析では、当年度と前年度と2年間引き続いて第1号被保険者であった方を比べたときに、そこはきちんと納付率が上がっていまして、そこの寄与がかなり大きいので、実際ずっと国民年金にいらっしゃる方の納付意欲が高まっているということだと思っています。

さらに、そうなっている要因としては、特に日本年金機構のほうで低年金や無年金の発生を防止するという観点からの収納対策に、かなり取組に力を入れておりまして、そのさまざまな取組が納付率の向上につながっているのではないかと思います。

ただ、定量的な分析はできないのですけれども、そういった取組とかも含めた結果、個々人の皆さんの納付意欲もある程度高くなっているのではないかなというふうに思っています。

以上です。

○菊池部会長 ほかにはいかがでしょうか。

永瀬委員、どうぞ。

○永瀬委員 今の翁委員のに賛成なのですけれども、どういうふうに、例えば500万にふえたというのが、一体どういう層がどういうふうに動いてふえたのかという、それはもちろん、全数といったらとても無理だと思いますので、どのくらいの抽出にしたらば統計的に適当であるということを検討した上でそれを見るというのは一つの方法かなというふうに思います。

○菊池部会長 御要望ということで、検討していただければと思います。

○村田調査室長 御要望として承らせていただきます。

○菊池部会長 ほかにはいかがでしょう。

枇杷委員。

○枇杷委員 済みません。最後のデータの確認の件でいろいろお話はあったのですけれども、一つはお願いということで、まだ共済さんの御説明はこれからお伺いするのですけれども、最終的には目線がそろった形でいわゆる報告のルールとか、先ほどの発生主義をどこまでやるかとかというのはぜひ揃えていただくのがお願いしたいことということでございます。

それから、データのいわゆる正確性というか、内部統制の話に関して言うと、一般に整備状況がこうで、その運用状況を定期的に確認するということ。これは民間企業の会計報告なんかではそういうことを実際やっておられるわけなのですけれども、きょうお伺いしたところだと、整備はされているのかなということは理解できたのですけれども、定期的に運用状況をどのように確認されるかということについてはもう少し御説明があるほうがより信頼度は増すのではないかというふうにちょっと思いました。

あと、済みません。これは基本的な御質問で恐縮なのですけれども、6ページで繰り上げ、繰り下げの状況が出ておるのですけれども、基礎年金に関しては繰り上げ受給を選ばれる方というのが大変多くいらっしゃるので、厚生年金と大分違うのですけれども、背景をもし教えていただければ幸いです。

○村田調査室長 国民年金の繰上げにつきましては、主に旧法の方、年齢の高いほうの方が繰上げをかなり選択されていたということがありまして、そのような方が残っているというのが高い要因の一つだと思っています。近年、繰上げを選択される方は年々減ってきておりますので、全体的な繰上げの率も今後低下していくものと思っています。

一方で、厚生年金のほうの繰上げは制度が違っていて、先ほど言った特別支給の繰上げというのはまだ始まったばかりの制度でございまして、基本的に厚生年金の場合は60代前半に特別支給の老齢厚生年金が出ているので、特に繰上げということはせずにそれをもらっているということでこういった状況になっているというふうに思います。

○菊池部会長 その前に、データに関する御指摘があったというのはどうですか。

○村田調査室長 整備状況は、運用の状況を確認していくということについては、現在、そこまでなかなかできていないようなところがあって、今後どうやって確認していったらいいかということは検討していきたいと思っております。

○菊池部会長 ほかにはいかがでしょうか。

ちょっと時間が押してきているのですが、ほか、委員から御質問の御予定の方はいらっしゃいますか。よろしいですか。

では、最後に駒村委員、お願いします。

○駒村委員 17ページの納付状況、非常に興味深く見ているのですけれども、縦に見ていくと、年齢とともに納付率が上がっているように見える部分もある。でも、ただ割と45~50歳のところが余り相対的には成績がよろしくないところもあるのかなと。

それから、斜めに見ると今度はコホート、厳密には少しずれていますけれども、コホートにも読めるわけですけれども、やはり2014年時点での40~45歳のグループはちょっと加齢による伸びが、納付の伸びが余りよろしくないようなふうにも読めるので、お願いとしては、特に団塊ジュニア世代は非正規労働者も多いグループですので、もちろん、労働市場の状況で2号に移ったりしますので完全には把握し切れないと思いますけれども、そのコホートごとにきちんと公的年金の加入実績を積めてきているかどうか、モニターできるような工夫はしてもらいたいなと思います。

以上です。

○村田調査室長 ちょっと1点目のコーホートで斜めに見たという話なのですけれども、左側の年齢階級が5歳丸まっていて、右側は各年度になっているので、斜めに見てしまうとコーホートから外れてしまって、右端だと左端と1年ずれるのですけれども、左端と比べて見ていただくとそれほど下がっていないというか、上がっていると思います。

○駒村委員 上がっているのはそのとおりなのですけれども、ほかの前後の世代に比べると、例えば35~40歳が2014年度で59.3が、1年ずれていますけれども、2018年は68.7と、非常に伸びがよろしいのですけれども、例えば2014年で40~45歳のところは62.2が68.2と、伸びが相対的には前後の世代に比べると弱い感じもするので、これがいろいろな原因が背景にあると思います。ずれていることもあると思いますけれども、できたら、その団塊ジュニアや氷河期世代の年金がどう形成されてきているのか、モニターする必要があるのではないかと。これではちょっと読み取り切れないということですけれども。

○村田調査室長 先生おっしゃるとおりで、ちょっとコーホートで各年で追っていって、それぞれの時代によるものと、世代によるものと、いろいろな影響が今、入ってしまっているので、少しその辺りの分析を進めていきたいと考えております。

○菊池部会長 よろしいでしょうか。

各委員から要望事項がございましたし、あるいは持ち帰って、確認、検討ということも複数、お話がございましたので、本日出ました事項につきましては必要に応じて御対応をお願いしたいと思います。また今後、審議の過程で疑義が生じましたら、事務局を通じて照会させていただきますので、御協力のほど、お願い申し上げます。

それでは、村田室長は席のほうにお戻りください。ありがとうございました。

(厚生労働省 村田調査室長 関係者席へ移動)

○菊池部会長 続きまして、議題3に入ります。令和元年財政検証の結果についての御説明なのですが、議題1と議題2が若干押しておりまして、恐れ入りますが御質問のほうをコンパクトに、質問時間のカットもお願いしつつ、御協力をお願いできればと思います。

よろしくお願いいたします。

○山内数理課長 よろしくお願いいたします。資料3でございます。令和元年財政検証結果のポイントということでございます。この資料3全体が財政検証、オプション試算などの概要になっておりまして、そのうち1枚目が全体の見取り図みたいな形になっております。

一番上の段には、1ページ目でございますが、2004年の年金財政のフレームワークというものを一番上に書いております。真ん中には、少なくとも5年ごとに財政検証を行いますということが書いております。

財政検証は財政見通しを作成するということと、年金財政の健全性を検証するということで、法律上定められているアクションとしては、右に点々で書いてありますとおり、次の財政検証までに所得代替率が50%を下回ると見込まれる場合には、さまざまな措置を講じるということが決まっているということでございます。

下の段にその結果が書いてございますけれども、左側が法律で定められた財政検証で、右のほうが平成26年財政検証から行っているオプション試算ということでございます。

左のほうをご覧いただきますと、マル1、マル2とございますが、財政検証の結果といたしまして、経済前提ケース1から6まで6ケース置いておりますけれども、経済成長と労働参加が進むケースにつきましては、マクロ経済スライド終了時に所得代替率が50%以上維持。それから、2つ目のポツでございますが、マクロ経済スライド調整期間におきまして、新規裁定の年金額を見ますと、モデル年金ベースでは物価上昇を割り引いても増加という、その2つがポイントと書いております。

マル2といたしまして、経済成長と労働参加が一定程度進むケースでは、2040年代半ばに代替率が50%に到達しまして、マクロ経済スライド調整期間において、新規裁定時の年金額は、モデル年金ベースではおおむね横ばいないし微減。代替率50%に到達した後も機械的に調整を進めると、所得代替率が最終的には40%代半ばということになる。それから、経済成長と労働参加が進まないケース6では、機械的に調整した場合には、2052年度に国民年金積立金がなくなって、完全賦課方式に移行するということであります。ただ、このケース6につきましては、長期にわたり実質経済成長率がマイナスが続くという設定でありまして、日本の社会経済全体について考える必要があるということかと思います。

左に書いてあるのは、一番下の矢印でありますが、経済成長と労働参加を促進することが、年金の水準の確保のためにも重要ということであります。

右のほうにオプション試算、大きなくくりとしてはAとBと行っておりまして、オプション試算Aは被用者保険のさらなる適用拡大ということで、適用拡大は代替率とか基礎年金の水準確保に効果が大きいという話でありますとか、オプション試算Bとしましては、保険料拠出期間の延長と受給開始時期の選択ということでありまして、就労期間・加入期間を延長することとか、繰り下げ受給を選択することは、年金の水準確保に効果が大きい。大体、全体の見取り図はこのような形になっているということでございます。

2ページ目は、その諸前提が書いております。

大きくは人口の前提、労働力の前提、経済の前提、その他ということになるわけなのですが、今回の財政検証の場合、人口の前提、これはいつも国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」を活用しておりますが、今回前提とした将来推計人口では、右に青い囲みで書いておりますが、出生率はやや上昇で、平均寿命も延びるわけですが、高齢化率は低下するというような形で、全体としてみれば、前回と比べれば人口は財政にプラスの影響を及ぼしている。

それから、労働力の前提でございますが、これは労働政策研究・研修機構の労働力需給の推計をいつも使っておりますけれども、右下の囲みに書いておりますとおり、前回との比較で労働参加は進展という見通しになっておりますので、実際、足下で労働参加が進展している状況を踏まえた推計で、そのような形になっている。この部分も年金財政にとってはよいほうである。

一方で経済前提ですが、左側に長期の経済前提を書いておりますけれども、幅の広い6ケースを設定しているということでありまして、経済前提は右の囲みに書いてありますとおり、全体的に控え目に設定ということになっております。

このようなトータルの結果として、3ページ目でございますが、財政検証の結果でございます。

真ん中のほうに給付水準調整終了後の標準的な厚生年金の取得代替率で、ケース1から3が51.9%から50.8%。ケース4と5は、それぞれ2050年代半ばから後半に40%台半ば。それからケース3では、下のほうに書いておりますけれども、賦課方式にいずれ移行しまして、機械的に調整を進めると賦課方式に移行しまして、所得代替率が38%から36%程度といったようなことになるということでございます。

一番下に囲みで書いておりますが、ケース1からケース6、いずれも5年後の2024年の代替率の見通しは60%台ということになっておりまして、法律で定められた見直しが必要な状況にはまだないということになっています。

これは前回の財政検証が右のほうに書いてありますが、いずれも大体、前回の対応をするような前提と比べまして、基本的にはそんなに変わらない結果ということになっているというふうに考えられます。

4ページ目でございますけれども、財政検証の一つの、よく言われていることといたしまして、基礎年金の水準低下なり、調整期間の長期化といったものがございますが、真ん中ほどの厚生年金の調整期間と比べますと、基礎年金の調整期間が当初想定されていたよりも大分長くなっている。

ただ他方で、ここ5年の間でマクロ経済スライドが一定発動できるような経済状況などになってきたということなどもありまして、調整期間がどんどん延びるというような状況にあるということではなさそうですが、それでも課題は課題として残っているということかと思います。

それから、5ページ目以降が実際の年金額の見込みですが、5ページ目が経済のケース1、6ページ目がケース3で、7ページ目がケース5でございます。

6ページ目のケース3でご覧いただきますと、棒グラフが立っておりますが、一番左の2019年度は、現役男子の手取り収入35.7万円に対して夫婦の年金額が、モデル年金ということでございますが、22万円。夫婦2人の基礎年金13万円と、夫の厚生年金9万円で22万円で、下のほうに代替率が、割り算すると代替率になりますが、61.7%。

これが、右から2つ目の基礎年金の調整終了時には、年金額は物価で割り戻して購買力で見たということなのですけれども、年金額として22万円だったものが24万円ということになりまして、代替率は50.8%ということで調整は進むのですが、物価ベースで見た、購買力で見た年金額としては横ばいからやや上昇ということになっているということでございます。

それから、8ページ目以降がオプション試算でございます。8ページ目は試算の内容をいろいろ書いておりますけれども、9ページ以降で御紹介をいたしますと、9ページが被用者保険の適用拡大ということでございます。

左の図が適用状況、2018年時点の雇用者全体が大体5700万人ぐらいいらっしゃるのですが、従来からの厚生年金の被保険者になる方、フルタイムの方が大体4400万人で、その左下に厚生年金の短時間被保険者、先ほども御紹介した数字ですけれども、40万人というのが大体、これまでの短時間被保険者ということでございまして、この20時間から30時間就労時間の方でどこまで適用するかということで、マル1は企業規模要件501人未満、それから、月の賃金が8.8万円以上を適用すると大体125万人ふえる。それから、マル2は8.8万円も適用しないと325万人まで上昇するといったようなこと。それから、緑の全体が、雇用者とされる方は非適用事業所も含めて全て適用すると1050万人ということになっております。

結果といたしましては一番右側なのでございますが、一番上が現行ケース1、3、5になっていまして、ケース3の真ん中の50.8%というのは先ほどご覧いただいた代替率ですけれども、例えば125万人ベース、適用拡大マル1だと、50.8%が51.4%の代替率になる。このかなりの部分は基礎年金で生じるということになっています。それから、対象者がふえればだんだん、その効果は大きくなるといったようなことになっております。

それから、10ページでございますが、オプションB、保険料拠出期間の延長と受給開始時期の選択の全体像ということでございます。

これは赤いところがこういうふうに見直したらみたいな、そういうことになっておりますけれども、一つは国民年金の被保険者期間を65歳まで延長したらどうかというのが一つ。(2)は、厚生年金の被保険者期間を75歳まで延長したらどうか。(3)は繰り上げ、繰り下げの話でございまして、繰り下げ可能期間を今、70歳のものを75歳まで延長したらどうか。それから(4)は在職老齢年金について見直しを行ったらどうかということでございます。

11ページがその結果でございますが、大体、上の表の中に結果をまとめておりますが、左側が現行ケース1、3、5と書いていますが、ケース3の真ん中の数字が、先ほどご覧いただいた40年拠出の場合のモデル年金の所得代替率の見通しで50.8%。それが基礎年金の拠出期間の延長、マル1を行いますと40年拠出が45年拠出ということで、40分の45、期間が長くなるので、かなり代替率が上昇しまして、57.6%。これは厚生年金にも報酬比例部分の基礎年金にも効果が生じる。

マル2ですが、65歳以上の在職老齢年金の廃止ということでございますが、これは廃止した場合には50.8%が50.4%ということで、0.4%ポイント程度低下。オプション試算では62万円。今、47万円の基準を62万円に引き上げたらどうなるかという試算も行っていますが、その場合には0.2%ポイント程度、代替率が低下ということになります。基礎年金は影響しません。

それから、マル3は、厚生年金の加入年齢の上限を75歳に引き上げたらということでございまして、支え手がふえるという効果などがございまして、報酬比例部分の代替率が若干上がるということです。

マル4とマル5は、さらにその繰り下げをしてみたらということでございまして、マル4は今の制度を前提として、繰り下げ可能年齢のみ75歳まで拡大した場合にはかなり代替率が上昇する。現在70歳まで繰り下げれば42%程度年金が増加するものを、75歳まで繰り下げれば同じ数字を使って84%程度増加するという仮定を置いているわけなのですが、代替率として95.2%まで上昇。

マル5は、さらに左側のマル1からマル3の改正を全て加味した上で行ったら代替率がどうなるかということで、111.9%になっているということでございます。

あと2枚なのですが、12ページは、これはいつもつくっているものなのですけれども、横が賃金水準で、縦が所得代替率なり年金月額なのですけれども、賃金水準が上がれば赤い線の年金月額は上がりますけれども、基礎年金が再分配効果を持っているので、代替率としては所得が低いほうが高くて、高いほうは低いという話。

もう一つは、さっきモデル年金という話がございましたけれども、さまざまな世帯類型における代替率という話をよくされますけれども、基本的には年金額とか、あるいは所得代替率は、どのような世帯類型であっても世帯の1人当たり賃金水準で決まるので、そういったことをこれを用いながら御説明しているということでございます。

最後、13ページでございますが「マクロ経済スライド」の考え方ということです。

マクロ経済スライドにつきましては、基本的には長期的な年金の給付と負担のバランス確保のために不可欠ということでありますけれども、一定水準の経済成長があれば、それから、就業者が増加して支え手がふえれば、必要な調整を行った上で年金額が増加することも可能ということを図にしてお示しをしているということでございます。

済みません。ちょっと駆け足で、以上でございます。

○菊池部会長 ありがとうございました。

それでは、ただいまの御説明に関しまして、何か御質問などございましたら、お願いいたします。

駒村委員、どうぞ。

○駒村委員 年金部会のメンバーなので、今の御説明で特段加えることも突っ込むところもないのですけれども、ちょっと気になるのは、きょうの前半部分のデータもそうなのですけれども、おそらく外国人かどうかということのデータは多分、先ほどの加入データから見れないと思うのですけれども、現在、外国人労働者が150万人近くになって、外国人が226万人。将来、2065年には外国人の割合が7%まで上がるというのは人口推計の見通しだと思うのです。だから、外国人の方が今後ふえてくるということを、これは人口推計の問題であり、あるいは労働力見通しの問題でもあるのですけれども、このインパクトをそろそろ財政検証でも考え始めなければいけない時期なのかなと。

そう思うと、果たしてきょうの前半部分のデータを含めて、外国人ということをちゃんと把握し切れていないことです。出入りするかもしれない。それは、どのタイミングで出入りするかもわからない。脱退一時金がどのくらい出てくるのかどうなのかということもあると思いますけれども、諸外国では財政検証にもう既に移民の数も考慮しているところもあるようなので、どこかのところでちゃんと外国人のことについてはモニターするというか、検証するような状態に持っていったほうがいいのではないかなとは思います。

以上です。

○菊池部会長 ありがとうございます。

何かありますでしょうか。場合によっては、2列目の幹部の方からでも結構かと思います。

○山内数理課長 御指摘ありがとうございます。

御存じのとおり、財政検証のみならず、いろんな制度において、外国人かどうかというのは余り考慮せずに作成されているものというのは多いと思います。他方で、どの程度の影響があるかどうかは、なかなか見通しも難しいですし、要するに、これからの社会の変化みたいな、そんなこともあるので、なかなかいろんなところで難しいですし、制度的にも国籍を要件にしていないみたいな、そういうこともかなりあるわけなので、そういうことなどを踏まえて、一応、御指摘ということで受けとめておきたいと思います。

○菊池部会長 ほかにはいかがでしょうか。

それでは、翁委員、お願いします。

○翁委員 今の駒村先生の意見と全くセコンドするような話なのですけれども、おそらく人口の問題だけでなく、労働参加率とか、それから生産性とか、全部に外国人というのは影響してくると思うので、やはりいろいろと研究を重ねておく必要があるかなと私も思いますので、コメントだけです。

○菊池部会長 ありがとうございます。

いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

複数の御意見が出ましたので、受けとめていただいて、今後研究していただければと思います。

よろしいでしょうか。

それでは、以上で令和元年財政検証結果についての聴取を終わります。山内課長、どうも御苦労さまでした。席のほうにお戻りください。

(厚生労働省 山内数理課長 関係者席へ移動)

○菊池部会長 それでは、最後に事務局からお願いいたします。

○山本首席年金数理官 では、次回の連絡でございます。

次回、第83回の年金数理部会は来年1月9日木曜日の午前10時から、場所は本日と同じ、厚生労働省専用第22会議室で開催いたします。

議題といたしましては、国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、それから、私立学校教職員共済制度、それぞれの平成30年度の財政状況について、その他を予定しております。

以上でございます。

○菊池部会長 それでは、第82回年金数理部会はこれにて終了いたします。年末お忙しいところ、どうもありがとうございました。よいお年をお迎えください。

 

 

 

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