2013年10月29日 第1回社会保障審議会企業年金部会議事録

年金局

 

○日時

平成25年10月29日(火)13:00~14:30

 

○場所

全国都市会館(3階第2会議室)

 

○出席者

山崎部会長  小林委員  鈴木委員  高崎委員

冨高委員   平川委員  森戸委員  山本委員(代理人:大井川)

○議題

(1) 部会長・部会長代理の選出

(2) 社会保障審議会企業年金部会運営規則について

(3) 今後の審議スケジュールについて

(4) 厚生年金基金制度改正の施行に向けた検討内容について

○議事

○黒田企業年金国民年金基金課長

 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第1回社会保障審議会企業年金部会を開催いたします。委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきましてありがとうございます。

 部会長選出いただくまでの間、暫時議事進行を務めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 本日は第1回の企業年金部会に当たりますので、年金局長の香取よりごあいさつを申し上げます。

 

○香取年金局長

 社会保障審議会の企業年金部会、本日から開催でございますが、開催に当たりまして一言ごあいさつ申し上げます。

 本日は、足元の悪い中、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。また、委員の皆様方、委員の御就任につきまして御快諾いただきましてありがとうございます。

 この部会でございますが、先月、本年9月25日に社会保障審議会総会におきまして設置を了承されたものでございます。後ほどまた担当から御説明申し上げますが、審議事項としては、まず第一に、さきの通常国会で成立いたしました厚生年金基金制度の関係の改正法の施行に向けた政省令含むさまざまな事項の御検討をお願いするということ。もう一点は、今後の企業年金制度等についての基本的なあり方についてのご検討をいただきたいという2点でございます。法案につきましては、来年4月の施行ということを前にしておりますので、まずは厚生年金基金制度の改正についての御審議をお願いしたいと思っております。ある程度道筋がついた段階で企業年金制度等に関する議論をお願いできればと思っております。

 厚生年金基金制度につきましては、御案内のように、昨年冬、2月ですか、いわゆるAIJというものがございまして、その後、厚生年金基金につきましてはさまざまな問題、これはかねてから問題であったわけですけれども、この問題について制度的な対応をするということになりまして、審議会、有識者会議等々の議を経まして、さきの通常国会に関連法案を提出いたしまして、衆参合わせまして約20時間の御審議をいただいた上、本年6月に成立いたしました。施行は来年の4月ということでございます。

 この法律につきましては、厚生年金基金制度、かなり大きな改正を行うということになりますので、もちろん基金関係者も含めてマスコミ等の関心も非常に高いということでございますし、基金制度というこれまで3階部分の年金制度の根幹をなしてきた制度についての大改正でございましたので、この後の御議論いただく企業年金制度全体のあり方についてもかなり大きなかかわりがあるということで、その試金石となるような御議論いただくということになります。

 委員の皆様方におかれましては、まずは法律の施行に向けての御審議ということで、率直な御議論をいただければと思います。また、基金の後、企業年金制度等全体についての議論をいただくわけでございますが、確定給付企業年金(DB)、確定拠出年金(DC)、施行後、おおむね10年をたっております。上乗せの年金制度ということではそれなりの発展してきているわけでございますが、今後、基金制度の見直しの後、こういった制度をどのように普及していくかということで、公的年金制度とあわせて国民の老後を支えていくということになりますので、こちらにつきましても、できるだけ幅の広い御議論がいただければと思っております。

 また、企業年金制度等につきましては、公的年金制度本体との関係も非常に深いということで、必要に応じまして年金部会、同じように社会保障審議会に設置されておりますが、年金部会と連携を図っていただきながら御議論をいただければというふうに思っております。

 ということで、この部会、初めて設置するものでございますけれども、よろしくお願いいたしたいと思います。

 私からは以上でございます。

 

○黒田企業年金国民年金基金課長

  続きまして、委員の皆様の御紹介をさせていただきます。お手元の資料1に委員名簿を配付させていただいております。五十音順で御紹介申し上げたいと思います。所属と役職は名簿に記載がございますので、お名前のみで御紹介をさせていただきます。

まず、小林委員でいらっしゃいます。

鈴木委員でいらっしゃいます。

高崎委員でいらっしゃいます。

冨高委員でいらっしゃいます。

平川委員でいらっしゃいます。

森戸委員でいらっしゃいます。

山崎委員でいらっしゃいます。

本日、井戸委員、臼杵委員、白波瀬委員、山本委員から御欠席の御連絡をいただいておりますが、山本委員の代理として、本日、日本商工会議所の大井川代理人に御出席をいただいております。大井川代理人の御出席につきまして、部会の御承認をいただけますでしょうか。

 

(「はい」と声あり)

 

○黒田企業年金国民年金基金課長

  では、そのようにさせていただきます。ありがとうございます。

 御出席いただきました委員の方が3分の1を超えておりますので、会議は成立しておりますことを御報告申し上げます。

 なお、事務局からの出席者につきましては、お手元の座席表にございますので、そちらをもって紹介にかえさせていただきたいと思います。

続きまして、お手元の資料の確認をお願いしたいと思います。

本日は、配付資料といたしまして、表紙の議事次第の下にございますが、

資料1     委員名簿

資料2     社会保障審議会企業年金部会運営規則(案)

資料3     企業年金部会の今後の審議スケジュール(案)

資料4     厚生年金基金制度改正の施行に向けた検討内容

参考資料1    厚生年金基金に関する基礎資料

参考資料1-2 確定給付企業年金・確定拠出年金に関する基礎資料

参考資料2    社会保障関係法令・規則

参考資料3    企業年金部会の設置について

を配付をさせていただいておりますが、資料の不備等ございましたら、挙手をお願いできたらと思いますが、よろしいでしょうか。

それでは、議事に移らせていただきます。初めに、本部会の部会長の選出についてでございます。お手元の参考資料2をごらんいただきますと、社会保障審議会関係法令規則がまとめて抜粋をしてございますが、その1ページ以降に社会保障審議会令がございまして、3ページの第6条第3項で「部会に部会長を置き、当該部会に属する委員の互選により選任をする」ということが記載されてございます。

本部会には、社会保障審議会の委員として、山崎委員と白波瀬委員がいらっしゃいますが、部会長はこの2名の委員の互選により選任することとなりますが、あらかじめ両委員で御相談いただきまして、山崎委員に部会長をお願いすることとなっております。これによりまして、互選によって山崎委員が部会長に選出されたということになります。

それでは、これからの議事運営につきましては、山崎部会長によろしくお願いいたします。山崎委員、部会長席に移動をお願いできますでしょうか。

 

(山崎委員、部会長に移動)

 

○山崎部会長

僣越でございますが、部会長を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。必ずしも私が最近の厚生年金基金、あるいは企業年金問題に精通しているわけではございませんが、皆様の御協力を得ながら、部会の円滑な運営に務めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

それでは、部会長代理の指名をさせていただきます。

社会保障審議会令の第6条第5項に「部会長に事故があるときは、当該部会に属する委員又は臨時委員のうちから部会長があらかじめ指名する者が、その職務を代行する」と規定されております。

そこで、部会長代理に森戸委員をお願いしたいと考えておりますが、よろしいでしょうか。

それでは、森戸委員、よろしくお願いいたします。部会長代理席へお願いいたします。

 

(森戸委員、部会長代理席に移動)

 

部会長代理、一言ごあいさつをお願いします。

 

○森戸部会長代理

 ただいま御指名いただきました森戸でございます。部会長を補佐してといいますか、非常に重要な役割だと思いますので、皆さんのサポートを得ながらやっていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

○山崎部会長

 それでは、ここでカメラの方々は退室してください。

 

(報道関係者退室)

 

○山崎部会長

それでは、議事に入らせていただきます。

初めに「企業年金部会運営規則案について」を議題といたします。

それでは、事務局より資料の説明をお願いいたします。

 

○黒田企業年金国民年金基金課長

お手元の資料2をごらんください。こちらに運営規則(案)を御用意しております。運営規則(案)の中では、部会の庶務等の事務的な手続のほか、第1条に代理者の出席ということで記載をしております。本委員の委員の方々の中で、部会に御出席いただきにくいという場合に、あらかじめお申し出をいただき、代理人としてこの会に御参画をいただきたいということで、この規則案を御用意したものでございます。

事務局から以上です。

 

○山崎部会長

 ありがとうございました。それでは、皆さんからご意見、ご質問がございましたらどうぞ。よろしいでしょうか。

 

(「はい」と声あり)

 

○山崎部会長

それでは、資料2のとおりとさせていただきます。

次に「今後の審議スケジュールについて」を議題にいたします。事務局より資料の説明をお願いいたします。

 

○黒田企業年金国民年金基金課長

 お手元の資料3、1枚の紙をごらんいただけますでしょうか。こちらに「企業年金部会の今後の審議スケジュール(案)」を御用意しております。社会保障審議会でのこの部会の設置の際もございましたし、冒頭の局長からの皆様へのごあいさつの中でもございましたが、本部会のスケジュールにつきましては、第1ステージとして、厚生年金基金制度改正の詳細設計、第2ステージとして企業年金制度等のあり方の審議という2段階で考えてございます。

今日が初回の企業年金部会でございますが、法案の成立後、政省令、告示等々の事項につきまして、当方で関係の方々から御意見も一部いただきながら検討してまいりましたので、そちらの検討状況について、まずごらんをいただき、その後、法定の手続でありますパブリックコメントの手続に供したいと考えております。そちらの寄せられた御意見とそれに対する考え方を整理の上、次回以降11月~12月にかけて企業年金部会の開催をいただきまして、そこで寄せられた意見と対応方針案について御審議をいただき、年末を予定しておりますが、政省令、告示については年末までに公布をしたいということでございます。また、年明けに通知等の改正を行いまして、厚生年金基金の方々の代議員会が来年の2月ごろ多く予定をされておりますので、その会議までに必要な資料を皆様のお手元に置いていただけるような段取りで考えたいと思います。

また、年が明けますと、今回の法律に基づく特例解散等の要件につきまして御審議をいただく第三者委員会の設置について、具体的な議事の運び、審議事項等々につきまして御議論をいただき、この委員会は来年の4月、改正法の施行のタイミングで設置をしたいということでございます。同時にこの企業年金部会では企業年金制度等のあり方の議論を開始していただく、こんなことでございます。

なお、ここに書かせていただきましたのは、あくまでも現段階のものでございまして、審議の状況等に応じて変更があり得るということは添えさせていただきます。

以上でございます。

 

○山崎部会長

 ありがとうございました。それでは、御意見、御質問がございましたらお願いいたします。小林委員。

 

○小林委員

 企業年金制度等のあり方についてですが、現状の御提案では来年の4月以降に審議とあります。企業年金制度については、やはり税制との関係が非常に深いと認識をしており、そうしますと夏ごろには一定の方向性を出さないと再来年の改正論議に間に合わないのではないかという懸念をしております。早目の論点出しをお願いしたいと思います。

 

○黒田企業年金国民年金基金課長

 御指摘の点は大変重要なお話だと思います。事務局といたしましても、節目節目の政治の決め事のスケジュールというものは十分頭に入れながら、必要な資料等々は御用意させていただきたいと思います。ありがとうございます。

 

○山崎部会長

ほかにございますでしょうか。

特にないようでございます。それでは、今後の審議スケジュールにつきましては、資料3のとおり進めてまいります。

それでは、次に「厚生年金基金制度改正の施行に向けた検討状況について」を議題といたします。事務局より説明をお願いいたします。

 

○黒田企業年金国民年金基金課長

 それでは、お手元の資料4、時折、参考資料1というものを御参照いただきますが、主に資料4を用いまして、ことしの6月に成立をいたしました「厚生年金基金制度改正の施行に向けた現在の検討状況について」、御説明を申し上げたいと思います。

資料4を1枚おめくりいただきますと、目次がございまして、この資料の構成としては、まず本年の6月に成立をした法律の概要の資料、それから、この法律に盛り込まれておりまして、具体的にこれから政省令等で詳細を詰めていく必要がございます内容を大きく3つに分けて記載しておりまして、2つ目が特例解散等、3つ目として財政運営、4つ目として上乗せ部分の支援策ということでございます。なお、2、3、4に関連をする手続関係の資料も5つ目として64ページ以降で添えさせていただいていると、このような構成で、以下御説明を申し上げます。

まず、「1.法律の概要」でございます。1枚おめくりいただきまして、資料の下の真ん中のところに通しページが打ってありますので、そちらを御参照いただければと思います。

2ページに年金制度の体系がございます。公的年金として国民年金、その上に乗っている被用者年金としての厚生年金保険、やがて一元化という方針が決まっておりますが、共済年金がございまして、その上に乗っているのが、いわゆる企業年金関係でございます。企業年金として法律の仕組みにある受給権等々にも一定の保障がある形として確定拠出年金、確定給付企業年金、厚生年金基金、この3種類があるということでございます。かつては厚生年金基金は一番大きな企業年金グループでございましたが、現在加入員数で見ますと、確定給付企業年金が最大、確定拠出年金がその次という順番になっておりまして、規模感としては、今、ごらんをいただいているとおりでございます。

また、厚生年金基金につきましては、一部、厚生年金のほうに下に張りだしている部分がございます。この部分が代行部分と申しまして、これが厚生年金保険の一部を文字どおり代行するという仕組みになっておりまして、言ってみれば厚生年金基金はほかの2タイプと違いまして、企業年金としての性質と公的年金の一部を代行するというハイブリッド型の制度だという言い方もできようかと思います。

この制度につまして、以下3ページ以降で法律がございますが、この法律の内容につきまして、3ページの太い点線で囲ってある部分をごらんください。

この3ページにある法律は、厚生年金基金以外の部分もございますので、厚生年金基金関係の部分を太い点線で囲ってございます。今回の改正によりまして、厚生年金基金制度については、厚生年金保険法の本則から関係の規定がなくなりまして、施行日以降は厚生年金基金の新設が認められないということになります。

また、施行日から5年間の時限措置としての特例解散制度を設けまして、解散をしやすくする。これは返すべき金額をおまけするということはございませんが、返し方を合理的にしていく等々の配慮を加えまして、5年間の間に特例解散の制度を設けて解散等々を促していこうということでございます。

3点目が(3)でございまして、施行日から5年後以降につきましては、代行資産の保全の観点から設定した法定の基準を満たさない基金につきましては、厚生労働大臣が第三者委員会の意見を聞いて解散命令を発動できるということになっております。5年後以降も法定された存続基準を満たす場合には存続が可能ですが、その基準が満たされることが前提となりまして、その基準を満たさなくなった場合には、(3)に書いてあります措置が発動され得るということでございます。

そして、(4)といたしまして、上乗せ給付の受給権保全を支援するため、他制度への積立金の移行についての特例的な取扱いを設ける、こういう扱いでございます。

続きまして4ページでございます。これは基金の財政状況に応じて図示をしたものでございます。右側が一番財政状況が豊か、健全な基金、真ん中、左に行くに従って財政状況が下がっていく、こういう構造でございます。

今回の仕組みにつきましては、厚生年金基金は公的年金の代行部分と企業年金部分の双方を有しているわけですが、財政状況が一番不安定なところはこの左側でございまして、厚生年金の代行する部分の原資が確保されていない、いわゆる「代行割れ」というものが深刻な課題として議論がされました。ですので、この代行割れの状態にある基金につきましては、厚生年金本体との財政中立を基本とした上で分割納付の特例、納付額の特例等々を設けまして、自主的な解散を促していこうということが基本的なアプローチでございます。

真ん中にあります代行部分の水準は資産として確保されておりますが、上乗せである企業年金部分については積立不足があるというタイプが「代行割れ予備軍」という欄でございまして、この方々につきましては、厚生年金に必要なお金を返していただいた上で、プラスアルファのお金がありますので、それらにつきましては、他制度の移行等々について配慮していこうということで、この部分についても運営の切りかえということが念頭に置かれていくということでございます。また、一番右側の「健全」と書いてある基金、これは全体の1割ぐらいでございますが、これらの基金につきましては法定の存続基準、要するに3階の給付に必要なお金も含めて積んであると、大きく申し上げればそういうことですが、それらの基金につきましては、存続可能ということではございますが、法定の基準、代行割れが起きないための再発防止策を講じることによって代行割れが再発していかないような措置とセットになっているということでございます。

5ページ目にまいりますと、具体的な措置でございますが、まず代行割れの基金を念頭に置いた特例解散の制度につきましては、1.~4.に書かれているような項目、つまり分割納付の特例として、連帯債務を外し、利息を固定金利にし、最長納付期間を30年まで延長するというような分割納付の特例を講じ、最低責任準備金につきましては精緻化をし、納付額の特例につきましても、数理的に合理的な説明ができるという前提で2つの方式を選べるということを法定し、解散プロセスについても法定をするということで、そんな構成の法律がことしの6月に成立をしたということでございます。

また、下の解散認可基準の緩和につきましては、運用でできること、法律で定めがあること、双方ございますが、こちらの記載にあるような見直しを行っているということでございます。

次の6ページにまいりますと、5年間の特例期間を過ぎた後、存続をするという基金が認められているわけですが、それらにつきまして、満たすべき法定の要件について記載をしているところでございます。存続が可能だということになりますと、要は純粋企業年金部分も含めてきちんとお金が常に積まれていることを確保することが必要になりますので、存続基準を法定した上で、その状況が確かに確保されているのかどうかという点についてのモニタリング等々の措置も講じていこうということでございます。

また、次の7ページでございますが、先ほどの4ページの図で申しますと、真ん中の方々や左側の方々を念頭に置いたものですが、上乗せ部分の受給権の保全のための措置ということでございます。これはケース1、ケース2とありますが、代行部分は厚生年金のほうにお返しをして、それで上乗せが残っている基金につきましては、そのお金を他制度に移換をして、退職給付として継続をしていただくことが可能なような法令上の特例措置を設けております。従来どおり企業年金連合会に移換をしていただくことも可能ですし、他制度であるDB、DC、中退共等々への移行も可能ということになっております。

また、代行割れをしている基金につきましても、代行不足部分を厚生年金本体にお返しをしながら、上乗せ不足の部分、要するに3階の部分、企業年金部分ももう一度積み直すことによって、代行部分への分割でお返しする措置と上乗せをもう一回積むことを両立をするというシナリオもこれらの措置からは可能ですが、その詳細につきましては、具体的に検討する必要がございますので、この資料の4番で後ほど御説明を申し上げたいと思います。

8ページが連帯債務外しということでございまして、現行制度では基金から厚生年金に対してお金を返していただくというところで、国の法律関係は厚生年金基金との間だけで生じる。厚生年金基金が返すべき金額は設立事業所の事業主の方々が連帯をして返していただくことになっておりまして、一部の事業主の方が事業を継続しないというようなケースにつきましては連帯債務という扱いになっていて、これが解散して区切りをつけることを考える上で大きな障壁になっている、そういう御指摘がございました。

今回の改正法の中では基金からお返しいただく分と、足りないお金については事業主が直接国との間で法的な関係を結んで、連帯するのではなく、この部分がこの事業主の持ち分ですよということをはっきりさせた上でお返しいただき、解散のプロセスに入った後で別の事情によって事業主にお返しいただく金額が変動するということ、その影響を食いとめていこうという扱いになってございます。

なお、法律上はこの仕組みは全ての事業主に出していただくことが前提で法律は書かれておりますが、それが前提でなくてもできるような措置もあわせて検討が必要ではないかと当方では考えております。

それから、9ページ、上乗せ部分の受給権保全のための他制度への移行、これは後ほどごらんいただければと思います。

10ページに法案審議の過程で、参議院の厚生労働委員会から付されている附帯決議、これも今後の詳細を設計する上でよすがになるわけですが、重要な点が幾つかございます。

まず、一号でございます。本法の速やかな施行に努めるとともに、関係政省令の整備、説明・相談などの、解散や移行が円滑に行われるように体制の整備を図るということ。

二号、総合型の厚生年金基金の解散に当たっては、加入員、受給者等に移行先の選択肢を含めて必要な情報が行き届き、最善の意思決定が行われるよう、基金及び母体企業への支援を行う、こういうことでございます。つまり、具体的な選択肢が厚生年金基金の本当の持ち主である事業主、加入員、受給者等に具体的に提示をされる必要があるということがここに書かれていることでございます。

三号、四号にも、基金の資産状況についてのモニタリングの実施等ということが書かれておりまして、これらの点は今後考える上で非常に重要な点と考えております。

その上で11ページにございますように、今後を考える上で大きく3つのパターンが基金については考えられます。

まず解散をする場合。解散する場合であれば、後ろの2.3.4.が関係部分でございます。代行返上する、上乗せはあるが不足がある、という場合には3.4.が関連部分でございますし、存続を前提にされる場合には3の財政運営のところが関連部分で、こういうことでございまして、以下、詳細について御説明申し上げます。

12ページをごらんください。「特例解散等」でございます。ここが解散を自主的に、できるだけ手を挙げていただいて解散を促していくという場合の詳細設計でございまして、主に代行割れをしている基金の方々に関係が深い部分ということでございます。

13ページにございますが、特例解散ということで、特例解散の中身としては、納付額の特例と納付猶予の特例の2つがございます。特例解散というからには通常解散がございますが、通常解散は一括で不足額をお返しいただき、連帯債務で利息は固定されない、こんな格好でございますので、それに対して特例解散として、1、2の措置が講じられていて、それぞれの要件を検討する必要があるということでございます。

14ページをごらんください。その特例のうち納付額特例でございます。

14ページにありますように、厚生年金基金が解散をした場合、最低責任準備金、これは厚生年金本体がお出しすべき給付を厚生年金から出すために原資として返還をいただくものですけれども、これにつきましては、数理的にも合理的な方法が2つあるというやり方になっていまして、ここに書いてあります(A)というやり方と(B)というやり方。(B)は基金設立当初からのお金に対して、設立当時からの本体の運用の実績を加味して元利計算をしたものでございます。

この2つの方式について選択ができるというのが納付額の特例でございまして、この特例措置は現行の特例解散のときにも既に設けられている措置でございますので、これらの要件、次の15ページにございますが、これらの要件については、現行の要件のままでよろしいのではないかというのが当方の資料でございます。

一定の合理性があるとはいいましても、選べるということからしますと、基金側に一定の御努力はいただく必要があると考えておりまして、その要件としては一定水準以上の掛金を取っていただいていること、給付抑制のための一定の措置は講じていただいているということがございまして、この2つ、現行要件ベースでございますが、この要件を満たしていることと引きかえにこの納付額の特例を現行どおり、お認めしてはどうかというのがこの資料でございます。

それに対しまして17ページ、納付猶予の特例でございます。この部分は今回措置を拡充をしたり改善をしたりという部分でございます。

納付猶予は原則特例でない通常解散であれば一括でお返しいただくことになりますが、それに対して納付猶予を申請いただくことが可能ですし、今回の見直しの中で、納付猶予については3点。1点目は連帯債務外し、2点目が利息の固定金利化、3点目が最長納付期間を最長30年に延長するという3点でお返しをいただくことを予定しているところでございます。

その図は下にございますような状況でございまして、今回は連帯債務が外れますと、事業主ごとにお返しいただく期間が違うというケースも想定されます。

また、固定金利化につきましては、先ほどの連帯債務と並んで、一たん解散の志を決められた後で、その後に起こってきた事情で事業主の方にお返しいただく金額が変動することがあるので、そこの部分が当初思っていたものと違うリスクが発生をしたという形になって、この解散の手続に踏み出していただけるかどうかという判断に影響が出ているというような御指摘をかねてからいただいていたところでございます。ここについては固定金利化で解散時の10年利付国債の利回りで固定をすることにしてはどうかというのが今回の案でございます。

18ページが納付猶予の具体的な要件でございますが、要件については、18ページ、19ページで2ステップになっております。これは法律の条文のつくり上、こういう2ステップになっているということでございます。18ページのほうが、その第一段階目、つまり通常の納付猶予(最長10年)の要件です。19ページが、その10年の猶予を(最長30年)まで延長するための要件です。

そのうち、18ページの通常の納付猶予の部分については、この資料の中では基金の要件と事業主の要件の2つを記載してございます。ただ、基金の要件につきましては、先ほどの納付額特例でごらんいただきましたように、この範囲であれば、現行の制度から横スライドしてもほぼ同じことが考えらますので、この10年の要件のうちの基金の要件については、先ほど納付額特例のところでごらんいただいた現行の特例解散のときの要件と同じ一定の掛金、一定の給付抑制のための措置ということでよろしいのではないかというのがこちらに書かせていただいていることでございます。

なお、事業主については今回新しく登場いたしますので、新しく考える必要がございますが、上の枠囲みのところにございますように、事業主の要件としては経営の状況を上乗せ給付の再建の意向を踏まえた納付計画が合理的かどうかという要件でよろしいのではないかということで、そんなことで御用意をしております。

それに対して、19ページの最長30年につきましては、18ページに書いてあります第一段階のものよりも返しやすくなるといいますか、厚生年金側にも一定のリスクといいますか、そういったものも生じ得る。そういうものですので、それとの均衡を考えると、18ページにあります最長10年の要件に比べてもうひと段階御尽力をいただく必要があるのだろうと考えておりまして、掛金、給付の両面につきましても、18ページに記載がありますよりもう少し頑張っていただくことが必要だろうと思っています。

あわせまして、基金につきましては、運営のコストも下げる措置の要件も新たに設けまして、その3点の要件でいかがかということでございます。

また、基金が事業を継続して掛金を積んで積立状況を改善して継続することがなかなか難しいという要件も下に付しておりまして、そんな要件を基本にしてはどうかということでございます。

なお、後ろの資料で出てきますように、19ページの上の枠囲いの2つ目の「□」の後段にございますが、この最長30年の納付猶予の仕組みを活用して、一方では厚生年金に対してお金を返しながら、同時に上乗せも再建するというような志を立てていただける方々もいらっしゃる可能性がございます。そういった御意向につきましてはできるだけ尊重したいということで、そこも配慮してはどうかということを考えてございます。

また、最初からかなり御尽力をいただいていて、最初から最長30年の要件を満たすぐらいの御尽力をいただいている方々もいらっしゃると思います。その方々を法律の条文が、10年と30年で書き分けてあるからといって2つ手続をばらばらに出してくれということになりますと、二度手間、三度手間にもなりますし、そういったことは避けるべきだと思いますので、最初から30年の要件を満たすぐらい御尽力いただいている方については、複数の申請を同時に行っていただくことも可としてはどうかということがここに書かれていることでございます。

以上が納付猶予の特例でございます。

次が21ページ、清算型基金でございます。

今回の特例解散の制度は自主解散が基本ということになってございますが、代行割れを二度と起こさないという観点で、国側が積極的にアクションを起こして基金を指定して解散を促す「清算型」という仕組みをあわせて法定をしてございます。この清算型につきましては、関係者の方々の中で、自主的な手続を踏むとかなりの手間がかかって合意形成に時間がかかるので、むしろ国側のアクションを待って清算型の指定を受けて手続に入るということを考えたいのだがというようなお話を幾つかの場面で、私どももいただいております。また、そういったほうが説明等々もシンプルになると、こういう話もいただいておりますが、清算型の基金については、この上の「□」の2つ目にありますように、清算型の指定を受けると直ちに上乗せ給付がとまります。また、上乗せ給付の再建というシナリオもオプションとしてあるわけですが、仮に基金をつくられている事業主の方や加入員の方々が本当だったら、それを望んでいるというケースでも、いきなり清算型に指定されてしまうと、そこの検討をするいとまがないということがございます。

こういった基金をつくられている方々や加入者の方々、受給者の方々に不意打ちのようなことが起こってくるリスクも考え得るということだろうと思いますので、この清算型の仕組みについては、具体の運用をどのようにやっていくのかという点について検討が必要だろうと思っています。

ここで複数の観点を少し書かせていただいていますが、1つは、国のほうで積極的に動いてどんどん指定を促していくというやり方、もう一つのやり方は、指定はするのですが、指定をするに当たってはいわば伝家の宝刀だという扱いにして、事前に改善を求める、アクションを求めるような措置、例えば改善命令や報告命令、そういうやり方を事前にかませてできるだけ自主的な行為を促していくということと組み合わせてこの仕組みを運用するというやり方もあろうかと思いますので、こういった点につきましては、きょうお集まりの先生方の御意見、お知恵をぜひ頂戴したいと思っております。

次が23ページ、清算未了特定基金でございます。

これは現在の特定基金制度に基づきまして解散のステップを歩んでいる基金がございますが、その基金が今回つくられた措置を活用して連帯債務外しをしたいということも法律上認められていますので、その手続について記載をしたということでございます。

また、次の24ページでございますが、これが最低責任準備金の納付について、これは厚生年金のほうに納めていただくわけですが、運用のリスク等々を避けるためにこの仕組みについては前納という仕組みを入れています。先にある程度入れていただいて、最後に確定をするときに残りを入れていただくというやり方でございます。

全納いただける金額の基準についても、細かい話になりますが、法令で策定をする必要がございますが、これは全部納めていただきますと解散まで少し時間的ないとまもありますし、その間にも給付が出ていきますので、解散までの間の給付に見込まれるものだけ手元に置いていただいて、残りは納めていただけるというような仕組みにしてはどうかということでございます。

また、代行返上時と同様の要件によって物納は可能ということに法律もしておりますが、この点につきましては、現在も公的年金の運用との整合性という観点から、国内債券・国内株式のインデックス運用のものだけということになっております。

26ページが、法施行後の企業年金連合会、これは後ほどごらんください。

こんなことで、とりあえず御用意しておりますが、28ページに、これまで私どもがいろいろやりとりをする中でお寄せいただいた御意見の中から、これは当方で抜粋をしたものでして、紙面の制約等々で全部御紹介することができませんが、一部御紹介申し上げたいと思います。

今回の制度改正について、なぜこれをやらなければいけないのか、これから上乗せ年金どうやってやっていくのか、受給権保護等々についての国の考え方をはっきりこうですというものを示してほしいというお話をいただいております。

これは非常にごもっともな面もあろうかと思いますので、きょうの御審議等々も踏まえて、こういった背景で制度改正をするのですというような話については、当方で対応をしてもよろしいのかなと考えております。

また、その下、手続の詳細をわかりやすく示してほしい、どういう書類をいつ出せばいいのかというような詳細を示してほしい。

それから、3番目、特例解散等々の志を決めている、歩み出したいとお考えの基金の方々にとっては要件をできるだけ緩やかにしてほしいというような御意見。

最長30年の要件を満たす場合には、手続は同時に行えるように工夫をしてほしいという御意見、この御意見などは非常にごもっともだと思います。

また、被災地の基金にも配慮してほしい。

上乗せ給付の再建の意向ありの場合には十分に配慮が必要。

また、全事業主の同意が得られない場合も想定をした柔軟な対応も検討してほしいということ等々もございます。

また、下のほうにまいりますと、説明がなかなか基金側では難しいというようなお話が中心になってまいりますが、この手続が非常に大変なので、これを基金だけで説明するのは無理なので国で受給者等々に説明してくれないかというようなお話や、先に清算型に指定をしてもらえないかという話。掛金の徴収が大変だというようなお話等々もいただいているところでございます。

続きまして、「財政運営」、29ページ以降でございますが、おめくりいただきまして30ページでございます。

法施行後の財政運営につきましては、5年後以降も存続をする場合と、5年以内に解散や代行返上される場合ということで大きく2つに分かれてまいります。5年後以降も存続の場合には、5年後以降の存続基準が法定をされていますので、そちらに向かって大変ですけれども、積立水準を上げていただくといったお話が出てまいります。

それに対しまして別の道を選ぶということであれば、その道に向けた目標の積立水準に対応するものということになってまいりますので、このどちらかということによってかなり大きな違いが出てくるというのが方向性でございます。

31ページでございますが、それを図示したものでございます。

施行後5年間は特例解散等の適用期間でございますが、5年たつと存続する基金については法定の存続要件がかかりモニタリングが全面的に実施をされるということでございまして、こちらにつきましては、5年後に向けて現行の積立水準を徐々に引き上げていただくことが必要になってまいります。それから、当然継続前提ですので、継続基準・非継続基準双方とも適用されるということでございます。

それに対しまして、5年以内に解散や代行返上される場合であれば、例えば2年後、3年後に解散する、あるいは代行返上する、このときの目標積立水準はこれぐらいだということを計画の中に書いていただきますと、あとはその計画の水準に向けて歩んでいただくことになってまいりますので、この2つによって大きな違いが出てくるというようなイメージでございます。

次の32ページでございますが、これは5年間の運営の状況ですが、これも5年後以降も存続を目指す場合とそうでない場合で違ってまいりますが、5年後以降については徐々に積立の水準を引き上げていただく必要がありますので、最低責任準備金の関係でいきますと、法律で1.5倍という存続基準がございますので、そこに向けて階段状に徐々に水準を上げていただく必要もあろうかと思います。

それに対しまして、途中が解散、代行返上という場合は下にあるようなものをイメージしてございます。

33ページは、5年たった後の存続を希望される場合の要件でございます。

これは法律にかなり具体的に書いてありますので、ほぼ法律のとおりということでございますが、これに抵触をする場合には解散命令の対象となり得るという点に留意が必要だということでございます。

34ページでございますが、こちらは再発防止策ということで、モニタリングの強化の関係でございます。

現在の基金の財政状況につきましては、おおむね毎年1回の決算で拝見をしているところですが、今回は参議院の厚生労働委員会の附帯決議でもモニタリングの強化ということが言われているということがございますので、この34ページの資料の中には四半期ごとの把握、各月末における最低責任準備金と純資産の額の状況の御報告、業務委託先に所属をしていない年金数理人による財政診断の実施等々の厳格な措置がここには記載されているところでございます。

35ページ、36ページにつきましては、最低責任準備金の算定方法の見直しの関係でございます。後ほどごらんいただければと思います。

39ページでございますが、こうした点につきまして、これまで関係の方々から寄せられている御意見を幾つか御紹介したいと思います。

上から2つ目のところ、5年以内の財政運営につきましては、解散等々の別の道を選ぶということをお決めになった場合には柔軟に対応してほしいというような御意見がございます。

それから、真ん中よりちょっと下のところ、5年後以降の財政運営について、再発防止策ということでモニタリングのことがうたわれていますが、非常にコストがかかるのではないかというような御指摘もいただいております。ただ、ここは総論としては附帯決議にも明記をされておりますので、強化するということは立法府の御意思でもあるということでございます。

それから、いっときワンポイントで存続基準に抵触した場合、即解散命令というようなことはしないでほしいという話がございます。これは解散命令の発動の要件をどうしていくのかという話でございますので、瞬間かどうかは別にして、そんなに時間的ないとまはないという前提の中で運営を検討するということでございます。

また、GPIFと連動していれば、もうちょっと緩い基準でもいいのではないかというような御指摘もいただいておりますが、この部分については、法定で存続要件が決まっている都合上、ここを緩和することは困難と考えております。

次、40ページ以降でございますが、この部分が「上乗せ部分の支援策」でございます。

この上乗せ部分の支援策につきましては、法律の段階ではいろんなところに移行できますという骨組みの骨のところが示されておりましたが、具体的にどういう給付で、どういう負担で、どういうシナリオなら再建し得るのかという点につきましては、まだ不十分でございましたので、今回資料をごらんいただき、それもお示しをしながら現場の方々にお届けをしていきたいと思っています。

41ページの上の「□」のところにありますように、解散、代行返上等々によって公的年金と企業年金の線引きをもう一回しましょうというのが今回の法律の趣旨なわけですが、そうやって切りかえていく中で、上乗せ給付が保全をされることがもし当事者の合意が成立するのであれば、それは加入員にとっても、受給者にとっても、事業主にとっても一定のメリットがあると言えるのではないかということでございます。特に附帯決議の中でもこの基金の本当の持ち主は事業主と加入員と受給者、労使でございますので、労使に対して具体的な選択肢がきちんと複数、数字入りで提示をされて、今後のあり方について、その中で御議論をいただくということが附帯決議の趣旨にもかなうものだと考えます。

また、代行割れの基金につきましても、分割納付と並行して、再建ということも選択肢になってこようかと思いますので、そういった点も含めて、この上乗せの制度が重要だということで、具体的な選択肢つきの検討が必要だろうということでございます。

42ページにまいります。42ページ以降で代行割れをしている場合と、48ページ以降で上乗せ資産がある場合に分けてこの資料を御用意しております。

42ページが代行割れをしている場合でございますが、この資料の下半分をごらんいただきますと、先ほどごらんをいただいた特例解散の仕組みは5年間時限の仕組みでございますので、この5年間は特例の要件が適用されますが、5年たつと原則に戻りまして、そうしますと連帯債務ありで、一括納付で解散命令ありだということになりますので、5年たってしまうと、代行割れをしている場合にお返しいただきながら再建をするというシナリオにとっては強い制約がかかるということでございます。

それに対しまして、施行後5年間でありますれば、特例解散の要件として分割納付、連帯外し等々も適用されますし、上乗せにつきましても、最長30年の償却期間の延長の措置があるので、この5年間の特例解散の要件を活用しながら、厚生年金の本体にはお返しいただきつつ上乗せを再建するということであれば、この5年間で考えるのが現実的だろうということでございます。

次に43ページ以降で順を追って御説明申し上げますが、43ページにまいりますと、まずは代行割れしている財政状況にある、したがって上乗せ部分の原資がない基金についてモデル的に想定をいたしますが、代行割れをしている状態で解散をした場合に、現行であれば最長15年間の分割納付しか認めてられておりませんが、今回の仕組みを活用しますと、固定金利で最長30年ということになりますので、1年当たりお返しいただく事業主の負担はかなり減ることになります。

この隙間を使って、次の44ページですけれども、こうやって単年度のお返しいただく金額をコントロールしながら、浮いた原資を使って、44ページにありますが、上乗せの仕組みの積立をもう一度やっていくということができないだろうか、こういうことでございます。この部分を支援するために、上乗せ部分の積立不足の償却期間を最長30年まで延長するということを考えております。

この2つを両立させていたときにどういうふうになるのかということを少しモデル的に計算をしてみたのが次の45ページでございます。

1~2、2~3、3~4という順番で動いていきますけれども、1が現行でございます。代行割れをしておりまして、上乗せ部分も空っぽなので、こういった不足額も込み込みで現行では特別掛金を掛けていただいていますので、上乗せの標準掛金と特別掛金あわせて、この1の欄にあるような掛金負担が現在行われている基金ということを想定しております。

これにつきましては、1~2に行きますと、このうち代行割れ部分の30年分割納付、この時点で厚生年金本体とのリスクというのは線引き済みということですが、20年から30年に償却期間が延びることによって足下の負担額が一たん減少いたします。それから、2~3に行く過程で、上乗せ部分の積立不足の償却期間が20年~30年に延びますので、この部分でも足下の手出しが減るということになります。なので、1~2、2~3ということで、30年償却の効果を活用して、足下の掛金負担を落としていくということでございます。

ただ、このケースは上乗せの予定利率が5.5%ということを想定していますと、これだと将来積立不足が発生する可能性がかなり高いということになりますので、もう少しコンサバティブな財政運営ということで、予定利率を下げるということをあわせて検討したらどうなるのかということでございまして、この4は、1と掛金負担が同じになるところまで予定利率を下げたらどうなるかというケースを仮定して、そうやってみるとこうなるということでございます。要するにこれに限っての話ではありませんが、代行割れの30年分割と償却期間の延長等を組み合わせることで、代行部分は厚生年金にお返しをして、そのリスクを基金の事業主や加入員の方から遮断をした上で、お返しをしつつ上乗せを積み立て直して、予定利率を下げて、足下の負担と同程度という設計も考え得るのではないのではないかということでございます。

なお、この4の設計につきましては、確定給付のイメージで考えますと、キャッシュバランスにするとか、確定年金にするとかさまざまな措置を組み合わせた柔軟なやり方も可能でございますので、よりコンサバティブなやり方も選択肢にはなってくるということでございます。

こういった選択肢をもっと具体的に示すべきだという御指摘は、先ほどごらんいただきましたように、現場の方々からもありますので、もっとバリエーションを具体的にお示しをしていくことは差し支えないだろうと思っています。なお、これは債権債務の関係をごらんいただくためのモデルでございまして、実際はキャッシュフローがどうなるのかといった点についても当然考慮が必要になってまいりますので、そういったファインチューニングは当然必要になってくるということでございます。

46ページはそれが事業所ごとに複数の制度で選んでいくというようなケースもこの仕組み上は想定をされているところでございます。

48ページにまいりますと、先ほどごらんいただいたのが代行割れをしているケース、つまり解散をしている時点で厚生年金に足りないお金を返しつつという条件が厳しいケースですが、48ページには代行部分に相当する資産をお持ちのケースでございます。この場合のほうが当然自由度は増しますので、厚生年金に解散・代行返上等々によって資産をお返しいただいた上で、上乗せ部分に少し不足があるというケースですので、その場合を同様のプロセスを通じて、49ページに図示してございますけれども、予定利率の関係、給付の関係等々を調整しながら、上乗せの給付や負担の設計を具体的にごらんいただいて、仮に代行返上・解散等々によって一区切りつけられる場合の上乗せの移行なり、保全なりということと両立をしたシナリオは、こちらのほうが当然考えやすいということにはなってまいります。

そういうことをするための道具として、次の53ページ以降に、個別の制度について、例えば事業所ごとでも移換できるという確定給付企業年金への措置、54ページにありますが、償却期間の延長の話、55ページにありますが、回復計画の期間延長等々の措置を講じてこういった志を立てていただける関係者の方々を応援していきたいということでございます。

また、57ページには、確定拠出年金(DC)への移行支援として、現行であれば移行前の制度でとにかく積立不足を全部解消していただかないと確定拠出年金に移れないというような仕組みがありましたが、この要件を緩和をしたり、58ページには中退協への移行についてのサポート。

それから、60ページにはキャッシュバランスプランの弾力化ということで、給付の予定利率についてゼロ以上という扱いにしまして、単年度では再評価率ゼロ以下も許容するという弾力化もしてはどうか等々の措置を検討しているところでございます。

63ページに、これまでお寄せいただいたご意見等々でございますが、上乗せ給付を再建する場合に、詳細で実現可能性のある仕組みを具体的に示してほしいというようなお話もございますし、弾力的な設計を認めるべきだと、こういう話をいただいているところでございます。

このパートの冒頭でも申し上げましたが、基金制度の持ち主は、事業主と加入員と受給者、端的に申しますと労使と思っています。労使にお決めいただく際に、単純に運営を区切るという判断にされるのか、区切った上で上乗せ給付を再建されるということを志されるのか、その場合の給付と負担が具体的に数値入りで示されるような環境づくりが欠かせないだろうと思っていまして、私どももそのために必要な素材については、順次提供をしていきたいと考えています。

なお、64ページ以降は諸手続の関係でございます。詳細は時間の関係で省略をいたしますが、従来の解散の手続に加えて今回特例措置の適用対象にしてよいかどうかという判断が入ってまいりまして、その特例措置の適用の可否というものを御審議いただくのが、年明けにまた御議論いただきます第三者委員会ということになってまいります。そこがどんな陣立てになって、御判断のよすがになるのは、今、ごらんいただいているような政省令等でございますが、それに加えて、具体の運営をどうしていくのか等々の話が大事でございますので、そういったものにつきましても、今後、検討を進めていきたいと考えております。

長くなりましたが、私からの説明は以上でございます。

 

○山崎部会長

ありがとうございました。それでは、御意見、御質問がございましたらお願いしたいと思いますが、森戸委員が都合により間もなく退席されるということでございますので、御意見があればお聞きしたいと思います。

 

○森戸部会長代理

  済みません、ちょっと出なければいけないので、いきなり最初に部会長代理で恐縮なのですけれども、少し細かい点と最初のほうで大きな点と幾つかありますが、19ページの「納付猶予特例3」で、30年への延長についてどういうような要件で認めるかというところで、上乗せ給付の再建の意向に配慮してはどうかというのがありまして、考え方はわかるのですが、これをどういうふうに仕組むかというのも問題ですし、すごく単純に考えると、要するにお金返す期間を長くしてあげる条件として何か新しい仕組みをやることが条件だというのは、何か新しいのをやるということはお金がかかるわけで、お金を返すのを長くしてあげるのが、何かほかにお金かかることだということになっているわけですね。だから、それが悪いということではなくて、政策として、それはなるべくちゃんと返してもらうということも大事だけれども、政策として上乗せ給付をつくってもらうことのほうがより上にあって、その分、もしかしたら公的年金財政の棄損の可能性はもしかしたら高まっちゃうのかもしれないのだけれども、そういう判断でもあるという観点で少し考えなければいけないのかということを思いました。

それと、あと21ページで「清算型基金」の話がありまして、結局、清算型基金に指定しちゃってくれみたいな話があるというのも結構重要な話で、もし全部の基金がそういうふうに言い出したら、恐らく事務が回らなくなるわけですね。なので、自主解散に向けて努力することのメリットとかインセンティブというのですか、直ちに上乗せが停止されちゃうとか、そういうのがありますけれども、そういうので本当に足どめというか、ディスインセンティブになるのかとか、少しここもうまく自主解散に努力しないと損だ、もしくはそうすべきだ、あるいはそれに何かちゃんと誘導するような措置をうまく仕組めるかというのも結構大きなポイントなのではないかと思います。

そこからもうちょっと大きな話になっちゃうのですが、結局、今回の話は全体として、各基金、大きな破綻処理をやっているような部分もあって、各基金、各企業、各労使に無理ない形で債務整理をしてもらい、しかし全体として、できるだけ公的年金財政を棄損の可能性をできるだけ低くするという観点で話をおさめなければいけないという非常に難しいことをやらなければいけないのだろうと思います。

そのときにもちろん約束したとおりお金がちゃんと公的年金に返ってくるというのも大事ですが、必ずしも完璧にうまくいくかどうかは、それはわからない点もありますので、破綻処理だとすれば。非常に大事なことはフェアに、先ほどの自主解散に努力することがかえって損みたいなことにならないようなことも含めて、とにかく公平な負担で物事がおしまいにできるようにというんですか、それぞれの当事者の負担、国なり公的年金財政の負担を含めてですが、フェアに公平に終わらせなければいけない。何か抜け駆けして早く、こういうふうにやめちゃえば得だとか、こういうふうにしちゃえば楽にお金少なくてやめられるのだとか、そういうのを許さないという姿勢は大事なのではないかと思います。

そうするとこれまでと違って、清算型基金への指定とか、解散命令を打つとか、掛金払ってないところに基金が滞納処分打つとか、これまで余り積極的にやってこなかったようなことも場合によっては毅然としてというのですか、発動しなければいけない場面も出てくるのではないかと思いますので、そういう覚悟を持って、そのときの観点は公平な負担がなされるように、変に抜け駆けしてずるいことが起きないようにするというのですか、うまく言えませんけれども、そういうことに注意して考えていかなければいけないのかなと思います。

ちょっと感想みたいな話で申しわけないのですけれども、済みません、以上です。

 

○山崎部会長

 ありがとうございました。事務局のほうから。

 

○黒田企業年金国民年金基金課長

 どうもありがとうございます。今後さまざまなことを考えていく上で大変大事な視点をいただいたように思います。特に先生お話のありました清算型の関係につきましては、この仕組みを国会で御審議いただくときも、あくまでも自主解散が基本だと。自主解散は多大な労力がかかります。これは私どもよくわかっていることなのですけれども、ただ、そうやって汗をかいてくださるからこそプラスアルファの特例的な扱いも法律で認められたところがあると思います。そういう意味では、汗をかいた方々によいことがある、あるいはそうでない方々と比べたときに、大変だけれども、こちらをやったほうがいいというような設計にしていかなければいけないと思います。

特に命令等々の関係は政省令の委任がないところもございますが、そちらと政省令等の議論が組み合わせて、全体として変な力学が働かないようにして動いていくことは非常に大事だと思いますので、次回パブリックコメントの結果も含めてごらんをいただくときに、少しそういう資料も当方で御用意をして、全体としてフェアになるのかどうかという点についてごらんいただけるように準備したいと思います。ありがとうございます。

 

○山崎部会長

 そのほか、ございますでしょうか。平川委員。

 

(森戸部会長代理退室)

 

○平川委員

最初に「厚生年金基金制度改革の基本構造」の項目について意見を述べさせていただきます。企業年金の性格は、退職給付の一部をなすという意味で賃金の後払いとしての性格が大変大きいと思っています。そのためには何が重要かというのは、当該企業労使に必要な情報がしっかり伝わるというのが大きな課題かと思っています。懸念されますのは、労使双方が認識しないうちに新たな特例解散制度の適用可能な期間がいつの間にか過ぎてしまったとか、いつの間にか清算型解散になってしまったという事態です。それは、加入者・受給者に多大な不利益を与えることであり、あってはならないと考えているところであります。

そのような意味で、解散後の制度設計では、労使協議、職場説明、同意確認ということで言いますと、これまでの基金解散の事例から見てみますと、2年かかるというふうにお聞きしているところであります。説明のための準備等を含めて考えれば、2年以上の労使協議や説明を担保する必要があるのではないかと考えているところであります。

したがいまして、基金の財務状況、これは代行割れ、代行予備軍、もしくは健全な基金を問わず、必要な状況というのを当該企業労使に対して早期に開示していくということの徹底をする必要があるのではないかと考えているところであります。

それから、上乗せ部分の支援策の関係でございます。参議院の厚生労働委員会の附帯決議を踏まえまして、特に総合型の基金を解散する場合、母体企業は中小・零細が多いのではないかと考えているところであります。残念ながら中小企業には労働組合は余りありません。基金及び母体企業への十分な支援や指導を行うべきだと考えているところでございます。

今後のテーマになるかと思いますけれども、退職金規定が適用されないパートなど非正規労働者も含めて全ての労働者が加入できるような企業年金制度の枠組みということも含めて検討すべきではないかと考えているところでございます。

最後に、今、森戸先生がおっしゃっていましたけれども、フェアな対応策というのは大変重要だと考えているところです。受給権保護と厚生年金本体財政へのリスク遮断という両方のバランスをとった納得性のあるスキームをつくる必要があると考えていますので、そのような観点でのご検討をお願いしたいと考えています。

 以上です。

 

○黒田企業年金国民年金基金課長

 どうもありがとうございます。今、お話のありました労使への十分な説明、特に職場の方々も含めて十分な説明がされるということは、もちろん厚生年金基金をつくる際も労使の合意があってつくられているということもございますので、それと同じぐらいの運営の切りかえのタイミングだということを考えれば、そのときにもきちんと労使、仮に組合がない場合であれば基金等を通じて必要な情報が提示をされるということは欠かせないと思いますし、その中でできるだけ、今後のあり方について具体的な選択肢が提示されるような環境づくりが必要だろうと思います。

厚生年金にとってのリスクも考えなければなりませんし、他方で合理的な設計と労使の合意を経て上乗せを合理的な設計で再建することができると労使が心を決めてくだされば、それを制度が応援をしないということはなかなか難しいと。むしろ、そういうふうに志を決めていただけたなら、できるだけそれがかなうようにするのが今回の仕組みの発想だと思いますし、お話はまことにごもっともだと思いますし、私どもとしてできる努力、どんなふうにお示しすれば有効なのか等々についてもいろいろ考えてみたいと思います。

それから、今後のお話についても言及がございました。どうしても中小企業の方々にとって企業年金の仕組みを導入するかどうかということを考えるときになかなかハードルが高いという点が幾つかあるというお話なのだと思います。そういう背景もあって厚生年金基金がつくられてきた面もあると思いますし、これが確定給付、確定拠出中心の仕組みにシフトしていくのだとすれば、そういった仕組みに中小企業の方々が手を挙げていただきやすくなるために、どんな制度的な対応をしたらいいのかという点は、この案件としてもそうですし、企業年金制度全体のあり方という、4月以降にとりあえず仮置きさせていただいているテーマを考える上でも非常に重要なテーマだと思います。ぜひ、こんな点を考えてほしいというお話を具体的にいただけますと、私どもも大変助かりますし、そういったものを積み重ねて制度の議論にもつなげていけたらと思います。どうもありがとうございます。

 

○山崎部会長

 労使の理解がとても大事で、そのための政府・行政の側の十分な情報提供が大事だというのですが、今までの御経験で冨高委員、小林委員のほうで何かございますでしょうか、いろいろ御苦労されたようでございますが。

 

○冨高委員

 代行割れというような形でなく、先ほど山崎部会長に言っていただいたように、今までの代行返上の経験で言えば、まず、その後の制度設計などのための労使協議、これは最初に平川委員が言われたように、年金は賃金の後払いとしての性格と老後の生活保障というような機能を有していますので、そのような意味で言うと、本当に働く者にとっては大変重要なことであります。そのため、労使で今まで責任を持ってしっかりと説明をしてきており、それには先ほど平川委員が言われたように少なくとも2年程度かかると考えております。

今論議しているところは、代行割れとか代行割れ予備軍というような、通常よりさらにリスクのあるようなところですので、責任を持って基金にも対応していただきたいと思いますし、企業の労使もきちんと説明をしていくことが重要だというふうに思っておりますので、そのためのサポートを国にお願いしたいと思っております。

 

○小林委員

 母体企業の立場で申し上げても、同様に従業員の老後の生活保障という観点で、この上乗せの部分がどうあるべきかという点は非常に重要な課題だと認識しておりますし、かつ負担の問題も含めて十分な議論がそれぞれ必要になってくるだろうと思っております。

今回、移行の特例措置期間が5年ということになっているのですが、昨年3月に廃止になった適格年金からの制度移行に当たっては10年という時間軸があった中で、今回は5年間で移行するというところを含めて考えますと、いろいろ柔軟な措置等も御検討はいただいているとは思いますが、従来以上に情報提供もそうですし、支援というところを手厚くやっていただく必要があるものと考えております。

 

○山崎部会長

ありがとうございました。

 

○黒田企業年金国民年金基金課長

 どうもありがとうございます。私どもどうしても法律をベースに考えがちなところがありまして、法律ではこれも認められておりますと言って、そこで説明をおしまいにしてしまう傾向がございます。ただ、冨高委員からも小林委員からもお話がありましたが、企業年金、特に上乗せ再建の話になりますと、純粋企業年金部分ということになりますので、給付設計も含めて、国でこうしてくださいというよりは、お話し合いの中で、どういうリスクとどういう給付・負担という相関関係の中でお決めいただくということになるものですから、この手の話は行政は余り得手ではないことは事実です。ですので、考えていただく際のよすがになるような、例えば大きくこういうプロトタイプがありますとか、こういう点に留意してつくっていただけないでしょうかとか、そういう関係者の方々に取り組みを促すような情報のお示しの仕方というものをまずは工夫をしてみたいと思います。

その中で、ただ、それでもよくわからないとか、こういうのができないとか、こういうパターン認められるのかというお話が出てくれば、それへの対応を考える、を言ってみればキャッチボールをしながらやっていくというふうにしませんと、最終的には労使の方々にとっても、そこをプラスアルファの議論を深めていただくときに十分でないという話が出る可能性があります。まずはプロトタイプとして、こういうものということで投げかけをしてみたいと思いますし、次回の部会にもそういうのを投げかけてみたら、資料も端緒でありますが、投げかけをしてみて、それでこういう御意見がきましたというものを刈り取って、もう一度先生方に見ていただいて、あと、こういうやり方を加えたらいいのではないかというような御助言もいただけると、我々が余り得手でない、こういうふうなやりとりに役立つのかなと思いますし、こういうふうにしたほうがいいという御助言を随時いただけたら大変ありがたいと思います。ありがとうございます。

 

○山崎部会長

 いかがでしょうか。大井川代理人お願いします。

 

○山本委員(代理人・大井川)

ちょっと所感めいたことですけれども、先ほど小林委員から御発言があったのと全く同感で、特に資料4の上乗せ部分の支援策の部分ですが、繰り返しになりますが、適年からの移行時には、時間も含め、必ずしも中小零細企業が円滑に移行できたとは言えないと思っております。そういった意味では、こちらの資料にありますように、かなり具体的な選択肢をできるだけ示していただくことが第一ではないかと思っております。

労使との関係で言っても、もともと基金に加入する事業者は従業員の老後の生活保障を第一に考えて、あくまで善意で加入していた方々ばかりだと思いますので、使用者側の立場から見ても上乗せ給付の保全というのは第一に考えていただきたいことかと思っております。

これは質問というか、確認ですが、前回、専門委員会のときに新しい集団型DCという案があったと思いますが、その後、どのようになったのか、御教示いただければと思います。

 

○山内企業年金国民年金基金課基金数理室長

お尋ねの件は、資産運用委員会をつくって運用について意思決定すれば投資教育は省略することができるといった案だったと思うのですが、いろいろな議論の過程の中で投資教育は重要なので行うのはどうかといったご意見を多くいただきましたので今回はその点はここには入っていません。

 

○山崎部会長

  鈴木委員お願いします。

 

○鈴木委員

上乗せの支援策のところなのですけれども、附帯決議は、加入員、受給者等に移行先の選択肢を含め、必要な情報が行き届き、その上で最善の意思決定が行われるようにと、こうなっている。ここは非常に重要かと思います。今般、例として挙げていただいている部分は、多分に現行の総合型の基金の上乗せの部分を、意識した形での移行案ということになっていると思うのですけれども、先ほど黒田課長のほうから、キャッシュフローの観点からも検討が必要だとおっしゃいました。まさしくそうだと思っていまして、もともと積立不足を20年で償却するのを30年に延ばすというのはいいこともあれば悪いこともあるわけで、もともと20年にしていたというのは事前積立の制度ではできるだけ期間は短いほうが望ましいわけですね。それを30年にしたら単年度の掛金が減るのは当たり前なのですけれども、そのことによって起こるまずいこともあるわけでありまして、それを単独の企業ならまだいいのですけれども、総合型でそういうことをやりますと、自分のところでない別の企業で何か大量に給付が、例えば倒産したとか、人員整理があって給付が発生したりしたらキャッシュがショートして、みんなで掛金を上げなければいかんというようなことも起こるわけですね。

そういうことを考えますと、こういう仕組みで総合型で30年で運営するということは基金側に相当なかたい決意といいますか、ガバナンスといいますか、そういうものがないと、この掛金でできますよと言ってスタートしたけれども、すぐ追加の掛金が必要になったということで、またもとめるというようなことになりはしないかと非常に危惧するわけです。したがいまして、そういうことを含めて合意をしていただいて、こういう制度を採用されるのか、それとも中退共とか、確定拠出とか別の選択肢もあるわけですから、そちらを選ぶのか、必要な情報が正しく理解されて最善の意思決定がなされるというところを強く担保していただきたいと思います。

 

○黒田企業年金国民年金基金課長

どうもありがとうございます。今の鈴木委員のお話は大変大切な点だと思います。私どきょうごらんいただいている資料で、1.2.3.4.という順番でごらんをいただいている資料は、現行制度が確定給付型の年金になっているということから、そこを含めて考えていただきやすいようにということで、まずは確定給付スタイルでこんなやり方ができますよという仕立てになっています。

ただ、お話のように、結局は突き詰めて言いますと、給付をどうして、負担をどうして長期的に安定をさせ、短期的なキャッシュフローも含めて確保できるのか、関係者でどのようなリスクをとるのかという話になってまいります。釈迦に説法ですけれども、確定給付企業年金法を使うということになれば、終身年金もできますし、終身年金のほうが手厚く保障ができますが、確定年金にすることもできます。この資料上はそういう設計にした場合にどうなりますかということは、「※」のところに書いてあるという感じになっていますが、お話のような長期的な持続可能性で労使も含めてということになると、そこも含めてもう少し具体的な提示の仕方、例えばこれを確定年金したらどうなるか、キャッシュバランスにしたらどうなるのか、そういうものも含めてお示しをした上で、その中から選んでいただきやすくする。この場合のメリットはこれで、この場合のデメリットはこれだというようなものでごらんいただけるほうがよろしいのかなという感じはいたします。

これから現場の方々からも具体的な選択肢を示してほしいという御要望はあるので、この資料をもう少し展開をしたようなものを現場に届くような手配を考えたいと思うのですけれども、その際に今のようなお話、つまりいろんな設計が給付側にもあると。それから、それによって加入員の方や事業主がとるリスクというものも変わるというメリットもあればデメリットもあるし、これをやるためには必要条件はこれだというようなことをわかりやすくお示しをするように、私どもも努力をしたいと思いますし、まだ多分足らざる点があると思いますので、そういった点についてはまた御助言をいただきたいと思います。どうもありがとうございます。

 

○山崎部会長

高崎委員、何かございますか。

 

○高崎委員

私、正直、年金はそんなに玄人ということではなくて、当社が投資教育を設立当初から力を入れてやっているということで、この場に参加させていただいているのがあるのですけれども、今回、企業年金、特に代行の部分含めて、いかに再建していくかというか、健全な形でトランスファーするかということで、いろいろ猶予期間が15年から30年に延びるとか、そういう話があって、それは事業主側の負担も減らしつつ健全な形で年金制度を保っていくということに配慮していると思うのですが、一方で、30年という期間はかなり長い話なので、事業主がその部分を含めてきちんと理解して、制度の移行が図れるように十分留意していただければと思います。

 

○黒田企業年金国民年金基金課長

 どうもありがとうございます。長期的な財政の均衡を図らなければいけないという要請がありますし、それもありつつ、今、足下で事業主の方等々にお願いをしている負担が非常に大きくふえてしまうということになると、この話自身を考えていただきにくくなるという面もあると思います。最終的にはそれが働いている皆さんや事業主の方々にとって、その給付、負担のルールが、今、中に含んでいるリスク要因も含めて合意をされるというのが多分理想的な姿だと思いますので、そういうところまで提示をするのが我々は余り得手ではないのですが、そこはぜひ一般の方々や若い方々にも接していらっしゃる委員の方々にぜひ御助言をいただきながら、こういうやり方のほうがいいよというようなお話をいただきながら、私どもも手探りでつくっていきたいと思いますし、できましたら次回の会議でもそういう状況については御報告をさせていただいて、こんなやり方を工夫したほうがいいよという御助言がいただけるような素材を御用意したいと思います。どうもありがとうございます。

 

○山崎部会長

どうぞ。

 

○冨高委員

1点の意見と、1点の要望というところなのですけれども、先ほど御説明いただいた39ページのところに、財政運営についての「基金等から寄せられた主なご意見」というところがございました。この中には、「5年後以降について、存続基準に抵触した場合に即解散命令を出すような扱いはしないでほしい」というような意見が書かれてございますけれども、存続基準につきましては、この間、厚生年金基金制度に関する専門委員会等の中で十分議論を重ねてきたと認識しておりますので、なし崩し的な対応にならないようにしなければいけないと思っております。そのような意味では、基本的には基準を満たさなければ即解散命令を発動するということではないかと考えております。

あと、もう一点は、要望なのですけれども、現行の特例解散制度によって、既に分割納付をしている基金があると思いますけれども、こちらについて厚生年金基金改革法の施行日から1年以内に申請をした場合には、連帯債務外しと最長納付期間の30年への延長ということ、それから分割納付の加算金利率の固定利率化の3つ、これについては遡及適用できるというふうになっていると思いますので、これについて十分に周知をお願いしたいと思います。以上です。

 

○山崎部会長

 そのほか、ございますでしょうか。

 それでは、事務局の提案を基本にしつつ、皆さんのきょうの御意見も参考にしながら、場合によって必要な修正をした上でパブリックコメントにかけるということでよろしいでしょうか。

 

(「はい」の声あり)

 

○山崎部会長

では、そのようにお願いいたします。

一通り御意見をいただきましたが、そのほか、ございますでしょうか。

それでは、予定の時間には若干余裕ありますが、きょうの部会はこれで終了したいと思います。次回の開催につきまして、事務局のほうからお願いいたします。

 

○黒田企業年金国民年金基金課長

 次回の第2回の部会の日程につきましては、冒頭申し上げましたように、これからパブリックコメントの手続にかけて、そこでお寄せいただいた御意見とそれに対する対応方針というようなかたちでごらんをいただけるように準備をさせていただきたいと思います。

次回の日程につきましては、事務局から各委員の御都合をお尋ねした上で、日程を後日御連絡させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

○山崎部会長

 ありがとうございました。それでは、本日の審議は終了いたします。御多忙の中、お集まりいただきましてありがとうございました。

 

(了)

 

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