第28回社会保障審議会資金運用部会
年金局
日時
令和7年3月27日 (木)10:00~12:00
場所
全国都市会館 第2会議室(3階)
出席者
現地出席
神作部会長 大野部会長代理 佐保委員 佐藤委員 玉木委員 德島委員
オンライン出席
五十嵐委員 井上委員 大森委員 岡野委員 金井委員
福田委員
議題
GPIFの次期中期計画案について
議事要旨
以下のPDFのとおり
社会保障審議会資金運用部会(第28 回) 議事要旨
日時:令和7年3月27日(木)10:00~12:00
場所:全国都市会館 第2会議室
(1)議事の公開について
事務局より、本日の会議については、GPIFの次期基本ポートフォリオを含む次期中期計画
を審議するが、会議の公開により、市場の価格形成や民間の投資行動等に影響を及ぼすおそ
れがあることから、会議を非公開とすることを提案し、了承された。
また、本日の会議については議事要旨を作成し、公表する予定であることを説明した。
(2)GPIFの次期中期計画案について
GPIFより、第5期中期計画案について、前回の部会からの変更箇所及び次期基本ポートフ
ォリオを説明し、審議の結果、原案のとおり了承された。
質疑等の概要は以下のとおりである。(○:委員、●:GPIF、■:厚生労働省)
○GPIFは年金積立金の管理運用という重責を担う社会的使命の高い組織であり、中期計画
に掲げる人材の確保・育成・定着のための環境整備や業務遂行能力の向上等について精力的
に推し進めていただきたい。
○基本ポートフォリオの各資産の構成割合について5%刻みとなっているが、昔は必ずし
も5%刻みでなかったこともあった。基本ポートフォリオの構成割合としてどのようにす
るのが適切なのか、将来に向けて検討いただきたい。
中期計画に関して、テクニカルターム(専門用語)がやや目立つ部分があるため、中期目
標も含め、国民向けにどのように分かりやすく説明していくか情報発信について努力いた
だきたい。
○基本ポートフォリオについて、経営委員会で何か論点になったこと、特筆すべき論点があ
れば、教えていただきたい。
公表資料について、国民向けになるべく分かりやすい言葉で伝えていただきたい。
中期計画の情報発信の部分で、「役職員」と職員も追加したことは人材育成としてとても
良いことである。講演等で情報発信するには、内容を深く理解していないといけないので、
人材育成の一環になる。
●経営委員会における基本ポートフォリオに関する議論に関しては、その議事概要を別途
整理して、基本ポートフォリオ公表のタイミングで公表することを考えているので、議事概
要にて御確認いただきたい。
○厚生年金の積立金は、4つの機関に分かれて運用されているが、これを恒常的に続けてい
くのかという点については、長い目で見て、考え方の整理を進めていただきたい。
積立金は、長い目で見て、どこまで大きくなるべきか、最低限これだけは必要だといった
「積立度合」という表現の仕方があるが、他に表現の仕方がないのかというところも、中長
期的な観点として、政策議論の中に入ってもいいのではないか。
情報発信について、国民の理解を得ることは非常に大事であるが、さらに、運用機関や資
本市場等との対話という点で非常に精緻なものが求められているので、運用組織ならでは
の発信も、専門家たちと同じレベルで議論できているところを示す方が、内部的にも対外的
にもプラスとなるのではないか。
○基本ポートフォリオの乖離許容幅について、外国債券のみ±5%となっているが、何か理
由があるのか。
プロ向け、投資家向け、国民向け及び年金財政全体の観点での被保険者向けの情報発信も
必要であるが、国が出資している機関としての在り方の情報発信、そういう観点の情報発信、
色々な観点の情報発信を今後も検討いただきたい。
●乖離許容幅の設定については、従前から計算方法を特に変更していない。今回新たに判明
した5年分の実績を加えて計算すると、各資産の値が少しずつ小さくなり、端数処理の結果、
外国債券については、±5%になったというものである。
○基本ポートフォリオはモデルポートフォリオを参酌するという仕組みとなっているため、
そのモデルポートフォリオは、今回は見直す必要がないと判断されており従来のままであ
るという点を先に明示するほうがいいのではないか。
期待リターンやリスクの変更・見直しは、議論の多いところなので、その開示をお願いし
たい。
人材開発は、今回充実した計画となっており、しっかりとした取組を期待する。
●モデルポートフォリオについては、当法人を含めた4つの管理運用主体で議論や確認を
行っており、基本ポートフォリオと同じタイミングで公表する形で対外的な説明を行って
いくこととしている。
●基本ポートフォリオの策定に当たっての諸前提の開示については、ご指摘を踏まえて、ど
のような形で国民に説明していくか、改めて検討させていただきたい。
○開示については、手の内を見せるということではなく、考え方の視点、論点といった、議
論の基になるようなものとして行っていただきたい。
○新しい中期計画期間の5年間は、市場環境や国際情勢が非常に不確実性の高い期間にな
ると思うが、今回の計画に基づいて適切な運用を行って、長期的な視点に立って丁寧な説明
をお願いしたい。
○次期中期計画における基本ポートフォリオの資産構成割合は現行と同様であると示され
たが、中期計画に基づき、長期的に積立金の実質的な運用利回り1.9%を最低限のリスクで
確保していくことが重要だと思う。
○GPIFのYouTubeによる情報発信について、より視聴してもらえるよう正確でわかりやすく、
魅力的な情報発信の工夫をしていく必要があるのではないか。
情報の管理について、公表前の基本ポートフォリオに関して一部報道が行われたため、一
層の高度な情報管理をお願いしたい。
●法人として基本ポートフォリオを公表する前に一部報道があったことについては、大変
残念に思っている。
法人の重要な情報の管理については、公表前である基本ポートフォリオの情報も含め、引
き続き法人内で情報管理に努めていきたい。
○年金積立金の管理及び運用の基本的な方針の部分で「専ら被保険者の利益のために」とあ
るところについて、今後、広報をされる際には、事業者も厚生年金の負担をしており、年金
制度の一翼を担っていることを片隅に入れておいていただけるとありがたい。
●国民の皆様から広く御理解いただくための広報は大事だと考えており、年金制度の仕組
みに関することも含めて分かりやすい情報発信に努めていきたい。
○テクニカルタームが目立つといった問題について、GPIFからお考えや対応方針等があれ
ば、御発言いただきたい。
●テクニカルタームが多いことについては、できるだけ括弧書きで注釈を加えるなどの工
夫をしている。
国民向けの説明については、中期計画に書かれている記載そのままでは分かりにくいよ
うであれば、言葉を言い換える形で情報発信をしていくことで対応することも考えたい。
さらに分かりやすい記載をすることについては、今後の検討課題とさせていただきたい。
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■テクニカルタームについて、中期計画は、中期目標を受けて書いている面もあるため、今
回のご指摘を踏まえて、次期以降は、中期目標においてもなるべく分かりやすい表現でお示
しすることとしたい。
それを踏まえて、中期計画も分かりやすいものとし、さらに、広報に当たってはより分か
りやすい形での広報や専門家に向けた広報をしっかりやっていただくこととしたい。
(3)その他
事務局より、今後の予定等について説明があった。
団体