2014年7月25日 第7回社会保障審議会企業年金部会議事録

年金局

 

○日時

平成26年7月25日(金)16:00~18:00

 

 

○場所

全国都市会館 3階 第2会議室

(東京都千代田区平河町2-4-2)

 

○出席者

山崎部会長、森戸部会長代理、井戸委員、臼杵委員、小林委員、白波瀬委員、鈴木委員、高崎委員、平川委員、山本委員

○議題

(1)企業年金部会における検討課題について

(2)その他

○議事

○山崎部会長

 それでは、ただいまより第7回「社会保障審議会企業年金部会」を開催いたします。

 お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。

 本日、小林委員、冨高委員から御欠席の連絡をいただいております。

 また、御欠席の委員のかわりに出席をいただいている方ということで、小林委員の代理として、本日、日本経団連の清家代理人に御出席いただいています。清家代理人の御出席につき、部会の承認をいただければと思いますが、いかがでしょうか。

 

(「異議なし」の声あり)

 

○山崎部会長

 ありがとうございます。

 御出席いただきました委員の方が3分の1を超えていますので、会議は成立していますことを御報告申し上げます。

 また、本日の部会より検討課題の整理を行うこととなりますが、今後、部会における議論の中で企業年金の現場の知見が必要となる場面も多くなると考えられます。そこで、今回の部会より、企業年金関係団体の代表である企業年金連合会の村瀬理事長に部会のオブザーバーとして御参加いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 

(「異議なし」の声あり)

 

○山崎部会長

 ありがとうございます。

 それでは、議事に入ります前に、事務局の異動がありましたので、御報告をお願いいたします。

 

○黒田課長

 事務局の異動について御報告申し上げます。

 7月の人事異動に伴いまして2名異動がございます。

 まず、大臣官房審議官の山崎でございます。

 

○山崎大臣官房審議官

 山崎でございます。よろしくお願い申し上げます。

 

○黒田課長

基金数理室長の山本でございます。

 

○山本企業年金国民年金基金課基金数理室長

 山本でございます。よろしくお願いいたします。

 

○黒田課長

 以上、よろしくお願いいたします。

 

○山崎部会長

 カメラの方はここで退室をお願いいたします。

 

(カメラ退室)

 

○山崎部会長

 議事に入る前に、まず事務局から資料の確認をお願いいたします。

 

○黒田課長

 それでは、資料の確認をさせていただきます。

 本日配付の資料は、

 資料1 社会保障審議会企業年金部会委員名簿

 資料2 企業年金部会における検討課題(案)

 参考資料1 企業年金制度の現状等について

 参考資料2 社会保障審議会企業年金部会運営規則

を配付させていただいております。

資料の不備等ございましたら、お知らせいただければ幸いです。

 

○山崎部会長

 ありがとうございます。

 それでは、本日の主な議題である「企業年金部会における検討課題について」事務局より説明をお願いいたします。

 

○黒田課長

 それでは、お手元の資料2に沿いまして、課題の整理について御説明申し上げます。

 1ページおめくりいただきまして「課題設定の視点(案)」でございます。

 今回の企業年金部会における制度の議論でございますが、丸を3つ書かせていただいております。

 1つ目の丸は、老後の所得保障の柱である公的年金制度の側で中長期の給付水準の調整が予定されているということ、働き方の多様化が進む中で個々人のライフスタイルに合わせた老後の生活設計を支える仕組みが求められているということ。

 2つ目の丸ですが、諸外国でも公的年金と私的年金とを組み合わせて老後の所得確保を図る方向性があるということ。

 3つ目の丸ですが、我が国の企業年金等につきまして、企業年金二法成立時からの状況の変化、厚生年金基金制度の見直し等を踏まえて、社会経済情勢の変化に対応すべく全体的な見直しを行う時期ではないかということ。

 2ページ目に参りまして「検討課題(案)の設定について」ですが、今回の検討課題(案)の設定に当たっての検討の経緯でございます。

 まず、今回の議論に当たりまして、6月4日に資料をごらんいただきまして、それを御参照いただきながら、第5回部会(6月30日)、第6回部会(7月4日)におきまして、点線で囲っております各団体の御意見を頂戴したところでございます。

労使、企業年金の運営に携わっている方々、金融関係の団体の方々ということでございます。こういったヒアリングでもお示しいただいた関係各層の方々の問題意識、部会の委員の先生方からいただいた御意見を、下記の点線で囲っておりますような分類に即しまして、課題の設定という形で整理した資料でございます。

 3ページ目、その中の1つ目の固まりであります「企業年金等の普及・拡大」でございます。1一般企業向け、2中小企業向けということで、2つに区分しておりますが、そのうちの「1一般企業向けの取組」でございます。

 資料の体裁は、まずヒアリング等々でいただいた主な御意見を前に書かせていただいて、そこから抽出した課題という体裁になっております。

 まず、前段でございますが、御意見といたしましては、経団連、企業年金関係団体の方々より、現行制度を前提とした小幅な改善というよりは時代の変化に即した抜本的な検討が必要ではないかという点、DCにつきましては、拠出限度額や中途脱退要件等の制約が強く、多様な制度設計を困難にしており、DBとのイコールフッティングの確保が必要ではないかという御意見をいただいております。

 また、企業における組織再編等、あるいは雇用形態の多様化に対応するため、労使合意を前提にした円滑な制度間移行を可能とすることが必要ではないかという御意見、全ての労働者が加入でき、確実な給付を受けられる企業年金制度を確立することが重要だといった御意見をいただいているところでございます。

 4ページに参りまして、こういった御意見を反映しまして、この部会で御議論いただく際の課題として2つにまとめております。

 1つ目は、各企業の実情に応じた多様な制度設計を可能とするためのDB・DC両制度間のイコールフッティングの確保ということでございます。

 2つ目は、企業の組織再編等に対応するための制度間移行に係る手続のあり方やポータビリティーの向上などということでございます。

 5ページに参りますが、3ページ、4ページが企業全般のお話だといたしますと、5ページは、中小企業の方々に対しまして特に配慮が必要な点ということでございます。ヒアリングにおける主な意見等を4つにまとめております。

 1つ目は、DB、確定給付の仕組みにつきましては、追加拠出の可能性があること自体が経営に対するリスク要因になっているという点、加えて制度運営に係る管理手数料や数理計算、事務手続等の事務負担にも考慮が必要だということ、積み立て不足の発生しにくい仕組み、事務コストを抑制するための仕組みを導入すべきだという御意見を日商、金融関係団体の方々からいただいております。

 2つ目は、DB・DCの二者択一ではなくて、労使が企業と個人のリスクシェアを柔軟に選択できる制度設計が必要という御意見を日商を初め、記載の団体から頂戴しております。

 3つ目は、DCについて投資教育や事務手続等の事務負担が重く、一定の条件のもとでこうした事務負担を軽減した新たな仕組みや、運営・運用の共同化等の中小企業の運営コストを抑えた仕組みの検討が必要という御意見をいただいております。

 4つ目は、企業年金制度は、雇用した立場から退職給付を保障する観点からはDBが基本で、中小零細企業でも取り組めるような制度改善など事業主の責任を果たせる仕組みとすべきといった御意見をいただいております。

 6ページに参ります。課題案として大きく2つにまとめております。

 1つ目は、DBであれDCであれ、中小企業が企業年金を実施・継続する際の負担を軽減するための新たな仕組みについて挙げております。その下に米印が置いてありますが、DBについては追加拠出可能性や制度運営コストの抑制、DCについては投資教育や事務手続コストの抑制が視野に入ってくるということでございます。

 2つ目は、労使の継続的な関与・監視を前提としたDB・DC双方の特徴をあわせ持つ制度設計のあり方を諸外国の事例や企業年金関係団体からの御提言もいただきながら検討してはどうかという点でございます。この部分はまた後で出てまいります。

 続きまして、7ページからは、大きなくくりとしては2ということになりまして「ニーズの多様化への対応」というタイトルを付させていただいております。

 1といたしまして「柔軟で弾力的な制度設計」という小見出しをつけております。この部分につきましては、ヒアリングにおける主な意見等にございますように、まず、現行の仕組み、DB・DCにつきましては、従業員、事業主のどちらか片方にリスクが集中しているという点、2つ目にありますが、純粋なDB・DCの二者択一ではなく、諸外国の制度も参照しながら、労使間でのリスク分担をより柔軟にできるような制度設計の選択肢の多様化を図ることが必要ではないかということでございます。

 8ページ、課題案ということですが、柔軟で弾力的な制度設計については以下の2つを課題としてはどうかということで書かせていただいております。

 1つ目が、先ほどのところにもございましたが、労使の継続的な関与・監視を前提としたOB・DC双方の特徴をあわせ持つ制度設計のあり方です。

 2つ目は、制度設計の選択肢の多様化を図る場合における労使の関与・監視のあり方及び関係者の役割と責任のあり方でございます。多様化を図る場合におけるそれぞれの役割というものもきちんと議論していく必要があるということでございます。

 9ページの2の「2ライフコースの多様化への対応」でございます。この部分についてはかなりの方々から御意見を頂戴しているところでございます。

 1つ目は、雇用が流動化している中で、ポータビリティー制度の拡充等が必要だという御意見。

2つ目は、制度間のポータビリティー制度の拡充が必要ですが、それだけでは不十分ではないか、資産移換時のキャッシュ化コストの問題も考える必要があるという御意見。

3つ目は、広く現役世代が参加できる自助努力型の仕組みの意義が大きい。諸外国の制度も参照しながら個人型確定拠出年金の抜本的見直しなども検討すべきという御意見。

4つ目は、個人型DCの加入対象者を全国民に拡大し、職種や働き方を問わない私的年金制度への改善が望まれるという御意見。

5つ目は、DCについて、高齢者雇用の進展や働き方の多様化等を踏まえて、中途引き出し要件、受給開始年齢、加入可能年齢等の見直しが必要との御意見。

6つ目は、全ての労働者が加入でき、確実な給付が受けられる企業年金制度を確立することが重要という御意見などをいただいているところでございます。

 これらの中から、次の10ページに課題案としてまとめております。

1つは、各制度間のポータビリティーの拡充や、これは費用面、手続面ございますが、資産移換時のコストを軽減していくための方策という点でございます。

もう1つは、今は例外的な扱いということでございますが、企業年金等における個人単位で加入する仕組みの位置づけと、その中で個人型DCの適用範囲のあり方という点を挙げさせていただいています。

 続きまして、11ページからは大きなくくりの3でございますが、「ガバナンスの確保」というタイトルにしております。ヒアリングにおける主な意見等につきましては、いろいろな論点がこの中では提起されております。

 まず、企業年金は労使に帰属していまして、労使が十分な対話のもと、明確な運営方針を示し、絶えず関与・監視し続ける仕組みが重要だという点。

2点目は、受給権保護の重要性や変動の大きい運用環境を踏まえて、一定の積み立て目標に対する積み立て不足を速やかに解消できるなど弾力的な運営ルールが必要ではないかという御意見。

3点目は、企業年金実施主体が選定した運用機関の選定理由や運用状況等についての情報開示の重要性に関する御意見。

4点目は、複数事業主の制度でもガバナンスが機能するようなトラスティの責任のあり方等に関する検討が必要ではないかという御意見。

5点目は、従業員のリスクに鑑みて実効性のある投資教育が必要ではないかという御意見がございました。

 こういったものを踏まえまして、12ページでございますが、課題を4つにまとめて御用意しております。

 1つ目は、企業年金の運営全般について労使が明確な運営方針を示し、継続的に関与・監視することが必要ですが、その仕組みのあり方。

2つ目は、積み立て不足の速やかな解消など制度のリスク等に応じた弾力的な運営ルールのあり方。

3つ目は、制度設計の選択肢の多様化を図る場合における労使の関与・監視のあり方及び関係者の役割と責任のあり方。

最後に、制度設計のあり方に応じた効果的な投資教育のあり方を入れております。

 次は、13ページの大きな4のその他でございますが、これが1と2に分けられております。

 「1現行制度の改善」でございますが、ヒアリングにおける主な御意見といたしましては、まず、DCについて、個人のライフプランや将来の物価上昇等を踏まえて個々人が自己のニーズに応じて適切な資産運用選択を行うことができるよう、投資教育、商品除外規定、資産選択における自己責任等のあり方を検討すべきという御意見。

次に、規制改革会議における「規制改革に関する答申」で指摘された事項等を踏まえた手続の簡素化に関する御意見。

次に、中小企業退職金共済や特定退職金共済等の制度は一定の条件になると加入できないという御意見。

次に、DCのマッチング拠出に関して御意見があったというところでございます。

14ページに参りまして、これらのお話をいただきましたので、課題案といたしまして4つにまとめております。

まず、DCの運用資産選択について、個々人のニーズ等を踏まえた適切な運用資産選択に関する措置としてどのようなものがあるのかという点。

2点目といたしまして、DB・DCの申請諸手続等の簡素化。

3点目といたしまして、中退共等の他制度との関連について、制度間の連携強化やポータビリティーの向上等を通じた両者の連携継続が図られやすいような工夫に関する点。

最後がマッチング拠出の取り扱いでございます。

15ページは「2公的年金制度や税制等との関係」でございます。ヒアリングにおける主な御意見といたしましては、まず、被用者年金制度に加入できていない労働者の適用拡大を積極的に進めた上で企業年金の拡充を図るべきという御意見。

次に、老後所得保障として公的年金と合わせてどのくらいの給付水準を目指すのかということを検討すべきという御意見。

次に、特別法人税の廃止に関する御意見。

次に、企業年金制度が年金制度として老後の所得保障を担うものである以上、本来的には公的年金と同様の終身年金であるべきではないか、そうでないとした場合の老後の所得保障としての位置づけについての御意見。

次に、退職金制度としての性格、老後の所得保障としての性格、この2つの観点を踏まえた議論が必要ではないかといった御意見がございました。

16ページでございますが、こうした点を踏まえまして、課題案として大きく3点に分類しております。

1つは、公的年金の給付水準を前提とした老後の所得確保のための制度としての企業年金等の位置づけ及びこれに対応した税制のあり方。

2つ目は、各制度のポータビリティーの拡充や資産移換時のコスト軽減、これは再掲でございます。

3つ目は、個人単位の仕組みの位置づけや個人型DCの適用範囲のあり方、ここも再掲でございます。

以上、とりあえず前々回、前回の会議の御議論も踏まえて、たたき台として御用意させていただいたものでございます。

当方からは以上でございます。

 

○山崎部会長

 ありがとうございます。

 それでは、ただいま説明のありました資料について委員の皆様から御意見等をいただきたいと思います。いかがでしょうか。

高崎委員。

 

○高崎委員

 今までの2回、前回、前々回の各関係団体の方々からの御説明、御提案をいただいた中で興味深く拝聴させていただいたのは、皆さんお立場はいろいろ違っても、私的年金としての企業年金のあり方は今後非常に重要性を増すというのが認識として共通だということと、あと、どんどん活用していかないといけない中で使い勝手を改善していかないといけない部分がいろいろあるという部分では皆さん一致していて、その中で制度が複雑であったり税制の問題が絡んだりということでいろいろ御提案をいただいたと思っています。

 今、事務局からお話をいただいたように、例えば7ページ、8ページあたりでニーズの多様化への対応が必要だという課題の設定をいただいています。確かにこのとおりだとは思っていますが、一方で、例えば8ページの課題の2番目で「制度設計の選択肢の多様化を」という言葉が出てきています。多様化というのは、今の制度が現状に即していないとか、今後の社会のあり方に即さない部分が出てくるという中での多様化という意味だとは思いますが、一方で複雑な制度の上にさらに複雑な新しい仕組みをどんどん加えていくような多様化となってしまうとますますわかりにくくなったり、企業側の手間やコストもふえる可能性もあります。その辺は使いやすさというものを大前提として、その中で多様化をどう考えていくかという観点で検討していったほうがいいのではないかと思います。

 

○山崎部会長

 ありがとうございます。

事務局のほうから。

 

○黒田課長

 委員からの問題意識は大変よくわかります。今は根拠法が2つに分かれているということ、その中でかなりきめ細かい制約が設定されていて、労使の方々が御議論いただく際にその制約自身のわかりづらさにつながっているということがあるので、別のところで経済団体の皆様ほかからお話もいただいていますように、まずはそれぞれの制度同士の違いというものが合理的なのかどうかという確認の作業が今回は必要なのではないかと思います。

 そこを確認した上で、もう少し選べるオプションをふやしたほうがお気持ちにかなうということであればそちらを検討するということだと思います。お話はごもっともだと思いますし、その2つの違いの合理性の話を一応整理した上で、オプションの拡大ということも考えていきたいと思います。どうもありがとうございます。

 

○山崎部会長

 よろしいでしょうか。

ほかにいかがでしょうか。

井戸委員。

 

○井戸委員

 今、2つの制度の違いの合理的なものを見直していきましょうということなので、違いを比較検討していくことになると思うのですけれども、私たちファイナンシャルプランナーのところで一番多いのは、受け取るときに一時金で受け取るのか、年金で受け取ったほうがいいのかという御相談です。拡充されるというのであれば退職一時金としての面を見るのか、あるいは年金としてずっともらい続けるのか、どちらの側面を重視されるのかということが気になりました。

 あと、老後の安心を計画的に行えるようになればいいと思っています。

 

○山崎部会長

 どうぞ。

 

○黒田課長

 釈迦に説法かもしれませんが、ルーツとしてこの分野というのは、もともと企業の労使の方々で決めていただいて、退職金がまずあるというところからスタートして、それが姿を切りかえながらという形で発展してきた面はありますので、ここでは退職金としての性格を色濃く持った分野だとは思います。

ただ、これからだんだん長生きしていくということになっていきますと老後は長いということになり、長くなる老後でだんだんスリムになっていく公的年金との兼ね合いで考えれば年金としての側面もあるということで、両方の側面があるというのが今の制度だと思います。

 拡充をしていこうという話になるのであれば、どちらかというと取り巻く環境からすると長生きになったりということがあるので、年金という性質が一つのキーワードにはなるだろうと思いますが、ルーツの話、それからもともと退職金がなく新しく退職給付を始める企業もおありなので、社会環境からすると年金のモメンタムというものが強くなっていく面はあると思います。両方の側面というものは一応念頭に置いた上で、個々の論点ごとに即してきめ細かく議論していくことが必要なのではないかと思います。どうもありがとうございます。

 

○山崎部会長

 白波瀬委員。

 

○白波瀬委員

 大きく2つほどあります。今の一時金か年金かという話なのですけれども、一時金というのは、日本の社会は退職金とか何かそういうのを目指してローンをやっていくみたいな、そういう文化がありました。しかし、基本的な枠組みを検討する際、その志向の基本路線をベースに制度設計するのか、あるいは若干方向転換して、基本的に年金の仕組みで軸足を変えて制度設計するのかというのは、とても違いがあると思います。

将来的なことを考えたらやはり年金という性格に軸足を置いたほうがいいのではないか、考えています。全体の課題についても、基本的な制度の方向性というのは伝えてもよいのではないかと思っています。さまざまな選択ができるようにという御指摘はどれもごもっともだと思うのですけれども、具体的なことを考えたときに、優先順位というか、どう制度改正していくのかという方向性をもう少し出してもらったほうがわかりやすいと思います。

例えば、2つのポータビリティーの話もあったのですが、ポータビリティーということができるようにするのは、そもそも制度設計上、どちらも選択できるように設計し直してもらわなければいけないわけです。そういったときにまず何からやったらいいのか。確定拠出か給付かと素人的に考えると、出口と入口のところの確率で計算すると一緒にするという具体的なものが私の中で見えにくいのです。そこのところはやはり方向性としてももう少し出すような形の課題提示のほうがいいのではないかというのが1点目です。

 2点目は、単位が個人かどうかということなのですけれども、ニーズとか働き方が変わるという今の状況を考えると、企業年金という制度においては個人単位でというところでの設計が望ましい。日本的な枠組みで労使ということを考えたときに、特定企業の労使という色彩が強くなってきます。これは、制度設計上特定の労使ということよりも、もう少しリスクをプールした形での個人単位の制度設計でポータビリティーを持っていくということではないかと思います。そういう意味で、労使をどのレベルで設定していくかということももう少し明確にしてもらえるとわかりやすいのではないかと思いました。

 以上です。

 

○山崎部会長

 どうぞ。

 

○黒田課長

 とても大切なお話だと思います。2点お話をいただいたうちの1点目の大きなお話ですが、先ほどの井戸先生のお話とも重なると思います。ここは、今後個別の議論をしていくに当たって大切なこととして議論しておくことが重要なテーマなのだろうと思います。年金のモメンタムが社会情勢からすると高まっていくということではないかというのは先ほどお話ししたとおりです。あるいは仮に制度拡充していくのだということで論を立てるとした場合にどの視点にウエートを置いて立論するのかと考えると、年金ですからという論の立て方が一つあり得るということだと思います。

一方では、退職金というものがその水準論なりあり方をめぐる労使のお話し合いの一つのベースをつくってきたものだということは現在の到達点のお話として多分あるのだろうと思います。

どちらかに決めることがよいのか、あるいはどちらの観点も大切にしなければいけないということなのか、あるいは個別の論を見ていく上で、特にこの場合はどちらの契機を重視するというふうにケース・バイ・ケースで考えるのか、いろんな立場があるのではないかという感じが私個人としてはしております。

ただ、このお話は、個別の論点について議論していく上でもどちらのモメンタムを重視するのかによって個々の結論が影響を受けるファクターではあると思います。きょうはまず課題設定の御議論をいただくわけですが、これから私ども個別の課題についてのいろいろな選択肢なりを考えていく上でも、どちらのモメンタムなのかということを意識しながらのお示しの仕方にはしていきたい。それをごらんいただきながら、先生方の捉え方を御披露いただきながら議論できると立体的な形になっていくのではないかと思いますので、いただいたお話を私どもこれから作業していく上でも大切にしたいと思います。どうもありがとうございます。

 済みません。もう一個、2点目のお話がございました。2点目は、労使をどういうレベルで考えていくのかというお話です。これも、これからの制度を考える上でどう捉えていくのかということによって個々の論点が影響を受ける話だと思います。これまで企業単位でつくってくださった企業年金を労使の努力でここまで続けていただいていて、それが総和としての力をどうやって保っていくか。職場で決めて職場の方がみんな入るプランの重要性というものは多分皆さん同意されることだと思います。その上で、働き方が変わってきたりということが出てきたので、職場単位が縦だとすると横串を刺していくことの重要性が増してきている。どっちかだけではなくて両方とも強まらないと全体の力が強まらないということなのではないかと思います。先生のお話は、まさに縦をつくった上でちゃんと横のことも考えなければいけないというお話にもうかがえましたので、このお話はどっちかだけに偏らないように、私どもとしても作業をする上でぜひそこは念頭に置いた上での整理をしていきたいと思います。

 どうもありがとうございます。済みません。長くなりました。

 

○山崎部会長

 お待たせしました。平川委員。

 

○平川委員

 「課題設定の視点」というところで言いますと、やはり公的年金の充実が大前提だと思いますけれども、それを補完する意味での企業年金の位置づけであるということについては改めて確認していく必要があるのではないかと思います。ただ、企業年金を充実するからと言って公的年金を例えば小さくしていということではありません。要するに、企業年金が公的年金の代替措置にはならないという観点も重要ではないかと思っています。そういった意味で、豊かな老後もしくは個人のライフスタイルに合わせた生活設計という観点から企業年金というのは大変重要ではないかと思います。

問題は、どうやってそれを広げていくのかということと、もう一つは、税制上優遇されているという面がございますので、やはり公平な税制という観点からどうやって国民の理解を得ていくのかという視点も必要ではないかと思います。DCの拠出限度額の引上げや中途脱退要件の緩和についても国に要望があるというのは十分承知しておりますけれども、ともすれば税制優遇という点はどうなのかという意見が出てくる懸念もあるのではないかと思っています。企業年金を全ての企業に広げて、全ての企業につくれればという大目標はありますけれども、残念ながら現実はなかなかそうはなっていないことも踏まえると、規制を緩めていくという方向と、納得ある税制優遇をどうやって維持していくのか、その辺のバランスが検討においての重要な課題ではないかと思っているところであります。質問がちょっと曖昧ですけれども、税制との横にらみをどういう形で検討していくのかを教えていただければと思います。

 

○黒田課長

 この分野は、平川委員のお話のとおり、税制との関係が非常に強い分野です。公費が直接投入されているというよりは、税制でインセンティブを提供して、企業や個人、労使や個人に入っていただきたい、そういう仕組みでございます。

税制との関係につきましては、まずスケジュール的なお話から申し上げると、税制の節目は夏と冬ということになりますので、その2つのタイミングを意識しながら、これからの課題が設定された後の御検討いただくスケジュールというものも税のスケジュールをにらみながらの設定にしていくことが考えられるのかと思います。

全体的に見ますと税制優遇というものも結局は広い意味では国家財政とのリンクがかなり強い分野でもありますので、そういう意味では、関係者の方々から真にこれは必要なのだというお声が出るものでなければこの御時世で拡充していくことはなかなか難しい面もあります。この分野のステークホルダーの皆様から見てこれがどうしても要る、どうしても必要で、労使あるいは個人の方々が見たときにも重要なのだというような裏打ちの議論をいただきながらということになりますし、それが説得力なりの源泉になるということだと思います。関係者の方々の御意見も非常に重要ですが、そういうお声が個々に集まるということでもあり、持ち主は労使ないし個人ですので、ここが重要、ここに本当に大切なポイントがあるという、委員を初め先生方のお話を頂戴をしながら、煎じ詰めて煮詰めて確度の高いものとしてお持ちできるようにしていきたいと思います。

それから、拡大していくことが非常に重要だというお話は、委員の中で共有いただける問題ではないかと思います。規制との兼ね合いで言えば、中小企業の方々の負担感というものにどうお応えをしていくのかということは一つ大切なテーマではないかと思いますし、そういったものがなければ、それぞれの企業の労使の間でお話をいただくときにも材料が十分でないということになる可能性もあろうかと思います。制度的なお話との関連性が強い分野だと思いますので、そういった点については、過去の会でもいただいておりますが、お話を具体的にいただきながら肉づけをしていきたいと思います。どうもありがとうございます。

 

○山崎部会長

 山本委員。

 

○山本委員

 課題設定の視点というところで一番感じますのは、働き方の多様化が進む中でということで、老後の生活設計を考える仕組みについての、コンセンサスは得られないかもしれませんけれども、大筋のベクトルをもう一度ここで見直していく必要があるのではないかという感じがいたします。

 高齢者の雇用の促進ができるような社会づくり、企業環境づくり、こういうものが必要になっていく一方、公的年金の存在というものがどうバランスよくかみ合うか。財政検証を拝見しても50%を切っていくであろうという危険性が高いことがつとに指摘されている中から考えますと、基本的には働き方、雇用されていく余地の高い社会づくり、こういう方向へ向かっていかないと、公的なものの入りと自分が働くことによって入ってくる実入り、それによって高齢化していく社会の中での自分の行き道を定めていくわけですけれども、そのときの自立によって得ていくパートがふえていく可能性のほうが高いのではないかということを皆さんが考えるとすれば、やはり経済の活性化を図ることによって雇用の幅が広がっていくような社会づくりを目指して、高齢者であっても働けるという希望を持ちながら、55%は自分で働ける、45%はそのかわり公的年金や企業年金に頼るのだというぐらいのバランスの見直しをここで図っていく必要があるのではないかという感じがいたしました。

 一方、法人税減税の問題がございまして、これがどれぐらいの規模にわたるのか、よくわかりませんけれども、これらのものが企業がこれから運営されていくときの企業年金等の仕組みのほうへ回るのか、あるいは法人税率が下がることによってそれを次の投資や次の経済成長につながるほうへより多く向けていくべきなのかというあたりは、内的充実を図るか、外へ向けて自由な雇用の場の拡大へ向けて減税を使っていくのかという法人税の問題ですが、その辺などもある意味では慎重にというか、積極的な議論をしながら、今回の法人税減税が本当に役立つものだというベクトルを示す必要があるのではないかという感じがいたしました。

 

○黒田課長

 委員おっしゃいますように、この分野というのは強制的に国が頂戴する保険料で賄われている公的年金とは違いまして、まさに個々の会社の労使の話し合いというものがベースになってつくられますので、仮に取り組んでいただける場合でも、どれぐらいの掛金にしてどれぐらいの負担をいただけるのかというのはそれぞれの企業で決めていただく仕組みです。

自助か、共助か、公助かというお話もありますけれども、公的年金が、保険だけれども、みんなで助け合う共助だとすれば、こちらは自助を公的な仕組みで応援していく。その自助は個人なり企業の労使なりということだと思いますので、そこの組み合わせ方が強制的にではない部分がここだということなのではないかと思います。

 今のお話を伺いまして、労使のお考えも企業のお考えもありますし、企業の労使の置かれている環境もさまざまだろうと思います。非常に余力があって、コストフルでもかなり企業負担の厚い仕組みをお望みの企業もおありでしょうし、もう少しシンプルなものをお望みの企業もおありでしょうし、退職給付全体についてまだ全然手がつけられていないという企業も多分おありだと思います。

先ほどできるだけわかりやすい仕組みにというお話がありましたので、そこをまず議論した上で、すごくハードルの高い複雑なものだけしかないと選んでいただきにくいので、もう少し負担感を下げながらというオプションもできるだけ御用意するような、それぞれのお考えに即した選び方ができるようなものが一番よろしいのではないかと思います。実際に運用してくださっている方々や企業の関係の方々のお知恵もいただいて、それぞれの労使の考え方に即した制度側からの御提案ができるとよいのではないかと思っておりますし、今の委員のお話に即したようなお示しの仕方ができる論点の提示を心がけていきたいと思います。どうもありがとうございます。

 

○山本委員

 先ほどの公的年金と企業年金、これは公的年金が共助であって企業年金は自助ということの仕分けでよろしいわけですね。

 もう一つ、自分で働いて稼ぐという部分、企業が努力して自助として年金として負担していくのに当たって、どれくらいのシェアの金額を企業としての自助努力の範囲で目標とすべきなのかというあたりのガイドがないと、企業がその企業のオリジナリティーで全て考えればいいではないかということになった場合に、すごくいいところもあればそうでないところも出てくるから、まちまちの展開がされて、自由競争の経済だからそれでいいのだという考えもありますけれども、これからの全体のことを考えたときにどれくらいまで企業年金が目指すべきシェアなのかということは何か物差しが必要ではないかと、こんな感じでやっておりますという意味です。

 

○黒田課長

 今の委員のお話は大変大切な論点だと思います。先ほどからほかの委員の方々からも出ていますように、どれぐらいのものを目指すのかというお話と平川委員がおっしゃった税制上のメリットをどれぐらいとってこれるのかというお話とは、コインの表裏の関係でございます。そこに必ずしなければいけないということではないまでも、一つ目指すべきものをどう考えていくのか、どれぐらいのかたさで考えていくのかということは非常に大事なお話だと思います。これからのこの分野のあり方を総論的に考えていく上でもそれはたびたび出てくるお話だと思いますので、非常に大事なお話をいただいたということでありがたく思いますし、これからの議論もそういう点をほかの論点と関係づけながら議論していけるように準備したいと思います。どうもありがとうございます。

 

○山崎部会長

 鈴木委員。

 

○鈴木委員

 先ほどから何回か出ているそもそも退職金がルーツでという話、さはさりながら、企業年金で公的年金の補完でという、これは古くから、厚生年金基金制度ができて調整年金と言っていた時代からずっとその話をしてきているわけです。その2つの側面を考えながらといっても、恐らくあるときは退職金で、あるときは公的年金の補完だといって、なかなか議論がかみ合わないというのが過去あったと思います。

私は、制度を2つに分けたらどうかと思うのです。つまり、公的年金の補完たる企業年金と退職金の事前準備たる企業年金、もともと私的な企業年金であるから、どちらを採用するのも個々の企業の労使の自由でありますし、両方採用するのも組み合わせて何%というふうにするのも個々の労使の選択に任されればよいのではないか。公的年金の補完たる年金のところは、給付設計も公的年金の補完たる給付設計にふさわしいものであるし、税制の優遇もそれにふさわしい税制の優遇である。退職金制度の事前準備のところはそれにふさわしい設計で、より自由度の高い設計であり、それにふさわしい税制の優遇である。そういうふうに切り分けないと一つの制度の中で両方の側面を持たせるというのは、言葉としては美しいのですけれども、現実的な解決としては難しいのではなかろうかと思っています。

 正確にそういうことではないのでしょうけれども、もともと適格年金というのはどっちかというと退職金の事前準備という性格が強くて、厚生年金基金制度というのは公的年金の補完が強かったと思います。それを代行返上して企業年金二法ができたときにDBについて適年からも厚年基金からも一つの年金制度というふうにしてしまったので、余計に今、難しいことになっているというのが私の理解です。2つの部分に分けて整理する、そういう方向性というのはあり得ますか。

 

○黒田課長

 そのお話自身は課題というよりもこれからの議論の中身にかなり入っているお話だと思います。まさに委員のお話の中にもありましたが、今の確定給付企業年金法の中にその2つ、どちらにウエートを置いているのかという点は労使のお考えで違うのだと思いますけれども、どっちかだけやっているという会社は余りないのではないかと思います。8・2とか7・3とか、そういうことで、確定給付企業年金法は労使の考え方の濃淡に応じて給付設計の中でそれを吸収するという感じの仕立てになっているのではないかというのが今の仕組みに関する印象です。今、両方ともできるようになっている仕組みだということはあるのではないかと思います。

今後、制度を仮に今の仕組みに比べて変えていくのかどうか、あるいは拡充していくのかどうかという話になったときに、今のお話、つまり性格論、ウエートのかけ方、社会的な要請ということが入ってくるような気もいたしまして、ここ自体は今後を考える上での大切な議論のポイントのような気がいたします。

 先ほどから委員のお話を伺っていて、私ども事務局として御用意していく中で、退職金のモメンタムを重視するとこうなりそうとか、年金のモメンタムを重視するとこうなりそうとか、個別の論点をこれから議論いただく際にもこの性格論がかなり議論の中身に影響が出てくるような気がするので、私ども素材をお示しするときに、総論としての位置づけが個々の論点の考え方にこんなふうに影響してくるというイメージを持っていただきやすいような形で御用意したほうがよいのか、そんなものもごらんいただきながら性格論のほうに戻ってもう一回議論いただける、何かそこがつながっていくような形のお示しの仕方をしたほうがよろしいのではないかという印象を受けました。ここは非常に大切なポイントだと思いますので、そこが各論にも影響するということを意識しながらの議論の準備ができるように私どもはしていきたいと思います。どうもありがとうございます。

 

○山崎部会長

 どうぞ。

 

○森戸部会長代理

 一言だけ、鈴木委員にいいですか。今の御意見はこれから議論していくべきだと思うのですけれども、鈴木委員のお考えだと退職金と企業年金を分けるメルクマールは何になるのですか。これが退職金、これが企業年金という規制や税制を変えるとして、それぞれ基準は何で分かれるというお考えで今おっしゃっていたのですか。それを今度から議論しましょうという話だと思いますが。

 

○鈴木委員

 そこは非常に難しいですね。例えばここにも出ていますけれども、終身年金というような話ですね。公的年金の補完であれば終身年金のほうが望ましいでしょうというようなことになるのですけれども、さはさりながら、終身年金の問題には、理想と普及の問題というのも多分あると思っていて、終身年金は理想なのだけれども、要するに公的年金の補完としてふさわしい制度を求めれば求めるほど、やるほうはハードルが高くなるという面があるので、そこは適度なころ合いでと言うしかないと思うのですが、例えばそういう意味です。

 

○森戸部会長代理

 ありがとうございます。

 

○山崎部会長

 臼杵委員。

 

○臼杵委員

 今の議論に参加して退職金と年金の話をしますと、退職所得控除をどうするかという問題が出てきます。そもそも退職所得控除ができたのも、退職金が引退時点で払われるために担税力が余りないからだというような議論があったので、その辺をどういうふうに整理するかというのは税制も絡めてくると非常に難しいところもあるのかと思います。

それはそれで、若干感想めいた意見ですけれども、この検討課題についてコメントというか、お願いというか、2点あります。

 1つは、きょう御提示いただいたことは、全てよくまとめていただいていて、大変いいと思いますし、よくわかると思うのですけれども、全体をどうこれから持っていくかというところが、座長もうなずいておられるように難しいところで、この委員会ができた経緯を考えると、一つは、書かれているように、公的年金をもちろんきちんとするのが前提とはいいながらもなかなか難しい状況もあり、諸外国況を見ると補完する私的年金というものがあるのだからそう言う点を検討する、ということと、もう一つは少し喫緊の課題でいうと、この委員会の1回目、2回目で出てきた厚年基金の終了というか、解散というか、そういう問題があり、それに対処するということではないかと思います。

ここに書かれている課題は全体像なので、もう少し時間軸や実現可能性、重要性というところでこれからここに書いてある順番に総論的にやっていくのか。例えば公的年金と私的年金で代替率何%にしましょうかという議論を始めても、いろんな考えがあって多分結論は出ないのです。もちろん議論することに意味がないということではないのですけれども、そういう議論と、では中小企業の企業年金をとりあえず厚年基金がなくなっていく中で今ある法律の中で改善すべき点は何があるでしょうかという話は、今申し上げた時間軸や実現可能性というところで違う感じがするので、次回なのか9月以降なのかよくわかりませんが、案で構いませんので、重要な課題ととりあえずやるべき課題とでうまく整理して進めていただければということが一つです。

 2つ目は、若干各論に入るのですけれども、例えば14ページのところで「DCの運用資産選択について、個々人のニーズ等を踏まえた適切な運用資産選択に資する措置」、これは具体的に何を言うのか、何だかよくわからないのですが、個々人のDCについてちょっとだけ申し上げると個々人がきちんと自分のニーズを認識して、そこに基づいて合理的な判断ができるというような前提というのは崩れてきています。これは私があちこちで言っているので、蒸し返しで恐縮なのですけれども、行動経済学とか行動ファイナンスとかいうところでは、むしろ人間は合理的に判断できないのだという前提のもとでいろんな議論がされていて、それに基づいて諸外国でもある程度、例えばデフォルトを重視するという方向の制度の設計も出てきているので、それだけではないと思いますが、諸外国の議論を参考にと7ページに出ていましたが、そういう点からもどこかで議論ができればと思っています。

 以上です。

 

○山崎部会長

  どうぞ。

 

○村瀬理事長

 関連することを少しお話しします。本日からオブザーバーとして出席しています村瀬でございます。よろしくお願い申し上げます。

検討課題案につきましては、先ほど臼杵委員がお話しになりましたように、非常によくまとまっていると思います。ただ、具体的な検討に当たって、先ほど御指摘がありましたスケジュール、優先順位をできる限り明確にしまして、メリハリをつけた形でスピード感を持った対応が必要なのだろうと思っております。中でも、厚生労働省内で検討してできるもの、一方、財務省を初めとして他省との調整が必要なもの、法律改正が伴うものというふうに整理すれば、おのずから進め方、スピード感も見えてくるのではなかろうかと思います。これが今回の要望でございます。

 若干関係するところがありますので、3点ほど確認をさせていただきたいと思います。

 1点目は、税制の問題でございます。16ページに触れられておりますけれども、平成27年度の税制改正に関する要望は、これは従来どおりの形でいかざるを得ないと思っていますが、それでいいかどうかということです。

 2点目は、6月30日に連合会からも提案させていただきましたが、総合型の厚生年金基金の解散が進む中で特に小規模な企業の年金の維持存続をどうしていくのか。先ほど臼杵委員からも話がありましたけれども、放っておきますと適格退職年金のときのように4割の企業がなくなる可能性もあります。今般それなりに事務局として手を打たれるものと理解しておりますけれども、それだけで十分なのかどうか、ここはしっかり議論していただきたい。その観点でいえば、6ページの中小企業向けの取り組みの課題の中で検討されるというふうに考えていいかどうかの確認、これが2つ目でございます。

 3点目は、同じく6月30日に企年協から提案がありました年金給付専用口座、これは中期的な課題だと思いますけれども、先ほど個人か企業かという話がありましたが、まさに個人を中心とした将来の年金をどうしていくのかということで、これもライフコースの多様化への対応ということで10ページに書かれております中で検討されていくかどうかの確認をしたいと思います。

 以上です。

 

○黒田課長

 どうもありがとうございます。幾つか頂戴しました。

まず、スケジュールのお話です。課題が設定されてからというのが順番だと思いますので、課題設定した後に先生方に御相談をしながら順番は考えていくのがよろしいのではないかと思っておりますが、こうやって並べてみた中で比較的急がなければいけない課題というものは幾つかあるように思います。1つは、先ほど臼杵先生や村瀬オブザーバーからもお話がありましたが、足元でも中小企業の企業年金の実施率は下がってきているというお話があり、厚生年金基金のお話もあるということから考えますと、この課題については早目の検討のほうが望ましいだろうと思います。

したがいまして、順番につきましては、課題が設定された後でまた御相談とは思いますが、ここで掲げられている課題の中には、もしこれをやるのだとすると法律のたてつけ等々に影響が出る課題が幾つか含まれています。例えば個人型の位置づけというテーマは、仮にこれを取り入れるのだということになれば、現在の法律のたてつけに影響が出ますし、DB・DC間のイコールフッティングについても、どこまでやるのかということに応じてになりますが、法律のたてつけには影響が出得るテーマだと思います。そういう法律のたてつけに影響が出るテーマというのは、一回ですぐに結論が出るというよりは丁寧な議論が要るだろうと思いますので、急ぐ課題、何回か丁寧にやらなければいけない課題が幾つか、大きいテーマと言うべきなのでしょうか、そういう話はありますので、そういった大き目のテーマについては複数回の議論ができるように順番等々についてはまず組み立ててみて、それから御相談をしたいと思います。

運用資産選択についてですが、ここは日本再興戦略の中にも記載がございます。この部分では、幅広いいろいろな動き、諸外国の動き、国内の動き、これまでDCを実施していく中で得られている成果というものもあるわけなので、こういったものについては全部込み込みにした上でごらんいただけるように準備しようと思いますが、私どもとしては自己選択で自己責任というのがこの仕組みの根幹であると思いますので、その観点は一つ大切にしながらの議論が必要ではないかと思います。

後は、幾つか論点が課題の中に入っているのかという御照会についてですが、税制改正要望をどういう形でするのかというお尋ねについては、まずこの課題、この議論でアジェンダ設定等々についてお話を伺った上で政府部内で検討したいと思います。今の段階でこうしますということまでは申し上げる材料は手元にありませんが、アジェンダ設定をされた上で当方としてどういうふうな要望をするのか、考えたいと思います。

それから、小規模、共同の取り組みというお話については、これは幅広く考えたいと思います。中小企業の方々、中堅の企業の方々、労使の方々のお話し合いの中にどういう手助けがあれば役に立つのかということですので、アプローチは一つではないと思います。むしろ商工会議所や連合の皆様を初め、実際に苦労されているという言い方は失礼かもしれませんが、いろいろお考えの方々のお話を伺う中で、アプローチを幾つか組み合わせてということで考えていくのがよろしいのではないかと思います。既にテーブルに上げていただいているような御提案も当然含めて、有益かどうかという観点から議論をするということではないかと思います。

それから、年金給付専用口座については御提言をいただいておりまして、これに比較的近いのは個人型DCの機能ということになろうかと思います。御提言の中には純粋な退職金も込み込みでという話がございました。これは議論の俎上にはと思いますが、退職金そのものに関する税制の取り扱い等々、税制がある程度そろってきませんとなかなかあわせにくいというか、一緒にしにくいという面もあるので、そういった点も含めての御議論のいただき方になるのかと考えております。

私からは以上です。

 

○山崎部会長

 どうぞ、臼杵委員。

 

○臼杵委員

 1点だけ。自己選択で自己責任と今、課長がおっしゃって、私も全くそのとおりだと思いますが、ただ、よりよい自己選択を誘導するという言い方がいいのかどうかわかりませんが、助けるという形で制度の仕組みを工夫していく。もちろん投資教育ということもあるのかもしれませんけれども、やはり投資教育だけでは限界があると思うので、そこを少し考えるのに諸外国の例などを見ていってもいいのではないかと思って、そういうふうに理解しています。

 

○山崎部会長

 村瀬理事長、いかがですか。

 

○村瀬理事長

 結構です。

 

○山崎部会長

 よろしいですか。

 清家代理人、どうぞ。

 

○清家代理人

 きょう御説明のあった課題について特段異論はありません。先ほど企業年金の性格づけについて、退職金、老後の所得保障という観点、両論あったかと思いますが、企業の現場の皆さんの感覚からすると、終身年金でなければいけないとか、そういう発想を受け入れるのにはちょっと違和感があるのではないかという感じがします。15ページに書かれている主な意見でいくと一番下の退職金との関係とか老後所得保障、これは終身年金でなくても有期年金であったり、場合によってはつなぎ年金、そういう考え方もあり得ますし、そこは個々の労使で考えていただくという、先ほど課長からも話がありましたが、DB法の中でもとられている方向感というのは引き続きとっていくということを大事にしていただきたい点が一つでございます。

 もう一点、これはお願いですけれども、7ページ、8ページ、ここで柔軟で弾力的な制度設計ということで、今のDB・DCの二者択一でなくて新しい選択肢を考えてはどうかという論点でございます。これについて方向感としてそれほど皆さん違和感はないと私どもは理解していまして、そうであればある程度具体的なスキームというのか、例というか、そういうものをたたき台のような形で出していただいて、それをもとに議論したほうがより内容的に詰まっていくのではないかと思いますので、そこはぜひお願いしたいということでございます。

 以上です。

 

○山崎部会長

 どうぞ。

 

○黒田課長

 具体的なスキームをというお話、承りました。この部分については諸外国の取り組み等々もおありだと伺っています。それから、先日、企業年金連絡協議会の方々からある一つの形を具体的なアイデアとしてお示しいただいたところです。その後、委員の先生方からのお気づきの点等々も含めてお考えいただいているのではないかとも思いますが、なるべく具体的なものをごらんいただきながら、いろいろな関係当事者の方々から見たときにどういう点が課題になっていくのかというお話ですとか、後はこの紙にも少し書かせていただきましたが、多様になることがニーズがあって裏打ちがあればよろしいのですが、多様になった場合、伝統的なものと比べたときに関係のプレーヤーの役割や責任がどんなふうに変わるのか、多様化したプランの中での関係者の役割や責任はどうなのかというお話はセットで考えたほうがよろしいのではないかという気もいたします。選択肢がふえることに伴う関係者の役割と多様性の話とをセットで御議論いただけるようにと思います。

 このお話を御用意する上で私ども心したいなと思っていますのは、制度側からのアプローチはあるのですが、そういうアプローチをとることについて現場の方々の中にそういうことに対する引き合いがあるのかどうかという話がもう一個大事な点なのではないかとも思います。とかく役人は制度を複雑にするほうに動きますので、そういう意味では、素材を私どもつくる上でも、きょうお集まりの委員の方々から、こういう点を注意したほうがいいのではないか、本当に引き合いはあるのか、こういう話を聞いているとか、そういうお話をいただけますと現実離れしたものになりにくくなるのではないかとも思いますので、ぜひ御助言をいただければと思います。ありがとうございます。

 

○山崎部会長

 森戸部会長代理、お願いします。

 

○森戸部会長代理

 今、御指摘あったとおり、確かに時間軸を考えてプライオリティーをつけていくというのは当然だと思いますが、きょうは最初なので、そういうことに関係なく一応思ったことを全部言うことにしたいと思います。

 これから細かくいろいろ言いたいことはあるのですが、いろいろ指摘されている問題がポータビリティー等々いろいろあるのですけれども、全体として、まさにさっきから出ている個人型DCを拡充することで解決する問題が課題の中に結構入っているのではないかという気がします。ポータビリティーもそうですし、中小企業を含め、低所得者なり、企業年金にカバーされない人のカバーとか、ライフコースの多様化に対する対応、個人単位での問題とか、全部個人型DCの拡充という方向で解決できるのではないかと思いますので、それは意識して議論できたらなと思いました。

 後は細かいことをいろいろ申し上げますけれども、さっき白波瀬委員がおっしゃったことですか、鈴木委員もおっしゃいましたが、退職金か企業年金かという話は確かにずっと昔から議論している気がします。例えば年金なら年金の方向で整理していくというのは大いにあり得るし、鈴木委員がおっしゃったように、分けて考えていくというのもある意味その一つの方法だと思いますけれども、難しいのは、任意の制度なので、こういう理想でと決めても、それではやらないと企業の人や労使に言われると終わってしまう。今、退職金として現実に動いているところがあるので、では退職金みたいな性格がないのだったらやりませんと言われないように、しかし年金の性格も出していく、そういうことが多分要るので、任意の制度だというところと規定のあり方の兼ね合いというのは昔からありますけれども、考えなければいけないのではないかと思います。

 それから、代替率の話などしたらどうせ決まらないと言われてしまって言いづらいのですけれども、別に私、案があるわけではないのですが、ただ、平川委員がおっしゃったように、公的年金はもういいです、企業年金でみたいな安易な話はよくないですが、公的年金がいずれにしても余りカバーしてくれない時代になるのは見えているので、そうすると例えば老後所得は現役世代の65%ぐらい欲しいねとかいう目標が決まったら、公的年金が結構調子がよくて60%カバーしてくれるのだったら5%はあと私的年金でやればいい、公的年金がいまいちで50%しか代替してくれないのだったら15%分の税制優遇は必要だとか、そういう理屈は立つのではないかと思います。これはざっくりした話で感想みたいなものです。

次にもうちょっと具体的な話ですけれども、中小企業への対策は喫緊の課題だということで、そのとおりだと思いますが、要するに市場原理の問題でというのか、資産規模が小さいから契約してもこんなお金では相手にしてくれないとか、そういう問題がもしあるとすれば、それはイギリスのNESTとかもそうですけれども、集団的に契約する道をつくるとか、そういう意味での補助は必要なのでしょう。しかし中小企業がやることを何でもかんでも援助しろというのだと話が広がり過ぎるので、もっと中小企業にも企業年金をやってほしいというだけで余り無理に後押しするのだったら、それは中小企業を後押しするのではなくて、中小企業に働いている人が老後に備えられるような枠組みを考えるほうが効率的なのかもしれないという視点も考えておいたほうがいいと思います。

 それから、労使の継続監視とかガバナンスという話が出てきて、もちろんここでいろいろ案を出していただいた各団体の方々はそれぞれ意味を持っておっしゃったことで、言葉だけだとガバナンスとか労使の継続監視というのは文句を言いづらいですが、ただ、労使でというと何を監視するのかという問題もあります。やはり一緒に監視するというと労のほうも責任を負う話だと思うので、資産運用の話なのか、それ以外の話なのか、その辺も何を監視するのかということは考えなければいけないし、やはりガバナンスは単純に監視するインセンティブがないといけないのではないかと思うので、ガバナンスがひとりでに機能するような仕組みを考えなければいけないと思います。

 それから、もっと長期の課題になりますが、中退共と特退共の関係、財形、税制に結局かかわりますけれども、ほかの制度との関係も所管が違う制度であっても議論していかなければいけないと思います。

 全体としては、法律のたてつけが大きく変わる。税当局と調整しなければいけない課題がある。そういうものと厚生労働省内でできるものとの区別をちゃんとしてやっていく。それは大事だと思いますが、他方でそういう法律のたてつけが変わるような結構大きな話だからこそ、これが課題ですねと書いて終わりにしないで、もうちょっと方向を出して、それで批判を受けたら受けたでいいと思うので、長期の大きな課題だからこそ意識的にこういう方向であるべきではないかというようなものを出して、せっかくのこういう機会なので、世の中にも議論してもらえるような方向で出していきたいと個人的には思っています。

 取りとめがなくて済みません。以上です。

 

○黒田課長

 個人型が非常に大事だということはヒアリングの際にもいろいろな金融関係の方々、経済団体の皆様を初め、部会の委員の先生方からもいただいているお話だと思いますので、そこは大切な視点としてこれからも、いろんなところで関係してくると思いますが、御議論いただければと思います。

 代替率については、これは制度論、制度のたてつけなり考え方にかかわるお話なので、代替率がいいのかどうかということもありますし、あと、役割分担論としてのものもありますが、もう一つ、この仕組みとの関係でいきますと、今、DCについて設けられている拠出の限度額というものが給付の水準との兼ね合いで設定されているということもございます。哲学の話もそうですし、哲学の話を少し離れた制度の具体的なたてつけという意味合いの議論としてもそのお話が出てまいります。山本委員からありましたような大きな意味合いでもありますし、技術的な話でも出てまいりますので、そちらでもごらんいただけるようにしたいと思います。

 それから、労使の話につきましては、これはもう少し具体的にということなのではないかと思います。今でも一応のたてつけのものはありますが、それが十分機能していたのかどうかということもありますし、先行する制度で、いわゆるガバナンスといいますか、労使の監視・関与が十分に行われていたのかどうかという点もあります。そういった点も踏まえて足らざる点があるのかどうか、制度設計の選択肢を少しふやしていくということになった場合にそれがどうあるべきなのか、先日の企業年金連絡協議会の御提案に対する質疑が多く寄せられたということも今の点にかかわっているのではないかとも思います。労使が肝の制度なので、労使の方々の関与が欠かせないということは大前提に置いた上で、具体的な実例等々にも即して御議論いただけるように準備したいと思います。

 今いただいたようなお話は私どもがこれから素材を御用意させていただく際に大切な指針となると思います。どうもありがとうございます。

 

○山崎部会長

 村瀬理事長。

 

○村瀬理事長

 今、森戸先生から話がありました中で、中小企業の企業年金の維持という観点につきましては、厚生年金基金の解散に伴って、その設立事業所の企業年金をどう維持するか、こういう観点で申し上げている部分です。現行でも中小企業においては必ずしも十分な年金がない中で企業年金が無くなってしまう恐れがある。ここをどう維持していくかという観点で申し上げているということをまずつけ加えさせていただくのが一点です。

 もう一点、これは個人的な考え方ですけれども、DBからDCへ移行という大きな流れは事実としてあると思います。ただ、全て個人型DCという形で個人にリスクを負わせていいのかどうか。もちろん長い目で見てそういう方向感はあると思いますけれども、やはり提案にもありますように、DCとDBの二者択一でない制度を模索していく中で、徐々に個人型DCをふやしていくという方向感はまさに正しい方向だと思いますが、全てを個人型DC一本で行うというのは少し早過ぎるのではないか。逆に言うとどのようなスケジュール感で移行していくかということが議論の中でも大事になる部分ではなかろうかと考えています。

 以上です。

 

○山崎部会長

 事務局もよろしいですか。

 ほかに御意見ございますでしょうか。

 それでは、本日、事務局の提案のありました企業年金部会における検討課題(案)につきましては、ただいまいただきました各委員からの御指摘を踏まえて必要な加筆修正を行いたいと思いますが、修正の内容につきましては、私に御一任いただけますでしょうか。

 

(「異議なし」と声あり)

 

○山崎部会長

ありがとうございます。

 それでは、今後この検討課題をもとに制度のあり方について具体的に議論を進めたいと思います。

 予定の時間にはまだ達しておりませんが、本日の審議についてはこれをもって終了させていただきたいと思います。

 次回の開催について事務局より連絡はございますでしょうか。

 

○黒田課長

 次回の部会の開催日時は事務局より各委員の御都合をお伺いした上で正式に御案内を差し上げたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 以上でございます。

 

○山崎部会長

 ありがとうございました。

 それでは、本日の審議は終了いたします。御多忙の折、お集まりいただきましてありがとうございました。

 

(了)

2014年7月25日 第7回社会保障審議会企業年金部会議事録

年金局

 

○日時

平成26年7月25日(金)16:00~18:00

 

 

○場所

全国都市会館 3階 第2会議室

(東京都千代田区平河町2-4-2)

 

○出席者

山崎部会長、森戸部会長代理、井戸委員、臼杵委員、小林委員、白波瀬委員、鈴木委員、高崎委員、平川委員、山本委員

○議題

(1)企業年金部会における検討課題について

(2)その他

○議事

○山崎部会長

 それでは、ただいまより第7回「社会保障審議会企業年金部会」を開催いたします。

 お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。

 本日、小林委員、冨高委員から御欠席の連絡をいただいております。

 また、御欠席の委員のかわりに出席をいただいている方ということで、小林委員の代理として、本日、日本経団連の清家代理人に御出席いただいています。清家代理人の御出席につき、部会の承認をいただければと思いますが、いかがでしょうか。

 

(「異議なし」の声あり)

 

○山崎部会長

 ありがとうございます。

 御出席いただきました委員の方が3分の1を超えていますので、会議は成立していますことを御報告申し上げます。

 また、本日の部会より検討課題の整理を行うこととなりますが、今後、部会における議論の中で企業年金の現場の知見が必要となる場面も多くなると考えられます。そこで、今回の部会より、企業年金関係団体の代表である企業年金連合会の村瀬理事長に部会のオブザーバーとして御参加いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 

(「異議なし」の声あり)

 

○山崎部会長

 ありがとうございます。

 それでは、議事に入ります前に、事務局の異動がありましたので、御報告をお願いいたします。

 

○黒田課長

 事務局の異動について御報告申し上げます。

 7月の人事異動に伴いまして2名異動がございます。

 まず、大臣官房審議官の山崎でございます。

 

○山崎大臣官房審議官

 山崎でございます。よろしくお願い申し上げます。

 

○黒田課長

基金数理室長の山本でございます。

 

○山本企業年金国民年金基金課基金数理室長

 山本でございます。よろしくお願いいたします。

 

○黒田課長

 以上、よろしくお願いいたします。

 

○山崎部会長

 カメラの方はここで退室をお願いいたします。

 

(カメラ退室)

 

○山崎部会長

 議事に入る前に、まず事務局から資料の確認をお願いいたします。

 

○黒田課長

 それでは、資料の確認をさせていただきます。

 本日配付の資料は、

 資料1 社会保障審議会企業年金部会委員名簿

 資料2 企業年金部会における検討課題(案)

 参考資料1 企業年金制度の現状等について

 参考資料2 社会保障審議会企業年金部会運営規則

を配付させていただいております。

資料の不備等ございましたら、お知らせいただければ幸いです。

 

○山崎部会長

 ありがとうございます。

 それでは、本日の主な議題である「企業年金部会における検討課題について」事務局より説明をお願いいたします。

 

○黒田課長

 それでは、お手元の資料2に沿いまして、課題の整理について御説明申し上げます。

 1ページおめくりいただきまして「課題設定の視点(案)」でございます。

 今回の企業年金部会における制度の議論でございますが、丸を3つ書かせていただいております。

 1つ目の丸は、老後の所得保障の柱である公的年金制度の側で中長期の給付水準の調整が予定されているということ、働き方の多様化が進む中で個々人のライフスタイルに合わせた老後の生活設計を支える仕組みが求められているということ。

 2つ目の丸ですが、諸外国でも公的年金と私的年金とを組み合わせて老後の所得確保を図る方向性があるということ。

 3つ目の丸ですが、我が国の企業年金等につきまして、企業年金二法成立時からの状況の変化、厚生年金基金制度の見直し等を踏まえて、社会経済情勢の変化に対応すべく全体的な見直しを行う時期ではないかということ。

 2ページ目に参りまして「検討課題(案)の設定について」ですが、今回の検討課題(案)の設定に当たっての検討の経緯でございます。

 まず、今回の議論に当たりまして、6月4日に資料をごらんいただきまして、それを御参照いただきながら、第5回部会(6月30日)、第6回部会(7月4日)におきまして、点線で囲っております各団体の御意見を頂戴したところでございます。

労使、企業年金の運営に携わっている方々、金融関係の団体の方々ということでございます。こういったヒアリングでもお示しいただいた関係各層の方々の問題意識、部会の委員の先生方からいただいた御意見を、下記の点線で囲っておりますような分類に即しまして、課題の設定という形で整理した資料でございます。

 3ページ目、その中の1つ目の固まりであります「企業年金等の普及・拡大」でございます。1一般企業向け、2中小企業向けということで、2つに区分しておりますが、そのうちの「1一般企業向けの取組」でございます。

 資料の体裁は、まずヒアリング等々でいただいた主な御意見を前に書かせていただいて、そこから抽出した課題という体裁になっております。

 まず、前段でございますが、御意見といたしましては、経団連、企業年金関係団体の方々より、現行制度を前提とした小幅な改善というよりは時代の変化に即した抜本的な検討が必要ではないかという点、DCにつきましては、拠出限度額や中途脱退要件等の制約が強く、多様な制度設計を困難にしており、DBとのイコールフッティングの確保が必要ではないかという御意見をいただいております。

 また、企業における組織再編等、あるいは雇用形態の多様化に対応するため、労使合意を前提にした円滑な制度間移行を可能とすることが必要ではないかという御意見、全ての労働者が加入でき、確実な給付を受けられる企業年金制度を確立することが重要だといった御意見をいただいているところでございます。

 4ページに参りまして、こういった御意見を反映しまして、この部会で御議論いただく際の課題として2つにまとめております。

 1つ目は、各企業の実情に応じた多様な制度設計を可能とするためのDB・DC両制度間のイコールフッティングの確保ということでございます。

 2つ目は、企業の組織再編等に対応するための制度間移行に係る手続のあり方やポータビリティーの向上などということでございます。

 5ページに参りますが、3ページ、4ページが企業全般のお話だといたしますと、5ページは、中小企業の方々に対しまして特に配慮が必要な点ということでございます。ヒアリングにおける主な意見等を4つにまとめております。

 1つ目は、DB、確定給付の仕組みにつきましては、追加拠出の可能性があること自体が経営に対するリスク要因になっているという点、加えて制度運営に係る管理手数料や数理計算、事務手続等の事務負担にも考慮が必要だということ、積み立て不足の発生しにくい仕組み、事務コストを抑制するための仕組みを導入すべきだという御意見を日商、金融関係団体の方々からいただいております。

 2つ目は、DB・DCの二者択一ではなくて、労使が企業と個人のリスクシェアを柔軟に選択できる制度設計が必要という御意見を日商を初め、記載の団体から頂戴しております。

 3つ目は、DCについて投資教育や事務手続等の事務負担が重く、一定の条件のもとでこうした事務負担を軽減した新たな仕組みや、運営・運用の共同化等の中小企業の運営コストを抑えた仕組みの検討が必要という御意見をいただいております。

 4つ目は、企業年金制度は、雇用した立場から退職給付を保障する観点からはDBが基本で、中小零細企業でも取り組めるような制度改善など事業主の責任を果たせる仕組みとすべきといった御意見をいただいております。

 6ページに参ります。課題案として大きく2つにまとめております。

 1つ目は、DBであれDCであれ、中小企業が企業年金を実施・継続する際の負担を軽減するための新たな仕組みについて挙げております。その下に米印が置いてありますが、DBについては追加拠出可能性や制度運営コストの抑制、DCについては投資教育や事務手続コストの抑制が視野に入ってくるということでございます。

 2つ目は、労使の継続的な関与・監視を前提としたDB・DC双方の特徴をあわせ持つ制度設計のあり方を諸外国の事例や企業年金関係団体からの御提言もいただきながら検討してはどうかという点でございます。この部分はまた後で出てまいります。

 続きまして、7ページからは、大きなくくりとしては2ということになりまして「ニーズの多様化への対応」というタイトルを付させていただいております。

 1といたしまして「柔軟で弾力的な制度設計」という小見出しをつけております。この部分につきましては、ヒアリングにおける主な意見等にございますように、まず、現行の仕組み、DB・DCにつきましては、従業員、事業主のどちらか片方にリスクが集中しているという点、2つ目にありますが、純粋なDB・DCの二者択一ではなく、諸外国の制度も参照しながら、労使間でのリスク分担をより柔軟にできるような制度設計の選択肢の多様化を図ることが必要ではないかということでございます。

 8ページ、課題案ということですが、柔軟で弾力的な制度設計については以下の2つを課題としてはどうかということで書かせていただいております。

 1つ目が、先ほどのところにもございましたが、労使の継続的な関与・監視を前提としたOB・DC双方の特徴をあわせ持つ制度設計のあり方です。

 2つ目は、制度設計の選択肢の多様化を図る場合における労使の関与・監視のあり方及び関係者の役割と責任のあり方でございます。多様化を図る場合におけるそれぞれの役割というものもきちんと議論していく必要があるということでございます。

 9ページの2の「2ライフコースの多様化への対応」でございます。この部分についてはかなりの方々から御意見を頂戴しているところでございます。

 1つ目は、雇用が流動化している中で、ポータビリティー制度の拡充等が必要だという御意見。

2つ目は、制度間のポータビリティー制度の拡充が必要ですが、それだけでは不十分ではないか、資産移換時のキャッシュ化コストの問題も考える必要があるという御意見。

3つ目は、広く現役世代が参加できる自助努力型の仕組みの意義が大きい。諸外国の制度も参照しながら個人型確定拠出年金の抜本的見直しなども検討すべきという御意見。

4つ目は、個人型DCの加入対象者を全国民に拡大し、職種や働き方を問わない私的年金制度への改善が望まれるという御意見。

5つ目は、DCについて、高齢者雇用の進展や働き方の多様化等を踏まえて、中途引き出し要件、受給開始年齢、加入可能年齢等の見直しが必要との御意見。

6つ目は、全ての労働者が加入でき、確実な給付が受けられる企業年金制度を確立することが重要という御意見などをいただいているところでございます。

 これらの中から、次の10ページに課題案としてまとめております。

1つは、各制度間のポータビリティーの拡充や、これは費用面、手続面ございますが、資産移換時のコストを軽減していくための方策という点でございます。

もう1つは、今は例外的な扱いということでございますが、企業年金等における個人単位で加入する仕組みの位置づけと、その中で個人型DCの適用範囲のあり方という点を挙げさせていただいています。

 続きまして、11ページからは大きなくくりの3でございますが、「ガバナンスの確保」というタイトルにしております。ヒアリングにおける主な意見等につきましては、いろいろな論点がこの中では提起されております。

 まず、企業年金は労使に帰属していまして、労使が十分な対話のもと、明確な運営方針を示し、絶えず関与・監視し続ける仕組みが重要だという点。

2点目は、受給権保護の重要性や変動の大きい運用環境を踏まえて、一定の積み立て目標に対する積み立て不足を速やかに解消できるなど弾力的な運営ルールが必要ではないかという御意見。

3点目は、企業年金実施主体が選定した運用機関の選定理由や運用状況等についての情報開示の重要性に関する御意見。

4点目は、複数事業主の制度でもガバナンスが機能するようなトラスティの責任のあり方等に関する検討が必要ではないかという御意見。

5点目は、従業員のリスクに鑑みて実効性のある投資教育が必要ではないかという御意見がございました。

 こういったものを踏まえまして、12ページでございますが、課題を4つにまとめて御用意しております。

 1つ目は、企業年金の運営全般について労使が明確な運営方針を示し、継続的に関与・監視することが必要ですが、その仕組みのあり方。

2つ目は、積み立て不足の速やかな解消など制度のリスク等に応じた弾力的な運営ルールのあり方。

3つ目は、制度設計の選択肢の多様化を図る場合における労使の関与・監視のあり方及び関係者の役割と責任のあり方。

最後に、制度設計のあり方に応じた効果的な投資教育のあり方を入れております。

 次は、13ページの大きな4のその他でございますが、これが1と2に分けられております。

 「1現行制度の改善」でございますが、ヒアリングにおける主な御意見といたしましては、まず、DCについて、個人のライフプランや将来の物価上昇等を踏まえて個々人が自己のニーズに応じて適切な資産運用選択を行うことができるよう、投資教育、商品除外規定、資産選択における自己責任等のあり方を検討すべきという御意見。

次に、規制改革会議における「規制改革に関する答申」で指摘された事項等を踏まえた手続の簡素化に関する御意見。

次に、中小企業退職金共済や特定退職金共済等の制度は一定の条件になると加入できないという御意見。

次に、DCのマッチング拠出に関して御意見があったというところでございます。

14ページに参りまして、これらのお話をいただきましたので、課題案といたしまして4つにまとめております。

まず、DCの運用資産選択について、個々人のニーズ等を踏まえた適切な運用資産選択に関する措置としてどのようなものがあるのかという点。

2点目といたしまして、DB・DCの申請諸手続等の簡素化。

3点目といたしまして、中退共等の他制度との関連について、制度間の連携強化やポータビリティーの向上等を通じた両者の連携継続が図られやすいような工夫に関する点。

最後がマッチング拠出の取り扱いでございます。

15ページは「2公的年金制度や税制等との関係」でございます。ヒアリングにおける主な御意見といたしましては、まず、被用者年金制度に加入できていない労働者の適用拡大を積極的に進めた上で企業年金の拡充を図るべきという御意見。

次に、老後所得保障として公的年金と合わせてどのくらいの給付水準を目指すのかということを検討すべきという御意見。

次に、特別法人税の廃止に関する御意見。

次に、企業年金制度が年金制度として老後の所得保障を担うものである以上、本来的には公的年金と同様の終身年金であるべきではないか、そうでないとした場合の老後の所得保障としての位置づけについての御意見。

次に、退職金制度としての性格、老後の所得保障としての性格、この2つの観点を踏まえた議論が必要ではないかといった御意見がございました。

16ページでございますが、こうした点を踏まえまして、課題案として大きく3点に分類しております。

1つは、公的年金の給付水準を前提とした老後の所得確保のための制度としての企業年金等の位置づけ及びこれに対応した税制のあり方。

2つ目は、各制度のポータビリティーの拡充や資産移換時のコスト軽減、これは再掲でございます。

3つ目は、個人単位の仕組みの位置づけや個人型DCの適用範囲のあり方、ここも再掲でございます。

以上、とりあえず前々回、前回の会議の御議論も踏まえて、たたき台として御用意させていただいたものでございます。

当方からは以上でございます。

 

○山崎部会長

 ありがとうございます。

 それでは、ただいま説明のありました資料について委員の皆様から御意見等をいただきたいと思います。いかがでしょうか。

高崎委員。

 

○高崎委員

 今までの2回、前回、前々回の各関係団体の方々からの御説明、御提案をいただいた中で興味深く拝聴させていただいたのは、皆さんお立場はいろいろ違っても、私的年金としての企業年金のあり方は今後非常に重要性を増すというのが認識として共通だということと、あと、どんどん活用していかないといけない中で使い勝手を改善していかないといけない部分がいろいろあるという部分では皆さん一致していて、その中で制度が複雑であったり税制の問題が絡んだりということでいろいろ御提案をいただいたと思っています。

 今、事務局からお話をいただいたように、例えば7ページ、8ページあたりでニーズの多様化への対応が必要だという課題の設定をいただいています。確かにこのとおりだとは思っていますが、一方で、例えば8ページの課題の2番目で「制度設計の選択肢の多様化を」という言葉が出てきています。多様化というのは、今の制度が現状に即していないとか、今後の社会のあり方に即さない部分が出てくるという中での多様化という意味だとは思いますが、一方で複雑な制度の上にさらに複雑な新しい仕組みをどんどん加えていくような多様化となってしまうとますますわかりにくくなったり、企業側の手間やコストもふえる可能性もあります。その辺は使いやすさというものを大前提として、その中で多様化をどう考えていくかという観点で検討していったほうがいいのではないかと思います。

 

○山崎部会長

 ありがとうございます。

事務局のほうから。

 

○黒田課長

 委員からの問題意識は大変よくわかります。今は根拠法が2つに分かれているということ、その中でかなりきめ細かい制約が設定されていて、労使の方々が御議論いただく際にその制約自身のわかりづらさにつながっているということがあるので、別のところで経済団体の皆様ほかからお話もいただいていますように、まずはそれぞれの制度同士の違いというものが合理的なのかどうかという確認の作業が今回は必要なのではないかと思います。

 そこを確認した上で、もう少し選べるオプションをふやしたほうがお気持ちにかなうということであればそちらを検討するということだと思います。お話はごもっともだと思いますし、その2つの違いの合理性の話を一応整理した上で、オプションの拡大ということも考えていきたいと思います。どうもありがとうございます。

 

○山崎部会長

 よろしいでしょうか。

ほかにいかがでしょうか。

井戸委員。

 

○井戸委員

 今、2つの制度の違いの合理的なものを見直していきましょうということなので、違いを比較検討していくことになると思うのですけれども、私たちファイナンシャルプランナーのところで一番多いのは、受け取るときに一時金で受け取るのか、年金で受け取ったほうがいいのかという御相談です。拡充されるというのであれば退職一時金としての面を見るのか、あるいは年金としてずっともらい続けるのか、どちらの側面を重視されるのかということが気になりました。

 あと、老後の安心を計画的に行えるようになればいいと思っています。

 

○山崎部会長

 どうぞ。

 

○黒田課長

 釈迦に説法かもしれませんが、ルーツとしてこの分野というのは、もともと企業の労使の方々で決めていただいて、退職金がまずあるというところからスタートして、それが姿を切りかえながらという形で発展してきた面はありますので、ここでは退職金としての性格を色濃く持った分野だとは思います。

ただ、これからだんだん長生きしていくということになっていきますと老後は長いということになり、長くなる老後でだんだんスリムになっていく公的年金との兼ね合いで考えれば年金としての側面もあるということで、両方の側面があるというのが今の制度だと思います。

 拡充をしていこうという話になるのであれば、どちらかというと取り巻く環境からすると長生きになったりということがあるので、年金という性質が一つのキーワードにはなるだろうと思いますが、ルーツの話、それからもともと退職金がなく新しく退職給付を始める企業もおありなので、社会環境からすると年金のモメンタムというものが強くなっていく面はあると思います。両方の側面というものは一応念頭に置いた上で、個々の論点ごとに即してきめ細かく議論していくことが必要なのではないかと思います。どうもありがとうございます。

 

○山崎部会長

 白波瀬委員。

 

○白波瀬委員

 大きく2つほどあります。今の一時金か年金かという話なのですけれども、一時金というのは、日本の社会は退職金とか何かそういうのを目指してローンをやっていくみたいな、そういう文化がありました。しかし、基本的な枠組みを検討する際、その志向の基本路線をベースに制度設計するのか、あるいは若干方向転換して、基本的に年金の仕組みで軸足を変えて制度設計するのかというのは、とても違いがあると思います。

将来的なことを考えたらやはり年金という性格に軸足を置いたほうがいいのではないか、考えています。全体の課題についても、基本的な制度の方向性というのは伝えてもよいのではないかと思っています。さまざまな選択ができるようにという御指摘はどれもごもっともだと思うのですけれども、具体的なことを考えたときに、優先順位というか、どう制度改正していくのかという方向性をもう少し出してもらったほうがわかりやすいと思います。

例えば、2つのポータビリティーの話もあったのですが、ポータビリティーということができるようにするのは、そもそも制度設計上、どちらも選択できるように設計し直してもらわなければいけないわけです。そういったときにまず何からやったらいいのか。確定拠出か給付かと素人的に考えると、出口と入口のところの確率で計算すると一緒にするという具体的なものが私の中で見えにくいのです。そこのところはやはり方向性としてももう少し出すような形の課題提示のほうがいいのではないかというのが1点目です。

 2点目は、単位が個人かどうかということなのですけれども、ニーズとか働き方が変わるという今の状況を考えると、企業年金という制度においては個人単位でというところでの設計が望ましい。日本的な枠組みで労使ということを考えたときに、特定企業の労使という色彩が強くなってきます。これは、制度設計上特定の労使ということよりも、もう少しリスクをプールした形での個人単位の制度設計でポータビリティーを持っていくということではないかと思います。そういう意味で、労使をどのレベルで設定していくかということももう少し明確にしてもらえるとわかりやすいのではないかと思いました。

 以上です。

 

○山崎部会長

 どうぞ。

 

○黒田課長

 とても大切なお話だと思います。2点お話をいただいたうちの1点目の大きなお話ですが、先ほどの井戸先生のお話とも重なると思います。ここは、今後個別の議論をしていくに当たって大切なこととして議論しておくことが重要なテーマなのだろうと思います。年金のモメンタムが社会情勢からすると高まっていくということではないかというのは先ほどお話ししたとおりです。あるいは仮に制度拡充していくのだということで論を立てるとした場合にどの視点にウエートを置いて立論するのかと考えると、年金ですからという論の立て方が一つあり得るということだと思います。

一方では、退職金というものがその水準論なりあり方をめぐる労使のお話し合いの一つのベースをつくってきたものだということは現在の到達点のお話として多分あるのだろうと思います。

どちらかに決めることがよいのか、あるいはどちらの観点も大切にしなければいけないということなのか、あるいは個別の論を見ていく上で、特にこの場合はどちらの契機を重視するというふうにケース・バイ・ケースで考えるのか、いろんな立場があるのではないかという感じが私個人としてはしております。

ただ、このお話は、個別の論点について議論していく上でもどちらのモメンタムを重視するのかによって個々の結論が影響を受けるファクターではあると思います。きょうはまず課題設定の御議論をいただくわけですが、これから私ども個別の課題についてのいろいろな選択肢なりを考えていく上でも、どちらのモメンタムなのかということを意識しながらのお示しの仕方にはしていきたい。それをごらんいただきながら、先生方の捉え方を御披露いただきながら議論できると立体的な形になっていくのではないかと思いますので、いただいたお話を私どもこれから作業していく上でも大切にしたいと思います。どうもありがとうございます。

 済みません。もう一個、2点目のお話がございました。2点目は、労使をどういうレベルで考えていくのかというお話です。これも、これからの制度を考える上でどう捉えていくのかということによって個々の論点が影響を受ける話だと思います。これまで企業単位でつくってくださった企業年金を労使の努力でここまで続けていただいていて、それが総和としての力をどうやって保っていくか。職場で決めて職場の方がみんな入るプランの重要性というものは多分皆さん同意されることだと思います。その上で、働き方が変わってきたりということが出てきたので、職場単位が縦だとすると横串を刺していくことの重要性が増してきている。どっちかだけではなくて両方とも強まらないと全体の力が強まらないということなのではないかと思います。先生のお話は、まさに縦をつくった上でちゃんと横のことも考えなければいけないというお話にもうかがえましたので、このお話はどっちかだけに偏らないように、私どもとしても作業をする上でぜひそこは念頭に置いた上での整理をしていきたいと思います。

 どうもありがとうございます。済みません。長くなりました。

 

○山崎部会長

 お待たせしました。平川委員。

 

○平川委員

 「課題設定の視点」というところで言いますと、やはり公的年金の充実が大前提だと思いますけれども、それを補完する意味での企業年金の位置づけであるということについては改めて確認していく必要があるのではないかと思います。ただ、企業年金を充実するからと言って公的年金を例えば小さくしていということではありません。要するに、企業年金が公的年金の代替措置にはならないという観点も重要ではないかと思っています。そういった意味で、豊かな老後もしくは個人のライフスタイルに合わせた生活設計という観点から企業年金というのは大変重要ではないかと思います。

問題は、どうやってそれを広げていくのかということと、もう一つは、税制上優遇されているという面がございますので、やはり公平な税制という観点からどうやって国民の理解を得ていくのかという視点も必要ではないかと思います。DCの拠出限度額の引上げや中途脱退要件の緩和についても国に要望があるというのは十分承知しておりますけれども、ともすれば税制優遇という点はどうなのかという意見が出てくる懸念もあるのではないかと思っています。企業年金を全ての企業に広げて、全ての企業につくれればという大目標はありますけれども、残念ながら現実はなかなかそうはなっていないことも踏まえると、規制を緩めていくという方向と、納得ある税制優遇をどうやって維持していくのか、その辺のバランスが検討においての重要な課題ではないかと思っているところであります。質問がちょっと曖昧ですけれども、税制との横にらみをどういう形で検討していくのかを教えていただければと思います。

 

○黒田課長

 この分野は、平川委員のお話のとおり、税制との関係が非常に強い分野です。公費が直接投入されているというよりは、税制でインセンティブを提供して、企業や個人、労使や個人に入っていただきたい、そういう仕組みでございます。

税制との関係につきましては、まずスケジュール的なお話から申し上げると、税制の節目は夏と冬ということになりますので、その2つのタイミングを意識しながら、これからの課題が設定された後の御検討いただくスケジュールというものも税のスケジュールをにらみながらの設定にしていくことが考えられるのかと思います。

全体的に見ますと税制優遇というものも結局は広い意味では国家財政とのリンクがかなり強い分野でもありますので、そういう意味では、関係者の方々から真にこれは必要なのだというお声が出るものでなければこの御時世で拡充していくことはなかなか難しい面もあります。この分野のステークホルダーの皆様から見てこれがどうしても要る、どうしても必要で、労使あるいは個人の方々が見たときにも重要なのだというような裏打ちの議論をいただきながらということになりますし、それが説得力なりの源泉になるということだと思います。関係者の方々の御意見も非常に重要ですが、そういうお声が個々に集まるということでもあり、持ち主は労使ないし個人ですので、ここが重要、ここに本当に大切なポイントがあるという、委員を初め先生方のお話を頂戴をしながら、煎じ詰めて煮詰めて確度の高いものとしてお持ちできるようにしていきたいと思います。

それから、拡大していくことが非常に重要だというお話は、委員の中で共有いただける問題ではないかと思います。規制との兼ね合いで言えば、中小企業の方々の負担感というものにどうお応えをしていくのかということは一つ大切なテーマではないかと思いますし、そういったものがなければ、それぞれの企業の労使の間でお話をいただくときにも材料が十分でないということになる可能性もあろうかと思います。制度的なお話との関連性が強い分野だと思いますので、そういった点については、過去の会でもいただいておりますが、お話を具体的にいただきながら肉づけをしていきたいと思います。どうもありがとうございます。

 

○山崎部会長

 山本委員。

 

○山本委員

 課題設定の視点というところで一番感じますのは、働き方の多様化が進む中でということで、老後の生活設計を考える仕組みについての、コンセンサスは得られないかもしれませんけれども、大筋のベクトルをもう一度ここで見直していく必要があるのではないかという感じがいたします。

 高齢者の雇用の促進ができるような社会づくり、企業環境づくり、こういうものが必要になっていく一方、公的年金の存在というものがどうバランスよくかみ合うか。財政検証を拝見しても50%を切っていくであろうという危険性が高いことがつとに指摘されている中から考えますと、基本的には働き方、雇用されていく余地の高い社会づくり、こういう方向へ向かっていかないと、公的なものの入りと自分が働くことによって入ってくる実入り、それによって高齢化していく社会の中での自分の行き道を定めていくわけですけれども、そのときの自立によって得ていくパートがふえていく可能性のほうが高いのではないかということを皆さんが考えるとすれば、やはり経済の活性化を図ることによって雇用の幅が広がっていくような社会づくりを目指して、高齢者であっても働けるという希望を持ちながら、55%は自分で働ける、45%はそのかわり公的年金や企業年金に頼るのだというぐらいのバランスの見直しをここで図っていく必要があるのではないかという感じがいたしました。

 一方、法人税減税の問題がございまして、これがどれぐらいの規模にわたるのか、よくわかりませんけれども、これらのものが企業がこれから運営されていくときの企業年金等の仕組みのほうへ回るのか、あるいは法人税率が下がることによってそれを次の投資や次の経済成長につながるほうへより多く向けていくべきなのかというあたりは、内的充実を図るか、外へ向けて自由な雇用の場の拡大へ向けて減税を使っていくのかという法人税の問題ですが、その辺などもある意味では慎重にというか、積極的な議論をしながら、今回の法人税減税が本当に役立つものだというベクトルを示す必要があるのではないかという感じがいたしました。

 

○黒田課長

 委員おっしゃいますように、この分野というのは強制的に国が頂戴する保険料で賄われている公的年金とは違いまして、まさに個々の会社の労使の話し合いというものがベースになってつくられますので、仮に取り組んでいただける場合でも、どれぐらいの掛金にしてどれぐらいの負担をいただけるのかというのはそれぞれの企業で決めていただく仕組みです。

自助か、共助か、公助かというお話もありますけれども、公的年金が、保険だけれども、みんなで助け合う共助だとすれば、こちらは自助を公的な仕組みで応援していく。その自助は個人なり企業の労使なりということだと思いますので、そこの組み合わせ方が強制的にではない部分がここだということなのではないかと思います。

 今のお話を伺いまして、労使のお考えも企業のお考えもありますし、企業の労使の置かれている環境もさまざまだろうと思います。非常に余力があって、コストフルでもかなり企業負担の厚い仕組みをお望みの企業もおありでしょうし、もう少しシンプルなものをお望みの企業もおありでしょうし、退職給付全体についてまだ全然手がつけられていないという企業も多分おありだと思います。

先ほどできるだけわかりやすい仕組みにというお話がありましたので、そこをまず議論した上で、すごくハードルの高い複雑なものだけしかないと選んでいただきにくいので、もう少し負担感を下げながらというオプションもできるだけ御用意するような、それぞれのお考えに即した選び方ができるようなものが一番よろしいのではないかと思います。実際に運用してくださっている方々や企業の関係の方々のお知恵もいただいて、それぞれの労使の考え方に即した制度側からの御提案ができるとよいのではないかと思っておりますし、今の委員のお話に即したようなお示しの仕方ができる論点の提示を心がけていきたいと思います。どうもありがとうございます。

 

○山本委員

 先ほどの公的年金と企業年金、これは公的年金が共助であって企業年金は自助ということの仕分けでよろしいわけですね。

 もう一つ、自分で働いて稼ぐという部分、企業が努力して自助として年金として負担していくのに当たって、どれくらいのシェアの金額を企業としての自助努力の範囲で目標とすべきなのかというあたりのガイドがないと、企業がその企業のオリジナリティーで全て考えればいいではないかということになった場合に、すごくいいところもあればそうでないところも出てくるから、まちまちの展開がされて、自由競争の経済だからそれでいいのだという考えもありますけれども、これからの全体のことを考えたときにどれくらいまで企業年金が目指すべきシェアなのかということは何か物差しが必要ではないかと、こんな感じでやっておりますという意味です。

 

○黒田課長

 今の委員のお話は大変大切な論点だと思います。先ほどからほかの委員の方々からも出ていますように、どれぐらいのものを目指すのかというお話と平川委員がおっしゃった税制上のメリットをどれぐらいとってこれるのかというお話とは、コインの表裏の関係でございます。そこに必ずしなければいけないということではないまでも、一つ目指すべきものをどう考えていくのか、どれぐらいのかたさで考えていくのかということは非常に大事なお話だと思います。これからのこの分野のあり方を総論的に考えていく上でもそれはたびたび出てくるお話だと思いますので、非常に大事なお話をいただいたということでありがたく思いますし、これからの議論もそういう点をほかの論点と関係づけながら議論していけるように準備したいと思います。どうもありがとうございます。

 

○山崎部会長

 鈴木委員。

 

○鈴木委員

 先ほどから何回か出ているそもそも退職金がルーツでという話、さはさりながら、企業年金で公的年金の補完でという、これは古くから、厚生年金基金制度ができて調整年金と言っていた時代からずっとその話をしてきているわけです。その2つの側面を考えながらといっても、恐らくあるときは退職金で、あるときは公的年金の補完だといって、なかなか議論がかみ合わないというのが過去あったと思います。

私は、制度を2つに分けたらどうかと思うのです。つまり、公的年金の補完たる企業年金と退職金の事前準備たる企業年金、もともと私的な企業年金であるから、どちらを採用するのも個々の企業の労使の自由でありますし、両方採用するのも組み合わせて何%というふうにするのも個々の労使の選択に任されればよいのではないか。公的年金の補完たる年金のところは、給付設計も公的年金の補完たる給付設計にふさわしいものであるし、税制の優遇もそれにふさわしい税制の優遇である。退職金制度の事前準備のところはそれにふさわしい設計で、より自由度の高い設計であり、それにふさわしい税制の優遇である。そういうふうに切り分けないと一つの制度の中で両方の側面を持たせるというのは、言葉としては美しいのですけれども、現実的な解決としては難しいのではなかろうかと思っています。

 正確にそういうことではないのでしょうけれども、もともと適格年金というのはどっちかというと退職金の事前準備という性格が強くて、厚生年金基金制度というのは公的年金の補完が強かったと思います。それを代行返上して企業年金二法ができたときにDBについて適年からも厚年基金からも一つの年金制度というふうにしてしまったので、余計に今、難しいことになっているというのが私の理解です。2つの部分に分けて整理する、そういう方向性というのはあり得ますか。

 

○黒田課長

 そのお話自身は課題というよりもこれからの議論の中身にかなり入っているお話だと思います。まさに委員のお話の中にもありましたが、今の確定給付企業年金法の中にその2つ、どちらにウエートを置いているのかという点は労使のお考えで違うのだと思いますけれども、どっちかだけやっているという会社は余りないのではないかと思います。8・2とか7・3とか、そういうことで、確定給付企業年金法は労使の考え方の濃淡に応じて給付設計の中でそれを吸収するという感じの仕立てになっているのではないかというのが今の仕組みに関する印象です。今、両方ともできるようになっている仕組みだということはあるのではないかと思います。

今後、制度を仮に今の仕組みに比べて変えていくのかどうか、あるいは拡充していくのかどうかという話になったときに、今のお話、つまり性格論、ウエートのかけ方、社会的な要請ということが入ってくるような気もいたしまして、ここ自体は今後を考える上での大切な議論のポイントのような気がいたします。

 先ほどから委員のお話を伺っていて、私ども事務局として御用意していく中で、退職金のモメンタムを重視するとこうなりそうとか、年金のモメンタムを重視するとこうなりそうとか、個別の論点をこれから議論いただく際にもこの性格論がかなり議論の中身に影響が出てくるような気がするので、私ども素材をお示しするときに、総論としての位置づけが個々の論点の考え方にこんなふうに影響してくるというイメージを持っていただきやすいような形で御用意したほうがよいのか、そんなものもごらんいただきながら性格論のほうに戻ってもう一回議論いただける、何かそこがつながっていくような形のお示しの仕方をしたほうがよろしいのではないかという印象を受けました。ここは非常に大切なポイントだと思いますので、そこが各論にも影響するということを意識しながらの議論の準備ができるように私どもはしていきたいと思います。どうもありがとうございます。

 

○山崎部会長

 どうぞ。

 

○森戸部会長代理

 一言だけ、鈴木委員にいいですか。今の御意見はこれから議論していくべきだと思うのですけれども、鈴木委員のお考えだと退職金と企業年金を分けるメルクマールは何になるのですか。これが退職金、これが企業年金という規制や税制を変えるとして、それぞれ基準は何で分かれるというお考えで今おっしゃっていたのですか。それを今度から議論しましょうという話だと思いますが。

 

○鈴木委員

 そこは非常に難しいですね。例えばここにも出ていますけれども、終身年金というような話ですね。公的年金の補完であれば終身年金のほうが望ましいでしょうというようなことになるのですけれども、さはさりながら、終身年金の問題には、理想と普及の問題というのも多分あると思っていて、終身年金は理想なのだけれども、要するに公的年金の補完としてふさわしい制度を求めれば求めるほど、やるほうはハードルが高くなるという面があるので、そこは適度なころ合いでと言うしかないと思うのですが、例えばそういう意味です。

 

○森戸部会長代理

 ありがとうございます。

 

○山崎部会長

 臼杵委員。

 

○臼杵委員

 今の議論に参加して退職金と年金の話をしますと、退職所得控除をどうするかという問題が出てきます。そもそも退職所得控除ができたのも、退職金が引退時点で払われるために担税力が余りないからだというような議論があったので、その辺をどういうふうに整理するかというのは税制も絡めてくると非常に難しいところもあるのかと思います。

それはそれで、若干感想めいた意見ですけれども、この検討課題についてコメントというか、お願いというか、2点あります。

 1つは、きょう御提示いただいたことは、全てよくまとめていただいていて、大変いいと思いますし、よくわかると思うのですけれども、全体をどうこれから持っていくかというところが、座長もうなずいておられるように難しいところで、この委員会ができた経緯を考えると、一つは、書かれているように、公的年金をもちろんきちんとするのが前提とはいいながらもなかなか難しい状況もあり、諸外国況を見ると補完する私的年金というものがあるのだからそう言う点を検討する、ということと、もう一つは少し喫緊の課題でいうと、この委員会の1回目、2回目で出てきた厚年基金の終了というか、解散というか、そういう問題があり、それに対処するということではないかと思います。

ここに書かれている課題は全体像なので、もう少し時間軸や実現可能性、重要性というところでこれからここに書いてある順番に総論的にやっていくのか。例えば公的年金と私的年金で代替率何%にしましょうかという議論を始めても、いろんな考えがあって多分結論は出ないのです。もちろん議論することに意味がないということではないのですけれども、そういう議論と、では中小企業の企業年金をとりあえず厚年基金がなくなっていく中で今ある法律の中で改善すべき点は何があるでしょうかという話は、今申し上げた時間軸や実現可能性というところで違う感じがするので、次回なのか9月以降なのかよくわかりませんが、案で構いませんので、重要な課題ととりあえずやるべき課題とでうまく整理して進めていただければということが一つです。

 2つ目は、若干各論に入るのですけれども、例えば14ページのところで「DCの運用資産選択について、個々人のニーズ等を踏まえた適切な運用資産選択に資する措置」、これは具体的に何を言うのか、何だかよくわからないのですが、個々人のDCについてちょっとだけ申し上げると個々人がきちんと自分のニーズを認識して、そこに基づいて合理的な判断ができるというような前提というのは崩れてきています。これは私があちこちで言っているので、蒸し返しで恐縮なのですけれども、行動経済学とか行動ファイナンスとかいうところでは、むしろ人間は合理的に判断できないのだという前提のもとでいろんな議論がされていて、それに基づいて諸外国でもある程度、例えばデフォルトを重視するという方向の制度の設計も出てきているので、それだけではないと思いますが、諸外国の議論を参考にと7ページに出ていましたが、そういう点からもどこかで議論ができればと思っています。

 以上です。

 

○山崎部会長

  どうぞ。

 

○村瀬理事長

 関連することを少しお話しします。本日からオブザーバーとして出席しています村瀬でございます。よろしくお願い申し上げます。

検討課題案につきましては、先ほど臼杵委員がお話しになりましたように、非常によくまとまっていると思います。ただ、具体的な検討に当たって、先ほど御指摘がありましたスケジュール、優先順位をできる限り明確にしまして、メリハリをつけた形でスピード感を持った対応が必要なのだろうと思っております。中でも、厚生労働省内で検討してできるもの、一方、財務省を初めとして他省との調整が必要なもの、法律改正が伴うものというふうに整理すれば、おのずから進め方、スピード感も見えてくるのではなかろうかと思います。これが今回の要望でございます。

 若干関係するところがありますので、3点ほど確認をさせていただきたいと思います。

 1点目は、税制の問題でございます。16ページに触れられておりますけれども、平成27年度の税制改正に関する要望は、これは従来どおりの形でいかざるを得ないと思っていますが、それでいいかどうかということです。

 2点目は、6月30日に連合会からも提案させていただきましたが、総合型の厚生年金基金の解散が進む中で特に小規模な企業の年金の維持存続をどうしていくのか。先ほど臼杵委員からも話がありましたけれども、放っておきますと適格退職年金のときのように4割の企業がなくなる可能性もあります。今般それなりに事務局として手を打たれるものと理解しておりますけれども、それだけで十分なのかどうか、ここはしっかり議論していただきたい。その観点でいえば、6ページの中小企業向けの取り組みの課題の中で検討されるというふうに考えていいかどうかの確認、これが2つ目でございます。

 3点目は、同じく6月30日に企年協から提案がありました年金給付専用口座、これは中期的な課題だと思いますけれども、先ほど個人か企業かという話がありましたが、まさに個人を中心とした将来の年金をどうしていくのかということで、これもライフコースの多様化への対応ということで10ページに書かれております中で検討されていくかどうかの確認をしたいと思います。

 以上です。

 

○黒田課長

 どうもありがとうございます。幾つか頂戴しました。

まず、スケジュールのお話です。課題が設定されてからというのが順番だと思いますので、課題設定した後に先生方に御相談をしながら順番は考えていくのがよろしいのではないかと思っておりますが、こうやって並べてみた中で比較的急がなければいけない課題というものは幾つかあるように思います。1つは、先ほど臼杵先生や村瀬オブザーバーからもお話がありましたが、足元でも中小企業の企業年金の実施率は下がってきているというお話があり、厚生年金基金のお話もあるということから考えますと、この課題については早目の検討のほうが望ましいだろうと思います。

したがいまして、順番につきましては、課題が設定された後でまた御相談とは思いますが、ここで掲げられている課題の中には、もしこれをやるのだとすると法律のたてつけ等々に影響が出る課題が幾つか含まれています。例えば個人型の位置づけというテーマは、仮にこれを取り入れるのだということになれば、現在の法律のたてつけに影響が出ますし、DB・DC間のイコールフッティングについても、どこまでやるのかということに応じてになりますが、法律のたてつけには影響が出得るテーマだと思います。そういう法律のたてつけに影響が出るテーマというのは、一回ですぐに結論が出るというよりは丁寧な議論が要るだろうと思いますので、急ぐ課題、何回か丁寧にやらなければいけない課題が幾つか、大きいテーマと言うべきなのでしょうか、そういう話はありますので、そういった大き目のテーマについては複数回の議論ができるように順番等々についてはまず組み立ててみて、それから御相談をしたいと思います。

運用資産選択についてですが、ここは日本再興戦略の中にも記載がございます。この部分では、幅広いいろいろな動き、諸外国の動き、国内の動き、これまでDCを実施していく中で得られている成果というものもあるわけなので、こういったものについては全部込み込みにした上でごらんいただけるように準備しようと思いますが、私どもとしては自己選択で自己責任というのがこの仕組みの根幹であると思いますので、その観点は一つ大切にしながらの議論が必要ではないかと思います。

後は、幾つか論点が課題の中に入っているのかという御照会についてですが、税制改正要望をどういう形でするのかというお尋ねについては、まずこの課題、この議論でアジェンダ設定等々についてお話を伺った上で政府部内で検討したいと思います。今の段階でこうしますということまでは申し上げる材料は手元にありませんが、アジェンダ設定をされた上で当方としてどういうふうな要望をするのか、考えたいと思います。

それから、小規模、共同の取り組みというお話については、これは幅広く考えたいと思います。中小企業の方々、中堅の企業の方々、労使の方々のお話し合いの中にどういう手助けがあれば役に立つのかということですので、アプローチは一つではないと思います。むしろ商工会議所や連合の皆様を初め、実際に苦労されているという言い方は失礼かもしれませんが、いろいろお考えの方々のお話を伺う中で、アプローチを幾つか組み合わせてということで考えていくのがよろしいのではないかと思います。既にテーブルに上げていただいているような御提案も当然含めて、有益かどうかという観点から議論をするということではないかと思います。

それから、年金給付専用口座については御提言をいただいておりまして、これに比較的近いのは個人型DCの機能ということになろうかと思います。御提言の中には純粋な退職金も込み込みでという話がございました。これは議論の俎上にはと思いますが、退職金そのものに関する税制の取り扱い等々、税制がある程度そろってきませんとなかなかあわせにくいというか、一緒にしにくいという面もあるので、そういった点も含めての御議論のいただき方になるのかと考えております。

私からは以上です。

 

○山崎部会長

 どうぞ、臼杵委員。

 

○臼杵委員

 1点だけ。自己選択で自己責任と今、課長がおっしゃって、私も全くそのとおりだと思いますが、ただ、よりよい自己選択を誘導するという言い方がいいのかどうかわかりませんが、助けるという形で制度の仕組みを工夫していく。もちろん投資教育ということもあるのかもしれませんけれども、やはり投資教育だけでは限界があると思うので、そこを少し考えるのに諸外国の例などを見ていってもいいのではないかと思って、そういうふうに理解しています。

 

○山崎部会長

 村瀬理事長、いかがですか。

 

○村瀬理事長

 結構です。

 

○山崎部会長

 よろしいですか。

 清家代理人、どうぞ。

 

○清家代理人

 きょう御説明のあった課題について特段異論はありません。先ほど企業年金の性格づけについて、退職金、老後の所得保障という観点、両論あったかと思いますが、企業の現場の皆さんの感覚からすると、終身年金でなければいけないとか、そういう発想を受け入れるのにはちょっと違和感があるのではないかという感じがします。15ページに書かれている主な意見でいくと一番下の退職金との関係とか老後所得保障、これは終身年金でなくても有期年金であったり、場合によってはつなぎ年金、そういう考え方もあり得ますし、そこは個々の労使で考えていただくという、先ほど課長からも話がありましたが、DB法の中でもとられている方向感というのは引き続きとっていくということを大事にしていただきたい点が一つでございます。

 もう一点、これはお願いですけれども、7ページ、8ページ、ここで柔軟で弾力的な制度設計ということで、今のDB・DCの二者択一でなくて新しい選択肢を考えてはどうかという論点でございます。これについて方向感としてそれほど皆さん違和感はないと私どもは理解していまして、そうであればある程度具体的なスキームというのか、例というか、そういうものをたたき台のような形で出していただいて、それをもとに議論したほうがより内容的に詰まっていくのではないかと思いますので、そこはぜひお願いしたいということでございます。

 以上です。

 

○山崎部会長

 どうぞ。

 

○黒田課長

 具体的なスキームをというお話、承りました。この部分については諸外国の取り組み等々もおありだと伺っています。それから、先日、企業年金連絡協議会の方々からある一つの形を具体的なアイデアとしてお示しいただいたところです。その後、委員の先生方からのお気づきの点等々も含めてお考えいただいているのではないかとも思いますが、なるべく具体的なものをごらんいただきながら、いろいろな関係当事者の方々から見たときにどういう点が課題になっていくのかというお話ですとか、後はこの紙にも少し書かせていただきましたが、多様になることがニーズがあって裏打ちがあればよろしいのですが、多様になった場合、伝統的なものと比べたときに関係のプレーヤーの役割や責任がどんなふうに変わるのか、多様化したプランの中での関係者の役割や責任はどうなのかというお話はセットで考えたほうがよろしいのではないかという気もいたします。選択肢がふえることに伴う関係者の役割と多様性の話とをセットで御議論いただけるようにと思います。

 このお話を御用意する上で私ども心したいなと思っていますのは、制度側からのアプローチはあるのですが、そういうアプローチをとることについて現場の方々の中にそういうことに対する引き合いがあるのかどうかという話がもう一個大事な点なのではないかとも思います。とかく役人は制度を複雑にするほうに動きますので、そういう意味では、素材を私どもつくる上でも、きょうお集まりの委員の方々から、こういう点を注意したほうがいいのではないか、本当に引き合いはあるのか、こういう話を聞いているとか、そういうお話をいただけますと現実離れしたものになりにくくなるのではないかとも思いますので、ぜひ御助言をいただければと思います。ありがとうございます。

 

○山崎部会長

 森戸部会長代理、お願いします。

 

○森戸部会長代理

 今、御指摘あったとおり、確かに時間軸を考えてプライオリティーをつけていくというのは当然だと思いますが、きょうは最初なので、そういうことに関係なく一応思ったことを全部言うことにしたいと思います。

 これから細かくいろいろ言いたいことはあるのですが、いろいろ指摘されている問題がポータビリティー等々いろいろあるのですけれども、全体として、まさにさっきから出ている個人型DCを拡充することで解決する問題が課題の中に結構入っているのではないかという気がします。ポータビリティーもそうですし、中小企業を含め、低所得者なり、企業年金にカバーされない人のカバーとか、ライフコースの多様化に対する対応、個人単位での問題とか、全部個人型DCの拡充という方向で解決できるのではないかと思いますので、それは意識して議論できたらなと思いました。

 後は細かいことをいろいろ申し上げますけれども、さっき白波瀬委員がおっしゃったことですか、鈴木委員もおっしゃいましたが、退職金か企業年金かという話は確かにずっと昔から議論している気がします。例えば年金なら年金の方向で整理していくというのは大いにあり得るし、鈴木委員がおっしゃったように、分けて考えていくというのもある意味その一つの方法だと思いますけれども、難しいのは、任意の制度なので、こういう理想でと決めても、それではやらないと企業の人や労使に言われると終わってしまう。今、退職金として現実に動いているところがあるので、では退職金みたいな性格がないのだったらやりませんと言われないように、しかし年金の性格も出していく、そういうことが多分要るので、任意の制度だというところと規定のあり方の兼ね合いというのは昔からありますけれども、考えなければいけないのではないかと思います。

 それから、代替率の話などしたらどうせ決まらないと言われてしまって言いづらいのですけれども、別に私、案があるわけではないのですが、ただ、平川委員がおっしゃったように、公的年金はもういいです、企業年金でみたいな安易な話はよくないですが、公的年金がいずれにしても余りカバーしてくれない時代になるのは見えているので、そうすると例えば老後所得は現役世代の65%ぐらい欲しいねとかいう目標が決まったら、公的年金が結構調子がよくて60%カバーしてくれるのだったら5%はあと私的年金でやればいい、公的年金がいまいちで50%しか代替してくれないのだったら15%分の税制優遇は必要だとか、そういう理屈は立つのではないかと思います。これはざっくりした話で感想みたいなものです。

次にもうちょっと具体的な話ですけれども、中小企業への対策は喫緊の課題だということで、そのとおりだと思いますが、要するに市場原理の問題でというのか、資産規模が小さいから契約してもこんなお金では相手にしてくれないとか、そういう問題がもしあるとすれば、それはイギリスのNESTとかもそうですけれども、集団的に契約する道をつくるとか、そういう意味での補助は必要なのでしょう。しかし中小企業がやることを何でもかんでも援助しろというのだと話が広がり過ぎるので、もっと中小企業にも企業年金をやってほしいというだけで余り無理に後押しするのだったら、それは中小企業を後押しするのではなくて、中小企業に働いている人が老後に備えられるような枠組みを考えるほうが効率的なのかもしれないという視点も考えておいたほうがいいと思います。

 それから、労使の継続監視とかガバナンスという話が出てきて、もちろんここでいろいろ案を出していただいた各団体の方々はそれぞれ意味を持っておっしゃったことで、言葉だけだとガバナンスとか労使の継続監視というのは文句を言いづらいですが、ただ、労使でというと何を監視するのかという問題もあります。やはり一緒に監視するというと労のほうも責任を負う話だと思うので、資産運用の話なのか、それ以外の話なのか、その辺も何を監視するのかということは考えなければいけないし、やはりガバナンスは単純に監視するインセンティブがないといけないのではないかと思うので、ガバナンスがひとりでに機能するような仕組みを考えなければいけないと思います。

 それから、もっと長期の課題になりますが、中退共と特退共の関係、財形、税制に結局かかわりますけれども、ほかの制度との関係も所管が違う制度であっても議論していかなければいけないと思います。

 全体としては、法律のたてつけが大きく変わる。税当局と調整しなければいけない課題がある。そういうものと厚生労働省内でできるものとの区別をちゃんとしてやっていく。それは大事だと思いますが、他方でそういう法律のたてつけが変わるような結構大きな話だからこそ、これが課題ですねと書いて終わりにしないで、もうちょっと方向を出して、それで批判を受けたら受けたでいいと思うので、長期の大きな課題だからこそ意識的にこういう方向であるべきではないかというようなものを出して、せっかくのこういう機会なので、世の中にも議論してもらえるような方向で出していきたいと個人的には思っています。

 取りとめがなくて済みません。以上です。

 

○黒田課長

 個人型が非常に大事だということはヒアリングの際にもいろいろな金融関係の方々、経済団体の皆様を初め、部会の委員の先生方からもいただいているお話だと思いますので、そこは大切な視点としてこれからも、いろんなところで関係してくると思いますが、御議論いただければと思います。

 代替率については、これは制度論、制度のたてつけなり考え方にかかわるお話なので、代替率がいいのかどうかということもありますし、あと、役割分担論としてのものもありますが、もう一つ、この仕組みとの関係でいきますと、今、DCについて設けられている拠出の限度額というものが給付の水準との兼ね合いで設定されているということもございます。哲学の話もそうですし、哲学の話を少し離れた制度の具体的なたてつけという意味合いの議論としてもそのお話が出てまいります。山本委員からありましたような大きな意味合いでもありますし、技術的な話でも出てまいりますので、そちらでもごらんいただけるようにしたいと思います。

 それから、労使の話につきましては、これはもう少し具体的にということなのではないかと思います。今でも一応のたてつけのものはありますが、それが十分機能していたのかどうかということもありますし、先行する制度で、いわゆるガバナンスといいますか、労使の監視・関与が十分に行われていたのかどうかという点もあります。そういった点も踏まえて足らざる点があるのかどうか、制度設計の選択肢を少しふやしていくということになった場合にそれがどうあるべきなのか、先日の企業年金連絡協議会の御提案に対する質疑が多く寄せられたということも今の点にかかわっているのではないかとも思います。労使が肝の制度なので、労使の方々の関与が欠かせないということは大前提に置いた上で、具体的な実例等々にも即して御議論いただけるように準備したいと思います。

 今いただいたようなお話は私どもがこれから素材を御用意させていただく際に大切な指針となると思います。どうもありがとうございます。

 

○山崎部会長

 村瀬理事長。

 

○村瀬理事長

 今、森戸先生から話がありました中で、中小企業の企業年金の維持という観点につきましては、厚生年金基金の解散に伴って、その設立事業所の企業年金をどう維持するか、こういう観点で申し上げている部分です。現行でも中小企業においては必ずしも十分な年金がない中で企業年金が無くなってしまう恐れがある。ここをどう維持していくかという観点で申し上げているということをまずつけ加えさせていただくのが一点です。

 もう一点、これは個人的な考え方ですけれども、DBからDCへ移行という大きな流れは事実としてあると思います。ただ、全て個人型DCという形で個人にリスクを負わせていいのかどうか。もちろん長い目で見てそういう方向感はあると思いますけれども、やはり提案にもありますように、DCとDBの二者択一でない制度を模索していく中で、徐々に個人型DCをふやしていくという方向感はまさに正しい方向だと思いますが、全てを個人型DC一本で行うというのは少し早過ぎるのではないか。逆に言うとどのようなスケジュール感で移行していくかということが議論の中でも大事になる部分ではなかろうかと考えています。

 以上です。

 

○山崎部会長

 事務局もよろしいですか。

 ほかに御意見ございますでしょうか。

 それでは、本日、事務局の提案のありました企業年金部会における検討課題(案)につきましては、ただいまいただきました各委員からの御指摘を踏まえて必要な加筆修正を行いたいと思いますが、修正の内容につきましては、私に御一任いただけますでしょうか。

 

(「異議なし」と声あり)

 

○山崎部会長

ありがとうございます。

 それでは、今後この検討課題をもとに制度のあり方について具体的に議論を進めたいと思います。

 予定の時間にはまだ達しておりませんが、本日の審議についてはこれをもって終了させていただきたいと思います。

 次回の開催について事務局より連絡はございますでしょうか。

 

○黒田課長

 次回の部会の開催日時は事務局より各委員の御都合をお伺いした上で正式に御案内を差し上げたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 以上でございます。

 

○山崎部会長

 ありがとうございました。

 それでは、本日の審議は終了いたします。御多忙の折、お集まりいただきましてありがとうございました。

 

(了)

 

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