2017年7月31日 第1回社会保障審議会年金部会年金財政における

経済前提に関する専門委員会 議事録

年金局

 

○日時   平成29年7月31日(月)9時59分~11時35分

 

○場所   全国都市会館 第2会議室(3階)

 

○出席者

植田委員長、小黒委員、小野委員、権丈委員、小枝委員、駒村委員、武田委員、玉木委員、野呂委員、吉川委員、米澤委員

○議題

(1)委員長の選出及び委員会の公開について

(2)平成26年財政検証における経済前提の設定等について

(3)その他

○議事

○武藤数理課長

それでは、そろそろ定刻になりますので、ただいまより第1回「年金財政における経済前提に関する専門委員会」を開催いたします。

委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただき、ありがとうございます。

委員長を選出いただくまでの間、年金局数理課長の武藤が議事進行を務めさせていただきます。

本日は、木下年金局長より御挨拶を申し上げる予定としておりましたが、公務によりおくれての出席となりますので、局長にかわりまして、大臣官房審議官の諏訪園より御挨拶申し上げます。

 

○諏訪園審議官

よろしくお願いいたします。

皆様方におかれましては、御多忙の中、専門委員会の委員をお引き受けいただきまして、また忙しい中、初回、御出席いただきまして、まことにありがとうございます。木下年金局長が公務によりおくれての出席となりますので、局長にかわりまして一言御挨拶させていただきます。

御案内のとおり、公的年金の財政につきましては、少なくとも5年ごとに財政の現況及び見通しを作成し、年金財政の健全性を検証することとされてございます。前回の財政検証は平成26年に行われましたので、次期財政検証は平成31年までに行われることになり、厚生労働省としても、これから次期財政検証に向けた準備を本格化していく必要があると考えております。

財政検証におきましては、将来の人口や経済の前提が特に重要となってまいります。人口につきましては、本年4月に国立社会保障・人口問題研究所から新人口推計が公表されました。経済につきましては、今回、社会保障審議会年金部会の委員の皆様の御了解をいただきまして、年金財政における経済前提に関する専門委員会を設置いたしました。

また、後ほど事務局より御説明いたしますけれども、昨年の年金改革法の審議におきましては、財政検証の経済前提についてさまざまな御議論をいただいております。次期財政検証では、こういった御議論を踏まえて、どのような経済前提を設定することが妥当なのか、しっかりと考えていく必要があろうかと考えておりますので、皆様方には専門的・技術的な観点からの御協力をぜひとも賜りたいと存じます。

本委員会での議論を踏まえて財政検証を行い、公的年金制度の姿を国民にわかりやすくお示ししていくことは、持続可能な年金制度の構築には不可欠であると考えております。皆様の自由で闊達な、そして活発な御議論をいただくことを心からお願い申し上げ、私からの御挨拶とさせていただきます。

 

○武藤数理課長

それでは、続きまして、委員の皆様の御紹介をさせていただきます。お手元に委員の名簿を配付しております。所属と役職につきましては名簿に記載されておりますので、ここではお名前のみの御紹介とさせていただければと存じます。

植田和男委員でございます。

小黒一正委員でございます。

小野正昭委員でございます。

権丈善一委員でございます。

小枝淳子委員でございます。

駒村康平委員でございます。

武田洋子委員でございます。

玉木伸介委員でございます。

野呂順一委員でございます。

吉川洋委員でございます。

米澤康博委員でございます。

なお、本日は御欠席ですが、山田篤裕先生にも本専門委員会の委員をお願いしております。

また、年金財政の経済前提を議論するに当たって、オブザーバーとして内閣府計量分析室から佐藤参事官に、年金積立金管理運用独立行政法人から鎌田企画部長と大石投資戦略部次長に御出席いただいております。

事務方からの出席者につきましては、お手元の座席表のとおりとなっておりますので、これをもって紹介にかえさせていただきます。なお、年金局長と資金運用課長はおくれての出席の予定となっております。

続きまして、お手元の資料を御確認いただきたいと思います。

議事次第、名簿、座席表に続きまして、

資料1-1 社会保障審議会年金部会「年金財政における経済前提に関する専門委員会」の設置について

資料1-2 年金財政における経済前提に関する専門委員会の議事等の公開について(案)

資料2-1 平成26年財政検証における経済前提の設定について

資料2-2 平成26年財政検証の経済前提に対する諸意見等

資料3  今後の進め方(案)

以下、参考資料1から参考資料4までお手元に配付させていただいているところでございます。皆様、よろしいでしょうか。

それでは、議事に移らせていただきます。

初めに、本専門委員会の委員長の選出についてです。

あらかじめ本委員会の各委員に相談いたしましたところ、植田委員に委員長をお願いしてはどうかとの御意見がありましたが、皆様、いかがでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○武藤数理課長

どうもありがとうございます。

それでは、植田委員に委員長をお願いすることとし、これからの議事運営につきましては植田委員によろしくお願いいたします。

恐れ入りますが、植田委員におかれましては、委員長席に御移動をよろしくお願いいたします。

(植田委員、委員長席に移動)

○植田委員長

植田でございます。微力でございますが、円滑な議事運営に努めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

それでは、議事に移らせていただきます。

最初に、委員会の公開について事務局より御説明をお願いします。

 

○武藤数理課長

それでは、まず資料1-1でございますけれども、委員会の公開自体の話の前に、本専門委員会の設置についての資料を御確認いただきます。

平成31年までに行う財政検証における経済前提について、年金部会における審議に資するため、専門的・技術的な事項に関して御検討いただくための場として本専門委員会が設置されているというのが本専門委員会のミッションでございます。

御検討いただく項目は各種経済指標についてですが、最終的には、財政検証に用いる物価上昇率、賃金上昇率、運用利回りの前提について、定量的な御検討もお願いすることになると考えているところでございます。

なお、年金制度自体の御議論は年金部会で行われるという整理でございます。

そこで、次に資料1-2をごらんください。こちらが本題の本専門委員会の議事等の公開について(案)で、本専門委員会の申合せ案でございます。

「年金財政における経済前提に関する専門委員会の会議及び議事録は原則として公開とする。ただし、各種の市場に影響を与えるおそれがある場合等必要があると認められる場合には、委員長は、会議及びその資料並びに議事録の全部又は一部を非公開とすることができる。

なお、議事録の全部又は一部を非公開とする場合には、委員長は、非公開とした部分について、議事要旨を作成し、これを公開するものとする。」

以上が案でございます。

 

○植田委員長

ありがとうございました。

今の御説明につきまして、皆様、よろしいでしょうか。何か御意見等、おありでしょうか。よろしいですか。

(「異議なし」と声あり)

○植田委員長

それでは、公開につきましては、この事務局の原案どおりに決めさせていただきたいと思います。

次に、議事次第の2番目にあります「平成26年財政検証における経済前提の設定等について」、これも事務局から御説明をお願いいたします。

 

○武藤数理課長

それでは、財政検証上の経済前提につきまして、これまでの経緯でございますとか、あるいは平成26年財政検証の経済前提はどういう考え方で設定されたかということ。また、それに対しての各方面からの御意見といったものを御説明いたしまして、その後、フリーディスカッションをお願いしたいと考えております。

それでは、資料2-1「平成26年財政検証における経済前提の設定について」でございます。

1ページでございます。財政検証は、平成16年改正における長期的な年金財政フレームに基づく仕組みということになりますので、まずは16年改正のポイントをおさらいしたいと思います。

上にシーソーの絵が描かれてございます。左側に年金制度から見た収入、右側に支出がございまして、これらは長期的な年金財政の収支をバランスさせる必要があるという観点から描かれたものでございます。16年改正において、左側の保険料収入や国庫負担割合が固定されまして、右側の年金支出がマクロ経済スライドという手法を通じて調整され、おおむね100年間の長期的な収支均衡が図られる仕組みとなったということは皆様御案内のとおりでございます。

この平成16年改正フレームのもとで、少なくとも5年ごとに長期的な年金財政の健全性を検証する仕組みが財政検証ということになりまして、2ページ目でございます。

5年ほど時間が経過しますと、新しい国勢調査が行われまして、それを受けて人口推計が新しいものに置きかえられますし、経済の状況も変わるということになりますので、それらの動向を踏まえて、おおむね100年間の財政見通しを作成し、あわせてマクロ経済スライドの終了年度の見通しなどを確認いたします。つまり、平たく申し上げますと、ここでやっていることは、長期的な年金財政の定期健康診断を行っているということに当たります。

続きまして、3ページですが、平成26年財政検証の諸前提です。大別して4つの前提がございまして、上から順に見ていきますと、人口の前提、労働力の前提、経済の前提、その他制度実績等に基づく前提ということになります。

この中で、経済前提は諸前提の一つの柱ということになります。経済前提、足下10年間程度は内閣府による中長期の経済財政に関する試算に準拠して設定されておりますが、その後10年後以後のおおむね100年後までの長期の経済見通しというものは、政府として作成しているものはありませんので、本専門委員会では、その長期の経済前提の御議論を中心にいただいているところでございます。前回の専門委員会では、3ページの表にありますような結果につながる御議論をいただいておりまして、特に基準ケースというものを置かずに、長期の前提のほうでは幅広い8ケースを設定されたところが特徴的なところでございます。

例えば、一番上のケースAを見てみますと、TFP上昇率が1.8%となっておりますし、逆に低いほうをごらんいただきますと、長期にわたりずっとマイナス成長というケースを設けておりまして、かなり幅の広い前提となっております。

続きまして、4ページが平成26年財政検証で用いられた、内閣府の中長期試算に準拠してございます足下10年間の経済前提、高いケース、低いケースが二通りございます。

それらの前提に基づきまして、次の5ページですが、平成26年財政検証の主な結果でございます。ここでは、人口推計は中位の前提を置いておりますけれども、そのもとで幅の広い8ケースの経済前提のうち、AからEまでの5ケースでは、最終的な所得代替率が50%以上となっておりますが、FからGまでの3ケースでは、50%を下回る見通しとなっております。

なお、従来の財政検証では、長期の経済前提というのは長期の平均的な姿をあらわすものとして設定されておりまして、値自体も長期の平均値としてコンスタントな一定値が設定されておりました。今、ごらんいただいている5ページの結果も、それが踏襲されたものとなっております。ただし、前回の専門委員会では、現実には経済変動があって、物価や賃金の伸びが小さいときには、マクロ経済スライドによる調整がフルには働かないため、平均値が同じでも、変動すると最終的な給付水準が影響を受けるのではないかという御議論があり、経済変動を仮定した場合の前提もあわせて設定されることとなりました。

その結果が6ページにございます。ケースCやEのような比較的高成長のケースでは、経済変動を設けてもマクロ経済スライドによる調整が働きやすいということになりますので、影響が小さい。つまり、ここで見るマイナス幅が小さいということになりますが、ケースGやケースHのような低成長のケースでは、逆に調整がより働きにくくなるので、影響が大きい。マイナス幅が大きいということがわかりました。

7ページに経済変動を仮定した場合のマクロ経済スライドの発動への影響を示した構造図がございますが、ここでは高いケースから低いケースまで、いろいろ書いてございますけれども、下にありますケースGやケースHのような低成長のケースのほうが、物価がマクロ経済スライドの調整率を下回ることが多くなり、つまり、ここで見る網をかけた部分がマクロ経済スライドの調整率にかかっているということですけれども、その部分にかかることが多くなり、その結果、機能しない機会が多くなるということが見てとれるところでございます。

さて、8ページ目が経済前提の考え方ということになります。これは、前回の専門委員会の最終報告書より抜粋した文章になります。

パラグラフが2つございますけれども、前半部の下線部にあるとおりでございますが、財政検証の経済前提は、それを行う時点において使用可能なデータを用いて、最善の努力を払って長期の平均値として設定されているということでございます。

また、後半の下線部にあるとおりでございますが、財政検証の結果は、将来の状況を正確に当てに行っているという性格のものではなく、現時点で得られるデータの将来の年金財政への投影という性格のものであって、だからこそ、複数の前提を設定し、その結果についても幅を持って解釈する必要があると報告されているところでございます。

非常に当たり前のことではございますが、以上、確認させていただいているところです。

続きまして、9ページは、設定における基本的な考え方になります。下にイメージ図が描かれておりますが、これは本専門委員会で用いられておりますモデルのパラメータであるTFP上昇率設定のイメージ図になります。足下10年間は、内閣府試算の高低、2ケースに準拠し、その後は枝分かれして幅の広い8ケースが設定されていることになっております。

10 ページ目が具体的なモデルの説明になります。具体的には、成長経済学の分野で用いられる標準的な生産関数であるコブ・ダグラス型生産関数に基づいて経済成長率等の推計が行われているということになります。

続きまして、11ページがその構造を示したフローチャートになります。経済成長は、ここで一番上にありますように、労働投入や資本投入の寄与による部分と、その残差であるTFP上昇率による部分に分解されるコブ・ダグラス型生産関数が基本となっております。これを年次の漸化式に当てはめて求められた計算式により、例えば労働投入量当たりの成長率から賃金上昇率が計算されることになりますし、また資本ストック当たりの利潤率から長期金利が計算されるということになり、最終的には財政検証上でも賃金上昇率や運用利回りの前提として用いられることになります。

また、TFP上昇率以外のパラメータとしても、この図で※印で注をつけている部分がパラメータでございまして、例えば資本分配率や資本減耗率、総投資率などの入力パラメータもございます。

なお、財政検証でこのモデルが用いられるようになったのは平成16年改正の際からで、以後、そのときの基本骨格を大事にしながら、改善を加えて現在に至っているという状況でございます。

16 年改正前の経済前提はどうしていたかということですけれども、基本的に過去の実績の傾向から設定してございました。参考までに、12ページに前回の専門委員会の資料を入れておりますが、これは諸外国の公的年金の財政見通しに用いる経済前提を調べたときの資料でございますけれども、このページの3つ目の点にも書いてありますように、諸外国においては、現在でもそのように設定している国が多いというところです。そういう点からも、現在の日本のモデルは諸外国と比べても工夫されていると評価されるという、前回の専門委員会での最終報告書でもそのような旨の記述がありますことを御紹介させていただきたいと思います。

飛びまして、最後、14ページに行っていただきますと、これは今年の3月に新たに設置された社会保障審議会資金運用部会について御紹介させていただいている資料でございます。

前回の専門委員会では、経済前提の設定と積立金運用のあり方があわせて御議論されておりましたが、今般、中期目標の策定・変更に関する審議等は当該部会で行われることになりましたので、それを踏まえて、本専門委員会は経済前提の設定のみの専門委員会となっております。

以上が資料2-1の御説明でございます。

続きまして、資料2-2「平成26年財政検証の経済前提等に対する諸意見等」の御説明に入ります。

最初に、国会からいただいた経済前提に対する御指摘でございます。

表の左側に、いただいている指摘事項を5つ掲載させていただいております。例えば、一番上の御指摘を確認しておきますと、経済前提(TFP上昇率、賃金上昇率、名目運用利回り)などについて、直近の実績と比べて前提が楽観的過ぎるのではないか。以下、ここに記述しているような御指摘がございました。

それに対する考え方として、前回の専門委員会報告書や、あるいはそれを補う形で国会答弁させていただいているのが右のとおりでございます。

特に、本専門委員会との関係でコメントしておきたいのは、一番下の事項でございます。昨年末に成立いたしました年金改革法の国会審議の中で、経済前提絡みの話で最も話題になった指摘事項でございますけれども、一番左下に書いてありますとおり、賃金や物価が今後100年間にわたって上がり続ける前提となっているが、実際には、2000年以降幾度も下がっている。実態に合わせた試算をしてほしいというものでございます。つまり、財政検証の長期の前提は、長期の平均値ということで幅はあるものの、いずれもプラスの賃金上昇率が設定されているが、それだけでは、昨年の年金改革法で見直された、賃金が低下した際の年金額の改定ルールの効果が測れないのではないかという意見を背景とした御指摘でございます。

先ほど、平成26年財政検証でも、経済変動を設けた場合の前提があるというのを御紹介させていただいたところですが、先ほどのケースでは、実質賃金上昇率等がマイナスになるケースまでは設定していないというところでございました。

この御指摘に対しては、右ですけれども、次期財政検証に用いる将来の経済前提については、一時的に賃金上昇率がマイナスになるようなケースも含めて様々な想定をした幅広い前提の設定について、検討を進めるとの国会答弁をさせていただいているところでございます。

そのような国会審議での流れに沿って、2ページ目にありますような、国会からの法律案に対する附帯決議がございました。下線部に書いてあるとおりですけれども、次回予定される平成31年財政検証に向けて、景気循環等の影響で新たな改定ルールが実際に適用される可能性も踏まえた上で、国民が将来の年金の姿を見通すことができるよう、現実的かつ多様な経済前提の下で将来推計を示すべく、その準備を進めることという御決議をいただいたところで、厚生労働大臣からも、先ほど御紹介したような答弁をさせていただき、下の下線部を引いたところでございますけれども、本専門委員会との関係も意識した上で国会でのやりとりが行われているところでございます。

続きまして、3ページは社会保障審議会年金数理部会からの御指摘でございます。

年金数理部会は、通常、大別すると2つのことをやっていらっしゃいまして、毎年度の公的年金決算が出た際に、その財政状況の分析を行われるということが1つございます。

もう一つ、これは5年ごとに当方が行っております財政検証について、それを行いますと、その前提や推計手法について外部からのレビューを行っておられるということになります。公的年金の実施主体である我々とは別の第三者のお立場で、年金数理の専門家等から構成される部会から検証していただくこととなっております。

このページは、当方の平成26年財政検証について、当該部会からピアレビューいただいた際の、経済前提に関する記述のところの抜粋でございます。さっと見てみますと、御案内の8ケースによる幅広い経済前提で財政検証を行ったことに対しては、一定の評価をいただいているところでございます。

さらに、4ページ目につきましては、本専門委員会で用いられる経済モデルについて、再検討しながらよりよくしていく努力を行ってきていることについて、御評価いただいているところでもございます。

また、後段の最後のあたりにありますように、さらによりよいものとしていくことが望まれるという御報告をされているというところでございます。

なお、参考までにつけ加えておきますと、毎年度、年金数理部会が行っていらっしゃる財政状況の分析のため、先月に行われた年金数理の部会の場がございましたけれども、財政検証の経済前提に関する御議論がそこでもございましたので、御紹介させていただきます。

例えば、賃金上昇率の前提と比べて最近の実績が弱くなっていること。また、ポートフォリオ見直しにより、積立金の運用利回りの変動が大きくなっていることなどについて、本専門委員会でもしっかり議論してほしいと期待されている旨の御発言がございましたので、特段資料はございませんが、御紹介させていただきます。

最後、5ページ、6ページですが、これは前回の専門委員会で御指摘があった課題、大きく5点と、その対応状況でございます。

まず、1点目、専門委員会モデルは供給サイドから考えた長期のモデルになってございますが、需要サイドからのアプローチも必要ではないか。あるいは、2点目ですけれども、閉鎖経済モデルになっているが、海外の動向も踏まえられないのかという御議論がございました。これらは、前回の専門委員会におかれまして一定の工夫をして、モデルの修正がなされていったところでございます。

続きまして、6ページ、前回の御議論で、いわゆるOLGモデルの導入を検討してはどうかとの御議論がありましたが、これには入力パラメータに恣意性が入ることなどから、財政検証への採用は難しいのではないかとの御議論がございました。

あと、残り2点でございますが、前回の議論の最終盤の話ということになりますけれども、最近、長期金利と利潤率の相関を見ると、相関がなくなってきていることなどへの対応。また、最後の点ですけれども、TFP上昇率の最も高いケースが1.8%で設定されておりましたが、それが高いという御議論があり、最終的には記載しているような一定の整理がなされたところでございます。

私からの資料説明は以上でございます。

 

○植田委員長

ありがとうございました。

主に前回の財政検証及びその問題点について御説明いただいたわけですが、きょうは第1回目ですので、皆様からどういう面に関してでも結構ですので、御自由に御意見あるいは御質問等いただけたらと思います。よろしくお願いします。どなたからでもどうぞ。

 

○小枝委員

御説明ありがとうございました。

資料2-1の7ページの図を拝見しています。景気循環を考慮していくのはとてもよいことだと思います。しかしここでは、物価上昇率が低いケースHでも、ボラティリティー、物価上昇率の変化の幅はケースCと変わらない前提をおいていると思います。ボラティリティーの変化はファイナンス、資産運用の面では大切だと思うので、マクロとファイナンスのリンクという意味ではこの辺の前提について掘り下げて考えてもよいと思いました。

もう一つ、感想です。11ページはわかりやすいスタンダードなモデルを使われているなと思います。特に、労働投入量が成長率にどういった影響を与えるかという点が、注目しているチャンネルになってくるかと思います。最近は労働投入量の変化がTFPに直接影響を与えるという研究も、まだ理論は未発達ですが実証面から出てきています。もしかすると、今後そういった影響も重要になってくるかもしれません。

以上2つ、感想を申し上げました。

 

○植田委員長

事務局、何かありますか。

 

○武藤数理課長

貴重な御意見、ありがとうございました。

先生からいただいた御意見とかも頭に入れながら、今後、まずは御自由に御議論いただければと思っております。

 

○植田委員長

小黒委員。

 

○小黒委員

説明ありがとうございました。法政大学の小黒です。

1点だけ質問させていただきたいんですけれども、資料2-2になります。経済前提等に関する諸意見等の1ページ目の、我々の委員会に課せられている1つのミッションだと思うんですけれども、一番下の指摘事項のところです。物価や賃金が今後、将来100年間にわたり上がり続ける前提になっているが、実際には、2000年以降幾度も下がっており、その実態に合わせた試算をしてほしいという宿題をいただいているわけですけれども、右側の回答の考え方では、どちらかというと賃金に集中した形になっております。

資料2-1で経済前提8ケース、前回やったものでインフレ率がかなり低いケースがございましたけれども、昨今の異次元緩和でインフレ率がその目標である2%近くに1度向かったことはありますけれども、またマイナスのインフレ率に落ち込んできているということで、この辺について、物価のところももう少し今後の宿題として検討したほうがいいんじゃないかと、説明を伺っていて思いました。

あと、ちょっと余談ですけれども、私自身も頭の中で余り整理ができていないんですけれども、資料2-1の11ページ目がございます。ここのところで、資本をコブ・ダグラス型関数でやっているのは実務的な推計上の側面で仕方がない部分がありますが、国土交通省が出しています国土のグランドデザイン2050というものがございまして、御存じの方も多いと思います。2010年と2050年を比較した場合に、人口が半分以下になるエリアが6割ぐらいある。物的資本が空間に張りついている場合に、物的資本が適切に最適化していけば調整されると思うんですけれども、その場合でも空間的に張りついている資本が、その減価償却や稼働率との関係を含め、現状の内閣府のいろいろやっているような中長期試算でも、いろいろ問題を抱えていると思うんです。

中長期的な潜在成長率をどう見るべきなのか。例えば、人口が半分になってしまった場合に、その物的資本をどれぐらいの割合で稼働していると見るのかということも、少し検討してみてもいいんじゃないかと別の視点で思っております。

以上です。

 

○植田委員長

それは、経済的に減耗してしまうようなことが。

 

○小黒委員

そうですね。ここは経済学者でもなかなか結論が出ていない。

 

○植田委員長

どうぞ。

 

○権丈委員

ちょっと質問です。資料2-2の3ページで、この意味を教えてほしいんですけれども、「法律に定める財政検証の重要な目的の一つに、マクロ経済スライドによる給付水準調整の終了年度を定めることがある。今回財政検証のように 複数のケースが並列的に扱われたままでは、最終的局面で当該終了年 度を決定できず、財政検証の重要な目的の一つを果たせなくなるのでは ないか」というのがあるんですね。

年金の平成16年改正法の附則では、次の財政検証までに50%を切った場合にストップするんですよね。前回の財政検証では、当面10年間は内閣府の試算に基づいて、基本2本でやっている。10年先まで2本で内閣府がやっていて、5年先の50%を切るときにストップするという話と、ここに書いてある話はどのように結びつくのだろうかという疑問がありまして、ちょっと教えていただければと思います。

 

○武藤数理課長

数理部会の御報告の引用ですので、直接どういうお考えで書かれたか、なかなか難しいところもあるんですけれども、恐らく書かれておりますのは、マクロ経済スライドをとめるときに、どのケースに基づいて考えるかというものですけれども、先生がおっしゃったとおり、マクロ経済スライドをとめるか、とめないかにつきましては、財政検証をやったときから5年以内にとめるような見通しになったときに具体的にとめるということになりますので、その時点で考えるということがまず1点ございます。

あとは、幅の広い8ケースで、財政検証をやる側としましては、基本ケースなしの幅広い8通りで見ていただいて、どういう経済前提であればどういう年金財政の姿になるのかというところを見ていただきたいと思いまして、それに対しては一定の御評価をいただいているところだと思っておりますけれども、そういった御評価とマクロ経済スライドをとめるときの点について、あわせて考えて、このような記述をされているということかと思います。

 

○植田委員長

はい。

 

○駒村委員

今の権丈委員の御質問の件ですけれども、数理部会の検証委員なので、これは報告書だけではなく、数理部会の議事録を確認していただきたいが、たしかにこの指摘はあった。1年以上前の議論だが数理部会の議事録を確認してほしい。

例えばBとかAは既に2017年で比例部分については財政検証が終了していることになっているけれども、それをどのように考えるのかといった議論のはずである。恐らく意味のないコメントではなくて、さんざん議論した上で、こういうコメントがついたはずなので、次回までに事務局のほうで議事録確認をしてください。お願いします。

 

○武藤数理課長

 

そこは議事録確認をさせていただきたいと思います。

 

○植田委員長

どうぞ。

 

○米澤委員

今のことと関連して、我々のこのミッションは、資料2-1の例えば5ページの各ケースにおいていろいろ数字を出すところまででいいという理解なんでしょうか。そうしますと、一番肝心な財政検証というのは、この結果に基づいて、次に何か必要なアクションを起こさなきゃいけない場合には、どこが担当して、そういうことをやるのかどうか。そこを教えていただきたいと思います。

 

○武藤数理課長

本専門委員会のミッションは、きょうの資料1-1のとおりでございますけれども、財政検証に用いる経済前提等について、年金部会における審議に資するために、経済前提の専門的・技術的な事項について検討を行うということでございます。

過去数回の財政検証を見てみますと、財政検証結果自体を報告する場としても年金部会において報告させていただいているということもございますし、あと、年金制度のあり方自体を御議論いただくということになりますと、それは年金部会などを中心に御議論いただくということが役割分担かと考えます。

 

○米澤委員

その際に必要な資料を提供するというのがミッションですね。

 

○武藤数理課長

経済前提は財政検証の前提の柱の一つということになると思いますけれども、その他の前提も織り込みまして、財政検証結果が政府として計算が行われるということになります。

 

○植田委員長

どうぞ。

 

○玉木委員

この会合の結果が1年半とか2年近くで出るわけでございます。3年だか4年前にも出たわけでございますが、この委員会は長期的な議論をするとはいえ、世の中あるいは人々のこの委員会で出したものに対する受けとめ方あるいは感想といったものは、どうしても短期的な現象に影響されるのは、これはやむを得ないと思います。その際、3年ぐらい前と今後1年、2年ぐらいの比較を考えた場合に、労働需給や賃金をめぐる環境が違う点が重要だろうと思います。

あと、この委員会での作業の最終的なアウトプットの一つが、賃金対比のスプレッドとしてどういう運用利回りを考えるかということでございますので、賃金についてこの委員会がどう考えているのかに関して、なるべく丁寧な説明を今後の議論の中で織り込んでいくことがどうしても必要になるのではないかと思います。

そのためにも、賃金のことを、どこでやるかは事務局にお任せいたしますけれども、ここ10年とか20年の我が国は実質経済成長はしている、あるいは、生産年齢人口当たりの実質GDPはそこそこ増えているけれども、何か事情があって賃金は余り増えていないという現象について、どこまでこの委員会で解明できるかは別として、ファクトの認識、整理があったほうがよろしいのかなと思うところでございます。

以上です。

 

○植田委員長

吉川先生。

 

○吉川委員

きょうはフリーディスカッションということだと思うので、感想のようなものですが、資料2-1の11ページ。この我々の委員会は、今後100年くらいの経済成長の見通しということですので、11ページの一番上にありますけれども、スタンダードな成長会計のモデルでやるというのは、結論的にはこれしかないだろうと思いますし、私もそのことに異存はないんですが。

2点ほどコメントをさせていただくと、どこかの資料にもあったと思うんですが、前回のこの委員会で需要サイドをどう取り入れるのか。成長会計のモデルというのは、通常はいわゆるサプライサイドのモデルだと理解されるので、100年はもちろんですが、長期の経済成長はサプライサイドでというのが経済学の一つのスタンダードな考え方であると思います。

私は、それにはテイクイシュー、異論があるんですが、そのことはちょっと別にして、需要サイドをどう考えるのかということです。これは、大きな問題だと思います。いろいろな論点があるんですが、細かいことはこの場に必ずしもふさわしくないと思いますので、ちょっと置きますけれども、具体的に言いますと、過去20年の日本経済の成長実績というものを振り返ってみる。20年というのは100年の5分の1ですから、短期とは言えない。100年を長期と呼ぶなら中期になるのかもしれませんが、短期ではないと思います。

この20年を振り返ってみると、輸出の役割ということ1つとっても、この輸出によって日本経済の成長パフォーマンスというのは大きく左右されてきたことは皆さん御存じのとおりで、ざっと振り返ってみますと、2000年代の初頭のいわゆる小泉内閣の3年間というのは、かなり高い成長率を享受したんですが、中国経済の成長に引っ張られたような輸出が非常に大きな役割を果たしたと思います。あるいは、ここ2年くらいの日本経済あるいは足下もそうだと思いますが、輸出というのが非常に大きな役割を果たしたわけです。

言うまでもなく、輸出というのは日本経済にとって需要サイドと考えるのが素直な考え方だと思います。輸出できる、エクスポータルなものをつくり出すというところには、もちろんテクノロジーが関係してくるんですが、ある1年をとったときに経済が成長したのが輸出に非常に引っ張られたというのは需要サイドの話だと考えるのが素直だと思うので、輸出の役割というのは明らかに大事だということになるんですが。

結論から言うと、この成長会計みたいなフレームワークでやるんだったら、輸出が大きな役割を果たすというのは、恐らくTFPの中に入れ込むんですね。TFPというものを、通常はピュアなテクノロジカルプログレス、ソフト面も含めて、というぐらいのことは言うのかもしれませんが、教科書的に言えばKとL、資本と労働を同じだけ突っ込んで、前よりは多くの付加価値が出てくる。その残差でビジュアルなTFPというのは、皆さん御承知のとおりですが、輸出が大きな役割を果たしているということは、輸出がなかったときと比べて、恐らくTFPにそれを含めることになるだろうと考えます。

ですから、これはTFPの想定の置き方というところで、日本経済から見て、日本の輸出というのはどのぐらいのものかということも、TFPに相当影響してくるということじゃないかと私は考えます。ちょっと長くなっていますが、1点目。

2点目は物価ですが、物価は無責任なようですが、100年間、わからないということだと思います。委員の先生方の頭の体操ですが、物価というのはマネーで決まると考えている人が世の中にはいるんですね。私はこれは間違えていると思っているんですが。もう一つは、経済がいいと物価が上がる。経済というのは、実体面。悪ければ物価は上がりにくい。これも常識的にはそうかな。フィリップスカーブは、まさにそうですが、これも実はわからない。

今、申し上げたのは、20世紀100年の経験からするとおおむね正しいんですが、19世紀をとると、100年間、デフレの世紀です。特に、19世紀の前半50年ぐらいをとると、当時の資本主義の代表選手、イギリス経済。ナポレオン戦争が終わってから1860年くらいまで40年間、物価は下がり続けた。しかし、経済の実質成長率は、この200年でイギリス経済が最も高かったのが19世紀前半。だから、大英帝国となったわけですし、世界の工場とも言われた。

ですから、これはメジャーなカウンターイグザンプルだと私も思いますが、物価が上がるということと実体経済がいい、逆に物価が下がれば実体経済は悪いという20世紀の経験で、私たち、おおむね、まあそんなものだろうと考えている常識も、19世紀の実績を見ると全く成り立たないということですね。何十年もデフレが続く。しかし、実質経済成長率は極めて高いということが実際にイギリスで起きていたわけですから、これも頼りにならないということで、物価は無責任なようですけれども、わからないというところが正直なところ。

ただ、そうした中で、実質賃金がどう動いていくのかというのは、先ほど玉木委員がおっしゃったとおり、極めて重要な論点で、これについてはいろいろなことを考えなければいけないものですね。特に年金ということだと、賃金も確かに大きな論点になるわけですから、ここをどう考えるか。きょう、はっきりした案があるわけじゃないですけれども、ぜひ考えてみたいなと思います。

少し長くなりましたが、感想です。

 

○権丈委員

そのわからない物価に関して、昨年の年金改革で物価の前提の置き方の影響が小さくなっているわけです。完全にマクロ経済スライドフル適用にすると、実質賃金とスプレッドで財政検証をすることができるようになって、物価の影響というものをなくしてもいい状況になってくるわけですけれども、マクロ経済スライドは名目下限を下回らない範囲でという条件があるので、物価という経済前提の影響がこの試算の中にどうしても出てくることになる。そういう意味では、去年のキャリーオーバーとかを通じて、実体と物価の前提がもたらす誤差の与える影響というものは、従来よりは少しは緩和しているのではないかと思っております。

 

○植田委員長

どうぞ。

 

○小野委員

ありがとうございます。

前回の経済前提にかかわらせていただいた何人かの方がいらっしゃいますけれども、そのうちの1人として、少し感想といいますか、申し上げたいと思います。

基本的には前回の設定というのは妥当な設定だっただろうなと思っていますけれども、幾つかの課題が挙げられると思います。私自身は人口部会のほうに参加させていただいておりまして、それから考えますと、人口というのは、特に後半50年に関しては、安定人口になるという前提になっているということですので、基本的にはこの期間に向かって経済的な諸要素も安定的な状況に向かっていく。これは、経済学からして、それが妥当かどうかは別として、そういったことを想定せざるを得ないのではないかと思っています。

その観点でいきますと、8つの各シナリオの中で各種の経済指標というものがございます。GDPもそうですし、資本もそうですし、総賃金もそうかもしれませんけれども、そういった指標間のストック対ストックの比率とか、ストック対フローの比率というものが、そういった時期になりますとある程度安定的に推移していくのではないかなという気がしております。

そこを想定しますと、逆に言うと、足下の経済の指標というのは、それを長期に続けていった場合には、今、申し上げたような各種経済指標が比率的に発散していくことも考えられなくはないと思っております。そうした観点から言うと、逆に余り足下に引っ張られることをしていくと、最終的には設定した経済前提がかえって現実的ではないものになるという考え方もできるのではないかと思います。例えば、ケースのGとかHで御説明いただいたような、金利の設定の中で足下のイールドカーブを使って設定していたところがございますが、そこは、もう一つ工夫の余地があるのかもしれないということも考えました。

それ以外には、先ほど幾つか御意見ございましたけれども、例えば人口の変動と金利との関係ですが、そういったところについては分析してみる必要があるのではないかなと思いました。これが1点です。

もう一つは、GPIFのポートフォリオの策定の件でございます。経済前提の設定が終わりまして、GPIFがポートフォリオを策定したわけですけれども、そのときの目標収益率が債券プラス、スプレッドとしての1.7%になってしまったということでしたが、この委員会で設定したリターンというのは、債券プラス0.4%、これが長期のリターンだったということです。

つまり、期間別に言うと、賃金と金利の関係が足下の水準と長期の水準では大分違っているということになって、結果的にはGPIFのポートフォリオというものはリスクをかなりとる方向で改定されたということになってきたと思います。そうは言っても、この委員会で設定した当時は、こんな形でプラス1.7が使われるというのはある意味想定していなかったのではないかと、私自身は思います。

この財政検証に当たりまして、今度はGPIFのポートフォリオの変更というものを、収益率のボラティリティー等の上昇を考慮した上で、どのように整理するかというのが1つ論点としてあるのではないかと思いますが、個人的には、決定論的な推移予想をしておりますので、リスク要因を現状以上に取り込む必要はないのではないかと思っています。

以上2点、コメントさせていただきました。

 

○植田委員長

武田委員。

 

○武田委員

御説明いただき、どうもありがとうございました。

意見としては、2点ございます。

1 点目は、幅広いケースを置くという点です。私は前回、この経済前提に参加させていただきましたが、振り返りますと、先ほど他の委員もおっしゃられたとおり、幅の広い複数ケースを提示できたということは、大きな前進だったと思っております。所得代替率が50%を下回るという厳しいシナリオを示したことも、よかったのではないかと思っております。今回はTFPの問題、高齢化や人口減少が資本減耗のみならずTFPに与える影響等も含めて再検討していくということも踏まえつつ、前回と同様に幅広い複数ケースで厳しい面も含めて取り入れていけたらいいのではないかというのが、1点目の意見でございます。

2点目は、当初10年の試算についてです。先ほどから話が出ているとおり、本経済前提はあくまでも長期の試算であるということは重々承知しておりまして、余り足もとの動きに振りまわされないことは重要ですが、一方で、当初10年が短期かと言われると、国民の受けとめ方としては、実態と当初10年間の試算が余りにも乖離している点について、さまざまな見方があるのも事実ではないかと思います。

先ほど御説明いただいた資料の中にも、附帯決議の中に、現実的かつ多様な経済前提のもとで将来推計を示すべく、その準備を進めることという記述があるわけで、そのあたりも含めて、10年間に関して2本で行くのか、政府のシナリオをベースとしつつも、ある程度幅を持たせるのかどうかも含めて、皆様と議論させていただければと考えます。

以上でございます。

 

○植田委員長

はい。

 

○小黒委員

ありがとうございます。

フリーディスカッションということで、踏み込んだ議論も少しされているようですから、年金と財政の長期推計との関係で、1点だけ以前から気になっていたことを、感想めいたもので指摘させていただきたいんですけれども、資料2-1の13ページ、もしくは12ページをご覧いただいたほうがいいかもしれません。ここで欧州委員会などが年金の将来見通しを作成しているという話が紹介されておりまして、各国のいろいろな試みが13ページに概説しているわけです。たしか欧州委員会は、ほかにも財政の長期推計というものを出しておりまして、ここでの成長率もしくは金利の想定というものと、この年金の関係がどうなっているのか。

資料2-1で言いますと、3ページ目が財政検証の諸前提になっていると思います。ここで、右側のほうに長期での経済成長率、実質が8ケースにわたっている一方で、長期金利は載っておりませんけれども、代替的な指標とすると運用利回りが出ているわけです。この金利と成長率のギャップが財政にも影響を与えますので、政府(内閣府)が公表している中長期試算というのは、今であれば25年度までしか出ていないわけですけれども、ここの指標を使って、逆に、今、例えば200%の政府債務があるとすると、プライマリーバランスを考えない状況でそれがどうなるのかということも試算できると思っておりまして、そこを一緒に考えるとどういうふうになるのか。

要は、この年金の経済前提と財政の長期推計との「整合性」というものが、欧州委員会など各国において、先ほどの資料の13ページもしくは12ページとどう関係しているのかというところも、財政の持続可能性との整合性を含め、ちょっと調べてみていただければと思います。

 

○植田委員長

米澤委員。

 

○米澤委員

大きくは2点ですけれども、1点目は武田委員と多少重なりますけれども、足下は政府の試算を用いるわけです。前回も資料2-1の9ページを見ていただくとわかりますけれども、その後、90年ぐらいでフラットの線を書くわけですけれども、この図を見ても余りきれいな図と思えない。ほとんどの場合、2022~2023年ぐらいから、かくっと下がるわけです。これは、もう少しスムーズに行かないのかなというか。

逆に言うと、足下10年は異常に上のほうにバイアスがかかっていることを示しているような感じがするので、ここは具体的なイメージじゃないですけれども、1つは、武田委員が考えていらっしゃるかどうかわかりませんけれども、平均値を扱うにしても、少しその手前からばらすということもあるのかなということですね。そのほうが、後のほうからもスムーズに接続する可能性があるのではないか。政府と整合的にやるのは必要かと思いますけれども、もう少し見せ方の工夫が必要かなというのが1点目です。

2点目はちょっと技術的なことですけれども、これはアメリカのマクロ経済でも、最近は2点ほど重要な指摘があって、労働分配率が下がっている。これは、ある意味では足下です。それから、資本の生産力と金利とのギャップが大きく開いている。要するに、短期・長期の金利が大きく下がっているということで、場合によっては金融政策の効果かもしれないですけれどもね。

その2点をやりますと、前半のほうは、特に日本なんかは、もしかしたら団塊の世代が退職するので、そこで高賃金の人がどんどんやめていくので、労働分配率が下がっているということもあるかもしれません。何を言っているかというと、コブ・ダグラスの生産関数を使うと、前回もある方が言ったんですけれども、賃金上昇率がどうしても高目に出てくると言うんです。このマジックをうまく調整する必要があるかなということです。結局、いろいろ言っていただいた賃金がずっと右上がりに上昇していくというところも、その辺に1つ要因があるのかなと思います。

もう一つ、いわゆる資本の生産、利潤率と金利との関係は、それもあっても前回ぐらいから長期金利の予測に関して苦労しているということ、我々も実際そうだったわけです。その点、いいのかどうかわからないけれども、1つは消費のほうから金利を予測する方法もなくはないです。同じことを表と裏で見ているだけの話ですけれども、消費の成長率みたいなもので金利を見ていくという方法もあって、そちらのほうがデータとしては安定したデータが得られるのかもしれないので、それもちょっと参考にする必要があるかと思います。

そのときには、危険回避度とか、それをやるとパズリングで少しバイアスがかかるという理論的な話はあるそうですけれども、利潤のほうがうまく行かなかった場合には、ちょっと参考にしてみる必要もあるのかなと思っています。

以上です。

 

○植田委員長

どうぞ。

 

○吉川委員

先ほど米澤さんがおっしゃった資料2-1の9ページ、これは先ほどから問題に、何人かの方がおっしゃっているわけですけれども、現状と比べて将来のプロジェクションはどうなるか、そこの乖離がどうかということで、改めて9ページの図を見ると、確かにいろいろなケース、AからHまであるわけですけれども、将来、プロジェクションに入っていくところ、比較的高いところは、足下では内閣府試算は高いほうとつなげて、低いほうは低いほうとつなげているためにこの形になっているわけですね。

 

○米澤委員

組みかえる。

 

○吉川委員

だから、考え方ですけれども、内閣府試算の参考ケースというのをむしろベースにして、そこから上がるようにつなげる。この図を素直に見ていると、高いのは高い、低いのは低いものとつなげて全部落ちている。それが見た目にどうなのか、言われてみると、確かにおっしゃるとおりですが。内閣府のこの試算、成長ケース、いいケースと経済再生ケースと参考ケースをどういうふうに位置づけるか。つなげ方の工夫の余地はあるかもしれないというのが1つ。

もう一つ、私は新しくこのメンバーに加えていただいたので、改めて伺うと、11ページの成長会計のフレームワークということで、当然いろいろな想定を置くわけですね。いろいろなケースというのは条件つきのプロジェクションということで、それはいいんですけれども、世の中との対話のときに、条件がどういう条件かというので比較的素直に世の中に伝わっているのはデモグラフィーのところだと思います。人口と労働参加率みたいなところでああだこうだということは、世の中にかなり。ほかの想定のところは、必ずしも伝わっていないと感じます。TFPは外生で与えるというのは、それはそれでいいんですけれどもね。

あと、11ページの図、真ん中よりちょっと下ですが、投資率も外生であるんですか。要するに、デモグラフィーのところから一本道で、労働のところはそれで外生的に幾つかのケースが想定されるわけですね。結局、成長会計ですから、TFPと、K、資本と、L、労働の3つになるわけですが、TFPが外生で、Lもデモグラフィーで外生で、問題はK、残る資本ですけれども、これも投資率は、もしあれでしたら、事務局。

 

○武藤数理課長

今の吉川先生からの御質問について、事実関係ですので私から御説明させていただきたいと思いますけれども、基本的には11ページに書いておりますフローチャートの※印をつけている部分が外生で与えられるパラメータということで設定されております。人口推計の枠とか労働力の推計というのは、構造の入ったものとして外生で与えられておりますが、その他の前提につきましては、基本的に割と機械的な置き方がされているところでございます。TFP上昇率については、御案内のとおり、幅広い8ケースで設定されているということです。

あとは、ここで書いております資本分配率とか資本減耗率とか、基本的には過去の実績を見て決めていくということを採用されておりまして、複数ケース設定されていますけれども、資本分配率に2ケースぐらいのものを過去の平均値として設定されているとか、あるいは資本減耗率についても過去の平均値を設定されているということでございます。

一方、総投資率のところにつきましては、貯蓄率と投資率が意識されていて、将来、人口が高齢化していくと貯蓄率が下がっていくだろうという議論などがあって、過去の下がってきている傾向を当てはめた線が当てはめられて、それで二通り設定されているということでございますけれども、今後、前回の議論で具体的にどういうパラメータを設定していたかということにつきましては、資料を準備させていただいて、前回の議論を確認していただきながら、その数字を見てさらに御議論を深めていただければと思っています。

 

○吉川委員

貯蓄率ということですね。

 

○植田委員長

投資率というのは、ソローモデルの。

 

○吉川委員

それが継続的にエイジングで落ちていくということですね。そうすると、かなり低くなっていくというプロジェクションですね。

 

○植田委員長

貯蓄投資率のところは。

 

○吉川委員

私はその辺はもうちょっと強気で、そう言ってもしようがないですが。労働力が減っていけば、例えば省力投資みたいなものが出てくるとか、そういうあれはあり得るのかなと思いますけれども、それはコメントみたいなものですので、脇に置いて。

話をもとに戻すと、世の中に説明するときにはいろいろなケース。繰り返しになりますが、デモグラフィーのところは非常にわかりやすくて、世の中にもすとんと腑に落ちるでしょうけれども、そうなってくると、TFPの想定についてもう少し丁寧に説明したほうがいいのかなという気はしています。TFPというのは、経済学の世界では広く技術と普通は解釈されていますけれども、先ほど既にコメントしたとおり、恐らく日本経済にとっての輸出動向とか、そういうものもTFPに入り込んでくるのか。

そうなってくると、中国経済がどうなるとか、あるいは日本経済だけじゃなくて、世界全体の経済がどういうふうにこの世紀、動いていくのか。そこでは、皆さん御存じのとおり、ロングスタグネーションみたいな議論もある。そういうものが本当にどうなるかとか。

あるいは、技術ということであれば、日本経済の屋台骨である自動車産業の、今、報じられているEVなどがこの世紀、どういうふうにあれしていくかということで、日本経済にとって非常に大きな影響が出るだろうと思いますが、そういうことを全部ここで具体的に入れ込むということを言っているんじゃなくて、ある種報告書には、そういういろいろなことが考えられるけれども、そういうことを全て含めてTFPということで、ここで想定しているということを説明するのが世の中との対話という点でいいのかなと思います。

あとは、現状、それと鑑みて、どういう状況なのか。現状と将来のプロジェクションのずれが余りにトゥーロージーなんじゃないか。よく言われることですけれども、その辺の乖離というのはこういう理由によるものだとか。それは当然、現状の評価です。現状がある種テンポラリーなことで、100年ということからすれば下振れしていると考えられるのであれば、そういうことについても簡単にコメントするとか、そういうことが必要なのかなと思います。

 

○植田委員長

野呂委員。

 

○野呂委員

私の立ち位置は、どちらかといえば一般的な国民的な意見を言う立場かなと思いますので、ちょっと素人的な意見を申し上げたいと思いますけれども、冒頭事務局から、財政再検証というのは、人間ドック、健康診断であるという非常にわかりやすい御説明をいただきました。

そうしたら、2016年の人間ドックの結果は健康だったのか、あるいは要療養だったのかというあたりにつきまして、この専門委員会のテーマかどうかは別にしまして、余り国民も知らないのではないかという気がいたします。ただ、あの当時、メディアも年金は破綻するとか、年金はもらえないという報道が多い中で、8通りのシナリオを見ながらこんなものかということで、世間に安心を与えるということでは意味があって、私もポジティブに受け取っているのですけれども、今度の31年の再検証もそれでいいのか。シナリオが8通りあって、こうなりましたと言うだけでいいのか。ということについてもうちょっと人間ドックの結果みたいなものがあるべきではないか、この専門委員会のテーマかどうかは別にして、そのように思います。

そう考えましたときに、先ほど米澤先生からもありました9ページのAからH、今回、8通りかどうかわかりませんけれども、10年後にすとんと落ちていることも含めまして、このAからHのシナリオの意味は何かなということが、もう一つ日本語的にどういうような世界が現出する前提になっているかというのが伝わらないという気がいたします。

同じような話の喩えで、公的統計などのサンプルを入れかえたりいたしますと、数字が変わる。このときの説明が、これは旧サンプルだとこうですけれども、新サンプルはこうだと言うんですけれども、一般の利用者とか国民目線から言うと、それはどういう意味なのかということが、なかなかわからないんです。私の勉強不足かもわかりませんけれども、このAからHが、どのような状況を代表しているシナリオなのかということについて、日本語的な説明があるのかどうか、あるいは今回の31年試算ではそのような意味づけをお考えなのかどうかということについて教えていただけますでしょうか。

 

○植田委員長

どうぞ。

 

○武藤数理課長

ただいまの野呂委員からの御質問についてですけれども、私どもは時々そのような御質問をいただくことがございまして、私どものほうで説明させていただいているものを御紹介させていただきたいと思います。

先ほど来話題になっております9ページの経済前提の設定の基本的な考え方の整理で、下にTFP上昇率の設定イメージ図がございます。ここで幅広い8ケースが設定されているわけですけれども、例えばケースA、一番高いケースがどういう時期のTFPに当たるかということで考えてみますと、1983年から1993年の平均値ということになっておりますので、これは考えてみますと、バブル期の前後10年ぐらいの期間の平均値になっているということでございます。

一方、一番下の低いケースを見てみますと、その当時の直近の一番低かった2013年の第3四半期の実績ということになって、それが0.5%ということでございます。過去20年ぐらいを見てみましても、大体これに近い値になっていまして、世の中の言われ方で言うと失われた20年間ぐらいの平均値に近いものになっているのかなと認識してございます。

では、例えば1%のところを見てみますと、1983年から2009年の平均値ということになってございますので、その高い時期も低い時期も含めた30年弱の平均値になっているというのが1%ぐらいという説明をさせていただいている場面もございますので、一例として紹介させていただきます。

 

○植田委員長

どうぞ。

 

○駒村委員

今の野呂委員の御質問の部分ですけれども、5年に一度のこの財政検証以外に、年金財政は毎年、「人間ドック」を受けていまして、これが参考資料4の年金数理部会のほうのチェック結果です。これが余り知られていないので、このこともこの委員会においてちゃんと情報共有しておいたほうがいいと思います。

5ページ目に、平成27年度時点で、各ケースのいずれのケースにおいても、実際の実績状況は上回っているわけですので、現時点では深刻な状態にはなっていない。ただ、前提との乖離が幾つか出ていますので、結果的には大丈夫であるが、引き続きモニターしていかなければいけないということが出ています。数理部会、この前にやっているものもミニ検証に相当しますので、これもあわせて、事務局に紹介いただければと思います。

以上です。

 

○植田委員長

それでは、今後も引き続き多面的なポイントについて議論していただくということですので、今日のところはこれくらいでよろしいでしょうか。

私の感想ですが、多くの方が触れられたのは、足下のところと長期のところの接続ぐあいについてもう少し考えるべきではないかということだったように思います。これは、もちろん引き続き、今後議論していこうということだと思います。

それから、過去、1回前の財政検証のときの前提と現実の比較ということでいえば、足下について置いた前提は幾つかのところで大きく外れているわけですけれども、今、駒村委員がおっしゃったことと関係しますが、それが年金財政あるいは運用にどういう影響を与えたのか、与えなかったのかということは、先ほどの要旨にある程度出ているわけですが、一度簡単に検証しておいたほうがいいような気がいたしました。

それから、何人かの方がおっしゃいましたが、これまでのやり方では、利潤率と利子率の関係を割とざっくりとやっているんですが、その後の作業等には非常に大事な意味を持つところですので、米澤委員ですか、そこが最近、ずれて動いているような気配も見られるという指摘もありましたので、この辺、どう工夫していくべきかという点、大事なように思います。

それも含めまして、吉川先生がおっしゃった中では、人口等の話は皆さんにわかりやすいけれども、それ以外のところはわかりにくい面があるということですが、我々のマンデートはどちらかというとわかりにくいところを中心に議論するということですので、議論して、できるだけわかりやすく持っていくということを目指して頑張っていけたらと思います。

それでは、残りました時間で、3番目の議題「その他」ということで、事務局より説明をお願いしたいと思います。

 

○武藤数理課長

それでは、資料3「今後の進め方(案)」でございます。

本日の第1回目におきましては、平成26年財政検証を踏まえたフリートーキング等を行っていただいたところですが、次回以降につきましては、有識者や関係機関の専門家等からのヒアリングを行っていただきつつ、現在のモデルの改良すべき点など、主として理論的な面についての御議論を今後お願いするための課題を整理していってはどうかと考えているところでございます。また、御議論を踏まえながら、きょうの御議論の中にも出ておりましたけれども、事務局からも必要なデータや分析結果を準備させていただきまして、それを見ながら、さらに御議論いただければと考えてございます。

さらに、前回の専門委員会と同様になりますけれども、来年秋ごろまでには検討作業班を設置して、具体的なパラメータの設定作業を行い、再来年、平成31年春ごろには最終的な議論の取りまとめをいただくというのが進め方の大きな流れと考えてございます。

なお、当面、御議論は二月に1回ぐらいのペースでお願いできればと考えておりまして、第2回目につきましては、前回の専門委員会の吉野委員長にお越しいただき、前回専門委員会を踏まえた今後の課題等についてヒアリングをお願いしたいと考えております。

以上が当面の進め方の案ということでお示ししているところでございます。

 

○植田委員長

委員の皆様方から、進め方について何か御意見等ございますでしょうか。よろしいですか。

それでは、今後につきましては、当面、事務局の原案に沿った形で進めさせていただきたいと思います。

これでおおむね議事終了ですが、次回について事務局から御連絡ありますでしょうか。

 

○武藤数理課長

次回以降の日程につきましては、改めて御連絡を申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。

なお、年金局長がおくれて出席しておりますので、一言御挨拶を申し上げます。

 

○木下年金局長

おくれて出席してまいりまして、申しわけございませんでした。7月11日付で年金局長を拝命いたしました木下でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

これまで私は内閣官房で一億総活躍・働き方改革の代理補をしておりまして、年金局は今回で3回目になります。前回々のマクロ経済スライド、平成16年に改正いたしましたときに企画官をしておりまして、13年ぶりでございます。よろしくお願いいたします。

今、お話ございましたように、平成31年の財政検証に向けまして、その本当に基本となる経済前提を議論する場ということで先生方にお願いいたしました。特に、長期、100年にわたる見通しを経済前提としてどういう見通しを立てるのか。非常に限界がございます。本日議論ありましたように、そもそも吉川先生のほうからも物価はなかなか見通しが立てられないという御意見がありましたし、それから、この経済前提を行うに当たって、その前提となるファクターをどう考えるのかという御議論。それから、前回の財政検証に用いた前提そのものの意味といいますか、反省点も含めてさまざまな論点を御議論いただかなければいけないと思っております。

先生方の経済学あるいは財政や金融等々も含めた知見を、この専門委員会にお貸しいただきながら、新たな経済前提としてどう考えるかという点について、ぜひ精力的な御議論をいただきたいと思っております。

よろしくお願いいたします。ありがとうございます。

 

○植田委員長

ありがとうございました。

それでは、皆様方、本日はどうもありがとうございました。

 

(了)

 

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