2020年1月9日 第83回社会保障審議会年金数理部会 議事録

年金局

 

○日時   令和2年1月9日 10時00分~12時00分

 

○場所   厚生労働省 専用第22会議室

 

 

 

○出席者

 菊池部会長、浅野部会長代理、翁委員、小野委員、野呂委員、枇杷委員

 

○議題

(1)平成30年度財政状況について-国家公務員共済組合-

(2)平成30年度財政状況について-地方公務員共済組合-

(3)平成30年度財政状況について-私立学校教職員共済制度-

(4)その他

○議事

 

○山本首席年金数理官 定刻より少し早いのですが、本日出席の予定の皆さんはおそろいですので、ただいまより第83回「社会保障審議会年金数理部会」を開催させていただきます。

審議に入ります前に、資料の確認をさせていただきます。

本日、ペーパーレス開催ということで、タブレットを机上に置いておりますけれども、今、資料の一覧が表示されているかと思います。

本日準備をしております資料は、議事次第、委員名簿、座席図ほか、

資料1「平成30年度財政状況-国家公務員共済組合-」、

資料2「平成30年度財政状況-地方公務員共済組合-」、

資料3「平成30年度財政状況-私立学校教職員共済制度-」でございます。

機器の不備等がございましたら、事務局におっしゃっていただければと思います。よろしいでしょうか。

次に、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。

本日は、駒村委員、関委員、永瀬委員から、御都合により欠席される旨の連絡を受けております。御出席いただきました委員の方が3分の1を超えておりますので、会議は成立しておりますことを御報告申し上げます。

それでは、以後の進行につきましては、菊池部会長にお願いいたします。

○菊池部会長 皆様、おはようございます。

皆様には、御多忙の折、お集まりいただきまして、大変ありがとうございます。

大学の学期末のせいか、大学に本属のあられる委員の皆様は御欠席ということでございますが、年初にもかかわらずお集まりいただきまして、ありがとうございます。

社会保障審議会年金数理部会では、年金制度の安定性の確保に関し、毎年度報告を受けております。本日は、国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、私立学校教職員共済制度の平成30年度財政状況についての報告を聴取いたします。

初めに、国家公務員共済組合について報告を聴取いたしますので、説明者の方々はどうぞ説明者席にお移りください。

(財務省 斎須給与共済課長、同 楠田共済計理官、国家公務員共済組合連合会 早坂年金企画部長、同 長谷川資金運用部長、同 水村運用リスク管理室長 報告者席へ移動)

○菊池部会長 それでは、議題1に入ります。

本日は、お忙しい中、財務省主計局給与共済課の斎須課長、楠田共済計理官、国家公務員共済組合連合会の早坂年金企画部長、長谷川資金運用部長、水村運用リスク管理室長の皆様に御出席いただいております。

それでは、平成30年度国家公務員共済の財政状況についての御説明をお願いいたします。

○斎須給与共済課長 財務省主計局給与共済課長の斎須でございます。本日は、よろしくお願いいたします。

それでは、資料1「平成30年度財政状況-国家公務員共済組合-」という資料に従って御説明をさせていただきます。

目次でございますが、これは統一された様式に従いまして、収支状況、給付状況、被保険者の状況、積立金の運用状況、さらに財政再計算の見通しとの比較といった形で資料を作成させていただいております。

資料の1ページ目、こちらは財政状況の概要でございますが、一元化前の平成26年度と平成27年度の前半を書いたものでございます。

資料の2ページ、厚生年金保険経理でございます。一元化、平成27年度以降の数字を掲げさせていただいております。平成30年度の収入総額でございますが、3兆1581億円になっておりまして、預託金も含めて時価ベースにいたしますと、3兆987億円といった形になっております。このうち保険料収入につきましては、平成30年度、1兆2744億円で前年度と比較しますと404億円の伸びとなっております。保険料率の引き上げの影響や被保険者の増加、あるいは総報酬月額の増といった要因が背景にあると考えております。運用収入につきましては、平成30年度に1789億円で前年比△254億円となっております。預託金の時価ベースでいいますと1182億円と下のほうの括弧のところに書かせていただいております。利回りで見ますと、この表の下のほうの「積立金運用利回り」というところでございますけれども、2.97%、預託金の時価ベースでいきますと1.65%でございまして、いずれも平成29年度と比べますと下がっているという状況でございます。次に、「収入」のところに戻りまして、「その他」のところは、平成30年度は942億円となっておりまして平成29年度に比較いたしまして912億円の増となってございます。これは、平成28年度公的年金財政状況報告、こちらの年金数理部会におきましてお出しいただいたものの中で、一元化前の基礎年金拠出金・交付金等を経過的長期経理から厚生年金保険経理に移管するという方向が示されまして、それに従いまして平成30年度に移管の措置をしたことの影響でございます。「支出」の「その他」についても、同様の影響により平成30年度は587億円で平成29年度に比べて549億円の伸びとなっております。いずれも一時的なこういった移管による影響を受けた数字でございます。続きまして、支出の総額でございますが、平成30年度は3兆965億円で前年度に比べまして467億円伸びているということでございます。このうち給付費につきましては1兆3096億円でございまして、平成29年度に比べて184億円の減になっております。旧法におきましては1~2階込みで給付されておりますので、そういった受給者の方々がお亡くなりになるという影響を勘案しますと、入ってくる人よりも出ていく人の分が大きく減るといった影響があろうかと考えております。次に、財政調整拠出金でございますが、平成30年度は1040億円と書いております。これは下の注2のところでございますけれども、この財政調整拠出金のうち、財政調整Aは463億円、財政調整Bは577億円という注をつけさせていただいております。この財政調整Aといいますものは、標準報酬総額に対する支出の比率を共済の間で均衡させるための調整でございまして、この進行年度である平成30年度の見込み558億円から、前々年度の精算の95億円を控除したものであります。したがって、標準報酬に対する支出の比率を同じにするために、その進行年度の調整をするものに加えまして、前々年度の精算を合わせてここに計上しているということであります。財政調整Bといいますのは、この財政調整Aをした後の収入と支出について、黒字の共済からその黒字の範囲内で赤字の共済に拠出して調整をするものでございまして、平成30年度は577億円となっております。この収支の残でございますが、平成30年度は616億円になっております。年度末の積立金は、平成30年度は6兆1846億円で預託金時価ベースでいきますと7兆2709億円になっております。

次に、3ページ、経過的長期経理でございます。収入のほうでございますが、収入総額は861億円、平成29年度に比べまして△425億円でございます。この収入総額は時価ベースでいきますと836億円でございます。運用収入は107億円でございまして平成29年度比△41億円、正味運用収入でいきますと98億円、時価ベースでは72億円といった形になっております。「その他」のところは、先ほど厚生年金保険経理のところで申し上げましたが、移管の影響の表裏の形になっておりまして、平成30年度は541億円で△370億円という形になっております。支出のほうは、支出総額2483億円、平成29年度に比べまして666億円の増でございます。「その他」のところの中には先ほど申し上げましたものがございまして、835億円、平成29年度比648億円になっております。収支残は平成30年度△1622億円でございまして、年度末の積立金は5380億円、平成29年度比で△1622億円になっております。積立金運用利回りは1.57%、時価ベースでいきますと1.15%でございます。

次に、給付状況につきまして、4ページでございます。共済年金の受給権者、つまり、被用者年金一元化前に受給権が発生した受給権者でございます。まず、受給権者数でありますけれども、平成30年度末におきまして、100万5500人でありまして、前年度、平成29年度末と比較いたしますと、7万9000人の減、△7.3%でございます。年金総額は、この100万5000人余に対しまして1兆2898億6000万でございまして、平成29年度末と比べますと、1090億円の減、△7.8%でございます。昭和61年3月までに裁定したものにつきましては、基礎年金の相当分を含んでいるということでございます。

続きまして、5ページ目、厚生年金受給権者、つまり、被用者年金一元化後に受給権が発生した受給権者についてでございます。受給権者数は、平成30年度末で、30万8900人で平成29年度末と比べまして10万人の増になります。48.1%増であります。年金総額につきましては、2753億円で29年度末に比べますと887億円余りの増になります。47.6%の増であります。

続きまして、6ページでありますけれども、経過的職域加算の受給権者、年金一元化後に受給権が発生した受給権者について、受給権者数は、29万9800人、平成29年度末と比べますと9万9000人余りの増、49.4%増であります。年金総額につきましては、412億円、平成29年度末に比べまして137億円余りの増になっております。

7ページは、減額支給・増額支給あるいは繰り上げ支給・繰り下げ支給がどのくらいの受給権者や年金総額になっているかということを、8ページに続きまして掲げさせていただいております。

9ページでありますが、平均年金月額と平均加入期間を整理したものでございます。まず、共済年金受給権者、すなわち、被用者年金一元化前に受給権が発生した受給権者でありますが、平均年金月額は、平成30年度末におきまして、13万8831円で、平成29年度末と比較いたしますと、802円、0.6%の減であります。このうち、基礎年金額の推計値、基礎年金を含めたところではどうかということを試算してみますと、平成30年度末で19万2545円と平成29年度末に比べて1,937円の増になっております。このうち、その繰り上げ・繰り下げ支給とか、あるいはその定額部分の支給開始年齢に達していない者とか、多少ずれのある者を除いた標準的なところで見ますと、19万7526円でございまして、平成29年度末に比べると1,040円の減であります。平均加入期間につきましては、429月で平成29年度末と同等になっております。

続いて、10ページは厚生年金の受給権者、つまり、年金一元化後に受給権が発生した受給権者について、平均年金月額は平成30年度末で11万2832円で平成29年度末に比べて1,022円の減になっております。また、基礎年金の部分を試算して合わせてみますと、15万3880円、29年度末に比べて5,189円の減。このうち、繰り上げ・繰り下げ等のそういった変動のある方を除いて試算いたしますと、17万9760円で888円の減であります。平均加入期間は440カ月でございます。

11ページは、新規裁定者について、平均年金額、平均加入期間を掲げさせていただいたものでございます。

12ページに行きますと、平均年金額の詳細について、男女別とか、新法、旧法、特別支給といったものを分けて整理したものでございまして、その後のページまで17ページにかけて掲げさせていただいております。

18ページは、年金受給権者の年齢構成であります。老齢・退年相当といわれる方々の年齢構成を見ると、共済年金受給権者、一元化前に受給権が発生した方の平均年齢は78.9歳であります。

厚生年金受給権者は、19ページでありますが、被用者年金一元化後に受給権が発生した受給権者の平均年齢は65.6歳であります。

20ページは、老齢・退職年金受給権者年金月額の分布で、20ページ、21ページ、22ページ、23ページと掲げさせていただいております。

24ページ、被保険者の状況でございます。被保険者数は、平成30年度末におきまして、107万3000人で、平成29年度末に比べて、2,000人、0.1%の増であります。被保険者の平均年齢につきましては、平成30年度末に、41.7歳で、平成29年度末に比べて0.1歳上がっているということであります。標準報酬月額の平均でいいますと、平成31年3月末、41万8188円でありまして、平成29年度末に比べて1,775円増加しているということであります。これをマクロで見ますと、下のほうの表でありますけれども、標準報酬月額の総額は、5兆3594億円で、平成29年度に比べまして187億円の増になっております。標準賞与の総額は1兆7247億円、417億円の増でございまして、この標準報酬月額の総額と標準賞与の総額を合わせた総報酬ベースでいきますと、7兆841億円、平成29年度に比べますと604億円の増になっております。

25ページは、被保険者の分布でございまして、年齢階級で示しています。26ページ、27ページとございます。

28ページは、標準報酬月額等級の分布でございます。

29ページ、積立金の運用状況について、まず、積立金は流動資産として4817億円を保有してございます。この中で、「固定資産」と書いてございますが、その内の預託金は、簿価ベースでいいまして2兆3867億円、これを時価で試算いたしますと2兆7060億円でございます。有価証券等につきましては、簿価ベースで3兆4337億円、時価ベースで4兆2007億円になります。合計いたしますと、この積立金額は合計6兆1846億円で、預託金を時価にすると7兆2709億円でございまして、平成30年度の運用利回りは、簿価ベースで2.97%、預託金時価のベースで1.65%でございます。

次、30ページ、資産区分別のポートフォリオの内訳でございますが、国内債券は簿価ベースで43.7%、時価ベースで40%、このうち預託金でございますが、簿価ベースで38.6%、時価ベースで34.3%であります。国内株式は、簿価で20.7%、時価で22%。外国債券は、簿価で10.5%、時価で9.2%。外国株は、簿価で19.2%、時価で23.5%でございます。

31ページ目、財政再計算における見通しとの比較でございます。平成30年度の厚生年金保険経理の実績でございますが、収入は3兆1581億円、支出が3兆965億円、年度末の積立金は6兆1846億円、時価ベースでいいますと7兆2709億円でございました。これは平成26年の財政再計算、ケースEを取り上げまして比較してみますと、収入は3兆2712億円、支出は3兆2453億円でありまして、収入・支出ともに平成26年財政再計算のケースEに比べますと下がっているという状況でございます。積立金の残高につきましても、平成26年財政再計算では6兆2655億円でございましたので、簿価ベースでいいますとこれを下回る水準、時価ベースでは上回る水準になっております。それぞれの主な要因につきましては、この「主な要因」という欄にそれぞれ書かせていただいております。

32ページでありますが、被保険者数、受給者数の比較でございますが、平成30年度の実績は、先ほど申し上げました被保険者数の107万3000人、受給者数は126万7000人でございます。平成26年財政再計算で想定いたしましたものは、被保険者数103万2000人、受給権者数126万3000人でございまして、この見通しはいずれも上回っている数字になっているということでございます。

33ページ、財政指標を比較いたしますと、年金扶養比率は、実績でいきますと平成30年度年金扶養比率は1.64、これに対しまして平成26年財政再計算で想定いたしましたものは、平成31年度で1.63、平成30年度で1.60でございます。

34ページ、積立比率につきましては、平成30年度は積立比率4.3になっておりまして、時価ベースでいくと5.1、平成26年財政再計算の結果、ケースEでいきますと、平成30年度、平成31年度ともに4.1という形になっております。

「提出資料の元となるデータの精度と信頼性の確保に関する資料」をつけさせていただいておりますが、データを確認・承認する体制、信頼性の確保に努めているということを簡単に説明させていただいております。

まず、1-1でデータを確認・承認する体制・手続について、フロー図を別紙でつけさせていただいておりまして、それぞれ状況を担当部局に確認した上で、複層的にその内容を確認するという体制をとっております。

1-2で、データに抽出漏れや集計漏れがないかということは、複数人で相互チェックを行ったり、時系列のチェックあるいは他の資料との照合を行って、そういった誤りが起こらないように努めているところであります。

データの合理性・整合性については、システム・プログラムを活用しながら複数担当者のチェックも行うという形で取り組んでおります。

1-2-4、時系列データとして整合的になっているかということにつきましては、これは年次データだけではなくて月次のデータでも確認する。確認は複数の担当者で行っておりまして、データの信頼性の確保についても努力をしているということでございます。

私からの説明は、以上でございます。

○菊池部会長 どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの御説明に関しまして、何か御質問等がございましたら、お願いいたします。

野呂委員、お願いします。

○野呂委員 御説明ありがとうございました。

数字といいますか、中身につきまして、基礎的な質問で恐縮なのですけれども、2ページの厚生年金保険経理のところ、とりわけ財政調整拠出金のところですが、今年は1040億で、Aの部分が463億、Bの部分が577億となっております。去年、平成29年度は財政調整Aのみだったということで803億でしたが、今年はそれが約半分の463億。これはどちらかといえば制度そのものの成熟度によって国共済や地共済でやりとりをするので、年度によって半分になったりと、この数字の変動があるのかなと思いますが、拠出金の財政調整Aの計算の仕方を教えてほしいということが1点。

今年初めて出ました577億、Bのほうですけれども、片方が赤字で片方が黒字だった場合、黒字から赤字へ移管するという、その黒字・赤字の見方が勉強不足でよくわかりません。例えば、多分時価ベースで損益を見るのかと思うのですけれども、移管後で192億の益ですから、700億ぐらいの益が出ているので、そのうちのいくらを出すのか、Bから拠出するのかとか、あるいは、今回は「その他」のところに出ております去年入り繰りした分があるかと思うのですけれども、それを除いた真水の部分の損益で見るのか、それとも調整した後の損益でBを計算するのか、そのあたりも含めて何で577億が出てきたかという点を教えてほしいと思います。

○楠田共済計理官 御質問は2点あったかと思うのですけれども、財政調整Aについて、平成29年度は803億、平成30年度は463億ということで、大幅に減少している理由でございますけれども、この中には同年度に発生している部分と前々年度の精算分が含まれております。当年度発生分を抜き出してお示ししますと、平成29年度は523億、平成30年度は558億とほぼ横ばいになっております。前々年度の精算分は、平成29年度は280億、平成30年度はマイナス95億となっておりまして、大幅に減少している要因はほとんど前々年度の精算分が主な要因となっております。

財政調整Bのところにつきましては、毎年の事業年度で、予算に基づいて見込まれる厚生年金保険経理の収支をもとに簿価ベースで計算しております。平成30年度につきましては、国共済は先ほどの財政調整Aの部分の影響をまずは除きますので、それを除くと577億の黒字になっております。地共済は2740億の赤字になっているということで、国共済の黒字の範囲で拠出するということでございますから、先ほどの577億円が財政調整Bとして国共済から地共済へ拠出されることになっております。

○野呂委員 御説明は理解できたつもりですけれども、そうしますと、まず、Aにつきましては、今年というよりも前々年分が280億ということで非常に大きく、それを除けば大体500億ぐらいということで、平成28年、平成29年、平成30年と変わらないという理解しました。

本来は去年に聞くべきだったと思うのですけれども、その280億はどういうふうに出てくるのかというのがご質問の1点。

今、Bのほうは、時価ベースではなくて簿価ベースといいますか、原価ベースということでお聞きしたので、そこも理解していなかったのですけれども、簿価ベースで見た場合、その利益の範囲内でそれを全部出すわけですか。例えば、地共済のマイナス分が非常に大きい場合は、簿価ベースで国共済にプラス部分があればそれを全部出すのかということを教えていただきたいと思います。

もう一つは、簿価ベースにしたところで、先ほどの「その他」の中の前期損益修正損というのですか、差し引きネット部分はどう見るかというあたりも教えてほしいと思います。

○楠田共済計理官 財政調整Aにつきまして、ほぼ横ばいかという御質問についてはそのとおりでございます。

精算につきましては、先ほど斎須課長からも申し上げましたように、実際の計算は支出が標準報酬の総額に比べてどのぐらいかという負担率が均衡するように計算しているということで、これは平成29年度で精算をしていますので、平成27年度の分でございますけれども、平成27年度に確定させた結果、ちょうどバランスさせるためには280億を国共済から地共済へ移す必要があるという計算結果になっております。

財政調整Bにつきましては、厚生年金保険経理の収支でやるのですけれども、そちらがもともと簿価ベースで経理をすることになっていますので簿価で計算をしております。その際に、予算ベースといいますか、事業計画ベースでは「その他」に計上されております前期損益修正益や修正損は出てきませんので、その分、ここには入っておりません。仮に確定させたときにそれらが入ってきましたら、それらも含めて簿価ベースで計算した収支をもとに計算をしていきます。

最後に、地共済の赤字がかなり膨らんだ場合に、それに対応するだけの国共済の黒字があればそれを全部吐き出すのかという御質問だったかと思いますけれども、それについても、先生がおっしゃるとおりでございます。

○野呂委員 ありがとうございます。

○菊池部会長 ほかにいかがでしょうか。

翁委員、お願いします。

○翁委員 教えていただきたいのですけれども、9ページと10ページのところで、被用者年金一元化前に受給権が発生した受給権者と一元化後に発生した受給権者で繰り上げや繰り下げの支給を選択した者及び減額を除外したものについて書いてありますけれども、その傾向というか、その差というか、どういうことでこういう差が出てきて、前年度の違いか出てきているのかということを、わかりやすく教えていただければと思います。どういう傾向があるのか。

○楠田共済計理官 基本的には繰り下げよりも繰り上げのほうが人数が多いのですけれども、繰り上げですと減額されますので、その人たちを除けば平均年金額は大きくなる傾向があるかと思うのですけれども。

○翁委員 割と時系列で見たときに、何かそういった差の傾向とか、そういうものがあるのか。前のページにも少し具体的な数字がありますけれども、そのあたりでもし注意して見ておくところがあったら教えていただきたいのですが、繰り上げ・繰り下げなどにつきまして全く変わらない傾向で来ていると見てよろしいでしょうか。

○早坂年金企画部長 直接のお答えになっているかどうかですが、時系列的に、一番上の平均年金月額は、共済年金は少しずつ下がっているという傾向になっています。共済年金は、昔の高い年金をもらっていた方、年齢の高い方もいらっしゃいますが、その方たちが失権していくという形で、まず、平均年金月額が徐々に低くなってくる。これは一つの傾向だと思います。

あとは、今お話がありました繰り上げ・繰り下げについては、その御本人の選択になるので、そういう意味では一定のルールがあるわけではないのかもしれません。

○翁委員 基本的には、そんなに大きく変わってきてはいないと。

○早坂年金企画部長 そうではないかと思います。

○菊池部会長 よろしいでしょうか。

小野委員、お願いします。

○小野委員 ありがとうございます。

私の質問は、御報告いただいたというか、御報告をいただく共済組合さんへの質問ではないと思うのですけれども、ちょっと頭の整理をさせていただきたいということでお伺いしたいのですけれども、被用者年金が一元化されたことによって、財政は一本化されたということですね。一方で、保険者が複数存在していますし、それぞれの積立金を保有しているということだと思います。そこで、2つ質問なのですけれども、被用者年金間の負担を調整するために厚生年金拠出金と厚生年金交付金という仕組みがありますけれども、この仕組みによりまして各保険者が保有する積立金は、おおむね100年後に支出の1年分を保有することになっているのかなということが1点でございます。

2つ目の質問は、財政検証を受けて、今後、GPIFさんとともに協議の上で積立金の運用方針を策定されるということだろうと思いますけれども、財政が一本化されている中で積立金が分立しておりまして基本方針がほぼ横並びになっているという現状を拝見しますと、私個人としては個々に基本方針を策定することの意義や手法などといったもののあり方がよく理解できていないということです。例えば、極端に言えば、厚生年金経理の積立金は一本化しまして、各共済の厚生年金経理はキャッシュマネジメントに徹するという考え方もあろうかと思いますけれども、そのあたりはどのように整理したらいいかということをお伺いしたいということでございます。

○楠田共済計理官 御質問の1つ目なのですけれども、100年後に1年分が残っているのかというところなのですが、それは厚生年金全体で1年分が残るということで、実際には厚年拠出金・交付金のルールによっていろいろ調整はしているのですけれども、その中で受給者と加入者、被保険者の状況はそれぞれの実施機関で異なりますので、100年たったときに全ての実施機関が1年分残っているかというと、そういう結果にはなっていないかと思うのですけれども。

○菊池部会長 個々の共済という部分もありますけれども、むしろ事務局への問いかけでもあるのかなと思うのですけれども、いかがですか。

○山内数理課長 1つ目のお尋ね、実施機関ごとに100年後に1年分ということになっているのかというお尋ねだと思うのですけれども、基本的には拠出金・交付金の仕組みで積立金に応じて出し合う部分と保険料の規模に応じて出し合う部分とがあるわけなのですが、その出し合う比率といいますか、それ自体には一定の前提を置いて収支の見通しは計算されているので、厚生年金全体として見るとおおむね100年後に1年分の積立金を確保ということになるわけなのですが、実施機関ごとに見たときにはぴったり1になっているわけでは必ずしもないことになるのが一つです。

もう一つは、特に国共済と地共済の場合には、国共済と地共済との間での財政調整が行われるので、その影響もあって必ずしも1になるということではないことになります。

事実関係だけ、以上でございます。

○菊池部会長 2点目のお問い合わせがあったかと思いますけれども。

○斎須給与共済課長 運用をどうするかというのはいろいろな考え方があるのだと思いますけれども、現在の制度ではそれぞれ保険者が運用しておりまして、運用するからには運用の方法をちゃんと定めるということなのだろうと思います。私個人的には、一元化したのだから運用は一緒にしてしまってキャッシュマネジメントだけというのも理論的にはあり得るだろうとは思うのですが、運用が分かれていることによって、私どもの運用の状況、GPIFの運用の状況、あるいはほかの共済の運用の状況と比較することができるということでありまして、そういったメリットはあるかなと思っております。

○菊池部会長 小野委員は御意見も含めてということだったと思うのですけれども、事務局から何か追加でありますか。

○山本首席年金数理官 小野委員からは実施機関の役割についてということでございますけれども、被用者年金一元化に当たりましては、もともと共済ということで実施機関がございまして、その実施機関を活用する。要するに、保険料の徴収から給付までの過程をやっているわけですけれども、それをそのまま活用するというコンセプトで被用者年金一元化法は作成され、現在はその法律に基づいて実施されているということでございます。

以上です。

○小野委員 御説明ありがとうございました。

私が知っている限りでは、スウェーデンの公的年金は積立金をたしか6つに分けて運用しているのですけれども、APファンドの1から4まではほとんど横並びの運用になっていると理解しておりまして、これについてもスウェーデン国内で統合いかんという議論がなされていると聞いておりますので、その関係で同じようなことも考えられなくはないのかなという気がしまして、ちょっとお伺いした次第です。どうもありがとうございました。

○菊池部会長 ほかにはいかがでしょうか。

枇杷委員。

○枇杷委員 御説明ありがとうございました。

資料の31ページなのですけれども、前回の財政再計算のときとの対比ということで、保険料のところの賃金上昇率の低下は結構数字が大きいことと、被保険者の上昇も、数字はそれほどではないのですけれども、それなりに毎年1%ぐらいずつ多いという計算になっていまして、この辺の要因というのですかね。厚生年金全体で見ると標準報酬の推移はそんなに減ってはいないということに対して、こちらはこういうふうに減っているということ、でも、直近で見ると標準賞与は結構ふえていたりされているので、その辺の理由をもう少し詳しく教えていただきたい。それから、今後の見通しとして、その辺の影響が今後も出るのか出ないのかということについて、コメントをいただきたいと思います。

○楠田共済計理官 御質問の賃金上昇率の関係なのですけれども、これは財政再計算の見込みよりも実績がどうだったかというところでして、その結果として平成27年から平成30年度まで比較するとマイナスの11.4%だったということで、最近上がってはいるのですけれども、財政再計算上の見込みよりは上がっていないという結果がここに出ていると思っております。被保険者数につきましては、国共済は特に日本郵政や国立病院機構といった非公務員の方がいらっしゃいまして、そちらの組合数や被保険者数が伸びているということでこのような結果になっております。これが今後ずっと続くかというと、今まではそのあたりが増えていたということで、今後どうなるかというところまでは、今のところ、申し上げられないかと思っております。

○枇杷委員 わかりました。ありがとうございます。

○菊池部会長 よろしいでしょうか。

最後ということで、浅野委員からお願いします。

○浅野部会長代理 データに関する精度や正確性について新たに御報告いただいて、ありがとうございました。それについて3点ほど確認をさせていただきたいと思います。

1点目が、データの完全性の確認のところで、データの受領簿で管理ということなのですが、これは各省庁の共済組合からデータの完全性などをそれぞれ保証していただいているとか、そういうことがあるのかどうかということが1点目です。

2点目が、異常値の原因ということで、異常値としてはどういうものがあって、中にはもともと各省庁から来る基礎データに問題があるものがあるのかどうかということが2点目です。

3つ目が、時系列でチェックをされているということなのですが、被用者年金一元化前後でデータが非連続になっているので、一元化後の件数の増加率は非常に大きいので、現実的には時系列のチェックはしづらいのではないかと思うのですけれども、そのあたりはどういう工夫をされているのかということを教えていただければと思います。

以上です。

○早坂年金企画部長 お答えいたします。

データの受領簿の管理という御質問かと思いますが、財務省や各省庁の共済組合、また、連合会の中でも経理部や資金運用部、年金部等々からのデータを取り込んで統計をつくっておりますが、それについて提供された資料名や受領の時期などをそれぞれチェックをするという形で、データの管理を行っております。

時系列のチェックということで、確かに一元化の前後ということはあるわけですが、共済年金ですと、一元化前は職域部分と2階部分の1つの年金であったものが、一元化後は厚生年金部分と経過的長期給付部分という形に分かれている。これを合算した形で見たときに一元化前の姿からどうなっているかという形での確認、チェックもしております。

もう一つ、異常値ということですが、例えば、年金部で年金の支給を行っているわけですが、そのデータを年金企画部で集計して統計をつくっている。そのときに、例えば、支給開始年齢で見たときにこの年齢の方がその年金の支給件数として挙がっているのはおかしいとか、そういうものが仮に出てきた場合は、そういうものはちょっとおかしいねということで担当部に再度確認するとか、そういう形で統計の完全性をできるだけ確保できるように努めているということでございます。

○浅野部会長代理 わかりました。ありがとうございます。

○菊池部会長 よろしいでしょうか。

それでは、以上で国家公務員共済組合についての報告の聴取を終わります。

皆様、お忙しい中、お越しくださいまして、ありがとうございました。

それでは、どうぞ席のほうにお戻りください。

(財務省 斎須給与共済課長、同 楠田共済計理官、国家公務員共済組合連合会 早坂年金企画部長、同 長谷川資金運用部長、同 水村運用リスク管理室長 関係者席へ移動)

○菊池部会長 続きまして、議題2に関しまして、地方公務員共済組合について報告を聴取いたします。

説明者の皆様、どうぞ席のほうへお移りください。

(総務省 井上福利課長、同 長田数理官、地方公務員共済組合連合会 佐藤資金運用部長、同 大須賀年金業務部長、同 山内数理課長 報告者席へ移動)

○菊池部会長 本日は、お忙しい中、総務省自治行政局公務員部福利課の井上課長と長田数理官、地方公務員共済組合連合会の佐藤資金運用部長と年金業務部の大須賀部長、山内数理課長に御出席いただいております。

それでは、御説明をお願いいたします。

○井上福利課長 総務省福利課長の井上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、資料に沿いまして、地方公務員共済組合の平成30年度財政状況について御説明をさせていただきます。

資料の1ページ目の収支状況でございますが、これは被用者年金一元化前における決算でございますので、説明は省略させていただきたいと思います。

2ページ目に参りまして、厚生年金保険経理の平成30年度について御説明いたします。まず、収入でありますが、収入総額8兆5318億円になります。また、時価ベースで見ますと8兆2401億円になっております。その内訳でございますが、保険料が3兆3476億円、国庫・公経済負担が7106億円、追加費用が3927億円、運用収入が5677億円となっています。運用収入につきまして、有価証券売却損等の費用を除いた正味運用収入は5614億円、また、その正味運用収入に評価損益を加味した時価ベースで見ますと2696億円になっております。続いて、基礎年金交付金でございますが、944億円。厚生年金交付金が3兆3124億円になっております。先ほど国共済でも御説明いただきましたが、国共済から地共済に1040億円の財政調整拠出金をいただいているという形になっております。その他については、23億円であります。次に、支出でございます。支出の総額は8兆3171億円であります。以下、内訳でございます。給付費が3兆8147億円、基礎年金拠出金が1兆3985億円、厚生年金拠出金が3兆896億円であります。その他の支出として、142億円がございます。収入総額から支出総額を差し引いた収支残が2147億円、時価ベースでの収支残はマイナス770億円でございます。その下、年度末の積立金でございますが、18兆9308億円でございまして、時価ベースで見ますと21兆2807億円でございます。積立金運用利回りについては、簿価ベースで見ますと3.03%、時価ベースで見ますと1.27%でございます。以上が、平成30年度の厚生年金保険経理の収支状況になっております。

続いて、3ページをお願いいたします。経過的長期経理の平成30年度分についてであります。まず、収入でございますが、収入総額6423億円でございます。また、時価ベースで見ますと3017億円でございます。以下、内訳でございますが、事業主負担が19億円、追加費用が450億円となっております。運用収入でありますが、5949億円となっております。ここで有価証券売却損等の費用を除いた正味運用収入で見ますと、5884億円。さらに正味運用収入に評価損益を加味した時価ベースでの運用収入は、2479億円でございます。基礎年金交付金として2億円、その他の収入が3億円であります。次に、支出でございます。支出総額は5434億円、以下、内訳でございますが、給付費が5362億円、その他が72億円でございます。収入総額から支出総額を差し引いた収支残は、989億円となっております。また、時価ベースでの収支残はマイナス2417億円であります。その下の年度末積立金は18兆9407億円となっておりまして、運用利回りは3.12%であります。また、時価ベースで見ますと年度末の積立金は21兆5471億円となっておりまして、同じく時価ベースでの積立金運用利回りは1.14%であります。以上が、平成30年度の経過的長期経理の収支概要であります。

次に、4ページの給付状況をお願いいたします。まず、共済年金の受給権者について御説明を申し上げます。平成31年3月末の欄をご覧いただきたいと思いますが、受給権者数の合計は230万8000人となっておりまして、前年度に比べて21万8000人、8.6%の減少となっております。内訳で見ますと、退年相当が150万5000人、通退相当が20万3000人、障害年金が4万9000人、遺族年金の方が55万1000人でございます。また、年金総額でありますが、合計が3兆5826億円で、前年度に比べ、3413億円、8.7%の減少になっております。内訳は記載のとおりでございます。

次に、5ページの厚生年金受給権者、被用者年金一元化後に受給権が発生した受給権者の方々でございます。平成31年3月末の欄をご覧いただきたいと思いますが、受給権者数の合計は87万7000人となっております。また、年金総額については合計で1兆94億円であります。

次に、6ページの経過的職域加算の受給権者について御説明を申し上げます。平成31年3月末の欄をご覧いただきますと、受給権者数の合計は85万2000人となっております。また、年金総額については合計で1696億円であります。

次に、7ページの表は共済年金受給権者の退職給付につきまして、減額・増額別にあらわしたものになっております。減額支給の受給権者でありますが、平成31年3月末現在で5万5000人、その年金総額は784億円であります。また、増額支給の受給権者は平成31年3月末で7,000人、その年金総額は95億円であります。

8ページに参りますと、厚生年金受給権者について同じようにあらわしておりまして、同じく平成31年3月末現在で見ますと、繰り上げ支給の受給権者が6,000人、その年金総額が46億円。繰り下げ支給は、受給権者が1,000人で、その年金総額は11億円になっております。

続いて、9ページをお願いいたします。共済年金受給権者の平均年金月額及び平均加入期間についての表になっております。平成31年3月末の退年相当の平均年金月額で見ますと14万7363円、前年度に比べ316円、0.2%の減少になっております。その1段下をご覧いただきますと、そこに基礎年金額の推計値を含めました平均年金月額を記載しておりまして、金額は20万772円、前年度に比べ、3,303円、1.7%の増加となっております。さらに2段下の平均加入期間については、425カ月でございます。

10ページは、厚生年金受給権者の平均年金月額及び平均加入期間についての表になっておりまして、老齢相当の平均年金月額でいいますと11万5800円であります。その1段下には、先ほども同じようになっておりましたが、基礎年金の推計値を加算した平均年金月額を記載しておりまして、15万2858円でございます。さらに2段下をご覧いただきますと、平均加入期間の欄がございまして、440カ月でございます。

11ページをお願いいたします。新規裁定者に係る平均年金月額と平均加入期間についての表になっております。上の表は共済年金受給権者の新規裁定に係るものでございまして、平成30年度における平均年金月額は15万6366円でございます。その1段下の平均加入期間は435カ月となっております。下の表は、厚生年金受給権者の新規裁定に係るものでございまして、平成30年度における平均年金月額は11万405円、その1段下の平均加入期間は441カ月でございます。

続いて、12ページは、共済年金受給権者の退年相当に係る支給区分別・年齢別の表になってございます。地共済における年金支給開始年齢は、いわゆる厚生年金とは異なりまして男女共通となっております。報酬比例分に関しては、平成28年度から平成30年度までは62歳、令和元年度からは63歳になっております。

具体的には15ページをご覧いただきたいと思いますが、15ページに飛んでいただきますと、厚生年金受給権者の老齢相当に係る表になっておりまして、この平成31年3月末の欄をご覧いただきますと、表の中段あたりにあります62歳の方々の受給権者数は7万4000人となっておりまして、その上にある61歳の受給権者数と比べると大幅に増加しているという形になってございます。

次に、18ページをお願いいたします。共済年金受給権者の退年相当に係る年齢階級別の表でございます。男性・女性ともに70歳から75歳の階級が一番多く、その後は年齢階級が高くなるにつれて減少していくとなっております。平均年齢は、男性が77.35歳、女性が78.61歳、男女合計で77.80歳になっております。

続いて、19ページは厚生年金受給権者の老齢相当に係る年齢階級別の表でございます。男性・女性ともに65歳から70歳の階級が一番多くなっておりまして、平均年齢は男性が65.39歳、女性が65.46歳、男女合計で65.41歳でございます。

20ページは、共済年金受給権者の年金月額階級別分布の表になっております。左側の退年相当でございますが、男性は月額14万円台から16万円台が48.6%と半数近くを占めております。より詳細を見ると15万円台をピークとする山型になっているということであります。女性は、月額12万円台から15万円台のところが42.7%を占めておりまして、より詳細に見ると14万円台の階級の方々が一番多いという形になっております。

21ページをお願いいたします。厚生年金受給権者の年金月額階級別分布の表でございます。左側の老齢相当につきまして、男性で見ますと月額が10万円台から12万円台が58.7%と半数以上を占めている状況でございます。また、女性のほうで見ますと、月額11万円台の階級が一番多く、また、男性と同様に10万円台から12万円台で61.8%と半数以上を占める形になってございます。

次に、24ページをお願いいたします。被保険者の状況でございます。まず、被保険者数でございます。平成31年3月末現在で、284万5000人、前年度に比べ2000人の減少となっております。また、平均年齢は全体では42.9歳、うち男性が43.8歳、女性が41.5歳という状況でございます。標準報酬月額の平均について、41万4638円で前年とほぼ同額でございます。次に、下の表でございます。標準報酬月額の総額でございますが、14兆538億円、標準賞与総額が4兆6443億円、標準報酬総額が18兆6981億円となっております。

25ページをお願いいたします。被保険者数を年齢階級別及び加入期間別に区分した資料でございます。年齢階級別で見ますと、右側の合計のところで45歳から50歳未満の階級のところが約40万人と一番多く、全体の14.0%を占めております。なお、世代別に見ますと、50歳代が全体の26.8%と一番多くを占めており、世代が下がるごとに割合も下がっていくようになっております。また、加入期間別に見ますと、10年未満の範囲が比較的多く、全体の31.9%となっております。

26ページ、27ページは、これを男女別に区分したものでございますので、説明は省略いたします。

28ページをお願いいたします。標準報酬月額等級の分布でございます。標準報酬月額の平均でございますが、下から3番目の段にありますとおり、標準報酬月額の平均が、男性で43万7299円、女性が38万906円、男女合わせて41万4638円であります。分布を見ますと、男性では47万円の等級に属する割合が最も高く、19万6000人で11.55%となっております。女性では44万円の等級に属する割合が最も高く、14万8000人で12.94%となっております。男女合計で見ますと、44万円の等級のところが最も高くて32万1000人で11.28%という状況であります。

次、29ページをお願いいたします。積立金の運用状況についてあらわしたものでございます。平成30年度末における厚生年金保険給付積立金の総額は、合計欄ですが、簿価ベースで18兆9308億円、時価ベースで21兆2807億円という状況になっております。

次の30ページでございます。資産区分別の内訳でございまして、構成割合は、一番右の時価ベースで申し上げますが、国内債券が32.9%、国内株式が23.4%、外国債券は14.1%、外国株式は24.5%、短期資産が5.0%になっております。

続きまして、31ページをお願いいたします。平成30年度の実績と平成26年財政再計算における将来見通しとを比較した表になってございます。まず、31ページの収支状況の比較について申し上げます。なお、財政再計算における将来見通しについては、当時の経済再生ケースEとの比較で申し上げたいと思います。収入について申し上げます。保険料の平成26年財政再計算上の将来見通しでは3兆5664億円であったのに対しまして、実績は3兆3476億円であります。主な要因としましては、見通しより賃金上昇率が低下したこと、また、被保険者数が上昇したことと考えております。また、その他の収入のところでありますが、将来見通しでは485億円に対して実績は1064億円になっております。これは、国共済からの財政調整拠出金収入が増加したことによるものであります。このようなことから、収入総額は将来見通しでは8兆9536億円となっておりましたことに対しまして、実績では8兆5318億円であります。続いて、右側の支出でございます。給付費の将来見通しでございますが、4兆503億円でございまして、これに対しまして実績は3兆8147億円でございます。また、基礎年金拠出金の将来見通しでは1兆5179億円に対しまして実績は1兆3985億円、厚生年金拠出金の将来見通しでは3兆3624億円に対しまして実績は3兆896億円でございます。これらはいずれも年金改定率が将来見通しと比べて実績のほうが低かったためと拠出割合の減少によるものと考えております。以上のようなことから、支出総額の将来見通しでは8兆9379億円に対しまして、実績では8兆3171億円でございました。収支残の将来見通しではプラス157億円という見通しでございましたが、実績ではプラス2147億円でございました。

次に、32ページの被保険者数と受給者数についての比較でございます。被保険者数の将来見通しでは、経済再生ケースでは279万1000人と見込んでおりましたが、平成30年度の実績では285万人になっております。また、受給者数の将来見通しの経済再生ケースでは、307万7000人としておりましたが、平成30年度の実績では301万6000人になっております。種別ごとの数字は右に記載しているとおりでございます。

続きまして、33ページをお願いいたします。年金扶養比率に関して比較したものでございます。上の表の実績をご覧いただきますと、平成30年度の年金扶養比率は1.41でございまして、前年度に比べて0.01ポイント減少しております。続いて、下の将来見通しをご覧いただきますと、年金扶養比率は経済再生ケースの平成30年度で1.36となっておりますので、実績が0.05ポイント上回っているという状況になっております。

続いて、34ページをお願いいたします。積立比率について申し上げます。平成30年度の実績は5.1でございます。なお、時価ベースでは5.8となっております。下の表の将来見通しをご覧いただきますと、ケースEのところの平成30年度で4.23となっておりますので、実績が上回っているという状況でございます。

最後に、提出資料のもととなりますデータの精度と信頼性の確保に関するお尋ねについて簡単に御説明したいと思います。

まず、1-1のデータを確認・承認するルールの整備状況についてどうなっているのか、体制や手続はどうなっているのかとのお尋ねについてでございます。37ページのフロー図もご覧いただきたいと思いますが、提出資料のもととなるデータについては、まず、各共済組合等で、入力、確認、決裁(承認)を行っております。また、都道府県に関連する共済組合については、各都道府県等の庁舎内に支部がございますので、こちらでも入力等を行っている状況になっております。その後、被保険者の状況・受給権者の状況につきましては地方公務員共済組合連合会の年金業務部において、また、積立金の状況については資金運用部において、それぞれデータの集計や確認を行った上で提出資料を作成し、確認、決裁(承認)を行っているということでございます。また、私どものほうにこれが出てまいりますが、私どものほうでも確認作業を行っているところであります。また、収支状況につきましては、各共済組合等及び地共連で作成し、決裁(承認)を行って、総務省に御提出いただいております。総務省で集計と確認を行った上で提出資料を作成させていただき、また、内容の確認についてはさらに地共連ともやらせていただいて、御提出させていただいているという形になっております。また、当然のことながら、データの確認等の作業については、それぞれ各共済組合等、地共連、私どものそれぞれの中で、複数人でチェックをする体制を構築し、行っております。

次に、1-2-1、データの完全性の確認について、抽出漏れ、集計漏れ等がないか、どのように確認しているのかということであります。これも、今ほど申し上げた確認作業の中で、まさに複数人でチェックをする、表内・表間チェックあるいは時系列による確認を行う。また、データの受け渡し忘れや投入忘れがないように、各共済組合等においてデータ管理簿等を整備した上でデータのやりとりを行うということで、チェックを行っているところでございます。

また、1-2-2、データソースの取得時点に関してのお尋ねでございます。これについては、提出資料のもととなるデータにつきましては、例年、8月末ごろを目途に、各共済組合等が地共連に提出することにしてございまして、データの取得・確認に必要な期間を一定程度確保しております。また、データ確定までの遡及処理事項につきましては当年度提出資料に反映をしておりますが、確定後に生じた遡及処理事項については翌年度の提出資料に反映するという形で整理をしてございます。

次に、36ページでございますが、1-2-3、提出資料内のデータの合理性・整合性の確認状況でございます。これにつきましては、システム内のエラーチェックあるいはシート内・シート間のエラーチェックは当然のこととしまして、複数人でチェックする際に、これらのチェックシートを作成して、前年度の数値と大きな乖離がないか等を確認しておるところであります。また、当然のことながら、その確認の中で疑義が生じた場合には、総務省または地共連から各共済組合等の担当者に要因分析を依頼し、合理性の確認を行う、あるいは、その中で誤りが判明すれば修正していくということを行っているところでございます。

1-2-4、過去の資料との整合性の確認状況でございますが、これにつきましても、こうした作業の中で前年度の数値等と大きな乖離がないかどうかということを複数人でチェックをしておりまして、時系列データとして整合的なものとなっているかどうかについての確認作業を行っているところであり、また、当然のことながら、疑義が生じた場合には、しっかり確認の上、必要があれば修正を行っているところであります。

最後に、データの確認手法の妥当性の確認状況でございますが、当然のことながら、今まで御説明したような表内・表間チェックあるいは時系列による確認を行うなどのチェック体制をとっておりまして、異常なデータ等を検知する体制を構築した上で提出資料を作成しております。また、必要に応じてチェック項目を増やすなど、データの精度と信頼性の確保にも努めているところでございます。

済みません。長くなりましたが、説明は以上でございます。

○菊池部会長 ありがとうございました。

それでは、御質問がございましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。

野呂委員、お願いします。

○野呂委員 先ほどの国共済への質問の続きみたいで恐縮ですが、2ページ目の収入で、まず、運用収入の正味運用収入、これは簿価ベースだと思いますけれども、過去3年を見ましても結構変動が大きくなっており、多分これはキャピタルゲインといいますか、売却損益が影響しているのではないかと思います。売却損益を出すか出さないかにつきましては、例えば、リバランスというようなルールがあって機械的に売却損益を出ているのか、あるいは、高値・低値という見通しのもとで売却損益を出しているのか、この正味運用収入の簿価ベースの変動の考え方を聞きたいということが一つあります。

なぜそれを聞くかといいますと、先ほどの財政調整拠出金のBのところ、577億ですけれども、簿価ベースで見るという話だったのですが、そうしますと、今回、収支残では簿価ベースは2147億になっていまして、赤字だったら黒字から受け入れるという話の中で、どのようになっているかが理解できなかったところです。

そういうことと、簿価ベースでありますと、売却益を出すか出さないかによって赤とか黒になるので、この財政調整拠出金のBを拠出するかどうかの判断はその売却益次第という理解でいいのかどうかというところも教えてほしいと思います。

○佐藤資金運用部長 運用のところにつきまして、資金運用部でお答えいたします。

原価ベースの運用収益につきましては、委員の御指摘のとおり、利益配当と売買損益の実現収益で構成されておりまして、そのリバランスまたは新規の採用ファンドまたは解約ファンドといったところに応じた売買損益といったものが生じてくることによって、大きく変動幅が生じているという状況でございます。

そのリバランスにつきましても、確たる市場の見通し等が立てば、当然高いところで売って低いところで買うといった投資行動をとるのはもちろんのこと、また、市場の価格の変動に応じて基本ポートフォリオの割合から一定の乖離幅が生じた場合については、その基本ポートフォリオ割合の中心値に近づけるようなリバランスといった投資行動を行っているという状況でございます。

運用については、以上でございます。

○長田数理官 2点目にありました売却損益等が増減したときに、財政調整Bというものが、ある意味、意図的に発生する・しないということができるのではないかという御指摘でございますけれども、基本的に積立金につきましては専ら被保険者の利益のために運用することが原則になっておりますので、意図的に積立金の増減ということは恐らくないのだろうと考えております。結果的に、30年度につきましては、先ほども財務省から御説明がありましたとおり、予算もしくは収支計画の予算の段階での数値を見込みまして、概算額をまずは拠出することになっておりますので、最終的に、今回の決算を見ますと、地共済が予算上では赤字と見込んでいたものが平成30年度の結果として見れば黒字になったということで、そうなりますと、最終的には精算を行うということですので、国共済様と精算をいたしまして、結果的には必要以上にいただいていた財政調整Bにつきましては、精算という形でお返しするという形になっているところでございます。

○野呂委員 そういうことですか。

念押しで恐縮ですけれども、そうしますと、今回は予算ベースでは簿価ベースでもマイナスになるはずだったところが、結果的にプラスになったので、もう一度精算するということは、返金するということですね。

○長田数理官 そういうことでございます。

○野呂委員 これは来年度に返すということになるのですか。

○長田数理官 そうですね。翌々年度精算になりますので、令和2年度の中で精算を行いまして、いただき過ぎていた分につきましてはお返しをするという形で精算をするということでございます。

○野呂委員 勉強になりました。

○菊池部会長 ほかにいかがでしょうか。

枇杷委員、お願いします。

○枇杷委員 御説明ありがとうございました。

35ページで提出資料のところの御説明をいただいた件で、1-2-2で、地共済様に関しては、各共済さんがデータを提出される時期が8月ということで、ほかの実施団体様と比べると少し後になっているかなと。こういう報告の早期化が求められるかどうかというのは別の議論としてあるとして、仮に世の中の流れで早期化をしようとしたときに、ここがボトルネックになるのかなという感じをちょっと持ったのですけれども、これは物理的に、要するに、各地域に団体があってそこから来るので、これが目いっぱいということの理解なのでしょうか。

○長田数理官 委員の御指摘の件でございますけれども、地方公務員につきましては、基本的に3月末で退職や4月で採用など、そういった組合員の異動が非常に多いという状況もございまして、共済組合もその処理手続等に時間がかかることから、なかなかデータの整理がすぐにできないといった事情もあるかと考えてございます。

早期にデータをまとめることは非常に重要なことと考えますので、業務見直し等で、そういったデータの取りまとめがすぐにできるのかどうかとか、そういうことにつきましては、地共連や各共済組合等とも話をして、できることがあればしていくということになろうかと思います。

○枇杷委員 ありがとうございます。

地共済様として個別にやっていただくということよりは、全体の報告の整合性が何となくいろいろとれたほうが本来はいいということなので、恐らく取りまとめをする事務局さんで、例えば、どのぐらいの各実施団体さんの取得の時期をどういうふうにそろえるかという議論ですかね。そういう形で進めていただくのがいいのかなと思いましたので、念のため申し上げます。

○菊池部会長 ありがとうございます。

全体にもかかわるお話であったかと思います。

ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

○浅野部会長代理 そうしましたら、今のデータにかかわるところで御質問させていただきたいのですが、1点目は、このフロー図を見てみますと、支部や共済組合があって、これらの数は物すごく多いのでデータの管理は非常に大変ではないかと思うのですが、各支部段階でのデータの網羅性や完全性は具体的にどういうふうに担保しているのかなということであります。各段階で複数人がチェックと御説明いただいたのですけれども、現実的にはそれは難しいのではないかという印象を持っているので、そういう確認です。

2点目が、各支部や共済でのデータ管理の使用や抽出条件、集計方法、このような標準的なルールがあるのかどうなのか。その点について教えていただければと思います。

○長田数理官 支部におきましては、基本的には、例えば、各都道府県であれば各都道府県の職員の情報を管理しておりますので、基本的には職員の異動があったとか、給料の額が変わったとか、そういった日々の日常業務の中でそういうデータは統一的なシステムの中で処理をしているところでございます。統計としてデータをまとめる際にはそのシステムの中から抽出をしていくことになりますので、支部においてもきちんとデータにつきましては入力がされているものと考えてございます。

集計方法につきましても、基本的には地共連が作成したシステムが各共済組合に置かれておりまして、そちらに入力をしていって、そこのデータを統一してシステムから抽出して統計データをつくるという形になっております。各組合がばらばらのシステムになりますとかなり大変なことになると思うのですけれども、できるところからシステムにつきましては統一をしたものを使っておりますので、各共済組合もしくは私どもや地共連でも確認しながらデータの整備を進めているところでございます。

○浅野部会長代理 ありがとうございます。

○菊池部会長 よろしいでしょうか。

それでは、以上、地方公務員共済組合についての報告の聴取を終わります。

御説明いただいた皆様、どうもありがとうございました。

それでは、席にお戻りください。

(総務省 井上福利課長、同 長田数理官、地方公務員共済組合連合会 佐藤資金運用部長、同 大須賀年金業務部長、同 山内数理課長 関係者席へ移動)

○菊池部会長 続きまして、議題3、私立学校教職員共済制度について報告を聴取いたしますので、説明者の方々はどうぞ席にお移りください。

(文部科学省 松田私学共済室長、同 小暮私学共済室長補佐、日本私立学校振興・共済事業団 松澤資産運用部長、同 笠原企画室長兼数理統計室長、同 大山数理統計室副参事兼副主幹 報告者席へ移動)

○菊池部会長 本日は、お忙しい中、文部科学省高等教育局私学部私学行政課私学共済室の松田室長と小暮室長補佐、日本私立学校振興・共済事業団の松澤資産運用部長と笠原企画室長兼数理統計室長、大山数理統計室副参事兼副主幹に御出席をいただいております。

それでは、御説明をよろしくお願いいたします。

○松田私学共済室長 それでは、早速でございますが、資料3に基づきまして御説明をさせていただきたいと思います。

まず、1ページ目でございますけれども、被用者年金制度一元化前の共済年金の経理についてでございますので、説明を省略させていただきまして、2ページ目から御説明させていただきたいと思います。

まず、2ページ目でございますが、厚生年金勘定の厚生年金経理分の平成27年度から平成30年度までの収支状況をお示ししたものでございますが、平成30年度の状況について御説明いたします。収入総額については、9379億円となってございます。2段目の括弧書きは時価ベースで収入総額を示しておりますけれども、9132億円となってございます。内訳を見ますと、保険料については4384億円、また、国庫負担は1268億円となっております。運用収入につきましては、簿価ベースですと545億円、これに年度末積立金の評価損益の増減分を加算した時価ベースの額が括弧書きの下段にある298億円となってございます。また、厚生年金交付金は、2773億円となってございます。次に、中ほどの支出の欄をご覧ください。平成30年度の支出総額は8472億円となってございます。このうち、給付費は2818億円、基礎年金拠出金は2494億円、厚生年金拠出金は3134億円となってございます。その他につきましては、事務費繰入等で26億円でございます。次に、収支残の欄でございますけれども、簿価ベースですと907億円、時価ベースですと660億円となってございます。その下の年度末積立金については、簿価ベースですと2兆211億円、時価ベースで2兆2878億円となってございます。積立金運用利回りにつきましては、簿価ベースで2.84%、時価ベースですと1.35%となってございます。

続きまして、3ページ目でございますが、厚生年金勘定の職域年金経理分の平成27年度から平成30年度までの収支状況をお示ししたものですが、平成30年度の状況について御説明いたします。収入総額につきましては、615億円となっております。2段目の括弧書きは時価ベースで収入総額を示しておりますが、247億円となっております。内訳を見ますと、国庫負担が過去の加入期間分に対する経過措置としての補助額として1億円となってございます。運用収入につきましては、簿価ベースで611億円となっております。年度末積立金の評価損益の増減分を加算した時価ベースの額が括弧書きの下段にある243億円となってございます。続きまして、中ほどの支出の欄をご覧ください。平成30年度の支出総額は639億円となっており、このうち給付費は336億円となってございます。その他につきましては303億円となっておりますが、うち厚生年金経理への保険料軽減繰入分が292億円を占めております。続きまして、収支残の欄でございますけれども、簿価ベースですと△24億円、時価ベースですと△392億円となってございます。その下の年度末積立金につきましては、簿価ベースで1兆9595億円、時価ベースですと2兆1591億円となってございます。また、積立金運用利回りにつきましては、簿価ベースで3.12%、時価ベースですと1.11%となってございます。

続きまして、4ページをご覧ください。ここでは、給付状況のうち被用者年金一元化前に受給権が発生した共済年金の受給権者数と年金総額等の5年間の推移をお示ししておりますが、平成31年3月末の状況について御説明をさせていただきます。受給権者数36万5800人で、前年度末と比較しまして3万1300人、率にして7.9%減少してございます。このうち、退年相当が10万5500人、通退相当が19万3500人となっております。私学の場合、短期間での退職者が比較的多いということがございまして、通退相当の人数が多いということになってございます。次に、年金総額の欄でございますが、2861億8000万円で、前年度末と比較しまして、200億8000万、率にして6.6%減少しております。このうち退年相当につきましては1838億4000万円で、135億8000万円減少、通退相当は521億8000万円で、44億6000万円減少してございます。

続きまして、5ページをご覧ください。被用者年金一元化後に受給権が発生した厚生年金の受給権者について平成31年3月末現在の状況について御説明させていただきます。受給権者数は17万5200人で、前年度末と比較しまして5万9100人増加しております。このうち老齢相当が3万2000人、通老相当が12万5100人となってございます。次に、年金総額の欄でございますが、713億2000万円で、前年度末と比較しまして240億2000万円増加しております。このうち老齢相当が419億9000万円、通老相当が174億6000万円となってございます。

続きまして、6ページでございますけれども、被用者年金一元化後に受給権が発生した経過的に支給する職域加算部分の受給権者についてお示ししております。平成31年3月末の状況について、受給権者数は、14万8400人で、前年度末と比較して5万2200人増加しております。このうち、老齢相当が3万3400人、通老相当が9万6900人となってございます。次に、年金総額の欄ですが、101億5000万円で前年度末と比較して33億7000万円増加してございます。このうち、老齢相当が76億5000万円、通老相当が13億9000万円となってございます。

続きまして、7ページをご覧ください。共済年金における減額支給及び増額支給の人員と年金総額を示しております。平成31年3月末の状況でございますが、減額支給の人員は1,400人、年金総額は9億9000万円となってございます。増額支給の人員は1万5000人、年金総額は164億9000万円となってございます。

続きまして、8ページでございます。被用者年金一元化後に受給権が発生した厚生年金における繰上げ支給及び繰下げ支給の人員と年金総額について、平成31年3月末の状況としては、繰上げ支給の人員は1,400人、年金総額は2億1000万円となってございます。一方、繰下げ支給の人員は800人、年金総額は8億1000万円となってございます。

続きまして、9ページをご覧ください。ここでは共済年金における退職年金の平均年金月額と平均加入期間についてお示ししております。平成31年3月末の退職年金の平均年金月額でございますが、14万5228円でございまして、前年度末に比べて545円、率では0.4%増加してございます。1つ下の欄の基礎年金を含めた平均年金月額は20万563円でございまして、前年度末より、3,630円、1.8%増加してございます。

続きまして、10ページ目でございます。被用者年金一元化後に受給権が発生した厚生年金における老齢年金の平均年金月額と平均加入期間でございます。平成31年3月末の老齢年金の平均年金月額でございますが、10万9264円でございまして、前年度末に比べまして、140円、率にして0.1%減少しております。1つ下の欄の基礎年金を含めた平均年金月額は14万8273円で、前年度末より、2,754円、率にして1.8%減少しております。

続きまして、11ページでございます。新規裁定の老齢・退職年金の平均年金月額でございますが、上段の表は共済年金における新規裁定の退職年金の平均年金月額でございます。平成30年度は15万4228円で、前年度に比べまして、5,289円、率で3.6%の増加となってございます。また、平均加入期間は395カ月となってございます。続きまして、下段の表でございますが、厚生年金における新規裁定の老齢年金の平均年金月額でございます。平成30年度は10万9359円で、前年度に比べまして、110円、率にして0.1%の増加となっております。また、平均加入期間は414カ月となってございます。

続きまして、12ページをご覧ください。こちらでは、共済年金における平均年金月額について年齢別及び年金額の構成要素別の状況を示しております。

13ページ、14ページは、今の12ページの資料を男女別にしたものですので、説明は省略をさせていただきます。

続きまして、15ページをご覧ください。こちらでは、厚生年金における平均年金月額について年齢別及び年金額の構成要素別の状況を示しているものでございます。

また、16ページ、17ページは、この15ページの資料を男女別にしたものでございますので、こちらも説明を割愛させていただきます。

続きまして、18ページでございます。共済年金における退職年金受給権者、退年相当の年齢構成でございます。右側の「計」の欄は、年金受給権者数でございますが、合計で10万5500人でございまして、年齢構成では70歳以上75歳未満の割合が31.36%で最も高くなっております。また、平均年齢につきましては、男性が76.6歳、女性が78.1歳となってございます。

続きまして、19ページでございます。厚生年金における老齢年金受給権者、老齢相当の年齢構成でございます。右側の「計」の欄、年金受給権者数は合計で3万2000人でありまして、年齢構成は65歳以上70歳未満の割合が65.22%となっております。また、平均年齢につきましては、男女ともに65.7歳となってございます。

続きまして、20ページでございます。ここでは、共済年金における年金月額の分布の状況をお示ししております。退年相当では、男性が17万円以上18万円未満を頂点として分布しておりまして、女性では7万円以上から14万円未満の各階級にそれぞれ7%近い割合で集中している状況でございます。また、通退相当では男性・女性とも1万円未満の区分の人数が最も多くなっている状況でございます。

続きまして、21ページでございます。厚生年金における年金月額の分布の状況でございます。老齢相当では、男性で11万円以上12万円未満を頂点として分布しており、女性では10万円以上11万円未満が頂点となって分布をしております。また、通老相当では男性・女性とも1万円未満の区分の人数が最も多かったということでございます。

22ページ、23ページは、特別支給の受給権者を除いた年金月額の分布ですが、説明は省略させていただきます。

続きまして、24ページでございます。ここでは、被保険者状況のうち、上段の表で被保険者数や平均年齢などをお示ししております。平成31年3月末の状況ですけれども、被保険者数につきましては56万600人で、前年度末に対して、9,000人、率にして1.6%の増加となっております。このうち特に女性の増加が大きく、前年度末に対して、8,200人、率にして2.6%の増加となっております。これは特に大学と幼稚園の加入者がふえてございまして、大学病院の看護師など医療スタッフあるいは認定こども園の教員の増加が9,00人増加の大きな要因と考えられます。被保険者の平均年齢は42.5歳で、男性が46.9歳、女性は39.3歳という状況でございます。標準報酬月額の平均ですけれども、36万1680円で、前年度末に比べまして1,057円増加してございます。次に、下段の表、平成30年度の状況ですが、標準報酬月額総額については2兆4236億円で前年度に比べ446億円増加、標準賞与総額につきましては6922億円で前年度に比べて46億円の増加になっています。これらを合わせた標準報酬総額については、3兆1157億円になってございます。また、被保険者数の年度間平均は、56万2700人で、前年度に比べ9,100人増加になってございます。標準報酬総額の年度間平均1人当たりの月額は、46万1412円で、前年度に比べ193円減少になってございます。

続きまして、25ページでございます。被保険者の分布について加入期間別・年齢階級別にお示ししたものでございますが、上段の一番右の合計欄、年齢階級で一番割合の高い区分は25歳以上30歳未満のところで、14%となってございます。以降、50代まで9%から12%程度の割合となってございます。また、60歳以上の加入者も相当程度おりまして、7.9%と3.9%で、合計しますと11.8%となってございます。加入期間別の分布を見ますと、加入期間5年未満の方の割合が一番高くて33.3%、これに5年以上10年未満の方を合わせると10年未満の方の割合が約55%となってございます。

26ページは、男性の加入者の分布状況です。30歳未満の割合が低く、30代から60代前半までの各層にほぼ均等に分布しておりまして、また、60歳以上65歳未満で加入期間が5年未満の方は、上の表の左側ですが、こちらの人数が6,590人と比較的多くなっている状況でございます。

27ページは、女性の加入者の分布状況でございます。男性の分布と異なりまして、30歳未満の方の割合が高い傾向にあります。また、加入期間が10年未満の方が、38.5%と23.1%で合計しますと61.6%ということで、加入期間が短い者が多いという特徴があらわれております。

続いて、28ページをご覧ください。標準報酬月額の等級別の分布状況でございます。男性は上限の62万円のところに22.05%が分布しております。一方、女性は、20万円台のところを中心に分布しておりまして、22万円のところが9.72%と最も高い割合になっております。

続きまして、29ページ、厚生年金勘定・厚生年金経理における積立金の運用状況でございますが、平成30年度末の積立金は、簿価ベースで合計2兆211億円、また、時価ベースですと2兆2878億円となってございます。このうち、包括信託による運用が、簿価ベースで84.5%、時価ベースですと86.3%を占めているという状況でございます。また、運用利回りにつきましては、簿価ベースで2.84%、時価ベースで1.35%となってございます。

なお、30ページにつきましては、資産区分の運用状況を記載しておりますが、適宜ご覧いただければと思います。

続きまして、31ページでございますが、平成26年の財政再計算における将来見通しとの比較でございます。見通しについては、以下、全てケースEを例に御説明させていただきます。初めに、収支状況の比較ですが、収入の将来見通しは合計で1兆200億円でしたが、平成30年度の実績は9379億円ということで、821億円少なくなっております。内訳を見ますと、保険料につきましては、実績について将来見通しのベースに合わせて保険料相当の収入を含め括弧書きの収入額で比較しますと、4750億円で将来見通しよりも494億円少なくなっております。また、運用収入が545億円と将来見通しよりも34億円少ない結果が出ている状況でございます。なお、時価ベースの運用収入は298億円となってございます。次に、支出の将来見通しでございますけれども、合計で9321億円でしたが、これに対して、平成30年度の実績は、8472億円で、849億円少ない状況となってございます。このうち、基礎年金交付金を除いた括弧書きの給付費は、2783億円で、将来見通しよりも290億円少ない状況となってございます。この結果、収支残は、将来見通し上は879億円であったのに対し、実績が907億円で28億円多くなっているという状況でございます。また、年度末積立金については、将来見通し上は1兆9524億円でございましたが、実績は2兆211億円となってございます。

続きまして、32ページでございますが、被保険者数と受給者数の将来見通しとの比較でございます。被保険者数の平成30年度の実績が56万2700人で、将来見通しを1万6200人上回っております。受給者数の実績は、50万5300人で、将来見通しより5万8600人少ない状況となってございます。

33ページは、財政指標の比較を示しております。年金扶養比率は、上の表にあります平成30年度の実績は4.34ポイントでございまして、下の表にある将来見通し上の平成30年度の年金扶養比率よりも0.4ポイント低くなっている状況でございます。

34ページは、積立比率でございます。平成30年度の実績が4.4ポイントとなっておりまして、時価ベースですと5.1ポイントというデータになってございます。

続きまして、35ページでございますけれども、提出資料の元となるデータの精度と信頼性の確保に関する資料についての御説明でございます。

まず、1-1.データを確認・承認するルールの整備状況について、具体的な流れにつきましては、最終ページ、37ページにございますので、適宜ご覧いただければと思います。例えば、決算値につきましては財務部、年金額につきましては年金部において、日常業務の中で処理内容の確認・決裁を行いまして、数理統計室において月次及び年次統計処理において帳票間の整合性を確認し決裁を行っているという状況でございます。また、決算ヒアリング資料の取りまとめは数理統計室で行ってございまして、制度上の範囲、資料間及び過去資料との整合性を確認して決裁を行っております。

続きまして、1-2-1のデータの完全性の確認状況でございますが、統計表作成時には、担当者との打ち合わせを行いまして、抽出条件等の要件を定義し、統計表のテストによって内容の確認を行っております。統計表作成後は帳票間及び過去資料との整合性の確認を行っているという状況でございます。

また、集計を行うもととなるデータを適切に取得するためにどのような配慮を行っているかということでございますが、これにつきましては、年次統計は4月の第1営業日に昨年度受け付け分の届け出の最終決定を行いまして、該当データベースへの登録後、統計処理を実施し、統計表を作成しているという状況です。データ取得日以降の訂正の反映は、年次統計は翌年度分から、月次統計の場合は翌月分からとなってございます。

最後、36ページでございますが、データは制度上あり得ない異常値を含まず、また、数値間に矛盾がないなど、データの合理性・整合性をどのように確認しているかということでございますが、これにつきましては、複数の担当者が資料間及び過去資料との整合性を目視で確認しているということです。また、異常値が疑われる場合には、該当データを特定して担当部署へ照会をし、原因の確認を行っているということでございます。

続きまして、その下、作成した資料が時系列データとして整合的なものになっているかをどのように確認しているかということでございますが、過去資料と時系列的に比較して大きく増減していないか、複数の担当者で目視確認をしてございまして、大幅な増減が確認された場合には、担当部署への照会を行って理由を確認しているという状況でございます。

また、その次のデータを確認・承認する体制の構築状況の妥当性を継続して確認しているか、でございますけれども、制度改正内容を把握するために統計担当者が関係部署と情報共有をするとともに、システム変更がある場合はシステム担当者間との定例会議の場で情報を共有してございます。当該システムに変更があった場合は、テストを実施し内容を確認しているという状況でございます。

駆け足になりましたが、以上で説明を終わらせていただきます。

○菊池部会長 ありがとうございました。

ほぼ所定の時間が来ておりますが、貴重な聴取の機会でございますので、少しお時間を拝借できればと存じます。何か御質問等があれば、お願いいたします。いかがでしょうか。

どうぞ、翁委員。

○翁委員 32ページで受給者数の見通しが随分変わっているのですが、ここの背景はなぜなのでしょうか。

○大山数理統計室副参事兼副主幹 通老・通退相当につきましては、若年で退職した女性の方で請求してこない方が多いので、その辺が実績が少ない原因になっていると思われます。

ほかのところにつきましては、厚生年金全体で推計した数値のうち、私学共済分がこの数値です、という形でいただいていますので、実績とのずれの分析は若干難しいかなという認識でおります。

○菊池部会長 よろしいでしょうか。

ほかにはいかがでしょうか。

野呂委員。

○野呂委員 今、24ページの被保険者数の増加について、今、簡単に要因の御説明がありましたが、人口動態を見ますと子供の数はかなり減っています。学校基本調査でも学生の数は減っているのですけれども、教職員や一般職員の方がふえているという中で、例えば、標準報酬月額等に影響があるとか、子供の数は減っているのだけれども職員の数がふえているということが、賃金の構造にどういう影響があるか、もしわかっていたら教えていただきたいと思います。

○大山数理統計室副参事兼副主幹 被保険者数の増加の影響ですけれども、厚生年金に関して言えば、基本的に賦課保険料方式ですので、プラスの要因になると考えています。職域経理におきましては、保険料軽減、負担軽減というものを行っておりまして、給与総額の1%相当を職域経理から厚年経理に繰り入れているわけですけれども、この辺が若干負担増になりますが、仮に、1~2%、見込みより加入者数の増加が続いたとしても、十分今の財政状況だと職域経理は耐えられる状況と考えております。

以上です。

○菊池部会長 よろしいですか。

ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

浅野部会長代理から、お願いします。

○浅野部会長代理 全体について、これは私学共済さんだけという話ではないのですけれども、今回、データに関する各組織のお取り組みを伺わせていただいて、前回の厚生年金と、国民年金も含めて全体を通じてのコメントをさせていただければと思います。

組織や規模の異なる年金制度や共済組合なので、それぞれのデータの管理の仕方なども大きく相違していることは十分理解しているので、無理なことを申し上げるつもりはないのですが、大きな考え方としては、財政検証や毎年度決算の基礎データとなる各組織のデータ管理体制などは、できるだけ統一的なもの、標準的なものがよいのではないかと思います。例えば、データの完全性や網羅性をデータオーナーに保証してもらったり確認する手続などは、これは全ての基本になるので、各組織で何らかの対応をとられるのがいいのではないかと思います。例えば、国民年金や厚生年金であれば、データオーナーであります日本年金機構からデータを受領する際に、データの完全性、網羅性を保証してもらう。そんなことが考えられるのではないかと思います。なお、本来はそれぞれ実際にデータを運営している組織でデータの完全性や網羅性などをどのように担保しているかというのを確認する必要があるのではないかとも思います。また、幾つかの組織でデータ管理簿というお話がありましたけれども、こうしたものも、様式を統一した上で共通で各組織で利用することは考えられるのではないかと思います。

次に、データの基準日について、基本的には年度末かと思いますが、4月1日以降でおくれて把握するものをどの時点までに認識するかということも、できれば共通の指針があるほうがいいのではないかと思います。この点、今御説明いただいた私立学校共済さんの場合は、4月の第1営業日に確定ということで、非常に明解かと思いました。ただ、私学学校共済と先ほどお話があった地共済などとは大分事情が異なるので難しいのかもしれませんが、先ほど枇杷委員からの御指摘にあった早期化等も含め、御検討いただくのがいいと思いました。

異常値の検出については、例えば、厚生年金・国民年金では業務統計で10%以上の移動があるものについて自動検出しているというお話がございましたが、こういう手法も統一的に活用するとよいと思いますし、また、各組織で行っているデータの妥当性の検証方法を持ち寄って、よいものをみんなで採用するということが考えられるのではないかと思います。

最後に、データの確認手法の妥当性を確認するということにおいては、必要に応じてとか、制度改正時に対応しているということでありましたが、これも前回枇杷委員から御指摘があったように、ちょっと弱い部分かなと思います。データの確認方法が十分であるかどうかというのは、不断に見直しを行い、高度化していくことが必要ではないかと思います。

今申し上げたようなことは、すぐに対応しなければいけないというわけではないのですが、できるところから順次行っていく必要があると思いまして、まずは実質的な取り組みに期待をしたいと考えております。

私からは、以上です。

○菊池部会長 ありがとうございました。

全体にかかわる話でもあるわけですけれども、その提出資料のもととなるデータの精度と信頼性の確保に関して、今回、各共済にお出しいただいたのですが、直近の数理部会の関心事であるということを改めてお伝えしておきたいと思います。

今、浅野代理からお話がございましたように、一元化が図られた中で制度横断的に検証を行うことが数理部会の任務でありますので、その数理部会からのコメントというか、問題提起というか、要請ということで、これは主として事務局へのお願いになるかと思いますが、精査していただいて、可能なところがあれば各共済等とも連携して進めていただければと思いますし、また、その都度、進捗状況等について御報告もお願いしたいと思いますけれども、事務局から何かあれば。

○山本首席年金数理官 ただいまの浅野部会長代理の御意見やそのほかの委員の皆さんのデータの関係の御意見につきまして、貴重な意見として承らせていただきまして、事務局として、どこまでできるか、いろいろと組織でかなり違っている部分もありますので、何ができるかあたりから検討していきたいと考えております。

ありがとうございます。

○菊池部会長 よろしくお願いいたします。

よろしいでしょうか。

それでは、以上で私立学校教職員共済制度についての聴取を終わります。

お忙しい中、御説明いただきまして、どうもありがとうございました。

席にお戻りください。

(文部科学省 松田私学共済室長、同 小暮私学共済室長補佐、日本私立学校振興・共済事業団 松澤資産運用部長、同 笠原企画室長兼数理統計室長、同 大山数理統計室副参事兼副主幹 関係者席へ移動)

○菊池部会長 なお、本日御説明いただいた皆様へのお願いですが、今後、審議の過程で疑義が生じましたら事務局を通じて照会させていただきますので、その節は御協力のほどお願いいたします。

今後の進め方ですが、平成30年度につきましても公的年金財政状況報告を取りまとめることといたします。その起草作業は、前回と同様、作業班で進め、報告書の素案の準備ができた段階で部会を開催し、審議を行いたいと思います。また、前回の部会で令和元年財政検証の結果を聴取いたしましたが、今後、財政検証時の検証、いわゆるピアレビューを行うこととなります。ピアレビューの実施に当たってはどのような資料を提供いただくのかなど事前の準備作業が必要となりますが、これにつきましても作業班で扱わせていただくことにさせていただきます。

最後に、事務局から連絡があれば、お願いいたします。

○山本首席年金数理官 事務局から、連絡申し上げます。

次回の部会の開催日時等につきましては、改めて御連絡をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

以上です。

○菊池部会長 それでは、第83回年金数理部会をこれにて終了いたします。

お昼に時間が食い込んでしまいまして、申しわけございませんでした。

どうもありがとうございました。

 

 

                                                                                       (了)