2015年1月21日 第29回社会保障審議会年金部会議事録
年金局
○日時
平成27年1月21日(水)14:00~17:00
○場所
東京都千代田区平河町2-4-2
全国都市会館2階「大ホール」
○出席者
神 野 直 彦 (部会長)
植 田 和 男 (部会長代理)
小 塩 隆 士 (委員)
柿 木 厚 司 (委員)
菊 池 馨 実 (委員)
駒 村 康 平 (委員)
武 田 洋 子 (委員)
出 口 治 明 (委員)
花 井 圭 子 (委員)
原 佳 奈 子 (委員)
宮 本 礼 一 (委員(代理出席))
諸 星 裕 美 (委員)
山 口 修 (委員)
山 本 たい 人(委員)
○議題
(1)消費税引上げ延期を踏まえた社会保障・税一体改革による社会保障の充実(年金関連)の取扱いについて(報告)
(2)社会保障審議会年金部会における議論の整理(案)について
(3)社会保障審議会企業年金部会における議論の整理について(報告)
(4)独立行政法人改革等に関する基本的な方針に基づく見直し(年金関連)について(報告)
○議事
○神野部会長 それでは、定刻でございますので、第29回「年金部会」を開催したいと存じます。
新しい年が明けましてから初めての部会でございますので、委員の皆様方に年頭の御挨拶とともに、御多用のみぎりを御参集いただきましたことに伏して御礼を申し上げる次第でございます。
本日の委員の出欠状況でございますけれども、小室委員、小山委員、佐藤委員、藤沢委員、森戸委員、吉野委員、米澤委員から、御欠席との御連絡を頂戴いたしております。
また、出口委員、駒村委員から少し遅れて御出席いただけるという御連絡を頂戴しております。
御欠席の委員の代理といたしまして御出席いただけるということで、宮本委員の代理としてJAMより古川参考人に御出席をいただいております。この部会で御出席につきまして御承認いただければと思います。よろしいでしょうか。
(委員 首肯)
○神野部会長 それでは、そのようにさせていただきます。
そういたしますと、御出席いただきました委員の方が3分の1を超えておりますので、この会議が成立しておりますことをまず御報告させていただきたいと思います。
議事に入ります前に、事務局から御出席をいただいている方々の御紹介と、資料の確認をさせていただきます。事務局、よろしくお願いいたします。
○総務課長 それでは、事務局からの出席者ですけれども、お手元の座席図のとおりとなっておりますので、紹介にかえさせていただきます。
次にお手元の資料について確認をさせていただきます。
本日は配付資料といたしまして、まず資料「社会保障審議会年金部会における議論の整理(案)」。
参考資料1「社会保障制度改革のスケジュール等について」。
参考資料2「平成27年度社会保障の充実・安定化について(抄)」。
参考資料3「これまでの議論の整理」。
参考資料4「社会保障審議会企業年金部会における議論の整理」。
参考資料5「独立行政法人改革等に関する基本的な方針に基づく見直し(年金関連)」。
以上を配付させていただいております。何か不備等ございましたら事務局にお申しつけください。よろしく御確認をいただきたいと存じます。
○神野部会長 お手元御確認いただければと思います。よろしいでしょうか。
それでは、大変恐縮でございますが、カメラの方々につきましてはこれにて御退室をお願いしたいと思います。御協力いただければ幸いでございます。
(カメラ退室)
○神野部会長 それでは、議事に入らせていただきます。お手元に議事次第が行っているかと思いますが、議事次第をご覧いただければと思いますけれども、議題といたしまして4つ準備させていただいております。
1つは、消費税引上げ延期を踏まえた社会保障・税一体改革による社会保障の充実(年金関連)の取扱いについて。これは報告事項でございます。
第2は、社会保障審議会年金部会における議論の整理(案)について。
それから、社会保障審議会企業年金部会における議論の整理について。これは報告事項でございます。
最後は、独立行政法人改革等に関する基本的な方針に基づく見直し(年金関連)について。これも報告事項でございます。
これを議題とさせていただくことにしてございます。
前回は検討課題について一通り議論をしていただいたものを踏まえて、多岐にわたる論点について総覧をするという形で御議論を頂戴いたしました。今回は前回及びそれまでの議論を踏まえて、事務局にお手元にございます議論の整理案として、議論を踏まえて事務局に議論の整理案を作成いたしております。
議題1で御紹介をいたしましたように、この議論の案の説明に先立って、現在、年金改革の前提となっております社会保障・税一体改革について消費税引上げが御案内のとおり延期されておりますので、その状況を踏まえて状況を御報告いただくことになってございます。
したがいまして、議事1、議事2を続けて事務局から資料説明をしていただいた上で、御意見を頂戴したいと思っておりますので、事務局から2つ続けて御説明いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○年金課長 年金課長の度山です。
きょうのメインのイシューは議事の2番目にございますように議論の整理ということですが、それに先立ちまして既に報道等で御案内の中身かと思いますけれども、消費税の引上げ延期を踏まえました年金関連の様々な措置の取り扱いについて、御説明をさせていただきます。
お手元の資料、参考資料1、参考資料2という資料があると思いますが、これは1月14日の予算案の閣議決定に先立ちまして、政府部内で開かれた社会保障制度改革推進本部の資料から抜粋をしてきております。
昨年11月の消費税率の引上げ延期方針が表明されてから1月14日に27年度予算案の閣議決定があるまでの間、社会保障の改革、充実や効率化、重点化ということの内容について、調整を政府部内で進めてまいったところでございます。
参考資料2を開けていただきますと「平成27年度の社会保障の充実・安定化について」というタイトルの資料があると思います。消費税率の引上げは見送りになりましたが、26年4月からの8%引上げの税収が平年度化するということで、27年度は26年度に比べるとおよそ3兆円ぐらい国、地方あわせて消費関連の税収が増収になるということでございます。このうち基礎年金の国庫負担2分の1を実現するために必要な経費ですとか、消費税率引上げに伴う社会保障関連で増加する経費ですとか、そういうものを差し引いて、なおかつ後年度負担ですとか財政赤字の縮小ということも考えまして、27年度は社会保障の充実におよそ3.35兆充当できる。この範囲の中でどのような充実を行うかということも判断が必要になったというところでございます。
年金の関係あるいは福祉的な給付の関係でございますけれども、これらはいずれも一時金と異なって一定の要件を具備することで、継続的な給付金が国と個々人との間で直接発生するものでございますし、何よりも恒久的な制度として創設をされるということでございます。なので、これらはやはり安定財源を確保して実施すべきものであるということで、一体改革の際に出した法案でも、施行日は確定の期日ではなくて、消費税率10%引上げ時というふうに規定をされていたところでございます。
一方で社会保障全体の課題ということを見ますと、一体改革の1つの考え方であります全世代型社会保障への転換あるいはこの政権になってから強調されております女性の活躍の促進。それから、来年度、子ども・子育ての新制度を控えているということがある。そういう子ども・子育て分野ですとか、あるいは医療供給体制の改革、地域包括ケアの推進など、完成に非常に時間を要するサービス提供体制の改革を優先的に進めなければいけないだろうということで、そういうところに充実分を充当していくと整理がされたところであります。
この結果、参考資料1にこういうことを踏まえた社会保障制度改革のスケジュールをまとめてございますけれども、年金の関係で行うことになっておりました受給資格期間を25年から10年に短縮をする措置と、年金生活者支援給付金の支給に関しましては、消費税の引上げ延期と法律どおり自動的に連動いたしまして、29年4月からとなった次第でございます。
なお、法律上、確定期日で規定をされておりました被用者年金一元化、それから、短時間労働者の適用拡大は、参考資料1の2ページ目にございますように、それぞれ予定どおり平成27年10月あるいは28年10月に施行されると整理をされているところでございます。給付を心待ちにしておられた国民の皆様あるいは施行の準備作業に御協力をいただいております地方公共団体はじめ関係者の皆様方、そして一体改革の内容を御審議いただいた先生方にも、このような形で大変御迷惑をおかけする結果になり、申し訳なく思うところでございますが、ただいま申し上げたような事情でございますので、事後報告となってしまい恐縮ではございますけれども、御理解をいただきますようにお願いを申し上げたいと思います。
以上、議題の1番目について御報告をさせていただきました。
その上で資料のほうに戻っていただきまして、縦長の資料になりますけれども「社会保障審議会年金部会における議論の整理(案)」というものを事務局で整理をさせていただいております。
このドキュメントの性格でございますけれども、きょうの資料の参考資料3に「これまでの議論の整理」という横長の紙がございます。これは前回11月19日に部会を開いて御議論いただいたときの資料をそのまま参考資料としてつけさせていただいておりますが、これをベースにいたしまして、それぞれの問題の背景ですとか、検討に当たっての論点がわかるように、それぞれの回の部会で事務局から提出させていただきました説明を付すとともに、11月19日の資料では先生方の意見を羅列する形で資料をつくっておりますけれども、これだけ議論を重ねてきたということもございますので、議論の到達点がわかるように認識を共有できた点あるいは意見が一致した点がどこまでなのかということがわかるように、意見を再構成して編集して文章化したということでございます。
また、11月19日に数名の先生方から御意見を頂戴しておりますが、それも反映する形でまとめたものと御理解をいただきたいと思います。
ですので、ページ数も25ページと大変多くなっておりますので、一通り単純に読み上げることは省略させていただきたいと思いますが、概略どのような形でまとめたかということについて、以下、御説明を申し上げます。
1~3ページが各論に入ります前の総論ということで「はじめに」ということでまとめました。一体改革でどういう議論があり、国民会議でどういう議論をし、そして財政検証でどういうことをやって、どういうことが明らかになったかということを1ページ目にまとめてございます。
その上で2ページ目ですけれども、財政検証後に御議論をいただいてきました制度改革の中身について、個別の検討課題においては意見の相違がある部分があったが、大きな考え方といいますか、そういうところに関しましてはある程度共有できた部分があるのではないかということで、11月19日の資料で言いますと11ページ以降の部分になりますけれども、項目だけ読み上げさせていただきますが、「(1) 労働参加の促進とそれを通じた年金水準の確保」、「(2) 将来の世代の給付水準の確保への配慮」、「(3) 国民年金第1号被保険者の中の給与所得者をできる限り被用者年金に組み込み、国民年金を本来の姿に戻すこと」、「(4) (1)~(3)を通じた基礎年金水準低下問題への対応」、「(5) 国民合意の形成とスピード感を持った制度改革の実施」。この5点について、ほぼ11月19日の記述をそのまま引き写す形で、総論的な考え方ということで整理をさせていただきました。
特に追記した部分だけ申し上げますと、3ページ目の一番最後の○より上のところ、国民合意の形成とスピード感を持った制度改革の実施は、相矛盾する課題のようにも見えるかもしれないけれども、根幹部分の考え方やビジョンを明確にした上で、制度をシンプルに設計していくことが、両方を相矛盾なく進める上での鍵ではないか、という御意見が前回ございましたので、その部分について追記をしているということでございます。
4ページ以降、7つほど大きくテーマで議論したかなと思いますので、それぞれのテーマについての議論を整理させていただきました。
1点目、短時間労働者に対する適用拡大についてでございます。それぞれのセクションにおいて、一番最初に「本課題の検討に当たっての論点」を書かせていただいております。これは主に事務局からデータとか決まり事を説明した上で論点を提示させていただいて、御議論いただいたわけですけれども、それを記述したということでございます。それ以降、それぞれ議論した中身において整理をさせていただいております。
適用拡大の関係では、まず大きな方向性としては、さらに適用拡大を進めていくという大きな考え方については、これは皆さん一致で異論はなかったと認識できようかと思います。ただ、その下に○が2つぐらいございますけれども、一定の例えば特定の事業への配慮ですとか、中小企業の負担の問題あるいは医療保険の拠出金負担の問題とか、そういう留保はついておりますが、大きな考え方としては異論はなかったと思いましたので、そのように整理をさせていただきました。
5ページ、一方で28年10月に施行されるという、当面、何をやらなければいけないかという問題に関しましては、この施行をもっと早くできないのかという御意見もたくさんいただきましたけれども、これは中でいろいろ考えてみたのですが、いろいろな準備作業ですとかシステムの関係ですとか企業への説明ですとか、いろいろ考えますとなかなかそういうことは難しいということで、あくまでも28年10月の適用拡大の大きな枠組みの中で今できることを考えていくということですが、何かしらこの問題を一歩でも前に進めることが重要だということは、皆さんそういう御意見だったと思います。
ただ、何ができるかということについて結論が出たわけではございませんけれども、御意見としては、適用拡大の対象から外れてしまっている方、特に企業規模の小さいところで適用除外になる方について全員とは言いませんが、条件が整ったところから任意で適用拡大するというアイデアはあるのではないかという御意見をいただきましたので、それを記述しております。
それから、適用拡大とあわせて取り組むべきことということで、適用拡大は28年10月に推計25万人の規模でスタートするわけですが、それと匹敵してもかなり大きな規模の方が本来、適用されるべき方が適用されていないという実態があるのではないかという御指摘もいただいたところでございます。これに関しましては、幾つかの解決策も含めて御説明をさせていただきましたけれども、この努力を重ねることが必要であるということは皆さん一致した意見だったかなということで整理をさせていただきました。
5ページの一番下から8ページまでは、そういう意味で言うと本格的な見直しは28年10月の施行状況を踏まえての検討ということになりますが、現段階において5つの要件についてそれぞれどのように考えるべきかということについて、整理をさせていただいております。
週の所定労働時間20時間という問題に関しましては、現時点における考え方としては妥当ではなかろうか。雇用保険等の並びということでそういう意見があった一方で、これから働き方が変わってくる、そのような議論も行われている中で時間というものの意味をどういうふうに考えるか。むしろそういうことではなくて、成果ではかることにも対応していく必要があるのではないかという御意見もいただきましたし、20時間で切ってしまうと、20時間を切るところで働いていらっしゃる方、特に2つ、3つの仕事を掛け持ちされているような方はどこでも拾われないという問題、そういうことも考えなければいけないのではないかという御意見をいただきましたので、整理をさせていただいております。
賃金基準で月額8.8万円という問題に関しましては、皆さん水準はともかく引き下げていくべきだということだったと思いますし、最低賃金で週20時間で計算しますとおおよそ5.8万円という計算になりますので、そういうレベルのところまできちんと拾えるようにすべきではないかという御意見も11月19日にいただきましたので、文章化をさせていただいております。
(3)勤務期間が1年以上が見込まれることに関しましては短時間労働者、出入りが激しいのでこのような要件は必要ではないかという意見があった一方で、通常の労働者の場合にはこれが2カ月ということになっておりますので、殊更にこれを1年という高いハードルを設ける必要があるだろうかという、これは両面からの意見があったと考えております。
(4)の学生を適用対象外とすることに関しましては、学生像も変わってきているので一律に学生さんを適用除外とする必要はないのではないかという御意見がありましたので、それを文章化させていただいております。
最後に企業規模の基準、501人以上という要件に関しましては、これは本来、社会保険というのは適用事業所に適用されるということですので、法律上も附則に当分の間の経過措置として規定されているということ、あるいはたまたま勤めた事業所がこの要件に当てはまらない事業所だったということで、同じ働き方をしていても違う取扱いになるというのは合理的な説明がなかなかできないということで、あくまで経過措置として考えて引き下げていくべきだという考え方だったと思います。
ただ、このスピードに関してはもちろん急いでやるべきだという御意見もありましたが、準備が整わないのに進めていくと、また別の問題も生じるという御意見もございましたので、整理をさせていただいております。
2つ目の課題、9ページになりますが、高齢期の就労と年金受給のあり方という問題でございます。この問題に関しましては2つ。まず1つは65歳までが雇用継続措置もあり、ほぼ現役世代と考えて、年金のほうではどのように対応していくかという問題。それから、65歳を超えても年齢にかかわりなく意欲と能力に応じて働き続ける社会の構築というものが求められている中で、年金制度における対応をどのように考えるかという、この大きく2つの問題について御議論をいただいたところでございます。
その中でまず65歳までというところに関しましては、保険料拠出期間を原則、今は20~60歳の40年になっているところを、65歳までは現役と考えて45年モデルで設計をするというアイデア、考え方について御説明をさせていただいて御意見をいただきました。このこと自体は大変自然な流れと理解していただいたと思いますけれども、一方でこれを基礎年金に当てはめました場合には、基礎年金の半分は国庫負担によりファイナンスされているということもありますと、国庫負担の増という問題が生じてくるということです。この国庫負担の増をどう考えるかということに関しましては、さまざまな観点から御意見いただきましたけれども、いずれにしても安定財源をどのように確保するかというのが重要な課題となるということではないかということで、このようにまとめさせていただいております。
一方、65歳以降の就労と年金ということに関しましては、雇用の分野ではさまざまな働き方という多様な働き方を踏まえた対応が必要ではないかということが議論されていることを事務局から御紹介をさせていただいて、そういう考え方をベースに置くと、一律に何か年金の支給開始年齢の引き上げの議論に結びつけていくというのは慎重にあるべきではないかとか、あるいは強制ではなくて選択で考えるべきではないかという意見があった一方で、そのような財政中立的な改革では不十分ではないかという御意見とか、あるいはやるとするとかなり時間を要する問題なので、早くから議論をスタートすべきではないかという御意見をいただきました。
それから、今の制度でも実は年金の繰り下げ制度というものがあるのですが、あまり利用が進んでいないということで、このことに関してはもう少しメリットというものを国民にきちんとお伝えをする工夫が要るのではないかという御意見もいただいたところでございます。
13ページ、3つ目の課題、年金額の改定(スライド)のあり方についてということでございます。これも2つのテーマについて御議論をいただいたところでございます。
1つは物価と賃金の関係で、どちらか低いほうということで改定のルールを定めておりますが、そのルールが徹底されていないということについて、どのように考えるかという問題です。14ページにまいりますけれども、これに関しましては物価変動が賃金変動を上回る場合には、低いほうの賃金の水準に連動して改定する考え方をプラスの場合でもマイナスの場合でも徹底するという御意見で大体御理解いただいたかなと思いましたので、このようにまとめてございます。
もう一つの課題、マクロ経済スライドの調整のルール、特に名目下限措置のあり方についてということで御議論をいただいております。財政検証でもオプション試算をやりまして、調整をきちんとやったほうが将来世代の年金の給付水準は確保できるという事実が確認できたということでございます。
いろいろな御意見がありましたけれども、皆様の先生方の共有点がどこにあるかなということで14ページ中ほどでございますが、この結果を踏まえ、本部会における議論では将来世代の給付水準を確保する観点からは、マクロ経済スライドによる調整が極力先送りされないよう工夫することが重要となるという認識について、おおむね共有されたとまとめてみたところでございます。
一方で名目下限措置をどうするかということに関しては、将来のことも考えて、あるいは今の高齢者だってそれによって困ることがあるかもしれないということで、きちんとやるべきだという御意見があった一方で、調整の幅は伸びの範囲内にとどめるべきではなかろうかという御意見もあったと思いましたので、ここはそのような形でまとめさせていただきました。
15ページの一番最後に、マクロ経済スライドはおそらく来年度、27年4月分の年金から初めて発動することになりますけれども、制度発足以来10年間発動せずに来たということもございますので、なかなか制度の理解が進んでいないということは御指摘をいただいたところでございます。ここについてはわかりやすい説明を丁寧に行っていくことが大切だという御指摘をいただきましたので、文章化をさせていただきました。
16ページ、4点目、高所得者の年金給付あるいは年金制度における世代内の再分配の強化という問題でございます。高齢期の高所得者に対する年金給付の調整ということに関しては、3党協議の経緯も御説明したところでございます。実際に御議論の中では、この年金額の調整を行うべきか否かということについての議論は分かれていたように思いますが、ただ、年金だけで考えるのではなくて、税制とか社会保障全体の中でこの問題を考えていくという考え方については、皆さん共有されているのではないかと思いましたので、16ページから17ページにかけてそのような記述をさせていただいております。
17ページ、年金制度内における再分配の強化ということですが、高い方、低い方それぞれテーマがあると思いますけれども、まず下のほうに関しましては、短時間労働者の適用拡大を進めていくことが再分配の強化という観点からも効果的であるということは御理解いただいたかなと思います。一方で上のほう、標準報酬の上限の問題とか、それと給付のリンクの問題に関しましては、それぞれ将来的にはそういうことも考えていくべきだという御意見がある一方で、財源対策としてそのようなことを行われるのは適切ではないと御意見が分かれていたように思います。
18ページ、5番目の課題、働き方に中立的な社会保障制度についてということで、130万円の壁の問題あるいは第3号被保険者の問題について説明をして議論をいただきました。これはちょうど年金部会に先立って経済財政諮問会議で議論がございましたので、そのときの議論も御紹介をし、御意見をいただいたわけですが、まず130万円の壁と言われるいわゆる就業調整の問題に関しては、これは被保険者自身の問題だけではなくて、事業主の保険の適用のいわゆる回避行動のようなものがあわせて働いていると考えるべきではないか。そういう観点から考えると、適用拡大というものがこのテーマの解決策としても重要ではないかということは御理解いただけたかなと思います。
その流れの中で第3号被保険者をどのように考えるかということでございますけれども、19ページのほうに入りまして、社会の趨勢というものを考えると、第3号被保険者を縮小していくべきであるという方向性については、おそらく皆さん共有していただいたと考えます。一方でただ今の第3号被保険者にはかなりさまざまな方がいらっしゃるということなので、そういう方それぞれにどういうふうに解決していくかという道を考えなければいけないという考え方についても共有いただいたかなと思います。
この問題を解いていくステップや順序として適用拡大を進めるということ、あるいは両立支援を進めるということで、第3号被保険者ではなくて第2号被保険者のほうに組み込んでいくことが重要であることも共有されているかなと思います。そうやって解いていくと一番最後に純粋に無就業の方が残るという問題がありますが、この点に関しましては年金分割の方法で考えるべきではないかという御意見ですとか、あるいは免除の方と同じように給付は半分にするというのでいいのではないかということですとか、あるいはその中でも特に世帯としての所得がたくさんある方からは、保険料をいただくというのも考え方ではなかろうかと、いろいろな意見があったということでまとめさせていただきました。
21ページの第6課題、第1号被保険者の産前産後期間の保険料の取扱いということでございますけれども、この問題が起きた政治的な経緯も御説明をさせていただいた上で、もともと産前産後の休業というのは母体保護の観点から設けられている休業制度であるからして、そういう意味で言うと第1号被保険者に同じように考えるということは、妥当な考え方ではないかということだったと思います。その上で、そういうふうにしたときに国民年金の制度上は保険料免除になると給付は半分になってしまうことに関しましては、この免除措置は次世代育成支援という目的のためにやるということであれば、できれば基礎年金を満額保障する方向が望ましいのではないかという御意見だったと考えております。
ただ、この場合にはその保険料負担の部分をどのようにファイナンスするか。その見合いの保険料負担をどのように考えるかということになります。制度的にはこれを第1号被保険者全体で分かち合っていただくことになりますが、保険料をアップするということに関しては新しいサービスというふうに考えれば、それは妥当ではないかという御意見と、固定をした以上、引き上げるのは難しいのではないかという御意見。あるいは厚生年金との間で何か考えられないかという御意見もありましたけれども、制度内の財政融通というのはなかなか簡単にはできない問題だという御意見それぞれあって、財政の問題をどう考えるかということに関してはいろいろ複数の御意見もいただいて、これを参考にこれから考えていくことになるかなと思っております。
23ページ、第7番目の課題、遺族年金制度のあり方についてということでございますが、諸外国ではこういう制度設計になっているのが一般的だという考え方を御紹介させていただきまして、我が国もそうだと思いますが、今後おそらく共働きがもっと一般化することを前提にして、遺族年金というものはどのような姿になるかということについてはある程度イメージをいただいたかと思いますが、ただ、現実の社会にそれをすぐに当てはめていくことになるといろいろ混乱も生じますし、先ほど御説明した第3号被保険者制度で分割の方向で考えるのか考えないのかということによっても、遺族年金のあり方の帰結が変わってくるという御指摘をいただきました。その上でやや時間をかけて基本的な考え方の整理から行っていくのがよいのではないかという御意見も頂戴して、おおむねそういうことで了解をいただいたかと思いましたので、24ページにそのようにまとめさせていただきました。
最後に25ページ目「おわりに」ということで書いてございます。議論を始めるときに申し上げましたけれども、もちろんプログラム法に規定された課題というものもあるわけでございますけれども、今すぐに改革のスケジュールに乗らない論点も含めて幅広い議論をお願いして、していただいたと理解しております。
そういう中である程度の議論を積み重ねてきたわけでございますが、実は年金制度に関しましては、プログラム法ではいつまでに何をやれというふうには書いていないことがございます。ただ、5年に一度、財政検証をやり、その時点で必要になった課題についてはきちんと手を入れていく。これをずっと繰り返し繰り返し行うことで制度の持続可能性が担保されるということを考えますと、いろいろ先々になってから考えなければいけないという課題もあるわけですけれども、当面の改革で手当すべきものもあるだろう。そのようなものについてはきちんと具体的な改革の歩みを進めるよう切に要請するというのが、この議論に参加いただきました先生方のお気持ちではないかと思いまして、このようにまとめさせていただいたところでございます。
以上でございます。
○神野部会長 どうもありがとうございました。
議事1について御報告をいただいた上でもって、議事2にかかわるおまとめいただいた議論の整理について適切に御説明を頂戴いたしました。もちろん議事1について御質問をいただいても構わないのですけれども、議論2について御議論を頂戴できればと思っております。どなたからでも結構でございます。いかがでございましょうか。菊池委員、どうぞ。
○菊池委員 ありがとうございました。
今回の議論のフレームは、事務局が設定されたものでありますが、議論の中身につきましては委員の皆様のさまざまな意見をほぼそのまままとめられたもので、異論はあまり出ないのではないかと思います。私もこれまでその都度、意見を述べさせていただきましたが、その中身についてはおおむね盛り込んでいただいているので、まとめ方の全体としての方向性には異論はございません。
ただ、この議論の整理において一定の大まかな方向性が見出せるとしても、具体的な政策選択のレベルで一致したと言い得る具体的な項目は少なく、法案化するとなれば、もう一度この方向性が明確になった段階で、ぜひここで議論する機会を設けていただきたいと思います。
非常に雑駁な感想なのですが、従来は単純化して言えば公的年金は基礎年金が最低生活保障で、厚生年金がその最低生活を超えた従前所得保障という性格づけだったと思います。ただ、現在では一方では低年金者対策などを踏まえて被用者年金、厚生年金を含めてトータルで最低生活保障をどう図っていくかを考える時代になったのだなと思います。
他方、このマクロ経済スライドの本格稼働を踏まえると、基礎年金のみで老後の最低生活保障が図られるわけでは必ずしもなくて、年金制度全体の中で、あるいは他の社会保障制度もあわせて最低生活保障をどう図っていくかを検討する時代になったんだなと。その意味では公的年金の役割や性格が変化しつつあって、これをどう考えていくかが問われる時代になったのだなという雑感めいたことを感じた次第でございます。
こうした観点を踏まえますと、確かに3ページにありますようにシンプルな制度設計がよいというのはもっともなのではありますが、制度が分立している日本の社会保障制度の中では、さまざまなバランスを考える必要があって、なかなか難しい面があることも事実であるように思います。
各論部分については特にないのですが、若干繰り返しになってしまうのですけれども、気がついたところを申し述べさせていただきますと、5ページの企業規模要件を満たさない事業所の労使合意による任意の適用拡大についてですが、以前申し上げましたように、私は筋としては一律に適用するべきではないかと思っております。労基法上あるいは労契法上の労働者あるいは厚生年金保険法上の使用される者でもあるという、同じグループに属し、なおかつ所得的に最も公的保障の必要性が高い方々が任意適用のもとに置かれるというのは、本来の筋とは違うように思います。なので、もし導入するのであれば、附則に規定を置いて、近い将来の適用拡大に向けた経過措置であることを明記してほしいと希望しております。
同様のことは高齢者の保険料拠出期間の拡大についても言えると思います。もし実施するのであれば、基本的には全ての国民に拡大し、財源の問題はありますけれども、少なくとも負担能力がない場合には免除制度の活用を図っていくというのが筋ではないかと思います。
これも以前述べさせていただきましたが、賃金連動による改定の考え方の徹底とマクロ経済スライドのフルスライドについてですが、両方発動される場合にはかなり受給者の方に与える影響が大きくなる可能性がある。さらに受給権は財産権的な性格がありますし、あるいは受給者の期待的利益も一定程度配慮する必要もあるだろうという面で、何らかの歯止めの仕組みを考える必要はないかどうか、検討する余地があるかもしれないと思います。ただ、そうすると結局また二重の苦しみみたいなことになって、従来と同じではないか。なかなか難しいところではあります。ただ、そういったことを考えないと結局2000年度から3年間にわたって行われた特例法による措置のようなものが、政治的に行われる可能性は排除できないのではないかという気もいたします。
最後に、この後、御説明があると思うのですが、3番目の議題で企業年金部会の議論の整理では、かなり公的年金の動向を強く意識して書かれておられるように思います。こちら年金部会の整理では言及がないのですけれども、公私年金による老後所得保障の確保と充実という面では、こちらの年金部会の議論の整理においても最初か最後かは別として、企業年金の普及拡大に向けた見直しの方向性、後から説明があると思いますが、中小企業向けの取り組みや個人型の対象拡大というものが含まれているようですので、そういったことに簡単でも言及しておいたほうがいいのかなという感想を持った次第です。
少し長くなってすみませんが、以上です。
○神野部会長 どうもありがとうございました。
全体評価していただいた上で幾つかコメントを頂戴し、また、必要あらば法案化するレベルでも意見を述べ得るような機会があればというような御意見を頂戴したいと思います。いかがでございましょうか。どうぞ。
○小塩委員 私は中身に入る前に、幾つか形式的なことをお聞きしたいのですけれども、今まで何回かこの部会で年金改革のあり方について議論してきたのですが、5つのケースについて数字で議論をしてきたわけですが、おそらく消費税率の引上げが延期されましたので、内閣府のほうで新しいマクロの試算が発表されるのではないかと思うのですが、それも踏まえて今後、年金部会としてどれを基準ケースにするのかという、そういう数字の議論をする必要があると思うのですけれども、そのスケジュールみたいなものがあればもし教えていただきたいということです。
2番目は、今まで3つのオプションについて議論してまいりました。それぞれ非常に重要な問題提起だと思いますし、私は全部やったらいいと思うのですけれども、部会として具体的にこれをやりますというふうに政策提言をされるおつもりなのかということです。最後の先ほどの議論の整理の最後のページでは、期限は定まっていないのだけれども、早目に改革しないといけませんということをおっしゃっているので、今後の進め方についてスケジュール感をお聞きしたいと思います。
それと関連いたしまして、現在の当面の改革で手当すべきものも少なくありませんという御指摘があったのですけれども、具体的にそれは何なのでしょうか。もしすぐにできるようなものがあるということでしたら、やったらいいと思うのですけれども、それが何を意味するのか教えていただきたいということです。
以上3点を質問したいと思います。
○神野部会長 これはマクロ試算とかスケジュール感等々ございますか。
○年金課長 まず1つ目の新しいマクロの試算ということで、私の記憶では大体年頭と年央といいますか、大体6~7月ぐらいに年に2回ぐらい、ややパースペクティブを広げた中長期試算というものを内閣府のほうで作業されておられたと思いますが、おそらく今年は予算がおくれているということもあって、例年ですと今ごろに発表される年頭のほうの試算が出てきていないし、スケジュールについても具体的には聞いていないというのが今の実情です。なので、そこはまた内閣府とコミュニケーションをとらせていただいて考えたいと思いますけれども、基準ケースをどう考えるかということに関しては財政検証のときにも御説明申し上げたと思いますが、どれかを基準ケースにするということではなく、全体で考えていくという考え方で今回財政検証をやりましたので、新しいマクロの試算というものを踏まえてどう考えるかという問題と、基準ケースをどう考えるかというのは分けて考えることになるかなと思います。
2つ目、3つ目の今後のスケジュール感あるいは具体的にどの項目をという問題でございますけれども、例えば短時間労働者の適用拡大のように本格的に28年10月の施行状況を踏まえてというものに関しましては、なかなか当面の改革課題に乗ってこないということがございますし、例えば第3号の問題とか遺族年金の問題とか、そういうことに連動して考えなければいけない問題も、そういう意味で言うと今回具体的な改革というものをまとめていくのは先の問題になるかなという印象でございます。
それ以外のものに関しましては、意見の集約状況も念頭に置きながら、どういう課題が実際に制度改正になるかということについては、政府部内あるいは与党との調整というものもこれから必要になってまいりますので、そこを念頭に進めていくという考え方だということなので、現時点でどれとどれをということに関しましては今後の調整もございますので、そのようなものとして御理解いただければありがたく思います。
○神野部会長 ありがとうございました。
ほかいかがでございましょうか。
○駒村委員 これは文言についてのコメント、御質問を含めてもよろしいですか。
1つ目は、先ほど菊池先生が御指摘された企業年金部会とこちらの報告書の関係性については、企業年金部会の報告書を見れば公的年金の水準を意識した書きぶりになっていますので、そこと少し関係のあるようなところがあったほうがいいのではないかと思いました。
文言ですけれども、事前に少しコメントをしておいたほうがよかったのかもしれませんが、幾つか表現として確認するというか、補足したほうがいいのではないかという部分があります。内容全体としては特段異論がないわけでございますが、表現ぶりとして正確に書いたほうがいいのか、それともここで確認したほうがいいのかということがあると思います。
3ページ(4)の上から5行目、「基礎年金のスライド調整期間が長期化しということで、将来の水準が相対的に大きく低下する問題は放置できない」。そのとおりだと思うのですけれども、明確に文章が長いので、ここで言う水準というのは一体何の水準なのかというと、これは基礎年金の水準なのです。相対的にというのは、何と比べて相対的なのかというのがよくわからなくて、ここはあえて比べる相手がないと相対的と言えないのではないか。呼び方によっていろいろな呼び方ができるかもしれないので、そこは少し加筆したらいいのではないかと思いました。
17ページの一番最後の○ですが、これはおそらく菊池先生かどなたかの表現そのものかもしれませんけれども、「すべての保険料納付と給付が紐付いていなければならない」というのはどういう意味か。紐付くという表現というのがどういう意味なのか。これはこのときの議論から言うと、線形で対応しなければいけないという話ではなくて、非線形で対応していてもいいという意味ですね。紐付くと言うと非常に表現としてはいろいろ広いとり方もできるので、その辺は明確にしたほうがいいのではないかと思いました。
以上です。
○年金課長 今のことについてコメントを申し上げます。
まず菊池先生からも御指摘いただいた企業年金と公的年金の関係は、確かに配慮が足らなかったなと思いますので「はじめに」の部分か「おわりに」の部分かに企業年金部会の報告書も見まして記述を考えたいと思いますので、そこはそういうふうに取り扱わせていただきたいと思います。
「相対的」の意味なのですけれども、年金部会では実は2つの御説明をしました。1つは財政検証でも明らかになっているように、厚生年金の2階部分の期間と基礎年金のほうの水準調整期間がかなり違うということと、もう一つは最初にマクロ経済スライドを導入した平成16年のときの財政再計算では基礎年金、低下するにしてもどの程度まで低下というのが予想されていたか。それと比べても21年や26年の結果は水準低下が大きくなっている。その2つの説明をさせていただいたのですが、そこを端折ってこのように表現をしておりますので、ちょっと考えさせてください。
○神野部会長 山本委員、どうぞ。
○山本委員 ありがとうございます。
これまでの議論を全網羅的に漏れなくまとめていただいているということで、まことにありがとうございます。ちょっと感じたところだけ2点ほど申し上げたいと思って手を挙げたわけでありますけれども、全体的に適用範囲の拡大につきましては、これは一つの時代のあり方、これからの高齢化社会であったり長寿社会を目前にして、この道は進んでいかなくてはいけないということのように思われますが、先般の財政検証の段階でも、労働に参加をしていくということが前提となって、これらの将来見通しも立っていくという御指摘だったかと思っていまして、その点で適用範囲が拡大するということは大変いいことなのだけれども、ただ、それが全網羅的にひたすら網の目を広げていくというふうにこの全体の論、色彩がそういうふうになるよりは、むしろこれからの人々が労働に積極的に従事していって、そこに入っていくというところに結びつけて、そのことが全体の年金の財政のバランス化を図っていくということですから、そこのところが1ページ目の4つ目の○の(1)に非常に重要なことが書いてありまして、労働参加を促進していくということでありますけれども、ここのところをさらにそれらのオプションというものは本当にどういう形で広がっていくのかということで、女性が短期労働者ではなくて、さらに正規社員になっていくとか、あるいは高齢者が仕事に従事していけるオプションが広がるとか、そういう方向性に向けてこのことが進んでいきませんと、ただひたすら適用範囲を拡大するということに全体の論調がとられないようにしていくことが非常に重要なところかと思ったのが1つでございます。
もう一つは企業規模の500人以上というところでございますけれども、これは中小企業者から見ますと負担増は非常に厳しいということがございますので、ここのところは非常に慎重な議論が必要だと思いますが、逆に心配されますのは、いわゆる労働者が中小企業の将来的な見通しに不安を持つ余りに、そこに人材が集まってこないというような将来的な不安もこれによって惹起されてくることもないではないのではないかということで、たまたま働いた勤め先が中小の事業者であることで、さまざまな制度が適用されないこととなるところで実は終わっているわけですけれども、それはどうするんだというところは、今回の中ではコンクルージョンまではいかないかと思いますが、今後の問題としてはそこのところをうまく社会の中で均等化を図るようなことを考えていきませんと、中小にはさらに人が集まっていかないということになってもいけない。一方、負担の増大は困るという非常に難しい相克する問題に直面するわけですけれども、そのような点について若干、今後の検討の重要性を感じたという2点でございます。
○神野部会長 ありがとうございます。
山口委員、どうぞ。
○山口委員 どうもありがとうございました。
まとめについて私も全く異論はございません。
ちょっと気になった点というか、教えていただきたい点がありまして発言しましたけれども、11ページの「65歳以降の就労と年金について」というところがございまして、下から2つ目の○ところに「多様な高齢期の就労の在り方に対応し」というところなのですが、ここで「繰下げ受給のメリットを国民に伝える工夫」という表現があるのですが、65歳以降にお勤めになっていて、在職しているという場合に在職支給の停止になるという65歳以上もありますね。その場合は繰下げを選択しても実際には支給停止になっているわけですので、効果がないのではないかと私などは理解しておりまして、ですからここで言っているメリットというのは何を指しているのかというのがわからなかったのです。それで教えていただきたいということです。
もう一つ、これは最後のところなのですけれども、これはむしろ私も全く同感ということで申し上げたいのですが、今回のオプション試算が非常に代替率でもって表現をするということで、非常にわかりやすくて重要な役割を果たしたというのが私も全くそのように思っておりまして、これについて評価をするというのは全く同感だ。今後も財政検証の中でこういうやり方を継続していくことが必要ではないかと感じた次第でございます。
以上です。
○神野部会長 ありがとうございました。
最初の点、どうぞ。
○年金課長 今の問題について解説をさせていただきます。
まず、確かに現行の制度では繰下げ制度がある一方で在職老齢年金の支給停止もありますので、両方がかかってしまうと実は繰下げても年金がふえないという問題は現行制度上はございます。なので本当に皆さんに繰下げのメリットが行くというふうになるとすると、これは11ページの最後の○のところに書いてございますし、財政検証のオプションの3番目でもやりましたけれども、在職老齢年金の支給停止そのものの仕組みをやめてしまうことが必要になると思います。
ただ、これはこれでいろいろ御意見があったところでございますので、今後どういうふうに考えるかという問題だと思いますが、1つは65歳以上の在職停止に関しましては、従前60歳の前半に適用されていた在職老齢年金よりも、かなり賃金と年金の合計が46万円だったと思いますが、高い水準で設定されておりますので、そういう意味で言うとそれほど高くない給料でお働きになる方については、適用がかからない仕組みになっているということがまず1点。
繰下げ受給のメリットをどういうふうに考えるかということですが、確かによくテレビで報道なんかでもされますけれども、当然のことながら財政中立的にといいますか、何歳からもらっても受給総額が変わらないように繰り上げ下げの率というものを考えておりますので、生涯の受給できる額ということのメリットは実はないのでございますが、ある意味で生活保障というのが本当に収入がなくなったときにどれだけの年金を受け取ることができるかというふうに、人生トータルでどれだけもらえるかということとは別に、本当に収入がなくなったときにどれだけの保障がもらえるかということになりますと、65歳を超えても働いている間はその収入で暮らせるのであれば、先に送った上で、本当に働けなくなってからそれよりも水準の高くなった年金をもらうというのは、考え方はいろいろあると思いますけれども、1つのメリットということで考えられるのではないかと思います。あまりここは個別には御説明申し上げませんでしたが、そのようなことは言えるかと思います。
○神野部会長 ありがとうございました。
原委員、どうぞ。
○原委員 これまでの年金部会における議論の整理をまとめていただきまして、ありがとうございました。私も全体のまとめ方ですとか、物については特に異論もございません。その中で少しだけコメント等をさせていただければと存じます。
まず「はじめに」の最初のページのところのまとめをいただいたのですけれども、やはり公的年金制度ということですので、その中で制度の持続可能性をより強固にすることは特に重視すべきかと思います。
持続可能性とよく言われますけれども、それが公的年金制度の正しい理解に基づいた持続可能性ということを実現して、それを強固にしていかなければならないと思っています。なぜなら、公的年金は個人年金と違って社会全体における支え合いの制度ということだからだと思います。というのは先日行われました高校ですとか大学のほうで今、公的年金のわかりやすい情報発信モデル事業というものを聴講させていただきましたけれども、高校生、大学生に対して公的年金の将来のさまざまなリスクに備えた助け合いの仕組みですとか、保険の1つですということですとか、あとは公的年金は皆が加入して支え合う制度なんですというふうに伝えているかと思うのです。
なので支え合いという公的年金の特色とも言える絆というものを崩さないためにも、ぜひ丁寧な説明による国民合意の形成を図りつつ、特に将来世代のさらなる信頼を得るためにも、少子高齢化等のスピードに対応した制度の見直しをすべきところは段階を経てですけれども、していくことが重要かと考えます。
各論についてなのですが、2つだけコメントさせていただきます。先ほどから出ている適用拡大のところについては、方向性の1の中でも労働力人口が減少して、平均寿命が延びる中、年齢や性別にかかわりなく誰もが意欲と能力に応じて安心して就労できる機会の拡大という形で、「安心して」ということもあってもいいのかなと。個人的な意見ですけれども、思います。
というのは、働き方の選択に中立的な制度設計といったことからも、この被用者保険、厚生年金保険の適用拡大は速やかに実行されるべきで、特に現在、パートタイマーとして働いているような方には、厚生年金保険に加入することの福利厚生的な利点について、それから、事業主の皆様には人材の確保ですとか人材の育成といった視点といったものを意識していただきながら、こういったことは同時に進めていただきたい。速やかに適用拡大については進めていただきたいと思っています。
5ページ目にありました3つ目の○で、先ほどからも皆様からも御意見が出ていますけれども、平成28年10月のところで適用拡大の対象から外れるものについてということで考えたときの企業規模の要件のところで、何名かの方からもお話が出ていますけれども、ここにあるとおり個人的には中小企業の部分で500人未満というところですと、いきなりというのは厳しい部分もあるかと思いますが、個人的には加入条件が整ったところ、労使合意等ができたところという前提で任意に、まずは適用拡大をできるようにしていくことはいいのではないかと補足的になってしまいますけれども、前も言いましたが、思っておりますし、もちろんあるべき姿というものがあると思いますので、働く場所によって、あるいは規模とか業種によって一律に除外されてしまうというのは中立的とは言えないと思いますので、まずは任意という形で進めて、そして次のステップで徐々に速やかに企業規模要件を広げていくという流れがあってもいいのではないかと思っております。
そういった意味で考えると、学生さんという属性ですね。いろいろな方が今、働いていますので、業種ですとか企業規模の要件を外していく方向があるのであれば、第2のキャリアステップを目指して、キャリアアップを目指して勉強されている方も今、40代とか30代でもおられますので、そういった方に対しての学生といったことでの一律除外というのはどうかなと、これも前に申し上げてしまったのですけれども、思っています。
企業にとっても、そうすることで、その本人によっては勉学と実務の両立にもつながり、そのままフルタイムになって企業としての戦力になったり、求人につながるといったことも考えられるかと思います。
あとはスライドのところは非常に確かに難しい問題で、慎重にやっていかなければならないことかと思うのですけれども、ただ、平成26年の財政検証のオプションの試算でも示されていますとおり、物価スライド、賃金スライドに加える新しい、新しいと言っても10年たって初めて発動されますマクロ経済スライドを発動されますが、まさに書いてあるとおり、支える人と支えられる人のバランスによって決まる調整であるということが特にそうかと思います。
しいて言えばもう少しわかりやすい通称があってもいいのかなと思います。「マクロ経済スライド」だとすごく難しいですので、今いろいろなところで御説明していますけれども、なかなか理解が苦しい部分があるかと思いますので、そういったなぜこういう調整が入るのか、入った結果どうなるのかといったことも含めて、こういった広報の活動は重要かと思いますし、まさに将来世代の給付水準を確保するためには必要な制度であると思いますので、支え手側である現役世代、若年層世代への信頼のもとに制度の持続性といったものを保つためにも、誤解のないような広報活動をしっかり行いながら、こういった財政検証の結果に基づいて、スライドといったものはどういうふうにかけていくかといった議論、検討を進めて、方向性はある程度示される必要があるのではないかと思っております。
以上でございます。ありがとうございました。
○神野部会長 ありがとうございました。
花井委員、どうぞ。
○花井委員 私のほうは改めて意見を述べさせていただきたいと思います。
6ページのところです。短時間労働者のところでございますが、(1)の「週の所定労働時間が20時間以上あること」の最後のところに追加されております「複数の仕事を掛持ちするような人は」というところ、これはダブルジョブ、トリプルジョブの話かと思うのですが、既に非正規労働者が2,000万人を超えたということが報道されておりまして、これからも増えるのではないかと言われております。現実的に2つ、3つ掛け持ちしている方、そこで生計を支えている方というのが増えていると言われておりますので、今後の重要な課題としてダブルジョブ、複数の仕事を持っている人の社会保険の適用のあり方をどうしていくのかということを、ぜひ今後の課題として置いておいていただきたいというか、次の検討のときにはそのことをお願いしたいと思います。
それから、適用拡大で501人のところですが、これは経過措置として附則に記載されているということで、今回、任意適用の1つの501人以下でもいいですよということなのだろうと思うのですけれども、そういう意味で言うと学生についてもどうなのかという意見があったし、8.8万円のこととか、その付された条件についてこれが非常に合理性があるのかという意見がたくさん出たと思います。そもそも2016年10月施行がどうか、もっと前倒しできないかと主張してきたわけですけれども、そのことがなかなか難しいということで、一歩でも前進ということで501人のところがもしかしたら明確には書いていないですが、任意適用の対象にされるのかなと読めることは前進かとは思うのですが、ただ、ほかの条件についても課題は残されておりますので、そのことにつきましても引き続き3年後の見直しと入っておりますので、そこもぜひとも検討をお願いしたいと思います。
マクロ経済スライドにつきましても、2004年にでき上がった財政フレームからしますとマクロ経済スライドの発動というのはある程度やむを得ないのかなと思いつつも、名目下限措置を撤廃することにつきましては、先ほども出ておりましたように本当に低年金あるいは厚生年金含めて、それだけで生活している方も相当数いらっしゃる。ましてや基礎年金だけの方にとっては、受給額が減るということは大変に大きな恐怖でもあるわけです。負担する者と受給する側のバランスというのは大切だということも十分わかるし、将来世代に負担を負わせてはいけないということも十分理解しておりますが、急激に基礎年金のところにマクロ経済スライドをかけて下げていくことについては、もっと慎重であるべきだということを改めて述べさせていただきたいと思います。
それから、質問なのですけれども、ここで掲げられた具体的な課題について、どれが法制化されていくのかということはこれから与党の中で検討されていくということなのですが、そのことはもう一回年金部会で説明されるというふうにとっていてよろしいのですねという確認です。
以上です。
○神野部会長 いいですか。事務局から御意見ありますか。
○年金課長 先ほど小塩先生から御質問があってお答えしたとおりなのですけれども、どういう形になるかわかりませんが、また御審議をいただく機会を設けるようにしたいと思います。
○神野部会長 ほか、いかがでございましょうか。
古川参考人、どうぞ。
○古川参考人(宮本委員代理) 短時間労働者のところなのですけれども、4ページの下のほうに「短時間労働者の比率の高い業種や中小企業の負担も考慮すべきとの意見があった」とされております。これ自体は否定いたしません。いろいろ中小企業のほうにも事情があることはわかっております。しかし、そういう事業所側の現実がある一方で、雇用労働者ではあるにかかわらず、1,500万人ぐらいが被用者保険の適用を受けられずにおります。やむなくそういう方たちは国民年金に加入して、かつ、厚生年金より低い保障に甘んじているという労働者側の現実もありますので、したがって、きちんと両方の現実にバランスよく目を向けていただいて、必要な対策を進めていただきたいと思います。
7ページの(5)の規模501人についてですけれども、括弧書きで「現行基準における被保険者数」と補記していただきました。中小企業の労働組合が多い私どもの組織では、多くの人が501人以上というのを従業員数と捉えています。おそらく、この事実を十分に理解できていないのは私どもの組織だけではないと思いますので、ぜひ従業員数だけではなく、現行基準における被保険者数であることの周知を徹底していただきたいと思います。
最後になりますけれども、この基準ではどんなにたくさん従業員がいたとしても、例えばほとんどがパート労働者で被用者保険の適用を受ける従業員数が501人に満たなければ適用拡大の対象になりません。ですから、やはり任意適用を受けられる道をまずつくる必要があるのではないかと思っています。
以上です。
○神野部会長 ありがとうございました。
ほか、諸星委員、いいですか。
○諸星委員 ありがとうございます。今までの議論を大変きれいに整理していてまとめていただけたことに対しては、本当に感謝いたします。財政検証結果を受けた方向性がある程度明確に今回なったということで、やはり先ほど皆様の各委員の方がおっしゃっていたように、女性や高齢者の労働参加が必須であるということが明らかになりましたので、やはりこれをきちんとした形で伝えたほうがいいのかなと。私、前から年金部会で広報が下手なのではないですかと何回も伝えてしまったのですけれども、いろいろと調べてみると、漫画でいろいろとアピールしたりとか、マクロ経済スライドについても、きちんと図解にしてあったとかという結果が出ているのです。それをこういうように年金部会の中で議論してこういう話があったので、このように具現化しましたということを今後年金部会の中に、ひそかにやるのではなくてやって、それで広報した結果がどうなのかということをお伝えしていただければと思います。
27年、来年度から、子供・子育て支援の充実が先行して行うということ、これは多分全ての女性が輝く社会の実現のためにということで重要な施策をこれから行うようでございますけれども、この部会でも私を含め何人か女性の委員の方がいらっしゃいます。それぞれいろんな道の中でいろいろ働き方を見ていったりとか、だから委員として選ばれたと思いますので、これを本当に具体化していくのであれば、今後の年金部会の中でそういった私たちの体験あるいは経験が、感じているものがいっぱいありますので、何かそれがヒントになってこの部会の中で示すことができたらいいなと私は願っております。
以上です。ありがとうございました。
○神野部会長 ありがとうございました。
ほかに柿木委員、何かございましたら。
○柿木委員 非常によくまとめていただいたと思っております。一言内容についてお話ししようと思ったのですけれども、先ほど花井委員からいろいろお話があったので言いづらいのですけれども、マクロ経済スライドのところなのですけれども、全体的によくまとめていただいたと思うのですが、ここにもありますように、やはりマクロ経済スライド、名目下限措置、このあり方については14ページ、「社会保障・税一体改革時から見直しの必要性が指摘されていた課題であった」ということなのですが、撤廃も含めた踏み込んだ見直しという議論も私は出ていたように思うのですけれども、もちろん、それで一方には既に年金生活に入ってきたという問題もあるわけです。この「下限措置のあり方」という書き方でもいいと思うのですが、もう一歩踏み込んだマクロ経済スライドの名目下限措置、これが取り払ったというのはその次の丸にあるのですが、こういった強い意見もあったので、そういった書き方も将来世代の年金のためには必要ではないかという気もします。そういう意味では、もう少し踏み込んで書かれてもいいのかなというのは私の意見でございます。
以上です。
○神野部会長 ありがとうございます。
武田委員、何かよろしいですか。何かございますか。
○武田委員 どうもありがとうございます。私も議論の整理に関しましては、これまでの議論が非常にきれいに整理されていると思っておりますので、全体として、こちらのまとめに対して何か大きな異論などがあるというわけではございません。
1つ質問で思っておりましたのが、やはり今後この中で何を進めていくのかという点でございましたが、それについては既に回答いただいておりましたので、改めて追加では質問はいたしません。
あえて申し上げるのならば、これまでも主張してきた点でございますけれども、やはり今回の財政検証で一番大きな結果から得られた意味という観点でいえば、日本経済の再生と労働市場参加の促進、これが非常に年金財政の持続可能性にも重要であるということであったと思います。その点についてだけではないですが、制度改革をスピーディに、スピード感を持った制度改革の実施というのが重要であるということも3ページに書かれているところで、これ自体はそのとおりだと思います。
しかし、その点についてスピード感を持ってやっていくべきだと書かれていること対比で見ますと、やはり少し労働供給を促すための制度設計の取組というのが適用範囲の拡大の実施の開始も早めるのはなかなか難しいということですし、さらに言えば第3号の改正についても、少し抑えられた表現になっている点というのは引き続き気になっておりまして、特に19ページの3つめの○でございますけれども、「被用者保険の適用拡大を進めて、被用者性が高い人については被用者保険を適用していくことが第一義的には必要であるが、同時並行で働き方に中立な年金制度のあり方、すなわち第3号被保険者制度のあり方について、今後も検討を進めていく」というようなこととしてはどうかと提案させていただきたいと思います。
以上です。
○神野部会長 ありがとうございました。
出口委員、まだお見えになっていないのですが、一応当面、第2番目の議事につきまして、委員の皆様方から一当たり御意見を頂戴したかと存じます。
おおよそまとめさせていただくと、この取りまとめについては、ここの部会の場で出た委員の皆様方の意見を適切に反映させているという御意見が共通して出された評価だと思います。幾つか修文にかかわる御指摘もいただいております。字句にかかわるようなこともございまして、安心したようなこともございますし、また山本委員から、ちょっと書き方も工夫してというような御指摘もございましたし、大きいところでは企業年金との関連づけ等々もございましたが、私としては、一応これについては修正するかしないか、あるいは修正の仕方を含めて御一任いただければと思います。
直し方は、今日出ました評価を考えれば、ここで意見として出されたということを尊重するということがメリットですので、この範囲内において企業年金等々も修文するか、しないかということを含めて私のほうで事務局と相談しながら進めたいと思いますので、お任せいただければと思います。
もちろん一任していただきますけれども、私のほうで修正した段階で、後日その修正版を委員の皆様方にお送りしたいと思います。それでよろしいでしょうか。お認めいただければと思います。
(「はい」と声あり)
○神野部会長 それでは、そのように取り計らせていただきます。ありがとうございました。
次に、議事の(3)と(4)について続けて御報告いただきたいと思いますので、事務局から御報告いただければと思います。
○企業年金国民年金基金課長 企業年金国民年金基金課長でございます。
参考資料4をご覧ください。企業年金部会における議論の整理について、御報告をさせていただきます。
企業年金部会では、昨年6月から12回にわたりまして企業年金制度のあり方について御議論を重ねていただきました。先週の金曜日、1月16日に企業年金部会を開催いたしまして、議論の整理案について御議論いただきました。当日、部会長一任とされましたので、その後、部会長におかれまして、議論を踏まえて必要な加筆をいただいたものでございます。
1枚おめくりいただきますと、左側に目次がございます。大きく4つのブロックから構成されております。
1は企業年金をめぐる環境、状況、あるいは企業年金部会で御議論いただいた状況について記載してございます。
2と3が、この議論の整理の中心となりますけれども、2では、企業年金部会でおおむね意見が一致しました企業年金制度等の普及拡大に向けた見直しの方向性について。そして、3ではさまざまな御意見があって、中長期的、継続的に検討が必要な今後の検討課題について整理をさせていただいてございます。
1ページの「1.企業年金部会における議論」に進ませていただきますと、この部分は第23回の年金部会で企業年金部会における検討状況を御報告させていただきましたけれども、その内容と基本的に重なるものでございます。
1つ目の○では、今後、公的年金を補完し、自助努力を促進する企業年金制度の重要性が相対的に高まっていくと見込まれていること。
2つ目の○では、先進諸国におけるさまざまな工夫。
そして、3つ目の○では、我が国におきまして働き方の多様化が進み、ライフスタイルに合わせた柔軟な仕組みが求められていることが記載されてございます。
2ページ目では、DB法、DC法が成立しましてから10年ほど経過していること、適格退職年金が廃止されたこと、また厚生年金基金の見直しが行われていることが記載されておりまして、さらに企業年金加入者が第2号被保険者のうち40%に満たない水準でありますし、個人年金の個人型のDCの加入者は、加入可能者の0.5%ということでございますので、中小企業を中心に3階建て部分の普及をより図っていく必要などについて触れてございます。こうしたことから、企業年金制度のさらなる普及拡大に向けて全体的な見直しを行う時期ということが書かれてございます。
3ページにかけましては、6月より10回を超えます議論をしていただいた状況を記載してございます。
3ページの大きな2つ目のブロックであります「企業年金制度等の普及拡大に向けた見直しの方向性」ですが、4ページをおめくりいただきまして、先ほど少し御説明しましたとおり、この部分は企業年金部会でおおむね意見が一致し、見直しを行うべきものとされたものでございます。(1)~(6)まで、大きく6つございます。
「(1)中小企業向けの取組」は、企業年金の普及がなかなか進んでいない中小企業でも、企業年金に取り組んでいただけるように、DCにおけます投資教育の共同実施、あるいは手続等を簡素化した簡易型DC制度の創設、企業年金を実施しない場合でも個人型DCに事業主が掛金を拠出できるような小規模事業主掛金納付制度の創設といったことが提案されてございます。
5ページの「(2)柔軟で弾力的な給付設計」でございますけれども、いわゆるDBとDCのハイブリッドと言われるものですけれども、このハイブリッド型の制度の導入も視野に入れて引き続き検討すべきとされてございます。
「(3)ライフコースの多様化への対応」でございますけれども、(1)として「個人型DCの加入対象拡大」ということが掲げられてございます。これは、これまで個人型DCに加入できませんでした第3号被保険者、企業年金加入者、公務員共済等加入者についても個人型DCの加入を検討すべきとされてございます。これらの方が個人型DCに加入可能となりますと、全ての方が個人型DCに加入できるようになるということになります。
おめくりいただきまして6ページの(2)では、「ポータビリティの拡充」ということで、ポータビリティにつきまして、例えばDCからDBというところは現在認められていないわけですけれども、そうしたところも含めてより拡充するような方向ということが打ち出されてございます。
(4)は「確定拠出年金の運用改善の促進」でございます。
まず、物価水準を下回るような運用利回りでDCの運用を続けた場合には、DC資産の実質的な価値が減少し、期待される給付の水準を満たせない可能性があること。あるいはDCの運用について、加入者の方々がみずからなかなか把握されていないことを課題として挙げてございます。
7ページ目にまいりまして、その対策でございますけれども、(1)で書いていますのは、投資知識等の向上ということでございます。継続投資教育につきまして、事業主の努力義務とすること、投資教育の内容の見直しなどについて提案がされてございます。あわせて、DCの資産額通知、毎年1回以上行われているわけでございますけれども、そうしたものについて関心を高めるための措置を構ずべき、とされてございます。
「(2)運用商品提供数の見直し促進」では、運用商品の選択肢が多いとなかなか選びにくいということでございますので、運用商品の提供数を一定数に限定することが考えられるのではないかとされてございます。
おめくりいただきまして「(3)長期の年金運用として適切な運用方法の促進」というところでございますけれども、現状、預貯金などの元本確保型商品でDCを運用されている方が多いことも踏まえまして、資産分散・時間分散の効果が期待できる分散投資の促進が必要とされてございます。
具体的には、(1)(2)で書いてあることでございますけれども、(1)ではリスク・リターン特性の異なる商品の提供が促進されるように法律上その趣旨を明確化するとともに、現在ある元本確保型商品の提供義務を義務としない方向について書かれてございます。
2つ目の(2)では、なかなか商品の選択が難しい方などに対しまして、あらかじめ定められた運用方法、いわゆるデフォルト商品による運用につきまして、法律の規定を設ける、あるいはデフォルト商品として分散投資効果が見込まれる商品を設定することを努力義務とすることなどが記載されてございます。
10ページからの「(5)企業年金のガバナンス」でございますけれども、ここは資産運用委員会の設置促進あるいはDBの資産運用ガイドラインの見直しなど、それから、情報開示の促進などが提案されてございます。
12ページ、最後の(6)でございますけれども、ここはDCの拠出期間単位、現行月単位のものを年単位化すること、あるいは手続の規制緩和や個人型DCの認知度の向上などについて記載されてございます。
次に、13ページ、大きな3つ目のブロックの「企業年金制度等の普及・拡大に向けた今後の検討課題」でございます。ここのところは、引き続き議論が必要であり、今後の検討課題とされたところでございます。
(1)として、「拠出時・給付時の仕組みのあり方」と書いてございますけれども、現在のDBとDCの仕組みが拠出限度額、中途引き出しなどについて異なることも踏まえまして、その仕組みの検討を議論いたしましたが、ここのところはさまざまな御意見をいただきまして、引き続き検討するということになってございます。
14ページの「(2)企業年金制度等に関する税制のあり方」でございますけれども、税制のあり方につきましても特別法人税の扱いあるいは退職一時金税制との関係、そうしたものも考えながら拠出時・運用時・給付時全体の課税のあり方について議論を行うべきとされてございます。
15ページの「4.おわりに」では、最後の○ですけれども、今回の議論で終わるものではなくて、この議論の整理をベースに今後とも制度の現状あるいは課題といったものを確認しつつ、引き続き議論を行うべきとされてございます。
16ページは企業年金部会の委員の名簿でございますし、17ページは開催実績を載せてございます。
18ページは参考までに、先週、閣議決定をされました27年度の税制改正の大綱、企業年金関係の部分を抜粋させていただいてございます。
以上、少し端折った簡単な説明ではございましたけれども、企業年金部会における議論の整理について御報告をさせていただきました。
どうもありがとうございました。
○大臣官房参事官(資産運用担当) 引き続き、独立行政法人改革等に関する基本的な方針、参考資料5を説明させていただきます。
めくっていただきまして、独立行政法人改革の全体像でございます。独立行政法人につきましては、平成13年に導入されまして、これは各方面で非常に成果を上げてきたと評価されていますけれども、他方、さまざまな問題点が指摘されたということで、今回、独立行政法人制度、自主性、自立性の向上とか、あと多種多様な各法人の特性に合わせた改革ということで、そもそも通則法的なものについても見直すとともに、それぞれの法人につきましてレビューを行って、この一番上でございますが、「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」、これは一昨年の12月24日でございますが、閣議決定されたところでございます。
通則法につきましては、今、申しましたように、各法人の特性ということでございまして、主として3分類、中期目標管理型、単年度管理型、また研究開発型ということで、各法人を分類しながら、それぞれ管理していこうという形の改正がされたところでございます。また、各法人におきましては、改正対象法律229本と書いてございますけれども、それぞれを中期目標管理型にするのか、単年度管理型、研究開発型にするのかということでございまして、独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律ということで、これもさきの通常国会で成立したところでございます。
この閣議決定におきましては、各法人のレビューというのが行われたところでございますが、それぞれの法人のレビューにつきましては、186回国会以降、各府省におきまして措置をするという形になっております。これが独立行政法人改革の全体像でございます。
めくっていただきまして2ページでございますけれども、年金関係でどのような個別事項が言われているかというのが囲みに書いてございます。まず、福祉医療機構ということでございまして、年金積立金につきましては、昔、加入者のための住宅ローンのために低利融資をしたことがございまして、これは昨年度末でございますが、まだ1兆円ぐらい貸付残高がございます。これを福祉医療機構のほうで回収する。承継年金住宅融資等債権管理回収業務といいますが、回収しておりまして、それを年に1回国庫に納付するわけでございますけれども、その1年間福祉医療機構に置いておきますと、それは譲渡性預金みたいなものでやりますので非常に金利が安い。他方、これを国庫に納付いたしまして、GPIFのほうで運用しますと、GPIFはまだ2%超で回っておりますので、そのほうが資金の効率的な運用の観点から効率的だろうということでございまして、年に1回ではなくて定期的、4回程度を想定していますけれども、定期的に行えるような措置を講ずるというような閣議決定がされたところでございます。
もう一つ、年金積立金管理運用独立行政法人でございますが、法律改正以外のところも書いてございますけれども、下のほうに「主たる事務所の所在に関することも含め必要な施策を迅速かつ着実に実施すべく所要の対応を行う」ということが書いてございます。
めくっていただきまして3ページでございますけれども、ちょうど年金積立金管理運用独立行政法人につきましては、今年度で第2期中期目標期間の最終年度でございまして、そうしますと、独法通則法の35条に基づき、主務大臣のほうで組織、業務全般の見直し内容につきまして、これは厚生労働省独立行政法人評価委員会の審議を経まして、見直し内容を策定することになっております。その際に、もう総務省の政策評価独立行政法人評価委員会のほうから、「高度で専門的な人材の確保とその活用」ということを言われておりまして、そのために、高度で専門人材の受け入れに伴う環境整備、今、GPIFは当初50人体制とも言われていましたので手狭なところでございますが、専門人材を受け入れるということになりますと、物理的にも広い事務所を確保しなければいけないのですけれども、そういうことのためにも、最初の下線部でございますが、「閣議決定等を踏まえ、年金積立金管理運用独立行政法人法本則上の主たる事務所の位置を「東京都」と」する。今、神奈川県という形でございますが、東京都とするという決定。
あと、「高度で専門的な人材の確保の一環として、年金積立金の管理及び運用の業務執行の体制確保のため、理事を追加する」。これは内閣官房で設置されました有識者会議におきましても、専門的な理事の強化という形が書かれていますので、この形で理事を追加するという形のことを繰り返しになりますが、厚生労働省独立行政法人評価委員会のほうで持ち回りでございますが、1月14日に審議いただきまして決定させていただいたところでございます。
4ページ以降はポンチ絵になっています。福祉医療機構につきましては、住宅ローン借入者のほうから返済いただいたものにつきまして、今まで国庫に1回やっていたものでございますが、利息部分につきましては、なかなか回収業務の費用等につきまして収支、損益計算しなければいけないのであるのですが、元本につきましてはこれを年に4回ぐらい定期的に納付することで運用効率を図るというものの図でございます。
5ページ目につきましては、GPIFにつきましても見直し概要を書いてございます。理事長のところでございますが、今までGPIFにつきましては、パッシブ運用を中心、もしくは国内債券中心ということもございましたので、理事につきましては内部管理業務、人事とか労務もしくは総務の関係をやっている理事がございましたけれども、そのほかに運用担当理事ということを置きまして、年金積立金の管理及び運用の業務の体制の強化を図るということでございます。
私の説明は以上でございます。
○神野部会長 どうもありがとうございました。
2件御報告いただきましたけれども、2つの報告案件について御質問があれば承っておきたいと思いますが、いかがでございますか。
花井委員、どうぞ。
○花井委員 質問です。今、御説明がありました参考資料5のGPIFの関係なのですが、2つ福祉医療のほうは特にないのですけれども、最後の5ページのところで2つありまして、1つが理事を1名から2名にするということと、所在地のところ、位置を東京都にするということ、2つ出されているかと思うのですが、これは東京都にするということは政令なのですか。2名にするというのは法律なのか、それぞれどういうのかをまず教えていただきたいと思います。
○神野部会長 いいですか。どうぞ。
○大臣官房参事官(資金運用担当) まず、理事の追加も独立行政法人ですと法律事項になりますので、この見直しを図るということになりますと法律改正を検討するという形になります。また、本則につきましても、今、GPIF法の本則でございますので、これを検討するという形になりますと法律改正を検討することになります。
○神野部会長 よろしいですか。
○花井委員 そうしますと、いずれも法改正ということになるかと思うのですが、それではたと疑問になりましたのは、この法律は今通常国会に提出されることになるのだろうと思います。そうしますと、きょうはガバナンスの検討作業班のお話は今日することではないのですが、そこでも法律の改正というのが検討されておりまして、実際されるかどうかというのは今後の話かと思うのですが、そうしますと、この法律が先に通常国会に出ていった場合、1つの通常国会の中で、同じ独立行政法人、GPIF法が2回改正されるということ。例えば全く新しく組織形態にするとしたら、今のGPIF法は一旦廃止して新たな法律をつくるのかなと思うのですけれども、そういう1つの法律が1つの国会で2回改正されるという、改正なのか、廃止なのか、そういうことで法的にできるのか。あるいは過去にそういう例があったのか、そこが疑問に思えてきたので教えていただければと思います。
○神野部会長 今日でいいですか。
どうぞ。
○大臣官房参事官(資金運用担当) まず、GPIFのガバナンス体制。御案内かと思いますけれども、また23日に社会保障審議会の年金部会について御議論いただけるということでございまして、年金部会におきましては、植田先生のほうで検討作業班を設置いたしまして、御意見を整理いたしまして、また23日に御報告をいただいて御議論いただくことになっておるということで、これは議論が未定ということでございます。
他方、今、御説明しましたように、独立行政法人に関する基本方針で、これは東京都の移転と理事のお話というのにつきましては、本年の4月1日から、GPIFについては中期目標管理型独立行政法人と位置づけられるものでございまして、これは法人形態変更の議論にかかわらず、必要な施策を迅速かつ着実に実施していく必要があるということで取り組んでおるものでございます。そういうことで、東京都を本拠地とするもの、もしくは理事の追加につきましては独法評価委員会のほうでも御検討いただきまして、改正につきまして検討しているというものでございまして、一応国会なり法制的な齟齬というのはないものと考えております。
○神野部会長 どうぞ。
○花井委員 私は、今日中身のことに触れるつもりは全くないのですが、手続きのあり方として1つの法律が同じ国会で2回改正ができるのかどうなのかということをまず教えてください。
○大臣官房参事官(資金運用担当) 法的には制約がないと考えております。
○神野部会長 よろしいですか。
ほか、いかがでございますか。
山口委員、どうぞ。
○山口委員 企業年金部会のほうですけれども、いろんな角度から御検討いただきまして、私もおおむねこういう方向かなと理解しておりまして、1つだけ質問がありまして、9ページのところですけれども、DCについて、「元本確保型商品の提供義務については義務とせず」と、「労使の判断に委ねる」ということが書いてあるところがありまして、これはどういう考え方かというのを教えていただきたいのです。一応、アメリカでもそうだったと思うのですが、こういう元本価格のものを入れなさいというような仕掛けになっていたように記憶しておりまして、また、トータルとして自分の資産運用を考えたときに、このDC以外の自分が持っている料金とか有価証券とか、そういったものとトータルしてリスクの配分を考えているというときに、DCはむしろ元本確保でやりたいとかといったような人も当然いらっしゃるわけですね。だから、こういうような文章を見たときの背景に何が想定されているのかということを考えた場合に、要するに教育が足りないとか、よく知識がなくて理解していないというような前提でいろいろ進められているというようなことではないのかと思ったりするのです。必ずしも私はそうでもないと、元本価格を商品に入れている人がみんな理解していないとは考えていませんので、そうだとすれば、こういう必ず入れなさいということをやめてしまうというのはかなり行き過ぎな話なのではないのかなと感じておりまして、どういう経緯でこういったような議論になっているのかということをもし教えていただければと思います。
○神野部会長 よろしいですか。
どうぞ。
○企業年金国民年金基金課長 我が国におきましても、基本的にはリスク・リターン特性の異なる分散投資をしましょうということでやってきたわけですけれども、法律上はそういうふうに書いてございませんで、3つ商品を提供しようということ、元本確保型商品を提供しなさいということが法律制定時から日本独自の規定ですけれども、そういう規定がございました。
今回は、そのリスク・リターン特性が異なる商品を提供しようということを明確化するとともに、この日本独自の規定であります提供義務については義務としない方向にしてはどうかということでございます。当然、みずから選ばれて元本確保型を選ばれることを全く否定するものではございませんので、御自分で元本確保型商品を選ばれる場合は、それはもちろん選べるということになります。
○神野部会長 山口委員、いいですか。
山本委員、どうぞ。
○山本委員 すみません、関連なのでございますけれども、私、企業年金のほうの委員としても実は出ておりまして、その辺の議論にも若干参加した覚えがございます。これらは非常によくまとめていただいてありがたかったことでございますが、この中で元本確保型の商品が選択肢に全く入らなくなるということを企業が選択した場合、果たしてそれでいいのかというのは若干疑問に思った点でありまして、それを強制するわけではないけれども、選択肢の中に元本確保型の商品も入っているということで、選択できる余地は残して、その後は労使なり加入者が判断するということでやっていけばいいということで、必ずしも高利回りを求めてガバナンスを強化すればそちらへどんどん行っていいのだというだけの判断では、多分年金という性格上から言うと、確かにハイリターンのほうがいいわけですけれども、そこにヘッジ型の思想というものもある程度入っていないと、年金の運用ということについては若干そうではないのではないかということも感じまして、私も選択肢の中には元本確保型というものもある意味で加える。それを選べという強制はできませんけれども、今まではどちらかというと元本確保型ばかりになってしまっていたから、そのイメージから脱却していかなければいけないということも事実としてあると思いますので、それをどういうように、このことに対する物の考え方を変えていくかという手法についてはいろいろ考える必要があると思いますけれども、だからといって、この選択肢の中に入れないということが労使の協定の中でそれが選ばれるということが果たしてあっていいのだろうかということは疑問に感じたということだけ御報告申し上げます。
以上です。
○神野部会長 御意見はお聞き届けいただければいいだけですが、何かコメントがあれば承っておきますが、お聞き届けいただいたということでよろしいですか。
あとは原委員、どうぞ。
○原委員 私も企業年金部会のほうにこの間も傍聴させていただいたのですけれども、議論の整理をまとめていただきまして、ありがとうございました。この中で「中小企業向けの取組」というところで、やはり企業年金の実施状況が低いという状況、さらに健全化法により厚生年金基金の解散が進みそうとなると、やはり中小企業の従業員の老後所得保障が大企業の従業員さんと比べて差が広がってしまうというおそれがあるということから、こういった取組が幾つか示されたことは非常によかったのではないかなと思います。
特に個人型確定拠出年金への小規模事業主掛金納付制度などは、たとえ中小企業が企業年金を実施できなくても、そこに働く従業員さんの福祉を行いやすくするということ、個人の老後所得補償を充実させるという観点からの取組が入っていたということはすごくいいのではないかと思います。そこでやはり課題となるのが投資教育とか従業員教育だと強く考えます。
7ページにもありますけれども、共同実施というようなことが企業年金連合会さん等と出ていましたけれども、異なる企業の従業員さんに対して何か集まってということが想像できますので、より有意義な教育とするためには相当工夫が要るのではないかと思います。私も以前、昔ですけれども、投資教育を実際にやっていた経験がありますので、そういったところでいろいろな企業さんが集まった共同の実施ということの際の留意点ですとか、特別カリキュラムの項目などを別途設けるようなことも検討してもよいのではないかと思っております。
また、7ページもあるとおり、投資教育全体の内容の見直しというのは必要ではないかと私も思っております。金融商品の知識ですとか、資産運用の考え方というのはもちろん大事で、その習得ということはもちろんなのですけれども、どれを選ぼうかなと金融商品にどうしても注目が行って、選択、商品の説明ということに行きがちなのですが、やはりその前のリスク許容度とかアセットアロケーションとか、そういう基本的な考え方のお話とか、それよりも何よりも意識づけとか動機づけとなるようなものが必要かと思います。
例えば老後へ向けた資産形成、老後資金準備といった視点からのDCの位置づけなどを、短期的ではなくて長期的な視点を持って丁寧に伝えるといったことも必要なのではないかと。なぜ自分たちが確定拠出年金という制度で商品を自分で選択して管理して運用状況を把握するのかといったことというのが、根本的な意義というか、資産形成、老後所得、老後資金準備といった老後の備えに向けてだよということをやらないと、なぜか皆さんやっている企業さんの従業員さんはモチベーションがなかなか上がらなくて、定期的チェックを全然していないという方も多いので、そういった意味では、さらに継続投資教育というものについても、今はたしか責務でしたでしょうか、それが努力義務ということで、個人的には義務にしてもいいのではないかなと思うのですけれども、そういったことも継続的に事業主さんが主としてやっていくということで、そういった中で例えば公的年金本体の制度のことがわからないといったこともありますし、そういったものと公私の役割分担、公的私的年金の役割分担ですとか、そういう基礎的な知識を身につけるものではあるのですけれども、意義とか目的をしっかりと伝えることと、そこにありましたとおり、確定拠出年金の試算額通知を確認するなどということをして、老後への資産形成といったことの意識づけをより向上させる視点といったことが、今後従業員教育、そして投資教育、継続教育の中で重要なのではないかなと思っております。よろしくお願いいたします。
○神野部会長 ありがとうございました。
○原委員 あともう一点よろしいですか。余談なのですけれども、この中に今度第3号被保険者が個人型確定拠出年金掛金に加入できるということで、こういったことも今後の年金部会等で公的年金制度の第3号被保険者をどうするかといったことに絡んでくるのではないかなと思いますので、そこはぜひ今後の検討としてどう考えるかということも含めて、まだ自分では整理し切れていないのですけれども、検討事項に上がるのではないかなと思っております。
以上でございます。
○神野部会長 何かあればどうぞ。
○企業年金国民年金基金課長 今いただきました例えば共通の教育につきましては、説明では省かせていただきましたが、7ページにも掲げていますように、例えば共通の部分については、共通の教育プラットフォームをつくるような工夫ですとか、また、意識を高めていただくための工夫ですとか、そういったものを今後具体的にさらに工夫を進めていきたいと思ってございます。
○神野部会長 ありがとうございました。
ほかにいかがですか。
どうぞ。
○諸星委員 こちらの企業年金部会での議論の整理を拝見させていただいたのですが、かなり細部にわたって課題や今後の展望について議論が尽くされているのではないかなという印象を私は個人的に思いました。実際、ただ、昨年以降、秋以降、実は顧問先も含めていろいろな会社さんから厚生年金基金の改正について非常に相談が多いのです。事業主や個人に対する説明会が複数の基金で実際開催されていました。どこでも一番心配されていたのは、今までの基金として納めていた掛け金はどこに行ってしまったのかという問題でしたけれども、国から支給される年金について、御存じのとおり代行返上すれば心配はないと言うのですけれども、結果的に当てにしていた退職金あるいは企業年金というもの、そういった付加的なものがなくなるという基金が実際多いのが現実です。特に中小企業の加入されている基金については、それが多いということです。
正直、今回の解散が増えたということに関しては、厚生年金基金に対する信頼度が非常に下がってしまったという印象を私は持ちました。今回の企業年金をこれからいろいろ対象者を広げていこう、あるいは加入のハードルを下げるにしても、まずは企業年金という制度そのものに対する全体的な信頼度を回復するということも導入していく上では必要ではないかと私は感じております。
一方、厚生年金基金の解散を受けて、何か別に社員のためになる制度がないのかということを聞かれる場合もあります。結構DC、DBのことを知らないとかというのもありますので、ですので、今回議論された結果出されている改革案をぜひとも進めていっていただきたい。企業年金の信頼度を戻すということもありますけれども、どうも厚生年金基金のイメージが悪くて、そういったことを感じておりますので、そういったことで進めていただければいいかなと思います。
意見です。ありがとうございました。
○神野部会長 ありがとうございました。
柿木委員、どうぞ。
○柿木委員 関連して私のほうから一言。非常に企業年金制度についてよくまとめていただいていると思います。今回、今出ていますけれども、個人型DC対象拡大とか、中小企業の活用促進、こういったことが具体化されたということは評価に値すると思うのですが、今出た中で特に経団連の中でも議論になっているのは、厚生年金基金が26年4月から抜本的な見直しになるということで、今、厚生年金基金を解散したときに、どういう制度に乗り移るかという意味では非常にスピード感が大事なところだと思うのです。今回、13ページのところに、普及拡大に向けた今後の検討課題ということで幾つか上がっているのですが、この上にある中の拠出時・給付時の仕組みのあり方とか、限度額、中途引出、こういった要件は厚生年金基金、お話がありましたけれども、比較的中小企業規模の企業が多いものですから、こういったものが非常に大きなネックになっているということもあるので、ぜひともこの辺の検討を早急にして、厚生年金基金が解散するときに乗り移れる企業年金をつくる。そうしないと、企業年金の加入者がますます減ってしまう。この厚生年金基金の解散のときが非常に絶好のチャンスだと思うのです。この辺のことはよく御存じだと思うので、私のほうから意見ですけれども、そのスピード感を持って、この見直しをしていただきたいという要望でございます。
○神野部会長 ほか、御質問をどうぞ。
○武田委員 本日は、企業年金部会についての解説をいただきまして、まことにありがとうございました。私も働き方が多様化したり、あるいは労働市場が流動化していく上で、それに合わせて制度を変えていくということは非常に重要だと思います。
一方で、逆の視点で成長市場への人々のチャレンジ、つまり、自発的な労働市場の流動性の高まりであるとか、あるいは起業を促進していく、そういった動きを阻害しないという視点も、つまり、制度が変わることによって世の中が変わっていく。だから、世の中の変化に合わせて変えていく部分と、こちらの制度を変えることによって世の中を変えていくという、双方向の視点が経済の点からは重要かなと考えています。
1つは、ポータビリティというところでここに書かれているところだと思うのですが、もう一つ、これは私が十分読み込めていなくて見落としている可能性もございますので質問させていただきたいのですけれども、例えばそういったチャレンジあるいは起業へのトライというときに、1つ障害としてよく経済を見ている者から指摘されるのが、年金が働いた年数、1社で働いた年数によって掛け金とかが変わっていくので、同じ人生においてトータルで同じ会社で30年働いた方と、幾つかの会社あるいは企業の中を間に挟んで、合計で結果的に30年働いた方とですごく差が出てきてしまうということ自体が、そうした行動、アクションを抑制する。したがって、日本で、全てがその理由ではないのですけれども、日本で起業が、新しいアイデアを本当は持っているのだけれども、そういったところを考えるとなかなか踏み込めないということの一つの抑制要因になっているのではないかというような指摘がございます。
その点について何か議論がございましたら、ぜひ教えていただけるとありがたいなと思いまして質問させていただきました。
○神野部会長 ポータビリティについて。
○企業年金国民年金基金課長 企業年金、特にDBのそれぞれの各企業の設計にもよるのですけれども、企業の中では、例えば20年勤めないと年金につながらないといったような設計をしているところもございます。そうしたところですと、例えば10年勤め、もう一回10年勤めると年金につながらないのですが、今回、個人型DCを全ての方が加入可能にできるようにするということ。ポータビリティのところも従来より拡充しまして、持ち運びが基本的にできるようになったということがございますので、基本的にはそうしたところがよりつながりやすくなるような改革ではないかと思ってございます。
○神野部会長 いいですか。
小塩委員、ありますか。どうぞ。
○小塩委員 2つコメントがあったのですけれども、1つ目は、先ほど山口委員、山本委員がおっしゃった元本確定型の商品をどのように位置づけるかということで、私も1つの選択肢として残しておいていいのではないかという考えを持っております。
もう一つは、公的年金との関係ですけれども、この議論の整理の1ページ目にもちゃんと整理をなさっていますけれども、特にヨーロッパの先進国では結構公的年金だけでは老後の生活保障が難しくなっているということで、やはり企業年金あるいはもう少し広く私的年金に頼らざるを得ないというような状況になっていると本日説明されていますし、そのとおりだろうと思うのです。
今日の前半の議論では、所得代替率がどうなっているかという議論が中心になってきたわけですけれども、どうも全体として見ると、公的年金を少なくとも賦課方式で維持するためにはスリム化していかないとしようがないと思うのです。そうすると、老後の生活保障をちゃんとするためには、公的年金だけではなくて私的年金、企業年金の役割というのは重要になると思うのです。そういう議論は年金部会では本題ではあまり議論されていなかった面があるかもしれないのですけれども、これからはもう少し重視する必要があるのかなと思いました。
その場合、個人型のDCとかを今まで以上に充実するということが、特に非正規労働者に厚生年金の適用拡大をしていく上でも、その過渡期的な対応としても重要だろうと思いますし、あるいは転職が非常に活発になって、雇用労働市場が流動化するということになりますと、ポータビリティも今以上に整備する必要があるなと思います。そういう形で、企業年金の話は公的年金とセットで議論する必要がこれまで以上に高まっているなという印象を受けました。
以上です。
○神野部会長 ありがとうございました。
ほか、よろしいですか。出口委員、大変申しわけないのですけれども、お見えになっていないときに、本日の主要な議題でございます、この年金部会の議論の整理という案につきまして修文をするかしないかの判断を含め、私に修文について一任するという条件で既にお認めいただいたわけなのです。それを御承知おきしていただいた上で、お目通しいただいていると思いますので、何か御意見があれば承っておきます。
○出口委員 拝見しましたので、それで結構でございます。
○神野部会長 では、そのようにさせていただきます。
どうぞ。
○駒村委員 企業年金のところの報告書で1つ確認したかったことがあったのでいいですか。
○神野部会長 いいですよ。
○駒村委員 1点だけ、どういう意味か教えていただきたいのですけれども、どういう議論があったか教えていただきたいのですけれども、12ページの下から2番目の○ですけれども、「また企業年金のガバナンスに関する事項のうち、企業としてのガバナンス活動において対応されるものについては追加して規制を設けることは不要ではないかという意見」だという、ここはどういう議論があったか、教えていただけますでしょうか。
○神野部会長 どうぞ。
○企業年金国民年金基金課長 これは、例えばそれぞれ各企業でほかの法律などによって企業年金とは別にさまざまなガバナンス的な規制がかかっているわけですけれども、そうしたところでかかっているもの、例えば会計監査などについては、会社法などで別途かかっている会社がございますので、そういうところについては重ねてする必要がないのではないかというような御意見があったということでございます。
○駒村委員 前のほうから、このガバナンスに関しては労使のかかわりについての議論が続いているのですけれども、労使のかかわりについてのことを否定するような意味合いではない、そういう文脈ではないということですね。
○企業年金国民年金基金課長 はい。基本的には企業年金というのは労と使がそれぞれかかわって制度設計や運営をされていますので、そういうものを何か否定するという趣旨では全くございません。
○神野部会長 ほか、よろしいでしょうか。
菊池委員、どうぞ。
○菊池委員 便乗して、私も同じような感想を持っていまして、今回はまだそこまで行っていませんけれども、今後中長期的には、そもそも公私という年金の性格自体が、その公私が相対化していくということは十分考えられるので、その意味で一緒に議論していくという部分はぜひ残しておいていただきたいなと思っています。
○神野部会長 ありがとうございます。
それでは、本日、用意させていただきました議題については、議論をさせていただいたということにさせていただきまして、この年金部会はこれまで委員の皆様方に長い期間にわたって御議論を頂戴したわけですけれども、今回の議論を持ちまして一区切りということになります。私のほうから委員の皆様方に御礼の言葉を述べさせていただければと思っております。
私の手元にあるこれまでの年金部会の開催状況を見てみますと、今を去ること1年4カ月前、平成25年10月7日、第15回、これがこの年金部会のスタートでございまして、もう今日の議論そのものがそうですが、財政検証という極めて重要な課題を抱えながらスタートしたというのが、この年金部会でございました。
財政検証が出るのが6月でございましたので、この間においては、経済前提の専門委員会での議論を含めて財政検証の基本的な枠組みについて議論を精緻に進めていただいたわけでございます。
今回の財政検証につきましては、ケースを幾つか設けて設定したということと同時に、先ほど山口委員からもお話がありましたけれども、重要な引き続きこういう方式をとお話がありましたように、財政の現況と見通しだけではなく、その前に行われておりました社会保障制度改革国民会議の報告書等々を参照基準にしながら、一定の法改正をした場合のことを前提にしたオプション試算を実施していただいたわけでございます。その後の委員の皆様方の議論が生産的に進んだということを鑑みますと、このオプション試算は重要な役割を果たしたのではないかと考えております。
今日おまとめいただいたのも、制度改正の方向性等々については、8月以降、皆様方の精力的な御議論のおかげでまとめることができたということでございまして、私としては感謝にたえないのは、今日は世の中が見えているのですが、これまで全く世の中が見えていなくて、もう曇りガラスから向こうを見ていましたので、誰が手を挙げているのかもわからないのです。11月26日と12月17日に目の手術をいたしました。私の場合、網膜剥離で、目をリングで縛りつけて埋め戻していますから、加齢ではなく、血の巡りが悪くなって白内障を起こしているのです。12月18日に眼帯をはがされていくと、世の中はこんなに明るかったのかということがしみじみわかるのですが、これはすぐに錯覚だということがわかります。それは、世の中は明るいのではなく、明瞭に見えているだけなのです。したがって、不都合な事実も次々とわかるようになってきて、家内が大丈夫と声をかけてもらうと、若々しくみずみずしいと思っていた肌が、こんなに苦労をかけて水気を失って、嫌なことがみんな見えてくるという状態で、議事運営につきましても本当に御迷惑をおかけいたしましたし、委員の皆様方のひとえに御協力のおかげでございます。さらに、事務局にはそういう状態なので大変御迷惑をおかけしました。
私は別のこともあって、局長には前のときから健康問題でいつも御迷惑をおかけしているのですが、本日、私にとってはどうにかなのですが、委員の皆さん方の活発で非常に生産的な御議論の成果として論点整理をまとめられたことを深く感謝申し上げる次第でございます。本当にありがとうございました。行き届きませんのにかかわらず、御協力をいただいたことを伏して御礼申し上げる次第でございます。
引き続きまして、局長からお言葉を頂戴できるということでございますので、よろしくお願いいたします。
○年金局長 部会長から今御挨拶がありましたので、私からはもう余り申し上げることもございませんが、お話がありましたように足かけ3年、一昨年の10月から年金部会を再開いたしまして、1年4カ月、長きにわたりまして精力的な御議論をいただきました。まことにありがとうございました。この間、神野部会長、植田部会長代理初め委員の皆様方には、日程調整その他、御無理なお願いもいたしまして、大変感謝とおわびを改めて申し上げたいと思います。
今、部会長のお話にありましたように、今回の財政検証といいますか、今度の年金の見直しは幾つか新しい試みをいたしております。
1つはお話がありましたように、財政検証において一定の制度改正あるいは制度的な枠組みを前提に置いたオプション試算というものを行ったということでございます。このことと、もう一つは、非常に幾つかの大きな幅のある複数の前提の経済前提を置いて試算をしたことで、経済と労働市場、そして年金の関係。年金制度の長期的な安定、給付水準と成長との関係といった年金と年金以外の他制度、なかんずく日本経済との関係といったようなもの、あるいは労働との関係というものが非常に明瞭になりまして、その中で年金制度のあるべき方向性、年金制度の持続可能性といったものを議論していただけたのではないかということで、先ほど山口委員からも御評価いただきましたが、この取組については、おそらく今後の制度改正の中でも多分同様な議論になっていくのだろうと思っています。
もう一つは、きょう御報告申し上げましたが、今回は企業年金について、1つ部会を立てまして、ダブルトラックで並行して集中的に議論していただいたということで、これも何人かの委員のお話がありましたように、今後の年金制度を考えますと、公的年金制度と私的な自助努力を支えるスキーム、ある意味それは私的な制度ではございますけれども、それを公的に支えていくスキームという意味では、いわば公私の制度をどのように組み合わせて国民の老後保障を図っていくかという、そういう新しい議論の枠組みといいますか、方向性を一つ今回はお示しできたのではないかと思っております。
本日は、これまでの御議論をおまとめいただきまして議論の整理というものをいただきました。今回は、当面、直ちに手をつけるということを念頭に置いたもの以外でも、さまざまな将来の年金制度の方向性を大きく方向づけるような方針をお示しいただきましたので、大変これは私どもとしても意味のあるものであったと思っております。
企業年金も含めまして、今後、今、お話がありましたように、この後、私どものほうでは政府部内の調整あるいは与党との調整をした上で、必要な制度改正の枠組みというものを検討することになります。できるだけ、この議論の整理でお示しいただいた内容を可能な限り具体化をするということで制度化を図りたいと思っております。これは国会等の日程等々もございますが、特に今回選挙がありましたので、少し全体として日程が押しておりますので、これは官房との調整もありますけれども、必要な調整準備ができ次第、改めてその内容につきましては当部会に御報告、お諮りをした上で国会のほうに提出するような準備を進めていきたいと思っております。
改めまして、この間の委員の皆様方の部会長、部会長代理を初めといたしまして、御尽力いただきまして立派な報告をいただきましたこと、改めて感謝申し上げまして私の挨拶といたします。
どうもありがとうございました。
○神野部会長 どうもありがとうございました。
ただいま、局長からもお話がございましたけれども、政府におかれましては、この議論の整理を生かして適切な対応をおとりいただければということを願う次第でございます。よろしくお願いいたします。
それでは、事務局のほうから、今後の開催等々、連絡事項をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○総務課長 それでは、次回についてでございます。
一区切りがついたところでまことに御多忙の中恐縮でございますが、次回、1月23日、3時からを予定しております。よろしくお願いいたします。
○神野部会長 それでは、一区切りなのですが、すぐにまた1日置いて御参集いただく御足労をおかけすることになりますが、御協力をよろしくお願いいたします。
本日は、これにて終了させていただきます。どうもありがとうございました。
(了)
団体