2011年の活動方針

 

1、最近の企業年金を巡る特徴的な動向

 大震災と原発事故による、我が国経済のいっそうの低迷のもとで、企業年金を巡る情 勢では、次のような企業年金の受給権者を脅かす実態がある。

①厚生年金基金では、最低責任準備金を下回っている基金が4割を超え、積み立て不足額は7700億円にのぼっている。 このため給付減額や解散が懸念されている。

②2012年3月で税制優遇制度が廃止される適格年金制度では、2011年3月末現在で、まだ8千件126万人の加入者が残っており、適切に他制度への移行が進まなければ解散される場合もあり、加入者、受給者ともに不利益をもたらすことが予測される。

③確定給付企業年金などでも、年金財政の運用悪化のものとで、国際会計基準導入をひかえ、給付減額への圧力が高まっている。

④東京電力では、原発事故の賠償資金捻出のためと称して企業年金減額が取りざたされている。

⑤日本経団連と企業年金連合会は厚労省に対して、従来以上に企業年金減額の規制緩和を強く求めている。厚労省は受給権者減額の認可・承認基準は変えていないといいつつも、昨年度は黒字企業でも減額申請を認可しており、今年度も2ヶ月間で3件の減額申請が認可されている。

⑥この間の司法判断では、NTT、もみじ銀行を除けば松下、りそな、早稲田大学の裁判では、いずれも受給権者にとってきわめて不当な判決が行われている。

2、企業年金連絡会を企業年金受給者の受給権を守るセンターとして、自他共に認知されるような運動を推進する。

①正当な権利である企業年金受給権の法的基礎を明確にし、運動を急速に拡げる。

②受給者減額に直面している団体、個人を支援し、連絡会への参加を呼びかける。

③連合、全労連、全日本年金者組合等と定期的に意見交換の場を持つよう働きかけ、実現につとめる。

④企業年金の受給権保護と支払い保証制度の法制化を政府、政党、国会議員などに要請を繰り返す また、厚労省に対して減額基準緩和の実態を質し抗議する。

⑤受給権に関する主張の論点をまとめることに着手し、HP、パンフ等を通じて普及をはかる。

⑥9月11日、小笠原義秀講師による「年金財源に関する学習会」を開催するなど、企業年金に関する学習をすすめる。

⑦マスメディアに対する積極的なアプローチをする。

2011年7月10日日曜日