第33回 社会保障審議会企業年金・個人年金部会 議事録

日時

令和6年3月28日(木)10:00~12:00

場所

全国都市会館  3階 第二会議室

出席者

森戸部会長

渡邊部会長代理(オンライン)

岩城委員   大江委員   金子委員

小林(由)委員   小林(洋)委員

島村委員   谷内委員   冨樫委員

原田委員   藤澤委員(オンライン)

松田委員   山口委員(オンライン)

(オブザーバー)

鮫島企業年金連合会理事長

松下国民年金基金連合会理事長

議題

(1)社会保障審議会企業年金・個人年金部会における議論の中間整理について

(2)『生活設計と年金に関する世論調査』について(報告)

 

議事

議事内容

○森戸部会長 皆さん、おはようございます。

 少し定刻より早いのですけれども、皆さん、おそろいですので、ただいまより第33回「社会保障審議会企業年金・個人年金部会」を開催いたします。

 お忙しいところ、お集まりいただき、ありがとうございます。

 本日ですが、藤澤委員、山口委員、渡邊部会長代理はオンラインで御参加いただいております。

 御出席いただきました委員の方が3分の1を超えておりますので、会議は成立していますことを御報告申し上げます。

 それでは、議事に入らせていただきたいと思いますが、まずは、事務局から資料の確認をお願いいたします。

○海老企業年金・個人年金課長 資料の確認をさせていただきます。

 本日の資料といたしましては、資料1「社会保障審議会企業年金・個人年金部会における議論の中間整理(案)」。

 資料2「生活設計と年金に関する世論調査(主な調査結果)」。

 参考資料1「企業年金・個人年金部会委員名簿」を御用意しております。御確認ください。

○森戸部会長 ありがとうございます。

 それでは、議題に入りたいと思いますので、カメラの方が、もし、いらっしゃいましたら、ここで退室をお願いいたします。

 本日は、議題1「社会保障審議会企業年金・個人年金部会における議論の中間整理について」。

 議題2「『生活設計と年金に関する世論調査』について(報告)」を議題といたします。

 まずは、議題1について事務局から説明をお願いいたします。

○海老企業年金・個人年金課長 資料の1について御説明をいたします。

 資料の1を御覧ください。中間整理案についてでございます。

 こちらは、前回案をお示しし、その後、委員の方々にいただいた御意見を反映した形で、お手元に御用意をしております。

 修正は、特段見え消しにはしていないのですけれども、追加した部分について御説明をさせていただければと思います。

 まず、資料1の1ページ、20行目以降の「また、公的年金と私的年金は相まって」と書いてあるパラグラフに関しては、前回の部会の際にいただいた、昨年12月の年金部会と企業年金・個人年金部会の合同開催についての内容についても記載をするべきだという御意見を踏まえまして、1ページの下のところに追加をさせていただいているものです。

 次のページめくっていただきまして、2ページの49行目からのところ「1 拠出・運用・給付一体での議論」というところに関しまして、税制について、拠出・運用・給付一体のパッケージとして議論をする必要があるといったお話、部会の中でも御議論がありましたので、こちらについて意見を追記してほしいということで、追記をさせていただいているものです。

 次をめくっていただいて、4ページになります。

 4ページの「4 iDeCo 加入可能年齢の引上げ」というところの2つ目の○の120行目からのところになりますが、公的年金との関係に関するところに関して、公的年金制度の制度改正の議論を踏まえてという御意見をいただいておりますので、124行目の辺りに追加をさせていただいております。

 次に5ページ目になります。

 5ページ目の「7 運用期間中の税制」のところの2つ目のポツについて、特別法人税の廃止や課税凍結の延長を求めるという意見があったことの明記をという御意見を踏まえて、明記をさせていただいております。

 次をめくっていただいて、6ページになります。

 6ページの209行目の辺り、「iDeCo+の従業員の300人以下という要件」に関する最後のポツのところに、給付水準が総合型DBでは十分ではないことも考えられるため、DBを実施してもiDeCo+を実施できるようにしてはどうかという御意見の追記をさせていただいているところです。

 それから、7ページの238行目「中途引き出しの在り方について」というところで、こちらの2つ目のポツのところ、中途引き出しは安易に要件を緩和するべきではないという御意見についても、追記をさせていただいております。

 それから、8ページの282行目のポツの冒頭のところです。企業年金は労働条件だという御意見の追記をさせていただいているところです。

 次に9ページになります。296行目「拠出や給付の見える化について」の2つ目のポツのところに関して、ここに関しては、公共性の高い機関で基盤を整備するべきではないかという御意見の追記をさせていただいています。

 同じく9ページ、一番下の○、317行目の「年金ダッシュボードについて」のところの1つ目のポツのところに、年金ダッシュボードに関する御意見の追記をさせていただいております。

 次の10ページになりますが、324行目のところに関しても、ダッシュボードに関する実現の方法に関する御意見をいただいておりましたので、こちらも追記をさせていただいております。

 それから、次が14ページになります。

 14ページの479行目から「V 健全化法への対応」というところで、ここから16ページの上のところまで、先日の御議論を踏まえて追記をさせていただいている内容になっております。

 「V 健全化法への対応」というところで、1つ目~3つ目の○のところに関しては、これまでの健全化法の経緯、あとは、現在存続するのは4基金であるという現状、健全化法附則2条で、同法の施行から10年を経過する日までに検討するということ、今回部会で議論を行ったということについて、経緯を書かせていただいております。

 495行目からの「この点に関して」というところで、残り少数になった基金を存続することには、様々なコストが生じるということも踏まえて、労使で議論を尽くして、期限を決めて解散または移行していただくことが合理的ではないかといった御意見。

 存続年金を存続させ続けさせることは、例外的な制度を持つことになり、企業年金全体の複雑性につながるのではないかといった御意見。

 あとは、財政状況は今後悪化する可能性もあるということで、受給権の保護の視点も踏まえて、基金が健全なうちに移行するべきではないかといった御意見について記載しております。

 次の15ページで、厚生年金基金制度は代行制度により公的年金と繋がっているところがあるので、単に財政が健全かどうかだけではなく、将来も含めて妥当性や公平性を検討し、他制度への移行を促す方向に誘導すべきではないかなど、存続厚生年金基金を解散または他の制度へ移行させる方向で検討すべきという御意見があったという内容を記載させていただいております。

 次に、508行目からの「一方で」というところで、厚生年金基金を含め企業年金は退職給付を行うもので、労働条件であることから、労使の判断が最大限尊重されるべきということ。

 あと、存続厚生年金基金は、従来よりも高いハードルを課しながら財政的に健全な状況を維持しているということなどを踏まえて、直ちに代行返上、解散を求めることは難しいということ。

 また、様々制度にも違いがあるので、時間をかけて慎重に議論するべきといった御意見など、健全化法の趣旨は適切に果たされており、財政的に健全性を維持している存続厚生年金について、強制的に廃止すべきではないという意見もあったということ。

 520行目からは、「今後の検討の在り方」というところで、受給権者や加入者に不利益にならない移行に向けて、懸念事項について丁寧に議論した上で筋道をつけるべきという御意見。

 あと、モニタリングに関する御意見などがあったということを書かせていただいております。

 それを踏まえまして、527行目から「これらの意見を踏まえると」というところで、下の3つです。○で意見をまとめさせていただいております。

 これらの意見を踏まえると、厚生年金基金制度が歴史的な役割を終えていることについては認識が一致いたしているところであり、労使の判断を尊重し当面厚生年金基金を存続するとしても、恒久的な制度ではなく、あくまでも経過的な存続にとどめるべきであるとしています。

 現時点で代行資産保全の観点から健全な存続厚生年金基金について、引き続き財政状況について適切なモニタリングをし、今後の在り方を検討するべきであるが、これには、受給者等の権利にも配慮しつつ、DB等の他の制度の違いにも着目して慎重に議論しなければならない。

 このため、受給者等の権利にも配慮しつつ、存続厚生年金基金が解散し、または他の企業年金制度等に移行することを検討するよう求めている健全化法附則第2条の趣旨を踏まえ、諸課題に対する検討をさらに深めていくこととする。

 その際、他の企業年金への移行等の在り方については、厚生年金基金を設けている企業の労使自身が十分な時間をかけて話し合うことが重要であり、今後、そのような取組を促すことが必要である、という形で記載をさせていただいております。

 追記した部分に関する御説明は、以上です。よろしくお願いします。

○森戸部会長 ありがとうございます。

 ただいま説明いただきました、社会保障審議会企業年金・個人年金部会における議論の中間整理については、既に委員の皆様から御意見をいただき、調整をさせていただいたところです。

 ですので、当部会としましては、こちらをもって中間整理として取りまとめとしたいと思いますが、これについて御了承はいただけますでしょうか。

 オンラインの委員の方もよろしいですかね。

(異議なしの意思表示あり)

○森戸部会長 ありがとうございます。

 では、御了承いただいたと考えますので、社会保障審議会企業年金・個人年金部会における議論の中間整理(案)について、本日、委員の皆様方から御了承いただいたということで「(案)」というのを取った形で、後日、委員の皆様方に、もちろんお送りすると同時に、厚生労働省のホームページ等で公表することといたしたいと思います。ありがとうございます。

 その上で、もし、この際、委員の皆様から今後の進め方等についても含めまして、追加で御質問、御意見等がありましたら、そちらをぜひ伺いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。

 まず、現地の方から聞こうかな、島村委員、お願いします。

○島村委員 どうもありがとうございます。

 健全化法の部分について、少しお話しさせていただければと思います。

 今回の中間整理に基づいて、労使が話し合いを重ねていただくことによって、解散または移行という健全化法が定めた内容というのが、実現されていくことを強く希望いたします。

 中間整理に述べられているように、あくまでも経過的な措置ですので、なし崩し的な存続を認めたわけではないということは、改めて確認させていただきたいです。

 事務局におかれましては、モニタリングを続けていただくとともに、労使の力になっていただき、進捗状況については、当部会においても御報告いただき、それによって部会としての結論を出せるように、議論できる機会が2024年度中にいただけるとありがたいと思っております。

 そして、最終報告においては、具体的な流れというのをロードマップとして示せることが望ましいのではないかと考えております。

 以上です。ありがとうございます。

○森戸部会長 ありがとうございます。

 事務局、それに関して何かコメントはありますでしょうか。

○海老企業年金・個人年金課長 今いただいた御意見というところで、今回まとめていただいた中間整理を踏まえまして、まずは存続厚生年金基金に対して、部会の議論を踏まえた今後の対応について、労使で話し合っていくことを促していくことを考えております。

 そして、労使の検討状況を踏まえた上で、様々移行に向けた課題というものが出てくるのかと思いますので、どのようなものがあるかも含めて、今後整理をしていきたいと考えております。

 その際には、部会で御議論があった企業年金制度全体の枠組みであったり、権利の保護であったり、モニタリングの状況や、今いただいた御意見なども踏まえて、検討を進めていきたいと思っている次第です。

 今後の検討の持ち方に関しては、これから労使で御議論を進めていただく中では、やはり一定の時間、ある程度の時間はかかるものと思っております。

 来年の議論の持ち方に関しては、そちらの労使での御議論の検討の状況も踏まえつつ、改めて検討させていただきたいと思っております。

 以上です。

○森戸部会長 ありがとうございます。

 島村委員がおっしゃったように、それから、この中間整理も最後の部分で、労使自身が十分な時間をかけて話し合うことが重要でありとしつつ、今後、そのような取組を促すことが必要であるとまとめてありますので、政府として、取組を促すことをしていただけるということだと思いますので、それに関して部会のほうにも、今どういう状況なのかということは、御報告いただけると思っておりますので、それはよろしくお願いいたします。

 ほかに現地の方で、いかがでしょうか。

 金子委員、お願いします。

○金子委員 立派に取りまとめをいただいて、ありがたいと思っています。これまでの議論の中で、私自身としてあまり持っていなかった視点なのですが、最近気が付いた点ということを少しお話しさせていただきたいと思います。

 これは、今後の議論に期待することなのですけれども、例えば、今年の春闘などを見てみますと、2年連続で高い水準の回答を得られたようです。賃上げ率は、それまで20年間にないような水準となったようですが、退職給付について、交渉の対象になったみたいな話というのは、あまり聞いていないのですね。

 物価上昇の持続性について、確信が持てるような状態になっていないからなのでしょうが、ただ、一方で人々の物価感が変化してきているというのも事実ではないかとは思っております。

 これは、部会の中で、藤澤委員が御指摘されていたことですが、インフレや賃金上昇が退職給付にどのような影響を及ぼすのか、将来起こり得る事態を想定して、政策として備えておくべきものがどんなものがあるのかといったことを、議論を始めるタイミングとしては、ちょうどいいときなのではないのかなとは感じております。これは、昨今の情勢の変化に応じて、こんなことも議論しておくべきかなと思った次第でございます。

 以上でございます。

○森戸部会長 ありがとうございます。

 春闘とかというと、反応する方もいるかもしれないですけれども、それはそれとして、今言ったような視点、ぜひ踏まえて、金子委員なり、また、藤澤委員なりもアドバイスをいただいて、また部会のほうでも、どういう議論ができるか、考えていきたいと思います。ありがとうございます。

 では、大江委員、お願いします。

○大江委員 今の金子委員の発言にも関係があるかもしれませんが、4月以降、今回の取りまとめが大変多岐にわたる論点が取り上げられている関係で、4月以降の審議の展開に大変関心があります。

 拠出限度額であるとか、iDeCoの加入者範囲などは、税に関わる重要な議題で、しっかり議論しなければいけないということからすると、早急に、その議論を本格化させて、例えば、夏までに方向性を明確にするようなスケジュールが必要なのではないかと、個人的には思います。この辺りについて事務局のお考えをお聞かせいただければと思います。もしイメージがあれば。

○森戸部会長 ありがとうございます。

 何となく夏までにこれをやりますとかは、おっしゃらない気はしますけれども、一応お伺いをしたいと思います。

 事務局、いかがでしょうか。

○海老企業年金・個人年金課長 今、明確にスケジュールとして申し上げられることはなく、御意見も踏まえて検討していきたいと思っております。

○森戸部会長 ありがとうございます。

 ただ、大江委員がおっしゃったように、この中間整理もいっぱい議論すべき点がありますので、おっしゃるように、かなりちゃんとやっていかないといけない。当然、事務局も理解されていると思いますが、こちらもそれをちゃんと念頭に置いて、議論を進めていきたいと思います。ありがとうございます。

 では、原田委員、お願いします。

○原田委員 原田です。ありがとうございます。

 私も1点感想めいたことを、1点は今後の決意表明というと言い過ぎなのですけれども、そういうような感じのことを、お話ししたいと思います。

 1つ目は、iDeCoの加入可能年齢の引上げのところで、公的年金の改正の議論を踏まえてという書きぶりにしていただきましたが、この部会でいろいろ検討し、年金部会との合同も開催してという中で、公的年金と相まってという私的年金・企業年金の役割というのは、やはり両輪のひとつなのだなと強く実感したというのが感想です。

 そのため、改正の検討に当たっては、単純に今こうだからということだけではなく、国の年金もこうあるべきということを踏まえて検討していくのが大事だと感じた次第です。これが感想めいたことです。

 もう一点は、健全化法の対応につきまして、方向性というのは、やはりそこまで大きな環境変化が10年前に比べあったのかと言われると、なかなかあったとは言いづらいところで、厚生年金基金ができた当時というのは、もう一つの企業年金は適格退職年金で、厚生年金基金の役割・適格退職年金の役割みたいなものがそれぞれ違いまして、だから税の取扱いなど、いろいろ違うという、すみ分けがあったと思います。

 それらがなくなって、確定給付企業年金と確定拠出年金に変化していったことも含めて、公的年金の変化ということも踏まえて考えると、やはり企業年金の役割というのは、厚生年金基金ができた頃とは少し違う位置づけになってきているのではないかと感じます。

 だから厚生年金基金が、ということではありませんが、企業年金そのものの役割ということを改めて整理して、こういう役割だから税制はこうしましょう、仕組みはこうしましょうということを、このタイミングで再整理するというのも大事なのではないかと思っています。

 いろいろと課題として挙げられていた厚生年金基金とDBの税の取扱いやポリシーの違いなどというところの差は、そういう役割整理の中で、解消できる部分もあるのではないかと思っています。そういった企業年金の役割を踏まえた税制であったり、法律の立てつけであったりということを整理しつつ、厚生年金基金の皆さんにも、いろいろと将来について議論をしていただいて、今、持っている権利とか、そういったところの不利益ができるだけないような形が取れればいいと思っています。そういったところは私も頭を使って考えていきたいと思っていますので、決意表明とまでは言いませんが、今後検討していけたらと思っております。

 以上でございます。

○森戸部会長 ありがとうございます。

 厚生年金基金の話も関連する形で、今一般的な御意見として話していただきましたが、おっしゃるように、いろいろな制度の趣旨なり目的があって税制も制度もできていて、現行制度は、もちろんそうやってつくったのだと思いますが、やはり社会の変化なり、環境変化なりでいろいろ変わってきている、変えなければいけない部分もあると思いますので、まさにそういうのを見直すのが、この部会の役割だと思いますので、それも引き続き検討していきたいと思います。ありがとうございます。

 では、松田委員、お願いします。

○松田委員 ありがとうございます。

 先ほど金子委員からありました春闘での退職給付について、もちろん交渉の対象にすることは非常に重要だと思っています。恐らく冨樫委員もよく御存じだと思いますが、交渉を進めているところもありますし、年々給付の水準が下がってきていますので、今後、議論を進めることが大変重要だと思っています。

 その上で、健全化法について、私も意見を申し上げたいと思います。

 前回、冨樫委員から指摘がありましたが、厚生年金基金の運用状況というのが公的年金に影響することを防ぐために、残った基金については一定の期限を示しつつ、将来に向けて代行返上を促進するという方向性に賛同したいと思っています。

 その期限については、労使の判断を最大限尊重するため、期待されていた給付が受けられないといった不利益が生じる可能性や、DBとの違いを踏まえた移行の判断、それから解散後の制度設計などについて、厚生労働省と基金との丁寧な対話を重ねていただいて、当該労使の検討状況などを聞き取った上で、今後も本部会で慎重に検討していただきたいと思っております。

 私からは以上です。

○森戸部会長 ありがとうございます。

 後半の厚生年金基金の今後について、具体的に提案をいただきましたので、今の御意見を踏まえて、また、こちらも考えていきたいと思います。ありがとうございます。

 それから、春闘に関しては、退職給付の話まで、ようやく賃金の話ができるようになって、退職給付の話も考えるという局面なのかなと思いますが、もちろん現場では、交渉されていると思いますけれども、今後、そういう話がどんどんまた出てくるぐらい調子がというか、景気がよくなればいいのだろうと思いますけれども、ありがとうございました。

 では、谷内委員、お願いします。

○谷内委員 今回の中間整理の話とは若干話題がずれますが、公的年金と私的年金の連携あるいは役割分担の在り方については、私自身もかねてより関心がありまして、いろいろ模索しているところです。そうした意味では、昨年12月に合同部会が開催されたというのは、非常にエポックメイキングな出来事だったと考えており、かつ、中間整理において公的年金と私的年金の役割分担について両部会で連携して議論を深めるべきと言及していただいたのは、非常に意義深いと考えます。

 一方で、両部会を連携するとなると、多くの委員の方々の調整が必要になりますし、また、大人数を収容可能な大きい会議室を準備するといった負荷が事務方にかかります。

 そこで、今後、公私年金の在り方を議論する際の1つの方法としまして、例えば、専門委員会的なものを立ち上げて、企業年金・個人年金部会と年金部会の双方から委員を出して素案的なものを検討して、後日両部会の了承を得るみたいな進め方もあるのではないかなと考えます。

 12月の合同部会では、私も言いたいことは沢山あったのですが、人数や時間を考えるとちゅうちょした面もありました。

 もちろん、この中間整理で出た課題についても、引き続き、真摯に議論する所存ですので、よろしくお願いいたします。

 以上です。

○森戸部会長 ありがとうございます。

 そんな合同部会でも別に気を使わずに、がんがん言いたいこと言っていただいていいと思いますが、それはそれとして、おっしゃるとおりで、合同部会でも、それから専門委員会をつくるでもいいのですけれども、それは事務局に、ぜひいい方法を考えていただきたいけれども、要は、どういう形が一番公私連携の話を皆で議論できるかという話だと思います。別に合同部会でもいいし、専門委員会でもいいと思うのですけれども、ただ形式的にやったみたいなので満足しないで、ぜひ、谷内委員がおっしゃるように、実のある議論ができるにはどうしたらいいか、本当に公私両方に関わる課題があるのだぞということは、みんな分かっていますので、そこは、また事務局にも、確かに大きな部屋を探すのも大変ですけれども、考えていただきたいと思います。ありがとうございます。

では、オンラインの委員の方で、もし、御発言の御希望があればと思いますが、どなたか、いかがでしょうか。

 では、山口委員からお願いします。

○山口委員 ありがとうございます、山口です。よろしくお願いします。

 コメントが2点あります。1点目は、今後の議論について、ここまでの議論と、これからアンケートの結果の御紹介もあると思うのですけれども、これらを踏まえて、今日の労働者像の多様化を念頭に置きながら、制度としても、その多様さに対応できるように、老後に向けた資産形成に向けて、各自の行動が取れるように支援する仕組みとして、考えていきたいと思っております。

 2点目、健全化法については、これまでにも御意見が出ておりますけれども、まずは、本件に関する労使の意思疎通を始めていただきたいということです。

 それから、移行等に向けた計画について、具体的な検討を順次進めていただき、これに対して、財政の健全性を保持しながら進めていけるように、移行等に向けて相応の期間が見通せるようになっていくとよいのではないかと考えております。

 以上です。

○森戸部会長 ありがとうございました。

 厚生年金基金の今後についても、今、御意見がありましたので、それをまた事務局のほうでも踏まえて、今後進めていただきたいと思います。ありがとうございました。

 渡邊代理も手を挙げていらっしゃいましたかね、お願いします。

○渡邊部会長代理 ありがとうございます。

 事務局におかれましては、これまでの議論の内容について、要点を分かりやすくまとめていただきまして、ありがとうございました。

 そこで改めて、やはり検討課題が多岐にわたるということを思いました。その多岐にわたる検討課題を、今後さらに検討を深めるという段階に至るかと思うのですが、その際には、何をいつまでにといったところを、やはり意識する必要があるだろうと思っています。

 先ほど、ほかの委員の方もおっしゃっておりましたが、特に健全化法への対応など、一定の期間を付して、結論を得る必要があるだろうといったものについてのスケジュール感といいますか、検討をいつまでに、こういったことを明らかにしなければならないといったことをきちんと整理して、今後の対応をお願いしたいと思いました。

 よろしくお願いいたします。

○森戸部会長 ありがとうございます。

 今の御意見、健全化法、厚生年金に関わる部分、厚生年金基金に関わる部分だけでなく、全体についてだと思いますが、やはりいつまでにどういうことするのかというのは大事ですので、それをきちんと踏まえていただきたいと思います。ありがとうございました。

 それでは、オブザーバーは、何かありましたか。

 では、お願いします。

○鮫島企業年金連合会理事長 先ほどから健全化法の関連、いろいろ御意見が出ておりますけれども、先だっても申し上げたのですが、私どもとしましては、存続している基金の財政状況が良好であるということ、それから、制度を一律に廃止ということになりますと、やはり受給権保護の観点から問題が生じるおそれもないではないということでありますので、財政が健全で労使の合意によって存続を希望する基金については、存続を認めることが適当ではないかと考えております。

 したがいまして、制度の存廃に関しては、時間をかけて慎重かつ丁寧な議論を、ぜひお願いしたいと思っております。

 以上です。

○森戸部会長 ありがとうございます。

 既に前にいただいた、そのような御意見も踏まえて、今回の中間整理の最後の部分のようなまとめになりましたので、この方向で、今後、手続といいますか、物事を進めていきたいと思います。ありがとうございました。

 ほかに、よろしいですかね。

 それでは、議題1については、これで一応終わりにいたしまして、議題2のほうに、こちらは報告ということになるかと思いますが、どうでもいいのですけれども、私「せろん」調査と言ったのですが、これは「よろん」調査と、どっちで言ったら教養があるように聞こえるのですかね。これは、お役所的には、正確には、どちらなのですか。

○榎企業年金・個人年金課基金数理室長 「よろん」調査だと。

○森戸部会長 「よ」のほうがいい。すみません、ちょっと育ちが出てしまいましたが、では、議題2「『生活設計と年金に関する世論調査』について(報告)」の御説明を事務局からお願いいたします。

○海老企業年金・個人年金課長 すみません、どちらが正しいか、私も若干怪しいのですけれども、世論調査ということで説明させていただければと思います。

 生活設計と年金に関する世論調査について、資料の2のほうを御覧ください。

 2ページになりますが「『生活設計と年金に関する世論調査』の概要」というところで、「調査目的」として、生活設計と年金に関する国民の意識を把握し、今後の施策の参考とするというところで、定期的な調査ではなく不定期な世論調査という形で、前回は平成30年に、老後の生活設計と公的年金に関する世論調査という形で実施をしていました。

 今回は、公的年金に加えて私的年金について、初めて世論調査を行ったものです。

 結果について、主に私的年金に関わる部分を抽出する形で御説明できればと思います。

 3ページから「老後の生活設計について」という問いに対してです。左側のところ、何歳まで仕事をしたいか、またはしたかという問いについて、約4割の方が66歳以上と回答しています。

 次に右側のところ、老後の生活設計の中での公的年金の位置づけというところで、公的年金に全面的に頼るとおっしゃっている方が26.3%、約4分の1程度です。また、53.8%の方が、公的年金を中心に、これに個人年金や貯蓄などを組み合わせるという回答をされています。

 赤で囲っているとおり、公的年金に頼る、あるいはそれと貯蓄を組み合わせるといった形で御回答をいただいた方が、全体で約8割程度という形になっています。

 それから、年齢層が高いほど、全面的に公的年金に頼るという回答の割合が高かったという傾向が見て取れるという形です。

 次、4ページになります。

 「老後に向け準備したい、またはした公的年金以外の資産について」というものです。

 老後に向け準備したい、またはした公的年金以外の資産ということで、薄い水色になりますが、どの世代でも預貯金が6割を超えておりまして、退職金や企業年金については、おおむね3割程度というデータになってございます。

 また、NISAであったり、iDeCoであったりというものに関しての認識については、年代ごとにばらつきが見られますけれども、相対的に20代から40代の年代で高い傾向にありました。

 次の5ページになります。

 「私的年金制度の仕組みや役割についての認識について」ということで、私的年金制度全体について、何らか認識されていると回答した方に、具体的にどういうことを認識されているのかというのを複数回答で聞いた結果になっております。

 一番高かったのは、紺色の「国民年金基金が1号の加入者でできること」だったのですが、次に高いのは、赤色の「私的年金全体について一人一人の多様なニーズに合わせ、老後に向けた資産形成を行うことができる制度であること」であり、全体で見て4割程度の認知がされていました。特に20代から50代に関しては、4割を超える数字になっているところです。

 それから、「拠出した掛金について、税制優遇を受けられること」に関しては、全体で3割程度が認知をされていて、30代、40代だと4割を超えて認知されているといったデータになっております。

 次、6ページになります。

 私的年金制度に加入している、またはしていた理由についてです。

 これは、御本人が何らかの制度に入られていると回答した場合に、複数回答で伺ったものということになります。

 一番多かったのが、「勤めている会社でDB・企業型DC・厚生年金を実施していたから」というところで、これが6割弱ぐらいの回答です。

 それから、「ゆとりある老後生活を送りたいから」というのが3割と少しという結果になっています。

 あとは、「税制優遇を受けられるから」という回答は、30代、40代では3割ぐらいで、年代的には、やはりこの年代が比較的高いのかなというところです。

 それから、7ページ「私的年金で改善を希望する点について」になりますが、幅広い年代で手続の簡素化についてのニーズというのが高かったということと、あと、赤い棒グラフになりますけれども、「公的年金・私的年金を併せて自分の年金情報を確認できるツール」を求める方が、どの世代でも約3割程度いらっしゃいました。

 あと、「手数料をより安くしてほしい」という回答をしたのが、20代から40代が多かったのと、掛金の拠出限度額を引き上げてほしいという回答したのは、30代から50代が多かったというデータになっております。

 次の8ページ、今度は、「私的年金に加入していない、またはしていなかった理由」について、御自身で「私的年金制度に加入していない、又は加入していなかった」と回答された方のみに、複数回答でお伺いをしているものになっていますが、一番多かったのは、やはり「私的年金制度についてよく知らない」という理由が突出して多かったというところですけれども、「私的年金に拠出する余裕がない」という方についても、30代以降に関しては、約3割程度が理由として挙げられておりました。

 あとは、40代では「加入の手続が面倒」という回答が2割程度見られたというところです。

 次に9ページになります。私的年金制度について詳しく知りたいことというのを伺ったところ、全体として「加入のメリット」を知りたいといった方が最も高く、20代から50代では5割を超えてきていたというところです。

 それから、「掛金の効果的な運用方法」について、薄いピンクですが、全体としては、それほど高くはないのですけれども、20代から40代では、3割以上が知りたい内容ということで挙げていただいていたというところです。

 あと、「ライフプランに合わせた受給開始方法の選び方」についても、30代、40代だと約4割が知りたい内容として挙げているという結果になっております。

 最後10ページになります。「私的年金制度について参考にしたい情報源について」というところです。

青い左側の棒グラフ、赤い棒グラフ、新聞・ニュースサイトの記事や雑誌や、テレビやラジオなどというのが高かったのですけれども、薄い緑色の厚生労働省の広報やセミナーというのも一定程度の回答は得ていたというところです。

 あと、全体として、それほど割合が高いわけではないのですけれども、茶色の棒グラフについて、年齢が低いほど旧Twitter、Xですとか、YouTubeなど、個人が発信している情報という割合が高くて、例えば、20代のところを見ていただきますと、約3割が参考にしたい情報源として挙げていました。

 ここに関しては、年代が上がるごとに少し下がっていくという傾向が見て取れますので、若い方ほど、こういった情報も参考にされているという傾向が見て取れました。

 説明としては以上になります。ありがとうございます。

○森戸部会長 ありがとうございました。

 それでは、議題2については報告ですけれども、委員の皆様から何か御質問、御意見等があればいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 では、岩城委員、お願いします。

○岩城委員 ありがとうございます。

 やはり全体を見て、金融経済教育とか、情報提供の必要性というのをすごく感じました。

 皆さんが参考にしたい情報源について、厚生労働省の広報やセミナーというのが結構比率が高いというのですが、やはり信頼感だと思うのです。決して上から言っているわけではないのですけれども、積立NISAがスタートしたときに、金融庁と一緒に「つみップ」というイベントで、全国いろいろなところへセミナーに行ったことがあるのですけれども、そのときに来てくださった方がおっしゃっていたのは、セミナーに行って、不適切な金融商品を売られたりする心配がないから安心して来たということで、そこはすごく大事だと思うのです。

 若い世代などは、旧TwitterのXとかYouTubeなどを参考にしていらっしゃるケースも非常に多いのですけれども、これも玉石混交だと思いますので、やはり正しい情報発信というのが必要ということで、この4月から始まる金融経済教育推進機構などとも連携して、しっかりとした誰でもが受けられるセミナーとか、情報発信というのを充実していくことが大事かなと思いました。

 ありがとうございます。

○森戸部会長 ありがとうございます。

 では、金子委員、お願いします。

○金子委員 ありがとうございます。

 今、岩城委員がおっしゃったとおり、教育ですとか広報が大事だと思っております。それ以外の点として、1点気になったところというか、注目してしまったところがあって、それは4ページ目なのですけれども、老後に向けて準備したい手段として、iDeCoが全体だと9%程度で、現役世代だと、世代によっては20%近くまでいってはいるのですが、この図を見て感じたところを申し上げますと、2つあって、1つは、NISAに圧倒的に負けているということです。

 かつて似たような調査をやったことがあって、サンプルだとか手段も違うので、単純に比較できないのですけれども、iDeCoとNISAがこんなに差が開いてはいなかったと思います。ですから、ここ1、2年で、この差がついてしまったのだと思います。私としては、厚生労働省の部会に所属していますから、もっとiDeCoに頑張ってほしいということを少し思いました。だからどうしろという話ではないのですけれども、単純にショックだったという話でございます。

 もう一つは、もう少し冷静に見てみますと、20代、30代で特にiDeCo対比でNISAの比率というのが高くなっています。割り算をしてみましたら、大体20代、30代で2、3倍の回答を集めているような感じになっています。

 これが、仮にこれが固定化されると、どういうことになるかを少し考えてみますと、若いうちにはNISAで資産運用を始めて、少し余裕が出てきたらiDeCoもというのが一般的な考え方として定着する可能性もあるのかなと思っておりす。もしそうだとすると、例えば40代、50代になってiDeCoを始めても、十分iDeCoとしても資産の蓄積ができるような拠出枠を用意するだとか、あるいはキャッチアップみたいなものを用意しておくというような対策の合理性というのはあるのかなと感じた次第でございます。

 以上でございます。

○森戸部会長 ありがとうございます。

 ここの部会だとiDeCo派だから、NISAを別に敵視するわけでは全然ないですけれども、でも、これはおっしゃるとおりの興味深い結果だと思います。これは、老後に向けて準備したい公的年金以外の資産は何ですかの中に、選択肢で「NISAと呼ばれる制度」というのが多分あるのですね。

○海老企業年金・個人年金課長 そうですね、これは、全部選択肢としてお示しをして、複数で選んでいただく形になっています。

○森戸部会長 だから、NISAは老後の制度なのかとか、言い出すといろいろと趣旨が違うではないかとか、でも別に老後のために使ってもいいでしょうとか、言い出すといろいろと切りはないとは思うのですけれども、やはりここ最近、NISAも結構マスコミとかにも取り上げられたし、そういう中では、このようになって、私などは、イデコくん、結構頑張ったではないかみたいな感じさえするのですけれども、でも、おっしゃるとおりで、別に敵対するものではないので、金子委員が言ったみたいに、両方目的は違うけれども、両方を通じて長期の資産形成とか、そういうことについて理解が全体的に深まればいいのかなと思いますので、そういう方向で、両方の制度なりも含めて、どうしていくのが一番いいかということは、部会でも議論できるのではないかなと思います。ありがとうございました。

 小林由紀子委員、お願いいたします。

○小林(由)委員 御説明どうもありがとうございました。

 本日御紹介いただいた世論調査に関して、別途公表されている調査概要も拝見して気づいた事項について、2点ほどコメントをさせていただきたいと思います。

 1点目は、回答者の方々の年齢構成についてですが、男女ともに50歳以上の回答数が多く、人口構成と比較してもやや偏りがあるのではないかと感じました。

 2点目として、回答者が加入している私的年金について、未加入に次いで多い回答が、厚生年金基金と国民年金基金となっていました。この結果は、これまで本部会で示された制度の状況と少し乖離しているのではないかと感じました。

 よって、今回の調査結果に関しては、データの特性や実態を踏まえて、参照する際には、そのまま受け入れるのではなくて、一定の留保つきで取り扱う必要があると考えます。

 以上です。

○森戸部会長 ありがとうございます。

 事務局、何かありますか、今の点について。

○海老企業年金・個人年金課長 回答者の属性に関して、まず、この世論調査自体は、回答者の属性も含めて、ホームページ上でも全て公表されています。

 年齢層については、おっしゃるとおり、回答をいただいた方の人数の差というのは、一定程度年齢階層によって違いがあるところはあろうかと思っております。

 また、先ほど御指摘のあったどの私的年金に入っているのかという問いに対して、国民年金基金と厚生年金基金が、かなり多い加入者を占めていらっしゃったという回答結果に関しては、これは郵送法でやっているため、どうしても限界がありまして、御本人方々がそう回答したという結果でしかないというところではあるのですが、そういった認識の違いというか、御本人の認識の誤解も含めて、何らかあったということも考えられるのではとは思っております。

 いずれにしても、今回初めて世論調査という形で、私的年金も含めてやってみたというところでありますので、今回の結果も踏まえつつ、また、これをどう生かしていけるのかということと、また、次にやる機会に際しても、今回の結果を踏まえて検討していきたいと思っております。

 以上です。

○森戸部会長 ありがとうございます。

 分からないですけれども、厚生年金と厚生年金基金と、もしかしたら、間違ってしまっている人もいるかもしれないということなのかなと思います。そこは分からないですけれども、たまたま調査が存続している5厚生年金基金の人に届いたのかもしれないけれども、そうではないとすれば、だから、その意味では、いろいろ突っ込みどころがあるというか、聞き方も難しいし、やはり、そもそも私的年金と言われたときに何をイメージするかというのも難しいし、いろいろハードルのある調査というか、大変だと思うのですが、ただ、先ほど御説明があったように、私的年金の話が初めて世論調査で、これは格調高いのだと思いますけれども、その世論調査で聞かれたということ自体に意味があるし、非常に大事なことだと思うので、なるべく正しい結果が得られるように、また、これは工夫していかなくてはいけないのだと思います。この結果も踏まえて、また、政策の議論をしていければとは思います。

 ありがとうございました。

 では、島村委員、お願いします。

○島村委員 ありがとうございます。

 私、金子委員の御発言を聞きながら、キャッチアップとか生涯枠の視点というのが、やはり改めて大事だなと思いました。

 今から言うことは、単なる思いつきなのですけれども、今だとNISAからiDeCoに資産移管をするのはできないということで、そこは、もしかしたら、できるようにするとかというのも、退職金を入れられるようにという議論もあったかと思いますけれども、今後、議論していってもよいのかなと思いました。

 あと、機構のほうとの協力、連携というのが大事になってくるかと思いますけれども、機構で何ができて、何はできないから、こっちでやらなくてはいけないのかというのを、以前も申し上げさせていただきましたけれども、確認していただいて、抜かりのないようにしていきたいなと思っております。

 家庭科の先生だとか、社会の先生だとかが子供たちに教えるというのもあるかと思いますので、その先生たちが、ちゃんと子供たちに教育できるように、先生たちをバックアップする仕組みというのも大事ではないかなと思っております。ありがとうございます。

○森戸部会長 ありがとうございました。

 NISAとiDeCoの話ですが、恐らく税制上の扱いが少し違うから、普通に移管というイメージとは違うかもしれないですけれども、金子委員がおっしゃったように、こういう道があるよと、資産形成の在り方を考える上で、こう考えていこうという、それを示すことはできるのかなと思いました。

 後半は、おっしゃったことは、まさに、金融経済教育機構も含めて、国としてやっていくべきことだとは思いますけれども、ただ、確かに誰が教えるかというのも非常に重要で、これは一般論ですけれども、先生という人は大体、そんなに常識もないことが多いから、そちらも大事ですね、確かに幾ら教育が大事だといっても、誰が教えるかというのも非常に大事なので、そこもきちんとしていただければと思います。

 ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか、この世論調査につきまして、オンラインのほうでは、何か御意見のある方はいらっしゃいますか。山口委員、お願いします。

○山口委員 ありがとうございます。

 私も感想です。スライドの8で、私的年金に入っていない理由が、情報の不足を挙げる回答が多いということ、それから、スライドの6で加入している理由として、勤めている会社で企業型DCとか、厚生年金基金を実施していたからという回答が多いということについて、この部会の議論の中では、関係機関がどういう情報を提供しているかとか、持っているかについて、かなり詳細な情報があると説明をいただいているのですけれども、情報がかなり偏在しているという印象で、国民・利用者にとって身近なのかと言われると、制度が身近になっていないところが、見えてくるような結果です。そういった情報をいかに届けて、選択につなげていくか、制度としての示し方は、今後の議論の課題ではないかと思っております。

 以上です。

○森戸部会長 ありがとうございます。

 おっしゃったとおりだと思いますが、そもそも会社にいると勝手に加入する制度から、自分で意思決定して入る制度とでは、当然、広報の在り方とかも違いますので、そういうことも、もちろん考えていかなければいけないだろうとは思います。

 ありがとうございます。

 原田委員、お願いします。

○原田委員 感想です。皆さんがおっしゃっていたことと大体同じなのですが、4ページで、NISA対iDeCoで、iDeCoが遅れているというところも含め、ほかのページの情報と併せて考えると、やはり、アクセスのしやすさというのは、大分影響しているのだろうと思います。情報に対するアクセスと、あと、実際に加入することに対する手続面でのアクセスの容易さというのがあって、NISAとかだと、証券会社のネットでぽんと入れますが、iDeCoだとそういうわけにはいかないので、限度額とかいろいろありますので、やはり手続面での簡素化であったり、制度の広報・周知というところが、これからの課題なのだろうというのが、この全体の資料の結果を見て思ったところです。

 以上でございます。

○森戸部会長 ありがとうございます。

 確かにそうですね、だからNISAが非常に人口に膾炙していて、みんなが割と気軽に入りやすいのだとすれば、iDeCoも、もちろん制度は違うのだけれども、同じような形でアプローチなり、広報なりできるのではないかという視点も必要かなと思いました。

 ありがとうございます。

 大江委員、お願いします。

○大江委員 今の御意見に関連して、国基連の方にお伺いしてみたいことがあります。マイナンバーなどを使って、iDeCoの手続のデジタル化をという動きを何年か前から、いろいろされていて、実際に手続などが現場において変わってきているのか、簡素化されつつあるのか、前にも現状報告の際に、ある程度進んでいるようなお話があったように認識をしているのですけれども、直近の取組として手続の簡素化について、何か動きなどがあれば、お聞きしたいなと思いましたが、いかがでしょうか。

○森戸部会長 それは、国基連さんへ、オブザーバーへの御質問ということでよろしいですか。

 では、何か分かる範囲であれば、よろしくお願いいたします。

○松下国民年金基金連合会理事長 以前、関係団体としてのプレゼンをさせていただいたときにも申し上げましたけれども、政府のデジタル改革の流れに沿って、私どもも対応を進めてきているところではあります。端的に申し上げると、手続のオンライン化が、ここ数年、精力的に取り組んでいる領域です。

 現状ですと、今年の2月の新規加入者のうちの電子申請による加入状況というのは、大体35%ぐらいということで、昨年が大体15%とか20%とかという状況が続いていたことに比べると、上がってきたのかなと思っています。

 ただ、個々の運営管理機関ごとに見ると、この電子申請のウエートが非常に高い運営管理機関と、そうではないところと、かなりばらつきがあるというのも現状であります。その辺は、今後どうやって普及を広げていくかというのは課題かと思っています。

 それから、もう一つ申し上げると、加入の申込み、新規の申込みだけではなくて、いわゆる変更手続についても簡単にオンラインでできるようにという準備は、進めておりまして、本年の12月に令和2年度の法改正の最後の施行に向けての対応を、今進めていますが、同時に、2号被保険者に対しての事業主証明の廃止ということが行われますので、そのタイミングで、かなりiDeCoに関わる帳票類の見直しを、やらなければいけないということもあります。従って、この12月の事業主証明の廃止に伴う手続関係の簡素化、変更というところが、1つのタイミングになるのかなとは思っています。

 オンライン化を進めていくためには、私ども国基連としてのシステム対応が必要だということと同時に、運営管理機関の方でシステムの対応をいただかなければいけないという側面もありまして、この両方が相まって、オンラインによる申請が進んでいくと、こういう状況にあります。従って、従来のやり方ですと、運営管理機関の方でシステム対応に伴うコスト、手間が当然発生するわけですので、この辺の御理解をいただかなければ、なかなか普及が進まないという面がございましたけれども、今、申し上げたマイナポータルを使ってというところに関しては、できるだけ運営管理機関の負担がかからない、少なくした形で手続を進めていきたいと思っておりますので、今、こちらを積極的に、今後いろいろ説明会等を実施しながらやっていきたいと思っております。

 現状は、そんなところです。

○大江委員 ありがとうございます。

 大変心強いお話をいただけて、大変うれしく思いました。ありがとうございます。

○森戸部会長 ありがとうございます。

 では、渡邊代理、お願いいたします。

○渡邊部会長代理 ありがとうございます。

 今回の調査の結果といったところを拝見いたしまして、感じたところを少しだけコメントさせてください。

 私的年金の普及促進といった観点からは、私的年金に加入していない、していなかった理由のトップとして私的年金制度についてよく知らないからといったところが挙げられています。

 それに比べて、NISAというものは、認知度が高くなっていると。その違いはどこから来ているのかというところが気になります。やはり、この調査の中でもありますように、どういったところを情報源として使っていますかということを意識しますと、iDeCoに関しては、NISAほどまだ宣伝がされていないという印象を持っております。

 国としてiDeCoなどの普及といったところに力を入れるのであれば、少なくともNISAと同じ程度に、今後、宣伝、周知、広報をしていくといった取組が必要なのではないかと感じた次第です。

 以上です。

○森戸部会長 ありがとうございます。

 確かにiDeCoももっと宣伝してと、ただ、NISAも別に、現場の宣伝の効果も、もちろんあると思いますので、別に国が力を入れていないというわけではないと思うのですけれども、事務局に聞こうかな、ちゃんとやっていますと。

○海老企業年金・個人年金課長 先ほどの世論調査の中でもコメントをいただきましたけれども、厚生労働省の広報やセミナーというのが、高いと言っていいのか分からないですけれども、参考にしたい情報源としてほかと比較して、新聞とかテレビとかの次に来ているというところで、一定の正確な情報をきちんと発信していくことが大事だという御意見も踏まえまして、対応をしていきたいと思っております。

 先ほど部会長から、「イデコくん」と言われたのですけれども、「イデコちゃん」なので、その辺からも含めて、周知に努めてまいりたいと思っております。

 以上です。

○森戸部会長 今日は、本当は報告でしゃんしゃんで終わるはずが、ちょっと長くなって、私のせいで申し訳ないです。イデコ「ちゃん」なの。

○海老企業年金・個人年金課長 イデコ「ちゃん」です。

○森戸部会長 それは、なぜ。「こ」だから。

○海老企業年金・個人年金課長 いえいえ、そういうキャラクターの名前です。

○森戸部会長 キャラクターね、別にジェンダー的な何か古い考えにとらわれている「こ」だから、ちゃんというわけではないですね。

○海老企業年金・個人年金課長 違います。

○森戸部会長 「イデコちゃん」というのが、キャラクターでいるのですね。

○海老企業年金・個人年金課長 はい。

○森戸部会長 NISAも何かいるのですか。

○海老企業年金・個人年金課長 NISAは、「ワニーサ」というのがおりまして、どちらも並べながら厚生労働省でも比較して、どちらもいいものだよということで、周知はさせていただいております。

○森戸部会長 なるほど、失礼しました。今日は、いろいろ私の読みが間違って、「イデコちゃん」ですね。

 すみません、新しい情報を今になって得たのですけれども、もちろんNISAも国の政策として大事ですし、ただ、iDeCoの場合、どうしても当部会はイデコちゃん派だと思われてしまうかもしれないけれども、やはり、長期的に加入して、早く考えるほど、より老後のためにはなる制度だと思うので、そういう意味では、むしろ若い世代には、iDeCoの広報のほうがと言ったら変ですけれども、それが非常に必要なのではないかという気がしますので、それも踏まえて、ぜひやっていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

 よろしいですか。すみません、最初、皆さんは多分、このまま終わろうと思ったのに、何か部会長がいろいろ言っているから、何かしゃべっていいのかなという感じで、いっぱい発言されて、事務局は早く終われと思っていたと思うのですけれども、ようやくこれで終わりにできそうです。

 ありがとうございました。

 それでは、少し予定の時間よりは早いのですが、本日の議事は以上で終了いたしたいと思います。

 今後の予定等について、事務局からお願いいたします。

○海老企業年金・個人年金課長 次回の議題や開催日程につきましては、追って御連絡をさせていただきます。

○森戸部会長 ありがとうございました。

 一応年度がもう終わりまして、別に4月からも、この部会は続きますけれども、これで今年度最後の第33回企業年金・個人年金部会を終了いたしたいと思います。

 皆さん、御多忙の折、お集まりいただきまして、どうもありがとうございました。お疲れさまです。