第38回 社会保障審議会企業年金・個人年金部会 議事録
日時
令和6年12月2日(月)
10:00~12:00
場所
全国都市会館 3階 第2会議室
出席者
森戸部会長
渡邊部会長代理(オンライン)
岩城委員 大江委員 金子委員 小林(由)委員 小林(洋)委員 島村委員 谷内委員 原田委員 藤澤委員 松田委員 水崎委員
(オブザーバー)
鮫島企業年金連合会理事長
松下国民年金基金連合会理事長
議題
DC制度・その他について
公的年金シミュレーターについて(報告)
議事
議事内容
○森戸部会長 皆さん、おはようございます。ちょっと定刻には早いのですけれども、皆さんおそろいですので、ただいまより第38回「社会保障審議会企業年金・個人年金部会」を開催いたします。お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。
本日ですが、山口委員が御欠席、渡邊部会長代理はオンラインで御参加いただいております。
事務局のほうですが、本日、武藤大臣官房審議官は欠席とのことです。
御出席いただきました委員の方が3分の1を超えておりますので、会議は成立しておりますことを御報告申し上げます。
それでは、議事に入らせていただきたいと思いますが、まずは事務局から資料の確認をお願いいたします。
○海老企業年金・個人年金課長 資料の確認をさせていただきます。
本日の資料としましては、資料1「DC制度・その他」について。
資料2「公的年金シミュレーター」。
参考資料1から3まで御用意をしております。御確認ください。
○森戸部会長 ありがとうございます。
それでは、議題に入りたいと思います。カメラの方がもしいらっしゃいましたら、ここで退室をお願いいたします。
(カメラ退室)
○森戸部会長 本日は、議題1「DC制度・その他について」、議題2「公的年金シミュレーターについて(報告)」を議題といたします。
まず議題1について事務局から説明をお願いいたします。
○海老企業年金・個人年金課長 では、まずは資料1を使いまして「DC制度・その他について」、議題1に関する説明をさせていただきます。
資料1を御覧ください。
「DC制度・その他」についてですが、まず「いわゆる「総合型DC」についてです。
おめくりいただいて次のスライド、「中小企業におけるDCの取組状況」に関して、今年の7月に御議論をいただいたものですが、中小企業においてはいわゆる「総合型DC」の利用が増加をしている状況にあります。
次のスライドを見ていただきまして、「総合型DC」はどういったものを想定するのかというところですが、企業型DCは制度上、「総合型DC」というものはありませんが、2以上の事業主が1つの企業型を実施しているような場合、この場合に代表事業主が様々な手続を行いながら「総合型DC」と称して加入者を募っているような例があるということ、これは前々回の7月の部会でも御説明をさせていただいたところです。
5ページは、総合型のDBの御参考となる資料です。
6ページは、「いわゆる「総合型DC」へのヒアリング結果の概要」というところですが、前回の7月の議論の際に、いわゆる「総合型DC」についてどういう状況なのかというのをもう少し実態を見た上で議論をしたいという御意見もいただいていたところであり、我々のほうでヒアリングをいたしました。
表にまとめておりますが、業務・資本金等の密接な関係を有していない2以上の事業主というものが実施しているところですが、代表事業主やその役割、意思決定の在り方というものはかなり様々であったというのが、この結果の中から見て取れるところです。実施主体も運営管理機関、企業年金基金、商工会議所等で、代表事業主に関しても運営管理機関の関連会社であるところであれば特にそういった関わりもない一事業主がなられているようなパターンと、様々あるようであるという状況でした。
また、運用のほうですが、運用の方法の商品の選定や見直し、あるいは加入者への説明、継続投資教育、これらに当たっても実施主体である運営管理機関や企業年金基金等が主導をして実施をされているというところもありますが、その取組状況というのは様々であったというのがヒアリングの中から見て取れたというところです。
そうしたことも踏まえまして、次のスライドですが、「本日ご議論いただきたい点(いわゆる総合型DC)」についてです。
いわゆる「総合型DC」は先ほども御説明をしたとおり、中小企業で活用されているという状況です。
ただ、実施主体や形態は様々であり、取組状況も様々であるというような状況です。
【これまでの主なご指摘】としては、やはり実態をちゃんと踏まえるべきだということ、ガバナンス面での問題がないかとか、そういったところの把握をしていくべきではないかといったことが指摘されています。他方、やはり中小企業へのDCの普及の観点から、このいわゆる「総合型DC」は非常に有効な手段だということも踏まえて、過度な負担にならないように留意をしつつ、加入者の利益の確保という観点で運営を見える化していく等の必要な手段を検討していくべきではないか。このような御意見をいただいていたところです。
そういったものを踏まえまして、本日【ご議論いただきたい点】です。
1つ目、総合型DBの規定を参考に、業務・資本金等の密接な関係等を有していない2以上の事業主が行っている企業型DCについて、いわゆる「総合型DC」として法令に位置づけ、見える化の一項目として状況を把握していくことについてどのように考えるか。
また、いわゆる「総合型DC」を法令に位置づけた場合、その実態を踏まえながら、今後、以下の項目についてどのような取組を進めていくべきか。
運用の商品の選定であったり、モニタリングであったり、継続投資教育の実施、こういったものについて取組をどのように進めていくべきか、こうした点を御議論いただければと思います。
続きまして「自動移換」に関してです。
スライドの9ページ、「これは自動移換者の状況」というところで最新の数字を載せさせていただいています。
令和6年3月31日時点、自動移換者、これは資産がある方で72万人という人数の方がいらっしゃるというところです。新規で入られている方が15万人、15.6万人で、他方、企業型や個人型から出て行く方も5万人くらいいらっしゃるという状況になっております。トータルで自動移換者が増えた分というのが10万人くらいと、このようなデータになっています。
10ページ、11ページにはそういったものの推移をつけさせていただいております。
新規の方に関しては、一時期横ばいになっているところもありますけれども、増加傾向で、自動移換者数に関しては増えているという状況です。
次に、11ページが企業型・個人型の移管戻し、すなわち自動移換から出ていかれた方々の数字というところですけれども、こちらに関しても件数、資産額、ともに伸びてきている状況が見て取れるということです。
また、めくっていただきまして12ページのスライドです。
「企業型DCの加入者資格喪失者に占める自動移換者数の割合」というものを出しております。
これは、事業主ごとに企業型DCの加入者資格喪失者に占める自動移換者の割合というのはもちろん異なるのですけれども、平均で33%、また自動移換者の割合が50%を超えてくる。左側の赤い色が濃くなってくるところになりますけれども、50%を超える事業所というのは全体の32%と、このような数字になっています。
13ページは、現状の「転職者に対する事業主の説明義務」というものをまとめています。
14ページはその根拠法令というところですけれども、事業主に関する説明の義務、企業型のRKや国民年金基金連合会の自動移換の際の説明義務というものが法令上、課されているところです。
また、次のスライド、先ほどの赤いグラフですと、色の薄いほうにある自動移換者の割合が低い事業主へのヒアリングの結果をまとめています。
この自動移換者への割合が低い事業主に関して、加入時、加入期間中にどういった対応をしているかをお伺いしたところ、やはり中途で入られている方に必ず転職前にDCをされているかどうかの案内をしているといったようなことをきちんとやっていますといったようなお話であったり、そもそも継続投資教育に精力的に取り組んでいるので、その中でポータビリティーですとか、企業型に入っているという意識が高いのではないかといったお話がありました。
また、退職時、退職後に関しても、ほかの手続と合わせてきちんとイントラに載せて周知を図っているといった取組、運管だけではなくて自社でもきちんと資料をつくって御自宅に郵送されているような取組であったり、退職後に資産移管をされていない方に関してRKから通知が行われることになるのですけれども、さらにRKから手続されていない方のリストを入手して企業から直接お送りをするといったような取組もされている。このようなお話があったところです。
16ページ、「本日ご議論いただきたい点」でございますが、自動移換に関してです。
【課題】と書いておりますが、自動移換はやはり退職後においても老後の所得確保をきちんしていくというところで自動移換者にならないこと、また自動移換者になった後もiDeCoですとかDCへの移管を促していくこと、こういったことが重要であるというところです。
これまで御指摘をいただいていたお話としては、きちんと実施事業主が加入者に説明を行うこと、またその加入者の加入意識を高めていくことも大事だといったようなお話、また他方、もとも資格喪失後に関するiDeCoの運管を規定することやデフォルトなど設定することについては、自動移換者を増やさないための有効な対策ではないかといった御指摘があった一方で、やはり手続をしないで自動化でデフォルトで運用されることになるので、加入者の意思が十分に反映されない懸念があるのではないか。このため、導入は慎重にするべきではないか。このような御意見もあったところです。あとは、手数料水準の御指摘もありました。
こうしたことを踏まえて【ご議論いただきたい点】です。
まず、これまでの議論や企業型DCの加入者資格喪失者のうち、一定割合が自動移換されているといったような現状を踏まえて、事業主が取るべき対応として例えば以下のような取組ですが、企業型DCの資格を喪失する前から喪失時にかけて、資格喪失時に取るべき対応の説明をするといったこと、また全加入者に対して自動移換に係る継続的な説明を実施するということ、こういった手続の徹底を図ることについてどのように考えるかというのが1つ目です。
それから2つ目、事業主等の意識の向上ということを通じて、企業型DCの加入者であった方の資産の保護を図るため、自動移換の状況を見える化することについてどのように考えるか。
それから3つ目、自動移換となってしまった方のiDeCo・企業型DCへの移管のさらなる促進のため、以下の取組を国民年金基金連合会に促すことについてどのように考えるかということで2つ挙げさせていただいていますが、自動移換となった方々の周知方法等の改善、それから手数料の適切な設定の2つです。こちらについて御議論をいただければということです。
引き続きまして、「いわゆる選択制DB・選択制DC」に関してです。
スライドの18ページにいわゆる選択制DC・DBに関するイメージ図をお示しております。
これは従業員が加入するかを選択できる仕組みとなっており、加入することを選択した方は企業年金の事業主掛金が拠出され、加入しないことを選択した方はそういった事業主掛金相当額を給与として受け取っているという仕組みです。特に、国としての制度があるというものではありません。
次のスライドが「いわゆる選択制DB・選択制DCにおける事業主掛金の賃金性」をということをまとめているものになります。
いわゆる選択制DC・DB、先ほどの図にありましたとおり、もともとの原資が既存の給与である場合、あるいは既存の給与でない場合、様々あるわけですけれども、ここの真ん中にある(1)から(4)、いずれに関しても、これは事業主掛金として拠出される場合には労働基準法の賃金には該当しないという整理になっているところです。
それから、20ページです。
これは、昨年の企個部会においても選択制DC・DBの課題ということを御議論いただいているところですが、やはり事前の説明、従業員に対する社会保険、雇用保険等の給付額への影響というものを、DCにおいては法令解釈通知できちんと説明するというルールがありますけれども、DBについて明文化されていない。このような御指摘があったところです。
次の21ページですが、中間整理においてもそうした点を踏まえて選択制DB・DCについてもう少し丁寧な説明が必要なのではないか、あるいはDBについてもきちんと通知に記載をしていくべきではないか。このような御議論があったところです。
次の22ページになりますが、「本日ご議論いただきたい点」です。
いわゆる選択制DB・DCに関してですが、先ほど御説明したとおり、給与ではなく事業主掛金と拠出する場合は賃金に当たらないということで、社会保険料の算定対象にはなっておりません。
他方、このためいわゆる選択制DB・DCの導入・実施に関しては、事業主から従業員に対して将来、公的年金の給付が下がる等の影響が生じることを含めて、制度内容に説明が丁寧に行われることが重要というところです。
【これまでの主なご指摘】としては、DCではきちんと位置づけられている説明義務に関して、DBにおいてもきちんと説明をする旨を記載するべきではないかといった点、あとは本来従業員の福利厚生として導入されるべきものである企業年金が過度に事業主の節税対策として使われていることが問題ではないか。このような御意見もあったところです。
本日【ご議論いただき点】としては2つあげておりますが、このいわゆる選択制DBについて、DCと同様にDBの法令解釈通知に追記する等、事業主が従業員に社会保険・雇用保険等の給付額への影響を説明するよう求めていくことについてどのように考えるか。また、これからそういったものを実施する事業主において労使協議、導入時・加入時に従業員に対して正確な説明が行われるようにするため、具体的にどのような取組が考えられるか。こうした点について御議論いただければと思っております。
引き続きまして「脱退一時金の要件」についてです。
24ページに、現行の制度をまとめております。
DCの脱退一時金に関しては、DCは老後の所得確保を目的とした制度ということになりますので、給付は障害給付ですとか死亡一時金を除いて原則60歳以降に支給という形になっています。
ただし、極めて少額な場合、あるいは短期間の場合、加入要件を満たさない等の一定の条件を満たす場合には例外的な措置として脱退一時金の支給を受けることができる。このような制度になっております。
脱退一時金に関して、これまでも見直しが図られてきているところですけれども、直近、では、令和2年度において脱退一時金の改善が図られております。
1つは公的年金の脱退一時金の支給上限にも合わせまして、3年から5年というところで年数の見直しをしていることと、あとは外国籍人材が帰国する際に公的年金と同様にDCの脱退一時金を受給できるように要件を見直す。このような見直しを令和2年の改正に行っているところです。
25ページからは、公的年金のほうの脱退一時金の制度の概要です。
公的年金の脱退一時金に関しては、25ページ、26ページに現行の制度、改正経緯をまとめておりますが、27ページ、28ページのとおり、現在年金部会において公的年金の脱退一時金の制度に関する見直しに関して御議論が行われているところです。
28ページの下から2つ目のところを少し見ていただければと思うのですけれども、【検討の方向性】というところで、在留資格の見直し、あるいは在留外国人の滞在期間も踏まえて、現行の支給上限を5年から8年に引き上げることについてどのように考えるか。こういったところに関する御議論というものが行われているところです。
こちらも踏まえつつ、29ページ、「DCの脱退一時金」に関しての御議論でございます。
【DCの脱退一時金の目的】、それから5年以下である理由というのは記載のとおりですけれども、基本的には例外的なものであるということ、あとはこの5年というのは先ほど御説明したとおり、公的年金の脱退一時金と同じ期間で設定をされているようなところです。
【ご議論いただきたい点】というところですが、在留資格の見直しや在留外国人の滞在期間を踏まえて公的年金の支給上限について5年から8年の引上げが検討されていることを踏まえまして、DCの脱退一時金の支給要件である通算拠出期間に関しても同様に5年以下から8年以下に引き下げることについてどのように考えるかといった点について御議論をいただければと思っております。
続きまして「健全化法への対応」というところです。
スライドの31ページを御確認いただければと思います。
平成26年4月に施行されました健全化法の附則の規定に基づきまして、今年の1月、2月の部会におきまして存続厚生年金基金等に関する御議論をいただきました。それを踏まえまして、今年の3月に中間整理の中で健全化法への対応について部会としてまとめていただいているところです。
31ページの資料の下の一番右にありますとおり、現在の存続厚生年金基金は。4つということになっております。
32ページ、33ページが中間整理でまとめているもの、中間整理において健全化法の対応をまとめていただいております。
健全化法の附則を踏まえて様々御議論いただいたところですけれども、33ページの最後の3つの○のところにありますとおり、厚生年金基金制度が歴史的役割を終えていることについて認識は一致しており、当面存続するとしてもあくまでも経過的な措置にとどめるべき。
財政状況等のモニタリングを続けながら、今後の在り方を議論すること。
また、受給者等の権利にも配慮しつつ、健全化法附則の趣旨を踏まえて諸課題に対する検討をさらに深めること。その際、他の企業年金への移行等の在り方については労使自身で十分な時間をかけて話し合うことが重要であり、今後そのような取組を促すことが必要である。このように記載されているところです。
中間整理を踏まえての状況の御報告です。各基金はこれまで存続を前提に健全であるべくということで取り組んできたところですが、今回の部会の御議論を踏まえてスライド34ページにあるような他制度に移行するのに加入者・受給者に生じる課題について労使での話合い等を通じて整理をいただくよう、改めてお願いをさせていただいています。定期的な財政検証とともに、各基金との対話を通じて検討を深めてまいりたいと考えております。
また、35ページ、36ページ、企業年金連合会についてです。
健全化法附則2条において、存続企業年金連合会についても記載があります。
スライドの35ページのとおり、企業年金連合会は厚生年金基金の中途脱退者等に給付を行うなど、企業年金としての通算センターの役割を担っております。
また、そうした事業に加え、この緑色の枠にあるように、企業年金の投資教育ですとか人材育成のための取組など、企業年金の発展普及を図るために重要な役割を担っているというところです。
また、企業年金連合会の財政について次のスライドでございますけれども、健全な状況というところです。
健全化法への対応に関しましては、3月の中間整理で取りまとめた議論について当部会の最終取りまとめに盛り込んでいくことといたしまして、厚生年金基金の検討とともに存続連合会についても引き続き検討してまいります。
続きまして、「石炭鉱業年金基金制度」にしてです。
スライドの38ページです。
石炭鉱業年金基金制度の見直しに関してですが、現状の枠に書いておりますとおり、石炭鉱業年金基金は石炭鉱業の坑内労働者のための老齢給付を行うためということで昭和42年に石炭鉱業年金基金法という法律に基づいて設立されたものです。石炭鉱業を行う事業主は当然に会員となるという制度になっています。
社会情勢の変化によって、石炭基金の会員の事業主は現在1社のみということになっています。石炭基金の意思決定を行う総会の構成員である会員事業主が不在になれば、この石炭基金制度自体の存続が困難となり、年金給付の継続ができなくなるといったような課題、または加えて現行法には解散の規定はありませんので、財産の精算はなされず、加入者や受給者の権利が保護されないおそれがあります。
また、石炭基金では定款の変更等の意思決定を行うに当たって、加入員の意思を反映するような制度設計にはなっておりません。現状、このような制度です。
「改正の方向性」といたしましては、石炭基金について加入者の意思をより反映できる一般的な制度であるDBに移行することが、より加入者、受給者の保護に資するということから、石炭基金をDB制度に移行して年金給付等の権利義務を承継することとし、これをもって石炭基金法を廃止することについてどのように考えるかといった御議論をいただければと思います。
次のスライドは御参考ですけれども、DBと石炭鉱業年金基金制度と厚生年金基金を比較しているものということです。
それから、最後は「その他」です。
41ページのスライドになりますが、「その他の検討項目」に関してです。
まずiDeCoプラスですが、iDeCoプラスとDBの併用に関してです。
DBを実施する中小事業主がiDeCoプラスを実施可能とするために、DBとiDeCoプラスの併用を認めることについて7月の部会でも御議論をいただいたところですが、これは一定有効だという御意見があった一方で、DBをやっているならば基本的には企業型DCを実施するべきではないかといったようなことで、かなり賛否の御議論があったのかなというところですので、右側の検討の方向性にありますとおり、事業主のニーズを見極めながら引き続き慎重に検討していくこととしてはどうかと記載しております。
それから、支払保証制度と年金バイアウトについてです。
支払保証制度、年金バイアウトに関するもの、これはヒアリング等を踏まえた論点を整理した際にも項目として挙げさせていただいていたところ、また前回の部会、令和元年の制度部会の取りまとめの際には引き続き検討ということで記載をされていたところですが、支払保証制度についても受給権保護の観点を踏まえた検討課題ということですが、様々な課題がある。特にそのモラルハザード等の課題もある。こういったことも踏まえながら、導入する必要性も含めて論点を整理していくこととしてはどうかとしております。
また、年金バイアウトに関しても、ここは受給権保護ですとかガバナンス、様々課題があるところでございますので、こちらについても慎重な検討をしていくこととしてはどうかということです。
長くなりましたが、説明としては以上です。よろしくお願いいたします。
○森戸部会長 ありがとうございます。
それでは、議題1について委員の皆様から御質問、御意見をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。どなたかいかがでしょうか。
では、大江委員お願いします。
○大江委員 御説明ありがとうございます。
非常に論点が多いので、意見を述べたい箇所に絞って発言させていただきたいと思います。
まず総合型について、法令に位置づけるということの目的が、各事業主にその責務が過度な負担にならない範囲で果たしてもらうことだということだとすれば、私は今、地方厚生局が窓口となって行っている継続教育、運営管理機関の評価、運用商品モニタリングの状況、中途退職者へのポータビリティーの説明状況といったヒアリングをベースにDBの業務監査のように、DCについても業務指導を行うというのが、効果としては最も高いのではないかと思っています。
今、そもそも行っているDCについての運営状況の報告ということを何のためにやっているのか。それは、こういう制度運営の改善につなげるためではなかったのでしょうか。ここは地方厚生局とともに管理・監督の一環としてきちんとやるべきではないか、と思います。商品ラインアップの改善については、高いコストのインデックスファンドをいまだ提示して抱えているような運営管理機関に、その理由を共管の金融庁にヒアリングしてもらうほうが迅速に対策できるのではないかとも思います。加入者にとっては、自分の老後資産を運用できる期間は日々減っていっているので、早急にできることをできるだけ早くやるべきだと考えます。
一方で、小規模な企業様へのDCの普及という観点からは、いわゆる「総合型DC」の中でも参加事業主さんをオープンに受け入れてくれる「総合型DC」という規約は非常に有効で、これを見える化するということはとても意義があると感じています。ですので、法令に位置づける目的、狙う効果というところを再考いただいた上で進めていただきたいと思います。
2つ目は、自動移換対策についてです。事業主ごとに、または規約ごとの自動移換の状況を見える化するということは刺激になって事業主からの案内については一定の効果が見込めるようには思います。
しかし、最後は中途退職した御本人が手続をする必要があるため、本人が関心を持って手続が進められるように、脱退一時金要件の個人別管理資産の額についてもう少し引き上げて、一定程度のものについては脱退一時金として支払うということも検討するといいのではないかと思います。本来は老後資産なのでしょうけれども、関心が持てない額では手続きをしません。
また、自動移換の管理手数料は前々から申し上げているようにiDeCoの運用指図者の手数料の最高額、現状月額480円だと思うのですが、これを下回るのは適切ではないと考えます。現在の52円の10倍、520円というものを下限に、さらにもっと言えば月1,000円くらいの思い切った引上げをして、「自動移換になってはいけないんだ」「その前に移換手続をするべきなんだ」というメッセージが強く正しく伝わるようにすべきだと思います。
あとは、1点質問なのですが、29ページだと思いますが、外国人の方の脱退一時金要件について、公的年金での検討の取扱いに合わせて期間を8年と延ばすことについて違和感はございませんが、たしか公的年金の改正においては再入国許可つきで出国をした者には、出国時脱退一時金の支給を認めないというような内容になっていたかと思います。
一方で、DCの部分については再入国許可つきの出国であっても脱退一時金の支給を認めるというような取扱いをイメージされているのかどうか、この点は教えていただきたいと思います。
3つ目は、いわゆる選択制のDB・DCについてです。前回の部会でも申し上げたとおり、本来は事業主掛金として取り扱うのではなく、マッチングなど他の加入者掛金と同様に社会保険料の対象とすべきだと個人的には思っています。特に選択制DBで掛金上限が月額40万円というようなプラン情報などを見ると、いわゆる社員の方の老後資産形成を行う従来のDBとは少し別物だというふうに感じます。また企業型DCについても拠出限度額を上げていただきたいと考えているのですが、限度額が上がればこの仕組みを利用している一部の人たちだけが社会保険料を負担しない裁量を大きくしていくということになり、社会保険全体を考えると逆に企業型DCの限度額を上げることの足を引っ張ることになるのではないかという点も懸念をしております。
既存の給与、賞与を原資とする選択制のDB・DCを採用するということについて、労使合意の過程で給与、賞与を自ら切り下げているんだ、世の中の賃上げに逆行して賃下げをするんだ、ということをよく認識していただいた上で労使合意いただきたいです。また、採用時の報酬提示においても賃金と誤認させないように、例えばそのネーミングにおいてライフプラン給与といった表記は控えるようにした方がいいのではないかと思います。
多分、この問題の根底には社会保険料の負担というものが、会社員とか事業主にとって社員が困ったときを支える給付に結びつく、いわゆる欠かせないものだというような理解、納得が十分ではない点があると思われます。社会人に対する社会保険教育というところはもっと力を入れていくべきだと思います。
私もJ-FLECの運営委員として、この辺りに力を入れてやらなければいけないという意を強くいたしました。
最後に、御説明にはなかったのですが、公的年金のシミュレーターの資料があって、iDeCoの積立て試算機能追加については公的年金部会でも御意見が出ていたようにも思います。こちらの部会でも同様の意見が出ていたように思うのですが、前提が異なるiDeCoの試算額と公的年金の受取り見込み額という金額をを同じサイトで見せると混乱させるということになりかねません。ですので、私はiDeCoの積立て試算機能の追加については反対です。それよりも、遺族年金など公的年金に関する情報の充実を望みたいです。もし、iDeCoについて情報を掲載するのであれば難しいと思うのですけれども、本人の積立て可能額といったものを掲載いただけたらと思います。
長くなりました。以上です。
○森戸部会長 ありがとうございます。
最後の公的年金シミュレーターの件は議題2のほうで触れますが、そのときの意見はもういただいたということで、後でつけておきます。
○大江委員 すみません。
○森戸部会長 それでは、まさにいろいろ御意見をいただいたのですが、質問が1つありましたので、まず再入国許可つきだとどうなのかという話でしたね。それを事務局にお伺いしようと思います。お願いします。
○海老企業年金・個人年金課長 ありがとうございます。
恐らく今、御指摘いただいたところは、スライドで言うと27ページに公的年金の脱退一時金の見直しの方向性と、検討の方向性は28ページに書いてございますが、再入国許可つきで出国した者についての脱退一時金は当該許可の有効期間中は支給しないということについてどのように考えるかといった御議論がなされているという点でございます。
ここに関しても、先ほどの期間だけではなくて、ここの点もトータルで脱退一時金制度の公的な見直しを踏まえつつ、我々もDCのほうをどう考えるのかというのは御指摘のとおり検討が必要かとは思っています。
ただ、DCの場合、実務の影響というものもございますので、そちらも踏まえながら公的なほうの整理とも合わせて検討を深めていきたいと思っております。
以上です。
○大江委員 ありがとうございます。
個人的には、再入国のところを条件としないほうが私も実務上、運用しやすいのではないかと思っておりまして、ちょっと確認させていただきました。実務が回るように御検討いただけましたら幸いです。
○海老企業年金・個人年金課長 ありがとうございます。
実務をどう回すのかというところも考えながら整理をさせていただければと思います。ありがとうございます。
○森戸部会長 ありがとうございます。
公的年金のほうがどうなるかにもよりますので、その点はまた詰めたいと思います。
大江委員からいろいろ御意見をいただいたので、全部についてコメントということはないのですけれども、最初におっしゃったことは「総合型DC」ですね。法律に位置づけることに別に反対ということではないけれども、ある意味、今は現行法でもできることが、DBでやっているようなことをDC総合型でもできるのではないかという御指摘だったと思いますが、それは確かにそうだと思いますので、その辺も検討していただければと思います。ありがとうございました。
ほかの方いかがでしょうか。
では、水崎委員お願いします。
○水崎委員 私からは1点質問と、2点御意見をさせていただきます。
まず1点目、「総合型DC」の件ですけれども、これは法令に位置づけた上で状況を把握していくという必要性は理解をしました。資料1の7ページ目には、企業型DBの規定を参考にしながら法令に位置づけるということで、いろいろな報告を行う必要が出てくると思うのですけれども、これは具体的に代表事業主に何を求めるのか、それぞれの事業主に何を求めるのか、想定されていることがあればお伺いしたいと思います。これが1点目の質問です。
そして、2点御意見をさせていただきますと、自動移換についてですが、これは対策を進めることは賛成の立場で発言をさせていただきます。
自動移換となったもののiDeCo、あとは企業型DCへの移管のさらなる促進として、国民年金基金連合会に促す取組にシステム改修経費等を踏まえた自動移換の適切な手数料の設定、こういった記載があります。必要で適切な手数料を設定することは一般論として否定するものではありませんけれども、以前の部会でもこちら側から申し上げたとおり、自動移換の手数料の引上げ第一の方向性とするのではなくて、まずはなぜ手続の漏れが発生するのか、運営管理機関などの情報を基に加入者の行動を分析した上で投資教育、あとは退職前の説明による加入者本人の理解を促進する方法を検討するべきではないかと考えております。
最後に3点目、選択型DB・選択型DCの件ですけれども、これは資料1の18ページ目でしょうか。例の1に挙げられているような内容ですと、本来事業主が拠出すべき負担金を労働者に転嫁するものであり、給付だけでなく将来の公的年金の給付額が下がる労働条件の不利益変更に当たるものと捉えております。したがって、事業主による正確な説明の上で労働者がしっかりとデメリットを理解した上で選択することができるのが大前提となると思いますので、DCのようにDBにおいても法令解釈通知などに明文化すべきではないかと考えております。
私からは以上です。
○森戸部会長 ありがとうございます。
では、御質問が1点ありましたので、それについて事務局からお願いいたします。
○海老企業年金・個人年金課長 ありがとうございます。
まず総合型のDCについて、代表事業主に何を求めるのか、また一般的な事業主に対して何を求めるのかといった御質問だったかと思います。「総合型DC」は今、法令で位置づけられていないというところもありますので、この「総合型DC」に入られている事業主というのは単一で企業型DCを実施している事業主と法令上の役割というものは変わらないというのが制度上の立てつけです。
他方、事務手続の部分で今も複数でされているようなところが代表事業主を決めて、そこが変更の手続であったりとか、事務手続などを取りまとめてやることができる。このような現状の制度になっております。
「総合型DC」というものを法令で位置づけたときに、その代表事業主と言われる方々にどういった役割を与えていくのかといったところに関しては、まさにここを整理していかなければいけないところです。
ただ、先ほどヒアリングの概要でも申し上げたとおり、代表事業主というのが例えば運営管理機関が中心に実施しているから運営管理機関の関連会社が代表事業主ですというところもあれば、事業主がたくさん集まっている中で、どこかの一つの事業主さんにお願いをされているようなパターンもあるようですので、実態を踏まえながら、代表事業主というのはどういう役割を担うのが適当なのかといった整理も必要になってくるかと思っております。
また、各事業主は、現状は法令上、通常のDCを実施する事業主と同じように、例えば継続投資教育の義務であったり、そういったものがかかっているということです。
他方、もしかしたら通常企業型DCをやっている事業主よりもそうした義務への認識は薄いのかもしれないというような懸念もあるのかと思います。
したがいまして、では事業主の役割として、どういったことをきちんとやっていただくべきかという点について、実態を踏まえた上で、整理をさせていただきたいと思っております。
以上です。
○水崎委員 ありがとうございます。
様々な形態があると思うので、法令にどこまで書くかというのはあると思いますけれども、現場が混乱しないようにぜひ対応いただければと思いますので、よろしくお願いします。
以上です。
○森戸部会長 ありがとうございます。
確かに代表事業主というのを例えば法律上、定義をもし置くとしたら、その人の義務とか、そういうものが決まってくると、それはうちではそうやっていないということも出てくるかもしれないので、実際に制度を詰めていくときにはいろいろと、まさに実態を踏まえつつなのですけれども、結構難しいことにも当たりそうな気はしますが、でもいずれにしても何かの形で位置づけていくべきだろうということなのかなとは思います。ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
では、岩城委員お願いします。
○岩城委員 ありがとうございます。
各論点について述べたいことはあるのですけれども、特にそのうちのいわゆる選択型DC・DBについてお話させていただきます。ちょっと長くなるので御容赦ください。
まず、選択型DBについても法令解釈通知の整備をするべきだと思います。選択型DCもDBも、従業員の方に、事業主のメリットと従業員のデメリットを正確に伝えるべきだと思います。特に企業側のメリットとしては、掛金拠出の事業主負担を実質的に抑えながら制度を導入できること、事業主掛金は個人の所得扱いにならずに社会保険料削減効果があることです。
一方、従業員のデメリットは、事業主掛金として拠出を選べば賃金が減ることで将来の年金など社会保険給付が減額すること、また時間外、休日労働及び深夜労働の割増賃金の算定基礎額も減少することです。
そして、社会保険料の減額は特に長期間にわたり受給する老齢厚生年金について大きく影響することをしっかり伝えるべきだと思います。
先日、事業主掛金拠出にしようかどうしようか迷っている30歳の方に、あくまでも簡易的な試算で、しかも厚生年金保険料に関してだけなのですけれども、仮に2万円、1等級下がった場合の厚生年金保険料の計算方法と、あとは公的年金シミュレーターで受給額の試算の方法を伝えましたら、後日、「100歳まで生きた場合、厚生年金保険料の減額は全くメリットでないことが分かりました」と連絡がありました。
仮に今後65歳になるまで給与が変わらないとした場合、厚生年金保険料の軽減額は34年間で74万6640円、一方、65歳から100歳まで34年間年金を受け取った場合の受給額総額は、本来受け取れるはずだった年金額よりも170万円も減ります。所得税とか住民税を入れて計算すると、もっと減額効果は大きいと言われるかもしれませんが、目先の得よりも年を取って収入がなくなったときに後悔しないことが大切ですし、公的年金は長生きリスクに対する保険です。また、健康保険や雇用保険も同様に保険です。ですから、社会保険料を軽減することがメリットのような誘導をするのはおかしいと思います。
現在、行われている税金や保険料が幾ら減るかというシミュレーションはいろいろ展開されていますけれども、それよりも受給額がいくら減るのか、例えば、厚生年金を95歳まで受け取れば総額いくら減るのか、傷病手当金や基本手当がいくら減るのか、それぞれシミュレーションできるようにすると、従業員が選択する上での判断に役立つと思います。
それから、資料の19ページで社会保険料が事業主掛金にかからない根拠として、事業主掛金に賃金性がないという整理になっています。これは労働基準法の観点から見ても妥当ということですが、これについて2点あります。過去御議論された点かもしれませんが、過度にこの事業主の節税対策として使われている状況を踏まえて、もう一度御議論いただきたいと思っております。
もともと賃金だったものを減額しているという事実について、「給与や賞与の減額の可否については給与規定の問題である」とし、不利益変更であるとは通知にも書かれていないようですけれども、本当に労働条件の不利益変更に当たらないのか。
合法的に給与を減額する場合は、従業員から個別に合意を得る必要があるとされています。
しかし、このところの選択制DC・DBの導入急増は、事業主の社会保険料削減を目的として使われているという実態を見ても、従業員が不利益を正しく理解して同意しているのか疑問を持つところです。不利益変更になる場合、原則として従業員個別に合意を得る必要がありますが、労働契約法第10条要件①変更後の就業規則を従業員に周知させていること、細かい観点は省きますが②合理的であるということを満たす場合は個別の同意は要しないとされています。もしこれを根拠に就業規則の届出、変更を行っているとすれば、「合理性」の判断は、裁判になるまで不利益変更であるかどうか適法か否かはっきりしないということになります。
将来、十分説明を受けないまま事業主掛金を選択したがために、老齢期あるいは雇用保険とか健康保険の手当金等の受給時になって後悔した人が訴訟を起こすということもないとは言い切れません。つまり事業主は、こういったリスクをはらんだままであるということを十分に認識する必要があるのではないかと思います。
もう一つは疑問点なのですけれども、2022年10月1日の法令解釈通知に、「希望する者」のみを加入者とすることとあります。つまり、希望しない場合は「前払い退職金(給与支払い)」として受け取ることができます。この場合、支給される退職金は当然、退職所得ではないため、従業員にとって税金及び社会保険料等の負担は変わりません。同じ働き方、同じ賃金であるにもかかわらず、たとえ従業員の選択によるものとしても、将来の社会的給付に差が生じるのは果たして「福利厚生が厚くなった」と解釈できるものなのか。
私的年金が「公的年金の上乗せ給付を保障する制度」としている趣旨にも反することにはならないのかということを疑問に思っております。
以上です。
○森戸部会長 ありがとうございます。
最後の御指摘はまさに問題の核だと思いますけれども、結局それも含めて前半の話にも関わりますか。この話は突き詰めると企業年金の話なのですけれども、結局労働条件として全体としてどうかという話と密接に関わるので、やはりそことの関係をどうしてもクリアにしなければいけないだろう。そう考えていくと、いろいろ今、岩城委員がおっしゃった御指摘にみんなつながるんだと思います。また後で時間があったらその話をしようかと思いますけれども、いずれも貴重な御指摘だったと思います。ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
では、島村委員お願いします。
○島村委員 御説明ありがとうございます。
基本的に私は事務局の御提案に賛成の立場なのですけれども、幾つかコメントさせていただきます。
まず「総合型DC」については、事業主の負担が過度に重過ぎるとやめてしまうとかになりかねないので、そこへの留意は必要かと思いますけれども、事業主として導入したら終わりで、あとは掛金を払うだけみたいなことはやはり違うと思っております。事業主として税制上の優遇を受けるわけですし、DC法上、先ほど課長に御説明いただいたとおり、役割、義務というのが課せられていると思うので、その点をちゃんと認識して御理解いただいて、義務を果たしていただくように政府としても働きかけていく必要があるのではないかと思っています。モニタリングとか、転職時の移管についてのアナウンスとか、しっかりやっていただく必要があるかと思います。
事業主が何か疑問に思ったときに相談できるところとして運管というものがあるかと思います。それはもちろん大事ですけれども、それ以外の第三者的な相談できるチャンネルがあるとよいのかと思っています。J-FLECさんもそうかもしれないのですけれども、職域でのファイナンシャルウェルビーイングについて気軽に相談できる仕組みが必要かと思います。加入者である労働者の側でも、やはり困ったときに相談できるとか、苦情があるときに申立てできる仕組みというのは総合型でもなおのこと必要かと思っています。
自動移換については、やはりせっかく制度に加入していてお金も積まれているのにもったいないというところが非常に大きいです。将来、得られるお金の問題だという認識が足りないというところは改善の必要が大きくあると思っています。
ただ、辞める前にいきなり言われても、それは何だということはあり得るかとは思うのですけれども、それは結局、加入して運用してきたはずなのに、それ自体も全く理解できていなかったということなので、継続教育がうまくやれていない企業さんが少なくともちょっとはあるということかと思います。
事務局の御提案のとおり、資格喪失の前から、もっと言えば加入のときから継続的な働きかけをしていただくことが大事で、辞めるという段になったら改めてちゃんとお金の話ですということを事業主の側から伝えてもらう必要があるかと思います。
あとは、ハローワークさんとかでもし連携できるのであれば、ハローワークに基本手当支給とかで来たときに、「ちゃんと移換の手続しましたか、心当たりがある人はここに行ってくださいね」ということが書かれた手紙が配られるとか、そのような連携を厚労省内でお願いできるのであればありがたいと思いました。
あとは、これも突拍子もない話かもしれないのですけれども、自動移換の多い会社にペナルティーを課すとか、逆にない企業にもっとインセンティブをつけるというような仕組みも、手数料というのはある意味そうなのかもしれないですけれども、必要なのかもしれないと思っています。
選択型のDC・DBについては、岩城委員がおっしゃったのと同じように思っておりますし、事業主からの説明というのがある意味ブラックボックスになっているというところはちゃんと説明してもらうことが大事だと思います。
あとは、労働者側の知識レベルをいかに上げるかで労働組合にも頑張っていただきたいですし、あとは自戒の念も込めて学生のときからちゃんと金融リテラシーを高めるような教育をしていきたいと思っております。
最後に健全化法についてですけれども、個人的にはできることならば廃止に向けた目標期限というのは付したほうが望ましいと思います。難しいということは分かっておりますが、存続前提ではないということについては既に御理解いただけたと思いますので、少しでも早く廃止が実現するように今後も手助け、御尽力をいただければと思っております。
以上です。長くなり、すみません。
○森戸部会長 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
では、藤澤委員お願いします。
○藤澤委員 ありがとうございます。
自動移換でコメントが1つと、石炭鉱業年金基金制度で質問が1点ございます。
自動移換ですが、12ページに自動移換者の割合が載っていました。ポータビリティーに関する説明義務を果たしていない事業主が一定程度いることを示唆する統計だと思っています。過去、運用の見える化の議論の際に、ガバナンスの向上につながる効果が期待されるという意見がございました。今回の資料だと、運用ではなくて運営の見える化という言葉を使われていますが、自動移換も状況を見える化することで説明義務を果たしていない事業主の意識を変える効果が期待できると考えています。どの粒度で見える化すべきかという論点はあると思いますが、御検討いただきたいと考えています。
もう一点、石炭鉱業年金基金制度です。DB制度に移行すること自体は反対ではないという立場ですが、もう少し情報を出していただきたいというのが率直な意見です。例えば財政状況とか資産運用でアグレッシブな運用を行っていないのか、労使でもめていることがないのかなどをもう少し出していただきたかったというのが感想です。
その上で、解散に関する記載がありますが、DB制度に移行した後も制度を継続するという意思を持っているのかどうかを御質問させていただきたいと思っています。移行した瞬間、解散するとか、例えば給付減額するとか、それで労使でもめるようなことがあったりすると、DB制度全体のレピュテーションにも響くことが可能性としてなくはないと思いますので、その辺りについて御質問させていただければと思います。
以上です。
○森戸部会長 ありがとうございます。
では、石炭鉱業年金基金について事務局からお願いします。
○海老企業年金・個人年金課長 御質問ありがとうございます。
石炭鉱業年金基金に関しましては、DBへの移行を進めていくということを前提に当時者のほうともお話合いをさせていただいてきているところでございますので、それはむしろ継続を前提にきちんと労使で意思決定ができるような恒久的な制度であるDBのほうにちゃんと移っていくということで今、調整をさせていただいているところです。
財政状況は全く問題がなく、安定的な運営はなされており、DBとは若干違うところはあるのですけれども、DBで言うところのきちんと継続していくに当たって必要な水準の財産は十分持ち合わせております。
先ほど資料を見ていただいたとおり、加入者よりも受給者のほうがかなり多いような形態になっておりますので、ほぼ閉鎖型に近いような形で安定的な運営がなされているという理解です。
○森戸部会長 よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
では、小林洋一委員が手を挙げていらっしゃいましたか。
○小林(洋)委員 ありがとうございます。
私からは、3点コメントさせていただきます。
まず1点目は「総合型DC」についてです。本年7月の部会で議論した際には、事務局から「いわゆる「総合型DC」が中小企業においても活用が広がっている」との御説明があるとともに、委員から「総合型DC」はパッケージになっていて、中小企業にとって導入しやすい制度だと理解している」などの御意見があったと承知しております。法令上の位置づけを行うに当たっては、ぜひ実態把握に取り組んでいただき、その上で、具体的な課題の抽出などを検討するということではないかと思います。なお、情報把握の際には普及促進も重要な観点であることから、実施者に過度の負担とならないような配慮が必要だと思います。
2点目は、自動移換についてです。自動移換者の発生を防ぐためには、資料に記載のとおり、事業主が説明責任を果たすことはもちろん重要ですが、加入者への説明が効率的・効果的に行えるような資料提供などの環境整備が必要と思います。
なお、7月の部会で紹介されていました、少額であれば払い出す、というアメリカの例は有効な対策だと思いますので、これを一つの案として継続して御検討していただきたいと思います。
3点目は、いわゆる選択制DC・DBについてです。いわゆる選択制DBについてもDCと同様に、事業主が従業員に対して丁寧に説明するよう求めていくとの御提案がありました。先ほどの自動移換についてと同様、事業主が効率的・効果的に説明が行えるよう、資料提供等の便宜が図られるようにしていただければと思います。
以上です。
○森戸部会長 ありがとうございます。3点とも貴重な御指摘だったと思います。
「総合型DC」は実施主体には商工会議所というのも入っているようなので、そちらのほうも事務局と連携を取ってよろしくお願いします。
○小林(洋)委員 今、事務局のほうに、どういった商工会議所が入っているか、お調べいただきたい旨を申し上げておりますので、よろしくお願いいたします。
○森戸部会長 既に裏で手が回っていましたね。失礼しました。ぜひよろしくお願いいたします。
○海老企業年金・個人年金課長 網羅的なデータは持ち合わせていないのですけれども、大きな都市などでは商工会議所が「総合型DC」に取り組んでいらっしゃる例があるということは承知をしております。
○森戸部会長 まさにその点は先ほど出たように、規制をかけていくにしてもいろいろな主体がいろいろな形でまちまちにやっているとしたら、なかなかどういうふうに効果的な、しかしあまり意欲をそがないような規制というのは難しいかもしれませんが、それはぜひ考えていただきたいと思います。ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
では、金子委員お願いします。
○金子委員 金子でございます。
4点ほど意見を述べさせていただきたいと思います。今回、あまりどれも具体的な話ではないので、どうお話ししたらいいかと思ったのですが、思っているところを少しお話しさせていただきたいと思います。
まず「総合型DC」についてなのですが、「総合型DC」が中小企業への企業年金の普及において実績を上げているということですので、規制的な取組によって中小企業へのDCの普及を止めてしまうことにならないように御留意いただきたいと思います。
このことを意識した上で、現段階では今回当局が行われたヒアリングなどによる現状把握のほかに、自発的な改善を促すような取組にとどめるべきではないかと思っております。
そのため、事業主が自身の取組のレベルを確認だとか評価できるような手段を提供することも一案だと思っておりまして、そういう意味でDCの見える化の対象とするのであれば、事業主が自身の「総合型DC」のベンチマークとすべきような他の「総合型DC」を見つけて、継続投資教育の実施状況だとか、あるいは運用商品の選定見直しの状況を確認できるような機会を提供できるような形で見える化を設計していただきたいと思っております。
それから、自動移換についてです。これは前にも申し上げたことがあることなのですが、根本的には資産形成に対する加入者の関心を高めていくことが大事だと思っておりまして、そういった取組が自動移換の新規発生の抑制につながるのだと思っております。
ただ、資産形成に関心を持つといっても、一定の資産規模がないと関心の持ちようがないと思いますので、関心の持ちようがないようなレベルの資産しかない場合には現金で引き出すような道を与えるべきだと感じております。
それから、事業主には従業員にDCの仕組みを説明することが義務として課されているはずですので、継続投資教育を通じて資格喪失時に取るべき対応に関する説明を行うことは当然のように事業主に求めるべきだと思うのです。、ただ、ちょっと気になっているのは自動移換の状況の見える化のところでして、定義の仕方次第では事業主の努力と関係なく、短期的に大きく振れるような内容も含まれる可能性があるかと思っています。
多分こういうつもりで出していないと思うのですけれども、例えば資料1の12ページ目に1年間の加入者資格喪失者に占める自動移換者の割合というものが出ております。これを単年度の値として個々の企業で見ると、年によるブレが大きいのではないかと思っています。事業主の努力にあまり関係なく短期的に大きく振れるような指標を単年度だけ見える化しても意味がないと思いますので、見える化の際の検討に当たってはこの点を御留意いただきたいと思います。
なお、若干飛んで長期的な視点にはなると思うのですけれども、この部会でも時々必要性が指摘されているペンションダッシュボードがありますが、自動移換となった者への周知の方法としても有効ではないかとは思っております。
それから、選択制DB・DCの話なのですけれども、選択制DB・DCの導入時における従業員の説明について、将来受け取る公的年金への影響が従業員に十分理解されていないのではないかという懸念があるということだと思うのですが、これは老齢年金だけでなく障害年金などにも影響が出てくるということですね。そういうことだとすると、これは以前この部会で御紹介いただいたことですが、内閣府が実施した「生活設計と年金に関する世論調査」を見てみますと、老齢年金について現役世代が高齢者を扶養する仕組みであるということは30代なども含めてよく知られているのですが、公的年金に障害年金の仕組みがあることが知られていないという結果になっていました。
また、これも以前この部会で御紹介いただいた話の中に、「学生との年金対話集会」でも「公的年金には障害年金や遺族年金など、我々大学生にもすぐに利用できる制度が充実していることを知り、年金へのイメージが前向きなものになった」との意見があったとのことですので、選択制DB・DCを導入する際には障害年金や遺族年金への影響についても十分説明すべきで、この点、当局においても強調して指摘してもいいのではないかと思っております。
最後に脱退一時金の要件についてですが、在留外国人の滞在期間に関する要件を公的年金と合わせて見直すことについて異存はございません。
ただ、先ほど自動移換のところでも申し上げたのですが、脱退一時金の要件については資産形成に関心の持ちようのないレベルの資産しかない場合には現金で引き出せるよう、脱退一時金の要件を緩和すべきだと考えておりますので、この点についても引き続き議論していただきたいと思っております。
以上でございます。
○森戸部会長 ありがとうございます。
それぞれコメントをしている時間がないので省略はしますけれども、多岐にわたってそれぞれ非常に重要な御指摘をいただいたと思いますので十分参考にしたいと思います。ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
では、谷内委員お願いします。
○谷内委員 私からは、論点としては恐らく全部触れることになりますが、主に3点コメントします。
まず「総合型DC」について、法令で位置づけるとの方向性には賛成します。特に、中堅・中小企業における企業年金の普及という観点からは、総合型という形態は非常に機能的だと考えますので、DCだけではなくDBも含めて総合型の在り方は引き続き議論していくべきと考えます。
2点目は自動移換および選択制の問題です。選択制DBについても法令で位置づけるとの施策については異論ございません。ただ、自動移換にしても選択制の問題にしても、ここ5年、10年、問題そのものは顕在化しているものの、有効な手だてを打てていないし、今回の議論でも私自身有効な打開策を提案できなかったという点は忸怩たるものがあります。
自動移換と選択制DB・DCの問題については、引き続きこの部会で取り上げていく必要がありますし、妙な制度の利用の仕方をしている方々に対しては、次々期の年金制度改正の際には「このままでは済まさないぞ」という姿勢を打ち出すようなことはしていきたいと考えます。
最後に3点目、健全化法への対応についても、労使での十分な対話を促すとの方向性に異論はございません。恐らく石炭鉱業年金基金についても同じように労使の対話を促す対応をしていくかと思いますが、こちらについても異論はありません。
以上です。
○森戸部会長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
では、原田委員お願いします。
○原田委員 ありがとうございます。
私も、全般的に少しずつお話しさせていただければと思います。
まず、総合型のDCについては、この資料やお話を聞いている中で、意思決定をするときに誰が主となってやるのかというのはちょっと曖昧だと感じていまして、それがきちんと対応できるような指導や支援など、そういったものの対応が取りやすいように、まず今は何が問題なのかを調査した上で、そのために必要であれば総合型といった定義をして全体的に網をかけるということは有効ではないかと考えました。
次の自動移換ですが、12ページのデータは正直かなり衝撃的だと思いまして、50%以上自動移換が発生しているところが3分の1とか、半分くらいが濃い色になっているということなので、これはかなりの件数ではないかと感じました。
ただ、1分の1も100%ですし、データの見方は注意しなければいけないとは思いますが、割合として高い事業所があるということはやはり問題で、退職時の説明などはやはり工夫をさせること、徹底させることを、まず取組としてやることが必要だと思います。
さらに、前にも議論になりましたが、自動移換の手数料引上げについて、ペナルティー的な金額というのはなかなか理由がつきにくいのかもしれませんが、ほかのケースに比べて安くなることがあるのはやはりおかしいと思いますので、その辺の適正な水準も検討すべきと思います。
一方で、中途引出しとの関係ですとか、脱退一時金とも関係するかもしれませんが、そういった全体的な仕組みの再検討も併せて必要になってくるのかなと思いました。
選択制のDB・DCですけれども、これもまたよしあしというのはなかなか判断がしづらくて、前にも申し上げましたが、どのような形で報酬を払うのかは労使の協議の上で成り立つものだと思っていて、なかなか一律な対応というのは難しいと思います。
ただ、どういうことが起きる、どういうメリット、デメリットがあるというきちんとした説明は、DCであろうと、DBであろうと、給与であろうと、賞与であろうと、当然必要なことだと思いますので、特にDBであまりそこにフォーカスが当たっていないようであれば、認可申請のときの提出書類にその説明の経緯を添付させるとか、過度に負担になるということは避けたいですが、考えてみてもいいのかなと思いました。
それで、これに関連して少し気になっているのが、今、議論になっている標準報酬の上限の引上げで、この引上げを回避しましょう的なセールスが起きないかということが心配でして、選択制への対応は少し早めに検討していくのも必要ではないかと思います。
それから、この点が問題になるのは選択制のDCもDBも本人負担の拠出の自由度が低いということも一つの要因ではないかと考えています。限度額やDBでの手続き、DBが生命保険料控除だといったことも、では代替案としてこうしましょうということで選択制になったというケースもあると思いますので、全体的な検討は必要ではないかと思います。
すみません。長くなりますが、脱退一時金の要件については私も国に合わせることでいいと思います。それで、通算可能性がないときでないと駄目だということではなく、年数だけでもいいかという気はしますけれども、1つ確認したいのは不勉強ですみませんが、脱退一時金の税の問題です。給付を受けたときの税はどういう取扱いになっているのか分かれば教えていただきたいと思います。
健全化法に関しましては、やはりこれは少なくなってきているのでできるだけ早くという趣旨も十分理解できますが、少ないからこそ各基金の設立の経緯や給付の位置づけ、制度内容とか、そういったことを個別に見られると思いますので、それぞれよく確認した上でどのように進めていけばいいかを検討していければと思います。
石炭基金ですが、1つだけ気になったのが、DBなどの他制度への移行については賛成ですが、先ほど受給者が多いという話もありましたが、今まで法定の制度だったものがいわゆる民間の制度になると、この最後の事業主が、昔いたほかの会社の受給者の方々の給付の責任も全て背負うことになると思いますので、その辺も逆に言うと事業主には覚悟を持って取り組んでいただく必要があるのかなと思いました。
私からは以上でございます。
○森戸部会長 ありがとうございます。
質問が1点ありましたが、脱退一時金の税制上の扱いの話でしょうか。お願いします。
○海老企業年金・個人年金課長 御質問ありがとうございます。
今、脱退一時金の税制のお話について私のほうで答えを持ち合わせていないので、また整理をして別途御説明をさせていただければと思います。
○森戸部会長 ありがとうございます。
では、それは後で確認させていただきます。ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
では、小林由紀子委員お願いします。
○小林(由)委員 ありがとうございます。
私からは「総合型DC」と自動移換、選択制DC、その他の検討項目、4点について意見を申し上げたいと思います。
まず「総合型DC」のガバナンスに関してですが、運用商品の選定・見直しについて、資料の6ページに、事業所から要望があれば系列運用会社以外の商品も追加する、事業主や従業員の手続が必要だから商品の除外を実施していない、といった実態の紹介がありました。これについては、法令解釈通知にて、制度が発足して以降も事業主との意見交換や業務の遂行状況に関する定期的な点検、確認を求められている運営管理機関において、しかるべく対応が図られるように促す必要があるのではないかと考えます。
総合型制度の加入会社は中小規模企業が中心ということを踏まえれば、運用商品の評価等に関する個別企業の対応力には限界があると思われます。加入各社の事業主や従業員が適切に商品を選択することができるように、運営管理機関からのより手厚いサポート、支援策が必要と考えます。
2点目は、自動移換についてです。新規発生の防止に向けて、事業主からの説明を強化するという対応の方向は理解できますが、最終的に行動するかしないかはあくまでも加入者本人の意思によるものであり、その判断には、例えば手続の煩雑さや移管額の規模といった要因も影響するものと認識しています。
事業主の意識向上や対応だけで全て問題が解決するわけではありませんし、さらに加入者が会社籍を離れて以降は事業主が対応すること自体に困難、限界もありますので、事業主だけに取組を求めるのではなく、他の関係者を含めて、より多面的に取組を行う必要があると考えます。
例えば、運営管理機関においては、資格喪失時の手続や提出書類の分かりやすさ向上など、顧客視点での業務改善のほか、事業主に対する適切な情報提供や業務支援の実施が求められます。
そのほかにも、自動移換自体を抜本的に減らす取組としてiDeCoへの加入率を高めるための取組を強化することや、より簡便に企業型DCとiDeCoの並行加入ができるようにするなど、移換戻しが有効に機能する環境整備を進めるべきと考えます。
3点目は、選択制DCについてです。これまでも議論がありましたように、過度な節税目的での実施や、それを第三者が推奨するような対応は避けるべきですが、一方で企業の人材戦略上は企業年金も報酬、あるいは福利厚生の一部であり、その在り方や詳細設計については各社労使の自治に基づき、決定、運営されるべきものと認識しています。
報酬制度の一つの在り方、選択肢として、選択制DB・DCを活用すること自体を否定すべきではなく、社会保険等への影響について事業主が従業員に必要な説明を行うことは大前提としつつ、過度な規制とならないようにすべきと考えます。
最後に、その他の検討項目とされたDB年金に関する支払保証制度と年金バイアウトについてですが、まず支払保証制度に関しては、過去から繰り返し申し上げてきているように、経団連としては導入に反対であるということを改めて申し上げておきたいと思います。
資料41ページにも記載がありますが、現在のDB制度には継続基準、非継続基準に基づく財政検証の仕組みが整えられており、受給権の保護は個々の制度がそれぞれの責任において対応すべき問題です。そうしたことを踏まえれば、モラルハザード等を惹起するような仕組みをわざわざ導入する必要はないと認識しています。
一方、年金バイアウトに関しては、導入に向けて引き続き議論が必要な課題であると認識しています。企業活動のグローバル化が進む中で、外国籍企業による国内企業の買収等も普通に行われるようになってきています。欧米各国において一般的な年金バイアウトの仕組みを導入することは、企業の事業運営円滑化の観点で一定のニーズ、意義があると考えます。
例えば、外国籍企業の買収によって実施事業主たる国内企業が消滅するような場合において、年金バイアウトの仕組みがあれば確定給付型制度についても従前の給付を維持、継続する道が開けるなど、加入者等のメリットにつながる仕組みでもあるということを踏まえて議論すべきと考えます。
以上です。
○森戸部会長 ありがとうございます。
ほかにフロアのほうから御意見のある方はいらっしゃいますでしょうか。よろしいですか。
では、渡邊部会長代理、何かありますでしょうか。
○渡邊部会長代理 ありがとうございます。
私からも、幾つかコメントをさせていただきたいと思います。
まずは、いわゆる「総合型DC」については、一定程度普及していることですとか、事業主の責任ある行動を促すといった観点からは、法令上の位置づけといったようなものを行って、まずは状況を把握することが望ましいと思っております。その上で、新たな対応が必要ということであれば、その対応を検討するということになろうかと思います。
次に、自動移換の問題についてはこれまでにも議論してきたところなのですが、早急に対応すべき課題の一つであると思っております。
自動移換された後の対応は、既にかなりの対応を講じてきていると思いますので、自動移換になる前の対応がより重要となっているかと思います。その観点からは事業主の果たす役割が重要であると思っておりますし、転職、退職者に対して自動移換にならないように、転職、退職時だけに限らず、継続教育の場を含めて十分な説明の機会を確保すること、またそれも事業主の責任の範囲内であるということを認識していただくことが重要になろうかと思います。したがいまして、事業主の説明責任を強化するといったような対応も必要だと思っています。
また、国民年金基金連合会の健全な事業運営という点への配慮も必要だと思っています。自動移換者対策に人手を含めてコストをかけているといった状況は望ましいものではありません。コストの面に関して申し上げれば、自動移換者対応にコストがかかっているということであれば、自動移換者の管理手数料を引き上げることなどを検討することも必要だと思われますし、また、以前の議論にもありましたように、デフォルトの設定ですとか少額払い出しの仕組み、そういった点などについても検討する必要があろうかと思っております。
選択制DB・DCについては、この後、おそらく部会長からコメントが詳しくなされるだろうと思っておりますが、特に従来の賃金から事業主掛金を切り出す賃金減額型に問題があろうかと思っております。
このようなケースは労働条件の不利益変更に関する労働法上の問題ともなり得ますので、そちらの規制が及ぶものと思っておりますが、まずは労使ともに労働条件の不利益変更だというようなところの認識を持っていただく必要があろうかと思っております。
また、少なくとも労使で十分協議がなされるといったようなことが求められますし、その際には労働者が適切な判断ができるよう、具体的で分かりやすい説明がなされることが大前提であると思っております。
さらに、脱退一時金の要件などについては、公的年金と要件を異にすることは制度の複雑化、分かりにくさにつながってまいりますので、その点を考慮しますと基本的には公的年金に合わせる形で見直しを行うといったような方向性に賛成したいと思います。
加えて、健全化法への対応については、存続基金に対して他制度の移行に向けての労使での協議といったものが進められていくことを望んでおります。
最後に、その他の検討項目の中に支払保証制度の導入についてといった項目が挙げられておりますが、受給者保護の観点からはこの点は重要であると考えておりますので、まずは論点整理をしていただいて今後議論されることを望んでおります。
私からは以上です。
○森戸部会長 ありがとうございました。
では、オブザーバーのほうでもしあれば。
それでは、鮫島理事長お願いします。
○鮫島企業年金連合会理事長 私どもからは、健全化法附則への対応について意見を申し上げたいと思います。
まず、存続厚生年金基金につきましては、これまでも議論してまいりましたけれども、いずれも厳しい財政基準を満たしていること、それから受給者等の権利に配慮する必要があること、また労使の判断を最大限尊重すべきであること、そういったことを踏まえまして現時点では存続を認めることが適当と考えております。
それから、私ども連合会についてでありますけれども、以下申し上げる理由により、現時点では引き続き財政状況を見極めつつ、代行業務を継続することが適当と考えております。
第1に、連合会の年金財政は極めて健全な状況にありまして、将来にわたって代行部分を棄損する懸念はないと考えています。
第2に、連合会の財務、運営体制の面で、代行以外の年金業務や企業年金への支援業務の実施に支障を来し、受給者、待機者の方々の受給権保護や企業年金へのサービスの低下を招くことがないよう配慮が必要だと思っております。
第3に、連合会の代行返上は対象者が2300万人にも及びますので、非常に多くの時間と費用を要することに留意していただきたいと思います。
こうした点を踏まえまして、慎重に検討をお願いしたいと思っております。
以上です。
○森戸部会長 ありがとうございます。
では、松下理事長お願いします。
○松下国民年金基金連合会理事長 私からは、自動移換について申し上げたいと思います。
本日の資料1の12ページで先ほども御意見がありましたように、企業型DC資格喪失者に占める自動移換者の割合のデータでありますけれども、私どもとしても大変驚きをもって受け止めているという状況でございます。企業型DC制度のポータビリティーがこれほどまでに実質的な機能を果たしていないということは非常に重要な問題であると思われます。
同時に、7月の本部会でも申し上げましたけれども、自動移換の問題は加入者自身の問題であると同時に、やはり企業型DCの問題という認識を改めて強くした次第であります。
この12ページの資料にありますように、資格喪失者に占める自動移換者の割合が50%を超える企業が32%もいると、こういう状況を改善しない限り、本件の問題解決にはなかなかつながらないのかなと危惧をいたしております。
厚生労働省におかれては、制度を所管する立場としてこのような状況がなぜ起きているかという問題を掘り下げていただいて、行政としても適切な対応を行っていただきたいと希望いたします。
また、私どもとしてはこれまで自動移換問題について入り口と出口の両面での対策が必要であるということ、私どもが主に担っております出口対策ではなかなか限界があって入り口の対策が重要だということを申し上げてきました。具体的な一例が、デフォルトファンドの設定ということになります。
このような選択肢を含めて、参考資料2のほうに掲載されておりましたけれども、アメリカの事例にありますような減らすための対策が今回事実上先送りになったとすれば極めて遺憾だと申し上げざるを得ないと思います。
このままでは、冒頭に申し上げた企業側のよほどの努力がない限り、次の法改正までも残念ながら自動移換者の人数、それから金額は増加の一途をたどるのではないかと思われます。
また、自動移換の連合会手数料につきましては、法改正のたびに対応が必要となってきておりますシステム改修のコストがここ数年かなり増大しておりまして、収支で見ますと厳しい状況が続いているということは事実であります。
このような観点から、適正な水準の確保につきまして検討が必要だということは御指摘のとおりだと認識しておりますけれども、一方で手数料の引上げが自動移換者の発生増加の抑止的な効果をもたらすといったような考え方には、これまでの状況を踏まえると私どもとしては同意しにくい面がございます。手数料の問題については、慎重に検討してまいりたいと考えます。
最後に、御存じのとおり、自動移換の問題はあくまでも制度の例外としての位置づけでありまして、自動移換になっている間、加入者は資産運用が行われないまま手数料のみが控除される。また、その期間については加入期間とはならずに将来年金の受け取り時期が遅れるということにもつながりかねない状況だと認識しています。今回の改正でも、入り口対策などを含めて有効な対策を講じなければ、今後もかなり厳しい状況が継続するということが予想され、私どもとしては非常に強い懸念を表明したいと思っております。
以上です。
○森戸部会長 ありがとうございます。
ほかにはよろしいでしょうか。
論点、議題1について、私も時間がありませんので少しだけコメントさせていただきます。
まず部会長代理に、何か森戸がしゃべるだろうからと言いつつ、要領よくまとめのところは渡邊委員がおっしゃったのであまり言うことはないのですが、同じことの繰り返しです。
先ほど私も途中で申し上げましたが、結局、選択型DC・DB、切り出すパターンは労働条件の不利益な変更でしょうし、しかし、上乗せするものもある。ただ、社会保険料には反映しないとか、いろいろなパターンがあって、まず企業年金法として通知なり何なりでちゃんとしっかり説明させる。説明をしてもらう。こういうふうに減ります、これがこういう意味を持ちますと、ちゃんと説明しなければいけないですが、それの限界といいますか、結局これも既にいろいろな委員の方から出ましたが、全体として労働条件の不利益なものも含めて労働条件の変更なので、労働条件がこういうふうに変わりますが、それでいいですかとか、変わりますけれども、もしかしたら同意が要らない場合もあるかもしれない。こういうふうに変わりますということはちゃんと労働者側、加入者側に説明されるかどうか、それに納得してもらえるかという話なので、究極的には労働条件の説明義務といいますか、その話に関わると思います。
ですから、企業年金法の側でもきちんとしなければいけないですけれども、労働条件の説明なり、労働法のほうでもこれが労働条件の変更として問題で、しかもちょっと分かりにくいケースでいろいろ問題を生みそうだということを連携していただいて、労働法上も企業年金法上もちゃんと対応できるような感じで、両方で両面からちゃんと整備していかなければいけないのではないかということを思います。
それから、委員にもいらっしゃるのですが、結局労働組合の役割は非常に大事だと思いますので、もちろん労働組合のほうで周知啓発というのでしょうか、こういう問題があるけれども、これはこういうふうに対応したらいいのではないかということをぜひ労働組合のほうでも組織のほうで宣伝というか、周知していただきたい。結果的に組合のないところにもそれが及んでいくと思いますので、労働組合には非常に私として期待というか、いろいろしているところがありますので、ぜひそれは取組をお願いしたいと思います。
あとは、自動移換絡みの話になりますか。先ほど松下理事長は非常に厳しい見通しもおっしゃったけれども、ただ、制度の中で国民年金基金連合会さんはちゃんとやっていると思うし、考えようによっては、それは運用されない何千億だと言えばそう見えるけれども、でも一応どこにも行かないでちゃんと預かってくれていると思えばありがたいことではあるので、自動移換自体ある程度仕方ない面もある。これから増えるかもしれないけれども、でも出て行っている人もいるので、冷静にというのでしょうか、見る必要はあると思います。
その上で12ページとかの資料を見ると、やはり企業側でというのでしょうか、企業型DCで事業主にもうちょっとやってもらえることはありそうなので、それを推し進めていくというのは大事だろうと思います。
それで、DBだと運用のリスク、責任を事業主が負うんだ。DCではそれは加入者に負ってもらいますと、それはそれでいいのですけれども、ただ、加入者に運用をしてもらう代わりに投資教育したりとか、いろいろなちゃんとした運用商品を用意したりとか、そういうものが広い意味で受託者責任として事業主にあると思うのですけれども、そういう中にいわばこれも広い意味では受託者責任的なというか、企業としては辞めた人のお金を管理しろとは言われないんだから、その代わり辞めた後どうなるかということをあらかじめ考えて教育するとか、そういう道をつけるということも事業主の責任ですよということをちゃんと認識して、そういう位置づけを法的にもできればいいのかなと思います。
以上がコメントで、あとは全体で今日は多岐にわたって、本当に「総合型DC」という最先端というか、今の話から石炭鉱業年金基金の話まで非常に論点が多岐にわたって、皆さんもちょっと意見を言いづらかったと思います。これは、もしかしたら事務局の論点まぶし作戦かもしれません。いっぱい出しておけばみんな言い忘れるのではないかと、そんなことはないのですけれども、でも皆さんも時間のない中で意見を言っていただいて、大きな流れとしては事務局の考えているというか、こういう方向でどうかということにいろいろ注文はつきましたけれども、大きな反対というか、それは絶対駄目だというのはなかったかと認識しておりますので、事務局のほうであとは進めていただければと思います。
ただ、1点だけちょっと気になったのが、これは自動移換絡みでしょうか。これまでの意見でも出ていましたが、すごく金額が小さかったらちょっと制度の趣旨には反するかもしれないけれども、何か現金で出せるようにしてしまえばいいんじゃないかという話は、意見としては前の部会か、前の前かで、制度の趣旨に反するのは分かっているんだけれども仕方ないよねという意見が割といっぱい出たのですが、それはあまり今回の方向性では強くは出ていないので、そこだけ事務局に説明というか、一言お願いしたほうがいいかと思うのですが、それだけ説明をいいですか。
○海老企業年金・個人年金課長 ありがとうございます。
自動移換の少額の方に関しては払い出しができるようにするべきではないかということですが、これは要件としては脱退一時金の要件の見直しに関するところということかと思います。
この点は従来からもずっと御意見はいただいていて、今回の様々な自動移換に関する御意見を整理いただく中でも強く御意見をいただいたものとは認識しております。
他方、この話はまさに脱退一時金の要件がかなり厳しくなっているというのは、24ページの脱退一時金の制度そのもののところにも記載しているとおり、DCが老後の所得確保を目的とした制度であるというところが根幹に関わってくるところであり、他方、これがあるがゆえにDCは非常に大きい税制優遇というのが現役時代の所得だとか、そこに係る掛金に対してある。このような制度になっているということでございます。
まさに税の優遇措置との裏腹の部分でもあるので、その要件の見直し、特にここに書かれているようなところの要件をかなり広げていくというのは、自動移換だけでなくて全体の脱退一時金をどうするべきかといったような話も含めて、もう少し慎重な検討が必要になってくるところであると考えています。
他方、特に自動移換の話は今日も御議論の中にありましたが、入口だけとか出口だけとか、どこかだけで対応できる話ではないのだろうと思っているところです。
ただ、やはりまだ現状としてかなりの方が自動移換になってしまっている方々についてどう対処していくのかという取組の底上げを、まずはやっていけるところだろうとは思っておりますし、そうしたところについての御議論を今回いただいたという認識でございます。御指摘としていただいている点については我々も課題だと思っておりますし、引き続き検討させていただくべき論点と思っているところです。
以上です。
○森戸部会長 補足をありがとうございます。
これも委員の皆さんが発言されたときにおっしゃったことで、やはり制度の根幹に関わる話なので、自動移換の問題は確かにあるけれども、それだけであまり払い出せるようにしてしまうよという方向をそんなに出すのはどうなのかというのはちょっと慎重に考えなければいけないということだと思いますので、そこについては皆さんも御理解いただけるのではないかと思います。もちろん、引き続き検討はしていく課題だとは思います。ありがとうございます。
では、議題1についてはそういうことで、事務局において先ほど申し上げたように大きな方向として、注文はいっぱいつきましたが、ほぼ皆さんそういう方向でいいだろうという御意見だったかと思いますので、詳細を今後検討していただければと思います。
次に、議題2については報告事項ですけれども、事務局から説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○海老企業年金・個人年金課長 ありがとうございます。
お手元の資料2の「公的年金シミュレーター」と書いてある資料を御確認ください。
公的年金シミュレーターに関しましては、今、開発経緯と概要というところにまとめておりますが、現行のシミュレーター、令和元年の様々な議論の中で導入が検討され、スライドの5ページにあるとおり、現行の公的年金シミュレーターですが、令和2年改正年金法を分かりやすく周知するといったところから、令和4年の4月から今の仕組み、運用が開始をしているところです。公的年金のシミュレーターですので、公的年金に係る様々な資産の機能というものがついているところです。
それで、5ページとか6ページにはこちらの見込み額ですね。様々、個々人の働き方ですとか暮らし方の変化に伴ういろいろなパターンの受給見込み額を簡単な入力で試算、表示することが可能と、このような仕組みになっています。
7ページにあるとおり、活用の促進というものを今、進めてきているところです。様々、年金教育の一環、または金融経済教育推進機構のほうでの周知活動の中にもこういう公的年金シミュレーターがあるということも標準講義の資料の中にも入れていただいたりしながら普及、推進に努めているところです。
これまでの議論ということでまとめているものが10ページ以降に書いておりますけれども、様々な制度改正であったり民間との連携、年金教育での利用促進、ライフプランに合わせて利用促進、また公的年金を合わせた制度周知、個人年金の状況の見える化といったようなところですね。将来的なダッシュボードみたいなお話も併せて、公的年金だけではなくて私的年金にもその活用の道を広げていけないか。このような御議論について、年金部会のほうでも議論がなされてきていたところかと思います。
11ページからは、世論調査の結果ですが、やはり認識をきちんと持っていただいているところだったり、障害年金などだと認識が少し不足している。
あるいは、14ページに私的年金がございますけれども、私的年金についてより知りたいことというところで加入のメリット、特にその後は30代から50代の方は将来の受給可能見込み額が知りたい。このような声もあったというふうに認識をしております。
15ページからが「次期公的年金シミュレーターの開発方針と新たな機能」、これは年金部会において公的年金へのシミュレーターの次の開発方針の御議論をいただいているところです。令和4年4月から現行の公的年金シミュレーターがスタートしているところですけれども、今のシミュレーターの保守運用が令和7年度末で終了するということから、年金部会での意見等を踏まえて令和8年4月から新しく運用する予定の次期シミュレーターの開発に関する御議論をいただいているところです。
16ページの資料の一番下のところにあるとおり、次期シミュレーターの機能の中に現行の老齢年金に加えてiDeCoの試算の機能というのも追加していってはどうか。特にiDeCoの新しい試算機能の追加に当たっては、iDeCoの基本的な仕組みや特徴を分かりやすく国民に周知するとともに、生活設計に役立つように見える化していくというところで、できるだけ簡素で使いやすい設計にしていってはどうか。こういったような御議論をいただいているところです。
17ページは目的というところで書いておりますが、私的年金のうち、特に全ての国民年金の被保険者の方々が加入できる共通の制度であるiDeCoというものに関して仕組みや特徴を国民に周知し、試算額を見える化するということで、利活用の参考にしていただくようなものを追加していってはどうかという議論がなされているというところで、私的年金に関わることですので当部会において御報告させていただきます。
以上です。
○森戸部会長 ありがとうございます。
議題2について、報告事項ですけれども、委員の皆様からもし御質問等があればいただきたいと思います。
大江委員からは先ほど意見をいただいたので、それはちゃんと承っておりますが、ほかに何かこの議題2に関してございますか。
では、岩城委員お願いします。
○岩城委員 ありがとうございます。
遺族年金の試算ができるようにするということは、民間の私的保険に加入する際に、幾ら補償額を持てばいいのかを考える上ですごく参考になるので、ぜひ装備していただきたいと思います。
障害年金も試算できると、若い世代に公的年金が保険だということを理解していただくためにもよいと思います。
一方、iDeCoの資産運用シミュレーション機能については、私もあまり必要性を感じておりません。金融庁をはじめ、積み立て金額や利回り、運用期間を想定して試算するものはたくさんありますし、そもそも選択する投資対象や期間によって結果は大きく変わりますので、将来の資産運用シミュレーションを装備するならば、リスクに合った確率的なぶれが生じることを示さなければ、過度な期待を招いてしまうと思います。
それよりは、iDeCoについては総額で、あるいは年間で幾ら掛金が拠出できるのか。それによる税制上の優遇額がどのくらいなのかという試算と、あとは受取り方法ですね。一時金で受け取った場合、年金受取りをした場合の優遇の計算ですとか、年金受取りのときに期間によって受取り額がどういうふうに変わるのかなどが計算できるとよいと思いますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。
○森戸部会長 ありがとうございます。
ほかに、この議題2のシミュレーターに関していかがでしょうか。
年金部会のほうでは、どちらかというとiDeCoも入れてやったぞと思っているかもしれないですけれども、割と今、少なくともお二人からは慎重に考える点もあるのではないかという御意見が出たということはぜひ事務局も頭に置いておいていただければと思います。もちろんシミュレーターも大事だし、ダッシュボードみたいな個人のものが見えるのもあったらいいと思うし、いろいろこれから考えていかなければいけないのでしょうけれども、なかなか使いやすくするというのは難しいところもあるし、余計な話ですけれども、役所がやることだからシミュレーター自体はいいと思いますが、だんだん教育とか制度の説明をちゃんとしようとしているなという感じがちょっとして、あまり欲張ると使いづらくならないかなとか、感想ですけれども、余計なことを思いました。
でも、それはちゃんと開発していただけると思うし、いずれにしても将来的には企業年金なり個人年金にも関わってくる話だと思うので、それも見極めていきたいと思います。これについてはよろしいですか。
では、議題2についても御意見をいただきましたので、ここでこれは終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
予定の時間はまだちょっと余っておりますけれども、一応本日の議事は以上で終了といたしたいと思います。
今後の予定等について、事務局からお願いいたします。
○海老企業年金・個人年金課長 ありがとうございます。
次回の議題や開催日程につきましては、追って御連絡させていただきます。
○森戸部会長 ありがとうございました。
追って連絡ですから、よいお年をということは。
それはノーコメントですけれども、ありがとうございました。また事務局から御連絡させていただきます。
それでは、第38回企業年金・個人年金部会を終了いたします。今日は御多忙の折、お集まりいただきましてありがとうございました。