2019年2月7日
第1回年金広報検討会
年金局
○日時 平成31年2月7日(木)12:30~14:00
○場所 東京都港区西新橋1丁目6番15号NS虎ノ門ビルAP虎ノ門 Cルーム
○出席者
足利 聖治(構成員)
安部 隆(構成員)
上田 憲一郎(座長)
大鶴 知之(構成員)
殿村 美樹(構成員)
富永 朋信(構成員)
原 佳奈子(構成員)
森 浩太郎(構成員)
横尾 良笑(構成員)
吉野 隆之(構成員)
○議事
○上田座長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第1回「年金広報検討会」を開催いたします。
皆様、大変お忙しい中、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
このたび本検討会の座長を務めさせていただきます、帝京大学の上田と申します。皆様の御協力を得まして円滑に検討会を進めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
まずは、検討会開催に当たりまして、この検討会を招集しました木下年金局長から御挨拶いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○年金局長 ただいま御紹介にあずかりました年金局長をしております木下でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、名簿にございますように、非常に多岐な分野の方々にお集まりいただいておりますが、快く構成員として御承諾いただきまして、ありがとうございます。
私ども年金も含めて、社会保障制度というのは大きく2つあり、いわゆる現物給付と言われるものと現金給付と言われるものがあります。特に現物給付と言われるものは医療や介護を代表としておりますが、これらは、例えば医療でいいますと、赤ちゃんからお年寄りまで、皆さん実体験として給付を受けるという経験がおありになるわけです。介護につきましても、御家族が要介護になってサービスを受けるという経験がある分野なのでありますが、一方で、年金といいますのは、高齢期の生活を支える経済の支柱ではありますけれども、若い方々にとってはなかなか経験ができません。したがいまして、みずからのものとして考える機会に乏しいわけでございます。
年金というのはまさに世代と世代の助け合いの代表的な制度でございまして、現役世代の理解と協力なくして成り立たないわけでございます。そのためにも、年金制度をいかにわかりやすく、みずからのものとして実感していただけるかが非常に重要だと思っております。
特に最近は人生100年時代と言われておりますが、そういった中で国民の生き方、働き方も変化してきており、公的年金のみならず、企業年金、個人年金も含めて、こうした状況にふさわしい制度のあり方が求められているものと考えております。
こうした中で、国民の一人一人がそれぞれの状況や希望に応じて、年金の加入あるいは受給に関して適切な判断や選択をできるようにするためには、年金制度の役割あるいは意義、仕組みに関する知識、加入・受給などの手続に関する情報、私的年金に関する情報等をわかりやすくお伝えし、御活用いただくための年金広報を的確に推進することが重要であると考えております。
このような観点から、このたび広報あるいは広告等に関して高い御見識をお持ちの皆様方、そして、年金関係の機関の皆様にお集まりいただきまして、御意見、御助言をいただきながら、年金広報の改善に向けた取り組みを推進するために、本検討会を開催することにした次第でございます。
これまでもリーフレット、ホームページなどの媒体のみならず、教育の場においても知る機会の提供を行ってまいりましたが、それぞれが個々独立をしておりまして、つながりを持って提供されていない点が指摘されていることもあり、今年度の事業として、国民の皆様が年金について知りたい情報へ簡単にたどり着ける総合サイトとして年金ポータルを立ち上げることとしております。また、来年度におきましては、年金制度を身近に感じてもらうためのイベントとして、年金広報コンテンツのコンテスト事業を実施することとしております。
本検討会におきましては、これらの個別の事業も含めて、望ましい広報のあり方について、忌憚のない御意見を頂戴できればと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
○上田座長 どうもありがとうございました。
それでは、次に、構成員の皆様から一言ずつ自己紹介をお願いできたらと思います。
名簿に沿いまして、足利様のほうから一言ずつよろしくお願いいたします。
○足利構成員 企業年金連合会の常務理事をいたしております足利でございます。
公的年金の上乗せとしての企業単位の年金のほうを担当いたしております。よろしくお願いいたします。
○上田座長 では、きょうは安部様の代理ということで、野口様、よろしくお願いいたします。
○野口代理人 日本年金機構の理事の野口でございます。
本来であれば安部が出席する予定だったのですが、所用でどうしても出席できずということで、臨時代理を仰せつかりました野口でございます。どうぞよろしくお願いします。
○上田座長 では、大鶴様、お願いいたします。
○大鶴構成員 国民年金基金連合会の審議役の大鶴でございます。
国民年金連合会は、自営業者の上乗せの国民年金基金と確定拠出の個人型の年金を担当しております。どうぞよろしくお願いします。
○上田座長 殿村様、お願いいたします。
○殿村構成員 株式会社TMオフィス、PRプロデューサーの殿村美樹と申します。
PR一筋30年やっておりますので、その知見が何らかの形で年金の広報に役立てば、とても光栄だと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○上田座長 富永様、よろしくお願いします。
○富永構成員 こんにちは。スーパーマーケットのイトーヨーカドーで勤務しております富永と申します。
イトーヨーカドーは8つ目の会社でございまして、ずっと一貫してマーケティングコミュニケーション、マーケティングを担当しております。少しでもお役に立てましたら幸いでございます。よろしくお願いします。
○上田座長 では、原様、お願いします。
○原構成員 TIMコンサルティング、社会保険労務士・FPの原でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
○上田座長 横尾様、お願いします。
○横尾構成員 実利用者研究機構の理事長をしております横尾良笑と申します。よろしくお願いいたします。
実利用者研究機構では、実際の利用者の思考と行動を調べて、それに基づく「使いやすさやわかりやすさの改善」によって結果を出していこうというようなことをしていて、健常者も当然ですけれども、高齢者から、それこそ赤ちゃんから障害者まで、幅広くいろいろな対象の実際の利用者の行動を観察しています。何かお役に立てればうれしく思います。ありがとうございます。
○上田座長 では、吉野様、お願いします。
○吉野構成員 年金シニアプラン総合研究機構の吉野と申します。
私どもは、大学とか産業界との連携のもとで、年金制度あるいは年金資金運用の研究を行いますとともに、退職後のライフプランづくりについて、広めていくための研修や研究などを行っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○上田座長 皆様、ありがとうございました。
なお、森浩太郎様からは、本日御欠席との御連絡を頂戴しております。
次に、事務局の紹介に移ります。事務局のほうから、よろしくお願いいたします。
○年金局長 年金局長の木下でございます。よろしくお願いいたします。
○年金管理審議官 年金管理審議官の高橋と申します。
年金局の中には制度部門と事業部門とありまして、年金機構がやっている事業部門のほうを担当しております。
○分かりやすい広報指導室長 分かりやすい広報指導室の奥村と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
○大臣官房審議官 年金担当の審議官をしています度山と申します。
○総務課長 年金局総務課長の大西でございます。よろしくお願いいたします。
○大臣官房企画官 企画官の山下です。よろしくお願いいたします。
○上田座長 皆様、ありがとうございました。
それでは、議事に入ります前に、資料の確認のほうを事務局からよろしくお願いいたします。
○大臣官房企画官 ありがとうございます。
厚生労働省におきましては、ペーパーレス化を推進しております。本日の検討会におきましても、ペーパーレスで実施させていただいております。
構成員の皆様の目の前にございますタブレット端末でございますが、現在、議事次第が表示されているかと思います。タブレットの左上に表示してあります「マイプライベートファイル」を1回タッチしていただきますと、端末に保存されていますファイルの一覧が表示されます。
一覧の上から2つ目に座席表が保存されておりますので、こちらをタッチいただきますと座席図が表示されるようになっておりますし、拡大・縮小は、指を使って開いたり閉じたりすることで画面が拡大・縮小するということになっております。
また、他の資料を表示される場合は、再度左上の「マイプライベートファイル」を1回タッチしていただきますと、資料一覧が再表示されますので、表示させたい資料をタッチしていただければと思います。
御不明な点がありましたら、適宜、事務局がサポートいたしますので、御遠慮なくお申しつけください。
なお、本検討会の資料でございますが、原則として公開となります。厚生労働省ホームページ上に掲載するということにしております。
傍聴の皆様方におかれましては、あらかじめ厚生労働省のホームページの開催案内でお知らせしております。資料はダウンロードしてご覧いただきたいと思っております。
続きまして、本日の資料です。
議事次第。
座席図。
資料1は、年金広報検討会の開催要項。
資料2としまして、年金広報の現状。
資料3は、当面の議論のテーマと日程(案)。
資料4は、年金ポータル(仮称)の基本的方向について。
そして、参考資料として、老後の生活設計と公的年金に関する世論調査。
これらをタブレット端末に保存しております。よろしくお願いいたします。
なお、直前に資料の変更がございまして、タブレットに保存されているデータと変わっているものにつきましては、別途お手元に配付をしております。ですので、お手元に配付されている資料が最新のものということでお願いします。
実際の資料としましては、座席図、資料1の「年金広報検討会開催要項」、資料4の「年金ポータル(仮称)の基本的方向について」、これについては直前に資料変更がございましたので、紙で配付しておるものをごらんいただきたいと思います。
事務局からは以上でございます。
○上田座長 ありがとうございました。
それでは、カメラの方は、こちらのところまでで退室をお願いいたします。
(カメラ退室)
○上田座長 それでは、これより議事に入らせていただきます。本日は「検討会のスケジュール等について」「年金ポータル(仮称)の基本的方向について」「その他」の3つを議題といたしたいと思います。
初めに、議題1の「検討会のスケジュール等について」について、事務局のほうから御説明をお願いいたします。
○大臣官房企画官 ありがとうございます。
それでは、タブレットの画面をごらんいただきたいと思います。資料1「年金広報検討会開催要項」でございます。
「1.趣旨」でございますけれども、人生100年時代においてマルチステージの人生を送るようになることにあわせて、年金というのは、公的年金とともに企業年金や個人年金、さまざまな組み合わせをしていく必要がございます。
また、あわせて、公的年金に関する国民の信頼感を向上させるということも必要でありますし、私たちのほうも、情報の受け手であります国民の目線に立って、わかりやすいアプローチをしていくことが求められております。こうした観点から今回の検討会を開催するということでございます。
「2.検討事項」でございますが、まず、本日は「年金ポータル(仮称)」としておりますが、年金のホームページを初めとしまして、今後、さまざまな年金にかかわる広報についての事業について、個別に御審議、御助言をいただくとともに、あわせて、各種の広報を議論する中で、年金全般について、例えば平均寿命が延びてくる、働き方が多様化していく、そういった中でも年金というのはどうあったらいいのか、同時に、年金の広報というのはどうしたらいいのかということについて、それぞれ御専門の観点から御指摘をいただきたいと考えております。
最後の「4.運営」ですが、繰り返しになりますが、本検討会は原則公開でございます。ただし、個人に不利益を及ぼすおそれがあるなどの場合は、座長の判断により非公開とすることができるとしております。
続いて、資料2について、タブレットのほうでごらんいただきたいと思います。事務局で用意いたしました「年金広報の現状」というものでございます。
スライドの2ページをお開きいただきまして「年金制度の仕組み」でございます。
年金制度は、国民年金、厚生年金保険を初め、さまざまな確定拠出や確定給付の企業年金、また、iDeCoや国民年金基金というような形でございます。
それだけではなくて、この資料にはありませんけれども、過去の保険料で積み立てられた積立金の運用をやっておりますGPIFという組織もございます。
こうした年金制度全般にかかわるところの状況について、どのように説明をしていくのか、どのようにアプローチをしていくのかという観点でございますので、最初に、年金制度がこのようになっているということで、図だけで大変申しわけございませんけれども、紹介をさせていただきます。
続きまして、4枚目のスライドで「Ⅱ-1 年金制度の周知・広報に関する現状の主な取り組み」でございます。
まず、国民の皆様に年金制度について、正しく理解をしていただきたい。あわせて、制度について、持続あるものにするために、建設的な議論が進むことを目的としまして、年金制度についての基本的な概要、5年に一度見直しております年金制度の財政についての財政検証の結果、制度改正の議論の状況について、広く理解していただくために私たちは広報を行っているということでございます。
①②③とありますが、①として、インターネットやパンフレットを通じて、広くたくさんの方々に周知というか、知っていただくということをやっておりますし、②なのですけれども、日本年金機構におきましては、職員がそれぞれ大学や高校、さらに刑務所とか、そのようなところに出向いて、公的年金とはどういうものなのかということ、意義や仕組みについて、理解を深めてもらうための年金のセミナーを実施しております。昨年度は全国で3,650回、延べ約28万人の生徒が受講しているということで、こういった取り組みもしているということでございます。
③は「iDeCo」というロゴと通称でやっておりますが、個人型の確定拠出年金に関しての周知・広報をしておりまして、おかげさまで昨年8月末で加入者は100万人を突破しているというところでございます。
現在はこうした取り組みをしているということでございます。
続きまして、5ページでございますが、年金の広報について、不特定多数の方にお知らせする場合のツールと、お一人お一人にお伝えするツールがありまして、簡単な紹介でありますが、たくさんの方への紹介と一人一人に伝える紹介というのをそれぞれ持っているということをお伝えいたします。
続きまして、6枚目のスライドなのですけれども、まさにこちらの検討会で今後議論をしていただく予定の話ということで、事務局のほうから、こういう一つ一つの検討状況や、こういったことについて皆様方からの御意見をいただくという予定でございますという一覧を用意しております。
最初に「年金ポータル(仮称)」がございます。要はホームページなのですけれども、これは後でまた詳しくお伝えします。
2番目に、年金広報のコンテストということを考えております。年金制度の意義とか老後の資産形成について、本来であれば、私たちのほうからそれを伝えるコンテンツをつくり、それをどうやって広めるかということを考えるべきなのですけれども、特に若者に対して広めていこうというときに、若者でない者が考えるよりも、やはり学生自身で考えていただくと、よりおもしろいというか、より効果的なものができるのではないかということを考えていまして、こういう年金広報コンテストをやりまして、コンテストに参加する学生のほうで、コンテンツとそのコンテンツを広めるための方法を考えてもらう。そして、それを競い合っていただくというようなことをやれないかということを考えておりますので、そういったことについても皆様からの御意見をいただきたいと思っております。
3番目に「年金生活者支援給付金」です。年金生活者支援給付金は、ことしの10月1日から新たに導入されるものであります。年金に上乗せをして一定額を支給するという制度なのですが、こういうことをやるに当たって、既に年金をもらっている高齢の方々や障害を持っている方々がいらっしゃるのですけれども、こういった方々にこの制度が存在する、また、どのように使っていただけばいいのかということについて、正しく広く、できる限り漏れのないような形で広めていくにはどうしたらいいかということで、さまざまな広報を考えておりますが、それらの広報について、また皆様方から御意見をいただきたいと考えております。
4番目に予定しておりますのは「ねんきん情報アプリ」ということで、既にございますが、ねんきん情報アプリというのは、国民年金の仕組みや保険料の支払い方法、年金の支給開始年齢などについて、公的年金制度を理解していただくための情報を提供するツールでありますけれども、私どものほうで平成31年度、ことしの4月以降に改良を検討した上で、その改良案について御議論を賜れればと考えております。
続きまして、スライド7をごらんいただきたいのですけれども、先ほど後でとお伝えしました年金のホームページでございます。もちろん、既に年金のホームページというのは、厚生労働省、日本年金機構、国民年金基金連合会、企業年金連合会、GPIFということで、それぞれのホームページを通じて説明をしております。
ですけれども、それはそれぞれの組織の役割に基づいて、また、その役割の範囲に限って御説明するということでありまして、わかっている人たちにとってみると、ここでこういうことをやっているから、こういう内容なのだよねというのはあるかもしれませんけれども、年金についてわからない者からすると、一体どこで何をしているかそもそもわからないので、情報にたどり着けないということがあるのではないか。
そういうことで、それぞれでやっていますということではなくて、利用者の目線に立ってみると、年金を知りたいというのを一括して一つの窓口で見ていただいて、自分が知りたいところへ行くと、結果的に日本年金機構の手続のところに行く、GPIFの運用のところに行くというような形ができないかというようなことを考えておりまして、追って、本日、ホームページの構築をしていただいております日本廣告社の皆様から現状の検討の案を御提示いただきますので、それについて、また意見を賜れればと思っております。
最後に「老後の生活設計と公的年金に関する世論調査」とありますが、これにつきましては、グラフで見ていただければと思っておりますので、説明は省略いたします。
次に、資料3は「当面の議論のテーマと日程(案)」ということでございます。
本日、2月7日は第1回でございますけれども、今後、まさに年金広報のコンテストを実施するために第2回を3月上旬、また、第3回、第4回ということで、それぞれのタイミングで私たちが用意した案を御提示することを考えております。同時に、それぞれの広報のツールについて御議論いただくことを繰り返していくと、当然、年金の広報に関しての共通した課題というか、共通した足りないところが出てくるのではないかと思います。こうしたこともありますので、第4回以降、年金の広報全般に関しての議論をいただきながら、どのように私たちは変わればいいのか、どのようなことをしていかなければいけないのかについても、大きな観点から御議論いただければと思っております。
事務局からの説明は以上でございます。
○上田座長 ありがとうございました。
それでは、今後のスケジュール等、今の事務局からの御説明内容につきまして、皆様から御意見、御質問があれば、お願いいたしたいと思います。
私は、個人的にも、年金をわかりやすくお伝えするとか、親しみやすいものに感じていただくということでは、今回のこの企画は大変すばらしいものだと感じておりまして、皆様からぜひ忌憚のない御意見を多々賜れればと思っております。いかがでございましょうか。
では、最初に私から一言申し上げます。
私は大学の先生をしておりますけれども、今回のこの年金ポータルの試みというのは非常に有益な内容だなと感じております。例えば学生にゼミでいろいろ年金に関する課題を出しても、どこのホームページを調べたらいいか、まず入り口がわからないというような質問が結構来ます。ポータルでわかりやすく玄関で入り口を示していただくと、その後、必要な資料に大変たどり着きやすいかなと感じました。
また、年金広報コンテストは、学生の理解を深めるのにもうまさにどんぴしゃり、うってつけの題材を提供していただいたなということで、なかなかおもしろい試みだなと感じております。
では、原さん、どうぞ。
○原構成員 これからのいろいろスケジュール等を説明いただきまして、ありがとうございます。
今、年金広報の概要ということで、たくさんのところから発信されているものの入り口をつくるというポータルサイトのイメージで、多分、その詳細は後ほどなのかなと思うのですが、ぜひ一つお願いしたいのは、4ページのところで、現状の取り組みということでいろいろなパンフレット等があって、ポータルという形で入り口のプラットホームみたいなものをつくって、それぞれのサイトに行くイメージかと思います。
その最初の入り口のところをどうするかというのが今日のテーマだと思うのですけれども、②のところで、いろいろな年金セミナーを開催されているとお聞きしていますので、機構さんとか年金事務所の職員の方が、主に高校などに行かれてやっていると聞いておりますので、ぜひこちらについても別の機会に取り上げていただきたいと思います。
といいますのは、私の方で全国社労士会連合会で研修をしていたりしますので、お聞きするのが、社労士が各地で出前授業をやっていて、皆さん、かなり熱心に社会貢献という形でやっていますので、そういうことで何かコラボみたいなものができないかなと思います。民間の活力というものもかなり高まっていますので、一緒にやっている所もあるかと思いますが、全体としてそういうことも含めて、これは別の機会に取り上げていただきたいなという要望でございます。
○上田座長 ありがとうございました。
ほか、いかがでしょうか。
どうぞ、足利さん。
○足利構成員 今の原さんの御質問にあれされたのですけれども、ここで出ています年金セミナーを全国で延べ3,650回、28万人ということなのですが、これは具体的にはどこに行くとか、どこの大学と高校ですか、そのようなものはどのように差配していらっしゃるのか、参考までに。津々浦々やるとか、そんなプランがあるのかどうか、そういうこともあわせて。
○上田座長 では、これは事務局よりも、年金機構の野口様のほうからお願いします。
○野口代理人 自分は実は直接の担当ではないのでございますけれども、概略を御説明したいと思います。
まず、御関心を持っていただきまして、大変ありがとうございます。
私どもは津々浦々で年金セミナーを実施したいと思っております。特に20歳からですから、そのぐらいを目指してということで大学生、専門学校生、それから、もちろんそこに至るということで高校生ですね。場合によっては中学生に対してもやっておりますけれども、私どもが押しかけていっても、なかなか受け入れてもらえない。いろいろな授業もあるという中で、学校も実はかなり忙しいのです。お時間を見つけていただいて、そこに参加させていただくということで、いわば学校行事の一つとして位置づけていただくということになりますので、なかなか簡単にいかない面もございます。
私どもはいろいろなところに声をかけて、実施させていただけませんかということをお願いしております。地域年金展開事業という大きな枠組みの中でやっておりますけれども、その中で、地域の各県ごとに関係の方々、有識者の方々に集まっていただいております。そこで知恵を出していただきながら、例えば、学校へのつなぎをつけていただく、教育委員会につなぎをつけていただく。教職のOBの方々にいろいろな説明をお願いするというような形で、今、少しずつ広めていきながら、平成29年度ではここまでの実績になってきたと。
したがいまして、地域ごとにばらつきなどがなく網羅的にできているかというと、必ずしもそうではありません。なるべく広めていって、津々浦々で実施したい。もちろん年金事務所のマンパワーもございますが、まず信頼で成り立っていくということでございますので、制度を信頼いただくということから始まって、納付率を上げていくということでございますので、大変力を入れてやっております。
私どもが最初にやり始めたときには、どうも説明がかたいとか、笑顔がこわばっているとかいうことがあったわけでございますけれども、最近は大分こなれてきまして、セミナー王という形で、プレゼン能力が高い職員を育てようということで、最近、年1回コンテストをして、この人はすばらしいみたいなこともしています。プレゼン能力、いかに若い方々にわかっていただくのかということで、それこそ仮装ではありませんけれども、そんなことまで最近はやるということで、いろいろな工夫はするようになってきておりますので、ちょっとおもしろいな、御関心があるなということであれば、お声をかけていただければどこでも行くぞという気持ちでやっておりますので、ぜひお願いしたいと思っております。
どうもありがとうございました。
○上田座長 ありがとうございます。
私もこういう試みは存じ上げなかったのですけれども、ぜひ私の大学にも来ていただいて、いろいろ御講演をお願いできればと思います。
また、今お話がありましたけれども、20歳になるところというのは大きな節目ですので、非常にいい節目でおやりになっているなと感じました。
あとはいかがでしょう。
では、横尾さん。
○横尾構成員 今のも広報の活動の一環かと思うのですけれども、依頼したいなと思ったら、このポータルのホームページからたどり着けるということなのでしょうか。
○野口代理人 例えば年金セミナーの御希望のある方のコーナーとかがあるわけではなくて、済みませんが、実際には事務所が拠点になっておりまして、各地域の事務所窓口でいろいろ折衝をさせていただいているというのが実情でございます。
○上田座長 では、その辺もまた第2部の具体的な内容の中で、いろいろと今後の課題として御議論いただければと思います。
○野口代理人 先ほど御要望いただきましたので、事務局の方々の御指示に従いますが、当然、このセミナーはどんなことをやっているのかというより具体的な御説明をさせていただく機会が与えられるのであれば、もちろんこちらから御説明をさせていただきたいと思っております。
○原構成員 その一方で、民間の活動の方は、私からできる限りご紹介させていただくようにしますが、いろんな意味でバッティングしてしまってもったいないなという部分もありますので、マンパワー的なところもあるかと思いますので、民でできるところは活用していただければと思っております。
○上田座長 最初から非常に建設的ないろいろな御意見をたくさん出していただいて、大変いい雰囲気かと思っております。○上田座長 最初から非常に建設的ないろいろな御意見をたくさん出していただいて、大変いい雰囲気かと思っております。
では、大鶴さん、どうぞ。
○大鶴構成員 連合会でやっております国民年金基金やiDeCoは、基本的に1階の制度の上に成り立つ制度で、1階の資格によって加入資格があったり、限度額が変わったりということで、我々が広報をする際にも、必ず公的年金の話と一緒に広報するということが求められています。最近では、昨年あったiDeCoの広報のセミナー等において、年金局の方にご協力いただき、公的年金との間ではどうなっているか、あるいは公的年金が幾らであるから、私的年金としてどのぐらいのことを見込むのかということで、どうしても一体として広報する必要性が非常に高いということで、私たち、今回のこうした試みについて大変ありがたく思っております。
また、地域でも年金事務所と連携して、金融機関に説明するというようなこともそれぞれ行うようにしておりますので、ぜひマクロでもミクロでも協力できればと思っております。
○上田座長 ほか、いかがでしょうか。
では、横尾さん、どうぞ。
○横尾構成員 今回はポータルのサイトということだったので、今の件に関しては、ポータルサイトからたどり着くことはできるのでしょうか。
○大鶴構成員 私たちがつくっているiDeCo公式サイトというのが昨年度リニューアルしたのですけれども、そうしたものの使い勝手がいいようなトータルの制度がどうなっているかをポータルサイトの中でつくっていく。年金機構と私たちの関係がどうなっているかみたいなことがポータルサイトを通じてわかって、より詳しい情報は私たちのホームページに来るというようなイメージでつくられているのではないかなと思っております。具体的な協力関係は、またそれぞれのレベルでやっていく必要があると思っています。
○上田座長 では、その辺も含めて、第2部の具体的な内容の中で一緒に議論をしていきたいと思います。ありがとうございました。
ほか、よろしゅうございますか。
どうぞ。
○殿村構成員 全体的に知らせるという視点から私は見ているのですけれども、現代の認知の仕方というのは二極化していまして、たくさんの人に知らせる場合と、一人一人に伝える場合があります。このように二極化して伝える場合、若者の認知の仕方と高齢者の認知の仕方は全く違いますし、そこをしっかり把握して伝え方を考えないといけないと思います。
それから、今回制作されるのはポータルサイトとお聞きしていましたので、前もってネット検索してみたのですけれども、どの検索サイトで検索をしても「ねんきんネット」ばかりがヒットして、「ねんきんネット」しか見えない状況がリアルな実感としてあるのです。
国民は、やはり年金をどれだけもらえるのかに一番関心があるので、そればかりアクセスしている結果、グーグルでもヤフーでもほかでも、どうしてもねんきんネットだけが上に上がってくるのだと推察します。よって、ねんきんネットしか存在しないような印象を受けてしまう。
その中で、ポータルをおつくりになることにどのような意味があるか。現状から考えると、怒られるかもしれませんが、ねんきんネットの存在感を尊重してポータルに膨らませるほうが、効率的かもしれないと思います。
そして、若い人はネットばかり見る傾向にある中で、今はSNSからもだんだん離れていっている傾向が分析で上がってきていまして、総務省さんの情報通信白書を拝見しても、2年前は7割がSNSをするためにiPhoneなどのスマホを買ったのに、去年のデータを見るとSNSは1割程度しか活用していないという結果が出ていて、今後の発信には、目まぐるしく変わる現状をタイムリーに把握することが大切だと感じます。
実際に私たちが調査をしていても、若者たちは今、LINEさえ逃げ出すような状況の中、3分以内の動画など意思を伝えあうといった文化が目立っています。
一方、高齢者には、ネットは情報があり過ぎてわからないので、逆にエリアマーケティングのほうに注目が行っていまして、一見古いイメージのある市役所のゴミ出しの日が書かれている市政広報とか市役所のごみ出しの日とか、紙媒体の注目率が高くなっていたりするのです。
このようなリアルな状況も視野に入れて認知促進を図らないと、今の人には伝わらないのではないかと思うのです。なので、これまでの概念プラスアルファでリアルな状況も取り入れて考える必要があると思います。
以上です。
○上田座長 ありがとうございました。
どうぞ。
○横尾構成員 今おっしゃっていただいた意見に私もすごく同感なのですけれども、利用者の行動を見ていると、そのような傾向が実際にあるなというのは私も仕事場では感じています。
それに加えて、私のほうで先ほどからそれはポータルから行けるのでしょうかということを何度か伺っていたのは、私たちが一般的な保険というか、民間の保険などのホームページの改善だとか、そういったものをいろいろやらせていただくときに、まず、(依頼主が)「わかりやすくしたい、使いやすくしたい、みんなに見てもらいたいのです」とおっしゃるのですけれども、「それはできないのですよ」という話をします。「そのホームページに来て何をしてもらいたいのかというのを明確にして、それを上げていくことはできます」というお話をして、(そのお仕事を)やらせていただくのです。
例えば「申し込み者数をふやしたい」とか。
ホームページはもともとのモチベーションはお客様が持っているものなので、年金を調べたいとか、本当に年金は大丈夫なのかと思って見るとか、いろいろなモチベーションはあるかと思うのですが、最終的なアウトプットとして、どういう行動をさせれば成功なのかというのを定義して始められたほうが、効果測定も後ほどできますし、継続的な活動にもつなげていくことができますし、例えば先ほどの年金セミナーに申し込む学校がふえるというのは、今回の若者にアクセスするという意味では、もちろん一つ成功かなと。
ただ、本当は実際の若者ダイレクトにということなのだとは思うので、「こんな内容が書いてあったぞ」とツイッターで発言する人がふえるとか、何でもいいのですが、そういう効果測定ができるような、数字で測れるような、閲覧数だけではなくて最終的なアクションというのですかね。
見るだけだったら、間違って行かせて、がっかりして出ていかせるということもあるぐらいなので、そうではなくて、そういう変なサイトをつくろうとしているわけではないわけですから、具体的な内容の検証の前に、どういった行動を若者が起こせば成功なのかというのを定義をされたほうがいいのではないかなと感じました。
以上です。
○上田座長 また第2部のほうで、詳しく具体的な内容についていろいろ御意見をいただきたいと思います。
では、野口さん、どうぞ。
○野口代理人 年金ポータルということで、最初のわかりやすい入り口をつくっていただくということを大変心強く感じております。
私どものほうでいきますと、国民年金、厚生年金とあるわけでございますが、近年は厚生年金のほうに国民年金の方々が移るということで、少なくなってきているという現象が続いてきておりまして、現在で国民年金の1号被保険者の方々が1500万人程度いらっしゃるのですが、実は最近、特に都市部なのですけれども、1号被保険者の増加の現象が見られてきております。その詳細はなかなかよくわからないところはあるのですが、多くは外国の方々がふえているのではないかという状況がございます。
それから、御案内のとおり、この4月から外国の方々に対する新たな受け入れ制度が始まっていくということでございますので、外国の方々は、まず、日本の制度をなかなか御存じでないというところから始まっていますので、わかりやすい年金制度の広報を外国の方々にどうするのかというのが課題ではなかろうかなと思いますので、まさに最初のわかりやすい入り口のポータルのところで、外国の方々に対するわかりやすい広報ということを、当然、お考えいただいていると思うのですけれども、その辺、またよろしく御検討いただければありがたいなと思っております。
○上田座長 富永さん、よろしいですか。
○富永構成員 第2部で。
○上田座長 わかりました。
では、お時間のほうもございますので。
どうぞ。
○足利構成員 入り口のところでちょっと確認なのですが、この開催要項とスケジュールを見させていただきますと、年金ポータルの確認というのがメーンになるのかもしれませんけれども、私どもが集まっています検討会というのは、どちらかというと、今後ずっと常設的な感じでされていくということなのでしょうか。それとも、最終的に意見をまとめて、とりあえずそれでというようなイメージなのでしょうか。そこをちょっと確認させていただければと思います。
○総務課長 まだそこは決めていません。とりあえず来年度は続けていきますが、さらにその先をどうしていくかは、続けながら検討したいと思っております。
○足利構成員 わかりました。ありがとうございます。
○上田座長 大変多くの切り口があって多面的であるということを私も実感いたしました。
それでは、皆様からさまざまな御意見を頂戴して、ありがとうございました。
続きまして、議題(2)の「年金ポータル(仮称)の基本的方向について」、事務局のほうからこちらの説明をお願いいたします。
○大臣官房企画官 今回、年金ポータルの制作につきましては、株式会社日本廣告社様が御担当されるということになりました。
本日は、日本廣告社の担当者としまして、矢澤様、木島様、小林様の3人が参って説明をしますので、画像を映し出しながらになりますけれども、座長に御移動いただきながら、あと、準備のほうをお願いいたします。
それをごらんいただいて説明を聞いた上で、構成員の皆様から御助言をいただきたいと思っております。
資料4は、画面ではなくて、お手元に配っている紙のほうもごらんいただければと思います。
それでは、御説明をよろしくお願いします。
○事業者 それでは、御紹介にあずかりました日本広告社と申します。よろしくお願いいたします。
弊社では、伊藤園様、わかもと製薬様のコーポレートサイト並びに各ブランドサイトのほうを担当させていただきまして、その他、数多くの民間企業様、教育機関様のサイト制作を実施しております。
それでは、早速なのですけれども、年金ポータルサイトの基本的方向性について御説明させていただきたいと思います。
アジェンダといたしまして、こちらにまとめさせていただきました。
まず、1つ目の「年金ポータルの基本コンセプト」について、御説明させていただきたいと思います。
○事業者 では、資料の4ページ目から御説明をさせていただきます。
4ページ目は、我々のほうで各種調査に基づき情報提供の課題について整理してまいりました。我々としては、ユーザーの行動にまつわる課題と本日お集まりの皆様の改善点というところで、2種類の課題があるかなと考えております。
ユーザーとしては、メディア接触などで不安視されるようなものがあるとか、自分のライフステージに即してどのような手続が必要なのかといった知りたいという欲求が解決できていないという課題、かつ、情報提供者様側の課題改善点としましては、横のつながりがまだ希薄であるというところとか、情報を欲しているユーザー様に正確なコンテンツを御提供できていないというようなところが非常に課題になっているかなと思いますので、今回やりたいこととしましては、情報の受け手と届け手の内容がフィットした形でポータルサイトにたどり着いたときに、しっかりと内容を十分に理解させるというところが目的かと思っております。
続きまして、全体のイメージとしましては、これまで議論していただいた内容と同等なのですけれども、やはりわかりやすい入り口としてポータルサイトを設置したいと思っております。
何か事があったときに検索行動などを起こした方々が、しっかりと入り口にたどり着いて、それぞれの年金関連サイトにたどり着くというところを目的にしたいと思っております。
続いて、今回、基本コンセプトとして我々が考えてまいりましたのが、解決したい課題の情報へしっかりと正しく導くというところですので、3つのアプローチを考えております。
まず、1つ目が「探して分かる」です。こちらは日常のユーザーが何かのきっかけで検索行動などを起こしたときに、課題があるものですので、たどり着いた際に探しやすいというところが最重要かと思っております。自身がどういったライフスタイルなのか、かつ、どういった疑問を抱いているのかというところに即して、アイコンやチェックボックスなどを設置しまして、しっかりと検索させる、情報を届けるというところが重要かと思っております。目標は「検索を通じた年金制度の自分ゴト化」です。
2番目としましては「見て分かる」です。こちらはナッジを活用しまして、シンプルでベーシックな、視覚的にわかりやすい図を活用した説明をページの中に配置したいと思っております。目的としましては「視覚で年金制度の基礎的な理解を促す」と。見てわかるというところです。
3つ目としましては「読んで分かる」です。こちらは文字どおり、読ませて内容を理解していただくというところになりますので、情報の受け手が日常的に使う言葉をしっかりと意識して、目標としましては、読んだ方が理解して不安を払拭し、共感を得ていただくというところを考えております。
続きまして、年金ポータルのターゲットとして捉えておりますのは、もちろん年金ですので、国民の皆様全員に向けた情報であるというところはあるのですけれども、我々としてはステークホルダーをこのように分類しております。
左側に行くほど専門的知識を持った方、いわゆる本当に年金のプロの方というところ、右に行くほど無関心というところもありますが、年金のステークホルダーなのですけれども、まだまだ知識がない方がいらっしゃるかと思います。
この中で、無関心というのは検索行動すら起こしませんので、ここでは除外、ターゲット外とさせていただきまして、従来の各年金関連サイトというのは、皆様を包括的にターゲットとしておるとは思うのですけれども、やはり知っている方向けの言葉で語られているかなと思いまして、右に近い方がいらっしゃったときに、何を書いてあるのかわからないとか、どういった手続が必要なのか、具体的に自分に対する情報が見つけられないという課題があるかと思いますので、今回のポータルサイトに関しましては、緑、黄色、ピンクで色づけした、ちょっと興味があって調べてみたというような方に等しく情報を与えて、理解を促すというところが最重要かと思いますので、ターゲットと据えさせていただいております。
○富永構成員 特に紫のところの人、無関心ということではないけれども、ちょっと気になるなんていう人がいますか。量的にどれぐらいいるのですかね。
○事業者 いわゆるメディアで「年金」というフレーズを聞いただけとか、外からの影響で「自分ゴト」ではないのですけれども「年金って、そういえば」みたいな形の関心を持つ方というのは、常にいるというよりは、高まるタイミングがあると我々としては捉えておりまして、今の関連サイトですと、そういった方が何か行動を起こしたときに提供できる情報がないのではないかと考えております。
○富永構成員 では、また後で質問します。
○事業者 恐れ入ります。
そこで、1つ目の「探して分かる」のコンセプトに即して、どのような情報を提供すればいいかというのを整理してまいったのですけれども、日常生活のシーンで「私の年金ってどうなっているの?」という疑問を持つ方は多いのではないかなと思います。就職や転職、結婚、出産などのライフイベントが発生した折に、今どうなっているのか、これからどうしたらいいのかというところを課題として挙げて、ニーズを持っている方、どういう手続をすればいいのかとか、自分のもらえる年金額はどうなっているのかといった具体的な情報を欲している方には、アクセスする動機として、制度の手続、自分のものがしっかりと見つかること、あと、手続窓口、どこに行けば何ができるのかというのがわかる。各関連サイトのばらついている情報ですと、どこに行けばいいかというのもわからないという状況かと思いますので、ここが見つかること。
あとは、自分の将来、自分が歩んできた人生の中で、もらえる年金額というのがわかるというところが動機かと思いますので、年金制度を「自分ゴト化」していただいて、自分の年金のステータスが理解できるというのが最重要かと思いますので、そこで手続を踏んで、かつ、いろいろと知識をポータルの中でも得た上で、今後の資産形成に向けて行動をしていただくというところがゴールかと思います。
ただ、逆に先ほど少し言及いただいた「年金制度ってどうなっている?」といった方々というのは、恐らく年金について既に興味がある方はいらっしゃらないと思いますので、何かのきっかけで「そういえば」みたいなところで、そういえば制度をよく知らないなとか、将来的にどうなのよといった不安や不満が発生したときに、仕組みを理解したいというニーズですとか、あと、不満があるけれども、本当に大丈夫なのかというようなところを調べたくてアクセスしてくると思っておりますので、ここの人たちに与えるべき情報としては、年金制度を理解・認容していただきまして、不安を払拭するような情報提供、かつ、ポータルですので、もちろん詳細なものは各関連サイトへ流すというところもございますので、そういった情報としてしっかりと理解できることを目的としたいと思っております。
続きまして「探して分かる」の中で、「私の年金」といいましても「私」というのがどのような方々なのかというところで鑑みますと、職業属性、今、私はこうだというところの属性から持つ疑問というのは、恐らく制度的にもちろん自営業の方と会社員の方では違いますよねとか、自分の今の職業から鑑みると、将来、転職して大丈夫だろうかというような疑問を持たれると思います。
逆に日常生活、ライフイベントと呼ばれるものが発生したときに、どう手続したらいいかという疑問とか、あとは、ふと思ったというときに課題としてあるのは、年金は破綻しないかなという素朴な疑問に対して、しっかりと情報が提供できているかというと、どこに行ったら課題が解決するのかも今はわからない状況ですので、ここも年金ポータルの役割として持たせたいなと思っております。
その中身を、資料のほうでは、いわゆる検索キーワードですとか、SNS上でどのような形で年金が言及されているかというものもおつけしておるのですけれども、そういったところから鑑みまして、我々としては、ユーザーに探したいと思われるようなトピックスをそれぞれコンテンツに配しまして、マッピングしていくということを考えております。
自分は国民年金、厚生年金のどの制度に加入しているのかみたいな目線で、ユーザーさんが思うようなフレーズをコンテンツ化いたしまして、ただ、やはり仕組みをしっかりと説明したいところですので、マッピングした課題と提供する情報というのは、網羅的であって、かつ、各関連サイトにしっかりと詳細情報を見に行けるような仕組みを考えておりまして、このマップに関しましては、まだ課題の洗い出しがし切れていないところがございますので、後々また詰めた形でページを作成してまいるのですけれども、こういったようなアプローチでコンテンツを開発していきたいなと思っております。
○事業者 ここからは、1の基本コンセプトを踏まえまして、年金ポータルのトップページのコンセプト、どのようなページづくりをしていくかというところを御説明させていただきます。
「2-1.ポータルサイトのデザインコンセプト案」を説明させていただきます。
デザインコンセプトは、まず「探して分かる」編でございますけれども、ベーシックなユニバーサルデザインであることを目指しています。全ての世代、職業の方に自分のこととして受け入れていただくため、イメージとして捉えることができるイラストを使用します。
色調はパステル調の色彩を使用しまして、やわらかい印象を持たせ、見やすさやわかりやすさを演出していきます。
シンプルであること。説明内容を直感的に理解してもらえるように、極力文字数は減らしまして、ナッジを活用しましたベーシックな図を活用していきます。
余白などのバランスを十分に保ちつつ、見出しや内容(本文)のめり張りを持たせることを目標としています。
また、心地よさも重要かと考えています。国からの情報ということになりますので、年金制度の総合サイトとして公式感は保ちつつも、読み手にとって心地よいサイトということを目指しております。
続きまして、細部に入っていきますが「2-2.ポータルサイトのトップページの構成」となります。
まず第一に【ユーザーが探しやすいナビゲーション】に注意していきます。年金に係る世代は若者からお年寄りまでと幅広いため、明瞭でわかりやすいタイトルを心がけます。トップページのメニューは「年金」を軸として、職業・属性・日常生活シーンを絞ってグルーピングすることにより、探しやすさを向上させていただきます。
【キービジュアル&タイトル】ですが、タイトルは、サイトにアクセスした人が読み進められるようなナッジを活用し、ポジティブなメッセージをベースとして開発させていただきます。
また【サイトの目次】となるところですが、簡単に各項目に含まれる内容が閲覧者に明示できるよう心がけます。また、ライフスタイル・属性に応じて欲しい情報が入手できるように、チェックボックス式の検索ツールの配置も検討しております。
最後には【おすすめコンテンツ】としまして、特に閲覧者の興味を引くようなテーマを扱うページにダイレクトに移動できるように、大きなアイコンでわかりやすく明示させていただきます。
続きまして「3 年金ポータルの第2階層のコンセプト~読んで分かる/見て分かる~」を説明させていただきます。
3つのステップのうち、第1ステップで、ターゲットが知りたい情報に特化した情報を提示します。第2ステップとしまして、直接的な疑問だけではなく、関連する情報を提示していきます。第3ステップとしまして、他のターゲットを対象とした情報も提示します。
ここに例として挙げました第2階層「私は国民年金、厚生年金どの制度に加入している?」というタイトルでございますけれども、まずは【職業・属性・日常生活のシーンに合わせた説明概要】で、各事項別に疑問に思う点について、シンプルな文章とわかりやすい図で説明していきます。
続きまして【年金制度の説明・年金の加入記録の確認・手続を促す】です。公的年金の仕組みや財政だけではなく、公的年金の手続を促したり、必要に応じて年金記録の確認のため、ねんきんネットへの誘導も考えております。
さらに深掘りいたしまして【私的年金の説明】で、公的年金と私的年金を組み合わせた老後の生活設計を促すため、国民年金基金やiDeCoの概要やサイトに誘導いたします。
【もっと、知りたい情報】といたしましては、本ページを読み進めていただいたユーザーが「もっと、知りたい年金の情報」に容易にアクセスできるように、大きなアイコンやサイトマップを提示しましてアクセスを促していきます。
「見て分かる」という部分ですが、年金制度を視覚的にわかりやすく説明するために、インフォグラフィクス資料を活用して、見てわかるサイトを構築していきます。文章による説明はシンプルなものにとどめ、より詳細な内容を知りたい場合には、各年金関係団体の有するサイトに誘導して、詳細な説明はそちらで得られるようにいたします。
例といたしましては、こちらのパンフレットのような形で各項目の説明文は極めてシンプルに記載いたしまして、複雑な年金制度につきましては、可能な限りインフォグラフィクスを活用して、視覚的にわかりやすい図で説明させていただきます。
続きまして「3-3 ポータルサイトの操作性・読みやすさ」の部分です。
これが全てではございませんが、まずは【タイトルとグローバルナビについて】は、本サイトの目次となる部分でありますので、白地に黒字と最も見やすい組み合わせを活用して、また、マウスで項目を選択した際は、項目によって異なる色を用いて、選択されていることを明示いたします。
【ナビゲーションの使いやすさの工夫】でございますけれども、全てのページにおいて、メニューにマウスを合わせますと、そのメニューの配下に格納されているページが全て表示されるようにいたしますので、この機能は、閲覧者のウエブサイトの回遊を縦方向だけでなく横方向にも押し広げ、サイト全体を立体的に横断しやすような仕組みをとらせていただきます。こちらはスマートフォンにおいても、同様にこの機能を入れさせていただきます。
【読みやすさの工夫】といたしましても、先ほどの明度差の件もございますが、ホワイトスペースを意識しまして、文字量も調整いたしまして、また、読みやすいフォントを活用しまして、どんな方にも見やすいような形で進めさせていただきます。
以上でございますけれども、この内容につきまして御助言をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○上田座長 それでは、皆様のほうからぜひ建設的な御意見ということで、よろしくお願いいたします。
では、富永さん、お願いします。
○富永構成員 私がもしも「富永朋信ポータル」というのをつくったとするではないですか。でも、そんなものを私の妻や娘は絶対見ないです。それはなぜかというと、基本的に彼らは私に関心がないからなのです。
では、どうすればいいかというと、例えば、世の中の亭主というのはこうやってへそくりをつくるというような、何かしらSEM的なマーケティングのフックをつくって「富永朋信ポータル」に私がどうへそくりをつくっているかというコンテンツをつくったら、妻は見ますよね。お父さんはどんなときに小遣いがなくなるのかという流れをつくったら、娘が見ますよね。
そのような形で、関心とか関与がないところにどうやってそれをつくっていくかというところが、多分、年金みたいなトピックの一番大事なところだと思うのです。
そう考えると、網羅性とかグローバルナビゲーションみたいなことも大事かもしれないのですけれども、どういうモチベーションを持った人がどういう行動を持ってここにたどり着くかみたいなところの仮説が大事だと思うのです。それに基づいたお話とか企画があると、もっとこのサイトのよしあしが見えてくると思うのです。
きょうはそこまでは多分ないと思うのですが、次回以降のプログレスの中でそういったことが説明されていくことを望みたいと思うのが1点目。
そのように考えていくと、ポータルの大事さみたいなことよりは、カスタマージャーニー的な、どういう消費者行動の結果としてどのページに行き着くかということのほうがより大事だと思いますので、そういった観点での御提案も大事かなと思ったりもします。
あと、伊藤園のサイトをつくったときに、多分、ブランド要素があったと思うのです。もし伊藤園が人だったらどういう性格かみたいなこととか、全体的にどれぐらいスピーキングなコンテンツにするかとか、そういったことをちゃんと決め込んでいってからサイトをつくることによって、伊藤園らしいサイトになったのではないかと拝察するのですけれども、そういったいわゆるブランド要素みたいなこと、厚生労働省とか年金とかはどういう語り口をするのだろうとか、どういうトーン・アンド・マナーでつくればいいのだろう的なことが決まってくると、サイトの親しみみたいなこととか、話題性みたいなことに直結していくと思うのです。そういった決め事もぜひ今後の御提言の中で欲しいということが1点。
それから、調査みたいな話がちょっとあったと思うのですけれども、基本、関心がない人とか関与がない人というのは、対象のことを知らないので、知らないことを聞かれてもコメントのしようがないから、とんちんかんな答えを返すのです。
関心がない人に対して問うた質問に対するとんちんかんな答えをベースに、ターゲットはこういうことを知りたいのだというような形でサイトをつくっていくと、非常に方向性が間違ったものになるので、そういった轍は踏まないようにしていきたいと思うのです。そういった意味で、関心がない人たちに対して何を発信したらいいかということというのは、調査ベースというよりは仮説思考の積み上げが必要になると思いますので、そういった観点の御提言もお願いしたいなと思います。
以上です。
○上田座長 ほかに。
では、原さん、どうぞ。
○原構成員 プレゼンテーション、ありがとうございました。
中の組み立てのところで、もちろんマーケティング的にも最初の入ってくるところが大事だと思うのですけれども、私は、中身の作りのところで御説明いただいて気になった点と、これから考えていただきたいところをお話ししたいと思います。
6ページの「年金ポータルの基本コンセプト」で「探して分かる」「見て分かる」「読んで分かる」と3つの形で御説明いただきました。
まず「探して分かる」というのは、最初のプラットホームとして、先ほどの資料2の7ページの「広報の現状と年金ポータル」にありましたが、例えば、自分が退職したときの手続をどうしようという人は日本年金機構のホームページを探せばいいのですが、ただ、そこでも非常に細かくてどこに行けばいいかわからないという部分と、あと、iDeCoとは何かなというときには、本当は国民年金基金連合会さんのところへ行きたいのだけれども、そこにもたどり着けないとか、企業年金をどうすればいいのかというときには企業年金連合会さんのところとか、道案内というか、交通整理をしてあげるというのが年金ポータルの大事な役割の1つかと思います。それが「探して分かる」かと思います。
そして、行動としては、その人が自分のやりたいところに行き着くように道案内してあげるというところが「探して分かる」ということで、これは非常にシンプルでわかりやすいと思うのです。
もう一つ、また別の話として、年金ポータルというのはいろいろな情報発信を集約するということもあって、もちろん公的年金、私的年金など、いろいろなことがありますけれども、公的年金の意義とか、先ほど少し「探して分かる」のところにも年金は貯金ではないなどがありましたが、この辺のそもそも公的年金とは何なのかとか、公的年金は実は保険なのですよとか、基本的な公的年金の意義とか役割をしっかり理解してもらうことが最初に来るべきところかと思います。これは、探してもらって読んでもらうというのではなくて、探さなくてもわかってもらうというところにとり上げていただきたいなと思っています。
ここから何か商品を買ったりとか、そういうサイトではないので、できれば社会的扶養など、そんなにたくさんはないですから、公的年金の意義とか役割がそこに入ってきたみんなの目に触れるというか、読んでもらうというところになるのかもしれませんが、「探さなくても読んでもらえたらと思います。中身としては、どうしても公的年金は国民年金と厚生年金で成り立っていますという説明から入りがちなのですが、そうではなくて、その前に意義とか理念というものは、当然、最初に誰でも見てもらう、特に若い人に見てもらうようにしていただきたいと思います。
見てもらえばわかることなので、老齢だけではなくて、障害とか遺族の保障もあるとか、そういったことの幾つか、そんなにたくさんはないですから、そういったことをわかりやすく最初のところなのか、組み立てをもう一回考えていただければと思います。基本コンセプトで一番伝えたいことは、年金への信頼などを高めるとか、知ってもらうというところだと思いますので、そういうことを考えていただければありがたいです。
以上です。
○上田座長 ありがとうございます。
では、殿村さん、どうぞ。
○殿村構成員 まず、日本人が年金に関心を持つきっかけが抜けているのではないかと思うのです。今の日本人は、年金に対して、年金は欲しいのだけれども、もらえないと諦めている空気感があって、そこから引っ張らないと読んでもくれないし、探してもくれないし、見てもくれない。そこの扉のところでわくわく感を喚起することが必要だと思うのです。言い換えれば、入口にはインパクトが必要だと思うのです。
日本人のヒーローで改革を思い起こすのであれば、例えば坂本龍馬みたいなVチューバーが出てきて「年金の誤解を洗濯するぜよ」と言って、年金の誤解10カ条をズラリと並べて、ひとつひとつアクセスしたら「何が誤解だったのか」がわかる、というようなインパクトある演出があると注目されると思います。
そういった入り口のところ、要するに日本人の情をくすぐる部分が、ネット時代にはとても大切で、逆に情に刺さるものでなければ、なかなか来てくれないし、読んでもくれないものです。なのでぜひ、入り口を工夫されることをお薦めします。
なお、今申し上げたVチューバーは、若者たちだけにウケていて、イメージがありますが、若い女の子のきゃぴきゃぴしたキャラクターが象徴になっていますが、実際には坂本龍馬になっても、桃太郎になってもVチューバーはできるわけです。また、ナビゲーションとかチャットが当たり前になってきていますから、予算的な都合もあると思いますが、国民が当たり前に慣れている機能を入り口につけることを考えていただければ、インパクトは全く変わると思います。
○上田座長 ありがとうございました。
では、横尾さん、どうぞ。
○横尾構成員 前回、年金の委員になったときは何回か直す機会があったのですけれども、今回は次回に出て終わりという形なので、ちょっと厳し目にいかせていただきたいと思います。
基本的にはフックになる部分が必要で、そこのセンスに関しては、富永委員と殿村委員が言ったことに基本的に私も賛成で、厳し目にはっきり言ってしまうと、もう一回ゼロから考えてくださいということかと思います。多分、富永構成員と殿村構成員は、そのフックが全然ないように感じられるということをおっしゃっているのではないかと私は推察しておりますけれども、私もそのように思うので、それは考えてみていただくとよろしいかと思います。
私の専門は、使いやすく、わかりやすくというのと、あと、ユニバーサルデザインも専門なので、「ユニバーサル」と書いてあったのもちょっと気になっていまして、全体的に御指摘をさせていただきたいと思います。
今の状態のまま進んでも、わかりやすくも、使いやすくもなりようがないのではないかという印象を受けております。というのも、この資料どうこうの前に、このポータルサイトの行き先であるサイトで利用者が何をしたいかについて、まだ制作者側が正確に理解されていないのではないかという不安があります。
それは、先ほど原構成員から、きちんとたどり着くのがポータルなのだからという話があったと思うのです。その辺は具体的に把握されているのでしょうか。制作者として、例えば、このポータルからこのサイトに来た人が、こういう手続がここでできるというようなことを分析していくと、多分、複数あって、ただ単にトップページに飛ばせばいいという問題ですらないと思うのです。
なので、そこのところの整理が今の段階でできていないと…。そこは具体的なページを私たち構成員が観る上で、本来は事前に見ておかないといけない部分だと思うので、制作者サイドでそこをちゃんとつくってくるということは、最低限、次回までに必要になってくるかと思います。
私は本検討会を聞いていて、いろいろと制作者の方の中でもごちゃごちゃになってしまっているのだろうなという気がしました。
それは、これはポータルなのか、広告サイトなのか、マーケティングサイトなのか、何なのかということで…。おっしゃっていることはこの3つなのです。でも、中身は違うのです。どれでもないのです。どれかだったらまだいいのですけれども、どれでもないという感じの印象があります。
なので、もしポータルでつくるものは、「年金のことならここに任せろ」みたいなものだと思うのです。だけれども、タイトルから「わかる」と書いてあるので、これは理解促進だけのページなのかなと思いきや、ポータルなのですよね。
これはポータルの主催者の方に聞かなければいけないのかもしれないですけれども、これは「ポータルサイト」なのか、それとも「広報サイトで、ついでにいろいろなサイトを紹介する」ものなのかというのは、どちらのイメージなのでしょうか。どちらでもいいという感じなのでしょうか。「どちらでもいいから、アクセスがふえてみんなのイメージがよくなればいい」という感じなのでしょうか。
○上田座長 では、事務局のほうからお願いします。
○大臣官房企画官 イメージというか、こちらが求めるものとしましては、原構成員が言ったような年金の意義とか、そういうものは実はもう既にたくさんある。厚生労働省のホームページとか日本年金機構のところにある。だけれども、知らない人がそこにたどり着けない。
○横尾構成員 では、やはりポータルなのですね。
○大臣官房企画官 コンテンツについてはもう既にあって、そういう新しいコンテンツで別の観点から伝えろというのではなくて、まさにそういうコンテンツにたどり着けていないという状況に対して、対応していく。そのときに、そもそも関心のない人がいますよねというようなところについても掘り起こしができるのであれば、それはぜひという観点でございます。
○横尾構成員 ありがとうございます。
そうしますと、企業の言葉で言えば、サイトがいっぱいある中で、キラーコンテンツは幾つかあるぞという自負が、当然、厚労省さんの中であるわけです。なので、キラーコンテンツがどれなのかをまず教えていただかないと、こんなキラーコンテンツがあるのですと、ここにたどり着くためのポータルサイトなのですという、要は、どちらかというと、キラーコンテンツ総合紹介サイトということですよね。
全然キラーコンテンツではない、見ても何かすごくつまらないところに持っていこうということではなく、全部のところに持っていこうということではなくて、理解を促進するためのキラーコンテンツが幾つかあるぞと。そこに行ってみたらすごく理解が進むし、もしかしたらセミナーをお願いするのかもしれないし、すごくいいぞという、とにかくいいサイト・ページというのがきっとあるのだと思うのですけれども、まだ私たち構成員が1ページもそれがわからないので、それに誘導するページがいいのかどうかも現段階ではわかりかねるのですが、それを次回はぜひ具体的に、もちろんメールで事前に教えていただくのでもいいので、このキラーコンテンツにつなげるのだぞというものを知りたいと思います。多分、そこが今回のポータルの目標であり、アウトプットなのだろうなと思います。それが理解できたので、よかったです。
それを前提にちょっとお話を続けさせていただきますと、7ページ目の「年金ポータルのターゲット」なのですが、これはちょっとよくわからないなと思いました。
「年金ポータルを活用してほしいターゲット」と「年金ポータルの主なターゲット」というのが分かれているのですけれども、これはどういうことなのかというのが余りよくわからなくて、利用する人以外が主なターゲット。
でも「年金ポータルを活用してほしいターゲット」以外が主なターゲットというのは、何のことなのかというのがちょっと。普通は利用してほしい人がメーンのターゲットですよね。
○上田座長 活用とターゲットの違いということでしょうか。
○横尾構成員 私は、これは文字が間違っているのではないかと思っていて、本来は、年金関連のサイトを活用している人と、従来のサイトをきちんと使えていない人がターゲットですよということが書きたかったのではないでしょうか。合っていますか。
○事業者 おっしゃるとおりです。
○横尾構成員 そうですよね。そうすると、この資料に日本語の間違いがすごく多いのだと思うのです。だから、「日本語を書く場所が間違ってしまったのかな」というところが結構たくさんあったのですけれども、それは書き間違いということですよね。言っていることがどういうことかなと思ったので。
次の8ページの「受け手の行動に合わせた」というのは、何が知りたいとか、どうなっているとか、この際、そういうことは関係なくて、例えばキラーコンテンツが10個ありますといったら、この10個にたどり着くためのものを設計するということになるかと思うので、これは次回を楽しみにしています。
次のところも同じなのですけれども、8ページと9ページは多分関連しているかと思うのですが、私がすごく混乱しているなと思ったのは、知りたいということと具体的に手続でやりたいことがあるというのは別のことなのですよね。
なので、例えば8ページで「私の年金ってどうなっている?」とか「年金制度ってどうなっている?」と書いてあるのですが、これは両方「知りたい」なのです。「知りたいという話」と「手続したいという話」は別の話で、なぜ別の「手続したい」がないのかなと。分けるとしたら、どちらかというと「手続したい」と「知りたい」ですよ。やりたいことがあると。
もう少し言うと「具体的にやりたいことがある」ですよね。それは手続なのか、情報を検索してこれを学校の資料で使うぞなのか、具体的にこれだと決まっている人と、ふわっと来てしまった人ということだと思うのです。ただ、分け方をその2つにした上での話なのかなと思いました。でも、それもキラーコンテンツによって変わってくるのかとは思いますが、それはちょっと感じました。
最後に、長くなってしまって恐縮なのですけれども、私の専門なので、この「ベーシック・ユニバーサルデザイン」というのが非常に気になって、一体ユニバーサルデザインをどのようにお考えなのかなと。ユニバーサルデザインについて詳しい方は、今回の制作者の中にいるのでしょうか。
○事業者 専門家という形で特に立てているわけではございませんけれども、それを思いはかってつくっていくという形で考えています。
○横尾構成員 具体的に思いはかる内容は何なのでしょうか。
○事業者 それは可読性であったり、読みやすさという部分もありますし、使いやすさ、ラベルの適格化ですとか、使っていただいて、ユーザーエクスペリエンスなんて言いますけれども、たどり着けなかったとか、そういったことがないことを目指しています。
○横尾構成員 目的とされていることはわかったのですけれども、ユニバーサルデザインというのは誰もが使えるということを指すのです。もちろん100%は無理でも、できる限り多くの人が使えるということであって、ふわっとしたイメージを指しているわけではないのです。
例えば、障害者年金をとりにくる人もいるわけですよね。そうしたときに、目が見えないというときに、ちゃんと読み上げソフトに対応しているとか、色覚に異常がある人というのも男性の5人に1人いるわけですけれども、その人たちが読んでわかるようになるとか、そのようなことを指しているわけなのです。
なので、ふわっと、ラベリングとか、そういうことでどうこうなる部分ではないところもあるので、コンセプトとして入れるのは、これは公共のものであって、特に高齢者だったり、そういう人がやるわけですから、当然、それは必要な要素だとは思うのです。
ただ、書いてあるのにタイトルと中身が全然合っていない。現実だと、ユニバーサルデザインをイメージしたという感じですよね。使いやすさの演出をしてしまうし、使いやすくするのではなくてという。その辺は大事なところだと思うのです。
というのは、私は公的年金で一番重要なのは「信頼」だと思っているのです。自分も取りはぐれないで、自分のこともちゃんと中に入れてくれる、絶対に使えるという信頼だと思うのです。
そうしたときに、そういうものが全くケアされていなくて、見ることもできない、確認もできないという状態では、本当にちゃんと自分も対象としてくれるのかという不安があると思うのです。なので、きちんとそこのところは、これだけに特化すれば難しいことではないと思うので、今からでもいろいろ入れていただけるといいのではないかなと思いました。
以上です。
○上田座長 では、富永さん、どうぞ。
○富永構成員 今の整理でいくと、キラーコンテンツ、国民の関心事に対応する答えというのは、もう既に既存のサイトなりなんなりの中にあって、このサイトの役割は国民の関心とコンテンツを結びつけるということになるではないですか。
それで結構大事になってくることが、もう既に国民の関心事項が網羅的にわかっていて、かつ、それに対する答えがあるというまあまあ大きな前提が出てくると思うのです。そこが大丈夫なのかというのがあって、もしそうでないまま作業を進めると、抜け漏れがあるサイトになってしまうから、それが心配になったので、具体的な解があるわけではないのですけれども、一応、申し上げました。
○上田座長 では、いろいろ御指摘いただきました点は、3月上旬にもう一度議論をする機会がございますので、そのときまでにいろいろご検討いただいて、対応をお願いできればなと思います。
野口さん、どうぞ。
○野口代理人 既にいろいろ御意見をいただいているところでございますが、ターゲットということでございますが、私どもにとっては、先ほど信頼というお話がございましたけれども、国民年金の納付率が一つのバロメータということでございます。
これをさらに上げていきたいと思っておりまして、そういたしますと、現状でいきますと、無関心の方々、あるいはさらに言えば、やや冷やかに見ていらっしゃる方も含めて、ぜひ御関心を持っていただいて、参加いただけないかという強い願いを持っております。
したがいまして、もちろん御自分でアクセスするという意味ではターゲットではないのかもしれませんけれども、このポータルサイトの使い方として、お示しをして御説明する場面もあるかと思いますので、当然考えていらっしゃると思うのですが、中身として無関心の方々も関心を持つような工夫とか、その辺はまた御配慮いただければということを、希望申し上げたいと思っております。
それから、いわば目次機能的なものがあると理解しているのでございますが、そこから私ども年金機構のサイトを見た場合に、制作者側から見て、どうも年金機構のサイトのほうで、ここは改善したほうがいいのではないかとか、お気づきになる点もあろうかと思うのです。
先ほどキラーコンテンツというお話がありましたが、私どももキラーコンテンツ自体はやはり見直しも必要だと思っておりますので、もしその辺の改善等の御要望、御意見があれば、ぜひ言っていただければありがたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
○上田座長 吉野さん、どうぞ。
○吉野構成員 4ページ目のスライドにあったのですが、このポータルをごらんになる方々がどういう関心でここに来られるかということなのですけれども、「ユーザーの行動」にありますように、老後の資産形成への関心であるとか、ライフステージの変化とか、こういったことをきっかけにここに来られるのであれば、ポータルなので、自分の資産形成はこれで足りているのか、どんなイベントがあるのかなど、もう少し幅を広げてもよいのではないか。
それから、答えのほうも公的年金だけではなくて、NISAであったりとか、退職金であったりとか、純粋な貯蓄とかもあるわけですね。もちろん厚生労働省のサイトであり、年金局のサイトであるので、責任を持って書けるところは少ないかもしれませんけれども、ポータルということであれば、そちらのほうにも少しウイングを広げるような形の中身があってもよいのではないかなと思いましたので、そこだけ申し上げたいと思います。
○上田座長 お時間も大分迫ってまいりましたが、まだ御意見のある方はいらっしゃいますか。よろしいですか。
どうぞ。
○大鶴構成員 よくわからなかった点は次回に教えていただければと思うのですけれども、基本的には、ここに最初にアクセスして、私たちのサイトに来るみたいな流れをイメージしているということですよね。
そのときに、ここにアクセスしようとする人がそれなりの人数が出てこないと、検索に出てこないということであれば、魅力的なものでなければいけなくて、そうすると、新鮮な情報があるとか、先ほどのみんながすぐ見たくなるような情報があるから見に行くということになるが、そういうコンテンツの更新などはどう考えられているのかということ。
また、私たちもそこを引くときに何かで紹介するときに、どういう言い方でそこを使うことがいいのかということも、教えていただければと思います。
○上田座長 この辺は、もちろんポータルとコンテンツを結ぶときに、意思の疎通を図って一緒につくっていかないといけない部分はあると思いますので、それはまた作成の途中でいろいろ御意見を反映させていただければなと思います。
では、私も最後に一言だけ。
やはりポータルで入り口ですので、私の拙い経験で言いましても、まず入ってきたときに途中で逃げてしまわないように、出ていってしまわないように、ちゃんとしっかりつかまえて最後までちゃんと導いてあげると、たどり着かせてあげると。これが非常に大事だと思っています。
そのためには、もちろん皆さんからご指摘いただいたとおり、非常にわかりやすいとか、イラストを多用するとか、という観点は大切だと思います。また、私の経験でいくと、字を余り多用すると途中で読まなくなってしまうとか、そういうこともございます。あと、9ページにあるようないろいろな切り口、この辺はできるだけ多層的・多重的・多面的にいろいろな切り口を御用意いただければ、何とかたどり着くきっかけをつくれるのではないかなと感じております。きょう皆様からいただいた貴重な御意見をぜひ反映して、次回、また貴重な御提案をしていただきたいと思います。
○横尾構成員 済みません。最後に一言だけ。
○上田座長 では、お時間が短いので、簡潔にどうぞ。
○横尾構成員 私たちは実利用者の調査をしておりますけれども、ある時、色々なデザインの地図を並べて「どれがわかりやすいですか?」と聞いたときに「これがわかりやすい!」と一番に選ばれた地図で、一番、人が迷ったということがありました。つまり、地図の目的というのは目的地に行くことなのです。「わかりやすいとイメージで感じるもの」と、「本当にわかりやすいもの」というのは違うので、わかりやすい印象を与えることではなくて、本当にわかるものをぜひ目指していただきたいなと思っています。
厳し目で済みません。ありがとうございました。期待しています。
○上田座長 地図に例えるというのは非常にいい御意見ですよね。ありがとうございました。
それでは、事務局のほうから御連絡がありましたら、よろしくお願いいたします。
○総務課長 本日は、熱心な御審議をいただきまして、ありがとうございました。
この年金ポータルにつきましては、今年度の事業ということで、時間的に切迫しています。そういう中で、今いただいた御意見を踏まえて進めていきたいので、今後、メールなどで御相談させていただくことがあるかもしれませんが、その際はよろしくお願いいたします。
本日は本当にありがとうございました。
○上田座長 それでは、時間になりましたので、本日の議事は終了いたしました。
皆様、御多忙の折、お集まりいただいて、まことにありがとうございました。