第26回社会保障審議会

資金運用部会

年金局

日時

令和7年1月27日 (月)

14:30~16:00

場所

全国都市会館 第2会議室(3階)

出席者

現地出席

神作部会長   大野部会長代理

大森委員   佐藤委員   佐保委員   玉木委員   德島委員

オンライン出席

五十嵐委員   井上委員   岡野委員   福田委員

議題

(1)GPIFの次期中期目標案について

(2)GPIFの次期中期計画案(骨子)について

議事

以下のPDFのとおり

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社会保障審議会資金運用部会(第26回)

日時:令和7年1月27日(月)

14:30~16:00

場所:全国都市会館 第2会議室

西平資金運用課長

 それでは定刻になりましたので、ただいまより第26回「社会保障審議会資金運用部会」を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、お忙しいところ御出席をいただきましてありがとうご

ざいます。

 それでは、審議に入ります前に、審議会のペーパーレス化についての説明と、お配りしました資料の確認をさせていただきます。

厚生労働省におきましては審議会等のペーパーレス化を推進しており、本日の部会におきましてもペーパーレスで実施をいたします。傍聴される方々には、あらかじめ厚生労働省ホームページでお知らせしておりますとおり、御自身のタブレット等の携帯端末を使用していただきまして、厚生労働省ホームページから資料をダウンロードして御覧いただくこととしてございます。

 委員の皆様方の机の上には、本日の資料を格納いたしましたタブレットを用意しております。操作方法等、御不明な点がございましたら事務局職員までお問合せください。続きまして、委員の出欠状況について御報告申し上げます。本日は金井委員、原委員、山口委員から御欠席の連絡をいただいてございます。

 また、所用のため、五十嵐委員におかれましては会議中、離席される時間帯がある旨、伺ってございます

 御出席いただいております委員の方々が定足数の3分の1を超えておりますので、本日の会議は成立しておりますことを御報告申し上げます。

 本日は、五十嵐委員、井上委員、岡野委員、福田委員にはオンラインにて御参加をいただいてございます。オンラインにて御参加いただいております委員の方々におかれましては、会議中、御発言される際は「手を挙げる」ボタンをクリックし、部会長の御指名を受けてからマイクのミュートを解除して御発言をしていただきますようお願いいたします。また、 御発言終了後は、再度マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。

 なお、本日の事務局ですが、武藤審議官と小野総務課長は遅れての参加となりますことを併せて御承知おきいただければと思います。

 これからの議事運営につきましては神作部会長にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

神作部会長

 委員の皆様におかれましては、大変お忙しいところ御出席いただきましてありがとうございます。

 それでは、恐縮ですが、カメラにつきましてはここまでとさせていただきます。

ただいまから議事に入らせていただきます。本日の議題は「GPIFの次期中期目標案について」と「GPIFの次期中期計画案(骨子)について」の2点とさせていただきます。

 初めに、議題1の「GPIFの次期中期目標案について」、まず事務局から御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

西平資金運用課長

 そうしましたら、「GPIFの次期中期目標案について」の御説明を申し上げます。

 参考資料にも添付をさせていただいておりますけれども、昨年12月24日に取りまとめていただきました本部会における議論の整理や、総務省から示されております独立行政法人の目標の策定に関する指針などを踏まえまして、資料2にありますとおりGPIFの次期中期目標の具体的な案を作成いたしました。目標案の内容につきましてこれから説明をさせていただきますけれども、説明自体は資料1の「GPIFの第5期中期目標案の概要」の資料に沿いまして御説明をさせていただきたいと思います。

 資料をおめくりいただきまして、2ページ目でございます。

こちらが、中期目標案の構成ということでございます。基本的に現行の中期目標とほぼ同様の構成とさせていただいておりますが、これまでの御議論を踏まえまして何点か変更がございます。

 具体的に申し上げますと右側のところでございますが、7.スチュワードシップ責任などの記載のうち(3)の部分に「インパクトを考慮した投資」、こちらを新たに追加してございます。

 また、その下の8.の人材の確保・育成・定着等、その下の業務のデジタル化の推進等、これらの項目については現在の中期目標におきましては第6の「その他業務運営に関する重要事項」という中で記載しておりました内容を独立して評価ができますよう、上のほうに繰り上げまして8と9としてそれぞれ記載をしてございます。

 おめくりいただきまして、3ページ目でございます。

 こちらからが、中期目標の具体的な中身になってまいります。

 まず冒頭、第1の部分でございますけれども、「政策体系における法人の位置付け及び役割(ミッション)」の記載でございます。こちらの資料全体を通じまして赤字の部分が現行の中期目標からの改正部分ということで、そちらを中心に説明をさせていただきます。

 法人の位置付け及び役割という点に関しましては、今回の中期目標期間の終了または新しい中期目標期間の開始に伴いまして特段の変更はございません。したがいまして、大きな変更、赤字の部分はございませんで、これまでどおり厚生年金保険事業、国民年金事業の運営の安定のために厚生労働大臣から寄託された積立金の管理及び運用、または収益の国庫納付を行うというのがGPIFの役割でございます。

 赤字の部分は基本的に時点修正でございまして、直近の運用資産額といたしまして昨年3月末時点で246兆円、こちらは5年前の現行の中期目標の開始時点では約160兆というところでしたのが、運用収益の獲得によりまして246兆円ということになってございます。また、下のところの実質的な運用利回りにつきまして、法人設立の平成18年度からの累積で4.55%となってございます。こちらも前回、5年前の現行中期目標策定の際は3.10%であったところが時点修正ということでこのような数字になってございます。

 おめくりいただきまして、4ページ目でございます。

 こちらからがいよいよ中期目標の中身になってまいるわけでございますけれども、まず1のところは管理及び運用の基本的な方針ということで、制度的な枠組みについて記載をさせていただいている部分でございます。そのため、中期目標が改まるということに伴いまして大きな変更はないということで赤字の部分がないわけでございますので、簡単に内容だけ御紹介をさせていただきます。

 中ほどの①のところでございますが、こちらは積立金の運用は専ら被保険者の利益のために行うということで他事考慮はできない仕組みということとなってございます。

 また、委託運用におきましては投資判断の全部を一任する投資一任契約の締結により行うということとなってございますので、委託運用でしか運用ができない株式運用に当たりましてはGPIFが個別銘柄の選択や指示をすることはできない仕組みとなってございます。また、市場その他の民間活動に与える影響に留意しながらの運用ということが書かれてございます。

 その上で、このGPIFにおきます運用につきましては市場の一時的な変動に過度にとらわれることなく長期保有、また分散投資によりまして長期的かつ安定的に経済全体の成長の果実を獲得していくということとされてございます。

 おめくりいただきまして、5ページ目でございます。

 引き続きまして、その積立金の管理運用に関して遵守すべき事項といたしまして「①受託者責任の徹底」ということで、注意義務や忠実義務の遵守というものを記載してございますし、市場、民間活動への影響に対する考慮ということで市場の価格形成ですとか民間の投資行動を歪めないように、また、自ら過大なマーケットインパクトを受けることがないように十分留意すること、議決権の行使につきまして適切な対応を行うということを記載してございます。

 さらに他の管理運用主体、こちらは同じく厚生年金の管理運用を行っている主体であります国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会、日本私立学校振興・共済事業団、これらの管理運用主体との連携というものを記載してございます。

 2の部分でございます。「国民から信頼され、法人としての使命を着実に果たすための健全な組織運営」ということで、ガバナンス改革に伴いまして導入されました経営委員会、監査委員会、執行部、これらが適切に役割分担、連携を図りながら自律的なPDCAサイクルを機能させるということをもって、国民からの信頼に応えて健全な組織運営を確保することとさせていただいてございます。

 おめくりいただきまして、6ページ目でございます。

 新しい項目といたしまして、「基本的な運用手法及び運用目標」ということでございます。

 (1)の運用目標の中でも「長期的な観点からの資産構成割合に基づく運用」の部分につきまして、まず運用目標の1つ目といたしまして財政検証の結果並びにGPIFに合理的に期待できる運用利回りの水準を踏まえまして、長期的な運用目標といたしまして実質的な運用利回り、こちらは年金積立金の運用利回りから名目賃金上昇率を差し引いたものでございますが、1.9%というものを最低限のリスクで確保することを目標として、それを達成するために基本ポートフォリオを定めて、これに基づき管理を行うこととさせていただいてございます。

 こちらで赤字になっておりますのは、年末までの御議論を踏まえまして現行の中期目標までは財政検証の結果を踏まえた目標を設定していたところでございますが、それに加えましてGPIFに対して合理的に期待できる運用利回りの水準も考慮に入れた上で、今回の中期目標におきましては1.9%という実質的な運用利回りを最低限のリスクで確保することを目標として定めたいというところでございます。

 こちらは運用目標を設定しているということでございますので、重要度は高いという項目として設定したいと考えてございます。

続きまして、もう一つの運用目標といたしまして「ベンチマーク収益率(市場平均収益率)の確保」についての記載でございます。こちらは中期目標期間5年間でございますけれども、この5年間におきましてまず資産全体の複合ベンチマーク収益率の確保というものを目標として定めたいということでございます。

 赤字になっておりますのは、現在の中期目標におきましては資産全体の複合ベンチマーク収益率に加えまして、資産ごとのベンチマーク収益率の確保も目標として設定していたところでございますが、優先順位が必ずしも明らかではないという問題意識から資産全体の複合ベンチマーク収益率を目標として設定するということでございます。

 一方で、各年度におきます努力目標といたしましては、資産全体の複合ベンチマーク収益率に加えまして、現行と同じではございますけれども、各資産のベンチマーク収益率の確保も努力目標として設定するという内容でございます。

 このベンチマークにつきましては、適切な市場指標を用いることということを記載するとともに、運用実績の検証に当たりましてはできる限り投資行動に沿った要因分解を行うよう努めてほしいということとさせていただいてございます。こちらも同様に運用目標の設定という項目でございますので、 重要度は高いという項目として設定をしてございます。

おめくりいただきまして、7ページ目でございます。

 続きまして(3)モデルポートフォリオの部分でございます。こちらは制度上、同じく厚生年金の管理運用主体でございます他の管理運用主体と共同して各管理運用主体が基本ポートフォリオを策定するに当たりまして参酌すべきもの、モデルポートフォリオというものを定めることとなってございまして、それについての記載ということでございます。

 そのようなモデルポートフォリオを定めること、または想定していた運用環境が現実から乖離していないかどうかなど、必要に応じて検証を行って、必要な場合は変更を行うことというのが(3)の内容でございます。

 (4)につきましては、そのモデルポートフォリオを踏まえた上でGPIFにおきましては経営委員会におきまして専門的な知見、内外の経済動向、フォワードルッキングなリスク分析を踏まえて長期的な観点から基本ポートフォリオを策定するということと、その策定に当たりましては下振れリスクにつきまして全額国内債券運用の場合の下振れリスクを超えないことの確認でございますとか、あるいは予定積立金額を下回る可能性の大きさの評価のためにリスクシナリオ等によります分析、そういったものをしっかりやるようにという記載でございます。

 さらに、基本ポートフォリオに関しましても策定時に想定していた運用環境が現実から乖離していないかどうか、こういったことについて毎年度の検証を行っていただき、必要な場合には見直しを行うというようなことを記載させていただいてございます。

 (5)のところでございます。GPIFの運用は公的年金制度の一翼を担っておるということでございますので、年金給付に必要な流動性の確保についても御協力いただきたいということで、必要に応じて短期借入も活用できるようにということを記載させてございます。

 続きまして8ページ目でございますが、「運用の多様化・高度化」というところでございます。

 運用に当たりましてはパッシブ運用とアクティブ運用の併用、また、アクティブ運用を行う場合につきましては超過収益の獲得につきまして十分な根拠を得た上で行うことと、現在と同じくさせていただいてございます。

 そのベンチマークにつきましては、運用収益向上の観点から検討するということと、オルタナティブ資産につきましてはそのようなベンチマークはないものですから、専門的な知見に基づいた評価方法を明らかにしていただきたいということでございます。

 新しい運用手法、運用対象の導入に当たりましては、経営委員会におきまして専門的な知見に基づいて幅広に検討を行っていただくとともに、その適切な監督の下でリスク管理を行いつつしっかりやっていただきたいという内容でございます。

 また、既に実施していただいておりますオルタナティブ投資に関しましては、その位置づけをポートフォリオ全体の運用の効率性を向上しつつ、超過収益を獲得するという位置づけを明確に記載するとともに、引き続き体制整備、リスク管理などをしっかり行っていただきながら着実に取組を進めることという目標とさせていただいてございます。

 5の部分でございますが、「運用受託機関等の選定、評価及び管理」ということでございます。GPIFの運用の多くは委託運用で行っておるということでございますので、運用受託機関の選定等につきまして定期的な評価など、しっかりと対応を取っていただきたいということでございます。

 その運用受託機関の選定等に当たりましては、過去の運用実績等だけではなくて、総合的な評価を行っていただいて選定いただきたいということを明記させていただいてございます。こちらも主要な役割を果たすという項目でございますので、重要度は高いという項目とさせていただいてございます。

 おめくりいただきまして9ページ目、「リスク管理」の部分でございます。リスク管理につきましては分散投資による運用管理を行っておりますけれども、リスク管理の面からいいますと資産全体、各資産、各運用受託機関、各資産管理機関、様々なレ

ベルで各種のリスク管理を行っていただきたいということでございます。

 1つ飛ばしまして、リスク管理の体制のところでございますけれども、運用リスク管理の高度化そのものを図るとともにリスク管理体制の一層の強化というものに取り組んでいただきたいということでございます。その際、国内の日中取引時間以外のリスク管理体制についての検討もお願いしたいということを記載させていただいてございます。

 また、このリスク管理につきましては経営委員会によります適切なモニタリングの下、進めていただきたいということでございます。

 また、このリスク管理におけますリスクというのは、一番念頭にあるのは金融リスクではございますけれども、地政学上のリスク、気候変動によるリスク、こういったものが金融市場に与える影響というものも実際に生じてございますので、その影響についても適切に考慮していただきたいということでございます。こちらの項目につきましても、重要度が高いという項目での設定とさせていただいております。

 おめくりいただきまして10ページ目でございますが、スチュワードシップ責任、ESG等の非財務的要素を考慮した投資の部分でございます。

 まず「スチュワードシップ責任を果たすための活動」ということでございますが、こちらにつきましてはスチュワードシップ責任を果たすための活動を引き続き一層推進していただきたいということとさせていただいてございます。

 スチュワードシップ責任の2つ目の○のところでございますが、赤字で「運用戦略に応じたサステナビリティの考慮」というものが加わってございますが、現行の日本版スチュワードシップ・コードにおきましてこのような内容になっておりますことから、その記載を反映させていただいたものということでございます。

 そして、3つ目の○でございますけれども、昨年夏にアセットオーナー・プリンシプルというものが策定され、 GPIFにおきましてもその受入れというものを表明してございます。その内容を踏まえまして、様々な主体とも継続的な対話の実施など、スチュワードシップ活動を深化させるための取組を推進していただきたいという内容でございます。

 (2)が「ESGを考慮した投資」ということでございまして、こちらも非財務的要素であるESGを考慮した投資の推進ということとさせていただいてございます。

 その上で、現在GPIFにおきましては「サステナビリティを考慮した投資に関する基本的な方針」ということで「サステナビリティ投資方針」というものの策定について検討しているというふうに伺ってございます。そのような方針をしっかり策定していただくとともに、これまでESGを考慮した投資については一定程度の蓄積がございますので、今後も引き続き取り組んでいただくに当たりましてPDCAサイクルを適切に回す観点から継続的な検証、また、その検証結果についても検討した上での取組の推進、そのようなことを記載させていただいてございます。

 (3)が新規の記載ということで、「インパクトを考慮した投資」というところでございます。あくまでも被保険者の利益のための長期的な収益確保を図る観点からでございますけれども、ESGの考慮と同様に類似点や相違点もございますけれども、そういった点に留意しながら投資先企業の持続的な成長可能性を評価する際の非財務的要素の一つといたしまして、投資先企業の事業内容がもたらす社会・環境的効果を考慮して投資を行うことについて検討して必要な取組を行うということを書かせていただいてございます。

 その際、年末までの議論でも何度も御指摘をいただきましたけれども、あくまでもGPIFは被保険者の利益のための運用ということでございますので、被保険者の利益のための長期的な収益確保を図る目的で行われるものであるという冒頭に書かせていただいております基本的な方針に留意しながら、先ほどESGの部分で申し上げましたサステナビリティ投資方針に沿いまして取組を進めていただきたいということでございます。

 また、こちらは新たな取組ということでございますので、そのような基本的な考え方に則って行われているかどうかについての継続的な検証というものも記載させていただいてございます。

 おめくりいただきまして、11ページ目でございます。

 こちらは、その他の部分から上の部分に項目を移動してまいりました人材の確保・育成・定着等の部分でございます。記載されておる内容も、年末までの御議論を踏まえて現行の中期目標よりも内容が手厚くなっておるというところでございます。

まず長期的・安定的な業務運営を確保するために必要な人材の確保・育成・定着を図ることが必要であるということで、取組を幾つか御示唆いただいたところでございますが、まず報酬水準・体系についての適時適切な見直し、キャリアパスの整備、環境整備ということ、または法人の業務を通じて得られる経験などの効果的な発信というものに効果があるのではないかというような御意見を頂戴いたしました。

 また、研修の実施などによります役職員の能力の向上、従業員エンゲージメントの向上というものを目指してほしいということ、それから勤務環境整備の推進、特に女性の活躍推進のための取組の一層の強化ということもいただきました。

その上で、このような様々な取組を進めるに当たりましては、組織として戦略的に人材の確保・育成・定着を進めるための機能強化を図ることが必要であろうということもいただきました。そのようなことを記載させていただいてございます。

 続きまして、9の「業務のデジタル化の推進等」というところでございます。GPIFにおきましては投資判断プラットフォームということで、日々の取引データを活用してさらなる運用の多様化、高度化、運用リスク管理の高度化といったものを進めていくという方針で業務を進めているところでございますので、データサイエンスの活用、または業務の効率化といった観点から、ITの専門人材の確保・育成などを含め、情報システムの整備などなど、業務のデジタル化を一層推進するということを目標として書かせていただいてございます。

 その際、人材確保と同様に、組織として戦略的にこの業務のデジタル化の推進のための機能の強化を図っていただきたいという内容とさせていただいてございます。

「情報セキュリティ対策」につきましては、引き続き厳格に実施していただきたいという記載とさせていただいてございます。

 続きまして12ページ目でございますが、「情報発信・広報及び透明性の確保」というところでございます。

 GPIFにおきましては、これまでも戦略的に国民の皆様、または専門家の皆様方、それぞれのレベルに応じて分かりやすく、様々なチャネルを通じて広報などを実施していただいているところでございまして、毎年度その評価や効果の把握・分析というものを業務実績評価の中で御紹介をさせていただいているところでございます。

 そのようなことから、基本的に中期目標の記載内容について変更はございませんが、中でも情報発信の中で何点か具体的にこの部分についてしっかりやるようにということで記載されておりますのが、スチュワードシップ、ESG、オルタナティブ投資というところでございました。それらに加えまして先ほど申し上げましたとおり、インパクトを考慮した投資というものを新たにお願いするということでございますので、こちらにつきましての分

かりやすい情報発信というものを明記させていただいてございます。こちらにつきましても、重要度は高いという項目として設定をさせていただいてございます。

 おめくりいただきまして、13ページ目でございます。

 「業務運営の効率化に関する事項」「財務内容の改善に関する事項」というところでございます。

 まず「効率的な業務運営体制の確立」というところで、効率的な業務運営体制、経費節減などについて取り組むことというのが従来の記載でございますが、先ほどもありましたけれども人材確保というのが大きな課題になってございますので、赤字の部分でございますが、「管理及び運用を安定的に行うための業務運営体制を適切に確保する観点にも留意しつつ」といった記載を書かせていただいてございます。

 また、2の経費節減のところでございますが、現在GPIFにおきまして5年間の中期計画予算というものについて、策定の作業を進めていただいてございます。現在の中期目標におきましては、数字的には赤字で1.33%と書いておりますところが現在の中期目標では1.24%以上ということになってございます。こちらは現在検討しています予算案をベースに、前回と同じように計算すると1.33%に今回はなるということでございまして、引き続き予算の精査を進めながら調整していきたいということで考えてございます。そのほか、経費全般についてのPDCAサイクルの取組の強化でございますとか、必要な人員体制の確保といったものが記載されてございます。

 最後の○の給与の適正化のところでございますが、こちらにつきましても人材確保というところが大きな課題となっている中で「必要な人材の確保等を図る観点にも留意しつつ」ということを新たに書かせていただいてございます。

 おめくりいただきまして、14ページ目で「調査研究」ということでございます。

GPIFにおきましては各種の調査研究を実施していただいておりますが、それらはあくまでも「専ら被保険者の利益のため」という積立金の運用の目的に即したもので行っていただきたいということでございますし、法人内部での調査研究が拡充できるような体制の整備でございますとか、適切な研究テーマの設定などなど、現在の中期目標と同じ書き方とさせていただいてございますし、調査研究に当たりましての情報管理についても現在と同じ記載とさせていただいてございます。

 おめくりいただきまして、15ページ目でございます。

「内部統制の一層の強化に向けた体制強化」というところでございます。引き続き内部統制をしっかりやっていただきたいということが1つ目の○でございますし、2つ目の○につきましては夏の資金運用部会の監査報告での御指摘もございましたので、「国民の一層の信頼を確保する観点から、業務執行能力の向上を図りつつ、業務執行の透明性・公正性の確保に一層取り組む」ということを明記させていただいておりますし、内部統制に加えまして「コンプライアンスの一層の充実・強化」ということを書かせていただいてございます。

 そのほか、3の部分は「監査委員会の機能強化によるガバナンス強化」ということで、引き続き監査委員会の職務の執行のために必要な体制の整備といった内容について記載をさせていただいてございます。

 駆け足の説明になりましたけれども、事務局からの説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

神作部会長

 御説明どうもありがとうございました。

 それでは、ただいま御説明をいただきましたGPIFの次期中期目標案につきまして委員の皆様から御質問や御意見がございましたらお願いしたいと思います。

 会場にお越しの委員が御発言を希望される場合には、恐れ入りますが挙手の代わりにお手元のネームプレートを立てていただき、質疑が終了しましたら元に戻していただきますようお願いいたします。

 また、オンラインにて御参加されておられる委員の皆様におかれましては、会議中に御発言を希望される際は「手を挙げる」ボタンをクリックし、恐縮でございますけれども、私からの御指名を受けてからマイクのミュートを解除し、御発言をお願いいたします。御発言終了後は、再度マイクをミュートにしてくださいますようお願いいたします。それでは、どなたからでも結構です。御発言希望の方、お知らせ下さい。

では、まず德島委員、お願いいたします。その後、佐保委員よろしくお願いします。

德島委員

 御説明ありがとうございました。

 これまでの議論を的確にまとめていただいておりますが、3点ほど御質問とコメントをさせていただけたらと思います。資料1のスライドの番号に沿ってお話を申し上げたいと思います。

 最初に、まずスライドで6番のところです。目標の設定に関しては、的確だと思っていますが、3の「(2)ベンチマーク収益率」の後ろに括弧書きで「(市場平均収益率)」という前回の中期計画にないものを加えていらっしゃる。今のままでも確かに実質的に市場平均収益率になると認識していますが、従来は後ろの説明文にあるのに対して、項目の見出しに挙げることでステータスが1つ上がっているように見えてしまいます。その趣旨がどのようなものか確認させていただけたらと思います。

 続きまして、スライド8番のところです。下の5番の「運用受託機関等の選定、評価及び管理」の赤字で今回修正されているところでございますが、「過去の運用実績等だけでなく、投資対象の選定の考え方」等々という箇所で、今回のアセットオーナー・プリンシプルとか、資産運用立国実現プランの趣旨を踏まえてこのような表記をされていらっしゃると思いますが、「過去の運用実績等だけでなく」という限定して否定するという表現だと、結果的に何を排除しているのかというのが見えなくなっていると思います。日本語的に言えば、もう少し例示する必要があり、「等だけでなく」という表現は不適切ではないかと考えます。

 それから、3点目ですが、スライドの11番、上段の「8.法人の業務運営を支える人材の確保・育成・定着等」でございますが、今般ここまでの議論を考えますと、この8番に関しては重要度を高いとすべきではないかと考えます。

以上でございます。

神作部会長

 御意見どうもありがとうございます。

 御質問もあったかと思いますので、事務局からご回答をお願いいたします。

西平資金運用課長

 ありがとうございます。

 まずスライドの6ページ目の3の(2)のところの「ベンチマーク収益率」の後に括弧で「(市場平均収益率)の確保」と書かせていただいている趣旨でございますけれども、こちらは市場平均収益率の確保というほうが分かりやすいのかなと思いつつ、後ろのほうに実際の中身に書いておりますのは複合ベンチマーク収益率などという言葉になってございまして、基本的に同じではございますけれども、よりメッセージ性が分かりやすいようにするために市場平均収益率、市場並みの収益率は確保してほしいということが明確に分かるように(2)のタイトルのところで括弧書きで「(市場平均収益率)」というものを書かせていただいたということでございます。

 2点目でございますけれども、スライドの8ページ目の「運用受託機関等の選定、評価及び管理」で「過去の運用実績等だけでなく」というところの「等」がもう少し何か書けないかというような御指摘でございました。ここで我々がメッセージとして伝えたいと思ったものが、より総合的に評価していただいて、もし能力なりをしっかりと評価できるのであれば過去の運用実績、例えば業歴でございますとか、そういったものにとらわれることなく、例えば運用機関からスピンアウトして新しく立ち上げた運用機関がただ単に業歴が短いということだけで選定外になってしまうのはおかしいのではないかということです。

 ただ、一方で、その際、本当にその会社に能力があるかどうかというのは積立金の運用をお願いするに当たりましてしっかりと確認はしていただかなければならないだろうというような中で、そういったメッセージを届けたいということを考えさせていただいて、「過去の運用実績等」というような書き方とさせていただいてございます。

 日本語としてもう少し何か工夫できるのではないかというような御指摘として受け止めさせていただいて、もう少し分かりやすい書き方ができれば次回までにちょっと工夫をさせていただきたいと考えてございます。

 それから、今回新たに第3の中で記載することとさせていただきました人材の確保・育成・定着等の部分を重要度が高いという項目としてはどうかということでございます。その点につきましては、こちらとしても考えさせていただいたところではございますが、何分初めてこちらの個別の評価項目として位置づけようというところでございまして、もしこの確保・育成・定着等というものを評価するに当たりましてどのように評価をするのかということにつきまして、正直まだ手探りのところもございまして、現時点では重要度が高いという項目でいきなり位置づけるのはちょっと難しいのではなかろうかという考え方から、8につきまして重要度は高いという項目にはさせていただいてございません。

 ただ、先ほど御説明をさせていただきましたとおり、これまでのGPIFの業務運営評価に

おきましてこちらの項目は「その他」の中に入っておりましたものですから、そのほかの項目と合わせて評価をせざるを得なかったところ、これからは8の人材の確保・育成・定着等の項目について特化した形での評価というのは可能になりますので、その中で評価を重ねさせていただいた上で、もしそれでも何がしか、もう少しこちらの項目はまだまだ取組が足りないというような事情が確認されれば、中期目標の変更なり次期中期目標から重要度を付すというようなことができるのではないかと考えているところでございます。お答えとしては、取りあえず以上でございます。

神作部会長

 德島委員、どうぞ。

德島委員

 御説明ありがとうございました。

 最初のベンチマーク収益率の括弧書きですけれども、お気持ちはよく分かりますが、将来的にベンチマークが市場平均でなくなる可能性も十分あるので、ここに市場平均収益率を追加するのは避けたほうがいいと考えます。

 以上です。

神作部会長

 どうもありがとうございます。

 それでは、続きまして佐藤委員、御発言ください。

 失礼しました。佐保委員、御発言ください。

佐保委員

 ありがとうございます。

 最初は、7ページの(4)の「基本ポートフォリオの策定及び見直し」についてです。

現行の中期目標から「基本ポートフォリオの策定時に想定した運用環境が現実から乖離していないか等について毎年度検証」という一文が追加されております。現行の中期目標においても、必要があると認めるときは基本ポートフォリオの見直しの検討を行うこととされておりますが、基本ポートフォリオは短期的に繰り返し変更する性質のものでないと考えております。

 ここで、2点質問がございます。

 1点目は追記した一文の意図について、2点目は毎年度検証を行った結果としての必要性があると判断する場合はどのような状況を想定しているのか、御確認をさせてください。

 次に、15ページの「2.内部統制の一層の強化に向けた体制強化」において、「国民の一層の信頼を確保する観点から、業務執行能力の向上を図りつつ、業務執行の透明性・公正性の確保に一層取り組む」との記載が追加されております。

前回の部会でもお伝えしておりますが、国民の信頼と理解を高める観点からも業務執行の透明性・公正性の確保は必要不可欠であり、年金保険料の拠出者の立場からのチェックとともに、積立金の受益者である被保険者の立場からのチェックも行える体制の整備が必要と考えていることはお伝えをしておきたいと考えております。

 私からは、以上です。

神作部会長

 ありがとうございました。

 2点御質問があったかと思いますが、いかがでしょうか。事務局からお願いできればと思います。

西平資金運用課長

 ありがとうございます。

 1点目が7ページ目の(4)の「基本ポートフォリオの策定及び見直し」のところですが、毎年度検証という部分についての追記の趣旨ということでの御質問をいただきました。

 追記の意図といたしましては、これまでもGPIFにおきましてはその基本ポートフォリオの想定が現在も足元の運用状況に合致しているかどうかというものは定期的に検証をしてございました。それに関しまして、今回の年末までの御議論の中におきまして、資金運用部会の御議論の中におきまして毎年度の検証ということを書いてはどうかということがございましたので、このように書かせていただいた次第でございます。こちらは、頻繁に見直すために毎年度検証しろという趣旨ではございませんで、これまでもやっておりますことを明記させていただいたということでございますので、特に大きな変更があったという

趣旨ではございません。

 その上で、このような記載をしたことによってどのような状況になったら基本ポートフォリオを変更するのか、すなわち想定していた運用環境が現実から乖離しているかどうかという判断でございますけれども、そこは具体的に想定しているものがあるわけではございませんが、大きなイベントなどが起こって、株式の収益率が想定とは全然異なってきてしまった、あるいは相関関係、昨今でいいますと国内株式と外国株式の相関関係が非常に強くなっておりますけれども、それが全く変わってきてしまった、かつ、それが短期的なものではなくて長期的にそのような構造変化の一部として受け止められるのではないかというような十分な根拠が得られるようなことになれば、新しい根拠を踏まえた上での基本ポートフォリオの検討というものを行っていただかないと、与えております運用目標の達成が逆に困難になってしまう状況になろうかと思いますので、そのようなことが想定され

るのかなというふうに現時点では考えているところでございます。

 以上でございます。

神作部会長

 佐保委員、追加の御発言はございますか。よろしゅうございますか。

佐保委員

 ありがとうございました。

神作部会長

 ありがとうございます。

 それでは、続きまして佐藤委員から御発言をお願いいたします。

佐藤委員

 どうもありがとうございます。私も、取りまとめに感謝いたします。

その上でコメントですけれども、私も德島委員の指摘された3点目と全く同じことをお聞きしようと思ったのですが、御説明は理解いたしますが、11ページに書かれている第3の8の施策ですが、この実効性というのが非常に重要になるかと思いますので、たとえ中期目標に重要度が高いという記載がなくても優先順位は高めで取り組んでいただきたい。

 そして、評価ですけれども、これも前の委員会で申し上げておりますが、高い評価を得られるように頑張っていただきたいと思いますし、必要に応じて中期目標の修正というのも検討いただければと幸いです。

 以上です。

神作部会長

 御意見どうもありがとうございます。

 それでは、続きまして大森委員から御発言をお願いいたします。

大森委員

 中期目標案の御説明ありがとうございました。

 これまでの議論を踏まえまして、留意すべき多くの論点を体系的に分かりやすくまとめていらっしゃると思います。ですから、特に修正を求めるというものではありませんけれども、2点ほどコメント申し上げます。

 重要度について2ページに示されておりますけれども、GPIFが実際にできる行動に与える影響の軽重とは異なる部分もあるように思います。その1つに、3の(1)の「長期的

な観点からの資産構成割合に基づく運用」がありまして、これは重要なわけです。運用利回り1.9%を最低限のリスクで確保、これは結果として最重要であることは論を俟たないわけなのですけれども、ではどうするかということにはあまり結びつかないと思います。

 この目標が行動に与える影響としては、効率的な運用をしなさいということになろうかと思いますが、これは言ってみれば当然のことでして、ここは重要マークがつくわけなのですけれども、あまり行動には影響しない項目と言えるかと思います。

 一方で、GPIFがリターン達成のためにできる行動として重要なのは何かと見ますと、リスク管理や運用受託機関の選定が当たると思います。これはGPIFが実際に注力できて、結果にも影響する重要なものだと思います。

 さらに、さきほどの委員と同じ意見になるのですけれども、これらと並んで人材の確保・育成・定着等、これが実際にできて、そして成果に結びつく非常に重要なものと思います。

よって、ここでも重要マークをつけたいところなのですけれども、先ほど御説明いただいたように今回はそのほかからの格上げになっておりまして、その重要性は認識されている、

アピールされていると思いますので、特に重要マークがなくても次期に向けて重要との意識をもって取り組んでいただければと思います。

 それからもう一つ、経費の削減のところがありましたけれども、1.33%以上の効率化と数字で出されておりますが、新規追加や拡充は除くとなっておりますので、GPIFとしては縮こまることなく、新たな運用や運営の効率化など、新たな企画にどんどん取り組んでいってほしいと思います。

 コメントは以上になります。

神作部会長

 どうもコメントありがとうございました。

 それでは、続きましてオンラインで御参加いただいております岡野委員、井上委員、福田委員の順番で御発言をお願いいたします。

 まず岡野委員、御発言ください。

岡野委員

 ありがとうございます。

 私からも、12月24日に行われました資金運用部会で取りまとめられました議論の整理を土台に、次期の中期目標について御提案いただいたことに感謝申し上げたいと思います。私からは、資料10ページ目の下段にありますインパクトを考慮した投資について1点、再三になりますけれども、御留意いただきたいということでコメントさせていただきます。

 改めてとなりますが、12月の資金運用部会におきましてはインパクトを考慮した投資について、インパクトを通じた企業の成長可能性などを必ずしも十分に捉えられない中、最終的に被保険者の利益になるのか疑問であるとの懸念をお伝えするとともに、真に被保険者の利益になる観点での慎重な検討について要請をさせていただきました。

 今回御提案いただいた次期中期目標においては、インパクトを考慮した投資に対する議論の整理を踏まえまして、投資先企業の事業内容がもたらす社会・環境的効果、つまりインパクトを検討し、必要な取組を行うことと記載がされました。先ほどの説明の中におきましても、被保険者の利益のために長期的な収益確保を図る目的で行われるものであること及び継続的な検証の実施について触れていただきました。改めて再度述べる形となりますけれども、引き続き真に被保険者の利益になる観点での慎重な検討をお願いしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

 以上でございます。

神作部会長

 どうもありがとうございました。

 それでは、井上委員、御発言ください。

井上委員

 ありがとうございます。

 これまでの議論を反映した形になっていまして、方向性に賛同させていただきたいと思います。

 その上で、ざっと先ほど説明のあったところで私の気がついたことを評価する部分も含めてコメント申し上げたいと思います。

 ページを追っていきますけれども、8ページ目のオルタナティブ投資につきまして前回も少し議論がありましたが、これは運用の基本方針にありますとおり経済全体の成果を獲得するためにもこの部分というのは今後重要になってくる可能性が大きいので、ここにあるとおり着実に取組を進めることということでよろしいと思います。

 次に10ページ目でございますけれども、まずアセットオーナー・プリンシプルで継続的な対話を実施しましょうということでございまして、昨年9月に私ども経団連とGPIFのほうでアセットオーナー・ラウンドテーブルというものを開催させていただきました。今後、我々としてもこういった形で対話を続けていきたいと思いますので、ぜひ企業サイドとの対話も続けていただきたいと思います。

 その下、10ページ目のESG投資でございますけれども、これにつきましては残念ながらアメリカのほうでかなり方向性の違うようなパリ協定からの脱退でありますとか、DEIに対する方向転換のような動きがありますけれども、ここはGPIFの長期の投資の視線というものをぜひ大切にしていただいて、50年あるいは100年という単位で見れば、いずれにしても温暖化問題というのは取り組まなければならないものですし、ましてや日本におきましては既に政府も20兆円、官民合わせて150兆円のGXの移行にかかる投資を進めているところでもございますので、あくまでも長期的な視点での取組を強化していただきたいというふうに思いますし、DEIにつきましても、これはアメリカに比べてもまだまだ日本の取組というのは遅れているところがございますので、それも踏まえましてこの方針というのは変わらずにしっかりと取り組んでいただきたいと思っております。

 そして、13ページですけれども、「効率的な業務運営体制の確立」、これも非常に重要な観点だと思います。ここで経費の削減の目標として1.33%というものが予算のほうからということで先ほど御説明がありましたけれども、もちろん無駄な経費を削減して効率化をしていくということは重要な課題でありますが、今、社会全体で我々も含めて進めているのは適切な価格を形成していこうということでありまして、その適切な価格を超えて今

あるものの価格を下げていくとか、そういうものにつながらないように、あくまでも効率化ということで無駄を削減していくという観点で進めていただきたいと思っております。

 以上でございます。

神作部会長

 どうもありがとうございました。

 続きまして、オンラインで御参加の福田委員、お願いいたします。

福田委員

 ありがとうございます。私も適切にまとめていただいたと思います。今までの皆さんの

御意見がほぼ反映されているのではないかと思います。

 小さな点で、2点だけコメントさせていただきます。既にほかの委員の方もおっしゃったことの重複になりますけれども、今回新たに入ったインパクト投資の説明というのはこ

れまでの投資以上に丁寧な説明が必要だということは、私もそう思います。今までの投資以上に、そもそも成果が出るのに非常に時間のかかるタイプの投資だということはやはりあるのだろうと思いますし、それが本当に被保険者の利益になっているのかどうかということに関してはほかの投資以上に分かりやすく説明しなければいけない。たまたま政府全体としてもインパクト投資を推進しましょうという別の流れで議論が出ている中で、それに必ずしも流されたものではなくて、あくまでも被保険者の利益、現在の中でも強調はされていますけれども、情報発信する中では引き続き御留意いただくということは大事なのだろうなとは思います。

 2番目は井上委員が最後におっしゃった点ですけれども、業務の効率化に関してで、足元、インフレが起こっているという問題は大きな問題としてやはりあると思います。直近では、3%のインフレが起こっているわけです。実は、運用目標に関してインフレは考慮しているわけです。事実上、名目賃金上昇率にプラスアルファ何%という形でのインフレを考慮した目標にしているのです。けれども、業務の効率化に関しては私の理解する限りでは、やはりインフレを考慮しないで1.33%削減しましょうというような意味に読み取れる記述になっています。例えば3%のインフレで物価が上がっている状況の下で、1.33%名目で削減するというのは大変な削減になってしまいますし、それは恐らくこの趣旨でもなくて、先ほど井上委員がおっしゃったように無駄な支出は極力やめて削減しましょうという趣旨だと思います。今回これを修正してほしいということでもないのですけれども、

そういう趣旨であるということはこの会議の議事録等で残していただくということが重要なのかなと思いました。

 私からは以上でございます。

神作部会長

 どうもありがとうございました。

 それでは、会場に戻りまして玉木委員に御発言いただいた後、オンラインで御参加の五十嵐委員に御発言をお願いしたいと思います。

 初めに玉木委員、どうぞ。

玉木委員

 ありどうございます。

 この中期目標の資料を大変よくまとめていただいてありがとうございます。

 1点だけコメントを申し上げます。何人かの方から御指摘のあった人材の確保・育成・定着等のところでございますけれども、こちらにつきまして11ページの2行目ですが、 「必要な人材の確保・育成・定着」という表現になっておりまして、まさにこのとおりだと思います。

 ここで、その前に 「高度で専門的な人材をはじめ」 という修飾語がございますけれども、必要な人材というのはミドル、バックを含めて広く捉えて頑張っていただきたいと思うところでございます。これだけ大きくなってまいった運用組織でございますので、またいろいろなオルタナのことなど一生懸命やっておられるわけでございます。そういったところで、新しい分野で一見したところ、どういう意味で大事なのか、一般国民になかなか分かりにくいところでも実はものすごく大事な仕事をなさっている方々がたくさんおられますので、そういった方々にGPIFの経営上の関心が適切に当たるように取り計らっていただきたいと思うところでございます。

 以上です。

神作部会長

 どうもありがとうございました。

 それでは、オンラインで御参加の五十嵐委員、どうぞ御発言ください。

五十嵐委員

 ありがとうございます。

 適切におまとめいただきましてありがとうございます。特に意見というわけではなく印象ですが、重要度が高いとされている箇所が幾つかありまして、先ほど来、人材のところというのは非常に重要だという御意見が多数ありました。その部分と、最後のページのコンプライアンスのところ。これは今時ですと非常に問われる事項なのかなと思います。どういう基準で重要度が高いとされているのか存じませんけれども、この2点は非常に重要度が高い事項であろうと思いました。

 以上です。

神作部会長

 どうもありがとうございます。

 追加の御発言はございますでしょうか。

大野委員、お願いいたします。

大野部会長代理

 ありがとうございます。

 皆様と同様ですが、これまでの議論を適切に資料に反映していただいていると思います。

感謝申し上げます。

 人材の確保というお話がございました。今回、人材の確保・育成・定着等につきまして重点的に取り組まれるということで、新規に項目が立てられ、いろいろな施策が列挙されております。これらを実行するには人事関係の人数の手当ても必要になってくるかと思いますので、その点につきましても御検討をいただければと思います。

 今回は、この項目8を最重要項目として指定されないとのことですが、可能でしたら、項目10の情報発信、広報に関する中期目標として、人材の確保・育成・定着等に関しての取組を加えていただければと思います。

 それで、箇条書きの2のところで「効果的な発信等を行うこと」と書かれてはいるのですが、この内容はどちらかといいますと、リクルート活動として、なかで働いている方がどういった社会的意義を感じながら働いているかに関する情報発信かと思います。それだけではなく人材の確保・育成・定着に向けてGPIFとして取り組まれている活動内容を広報として発信していかれることも効果的な施策ではないかと思いました。ですので、この点につきましても御検討いただければと思います。

 あとは、業務のデジタル化についても、項目9として新たに立てられまして、専門家の育成、定着を図られるということが書かれてありますけれども、それに加えて組織全体の底上げといいますか、働いていらっしゃる方々の全てのITリテラシーの向上といったようなものもこれからは求められてくるのではないかと思われますので、そうしたことも併せて御検討いただければと思います。

 以上です。

神作部会長

 どうもありがとうございました。

 本日御参加いただいている皆さんから御発言をいただいたかと思いますが、もし追加の御発言等がございましたらよろしくお願いいたします。

 よろしいでしょうか。おおむね次期中期目標案につきましては御賛同いただいたと思いますけれども、追加、または修正についての貴重な御意見もいただいたと思います。事務局におかれましては、次回までに本日いただいた御意見を踏まえて修正案の御検討をいただければと思います。

 それでは、次に進ませていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 ありがとうございます。続きまして、次期中期目標案に関連して「GPIFの次期中期計画案(骨子)について」、GPIFから御説明をお願いいたします。

石川審議役

 GPIFでございます。よろしくお願いいたします。

 資料4、「GPIF 第5期中期計画案 骨子」というタイトルの資料をお開きください。

 先ほど御審議いただきました中期目標案に対応して、今後法人において中期計画案を策定していくことになります。今日御説明あるいは御質疑いただいた中期目標案の項目、書きぶりに沿って記載している点もございますし、昨年10月の資金運用部会におきまして当法人より次期中期目標期間に向けた現状と課題を御説明しましたが、その際に御説明した次期において取り組むことを想定していることについても盛り込みながら、現時点で中期計画案の構成、骨子として考えていることを御説明させていただきたいと思います。

 2ページから順次、各項目について御説明いたします。

 表題に「現時点のイメージ」と書いており、赤字部分が現行計画からの実質的な追加・修正部分であることを2ページの右上に書いておりますが、そういった赤字部分を中心に御説明したいと思います。

 まず、第1に関しては、1.で年金積立金運用の基本的な方針として、基本的な考え方、あるいは遵守すべき事項、これらについて次期中期計画においても引き続き記載し、また、他の管理運用主体との連携についても記載することを考えております。

 2.は健全な組織運営ということで、今回の中期目標案でそういう記載になりますけれども、経営委員会・監査委員会・執行部の適切な役割分担及び連携について中期計画に盛り込むことを考えております。

 3の「基本的な運用手法及び運用目標」に関しまして、まず、(1)の「基本ポートフォリオに基づく運用」につきましては、中期目標案にもございました実質的な運用利回りに関する運用目標を受けまして、それを長期的に確保するような基本ポートフォリオの策定、これに基づく運用、こういったことを引き続き中期計画で盛り込むこととしております。

 また、(2)の「ベンチマーク収益率(市場平均収益率)の確保」、この表記については先ほど德島委員から御指摘があったところでございますけれども、中期目標案の記載に合わせる形で中期計画案でもこういった項目立てとしてはどうかと考えているところです。具体的には、その次のポツのところです。中期目標期間及び各年度それぞれでのベンチマ

ーク収益率の確保に関する考え方、特に今回から中期目標期間に関しては資産全体での複合ベンチマーク収益率の確保ということになりますので、これを明記し、反映するような中期計画案になることを考えております。

 次の3ページにお進みください。

 基本ポートフォリオ関係が続きますけれども、法人の中期計画におきましては、まず、モデルポートフォリオの策定や見直しに関する記載を引き続きいたします。また、基本ポートフォリオの基本的考え方や、基本ポートフォリオの策定に関することとして、資産区分ごとの構成割合や乖離許容幅及びその考え方、オルタナティブ資産運用の位置づけについて中期計画で具体的に盛り込むこととなります。

 また、中期目標案の中でも論点になりました基本ポートフォリオの見直しに関しまして、法人側におきましては、運用環境が大きく変化する可能性がないか等について、中期目標案では「毎年度検証」とされますけれども、従前から法人におきましては「適時適切に」検証するとなっておりまして、それに「毎年度」を加えまして、「毎年度適時適切に」検証を行う。基本ポートフォリオの策定時に想定した運用環境、前提条件や前提となった指標について、こういった頻度での検証を行った上で、経営委員会で必要があると認めたときには基本ポートフォリオの見直しの検討をして、その上で必要に応じて速やかに修正するということで、段階的に基本ポートフォリオについての検証や見直しをする場合の検討を進めていくことを想定しております。

 また、年金給付のための流動性の確保についても引き続き記載することとしております。続きまして、4ページにお進みください。

 4の「運用の多様化・高度化」でございます。(1)の「運用手法」につきましては、引き続き原則としてパッシブ運用とアクティブ運用を併用することとしつつ、アクティブ運用については、引き続き、超過収益が獲得できるとの期待を裏付ける十分な根拠を前提として行うこと。また、赤字のところにございますけれども、ポートフォリオ運用を行う中で、資産全体の適正なリスク量の下で、スタイル分散等に留意しながら実施していく。このような趣旨の記載をすることを考えております。また、オルタナティブ資産につきましては、中期目標案の記載も踏まえまして、伝統的資産対比の運用パフォーマンス評価方法等を構築して、必要に応じて改善を図りながら評価していく。こうしたことを行いながらオルタナティブ投資を進めていくことを考えております。

 続きまして、(2)の「運用対象の多様化」につきましては、2ポツ目のオルタナティブ投資について、分散投資による運用の効率性を向上しつつ超過収益を獲得する観点から行うものであるとした上で、専門人材に加えまして法務・税務機能やリスク管理を担う人材の拡充等を行いながら良質な案件の選定力を高めていく。こういった形でオルタナティブ投資について記載することを考えております。

 5の「運用受託機関等の選定、評価及び管理」につきましては、1つ目のポツで、過去の運用実績等だけでなく、投資対象の選定の考え方やリスク管理の手法等も含めて総合的に評価する。ここは、中期目標案の趣旨に合わせる形で中期計画案でも記載することを考えているものです。ただ、この点については先ほど御指摘もあり、年金局からの御説明がありましたけれども、その趣旨も踏まえて今後対応してまいりたいと思っております。

 次の5ページでございますが、「リスク管理」でございます。

 まず、(1)の管理・運用におけるリスク管理につきまして、中期計画では中期目標よりも細分化して記載する。現在もそうなっておりますし、今後もそういった従前の記載を踏襲することを考えておりますが、主な追記、修正の部分は赤字であります。まず、1ポツ目のリスク管理の状況につきましては、経営委員会に対して定期的に報告するということでありますが、社会経済あるいは運用環境において今後不確実な要素が高まっていくことも想定しつつ、リスク管理の状況について必要がある場合には速やかに報告することを行い、その上で経営委員会において適切にモニタリングする。こういった形で記載することを考えております。

 また、中期目標案でも記載いただき、昨年の部会においても当法人から御説明したところでありますけれども、国内の日中取引時間以外のリスク管理体制について検討を行っていくことも盛り込むことを考えてございます。

 また、①以降、資産全体、各資産、各運用受託機関等々、各レベルに応じたリスク管理の考え方や取組方針を中期計画に盛り込むことを考えております。例えば資産全体に関しましては、基本ポートフォリオからの乖離リスクについて、参照値等を設定した上で適切に管理する仕組みを次期中期計画において行うことを考えております。また、市場リスクですとかカントリーリスク等の管理は引き続き行っていく。これらが資産全体のリスク管理についてでございます。また、各資産につきましては、各資産の政策ベンチマークからの乖離リスクを適切に管理することを考えております。以下、運用受託機関等のリスク管理の方針については、従前どおり行っていくことを次期中期計画に記載したいと考えております。

 (2)の「リスク管理・内部牽制機能強化のための体制整備等」につきましては、新たな要素としては3つ目のポツです。これは中期目標案でも書かれており、資金運用部会におきましても御審議のあった点を踏まえたものでございますけれども、各種リスク管理に当たっては、地政学上のリスクや気候変動によるリスク等の多様なリスクが取引環境を含めて金融市場等に与える影響についても適切に考慮するよう努めながらリスク管理を行うことを新たに盛り込むことを考えております。

 次の6ページにお進みください。

 7のスチュワードシップ活動及びESG等を考慮した投資についてでございます。

 まず、スチュワードシップ責任を果たすための活動につきましては、引き続き従前の法人における取組を継続しつつ、先ほど井上委員からも御指摘がありましたが、アセットオーナー・プリンシプルの取組方針に沿って、スチュワードシップ活動をさらに深化させるための取組を推進していく。こういった趣旨の中期計画の記載にすることを考えております。

 また、(2)の「ESGを考慮した投資」につきましては、基本的な考え方に関する記載は従前どおりとしつつ、その上で、ESGを考慮した投資を推進する。その際、市場全体の持続的成長による長期的な投資収益の拡大と市場平均収益率の確保の両立を図りながら取組を進めていくことを考えております。また、年金積立金の運用の基本的な方針、また、運用目標、資産全体での複合ベンチマーク収益率の確保といった運用目標にも留意しながら、

サステナビリティ投資方針に沿って取組を進める。また、PDCAサイクルを適切に回し、ESGを考慮した投資について継続的に検証し、その結果を取組の改善等につなげていく。このように、中期目標案の記載を踏まえつつ、法人としての認識を中期計画に盛り込むことを考えております。

 新たな項目といたしましては、(3)の「インパクトを考慮した投資」でございます。

これについては、中期目標案を受けての記載でもありますけれども、中期計画では、市場平均収益率の確保をしながら、 被保険者の利益のために長期的な収益確保を図る観点から、

社会・環境的効果(インパクト)を考慮して投資を行うことについて検討し、必要な取組を実施する、こういったトーンでの記載を考えております。また、その際には、ESGを考慮した投資と同様でありますけれども、年金積立金の運用に関する基本的な方針ですとか運用目標に留意し、同じくサステナビリティ投資方針に沿って取組を進めていく。また、取組が法人の運用に求められる基本的な考え方にのっとっているかについて継続的に検証を行っていく。こういった形で、慎重に検討や取組を進めていくといった記載を考えているところでございます。

 次の7ページにお進みください。

 8の人材の確保・育成・定着等については、中期目標案における項目立てに合わせまして中期計画案においても前に持ってくる形で、人材の確保・育成・定着を独立した項目として位置づけるということでございます。

 先ほども様々な御指摘、御意見をいただきましたけれども、人材の確保・育成・定着のための法人の環境整備としましては、人材に求められる業務やキャリアパス等の明確化、人材受入れの環境整備、法人業務の社会的意義の効果的な発信等を行って法人の業務運営を支える人材を確保することを記載しつつ、組織として戦略的に人材の確保・育成・定着を進めるための機能を強化する。こういった組織面での対応も念頭に置いて中期計画の記載をすることを考えております。

 また、次の(2)の「業務遂行能力の向上等」につきましては、研修や資格取得の支援を引き続き中期計画上位置付けつつ、中期目標案の記載も踏まえまして法人として従業員エンゲージメントの向上を目指すこと、特に女性の活躍を推進するための取組を一層強化していくこと、多様な人材が活躍できる勤務環境の整備を推進することを盛り込むことを考えております。

 この人材確保については、現行の中期計画では高度専門人材についての記載でございま

したけれども、次期中期計画における人材の確保については、正規職員も含めて法人職員

全体について人材確保を法人としてしっかり取り組んでいく。こういったことにつながるような中期計画の記載を考えてございます。

 次の9の「業務のデジタル化の推進等」につきましては、これも中期目標案の項目立てを受けまして、中期計画案においても前に場所を移して項目立てをするということでございます。具体の想定している記載としては赤字のところでありますけれども、データサイエンス等を活用した運用の多様化・高度化や運用リスク管理の高度化に資するデータ集約等の基盤整備の推進、組織横断的なデータマネジメント手法の確立に加えて、IT分野における専門人材の確保・育成を進めていくことを考えております。また、組織として戦略的に業務のデジタル化を推進するための機能の強化を図ることを新たな要素として考えております。

 「情報セキュリティ対策」については、引き続き(2)のとおり記載することを考えております。

 8ページにお進みください。

 10の「情報発信・広報及び透明性の確保」でございます。これについては、引き続きホームページ等を活用した迅速な情報発信ですとか、専門家のみならず国民やメディアなど多様な関係者に対する情報発信や広報活動に一層取り組んでいくこと、その評価・効果の把握・分析に努めていくことを引き続き中期計画上盛り込みたいと考えております。

 また、「特に」ということで、スチュワードシップ活動等の例示がされている中で、先ほどの中期目標案と同様ですけれども、インパクトを考慮した投資についての分かりやすい情報発信も併せて行っていくこととしたいと考えております。

 続きまして、第2の業務の効率化に関する様々な事項についてでございますけれども、1の「効率的な業務運営体制の確立」については従前どおりでございます。また、2の「業務運営の効率化に伴う経費節減」については、中期目標案における1.33%という数字と合わせる形の記載になりますけれども、引き続き財政当局との調整も行いながら確定させていくことになろうかと考えております。

 また、給与水準の記載につきましては、国家公務員等の給与等も考慮しつつ、その一方で必要な人材の確保等を図る観点にも留意しつつということで、中期目標案に合わせる形にしているところでございます。

 次の9ページにお進みください。

 第3の財務内容の改善、第4の予算等については引き続き従前の記載をしつつ、第5の短期借入金の限度額についてであります。これは、2.の「想定される理由」にございま

すとおり「予見し難い事由による一時的な資金不足等への対応」ということで、短期借入金の限度額について、現行では2兆円という数字が記載されております。これについては、年金特別会計への寄託金償還に的確に対応していくこと、また、これまでの過去の実績は業務概況書でも公表されていますけれども、そういった過去の納付実績なども勘案しながら、 具体の額としては4兆円という数字を今回置くことを考えているところでございます。

 第6から第8については、従前どおり「なし」ということでありますけれども、このような記載を引き続き行うことを考えております。

 最後のページ、10ページでございます。

 第9のその他業務運営に関する事項につきまして、まず1つ目は「調査研究」でございます。これは中期目標案と同様でありますけれども、「専ら被保険者の利益のため」という目的に即した調査研究を行うことを前提としつつ、従前から調査研究で得られたノウハウの法人内での蓄積を行うよう努めてきたところでございますが、次期においては、法人内での人材育成を通じた調査研究の体制整備を推進していくことも記載として考えているところでございます。また、調査研究のテーマにつきましては、長期的な視野で取り組む基礎的な研究も含めて多種多様な調査研究のテーマを設定していくことを考えております。

 2の「内部統制の一層の強化に向けた体制整備」につきましては、引き続き内部統制の強化や法令遵守等を推進しつつ、中期目標案の記載、あるいは資金運用部会における御議論も踏まえながら、業務執行能力の向上を図りつつ、業務執行の透明性・公正性の確保に一層取り組むとともに、内部統制体制・コンプライアンスの徹底等の観点から法務機能の一層の拡充・強化を行う。こういった形の記載にすることを考えております。

 また、「監査委員会の機能強化等によるガバナンス強化」も引き続き中期計画に盛り込

みつつ、4番、5番の記載も引き続き中期計画に盛り込むことを考えております。

 現時点で法人として考えております中期計画案の骨子については以上でございまして、中期計画案の実際の文章については、今日の御議論も踏まえて引き続き法人で検討していきたいと考えております。

 説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

神作部会長

 御説明どうもありがとうございました。

 それでは、ただいま御説明いただきました内容につきまして、委員の皆様から御質問や御意見がございましたらお願いいたします。先ほどと同様の方法で、御発言の意思をお示しいただきましたら、私から御指名をさせていただきます。

 それでは、御発言を御希望の方はご希望をお伝えいただければと思います。

 まず、大森委員どうぞ。

大森委員

 次期計画の御説明、どうもありがとうございました。

 それぞれ内容の詳細はこれからだと思うのですけれども、このまま進めていただければと思います。特に修正のお願いはないのですが、論点を1つ提示したいと思います。といいますのは、GPIFは運用機関なのですけれども、運用哲学が明示されてはいないと思います。運用哲学というのは、運用機関であれば投資行動の大本に当たるものですね。会社経営の理念のようなもので、事業会社では行動規範にもなっていると思います。海外の公的年金運用機関のディスクロージャー誌を拝見しますと、巻頭のほうで高らかに語ってあることをしばしば目にします。市場をどのように見るのか、自分たちは価値をどのように生むのか、そして自分たちはそれがなぜできるのか、そういったことが示されています。

 一方、GPIFの報告書にはそういったことはあまりないように思います。何を行ってどうなったかということは非常に丁寧に示されているのですけれども、その上流に当たる何を狙ってどうしてその手段を取るのか、どうしてそういう投資をするのか、あまりはっきりその理由は書かれていません。

 ただし、明文化はされていませんけれども、GPIFでも現実には今取り組んでおられる各種の運用手法には表れていると思います。つまり、運用哲学はもう既に存在していると思います。そして、それは不自然なものではないと推定されます。例えば、広く分散投資をして経済成長の果実を享受するであるとか、あらゆる投資機会を探求するとか、経験を備えた長期の大規模投資家であるからそういうことができるであるとか、そういったことになるかと思います。これらは自然なものだと思いますし、中期目標ともそろいます。

 一方で、運用哲学を明文化すると世の中にインパクトがあると思います。GPIFが変わったと誤解されてしまうリスクがあります。

 とはいえ、既にあると思われるものですし、会社理念を明文化するのと同じように職員の方のモチベーション向上とか社会からの信頼の獲得とか、そういった効果はあると思われますので、今回でなくて中期的な論点として御検討いただくとよいのではないかと思います。

 運用哲学についてコメント申し上げましたけれども、もし現状で内部的な取扱いで何か共通の認識であるとか、そういうものがあれば教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。

神作部会長

 これは石川審議役にお願いしてよろしいでしょうか。

石川審議役

 ありがとうございます。

 当法人における運用の基本的な考え方、哲学については、市場への影響にも留意しながら考えていく必要があると思っております。一方で、現行の中期目標、中期計画において、運用の基本的な考え方に相当するものは記載しているところです。中期目標においては、当法人の特性も踏まえた年金積立金運用の基本的な方針が盛り込まれており、中期計画においても触れております。また、分散投資を行いながら経済成長の果実を獲得していくことについても、中期計画の基本ポートフォリオに基づく運用に関する記載のところで、長期国際分散投資を基本として行っていくこと、その前段では、世界経済の成長の果実を長期的かつ安定的に獲得していくことを記載しているところです。

 さらに、業務概況書においても当法人の運用の基本的な考え方を書いており、こういった形で発信しておりますし、内部的には、投資原則や行動規範といった法人が遵守すべき事項の中で、 GPIFの運用における基本的な考え方、職員が依って立つべきところを明記し、公表もしており、そういった形で職員の意識づけに資するようなプリンシプルの明文化もしているところでございます。 こういった仕組みも使いながら、対外的にも発信しながら、職員の意識啓発も含めて行っていきたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

神作部会長

 よろしいでしょうか。

大森委員

 ありがとうございます。

神作部会長

 ありがとうございます。

 それでは、続きまして玉木委員、お願いいたします。

玉木委員

 中期計画につきましても大変手際よくまとめていただき、ありがとうございます。

 2点だけコメントを申し上げます。

 9ページに「短期借入金の限度額」というところがございますけれども、こちらにつきまして4兆円に増えておりますが、これはGPIFの規模がかつてに比べて2倍くらいになっておりますので妥当なところかなと思うところでございます。

 それと、「短期借入金」という言葉がございますけれども、これは要するに予見し難い事由による一時的な資金不足が起きたときに一番いいことをすればいいということだと思いますので、法律的な借入れという言葉にあまりとらわれる必要はないと思いますし、またそういう意味ではこの中期計画において借入金という言葉が使われてきたのではなくて、短期資金調達という意味で使われていたというふうに私は理解しておりまして、その理解でよろしいのではないかと思ってございます。

 それからもう一つは、アセットオーナー・プリンシプルに関する言及がございますけれども、そこで運用力の向上というようなことが求められております。これはもちろんしっかり受け止める必要があるわけでございますが、この運用力の向上というのを実際にやろうとすると修飾語としては目立つというか、華々しいとかというものよりは地道な部分が大変多くなるところかと思います。

 その関連でいきますと、10ページですか。第9の1に「調査研究」というところがございますけれども、さらに一生懸命やりますという趣旨で赤字が追加されておりますが、まさにこのとおりだろうと思います。この辺の調査研究、あるいは中期目標との関連では先ほど申し上げたミドル、バックの充実といったものと合わせて、基盤をしっかりつくった上での運用力の向上というところに結びつけていっていただきたいと思うところでござい

す。これは私の要望でございます。

 以上です。

神作部会長

 どうもありがとうございます。

 よろしゅうございますか。

 それでは、德島委員、御発言ください。

德島委員

 御説明ありがとうございました。

 おおむね骨子案について異論はございませんが、まず、スライドで6番の「ESGを考慮し

た投資」及び「インパクトを考慮した投資」に関して、中期目標と法人の中期計画では1点違いがあり、中期計画の骨子案ですと、ESGに関しても、またはインパクト投資に関しても「市場平均収益率を確保しながら」という文言が加わっております。

 これは、不適切ではないかと考えます。というのは、ESGとかインパクト投資においてはどちらかというと中長期な観点が重要であり、その趣旨は入っておるのですが、中期計画において「市場平均収益率を確保しながら」と限定してしまうと、ESGとかインパクト投資に関してはタイムホライズンが異なるため、中期計画の範囲外まで含め長期に考えて判断しないといけないのに、5年といった期間での市場平均収益率という制約を課しているように見えます。つまり、中期目標のほうに入っていないのが正しく、法人の中期計画に入れないほうが適切ではないかと考えます。

 実際に、例えばオルタナ投資のところに関しても、超過収益の確保の目的であるとは書いてありますが、そこで市場平均収益率を確保するという限定はされておりません。結果として、ESGとインパクト投資にこの文言がついていることによって、例えばオルタナティブ投資に含まれるインパクト投資の効果が期待できなくなる可能性があると読めてしまうため、外すべきではないかと考えます。

 以上です。

神作部会長

 どうもありがとうございました。

 御発言ございますか。石川審議役、どうぞ。

石川審議役

 ありがとうございます。

 確かにESG投資やインパクト投資は長期的な投資収益の拡大の観点から行うものでありますけれども、法人におきましては、基本ポートフォリオに基づく運用を行っていく、その目標としてベンチマーク収益率、市場平均収益率の確保が求められている。インパクト投資は、仮に行う場合にはということでありますけれども、資産全体でポートフォリオ運用を行っていく、ベンチマーク収益率の確保が目標になっている中で、ESG投資やインパクト投資についても、そういった観点を留意することが必要だろうという考え方で、その点も両立を図りながら行っていく。これは法人としては必要と考えているところでございますので、御理解いただきたいと思っているところでございます。

神作部会長

 どうもありがとうございました。

 よろしゅうございますか。

 それでは、オンラインで御参加の福田委員、その後会場に戻りまして佐藤委員から御発言をお願いします。

 まずは、福田委員、どうぞ。

福田委員

 ありがとうございます。

 私も適切にまとめられていると思いますが、1点だけ調査研究に関してコメントをさせ

ていただければと思います。

 非常に重要なことだと思いますし、中期計画に関しては、さまざまな個所で比較的丁寧にいろいろな見通し等が示されていると思います。

ただ、さらに長期の話というのはなかなかどういうイメージで捉えていいのかというのはこの会議等も含めていろいろと分からないこともたくさんあります。このため、調査研究の機能を充実させて、5年とか、そういう中期タームではなくて、もっと長いタームでGPIFがどうあるべきか、あるいはどういうことが起こっていくのかということは重要だと思います。そういったことに取り組むような調査研究を進めていただければと思います。

 私からは以上でございます。

神作部会長

 御意見どうもありがとうございました。

 それでは、佐藤委員、御発言ください。

佐藤委員

 どうもありがとうございます。

 私も、きれいに取りまとめられて感謝申し上げます。

 その上でのコメントなのですけれども、6ページのところで、私は「ESGを考慮した投資」のところに「市場平均収益率の確保の両立を図りながら」というのは結構なコメントだと思います。これは中期目標だからといって5年の枠で考える必要はなく、あくまでも超長期の中で経済的な利益も重視すると、そういう受け止めをしているのですけれども、その解釈で合っていますでしょうか。それであれば、そういうところを考慮したような書きぶりになればよいのかなと思います。

 また、これは議題1のところで他の委員からも御指摘がありましたけれども、アメリカ

ではいろいろな動きが出ておりますが、あくまでも超長期投資家としてぶれない投資行動を期待しているというか、取っていただければと思います。

 以上です。

神作部会長

 ありがとうございます。

 GPIFに対する御質問も含まれていたと思いますが、もしコメントがございましたらどうぞ。

石川審議役

 ありがとうございます。

 6ページの「ESGを考慮した投資」の 「市場平均収益率の確保」 に関する記載については、ESG投資が中長期の観点から行う取組であることはおっしゃるとおりです。その中で、被保険者の利益のために、年金財政への貢献のために運用する当法人としては、経済的な観点での利益になるような運用を行っていくことになります。

その上で、市場平均収益率を運用目標に照らしてということを先ほど申し上げましたけれども、そういったことから、市場平均収益率の確保も想定して、ESG投資についてもしっかりモニタリングやリスク管理を行いながら進めていくことが必要になろうということで、このような記載をしているところでございます。御理解いただければ幸いでございます。

佐藤委員

 どうもありがとうございます。

神作部会長

 どうもありがとうございました。

 ほかに御意見、御質問等ございますでしょうか。

 よろしいでしょうか。予定の時刻には達しておりませんけれども、予定していた議事が終了しましたので、本日の審議についてはそろそろ終了とさせていただきたいと思います。

 本日も大変貴重な御意見を頂戴し、ありがとうございました。本日、委員の皆様からいただいた御意見を踏まえて、事務局におかれましては次期中期目標案の修正等のさらなる御検討をお願いいたします。次回の当部会におきまして、次期中期目標案の諮問を予定しております。どうぞ御準備をよろしくお願いいたします。

 また、GPIFにおかれましては、本日委員の皆様からいただいた御意見を踏まえて「GPIFの次期中期計画案(骨子)について」をご検討いただき、次回の当部会において議論をしたいと思いますので、御準備のほど、よろしくお願いいたします。

 それでは、最後に事務局より御連絡事項がございましたらお願いいたします。

西平資金運用課長

 事務局でございます。

 本日は、活発な御議論ありがとうございました。次回の部会の開催につきましては、日程調整の上、追って御連絡をさせていただきますのでよろしくお願いいたします。

 以上でございます。

神作部会長

 どうもありがとうございました。

 それでは、本日の審議はこれにて終了いたします。長時間にわたり、活発な御審議をいただき、誠にありがとうございました