08/10/21 第14回企業年金研究会議事録

日時 平成20年10月21日(火)

   10:00~

場所 はあといん乃木坂 地下1階 フルール

 

○森戸座長

 皆さん、おはようございます。ただいまより、「第14回企業年金研究会」を始めます。まず最初に委員の交代についてご連絡いたします。岩本委員が異動されたため、その後任として、高瀬様に委員としてご参加いただくことになりましたので、皆様にご報告します。本日は、小島委員が所用によりご欠席となっています。その代理として、日本労働組合総連合会生活福祉局、伊藤部長がご出席されています。

 事務局のメンバー交代もあるのでその紹介、それから資料の確認をお願いしたいと思います。

 

○西村企業年金国民年金基金課長

 まず、年金局で若干メンバーの交代がありましたのでご紹介申し上げます。審議官の二川です。総務課長の伊奈川です。私は企業年金国民年金基金課長の西村です。どうぞ、よろしくお願いいたします。

 資料の確認ですが、本日は資料1から7まで配付されています。資料1が「退職給付に係る調査の分析」、資料2が「適格退職年金の移行の現状及び取組」、資料3が「確定給付企業年金・厚生年金基金制度規制緩和等について」、資料4が「確定拠出年金に係る税制改正要望について」、資料5が「企業年金連合会における年金給付事業の実施状況に関する報告」、資料6が「厚生年金基金における年金の実態調査の結果について」、資料7が「企業年金の運用状況について」ということです。ご確認いただければと思います。

 

○森戸座長

 資料のご確認はよろしいでしょうか。それでは、議事次第に沿って会議を進めてまいりたいと思います。初めに「退職給付に係る調査の分析」に関して、事務局から説明をお願いします。

 

○西村企業年金国民年金基金課長

 資料1をご覧ください。「退職給付に係る調査の分析」です。この調査は、厚生労働省統計情報部が毎年行う「就労条件総合調査」の中で5年に1回、退職給付に関する調査を行っています。今般、最新の調査結果が10月7日にまとまって発表されていますので、この中で特に退職給付、退職年金にかかわる部分について、やや詳細に分析を加えていますのでご紹介し、先生方のご意見を伺いたいと考えています。この「就労条件総合調査」については、全国の調査ということですが常用労働者が30人以上の民営企業から、産業、企業規模別に抽出した企業の調査ということです。

 就労条件に関する広範な事項について調査をしていますが、今般はとりわけ退職給付(一時金・年金)制度に関する事項について、詳しく調査が行われています。なお、ここで退職年金について、特に今般は抽出してご紹介したいと思います。

 退職年金制度とは、「労働者の退職後、一定期間又は生涯にわたって一定の金額を年金として支給する制度をいう」という定義になっています。平成20年1月1日現在の状況についての調査ということで、有効回答数4,047社からの回答をまとめたものです。

 2頁、まず第16表の年金給付制度の有無についての調査です。退職給付制度が何らかの形であるかどうかということが左側から2番目の欄に載っています。最新の調査では「退職給付(一時金・年金)制度がある企業」は平均で83.9%になっています。このうち、一番右側の欄、「退職年金制度がある」というものが平均で44.7%になっています。

 大企業では80.7%に退職年金制度があるが、中小企業や零細企業になると37%しかないということで、規模が小さくなると退職年金制度も少なくなるということです。

 なお、右下の方に、経年的傾向が見られます。過去、5年に1回この調査は行われていますが、これを見ますと、近年「退職年金制度がある」という企業の数が減少しているということがお分かりいただけると思います。

 退職給付制度の内容としては、一時金制度のみのもの、年金制度のみのもの、それから両制度併用のものがありますが、中小企業のほうは一時金制度のみが多くなっており、大企業になればなるほど、両制度併用という形が多くなっています。

 その下の第20表ですが、今度は退職年金について着目し、退職年金制度がどういった形の年金制度になっているかという統計であります。上の図と同じですが、退職年金制度がある企業は平均すれば44.7%ということです。この中の年金の形態を見ると、厚生年金基金が35.9%、以下、確定給付企業年金、確定拠出年金、適格退職年金の数字が出ております。

 この中で特徴的なものとしては、例えば大企業(1,000人以上)になると「退職年金制度がある企業」が80.7%を占めますが、「確定給付企業年金」が45.2%、「確定拠出年金」が35%というように企業年金の比率が高くなっています。一方、零細企業(30人~99人)で見ると、「厚生年金基金」が41.1%、「適格退職年金」が45.7%という数字になっています。大企業ですといわゆる企業年金改革が進み、確定給付企業年金や確定拠出年金への切替えが進んでいる一方、零細企業では、言わば従来型の厚生年金基金、適格退職年金の比率が高いということがわかる表になっています。

 なお、適格退職年金の割合というものは大企業よりも中小企業の方が多くなっていますが、適格退職年金があと3年半後の平成23年度いっぱいで廃止されることを考えると、今後適格退職年金をどうするかという問題が中小企業において問題になってくるであろうことが見て取れます。

 3頁です。第21表、これは退職一時金制度の見直しについての表です。過去3年間に「退職一時金制度の見直しを行った企業」が13.6%あるということです。このうち「全部又は一部を年金へ移行」というのが10.3%あるということです。また、「算定基礎額の算出方法の変更」がかなり多くなっています。これはいわゆるポイント制の導入など、退職金改革の中でいろいろな改革が行われていると理解されます。とりわけ、大企業になりますと、「算定基礎額の算出方法の変更」をした割合がかなり多くなっています。また、零細企業になりますと、新たに退職給付制度を導入するといった動きも見られるところです。

 一方、下の今後3年間の予定というところを見ると、今後「退職一時金の見直しを行う」とした企業が14.4%あるということです。この中で「全部又は一部を年金に移行する」と答えた企業が12.6%あり、大企業ほど多くなっています。

 次の4頁です。第22表は「退職年金制度の見直し内容別企業数割合」です。左上、退職年金制度の見直しを過去3年間に行った企業が10.2%あるということです。この中で、大企業、1,000人以上の企業ですと28.9%が見直したということですが、小さい企業になればなるほど見直しをしたという割合が低くなっていて、小規模企業においては、まだ退職年金制度の見直しが進んでいないということが見て取れます。

 この中でどういった見直しをしたかを見ると、他の年金制度へ移行したというものが、平均で47.3%と一番多くなっております。特に大企業においては65.4%と、極めて高い比率になっています。

 一方、零細企業を見ると、他の年金制度へ移行したというものも結構あるわけですが、年金制度の廃止といったものも11.6%に及んでおります。また、一時金制度へ移行したというものも26.2%と多くなっています。これを見ると、小規模企業においては退職年金給付制度の見直しが必ずしもまだ進んでいないのみならず、過去の見直しにおいては年金制度の移行よりも、一時金への移行とか廃止といった形での見直しが行われているものが多いという特徴が見て取れるのではないかと思います。一方、新たに年金制度を導入又は既存のものの他に設置というものもかなりあるということです。

 下の半分は、今後3年間に退職年金制度の見直しを行う予定がある企業の比率となっています。今後3年間で見直しを行う予定のある企業は平均で15.3%、特に零細企業では10.9%と非常に低い割合になっています。まだ、適格退職年金が残っているという企業が中小企業では多いわけですが、こういった中で見直しを行う予定のある企業というのはまだ少ないという特徴があろうかと思います。

 この中でどういった見直し内容を考えるかということでは、他の年金制度へ移行というものが平均で64.2%と最も高くなっております。また、小規模企業でも53.4%と高くなっています。これまで見直した内容としては、年金制度への移行というのは半分以下でしたが、今後どういう見直しをしたいかを見ると、年金制度へ移行したいというのが圧倒的に多くなっています。事業規模にかかわらず、年金制度を存続させたいという需要が非常に高くなっていることが見て取れます。新たに導入又は既存のものの他に設置という割合もかなり高くなっています。一時金から退職年金制度へ移行したいと考えているということが分かります。

 なお、年金制度の廃止という比率を見ると、今後3年間で年金制度を廃止したいと考えている企業は平均で1.2%、零細企業では0.9%と非常に少なくなっています。過去3年間では、年金制度の廃止を行った企業が平均で8.6%、零細企業で11.6%と非常に多くなっているわけです。今後について見ると、年金制度の廃止を考えている企業は非常に少なく、できれば廃止はしたくないという意向かと思われます。

 5頁、第23表です。適格退職年金制度については、平成23年度いっぱいで制度が廃止されるために、それまでの間に何らかの企業年金などに移行することが求められています。したがって、適格退職年金制度の見直しが非常に大きな課題になっているわけです。ここで見ますと、「平成14年4月時点で適格退職年金制度があった企業」の見直しの状況が書いてあるところです。上半分はこれまで見直しをしたという数です。これまで適格退職年金制度があったという企業は35.8%であるわけですが、この中で何らかの見直しを実施したという企業が42.7%ということで、これらの企業は対応済みであるということです。

 この中で内容を見ると、一番上の欄のようになっているわけです。とりわけ、大企業と零細企業の特徴が非常に顕著に出ています。大企業では、何らかの見直しを実施した企業のうち、確定拠出年金へ26.7%が、確定給付企業年金へ32.2%が移行しており、適格退職年金から企業年金に移行していることが見て取れます。

 一方、零細企業について見ると、何らかの見直しを実施した企業は46.6%で、このうち、中退共(中小企業退職金共済制度)へ移行したものが一番多く24.3%となっています。

 確定給付企業年金ないし確定拠出年金といった企業年金に移行した割合は、規模が小さくなればなるほど少なくなっています。また、30人~99人の企業について言うと、一番右の適格退職年金制度を廃止したというものも7.1%あるということで、かなり多くなっています。

 今後の移行予定ですが、適格退職年金制度の見直しを実施する予定という企業が平均で24%ということです。零細企業では18.5%となっています。何らかの見直しを実施する予定とする企業の比率が、適格年金があったとする企業に比べて非常に少なく、一番右側の欄を見ると、見直し内容が未定であるという比率が全体で26.6%、零細企業でもそれぐらいあるというような状況です。今後、退職年金制度の見直しについての意識を高めていく必要があるということが見て取れます。

 どういった見直し内容を予定しているかということに関しては、平均で言いますと、確定給付企業年金制度が平均で10.2%と最も多くなっています。また、確定拠出年金が7.5%ということで、企業年金への移行が希望としては最も大きくなっているということです。これは大企業になればなるほど、企業年金に移行したいという比率が多くなっています。零細企業についても、確定拠出年金ないし確定給付企業年金といった企業年金への移行を希望する割合はかなり多くなっており、これまでの移行の実績に比べると中退共への移行ないしは廃止といった選択は、希望としては小さくなっているのが見て取れます。できれば、企業年金へ移行したいという希望が現れています。

 以上、就労条件総合調査の中で、とりわけ退職年金の部分について、やや分析を加えた説明をしました。以上です。

 

○森戸座長

 ありがとうございました。いまの説明に関して、皆様からご質問、ご意見等はありますでしょうか。委員の皆様の独自の分析等ありましたら、是非お聞かせいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。

 

○藤井委員

 後の方でも、適格退職年金の問題については議論があろうかと思いますので、ここであまり言うのもどうかという感じはします。

 資料を拝見していて思った点は、これまで適格退職年金の対応をせずにあと数年というところまで来ている企業では結局考えが分かれている。第22表を見ると、他の年金制度へ移行したいということで、特に廃止などを考えていないケースが非常に多いということだと思います。これは現在まで、廃止せずにずっときているということからするともっともなことではないかと思われます。ところが、第23表を見ると、見直し内容は未定が圧倒的に多い。これも決まっていないからこそ動いていないということだと思います。

 結局、そこから何が言えるかというと、先に行われた法改正のベースとなる考え方そのものに立ち帰ると思いますが、代行返上したいというニーズ、あるいは当時会計基準が変化したり、運用環境が非常に厳しかったようなことから、確定拠出年金というニーズがあったことはそうなのでしょう。一方、適格退職年金を実施していた企業にとって、当該法改正に特段ニーズがあったかというと、別に何もなかったと私は思っています。

 元来、ニーズがないところへ持ってきて、何やら難しい内容を要求する仕組みができてしまったと、そうとらえているのではないかと思います。

 したがって、相当抜本的なてこ入れをしない限りは、企業年金へ移行したいとは思っているが、内容は未定で、現在に至っていることになるわけですから、結局検討した結果は相当程度廃止するということもあり得るということが、このアンケートから見て取れるのではないかと思います。したがって、相当緊急に抜本的対策を講じる必要があるのではないかという気がします。感想です。

 

○森戸座長

 ありがとうございます。事務局、それに関してよろしいですか。藤井委員もおっしゃられましたが、また後でその話が出てきますので、そこでまた議論したいと思います。ほかにいかがでしょうか。

 

○小野委員

 確認が1つあります。この調査の中ではいろいろな制度を、退職一時金と年金ということで分けています。まず、確定拠出年金というのは年金制度ということですよね。中小企業退職金共済制度は一時金制度、こういう仕分けになっていると理解しています。私の理解としては、このあとの議論にも若干出てくるのだろうと思いますが、第23表の中で、適格退職年金がどうなったかという過去の実績を拝見すると、右に「退職一時金制度」、これは中退共ではないのだろうと思います。これとその他の制度へ移行、それから退職金の前払いへ移行、適格退職年金を廃止といったものが出ています。これは妥当かどうかわかりませんが、合計しますと大体14.3%ぐらいということで、全体の見直しを実施した企業に対する割合としては42.7分の14.3で、大体33%ぐらい。これが企業年金という枠内で見た場合の適格退職年金の動向からすると、解約に相当するのかなという理解をしています。それで見ると、移行した4万件、適格退職年金の減少した4万件のうち、解約が大体4割弱ぐらいということですが、こちらで見ると33%ぐらいという感じになっているかと思います。あとは、適格退職年金は30人未満の企業が結構多いので、これの解約が圧倒的に多いかなという理解をしています。その辺の理解が妥当かどうかお伺いします。

 

○西村企業年金国民年金基金課長

 適格退職年金の移行状況については、また次の資料でご説明させていただきたいと思います。1つの企業がいくつもの制度を持っている場合、あるいは1つの制度にいくつもの企業が入っている場合がありますので、統計の取り方によっていろいろと違ってくるところはあります。企業の側から見ると、今小野委員のおっしゃったような形の整理をすることができるのではないかと思います。

 なお、この統計は全部で4,000企業を調査しておりますが、産業ないし業種別にバランスを取った形での調査になっていますので、必ずしも実数というわけではありません。

 現在残っている、適格退職年金制度をなお有している全事業主に対して、同様の調査を厚生労働省、中小企業庁、金融庁など、関係省庁の協力のもとに行う予定にしています。

 この結果が年明けぐらいには出ると思います。これを見ると、全企業の状況あるいは問題が出てくるのかなと思われます。

 

○森戸座長

 ありがとうございます。小野委員が最初におっしゃった点についてもう1回確認です。最初に事務局からも説明がありましたが、この統計の一時金・年金という場合の仕分け、退職年金というのは年金給付を有期にせよ、終身にせよやっている制度だというご紹介でした。そうすると、先ほどの小野委員のお話だと、中退共は一時金になっていて、確定拠出年金は全部年金のみの制度に分類されているということでいいのですか。

 もう1点、一時金だけの適格退職年金というのはないのでしょうか。そういうものは一時金というように分類されているのかなど、いろいろ考えたのですが、そのあたり何か基準はあるのですか。

 

○西村企業年金国民年金基金課長

 この統計調査の取り方としてはまず「退職給付制度がありますか」「一時金制度がありますか」「年金制度がありますか」という聞き方をしています。それぞれの定義としては、例えば退職年金制度であれば「労働者の退職後、一定期間又は生涯にわたって一定の金額を年金として支給する制度をいう」ということですので、そういうものがあるかないかを聞いているわけです。

 一方、退職年金制度のある企業の中で、支払い準備形態がどうかということで具体的な制度名をそれぞれ聞いています。その中では、例えば適格退職年金というのは税法上のこういう制度を指すというようなことを指しています。具体的な支払い形態としては、いわゆる企業年金制度であっても、実際に支払われるのは、従業員の選択によって年金だったり一時金だったりするわけです。一応、「退職年金制度がありますか」という聞き方と具体的な制度名を聞いている部分というのは、厳密に言うと内数にはなっていないということだと思います。

 

○森戸座長

 そうですね。一応、別な調査だから、聞き方としてはそこで混乱はしていないということですね。言われてみれば確かにそうです。いずれにしても、この調査に限りませんが、一時金、年金と言う場合の分け方が結構あやふやなときもあるので、これに限りませんが、そこはいろいろなデータを読むときに、私たちとしては注意しなければいけないなといつも思っています。

 小野委員のお話、適格退職年金の話はまた後で出ると思いますので、そこでまた話をしたいと思います。ほかの委員の方、いかがでしょうか。

 

○藤井委員

 今の小野委員のご発言で気付いたのですが、第23表、例えば上段の最後、30人~99人の欄ですけれども、「適格退職年金制度を廃止」が7.1%と書いてある。その左側に「退職金の前払い制度へ移行」とあって、「その他の制度へ移行」はちょっと意味が分かりません。その左側に「退職一時金制度へ移行」とあります。この適格退職年金を見直して退職金へ移行する、あるいは前払いへ移行するというのと、適格退職年金制度を廃止するというのは別なのかどうかがよく分かりません。欄が別なので別のものと考えると、ここで適格退職年金制度は廃止と言っているのは、ただ廃止して、その取り返しとして、退職給付金も前払いも何もないということなのか、それともインクルードされているのか。もし、何もないのであれば合計は相当大きくなる。要するに、いわゆる廃止というのは相当大きい。多分、小野委員のおっしゃっているのはそういう点ではないかという気がします。一時金か、年金かというよりは、たぶんそちらが重要なポイントではないかと思います。

 

○森戸座長

 小野委員に指摘いただいて、私も「なるほど」と思いました。事務局からまた説明いただきますけれども、この欄は適格退職年金制度を廃止というのではなくて、たぶん退職年金制度を廃止したということになるのですよね。適格退職年金自体は、左の方もたぶん廃止ではあるので、やめているという意味ではないのでしょうか。事務局、今の点について、補足はありますでしょうか。

 

○西村企業年金国民年金基金課長

 これは問がこういう問になっていますので、書いた人がどう理解するかというのは、おっしゃるように両方あるのだろうと思います。普通に考えれば、適格退職年金制度を廃止したけれども、ほかの制度を作ったとか、一時金に移行したという場合は左側に書くのでしょう。何もなくした場合は右側に書くようには思います。ただ、そこは、書いた人が厳密にきちんと書いているかどうかは、確かにおっしゃるとおり、分からないところはあるかもしれません。

 

○森戸座長

 いずれにしても、資産は分配しなければいけない。そうすると、退職一時金制度へ移行というのは、何をしていることになるのですか。

 

○藤井委員

 実務上の経験から、これは適格退職年金を廃止して分配することを意味していると思います。歴史的に、適格退職年金というのは、退職金の内訳や移行であったことが多いので、結局、従業員から見れば退職金の一部が適格退職年金を廃止したことによって前払いされたことになり、将来退職する際にはその分を引かれて退職金は支払われる。多分、それが一番多いパターンだと思います。

 

○森戸座長

 将来、逆に割り引いたりするのですか。

 

○藤井委員

 金利まで考えている場合と、そこまで考えずにただ引き算する場合など、そこはいくつか考えられると思います。

 

○森戸座長

 なるほど。いずれにしても、そういうことがなされているのが、おそらくこの退職一時金制度への移行ではないかということですね。確かに、答える方が○を付けているところなので、同じ欄にいる人が本当にみんな同じことをやったかどうかというのは、もちろん完全に100%同じではないかもしれません。ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。

 

○駒村委員

 調査が回答者によってちょっと曖昧な部分があると思います。中企庁と一緒に行われる、全数調査はこういった曖昧さも排除したような形の調査を行っていくのか、その辺の状況を補ってもらいたいと思います。

 

○西村企業年金国民年金基金課長

 先ほど申し上げた調査というのは、現在適格退職年金がまだ3万件ほど残っており、その適格退職年金を有している全事業主に対して調査をかけるという調査であります。調査の内容については、今どうなっているか、どういう予定か、それから、その場合のネックは何かなどを聞く予定で、現在最終調整をしているところです。おそらく、どういった見直し内容を予定しているかという部分については、大体これと同じような聞き方にならざるを得ないのだろうと思います。どれだけ厳密に問を作っても、その区別はなかなかしにくいという感じがしています。

 本日、委員の皆様からのご指摘もあって、確かにその点は少し整理しておかないと、実際に結果を使うときに不便だという認識もいたしました。まだ、質問は最終的にできていませんので、そこは配慮して調査を行うようにしたいと思います。

 

○森戸座長

 駒村委員がご覧になって、今出た話だけでなく、調査において曖昧なところが結構あるのではないでしょうか。もし、具体的にあれば、折角ですからお聞かせください。

 

○駒村委員

 今のところも大いに関心があります。要するに、回答者によって、とらえ方が違うと全然意味が変わってきてしまう。もう1つ、これは曖昧性ではなくて単に確認ですが、第23表だけは「今後の予定は3年」と決めずに、ただ漠然と「今後」ということで、年数も切らずに聞いているということですね。そこだけお聞かせください。

 

○西村企業年金国民年金基金課長

 あと3年で移行が完了するはずなので、3年ということが暗にあるのだろうと思います。

 

○駒村委員

 分析に使うものですから、回答者によってあまりバラつくようなものはなるべく排除しないと、分析に使えなくなってしまうかなという感想です。

 

○森戸座長

 そうですね。ここにいる皆さんは、いろいろな制度があって、かつ給付の形態もいろいろだし、なかなか複雑で、正確に聞いて正確に答えてもらう調査はなかなか難しいというのは、もちろん分かってはいるのです。でも、やはり、なるべく頑張っていただいて、分析に使えるようなデータにしていただければと思います。それはお願いしたいと思います。

 ほかにいかがでしょうか。分析というか、ご感想でもかまいません。最近の傾向を見て、思ったことがあればいただきたいのですが、いかがでしょうか。

 

○小野委員

 本日、ご提示いただいた資料とは直接関係ないかもしれませんが、この調査がリリースされたときに、「大卒の退職金が5年間で400万円ぐらい減りました」という見出し記事で紹介されたようなことがあったかと思います。よく分からないのは、この中で例えば確定拠出年金の給付額というのは、企業にとってみれば、運用リスクを取らないということですので、それをカウントしているのかどうか。あるいは、中退共はどういう扱いになっているか。これも回答者の認識次第かなという面が多いと思うのですが、それにしては減ったなという実感とともに、確定拠出年金とか中退共はどういう意識で内枠としてカウントされているのか、この結果にそれなりに影響しているのかどうかというところが気になって、あの記事を読んだような次第です。感想です。

 

○森戸座長

 いまの退職金が400万円減ったというのも、就労条件総合調査の結果であるというように出ていたということですか。何か、事務局からありますか。

 

○西村企業年金国民年金基金課長

 今回は特に退職年金のところを抽出してご紹介したわけですが、この調査全体の中では退職給付の額も調査をしています。これを見ますと、勤続35年以上の定年退職者の退職給付額というものの調査もあります。これを見ると、大学卒の管理・事務・技術職の退職金額が、最新調査では2,026万円ということで、前回、5年前の調査では2,499万円ということですので、500万円ぐらい減っているという結果が出ています。

 なお、ここで言う退職給付額というのは、退職一時金制度のみの場合は退職一時金額を指し、退職年金制度のみの場合は年金現価額を指す。併用の場合はその両者を合計したものという統計になっています。

 

○森戸座長

 ということは、結局確定拠出年金がどうかとかいうのは分からないのでしょうか。先ほどの繰返しになりますけれども、たぶん、もともと就労条件、労働条件の調査で、退職金を、昔はモデルがいくらというのを比べていればよかったのがまさに確定拠出年金なりが出てきて、調査においてもどうしたら正確にやれるのかがなかなか難しくなっている。ちょっと、そういう印象もあります。ご指摘、ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。

 

○伊藤部長(小島委員代理)

 中小企業の適格退職年金への移行状況については、なかなか進んでいないということを心配しています。今回の数字を見ても、どうやって受け止めたらいいのかと思っています。今、ほかの委員から質問があったことに対する答えなど、自分の中で追いついていないのですが、もしかしたら既に回答があったのかもしれません。

 第22表で、今後3年間の30人~99人で、見直しの方向性なのですが、一時金への移行が28.5%、一方で第23表、適格退職年金があった企業の今後の予定で、退職一時金への移行は0.3%と大きい差があります。これは第22表で言う、今後見直しをしようと思っているところは、選択肢としては一時金への移行を強く思っているが、そのほか、適格退職年金が単にあった企業ということで、見直しをあまり考えていないところを含めてしまうと、一気に退職一時金への移行が選択肢から減っていくものなのか。どう受け止めたらいいのかがよく分かりませんでした。さらには第21表で、今後3年間の退職一時金の支給率の増加率が非常に高く、30人~99人で14.5%、そのほかの企業規模でも10%前後ある。企業年金よりは退職一時金へのシフトという動きが強く出ているのかとも見えました。どのように分析すべきなのか、何か厚生労働省の側でありましたら教えていただければと思います。

 

○森戸座長

 確かに第22表は退職年金制度の見直しなので、適格退職年金には限っていないということなのでしょうが、今後3年間の一番小さいクラスの企業で「一時金へ移行」という企業が結構いる。しかし、適年を今後3年間どうするかという見直しのときに、「退職一時金へ移行」が少ないということです。最初のコメントはそういうことでしたが、事務局からご説明いただけますか。

 

○西村企業年金国民年金基金課長

 事務局がお答えするのはなかなか難しいのですが、伊藤部長がおっしゃったような解釈もできるのかなと思います。逆に言うと、先生方の現場での状況なども踏まえた解釈を教えていただきたいと思います。

 

○森戸座長

 どういうように考えて答えられているのでしょうか。藤井委員、お願いします。

 

○藤井委員

 これは推定ですが、いくつか確かに考えられると思います。おっしゃるように、第23表というのは、何らかの見直しをした又はするということで、見直しの内容がある程度見えている企業の回答である。見直し内容が未定というのはバサッと右端に寄っているということだと思います。ところが、第22表というのは、見直しを行う予定がある企業の内容となっているということが1つある。

 それから、私がこれを見て一番重要な違いだと思ったのは、第22表の「退職年金制度の見直し内容(複数回答)」の大きなカラムの中の左から2つ目、ここを言っておられると思います。ここのポイントは「全部又は一部」の「又は一部」が非常に重要だと思います。これは単に一部のことを言っている可能性が非常に強い。第23表というのは、適格退職年金をどうしますか、行方はどこですかと聞いているわけです。ということは、適格退職年金を全部解約した後の行き先を言っているわけです。ところが、第22表では一部移行と言っている。

 それから、先ほどご指摘があった第21表で、退職一時金の支給率が大きくなっている、増加が結構多い。これは結局、適格退職年金や企業年金の器を取り替えるとき、例えば適格退職年金を確定給付企業年金に持っていきたいのはやまやまだが、いろいろ規制が厳しいということもあって、全部を持っていかずに一部つぶして持っていって、積立てが不十分だった部分に関しては退職金に戻す。一部を退職一時金へ戻すことを指して第22表の回答があり、その結果、退職一時金の支給率が増加する。これも含めると、適格退職年金を廃止及び一部廃止して退職金に戻したということもここで見て取れるので、いよいよ企業年金の普及が縮小する1つの現れですよね。廃止に加えて、一部廃止というのもここから読み取れるということではないかと思います。

 

○森戸座長

 なるほど、ありがとうございます。糸口はよろしいですか。もちろん、藤井委員のご見解ではあるのですが、1つ、ご説明としては、なるほどそういう可能性も大いにあるなという感じがします。聞き方も今藤井委員がおっしゃったように微妙に違いますし、退職年金の見直しというと基金をどうするかということも一緒に考えているでしょう。数字がずれるのは当たり前なのでしょうが、なぜ違うかというと、やはり第23表はもう少し具体的に、適格退職年金の見直しということを聞くと、いくら今後の予定でも未定に付ける人がざっくり見直しを考えていると言うと、第22表ではもうちょっと違うところに付けてしまうというのはあるかもしれないと伺っていて思いました。いずれにしても、第21表で支給が上がっているようなところがありますので、そことの関係も注目すべきかと思います。

 

○小野委員

 いまの点ですが、これは私の解釈だけなのですが、第22表の「全部又は一部を一時金へ移行」という、この一時金の中にはおそらく中退共への移行が含まれているのではないかと思います。それが300人未満になると急に割合が増える。それが適格退職年金(第23表)になると、中退共への移行は別に分けて計上されているので、それ以外の一時金への移行と理解しています。

○森戸座長

 なるほど。第22表は、中退共に移行しようと思っているのが全部入ってしまっているからではないかということですね。確かに第23表は分かれていますので、それもありそうな話ですね。前半は「統計読み方講座」のような感じになってきましたが、細かく読むのは重要ですので、そういう分析を大いにいただきたいと思います。ほかにいかがでしょうか。

 

○野村委員

 折角の機会なので、気がついた疑問を言ってしまおうと思います。第23表なのですが、上の方で「何らかの見直しを実施した企業」、小さい企業ほど大変なので、見直しはなかなか進まないという通説がある中で、ここは目立って、30人~99人が46.6%となっています。むしろその上の層、100人~299人及び300人~999人のあたりが10%ポイント程度少ないというのは、中堅企業ならではの悩みというものもあるのかなという素朴な疑問がありました。 また、先ほど小野委員が言っていらした、確定拠出年金が400万減の退職金に含まれるかという点。これは完全な推測ですが、確定拠出年金についてご理解があれば、やはり一時金と違って手にできないお金、個人型なり何なり入れなさいという話になります。あれだけ一時金で受け取れないのが確定拠出年金の課題とされており、評判の悪さとして認識されている中では、普通に考えるとカウントしないのではないかという推測をしています。

 

○森戸座長

 確定拠出年金の点はそういうご意見、そうではないかということでした。前半の話ですけれども、第23表、「今後の予定」はそうでもないのですが、もう決まっているとか見直ししたというところは、むしろ中堅のところはそれほど動いていなくて、そこに何かあるのではないかということです。

 

○藤井委員

 私が見るところでは、100人未満のところは中退共への移行と廃止が多いということだと思います。それ以外で言うと退職一時金への移行、すなわち先ほど議論があったように、実質的には適年の廃止となる。いわゆる、100人未満の企業の場合には中退共という受け皿があるので、ここでどんと増えている。それから、もう見切ってしまって、適年を廃止してしまうということから合計をすると、何らかの見直しを実施した企業の割合が100人以上のところは、企業が小さくなると実施した企業の割合も小さくなるわけですが、100人未満になると突然に多くなる。要するに中退共への移行及び廃止を見切って実行したということではないかと思います。

 

○森戸座長

 中退共が使えるか、使えないかで差が付いているのではないかということですね。

 

○野村委員

 それもあるし、右から2つ目の列の「適年を廃止」も7.1%となっています。これは企業が小さくなればなるほど大きくなっているわけです。それから、その3つ横、「退職一時金への移行」も実質的には適年の廃止、退職金戻しだと思います。これも企業が小さくなると割合が大きくなっている。企業が小さいと、割合が小さくなるということの逆行をしているわけで、制度廃止が多いということ、この2点だと思います。

 

○森戸座長

 中退共はもちろん、法制度上の枠があるのでそのとおりで、廃止も小さい方が例えば労使交渉が簡単だとか、決めやすいということもあると思っていいのでしょうか。

○野村委員

 これも直感的なのですが、要するに確定給付企業年金、確定拠出年金は敷居が高く、適格退職年金と比べるとやりづらい感じがするのだと思います。だから、小さいところほど、続けられないということで、やめる傾向が明らかに出ていると思います。

 

○森戸座長

 ありがとうございます。

 

○野村委員

 念のための確認ですが、見直しをしたというのには適格退職年金廃止も含まれるという理解ですよね。

 

○森戸座長

 そうですね、見直しというのは廃止とは別なのか、何か新しい制度に組み換えたものを見直しと読んでいるのか。そうすると、廃止は別なのでしょうか。

 

○藤井委員

 そうであれば、見直しの内容が右側ということであれば、中退共への移行、退職一時金への移行、前払いへの移行、この辺でしょうね。だから、退職金への移行というのは実質、年金の世界から見ると廃止にほかならないので廃止ではないでしょうか。それが6.7%と高い。この辺が効いているのではないかと思います。

 

○森戸座長

 よろしいですか、ほかにいかがでしょうか。もしあれば、あとひと方ぐらいいただきたいと思います。

 

○駒村委員

 今のお話をまとめますと、ただ今後の見通しという点では、中小企業は割と見通しを持っておらず、小さい企業ほど「見直し内容が未定」が多くなってきているということは、この速度で順調に行くのではなくて、ここから残っているグループというのはかなり何らかの障害を持っている、やっかいなグループが残っており、要するに、質がやや違うグループが残っているという見方をしてよろしいのですか。

 

○森戸座長

 それはどうでしょうか。あとでもまた議論があると思いますが、簡単にお願いします。

 

 

○西村企業年金国民年金基金課長

 公的に解釈するというものでもないかもしれませんが、いろいろな受託機関の方、ないし企業年金の方々に聞いてみると、残っているグループというのはなかなか難しい、これまでいろいろ考えてきたけれども難しいから残っているとおっしゃるような、障害がある場合もあるし、逆に今までの間、廃止なり、単純に一時金への移行をしなかったということは、企業年金に移行するべくいろいろと検討して悩んでいると見ることもできて、その両方があるような印象がいたします。これまでの間、割とあっさり廃止したところが、言わば単純解約につながっていると理解することもできるのではないかと思います。

   これは実際、今残っているところがどの程度、適格退職年金の廃止ということを意識した上で、なお決断していないのかというように見るかだと思います。私の理解では、ある程度適格退職年金が廃止されること自体は、ずいぶん多くの企業が知っているので、これまで廃止しなかったということは考えているということなのかなと思っています。

 

○森戸座長

 ありがとうございます。それではお願いいたします。

 

○藤井委員

 今の点ですが、第22表を見ると、「退職年金制度の見直し内容(複数回答)」という大きなくくりの中の左から2つ目に「全部又は一部を一時金へ移行」「他の年金制度へ移行」、この辺が非常に多くなっているわけです。ですから、おそらく全部を企業年金に移すというわけではなくて、一部は一時金、要するに企業年金の規模を縮小して退職一時金に一部戻しつつも、全体としては企業年金に移したいと思っているのだろうと思います。ただし、実際どうなるかはわからない。

   なぜ、このように遅いのかについては、私の推定ですが、先ほど述べたように、もともと器を変えるニーズはないわけです。法律が変わったから必要が生じているだけであって、自発的ニーズはないわけですから、早く移すことの意味はないわけです。何かあれば別です。移したほうが何らかのメリットがあるとか特典があるなどという点に着目するとすれば別ですが、そうでなければ慌ててやる必要がそもそも全くないわけです。したがって、ぎりぎりになったからといって、別に何とも思っているわけではないというところが実態だと思います。

 

○森戸座長

 まだご意見はいくらでもありそうですが、時間の関係もありますので次に移りたいと思います。次の議題も今出た話が大いに関係がありますので、またその議論ができると思います。次の議題は「適格退職年金の移行の現状及び対策について」「確定給付企業年金・厚生年金基金制度規制緩和等について」「確定拠出年金に係る税制改正要望について」をまとめて紹介していただき、議論をお願いしたいと思います。まず、事務局から資料の説明をお願いいたします。

 

○西村企業年金国民年金基金課長

 資料2をご覧ください。「適格退職年金の移行の現状及び取組」ということで最新の状況を取りまとめたものです。1頁ですが、この類の数字は以前にもお示ししたことがあるかもしれませんが、一番直近のものにしてあります。2001年に始まった企業年金改革ですが、従来の厚生年金基金と適格退職年金の2つの制度であったものが、いろいろな選択肢が用意されたということで、厚生年金基金について見ると、平成13年度末に1,937基金あったものが、現在厚生年金基金として残っているものは平成20年10月1日の数字で620です。ピーク時に比べるとおよそ3分の1になっておりまして、このうち総合型の厚生年金基金は499と8割方を占めている状況です。

   このほか厚生年金基金については、解散したものが459ですが、最近は解散するものは非常に少なくなっており、一時期の解散の流れは落ち着いているところです。厚生年金基金が確定給付企業年金に移行したもの、いわゆる代行返上をしたものについては869となっております。また、厚生年金基金から確定拠出年金に移行したものは231という状況で、これを見ると、直近の状況では厚生年金基金が480万人、確定給付企業年金が543万人、確定拠出年金に300万人という状況で、拮抗してきているということです。

   2頁は厚生年金基金についての推移ですが、代行返上が認められるようになった時期に加入者数、基金数とも大幅に減少しておりまして、直近の状況では、黄色の部分の総合型が8割を占めるという状況です。総合型というのは、いわゆる中小企業の集まりですので、大企業については厚生年金基金の代行返上を済ませて確定給付金を年金に移行しているものが多く、現在残っている総合型の厚生年金基金は中小企業の制度になっていることが見て取れるところです。

   3頁は適格退職年金の移行状況です。1頁の適格退職年金からの矢印の部分を抜粋したものですが、直近の状況を見ると、左側のとおり、現在3万2,826件という数字です。当初7万3,000件ありましたので、4万件ほど減少しているということですが、なお件数で言うと3万2,000件、加入者数で400万人以上が適格退職年金にカバーされているということです。廃止期限が平成24年3月31日ですので、ちょうど3年半となり、この3年半の間に、いかにスムースに移行を進めるかが政策的にも、個々の企業の課題にもなっているところだと思います。 これはそれぞれの制度の方から見ておりますので先ほどの統計と若干ずれるところがあると思いますが、これまでの移行状況について見ると、厚生年金基金へ移行したものは70ですが、これは第2加算のような形で吸収するものがこれまでもあったし、今後もあるということだろうと思います。確定給付企業年金に約1割、確定拠出年金に約1割、中退共に3割ということで、差し引くと解約などが5割になるということです。したがって、これまで半分が移行を済ませ、半分はまだ残っているわけですが、移行を済ませた半分(約4万件)のうち企業年金に移行したものが2割、中退共が3割、解約が5割という状況です。

   4頁は企業年金制度別の加入者数で、ご覧いただきますと右下がりになっております。企業年金制度の加入者というのは、1人がいくつかの制度に入っている場合は重複してカウントされますので、必ずしもカバー率とイコールではないのですが、単純に積み上げたものがこれです。平成13年度末の企業年金改革が始まったときには12万人という加入者数でしたが、現在は1,700万人まで減少しております。これの主な原因は黄色の部分の「適格退職年金」の減少でして、適格退職年金の解約、企業年金へいかなかった分ということになると思います。また、ピンクの部分が「厚生年金基金」でして、これについては代行返上によって青の「確定給付企業年金」に移行しているものが多くなっているところですが、全体で見ると、青と赤の部分が、いわゆる確定給付型の企業年金ということで、この2つを合わせると、全体の半分以上を占めるという傾向は変わっておりませんし、比率的に言いますと、確定給付型の企業年金の比率は増えているとも言えるかと思います。なお、青の部分が「企業型確定拠出年金」でして、着実に伸びていると言えると思います。

   5頁は新型の確定給付企業年金の側から見た、いわば、どこから移行してきたか(移行もと)を示したものです。総体を見ると、確定給付企業年金が非常に伸びているわけですが、とりわけ、平成19年度は前年度に比べて大きな伸びを示しております。平成20年度はまだ半年分ですのでここには書いておりませんが、半年分で平成19年度分ぐらいの数字が出ているのではないかと思います。後ほど申し上げますが、最近パッケージ型の確定給付企業年金の導入といったものも受託金融機関が勧めていて、残り3年余りとなった適格退職年金の移行の受け皿として、いわば簡易型の確定給付企業年金に移行させるという動きが加速しているところです。

   6頁はその内訳ですが、確定給付企業年金の側から見て、何から移行してきたかの割合です。黄色の部分が「厚生基金からの移行」で、いわゆる代行返上です。当初、代行返上で確定給付企業年金になる割合というのが非常に多かったわけですが、代行返上がだんだん一区切りついてきて、最近はあまり多くなく、どちらかと言うといちばん下のオレンジの「適年からの移行」が多くなっているところです。直近では適年からの移行が7割を占めており、今後もこの傾向が続くだろうと考えられます。

   7頁は確定拠出年金が何から移行してきたかを示したグラフです。統計上の理由から平成17年度以降を取っておりますが、数で見ると順調に増えているということが言えると思います。確定拠出年金の創設について非常に複雑な統計になっているのは、退職金給付制度全体を改革する中で、いろいろな企業年金制度あるいは一時金制度を組み合わせた形で導入する企業が多くなっているので、移行もともいろいろなバリエーションがあります。大ざっぱに見ると、上の水色の「新規」と濃い青の「退職金」の部分と、下のオレンジ、ピンク、黄色とか赤っぽいものと2つに分かれますが、上のものは主に退職一時金からの移行と考えられ、下のものは企業年金からの移行となります。ただ、この新規というのは全く新規に創設したものの他に将来分だけで移行したものもありますし、統計上の都合で新規として出てきているものもありますので、解釈にやや苦しむところではあります。8頁はその割合を示したものです。

   9頁は適格退職年金の移行について、これまで厚生労働省及び関係団体などで取り組んだものについて整理をしたものです。厚生労働省においての取組というのはここに書いてあるような程度のものでして、移行期限まで3年半となりましたし、実際に企業年金などに移行するには受託機関によっては手続に1年半以上かかるということですから、さほど残された期間はありませんので、今後この取組を強化していく必要があるだろうと考えておりますが、これまで取り組んだものとしてはこういったものがあります。

   (1)の賃金・退職金セミナーは地方労働局で行っているものです。「円滑な移行の推進に関する連絡会議」というものを6月に立ち上げまして、これまで2回開催しておりますが、関係省庁一丸となって対応していこうということで、関係団体の商工会議所、経団連、あるいは生命保険協会、信託協会などにも加わっていただいております。先ほどもお話しいたしましたが、この連絡会議においては移行状況ないしは阻害要因などを探るために、適格退職年金を持っている全事業主及び全受託金融機関に対して調査をかけることにしており、これがいろいろな要因を探るとともに、全事業主に対して適格退職年金の移行期限について改めて周知させる効果があるのではないだろうかと期待しているところです。これについての予算は中小企業庁が計上しておりますが、内容については関係省庁共同で進めていくことになっております。 移行先としての企業年金の整備ということで、確定給付企業年金、確定拠出年金それぞれにおいて制度的な対応を行っているところです。確定給付企業年金については次の資料にもありますが、既に適格退職年金の移行を念頭に置いて、制度ができてからは財政規律を強化するとともに給付設計等の規制緩和あるいは財政運営の適時弾力化、ないしは簡易基準の導入などを行い、円滑な移行を進めてきているところですが、今般、なお行えるものについては対応していくということで、各種規制緩和や明確化などを行っております。

   また、確定拠出年金については、現在国会に提出されている共済年金と厚生年金を統合する被用者年金一元化法の中で、運用商品除外の規制緩和や資格喪失年齢の引上げ、自動移換者の強制裁定、中途引き出し要件の緩和などが盛り込まれておりまして、この内容については本企業年金研究会の議論を踏まえて法案の中に盛り込まれているところです。なお、一層の使い勝手を良くするための税制改正要望も行っております。

   10頁は受託金融機関各社における取組です。適格退職年金の移行については、やはり受託金融機関が個別に各事業主と連絡を取って対応していただくという、個別の取組が大変重要になっておりますが、とりわけ、信託銀行及び生命保険会社が多くなっております。零細企業、中小企業については生命保険会社が受託機関になっているものが非常に多くなっておりますので、生命保険会社の取組が期待されるところですが、これまではここに書いてあるようなセミナー、アンケートあるいは経営層を含めた企業への働きかけ、各社内での体制整備といったものを進めていただいていると聞いております。とりわけ、各企業への接触については、中小企業が多いために社長など実権者への接触がなかなか難しい場合もあって、苦労があると聞いているところです。 11頁の上ですが、各社で取組にかなり差があるところもありますが、本部や現場でのそれぞれの取組ということで、適格退職年金の廃止期限を明確にし、移行をしなければいけないことを各社の営業上のかなり上位の課題として設定していただいている企業も多いと聞いております。

   今後の取組ということでは、特にパッケージ型のものあるいは総合型のものということで短期間でも移行できるような簡易なものについての対応が掲げられておりますし、今後のさらなる体制強化といったことも、このあと2年ないし3年という具体的な検討期間に対応するべく、体制強化を行っていこうという考えを聞いております。

   12頁は日本商工会議所の取組です。これについては商工会議所年金教育センターの山田さんがいらしておりますので、必要であれば後ほど補足していただければと思います。全国津々浦々にある商工会議所は、とりわけ中小企業との接触が非常に多いわけですし、年金教育センターも設置いただき、各種広報活動など、あるいは企業年金総合プランナーの研修セミナーなどを進めていただいているところです。また、全国農業協同組合中央会でも取組を行っていただいております。

   今申し上げた適格退職年金への移行を見据えた対応の中で、厚生労働省の対応としては各種企業年金の移行先としての企業年金の整備として規制緩和などを進めているところでして、それが資料3です。「確定給付企業年金・厚生年金基金制度の規制緩和」ですが、特に確定給付型の企業年金の場合は、どうしても財政規律が厳しくなり、一定の積立基準を満たす必要がある、あるいは設計などについて認可が必要であり、適格退職年金からの移行についてはそういった規律が事業主としては気になるところであるわけです。もちろん、適格退職年金を企業年金等に移行する政策は、財政規律を強化し、受給権がきちっと保護されたものに移行するべきであるという考え方から行われたものですので、こういった規律は守っていただく必要があるわけですが、一方で、適格退職年金からの移行のためには必ずしも必要でない規制、あるいはこれまで不明確であったものについては明確にして移行しやすくすることが必要であるという観点から、平成20年度に、ここに書いてあるような規制緩和を行っており、また、今後予定しているものもあります。

   (1)の個別資産管理については前回の企業年金研究会でもご紹介し、議論が行われたところですが、既に省令を施行したところです。給付区分を設けた場合に個別の資産管理を見てみるということで、総合型の厚生年金基金ないし企業年金基金に、適格退職年金から入りやすくするといった狙いがあるもので、積立金をもって総合型に加わった場合、全体の資産状況が悪い場合、いわばその分の借金も背負い込んでしまうということがないように、給付区分がある場合の資産管理を認めることとしたものです。とりわけ、今後個々の中小企業が一つずつ企業年金に移行していくことが困難な場合もあると思いますので、そうした場合にこの総合型で受け止めやすくすることを狙いとしたものです。既に総合型の厚生年金基金において第2加算創設、ないしは併設型の総合型の確定給付企業年金を設けるといった動きも起こっており、私どもとしても企業年金連合会とも連絡を取りながら、そういった状況については十分把握していきたいと思っております。

   (2)は先ほどから述べているような簡易基準のものについてのパッケージ化で、事前にひな形を審査して、これにあっているものについては効率的に審査を行うというものです。受託金融機関ごとにこのようなものを商品として用意しましたが、平成19年度、20年度は非常に利用が多くなっております。

   次頁の(3)は給付設計などの明確化ですが、給付設計についてはこれまで認められるもの、認められないものというのが必ずしも明確でなかったのではないかという指摘を受けているものがありました。また、この際、給付設計としてはっきりと認めることが必要ではないかといったご意見もいただいていたところでして、とりわけ現場からの意見を踏まえて、今般こういった給付設計などの明確化措置に対して、省令ないし通達で対応することを現在調整中です。おそらく11月ぐらいにはまとまって施行されるものになると思います。

   ここに(1)から書いてありますが、これまで認められるか、認められないかがはっきりしなかったもの、例えば給付額に上下限を設けること、職種ごとの算定方法で異なったやり方など、あるいは(7)にあるような15倍以上のポイント格差を認めて基準給与を弾力化することなどといった個々の企業の人事管理の方針、賃金・退職金政策の見直しになるべく対応できるようにということで、労使合意に基づく各企業の判断により、こういったことができるようにするという観点です。また、(9)の給付減額該当の判定基準の明確化については、どのようなものが給付減額に当たるかがはっきり明示されていないことが非常にわかりにくいという指摘を踏まえ、現在このような作業も行っているということです。

   (4)は規約の届出事項の拡大ですが、これまで許認可を必要としたものについて、許認可ではなく届出で済むようにすることで、住所変更など軽微な変更については届け出るようにすること。併せて、添付書類の簡素化の措置を講ずるような省令、通達の改正を考えているところです。これについては既にパブリックコメントを終えて、まもなく省令などが出る予定です。今後、なお3万件ほど残る適格退職年金の多くが企業年金に移行してくる場合に、審査の効率化、迅速化が非常に大きな課題になるところですので、届出事項の拡大、書類の簡素化といったことを行っております。一方、(5)にあるような地方厚生局における審査を迅速化するための数理専門官の配置といったことも行っており、10月までの間に2つの厚生局に既に配置しております。

   (6)の財政運営の弾力化は既に施行済みですが、平成19年度の決算で運用利回りが特に悪かったことから、掛金の引上げなどの措置を講じたものです。(7)は前回もご紹介したと思いますが、(7)以降についてはやや個別の課題への対応になります。これまではっきりとしなかったものについて、こういったものも認めることを政省令などで明確化するという趣旨でして、(6)は障害・遺族給付金の額をどのように計って基準を満たすかどうかを考える際、個人個人で見るのではなく、給付現価全体で見るとしたものです。

   (8)の同意者のみ減額は、同意した者のみ給付減額をするといった規約変更の場合は、同意しない者は給付減額しないわけですので、このようなものについては給付減額扱いはしないという取扱いにするものです。(9)は事業主の死亡などの際に、事業主の同意を得て事業所減少の手続を行うという非常に不思議な仕組になっていたものを直すというものですが、これまで企業年金関係の各団体ないし受託金融機関などから現場での問題として取り上げられているものについて、なるべく対応をしたものということです。

 資料4は確定拠出年金を適格退職年金の受け皿として利用しやすくするという観点もあり、現在、税制改正要望を行っているところでして、これまで企業年金研究会でご議論いただいたものも踏まえて対応を図っているものです。(1)は企業型確定拠出年金のマッチング拠出の導入、(2)は拠出限度額の引上げ、(3)は個人型確定拠出年金の加入対象者の拡大といったもので、これらは平成21年度の税制改正要望の手続の中で強く求めていきたいというものです。○森戸座長 以上、3つの資料に関してご質問、ご意見等をお願いいたします。

 

○藤井委員

 いくつか気になったところがあるのでバラバラと申し上げます。資料2の9頁の「厚生労働省における取組」についてですが、(3)で「移行先としての企業年金の整備」ということで、下側に「確定拠出年金」があって、最初の項目の後ろに「一元化法案」が出ております。これは時折思っているところですが、本件が一元化と何の関係があるのかが全く理解できないわけです。すなわち、一元化法という法の中に、実際上それとは関係のない企業年金に関わるパッケージが盛り込まれているということだと思うのです。一元化法案というのは棚ざらしになっているわけでして、一元化の議論が棚ざらしになることと企業年金に関連する事項が棚ざらしになることが、いかにしてどう関係しているのかは全く理解できないわけです。

   企業年金と公的年金を一体的に議論することは極めて重要なことであって、それそのものがいけないことでは全くないことだと思います。しかし内容的には分割され得るところであって、同時に成立することが理論上必要とされるものではないと考えられることから、なるべく分けて立法するような措置が講じられないものかという気がいたします。そこには強烈なパワーが必要な面もあろうかとは思いますが、重要なポイントではないかという気がします。 また、同じ資料の11頁の今後の取組では、新しい商品の推進といったところで、パッケージ型確定給付企業年金というのが出ております。私も受託機関に属していて、何となく情勢を垣間見るところがあるのですが、少なくとも現状までの間、どんどんうまくいっているほどのことではないのではないか。一部取組はしているということで、もちろん、いろいろな取組をする中では意味のあることですし、有望株である可能性はあると思いますが、その方向でどんどん行っているということでもない面もあるのではないかと思います。

   特に、私の属する会社は信託銀行ですが、先ほど事務局から紹介があったように、お客様には比較的大きい企業が多いということもあるのかもしれませんが、退職給付の仕組は企業による独自性が相当あって、そこにパッケージ的なものを当てはめることはなかなか簡単に進むものでもないということがどうやらあるような気がします。生命保険会社で多く取り扱っている会社の場合には、うまくゆく可能性が高いのかもしれませんが、そうバラ色なものというものでもないような気がいたします。

   規制改革要望について、資料3の1頁で、事務局から説明があったように、適格退職年金と比べて確定給付企業年金などは幾分難しい面があると。もちろん、それは大事にしていかなくてはいけない点ということも言えるわけですが、しかしながら難しい面というのはいくつもあって、設計面の難しさ、財政運営上の難しさ、運用に関しても、直接的ではないにしろ、確定給付企業年金の創設以来、比較的難しめな規律を要請するような風潮があるわけです。そのような厳しめの規律を課する結果、企業年金マーケットが縮小するということが現実に生じているわけですが、それが全体として是認されることかどうか、良い方向に向かっているかどうかという点を議論する必要があるのではないかと思います。

   有名な話ですが、米国の例で言えば、エリサ法ができて規律が高まったが、その結果、企業年金が相当縮小したということで、それが全体として国民の福祉の充実に役立っているのかどうかは非常に疑問なところがあると思うわけです。だからといって、どうでもいいということではないことはもちろんですが、程好い感じとはどのぐらいのことかが重要なポイントだと思います。確定給付企業年金法などの立法のころの議論は、非常に厳しめのものを良しとするという空気があったような感じがするのですが、果たしてそれが本当に良いことかどうかという点で、全体的なバランスというような点の議論が重要ではないかという気がいたします。

   なぜ、それが重要かと言いますと、結局、企業年金が中小企業を含めて全般的に普及するということがなければ、例えば特別法人税の廃止の議論などを考えてみても、一部の大企業が実施している企業年金ということであれば、全く国民的な課題にはならないわけで、やはり広く普及することが何よりも重要なポイントではないかと思うからです。

   1頁に関連して厚生年金基金の第2加算などを用いて、適格年金の移行の受け皿とするという考えももちろんありますし、一部採用され、普及が少し始まっているところということですが、これもそうバラ色にどんどん進むという状況にあるわけではないと思います。

 どうすればうまくいくかはなかなか難しい問題ではありますが、1つの重要なポイントとして私が思う点は、代行部分の中立化です。これは概念上というか、ある程度中立化は達成されているところではありますが、十分とは言えなくて、なお徹底が必要ではないかと感じるところです。中小企業が適格退職年金の金を持ち込むにあたって、安心できるきちっとした仕組というのは非常に重要で、そこに多少とも不安があると、やはりなかなか前に進みにくいのではないかという感じがします。 規約のひな形を施行されたことは非常に良いことだと思います。結局、事務的な世界に落ちることは、ものが普及することと非常に重要な関係があります。1件1件議論をして、1からではないですが、規約作り、要件チェックなどをあれこれ手作りしているということではなかなか進まないわけです。定型的なパッケージ規約が提出されてそれを用いるということは、一見小さなことのようですが、普及促進には非常に重要なポイントだと思います。以上です。

 

○森戸座長

 現状認識に関してはそのとおりの部分があります。結局藤井委員としては、簡単に言うと、現状は程好い範囲を少し越えているのではないかということですね。それはそれだけで議論が1時間ぐらいできる話ですのでご意見として承ることにいたしまして、1点目の一元化法の話については事務局から何かありますか。要するに、既に出てしまったものですから、そこだけ切り離して戻してくれというわけにはいかないでしょうが、いかがですか。

 

○西村企業年金国民年金基金課長

 いわゆる一元化法と総称されているものには公的年金、企業年金関係のいろいろなものが入っておりまして、一元化等に関する法律なのだろうと思いますが、法制的な理由などから1つの法案として提出されているものです。この法案はまだ国会に提出されたままになっているわけですので、今後の国会の動きの中で、仮に解散があったりした場合には廃案になるわけですから、もう1回国会に政府として出し直すときに、どういった整理の仕方をするかはそのときに議論しなければいけないことだろうと思っております。内容的にはここに書いてある企業年金関係のものについて、これまでさほど大きな議論が政治的にあったということではないだろうと思いますので、なるべく早く通していただくような工夫をする必要があると思っております。

 

○森戸座長

 ほかの委員の方から何かあればお願いいたします。資料に関して、あるいは藤井委員が言われたことについてでも構いません。

 

○伊藤部長(小島委員代理)

 1つは宣伝と言いますか、連合も取組をしていますというお話をさせていただきたいと思っていることと、あとは1つ意見と質問があります。厚生労働省や受託の金融機関、日商などの取組を紹介されていますが、労働組合の側としては、元は賃金だとずっと言っているわけですから、例えば適格退職年金がなくなってしまうことなどは見過ごすわけにはいきませんし、半分ぐらいが解約になってしまっているといったことも見えていますので、適格退職年金の移行については連合でも全国の担当者会議を開いたり、NPOの企業年金教育普及ネットワークと連携してセミナーをやったりと、立て続けに組合を通じて会社に対して取組を促すようなことをやっております。また、パンフレットなども作成しておりますし、組合から積極的に事業主を突っついていくということをやり始めています。さらに、これからやらなければいけないと思っているのは、組合の役員から会社へというルートに加えて、組合員1人ひとりのところに「あなたの企業年金はどうなっていますか」ということを意識づけることで、組合員から会社なり、労働組合としては組合の役員に突っついてもらって会社を動かすといったことまでやらないといけないかなというところまで考えているところです。 これは意見ですが、厚生労働省における取組で、移行先としての企業年金の整備ということで確定給付企業年金、確定拠出年金と書かれていますし、賃金・退職金セミナーでも確定給付企業年金、確定拠出年金の説明を実施となっております。最初の議題でも、移行先としては中退共が中小企業については頭の中には強くあるようですので、同じ厚生労働省の世界ですから縦割りにならないように、中退共の説明も必要かと思う上に、やはり中退共にはそれなりの課題があるということも聞いております。短期間の加入者については元本割れを起こすとか制度設計上の問題などがあるようですから、そういったところの見直しなどといったことまで含めても積極的な移行を促すようなことができないものかと思いました。

   あとは質問ですが、規制緩和の関係で給付減額に関することが2カ所出てきていまして、1つは2頁の「給付設計等の明確化(調整中)」の(9)です。先ほど軽く説明していただいたのですが、どのようなものが給付減額に該当するのかがわかりにくいということで、それを明確化するというお話でしたが、現在の受給者の財産権への影響などがあるものなのか、それとも単に経営上の理由とか、手続を踏んだかなどといったことをもっと明確化することで基準自体は変わらないという話なのか。給付減額については訴訟もあるところなので、もう少しご説明いただければと思いました。

   4頁の「同意者のみ減額の廃止等(調整中)」もそうですが、これはたぶん個別同意で同意した人は減額するというのはやめて、あらかじめ選択肢を規約の中に入れておき、その選択肢を選んだ人は給付減額をしてもいいと、その規約改正自体は給付減額という扱いではないので、3分の2の同意ではなく2分の1の同意でいい、そのようなことにしようということかと想像しました。この辺も非常に関心のあるところだと思いますので、現時点で調整中とのことですが、説明していただける範囲でお願いしたいと思います。

 

○森戸座長

 中退共の話はおっしゃるとおりで、退職行政全体として、取組の中にどのように入れるかは別にして、やはり制度全体があることを意識して政策も考えていただければと思います。最後の点の給付減額絡みで調整中とはどのようなことを考えているのかというのを、ちょっとご説明いただけますか。

 

○西村企業年金国民年金基金課長

 中退共の話も少し補足しますと、適格退職年金の移行の受け皿としては、企業年金等ということで中退共も入っているわけでして、最終的には企業がそれぞれの判断で決めます。私どもも関係団体と協力しながら、今後一層普及啓発を図っていくわけですが、その場合に受け皿としての中退共の存在というものもきちっと説明していきたいと思っておりますし、また、別のセクションになりますが、退職金機構のほうでもかなり多くの申請があって、混み合っているような状況でもありますから、体制を充実して対応しているところです。中退共のあり方自体については、別途審議会が立ち上がって検討が始まっているようですので、そちらの議論も必要に応じて参照することになろうかと思います。 給付減額の話ですが、資料の2頁の(3)の(9)に書いてある「給付減額該当の判定基準の明確化」は給付減額の要件を変えるという意図のものでは全くありません。現在企業が潰れそうに大変だとか、いくつかの要件があるわけですが、この要件を変えることによって給付減額をしやすくするという趣旨のものではなく、具体的にこのようなものは給付減額として理解できるかどうかという基準を明確化するだけの趣旨です。

   4頁の同意者のみ減額の廃止について補足的に説明いたしますと、現在給付減額となる規約変更を行う場合には、そもそも規約の変更をしなければ事業が続けられないなどといった場合に、手続を経て規約変更が行われるわけですが、その場合は給付減額となる対象者の3分の2以上の同意が必要となり、同意しない者についても給付減額を行うことが可能になるということです。いわば、給付減額を非同意者についても行うための手続が定められているわけですが、同意者のみを減額するというのは、そもそも非同意者についても給付減額を行うための手続に乗せるという趣旨に合致しませんので、そのような場合については給付減額となる手続、つまり3分の2以上の同意が必要となる手続に乗せる話とは別の取扱いをするということで、ある意味では単に規約変更の手続の整理だとご理解いただければと思っております。

 

○島崎座長代理

 質問があります。運用上、同意者のみ減額ということをやっている実態があるが、給付減額ということとは少し性格が違うから、そこを整理しようという考え方ですか。つまり、1番目は、同意者のみ減額というのは今後とも認めていくということを言っているのですか。

 

○西村企業年金国民年金基金課長

 これまでも同意者のみ減額をするという規約を設ける場合というのもあったわけですし、これからもそのようなものはあり得るわけですが、これまでのものは、いわば給付減額を伴う規約変更の手続に乗せるということで、対象者の3分の2以上の同意とか、そのような手続、要するに手続が強化された形のルートに乗るのではなくて、通常の契約変更の手続をできるようにするということです。

 

○島崎座長代理

 もっと端的に言うと、同意者のみ減額をやりやすくするということと同じだと考えていいのですか。そこはニュートラルですか。

 

○西村企業年金国民年金基金課長

 そこはこれまでも給付減額となる対象者の3分の2以上の同意があった場合には、同意しない人も給付減額をできるようにするというのは、まさに給付減額手続を強化している理由ですので、同意する人について給付減額をするという点については、そういう意味ではこれまでと違いはないということになります。そもそも非同意者について、給付減額をすることを念頭に置いて作られているルールに、同意者についての場合も乗せるということ自体が、整理としておかしかったのではないかという整理です。

 

○下島基金数理室長

 もともと同意者のみ減額の規定があったわけですけれども、運用の実態としては、ほとんどが選択肢を新たに設けて、例えば年金しかない設計のところに一時金を設けると。ただ一時金というのは、給付現価ベースでみますと、元の年金よりも少ないというケースがほとんどです。そういう場合に、果たして減額扱いにして、3分の2同意を得るまでの必要があるのかどうかというのが、もともとの問題としてあったわけです。ここでは2つポツで書いてありますが、実態はほとんど一緒の話だと思っていただいていいと思います。要するに、受給者側が選択して同意して、少ない方を取ったというものを新たに設けるときに、減額扱いしなくてもいいだろうということで、今回同意者のみ減額規定を廃止して、結果的に選択肢を新たに設けて、それが一時金だったり、有期年金だったりして、それが元の年金よりも現価ベースで少ない場合に、選択肢が増えるということは、ある意味受給者にとっては、便利になるという面が強いので、それを減額扱いにしなくてもいいだろうと、そういう扱いにするという趣旨です。

 

○島崎座長代理

 今の室長のご趣旨はわかりましたが、それはそれで意見があるのです。そうすると、先ほど伊藤部長がご質問された、2頁の「給付設計等の明確化」の「給付減額該当の判定基準の明確化」と直接関係がないのかもしれませんが、同じような考え方ですか。

 

○下島基金数理室長

 そういう意味では2頁の(9)というのが、ちょっと特異でして、むしろ4頁の同意者のみ減額に関しては、ある意味規制緩和的な要素があると思うのですが、2頁の(9)は、先ほど課長が申し上げたとおり、基本的な考え方は変えない。つまり、減額というのは何なのかということについては、基本的な考え方は変えないと。今の考え方は、トータルで受取額が減れば減額なのだろうということなので、現価という概念を使うことになっています。現価は通常は掛金の計算上でしか出てこないものなのですが、掛金の計算上は、例えばいま申し上げたような選択肢を設けたときに、一時金を選択した者が発生するであろう、それを見込んで現価を計算するのか。あるいは掛金にはそんなに跳ねないだろうと思えば、見込まずに全部年金で現価を計算して、掛金を計算する。その辺は年金数理人の裁量にもよってくると思います。ですから必ずしも、現価で比べるのですよということであっても、現価というのは何なのですかと言われたときに、今は掛金の計算の現価しかなくて、比べられるような現価というのは実際上ないという問題があります。 選択肢の話は先ほどの同意者のみ減額という話もあるのですが、例えば育児休業の方を加入期間から外すといったときに、期間を外したら、当然将来見込める年金額が少なくなるという話もあるわけですよね。そうすると、育児休業を選択する人はどれぐらい発生するのかとか、それを掛金の計算上見込むのかというような、現価というものを考えたときに、非常に難しい話がいっぱいあります。その辺をどのように整理したらいいのか、明確な規定がないというのが現状なのです。この辺は年金数理人会に相談をして、ある意味訴訟リスクがある話でもあるので、規制緩和ということではなくて、全くそういう意図ではなくて、明確にしていきたいと考えております。

 

○島崎座長代理

 前回ちょうど個別資産管理の議論があったときに意見を申し上げたことと同じなのですが、先ほど藤井委員がおっしゃったように、私もいたずらに受給権保護のハードルを高くすればいいと考えているわけではありません。しかし、設計は弾力化していかなければならないにしても、一旦約束したことはきちんと守るという大原則があることは重要です。藤井委員は先ほど特別法人税の話もされましたが、大企業だけの制度が税制上、税務局を説得する際の1つの障壁になるのは事実であり、税制上の優遇措置を与える以上は、一定の強制なり確実性ということが必要だということも事実だと思います。今申し上げたことを前提として申し上げれば、特に給付減額にかかわることは、企業年金の権利性に直接かかわることであり、慎重に取り扱うべきだと思います。 先ほどのご説明だと、給付減額の判定基準の明確化が、個別の訴訟名は挙げませんが、今訴訟で問題となっているような給付減額の問題に抵触するような話ではなくて、給付減額に該当するかどうか、給付現価というものをどう考えるかということに関するテクニカルな部分の問題であると理解があるというように理解しました。私も、例えば従業員のトータルで給付現価を考えるのか、特定のグループは下がるが、全体としてみると落ちていないといった場合に、給付減額に該当するかどうかという議論は昔からあるのは事実なので、そういうことかなと思っていたのですが、今日のご説明だけだとよく分かりません。いずれにしても、給付減額に関わることは微妙な問題でありますので、ほかの規制緩和と一緒くたにせずに慎重な取扱いが必要なのではないかなと思います。

 

○森戸座長

 この点について、ここに書いてあることだけでは、具体的にどうなるかということは必ずしも分かりません。それをまだ考えていらっしゃるということでもあると思います。私も頭の中でいろいろシミュレーションすると、こういう場合はどうだとか、こういうふうに変わってしまうのではないかと思うこともあるのですが、それはここでするのは時間もないのでやめておきますが、スケジュール的なものといいますか、この給付減額がらみの調整中というのは、いつ頃どのようにやるのか、パブリックコメントのようなものや、何か意見を言う場があるのかなど、教えていただければと思うのですが。

 

○西村企業年金国民年金基金課長

 まず島崎委員のおっしゃったことについてちゃんと答弁しておく必要があると思います。基本的には、今回の見直しの中では、給付減額の要件を緩和するというようなことは考えておりません。これまで以上に今回の見直しの中で、給付減額をしやすくするという趣旨のものでは全くございません。ここははっきりと答弁しておきたいと思います。(3)にあります基準の明確化というのは、テクニカルにどういうものが現価というのかというようなテクニカルな定義の問題でございますし、後ろにある同意者のみ減額の手続の問題というのは、同意者のみを対象としている場合でも、非同意者を巻き込むような手続に乗せるというのは、手続として不合理であろうという観点からの見直しでございますので、ここははっきりと答弁させていただきたいと思います。 座長からありました給付設計等の明確化の部分につきましては、(1)から(8)と(9)は一緒に書いてあるのですが、別のもので、(1)から(8)につきましては、近々パブリックコメントにかけて、早急に施行したいと思っております。(9)については、今議論になりましたようなまさにテクニカルな問題もありますので、現在なお専門家の方々や関係の方とご相談をしておりますので、もう少し先になると思っております。具体的に言うと、パブリックコメントに入る予定がありませんので、またそのときにはご報告をさせていただきたいと思います。

 

○森戸座長

 時間もないのですが、もう1点だけ。4頁の(8)ですが、今の話だと、こちらも、同意者のみ減額をするときに、非同意者を巻き込むのをやめるだけだとおっしゃいましたが、同意者のみ減額は、今は給付減額の範疇に入っているのですよね。それは今後も入ったままにして、しかし非同意者を巻き込まないようにするということなのか、それとも、同意者のみ減額は給付減額の枠から外すということなのか、それはどちらですか。○西村企業年金国民年金基金課長 手続として今回改正を予定しているのは後者です。

 

○森戸座長

 そうすると、先ほど室長がおっしゃったように、そこは規制緩和というか、今まで給付減額だったものがそうでなくなるという意味では、緩和と呼べなくはない部分ではあるということですね。

 

○西村企業年金国民年金基金課長

 そういう意味ではそうかもしれません。

○森戸座長

 そこが重要というか、いままで給付減額だったものが、そうでなくなる部分が出るということは重要かと思います。

 

○藤井委員

 時間もないのですが、私も4頁の(8)の1行目なのですが、後で発言しようかと思っていたのですが、先ほどの会話の中で、大体意味は分かってきましたけれども、この1行目だけを見ると、ほとんどの人は誤解をすると思います。誤解あるいは非常に疑問に思うと思いますので、パブリックコメント等を出される場合に、その辺りでもう少し工夫された表現にしないと、誤解が相当生じるような気がします。

 

○森戸座長

 ありがとうございました。やはり給付減額に関しては、皆さん非常に重視しているということは分かっていただけたと思います。そこは是非きちんとよろしくお願いいたします。他にいかがでしょうか。

 

○野村委員

 時間もないので手短に。確定拠出年金の要望で、一言だけ意見というか感想ですが、前と同じようなワンパッケージで出されているということですが、全部通る限りでない場合は、部分的であっても、理屈の上では全部通すのがたぶん筋なのだろうと理解しているつもりですが、この部分はかなり注目されている改正要望が含まれておりますので、そこは是非柔軟に考えて、部分的であっても成立するものは成立させるというスタンスがいいのではないかと思いました。

 

○高瀬委員

 年金を実際に入れている企業側から、簡単に意見を申し上げます。資料の2の「厚生労働省における取組」で、企業側にとってはこの制度はとても難しいというのが基本的にあります。そこをまず担当者に理解させるということと、それを受ける社員に理解させることが極めて重要で、そのとっかかりになるセミナーをいろいろな立場からやられるということなのですが、特に中小になりますと、担当の方が非常に減ってまいりますので、事務処理も非常に厳しくなりますので、是非しっかりお願いしたいと思います。

 それから(2)のアンケートですが、是非生の声をよく吟味していただいて、そこから規制緩和につながっているものを取り出していただきたいと思います。

 後段の規制緩和と、野村さんがおっしゃった税制改革、これは企業にとっては非常に大事ですので、部分取りでもというご意見がありましたけれども、全部取りもあるぐらいのつもりで、是非取り組んでいただければありがたいと思っております。

 1点だけ念のためにお教えいただきたいのですが、資料2の5頁の「確定給付企業年金制度」の「設立時の移行もとの件数の推移」で、19年度が3,000で、20年度も既に3,000件出てきているというお話があったのですが、後ろのほうに書いてある規制緩和等の対策、あるいは理解活動ですが、何か手答えがあってこういう動きになっているのかどうか、その辺の感触をお教えいただければと思います。

 

○西村企業年金国民年金基金課長

 積み上げて3,000件が出てきているかどうかという集計はされていないのですが、地方厚生局に出てきているような状況を見ますと、大体そのぐらいのペースで今のところ出てきています。いろいろな要因があるのだろうと思いますが、そろそろ切羽詰まってきたから出てきたというのもあるでしょうし、受託機関の方に聞きますと、ひな形を示したパッケージ化というものもかなり効いてきているという理由はあるのだと思います。一番大きいのは、あと3年と迫ってきたということなのではないかと思います。

 

○小野委員

 時間が超過してしまって申し訳ないです。2点だけコメントなのですが、適格退職年金から円滑に移行するためには、今度実施されるアンケートは非常に重要だと思うのですが、先ほどのご指摘のとおり、必ずしも年金制度を廃止するというニーズがそれほど多くないという判断になった場合、計画的に移行するという観点から言うと、適格退職年金が廃止された場合に、一体どういう状況になるのかということを、特に行政当局の立場から言うと、非常に難しいことかもしれませんが、それを明確にして公に出していただくと、なるほどということで、中小企業のオーナーが尻を叩くということもあり得るということは意見としては持っています。

 それからもう1つは、規制緩和の件ですが、正直に申し上げますと、かなり局地戦的な個別事項が多いので、私もついていけないところが結構あります。お願い申し上げたいのは、適格退職年金が廃止されたあとの企業年金の姿を意識されつつ、個別に対応していると、最終的に全体感としておかしくなってしまうようなところも若干出てくると思うので、その辺をこの場でもいいですが、議論していきながら進めていくというのがいいのではないかと思います。

 

○森戸座長

 ありがとうございました。適格退職年金をそのままにしていて時期がきたらどうなるのかという話は前も研究会で出て、あまりそういうのを言うのをやめましょうという感じが当時はあったのですが、そうもいかないだろうという感じがします。だいぶ時期が迫ってきておりますので、その辺も含めて事務局のほうでご検討いただければと思います。

   よろしいでしょうか。重要な話がいろいろありましたので、時間が延長されてしまいました。資料の5、6、7があるのですが、事務局、よろしいですか。

 

○西村企業年金国民年金基金課長

 これはもう既に世の中に出ている資料ですので、お手元に参考までにお配りしたものです。資料の5と6は企業年金における未請求の実態などについて、先般の社会保障審

 

(照会先)

厚生労働省 年金局 企業年金国民年金基金課 企画係

(代表)03-5253-1111(内線3320)