第20回社会保障審議会年金部会(議事録)

日時

令和6年11月15日(金)14:00~16:00

場所

東京都千代田区平河町2-4-2

全国都市会館 3階 第1会議室

出席者

会場出席委員

菊池部会長   出口委員   小野委員   権丈委員   小林委員

駒村委員   是枝委員   佐保委員   島村委員   堀 委員

百瀬委員

オンライン出席委員

たかまつ委員  嵩 委員   永井委員   原 委員   平田委員

議題

(1)被用者保険の適用拡大及び第3号被保険者を念頭に置いたいわゆる「年収の壁」への対応について

(2)脱退一時金について

議事

議事内容

○総務課長 ただいまから、第20回「社会保障審議会年金部会」を開催します。皆様、お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。

 本日は、武田委員、玉木委員は御欠席、嵩委員は遅れての御参加、権丈委員、たかまつ委員は途中退席される御予定です。

 たかまつ委員、嵩委員、永井委員、原委員、平田委員はオンラインでの御参加です。出席委員が3分の1を超えていますので、本日の会議は成立しています。

 続いて、資料の確認です。

 傍聴者の方は、厚生労働省のホームページから資料を御覧ください。

 本日の資料は、議題1について資料1及び参考資料、議題2について資料2を事務局で用意しています。

 また、是枝委員、御欠席の玉木委員から資料の提出がございます。

 事務局からは以上です。

 以降の進行は、菊池部会長にお願いいたします。

○菊池部会長 皆さん、こんにちは。本日も大変お忙しいところ、お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。

 カメラの方は、ここで退室をお願いいたします。

(カメラ退室)

○菊池部会長 それでは、議事に入らせていただきます。

 本日は「被用者保険の適用拡大及び第3号被保険者を念頭に置いたいわゆる『年収の壁』への対応について」、そして「脱退一時金について」、以上2つを議題といたします。

 それでは、まず、議題の1つ目につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。

○年金課長 年金課長でございます。

 私からは、資料1について御説明します。こちら大部な資料になっていますが、これまで提出した資料や議論をまとめたものが多く含まれております。本日は多岐の論点について御議論をお願いする予定で時間の制約もありますので、内容を割愛しながら新しい資料を中心に御説明します。

 早速めくっていただいて2ページは本日お願いする議論です。上の3つはこれまでの経緯で、検討を積み重ねてきましたが、本日は、被用者保険の適用拡大(短時間労働者・個人事業所等)と第3号被保険者制度を念頭に置いたいわゆる「年収の壁」への対応の2点について皆様に御議論をお願いしたいと思っております。

 そこから先の何枚かはこれまで提出させていただいた資料です。

 4ページは、適用拡大のこれまでの経緯で、真ん中辺りの平成24年改正で、そこにある要件を基に始まり、前回の令和2年改正でも拡大が行われました。

 5ページは、短時間の適用拡大の概要で、真ん中辺り、制度が始まったときは5要件でしたが、現在は4要件になっており、さらに企業規模については真ん中の段になりますが、この10月から50人超まで拡大しております。

 6ページは、適用拡大に向けた検討イメージで、一番上にある企業規模要件をどこまで拡大するかという点。それから、下の時間要件あるいは賃金要件についてこれまで御議論いただいています。

 7ページは、個人事業所についての現行の適用状況で、常時5人以上使用する個人事業所については法定で17業種が定められています。

 8ページ以降は、これまで議論いただいた際の主な御意見で、8ページは、適用拡大の意義、あるいは企業規模要件・個人事業所の点についてです。

 9ページは、労働時間要件・賃金要件について、10ページは、学生要件、フリーランス・ギグワーカーへの適用でいただいた意見になります。

 それから新しい資料としては12ページ以降で、医療保険部会における議論をご紹介しています。適用拡大については被用者保険ということで健康保険も関係してきますので、医療保険部会でも並行して議論されています。12ページ以降は、そちらでの意見の状況をまとめたものです。

 年金と違うところがありまして、例えば13ページでは、医療保険に関する課題として、医療保険については、保険集団、保険者の自治というものが年金との違いということで指摘されております。その観点から保険者の財政や運営への影響といったものを考慮すべきという指摘がございます。

 それから14ページは、国民健康保険についてで、年金の場合は国民年金の1つですが、国民健康保険については、市町村国保と国保組合がございまして、そういう国民皆保険における国保の機能に対して与える影響への懸念などが指摘されているところです。今後も年金部会と並行して、医療保険部会においても適用拡大について議論される予定です。

 続いて、17ページ以降は短時間労働者及び個人事業所の適用拡大に関してです。

 17ページは労働時間要件で、まずは現行制度では労働時間で週に20時間が要件となっています。その趣旨や懇談会の議論を整理しています。懇談会では7月3日に意見を取りまとめていただき、9月の年金部会で御報告させていただいた内容を抜粋しています。部会での議論については、これまでの議論を整理した内容になっております。

 同様に、18ページは賃金要件についてで、月額8.8万円、年収で約106万円相当というところについて、制度の趣旨や懇談会、年金部会の議論を整理させていただいております。

 それから、19ページは学生除外要件についてで、同様な形で整理しております。

 20ページは、企業規模要件についてで、現行の50人超まで拡大してきた経緯、懇談会と年金部会の議論を整理しております。

 最後の21ページは個人事業所についてで、常時5人以上を雇っている場合と5人未満の場合や法定17業種について懇談会や年金部会の議論になります。

 ここまでの議論の状況をまとめたのが22ページです。今回の適用範囲の見直しの方向性の案としてお示ししているものです。一番上にあるとおり、懇談会及び年金部会の議論を踏まえて以下のような方向性としてはどうかとしています。

 まず、労働時間要件については、雇用保険が適用の要件を週10時間に引き下げるということもあり、本要件を引き下げることへの意見があった一方で、保険料や事務負担の増加という課題の声もございます。それから雇用保険と異なる事情として、年金と医療については、国保あるいは国年というセーフティーネットが存在しており、被用者保険の「被用者」の線引きの議論と関わってきます。こういったことを踏まえて、最後の行になりますが、雇用保険の施行状況等も慎重に見極めながら検討を行う必要があるとの意見があったことから、今回は本要件を見直さないこととしてはどうかとしております。

 続きまして賃金要件で、こちらは就業調整で「106万円」という数字が意識されていること、それから最低賃金の引上げに伴い時間要件である週20時間を満たせば本要件を満たす地域や事業所が増加していることを踏まえて、本要件についてどう考えるかとしております。

 この点については新しい資料をお出ししており、24ページをご覧下さい。こちらは都道府県別の最低賃金について、一番左の東京都から右の秋田県まで並んでおり、週20時間から30時間就業する非正規職員の方については青い棒グラフで人数を表しています。

この都道府県の並び方は、一番左が今年10月の最低賃金が高い東京都で1,163円。それから、一番右が秋田県で951円というふうに並んでおります。

 もう一本、赤い横線が引いてございますが、これは1,016円というラインで、週20時間労働をした場合、時給1,016円であると、月収で8.8万円つまりは年間106万円に達するラインになります。現在、最低賃金の緑のラインが赤を超えているところが12あって、約213万人いらっしゃいます。これらの地域については、週20時間という要件を超えた時点で既に年収106万円を超えていることになります。

 一方で右側のほうは、まだ緑のラインが下ですので、これの地域については、20時間という適用要件を満たした場合でも年収は106万円に達していない地域になります。最低賃金の上昇のペースが上がっておりまして、この緑側が下にある地域についても、現在のペースであれば、早晩1,016円を超えてくるだろうと考えております。

 そういった状況が見込まれる中で、この106万円要件をどう考えるかということについて、先ほどのページですが記載しております。

 22ページに戻りまして、次に学生除外要件です。こちらについては、懇談会、それから部会の意見を踏まえて、今回は見直さないこととしてはどうかとしております。

 続いて企業規模要件で、これまでも多くの議論がございましたが、経過措置として設けられた本要件については、労働者の勤め先や働き方、企業の雇い方といったものに中立的な制度を構築する観点から、撤廃することとしてはどうかとしております。併せて、これも多くの指摘をいただきましたが、事業所における事務負担や経営への影響、保険者の財政や運営への影響等に留意し、必要な配慮措置や支援策を講じることとしてはどうかとしております。

 ここまでが短時間労働者の各要件についてです。

 続いて個人事業所ですが、こちらは、常時5人以上の従業員を使用する個人事業所の非適用業種については、中立的な制度を構築する観点から、解消することとしてはどうかとしております。併せて、配慮措置や支援措置の必要性については、企業規模要件と同様です。他方で、常時5人未満の従業員を使用する個人事業所については、慎重な検討が必要という御意見もございまして、今回は適用しないこととしてはどうかと結んでいます。

 続いて23ページは、仮にですが企業規模要件を撤廃した場合のイメージです。

 24ページは、先ほど御紹介した106万円要件と最低賃金の関係の資料。

 25ページは、仮に常時5人以上を使用する個人事業所について、法定業種の非適用業種を解消した場合ですが、下にあるとおり全業種について5人以上が適用対象となります。

 それから26ページは、適用拡大に伴って各種の配慮措置・支援措置が必要であるというご指摘に対して検討中の措置の考え方や方向性についてです。

4点ございますが、一つは、準備期間の確保で、施行期日については、十分な準備期間を確保する観点から設定することを検討したいと思っております。併せて、施行期日を待たずに任意包括適用で入ることも考えている事業所もあると思いますので、そこを後押しする支援も考えたいと思っております。

 それから、積極的な周知・広報で、適用拡大の意義、あるいはどういった支援があるかについて積極的な周知・広報を行いたいと思っております。

 それから、事務手続について、企業規模要件の撤廃や個人事業所への拡大になると、中小あるいは個人の事業所が対象となります。とりわけ個人事業所は、フルタイムの方も含めて初めて被用者保険の事務手続を行うことになるので、きめ細やかな支援を検討したいと考えております。

 一番下は、経営に関する支援で、生産性向上や適正な価格転嫁等々の支援について、他省庁とも連携して取り組んでまいりたいと思っております。

 27ページは、財政検証でもお出しした適用拡大の対象者数になります。90万人ベースと一番上にありますが、企業規模要件の撤廃と非適用業種の解消の(A)のところで90万人になり、さらに賃金要件撤廃または最低賃金引上げになると(B)のところも加わって200万人になります。今回の見直しでは、こういったところが視野に入ってくると考えております。

 続いて28ページは、適用拡大を行った場合の将来の所得代替率への影響です。これも財政検証の7月3日の部会に提出したものです。適用拡大のケースによりますが、おおむね1%から数%の範囲で将来の所得代替率が上昇する効果を見込んでいます。つまり、適用拡大を進めると、もちろん新たに加入した御本人の厚生年金が増えることもございますが、それ以外の受給者も含めた全体の年金水準が底上げされる効果があります。

 続いて、複数事業所勤務者に対する適用等です。

 30ページは、現行の年金における適用事務ということで、複数事業所に勤務する方については、主たる事業所を選択していただき、その選択された年金事務所で保険料計算を行って、それぞれ納める仕組みになります。また、保険料計算に当たっては実際の標報で按分する仕組みです。

 31ページは、同じく医療について複数事業所で働く方の適用事務です。基本的な流れは同じですが、年金との違いとしては、選択された医療保険者の保険料率で保険料を計算する点、それから選択された医療保険者が医療費を支払う点です。

 32ページは、30ページと31ページの課題をまとめたもので、特に事業所の負担があるということで3点挙げております。

 まずは個別管理が必要になってくる点です。それから、ほかの事業所において給料が変更された場合に自社にも影響が生じる点もあります。また選択されなかった事業者にとっては、通常はやり取りのない年金事務所あるいは医療保険者とのやり取りが生じるという課題があります。年金機構・医療保険者では一定の事務負担があるという課題があります。

 以上を踏まえた見直しの考え方ですが、現行事務については事業所における事務負担を軽減する観点から見直してはどうかと考えております。具体的にはその下になりますが、現在行っている個別管理をなるべくなくす方法が一つ。それから、管轄する年金事務所あるいは医療保険者とのやり取りのみで完結できるようにするのが基本になります。加えて一番下ですが、現行は被保険者が医療保険者を選択できる仕組みになっており、この仕組みは引き続き存置するという前提で見直しを考えてはどうかとしています。

 そのイメージが33ページで、これは医療保険の保険料の流れに着目したイメージで、左が現行ですが、B社にとっては、A協会けんぽとかB健保といった、斜めの線にある複数のやり取りが発生するところを、見直し後が右側ですが、自分の管轄事務所や組合のみとやり取りすれば完結することで考えたいと思っております。

 34ページ以降が具体的な保険料計算のイメージです。

 細かくなってきますので、詳細は割愛しますが、左側の現行では、それぞれの事業所で報酬月額を合算して定めて按分していますが、見直しはそれぞれ完結するよう、事業所は自社の給料に基づいて保険料を計算します。また保険者については、複数管理という仕組みではなくて合算した形で考えることになります。

 ただ、下段のように、標準報酬の上限に該当する場合には、現行と同様、見直し後も保険料の按分処理が必要となるということで、難しいところは残ることになります。

 35ページは、年金の見直し案のイメージです。

 36ページは、医療でして、これも年金と同じようなやり方になりますが、医療の場合は、保険料率の違いもあり、少し複雑になる要素があります。

 37ページは、参考案として、ここまでの案は医療保険の保険者を選択できる前提でしたが、仮に非選択化とした場合にどうなるのかということで、これは医療保険者の事務負担軽減に重点を置いた案になります。

 ただ、これについても一定の課題があるというところが箱に書いているところでして、こういった点をどう考えるかになります。

 以上をまとめたのが38ページになります。幾つかの見直し案をここまで御紹介してまいりましたが、いずれも課題あるいは論点があります。

 年金制度については、保険者あるいは保険料率が単一なので左のとおりですが、医療保険については、保険者が1,400あり、保険者ごとに料率が違うということで、課題が多くなっています。

 見直し案については、一番下ですが、医療保険についての見直し案は、確かに事業者の事務負担は軽減される一方で、医療保険者にとってはシステム改修等々の負担が生じます。こういった課題をどう考えるのか、それから参考案として37ページで御紹介したような選択しない案をどう考えるのかという論点もございまして、この辺りも御意見をいただければと思います。

 今の複数事業所の関連で、39ページは、労働時間を合算して適用を判断してはどうかという議論です。これも懇談会あるいは年金部会で議論いただいて、39ページの一番下にあるとおり、実務における実行可能性を見極めつつ、検討を進めてまいりました。

ここまで御紹介したとおり、複数事業署勤務の場合には現行制度でも複雑なオペレーションが行われており、この事務の簡素化あるいは効率化を見極めつつ、慎重に検討する必要があることから、引き続きの検討としております。

 40ページは、フリーランスへの適用についてで、こちらも懇談会と年金部会で議論いただいたものです。

 まず前提として、労働基準法上の労働者に該当する方々については、被用者保険の対象になることから確実に適用することになります。その上で、そうでないような働き方をしているフリーランス等の皆様については、現在労働法制の議論が進んでおり、こちらの議論を注視しながら中長期的な課題としての検討とさせていただいております。

 続いて、第3号被保険者「年収の壁」等々への対応です。

 42ページは「年収の壁」への対応の考え方で、これは昨年9月に出させていただいた資料です。いわゆる「106万円の壁」、「130万円の壁」とそれぞれ指摘されていますが、「106万円の壁」については、保険料負担による本人の手取り収入減をどうするかが検討の出発点になります。一方で「130万円の壁」については、第3号被保険者制度そのものに関連してくるものです。

 これを踏まえて、43ページ、44ページのような形で、昨年9月に資料をお出ししており、この問題の論点としては、負担についての公平性、あるいは労使折半原則との整合性、他の被保険者との公平性といった点について議論をお願いしました。

 そこでいただいた御意見を、45ページから48ページまで4ページにまとめておりまして、こういった御意見を踏まえて、今回私どもで考えた案が49ページになります。

就業調整に対応した保険料負担割合を変更できる特例としておりまして、いわゆる「106万円の壁」への制度的対応として考えられる仕組みとしてお示ししております。

 現行の社会保険制度では、原則として保険料は労使折半ですが、健康保険では、事業主と被保険者が合意の上で、負担割合を変更できる仕組みがあります。他方で現行の厚生年金にはこういう仕組みはございません。

そこで保険料負担の発生、あるいは手取り収入の減少を回避するために就業調整を行う層を念頭に置きまして、この健保組合の特例を参考に、厚生年金でも事業主の方が保険料を多めに負担できる仕組みを導入し、これを利用した場合には被保険者の保険料負担が軽減され、手取り収入の減少を軽減するものです。任意ではありますが、こういった仕組みを特例として設けてはどうか、というものです。

 他方で、特例を導入する場合にも論点がありして、これは先ほど御紹介した論点とも共通しますが、労使折半原則であることとの整合性や、特例という形にする場合に、どういう位置づけにするのか。対象者をどうするのか。それから、ボーナス等も対象にするのか。他の制度との整合性等々の整理を行う必要がありまして、この点は先生方の御意見をいただきたいと考えております。

 それから、年収の壁の問題へのもう一つの制度的対応としては、50ページの最低賃金との関係からいわゆる「年収の壁」として意識されている106万円の賃金要件をどう考えるかという点になります。

 続きまして、第3号被保険者制度について、51ページ以降になります。

 52ページは、今年5月に提出させていただいて、これを基に御議論いただきました。

 昨年及び今年の議論を踏まえて、53ページから57ページまで様々な御意見について私どもの責任でまとめさせていただいたものです。

 これを踏まえてさらに整理したものが59ページ以降です。

 まず59ページで、委員の皆様でおおむね意見が一致している事項としては、まずは被用者保険の適用拡大を進めることで、第3号制度の縮小・見直しに向けたステップを踏んでいくことと考えております。

 続いて、様々な意見や御指摘があった部分の御紹介になりますが、①では、女性を取り巻く環境の変化を踏まえた在り方に対するご指摘でして、人々の働き方や暮らし方、家族の在り方などが大きく変化する中で、被扶養者への特別な措置が社会の実態に合っていないのではないか。不公平感の解消、社会の担い手の拡大という観点からの見直しについて御意見をいただいております。加えて、その下ですが、見直しには時間がかかるということで、その先のステップ、将来の姿を明確にしてはどうかという御意見もいただいております。それから、適用拡大を進める点はおおむね一致しているとした場合に、そのさらに先に残る第3号被保険者はどういう方なのか、その方の生活実態等々の分析が必要ではないかという御意見もいただいております。

 その下は、第3号被保険者の機能に対する指摘で、多様な属性を持つことから所得保障としての機能をどう考えるか。見直しによって新たな負担を求める場合には、保険料の免除等々の低年金を招く可能性、高齢期の貧困防止の観点が必要であるという指摘です。

その下も同じで、公的年金制度が持つ所得保障としての機能を後退させてはならないという御意見もいただいています。さらにその下、社会保険のあるべき姿は応能負担の原則であって、第3号制度はこの原則に基づくものであること、それから、第3号被保険者制度については、配偶者が負担した保険料は共同負担という規定もあります。こういう基本的な認識と制度設計との関わりや影響を考慮すべきという意見もいただいております。

 60ページは、見直しを検討する際には、幾つか配慮が必要な方がいるという点についてまとめておりまして、育児や介護、病気など働くことが難しい方への対応をどう考えるのか。そういった労働時間の制約を受けるような方に対象者を限定する、あるいは若い世代から見直してはどうかという御意見です。他方では、こういった配慮が必要な人を見極めるのは難しいのではないのか、年金制度外で支援すべきではないかという御意見。その下では、何らかの配慮をする場合に、そういったニーズは第1号被保険者の方でもありますので、そことのバランスをどう考えるのかという御意見もございました。

 それから、実務的な課題は④として、今、人数が700万人弱いらっしゃいますが、第3号被保険者の方に保険料をお願いする場合の政策的実現性や実務的な対応の方法についてのご指摘です。それから、一番下では、健康保険との整合性の配慮が必要、あるいは財政影響の検討が必要ではないか、といった指摘もいただいています。

 それを踏まえて、61ページでは、本日の論点として皆様に御意見を頂戴したいところをまとめています。上が現状でして、対象者が趨勢的に減少傾向にある中で、まずは適用拡大を進めて縮小を進めていくことについては、おおむね一致していると受け止めています。

 こうしたことも踏まえて、前半に御紹介したように、さらなる適用拡大や「年収の壁」への対応策について御議論をお願いしております。

実態として多様な方がいらっしゃり、育児、介護、病気、けが、こうした様々な方が混在する状況について多くの指摘をいただいたところでして、こういった状況の中で適用拡大を進めた上でなお残る第3号被保険者の皆様はどういった方なのかについて分析が必要という御意見もございました。

 一番下は、論点ですが、これまで被用者保険の適用拡大を進めてきており、今回のさらなる適用拡大、あるいは「年収の壁」への対応によって、制度がさらに縮小の方向に向かっていくこととなりますが、それでもなお残る第3号被保険者についての制度の在り方や今後のステップをどのように考えるかについて御意見を頂戴したいと思っております。

 駆け足で恐縮です。私の説明は以上になります。

○菊池部会長 ありがとうございました。

 それでは、御説明いただきました議題1の諸事項につきまして、御意見、御質問などをいただければと思います。

 なお、たかまつ委員が所用により途中退席の御予定ですので、よろしければオンラインから最初に御発言いただければと思いますが、いかがでしょうか。何なら、議題2につきましても、まとめてでも結構でございます。

○たかまつ委員 よろしくお願いします。たかまつななです。オンラインで失礼いたします。

 では、私のほうから、すみません。途中退席させてもらいますので、先に発言させていただきます。

 まず、就業調整に対応した保険料負担割合を変更できる特例の検討の視点についてなのですが、私はこちらは反対です。「年収の壁」の中で働いたほうがお得だという考え方が就業調整にこれまでつながってきたと思いますが、今、そのような考えを見つめ直す契機になっていると思うからです。

 そうした壁があることで、女性の社会進出を抑制してきてしまった。さらには、将来の女性の低年金や高齢女性の貧困にもつながってきていることなどからも、壁を越えて働いて厚生年金に加入することで将来の年金を増やすことが将来的に自分にとってもお得になり安心にもつながるという理解や、本来の制度趣旨からは誤ったメッセージを発してしまうことにつながってしまうと思います。政府が出す施策にはどんな将来をつくっていくのかというメッセージが含まれると思いますが、これは壁の中で就業調整することが得だという考えに寄り添う形になり、誤ったメッセージになってしまうと思います。

 この特例ができてしまった場合、今度はその特例を維持しよう、この特例の上限金額を上げようとなり、これが新たな壁となり、その中で就業調整すると男女の賃金格差が改善されないことを私は懸念しています。

 続いて、短時間労働者及び個人事業所の被用者保険の適用範囲の見直しの方向性の案について、こちらは私はおおむね賛成です。個人事業所の5人未満は適用しないことについては、適用しているところよりは後れを取ってしまい、人材獲得など不利になって、結果、苦しくなってしまうことは懸念いたしますが、事務負担が増えることも確かだと思うので、こちらについても賛同いたします。

 続いて、複数事業所での適用に関する現行の事務手続の見直しについては、見直しによって改善されるものの、これでも難しいと思います。フリーランスや副業など、多様な働き方が増える中で、社会保険制度が足かせとなり、その流れを抑制してしまっている問題があります。副業を推進している会社でも、雇用という形だと社会保険の管理が難しいから、雇用されるのは禁止で、業務委託契約でしか受けてはいけない会社があります。今回見直してもそのような実態が解消されないのではないかと危惧しています。

 続いて、第3号被保険者について、私はこちらは条件つきで第3号を廃止するべきだと考えています。本人が保険料を負担することなく受給を得られる第3号制度は、女性の勤労意欲をそぐことにつながると思います。労働力不足が叫ばれる中で、専業主婦を前提とする第3号制度は今の時代には整合しません。第3号制度は女性の社会進出を阻害しており、廃止すべきです。第3号制度を廃止することで女性の就労意欲が向上し、女性の社会進出が進みます。女性の経済的自立が進むことで生涯所得の増加も期待できるため、高齢女性の貧困対策にもつながります。

 東京くらし方会議の資料によれば、出産に伴って退職した人、出産後育業し元の職場に戻った人。その生涯世帯収入の差は1.9億円あるとされています。このように、第3号制度は女性の経済的自立を阻んでいると思います。そもそも、第3号の制度は働かない配偶者保険料において優遇する制度です。しかし、家事・育児・介護の負担を負うのは専業主婦ばかりではありません。シングルマザーに限られませんが、一人親家庭において、その親は働きながら自分1人で子供を育てています。その場合、当然、その親は第1号または第2号の被保険者です。一人親が日々の労働と家事・育児を両立しているのに対し、第2号被保険者の配偶者である専業主婦のみが保険料に優遇を受ける第3号制度は不公平だと考えています。第3号制度を廃止して、第2号制度の適用を拡大するべきだと私は考えています。

 ただ、第3号制度を廃止する上で、働きたくても育児・介護により十分に働くことができない人への配慮は必要だと思います。今の日本社会で仕事と育児や介護を両立することは困難です。そのため、育児や介護に携わる人に対する給付や支援を別途考える必要があります。したがって、第3号廃止と引き換えに、充実した支援策を手当てすることが求められます。時間軸としては、次期制度改正で実現するのがよいと考えています。そして、それに当たり、第1号、第2号、第3号を含めた中で、困っている人に寄り添えるような支援とは何が考えられるかを議論し実施していくことが必要だと思います。

 そして、学生の特例制度について考えていただきたいというお願いです。短時間の適用拡大では学生が除外されていますが、適用拡大のみならず、学生については、年金の加入開始年齢を大学卒業後、23歳ぐらいにすることや、保険料を免除する、週30時間という時間をさらに引き上げることなどを検討してもいいと思います。

 たくさん働きながらではないと学費を払えない社会自体がそもそもおかしいので、教育無償化や奨学金などをより充実させる議論を先行するべきだとは思いますが、生活費などを稼ぐためにもたくさん働いている学生が社会保険料を働いたアルバイト代からたくさん引かれるのは苦しい現状があると思うので、どこで線引きするのか、学生は特例を設けるなどをしてもいいのではないかと考えています。

 是枝委員の提出資料にある、学生に対する健康保険の扶養基準の180万円の引上げについても賛同いたします。

 途中で抜ける関係で、脱退一時金についても少しお話しさせていただければと思います。

 脱退一時金についてはおおむね賛成です。外国人労働者の方が増える中で、より多くの人が日本で住みやすいような制度設計にする必要があると思います。脱退一時金を受けるか、将来、また日本に住んで老齢年金を受け取るか、悩まれる方も多いと思うので、そこをもっと柔軟にできる制度があればさらによいと思うので、御検討をお願いします。

 また、社会保障協定の適用国を増やしていくと、さらに多くの国の労働者の方が日本で働きやすいと考えているので、そこも御尽力をお願いいたします。

 以上になります。

○菊池部会長 ありがとうございました。

 それでは、一旦、会場に戻らせていただきます。会場から御参加の委員から。

 では、是枝委員からお願いします。

○是枝委員 私からは、適用拡大として「年収の壁」のうち、被扶養配偶者、そして、学生の3点について意見を述べさせていただきます。

 まず、適用拡大についてです。これまで議論してきたとおり、企業規模要件の撤廃、5人以上の個人事業所の非適用業種の撤廃に賛成いたします。また、学生除外要件を見直さないことについても賛成です。

 時間要件については、今回の見直しが困難だとしても、次の2030年改正までに、10時間以上まで拡大するための方法論を確立すべきであることを今回の年金部会の議論の取りまとめにぜひ盛り込んでいただきたいと思っております。

 賃金要件についてですが、来年か再来年には全ての都道府県において最低賃金で、週20時間働くことで8.8万円を満たすことが予想される状況にあります。しかし、最低賃金の例外が適用される者がいることにも留意が必要です。障害により著しく労働能力が低い従業員などは、都道府県労働局長の許可を得て、最低賃金を減額することができ、就労継続支援A型事業所などでは実際に最低賃金の例外が適用されている方もいます。賃金要件を撤廃する際には、障害者雇用などへの影響についても御留意願います。

 複数事業所に適用される者の扱いについてですが、私は、保険者の事務負担を大きく軽減できる点で、資料1の38ページにある見直し案よりも参考案のほうが望ましいと思います。参考案では被保険者が保険料を選択する自由がなくなることになりますが、それぞれの勤め先で他の被保険者と同じ保険料率を支払うだけのことであり、むしろ、そのほうが他の勤務者との保険料負担との公平性が保てて、よいのではないかと私は思います。また、保険者にとっても2以上事業所に適用されるものはごくわずかな人数ですので、保険料率が異なることによる財政影響は保険財政に軽微な影響しか与えないと考えております。

 続いて「年収の壁」への対応について、まず、被扶養配偶者について述べます。

 これまで述べてきたとおり、手取りの逆転現象による働き控えを防ぐためには、賃金や労働時間にかかわらず被用者保険を適用することが必要だということの意見に変わりはありません。まずは20時間以上の適用拡大を行い、本人の社会保険料負担が重く、給付も増えない130万円の高い壁に直面する人を極力減らすことが必要です。

 その上で、扶養の範囲の上限収入である原則130万円の金額については、少なくとも企業規模要件の撤廃が完全施行されるまでは引き上げてはならないと思います。この130万円の上限を拡大すると、従業員50人以下の企業に対し、社会保険に加入せずに被扶養配偶者を働かせることのできる年収を事実上広げてしまうことになり、それは社会保険加入時の企業負担の社会保険料の一時的なショックをより大きくしてしまい、適用拡大を困難にさせてしまいます。

 次に、学生について意見を述べます。お配りした「学生に対する『年収の壁』への対応についての意見」という資料を御覧ください。

 学生は、健保において130万円の壁が存在します。どちらかというと、年金部会というより医療保険部会の議題になるかとは思いますが、年金にも少しは関係いたします。

 現状、約61万人の学生が、税制上の扶養基準である103万円、または健康保険の扶養基準である130万円を意識して就業調整を行っていると見込まれます。このため、学生の就業調整の解消及び企業の人手不足緩和の観点から、これらの基準を180万円まで引き上げてはどうかと考えています。

 今、税制において、特定扶養控除の対象年収の上限が見直される可能性が高まっております。特定扶養控除の上限年収が大幅に引き上げられた場合、今度は健康保険の扶養基準の130万円が学生の就業制約の大きな要因になってきます。そうなった際には、思い切って健康保険の扶養基準についても130万円から180万円まで引き上げてはどうかと考えております。130万円の基準が制定された当時から大学の授業料は30%から40%ほど上がっており、学生にとって学費負担という特別の費用が発生することを鑑みると、学生についてのみ基準を引き上げる理由は十分にあると考えております。

 現行制度では、健康保険及び厚生年金の被扶養者となる上限年収について、60歳以上及び障害者の場合は、特別の事情を勘案して、一般の130万円未満より高い180万円未満の基準が適用されていますので、学生についても同様に、180万円未満の基準を適用することは社会保険の理屈にも反しないと考えております。

 税・社会保険の扶養基準を180万円まで引き上げたときの労働供給の増加や経済効果の試算結果は、資料に記載したとおりでございます。

 学生の税・社会保険の扶養基準の引上げは、政府の税収をほぼ減らすことなく、学生のいる世帯の所得増加、企業の人手不足の緩和、消費の活性化という大きなメリットをもたらす施策だと思います。学生の扶養基準180万円の引上げにつき、ぜひ、経団連、日商、連合、UAゼンセンからも御意見をいただければ幸いです。

 私からは以上です。

○菊池部会長 ありがとうございます。

 ほかの委員からはいかがでしょうか。

 それでは、百瀬委員、お願いします。

○百瀬委員 私からは被用者保険の適用拡大について意見を述べたいと思います。

 まず、賃金要件を撤廃する案に賛成いたします。最低賃金の動向を踏まえれば、週20時間労働で月額8.8万円を基本的には満たすことになりますので、賃金要件を残す必要性は減少しています。

 一方で、是枝委員も指摘したように、最低賃金には減額特例がございます。この特例を受けている方で週20時間労働の方がいらっしゃった場合は、月額6万円とか7万円の賃金になります。もし賃金要件が撤廃された場合は、この方も厚生年金に適用されます。そして、標準報酬月額の下限が8.8万円ですので、労使合わせて8.8万円の18.3%の保険料を支払います。つまり、実際の賃金に比べて、労使ともに相対的に高い保険料を払うことになります。このようなケースは非常に少ないとは思いますが、どう対応するのかを詰めておく必要があると思います。

 もう一つ、お願いがございます。賃金要件や企業規模要件が撤廃された後の世界では労働時間要件で適用を判断することになります。この労働時間要件は、実際の労働時間ではなくて、雇用契約上の所定労働時間になっています。例えば雇用契約上、労働時間が週19時間であれば、業務の都合によって週20時間以上働いていたとしても被用者保険には適用されません。ただし、実際の労働時間が2か月連続で週20時間以上になった場合、かつ引き続き同様の状態が見込まれる場合は、被用者保険の被保険者資格を取得するというルールになっております。もし、このルールが徹底されているのであれば、適用を逃れるために雇用契約上、週19時間にして、実際には週20時間以上働いてもらうという抜け道を防ぐことができます。

 一方で、私が気になるのが、このルールが実際、実務上どこまで徹底されているのかです。通常の事業主であれば、所定労働時間と実際の労働時間のずれが恒常的になれば、雇用契約を見直して適用の手続を取るはずです。万が一、事業主が意図的に、あるいは何らかの理由でこの手続を怠っていたとしても、年金機構が事業所調査を行った際に適切な適用を指導しているとは思います。しかし、今回提案の見直しが行われた場合、今まで以上に労働時間要件の重要性が高まります。そのため、所定労働時間が20時間未満でも、実際の労働時間が恒常的に20時間以上になっている方が被用者保険に適切に適用されているのか、その実態を確認していただきたいと思います。

 次に、適用拡大の効果について意見を述べさせてください。資料1の27ページを御覧ください。

 今回、マル2の適用拡大が一つの方向性だと思いますが、200万人が適用拡大の対象者になると推計されています。その中で、第3号から第2号に移る人は90万人で半数以下です。ところが、メディアを見ていますと、第3号から第2号に移動する人しかいないのではないかという印象を受けるほど、第3号から第2号になる人ばかり注目されています。実際には第1号や非加入から第2号になる方も多いわけです。特に第1号から第2号に移動する場合、厚生年金と健康保険の保険料負担は生じますが、国民年金保険料と国民健康保険の保険料負担がなくなります。その人の賃金によっては差し引きで、本人の保険料負担はむしろ減る、あるいは若干の増加にとどまります。その一方で、老後、障害、死亡、それから、病気や出産の休業時の保障が手厚くなります。

 もちろん、適用拡大の規模によっては国保に及ぼす影響が大きくなることには留意が必要です。しかし、適用拡大によって第1号から第2号になるケースが多いはこともっと強調すべきだと思っています。特に第1号中心だった方の老後の年金額が低いこと、初診日に第1号だった場合は障害基礎年金のみになってしまうことなど、被用者であるにもかかわらず第1号であることの問題点は年金部会でも何度も指摘されてきました。第1号から第2号に移ればこれらの問題の解消につながります。適用拡大によって被用者にふさわしい保障の実現をしていただきたいと思います。

 最後に、保険料負担割合を変更できる特例についてです。この特例については若干の疑問があります。この特例を実施した場合、常識的に考えれば、事業主負担割合を増やせるのは大企業になると思います。そうなると、同じ賃金の労働者でも、大企業だと本人の保険料負担が軽くなって、中小企業だと本人の負担は軽くならないという格差が生まれます。既に健康保険ではそのような状態も存在するわけですけれども、これを年金にまで広げることには若干の疑問を持っています。

 もう一つ、学生に関する是枝委員の提案について少し意見を述べたいと思います。私自身、大学教員をしている立場から言います。

 もちろん、学費を払うために、たくさん働かなければいけない学生がいるのは重々承知しています。ただし、180万円まで稼ぎやすくすることが本当に学生にとって良いことなのか、学生の学ぶ機会を失わせることになってしまうのではないかということを懸念しております。

 以上です。

○菊池部会長 ありがとうございます。

それでは、小野委員、お手を挙げておられました。

○小野委員 ありがとうございます。

 短時間労働者及び個人事業所の被用者保険の適用範囲の見直しの方向性案については、おおむね賛成です。

 労働時間要件なのですけれども、現在の20時間という要件は、最低賃金と相まって、賃金水準に連動する国民年金保険料との間で非常に微妙なバランスが取れていると思います。仮に労働時間要件を引き下げることになりますと、第2号から第1号になった短時間労働者は、保険料が上昇する上に、2階部分の給付を獲得できない不満を抱くことになるのではないかと思います。これは好ましくないのではないかと思います。

 賃金要件につきましては、既に御指摘がありましたとおり、今回の制度改正の施行が見込まれる時期にはほとんど無意味となるでしょうから、撤廃でよいのではないかと思っております。

 個人事業所に関しては、今回、5人以上とすることが現実的かと思いますが、被扶養認定基準を上回る収入によって第3号が第1号になる事態は好ましくないので、早い段階で人数要件が撤廃され、該当者が少なくなることを期待します。

 また一方で、今回の適用拡大が実現した場合には様々な業種が対象となります。詳しくはないのですけれども、実務に当たる日本年金機構にとって、事業所の特定や適用等、業務の遂行上障害があるのであれば対処していただきたいと思います。

 それから、複数事業所勤務者に対する被用者保険の適用に関しては、事情は理解しましたという程度です。

 収入調整に対応した保険料負担を変更できる特例については、検討を進めていただければよいと思いますけれども、医療保険というか、健康保険組合の場合には健保組合の規約があるのだろうと思いますが、厚生年金の場合には会社固有の規約には多分ならないのではないかと思いますが、それを労使関係によってどういう形で実現していくかについては、少し興味といいますか、問題点があるのではないかと思います。

 それで、第3号被保険者の在り方については、私からは制度存置の立場から意見を申し上げます。

 私の推測にもなるのですけれども、基礎年金の導入によりまして女性の年金権を確立した1985年改正はすばらしい改正であったと思います。しかしながら、約20年後の2004年改正に取り組んだ方々にとっては、当時から2階部分の年金分割を導入してほしかったということが本音だったと思います。結果として、基礎年金拠出金の仕組みを通じて、当局は第3号の給付原資は第2号の保険料に求められるという説明をせざるを得ませんでした。

 それで、同時期に成立した男女雇用機会均等法は、まずは実質的には性別を職種に読み替えただけに等しいような人事からスタートしていた企業も多くて、結果として、性別役割分担や男女の処遇格差の解消は進まずに、第3号被保険者はしばらく減りませんでした。こうしたことを背景に、第3号に対する批判が強くなったのだろうと認識しております。

 いわゆる「女性と年金研究会」というのは、こうした状況の中で議論されまして、私の解釈では、公正性の尺度は様々であることが確認されたということなのだろうと思います。その意味で、これを受けて離婚分割によって共同負担という概念を導入しまして、一人当たりの収入が同じなら同じ水準の給付を提供するという現在の年金局の説明は最も適切な選択肢だったと思います。

 仮に第3号被保険者制度を廃止して第1号にすることは、社会保障としては好ましくない応益負担の範囲を広げることにもなります。その上で、同じ世帯収入でも、第2号同士に比べて、第2号と第3号の夫婦は同じ給付を得るのに国民年金保険料を余計に払わなければいけないことになりまして、これは応能負担の原則にも反することになります。

 以前は実現可能性の点からコメントしましたけれども、こうした設計の原則が重要だと思いますので、改めてコメントさせていただきました。

 以上です。

○菊池部会長 ありがとうございます。

 お手を挙げておられたのは、私の認識では、佐保委員、出口委員、駒村委員の順番でお願いしたいと思いますので、まず、佐保委員から。

 権丈委員、早めに発言されますか。

○権丈委員 大丈夫です。

○菊池部会長 いいですか。では、お時間が間に合う範囲で。

 では、佐保委員、お願いします。

○佐保委員 ありがとうございます。

 連合は、雇用形態、勤務先の企業規模や業種によって被用者保険の適用の有無が変わる現行制度は不合理であると考えております。その上で、4点発言したいと思います。

 1点目は、被用者保険の適用拡大についてです。短時間労働者に係る賃金要件は、24ページの図でも示されておりますが、最低賃金が引き上げられていることも踏まえ、今回は撤廃すべきと考えております。また、企業規模要件の撤廃についても賛同いたします。

 2点目は、個人事業所に係る適用範囲についてです。5人以上の非適用業種を適用拡大する方向性が示された一方、5人未満の個人事業所は適用外を維持する案となっております。この間、発言しているとおり、5人未満の個人事業所への適用もすべきと考えております。

 3点目は、適用拡大に係る配慮措置、支援策についてです。具体的に、準備期間の確保、積極的な周知・広報、事務手続に関する支援、経営に関する支援などを示されております。中小企業や個人事業主の負担軽減のための方策と併せて、労務費を含む価格転嫁を推進すべきと考えます。

 4点目は、第3号被保険者についてです。働き方やライフスタイルが多様化する中で、配偶者の働き方などにより第3号被保険者に該当するかが決まる現行制度は中立的な社会保険制度とは言えないと考えます。また、制度上の男女差はないものの、現状は第3号被保険者の大半を女性が占めていることから、女性のキャリア形成を阻害し、男女間賃金格差を生む原因の一つと指摘されてもいます。社会保険の原理原則や給付と負担の関係性も踏まえ、第3号被保険者制度は将来的に廃止すべきであり、そのことを方向性として、今回、きちんと示すべきです。なお、廃止に当たっては、現在、第3号被保険者が一定数いることを踏まえ、段階的・経過的な措置の検討が必要と考えます。

 最後に、先ほど是枝委員から発言を求められた件、学生の件ですが、連合としては全ての子供の教育に関わる費用の無償化を政策として掲げております。当然、大学や専門学校においても学費の無償化を掲げているということで御理解いただければと思います。

 私からは以上です。

○菊池部会長 ありがとうございます。

 出口委員、お願いします。

○出口委員 ありがとうございます。私からは3点申し上げたいと思います。

 まず、22ページの被用者保険の適用範囲の見直しの方向性について。これまで主張してきましたように、就労形態が多様化する中で、働き方に中立な制度の構築という観点からは、適用拡大についてさらに進めていくべきであると考えております。そういう観点から申し上げると、ここに書いてある内容で言いますと、学生除外要件以外については見直しをやはり進めていくべきだろうと考えております。特に企業規模要件、5人以上の個人事業所の非適用業種の撤廃は速やかに実現すべきだと考えております。同時に、お話もございました円滑な適用に向けて見直しの対象となる被保険者本人や事業所などの負担には本当に充分に配慮いただきたいと思います。

 2点目が、61ページの第3号被保険者制度の論点でございます。生産年齢人口の減少に伴い、女性や高齢者など、誰もが安心して活躍できる社会の実現が重要であるということでありまして、企業においてもL字カーブの是正や解消を目指す取組を加速させ、同時に、年金制度でも適用拡大を進めることにより、第3号被保険者の縮小に取り組むことがまずは肝要であると思います。これらの進捗も踏まえた上で、いずれかの時点で第3号制度の在り方を検討・再構築することが望ましいと考えております。

 3点目、最後でございます。30ページ以降の複数事業所での労働時間等の合算についての話で、医療保険の場合は複数の保険者を介在させる話ということで、大変複雑というふうに受け止めております。相当なシステム改修が必要となるのではないかと考えておりまして、その辺りの負担感、あるいはどの程度の準備期間を要するのか、ぜひ、その辺の相場観があれば伺えたらと思っております。いずれにしましても、保険者など、関係者とよくよく丁寧にこれは調整していただきたいと考えております。

 以上です。

○菊池部会長 ありがとうございます。

 今、もしお答えできるのであればということかと思いますが、いかがですか。

○保険課長 保険局保険課長でございます。

 ただいまの御指摘のとおり、具体的にどの程度かというところは、今の段階でこれぐらいの期間、あるいはこれぐらいの費用だということを持ち合わせているわけではございません。ただし、今、御指摘のとおり、例えば保険料についても、組合によって全然違うものですから、今、どこの組合で何%なのか。そういったことから把握しなければいけない。また、調整、このためのシステム改修は相当な負担となることは予想されますので、そういったことも踏まえつつ、また今日御議論いただければと思っております。

 以上でございます。

○菊池部会長 出口委員、よろしいですか。

○出口委員 結構でございます。ぜひ丁寧に調整していただければと思います。よろしくお願いします。

○菊池部会長 ありがとうございます。

 では、駒村委員、どうぞ。

○駒村委員 5点もあるので、権丈さんが急いでいたら権丈さんが先でもいいですけれども、では、よろしいですか。

○権丈委員 いいです。大丈夫です。

○駒村委員 まず、適用拡大なのですけれども、個人事業所の5人未満のところの状況は今回見送るのは分かるのですが、その理由の一つに、国保への影響がというのが引っかかるわけです。これは百瀬さんと同じ問題意識で、国保は保険料の計算方法が極めて逆進的な部分がありまして、被用者的な働き方をしている人にとってみると明らかに不利だと思いますので、国保の財政に影響を与えるから見送るというのはロジックとしてはよろしくないというか、それでは、この問題は今後もなかなか解決できないではないかという話になりますので、技術的にすぐできないから見送るのだということであれば、それは分かります。その上で、まさかとは思いますけれども、5人未満になったら適用逃れができるというインセンティブにならないでしょうね、ということはモニターしておいていただきたいと思います。

 次に、この適用範囲では、マクロ経済スライドへの停止効果は非常に甘いことになりますので、その点を一体どう考えるのか。やはりマクロ経済スライドの厚生年金への適用期間が終わってしまうことを考えると、給付水準は必ず議論しなければいけない。マクロ経済スライドをいつ止めるのか、どう止めるのかという話をしなければいけないと思います。

 それから、是枝さんの話は、実は学生から、やはり家計が急転した学生にとってみると、是枝さんのような御意見も学生からも聞くことはあります。一方で、百瀬さんのおっしゃるように、教育をする立場から見ると、そんなに多くのアルバイトしてもらうと困る部分もあって、本来は佐保さんがおっしゃるように、心配せずに学べるような状況にするのが望ましいはずです。たくさん働いてもらいましょうというのは、教育者の視点から見ると、そこは限界もあるかなと思います。

 4つ目なのですけれども、労使折半の話になっていて、ここを見直すということなのですが、ここは先ほどの百瀬さんと私は見解が違っていて、そもそも、一番古い社会保険は健康保険組合のところから始まっているわけで、ここはまさに社会政策の基本で、労働政策と社会保障政策が重なる部分で、社会保険の負担割合とか運営は労使自治の原則で行われていたということになります。労使が社会保険料負担を交渉で調整するのは、健康保険組合同様に本来の社会保険制度であってもいいはずではないのかと思っています。また、社会保険料負担については、経済学的に言うと、帰着と転嫁の問題として、昔から議論されて、研究結果はいろいろ分かれているのですけれども、実は社会保険料は実質賃金で調整しているだけではないかとか、つまり賃金に転嫁しているのではないか、あるいは企業負担は、価格に転嫁しているのではないかとか、いろいろな意見があるわけです。形式的に労使折半ということと、実質的な負担は別の議論であるというのが経済学的な整理です。企業と労働者、実質的にどちらが負担しているのかというのは、社会保険の性格とともに、それぞれの企業と労働者が直面する財市場・労働市場で実質的には決まっている。今、労働の需要弾力性が弱く、労働供給弾力性が強い経済では、企業への転嫁が大きくなってもおかしくない状況で、それを社会保険の調整により手取りの変化を、「見える化」するために、労使負担率の調整があってもおかしくないと思っています。ただ、いろいろ問題もあります。労使といっても実際に誰が交渉するのだ、どの範囲まで、どの賃金水準まで交渉するのか、それから、何対何までが許容範囲なのかというものはちゃんと詰めなければいけないと思います。相対的に評価すると、将来の年金が減ったり、税で補塡するような案に比べれば、やや課題も残っていますけれども、ベターな案ではないかと思います。

 第3号については、今、労使の出口さんや佐保さんがいろいろとお話があったように、長期的にはそういう考え方に賛成です。

 以上です。

○菊池部会長 ありがとうございます。

 いかがでしょうか。

 権丈委員、どうぞ。

○権丈委員 小林さんの後でもいいのですけれどもね。まぁ、今、話題の「年収の壁」でいろいろと盛り上がっているわけですが、目下、国のほうで支援強化パッケージがあって、先日は立憲民主党のほうから壁をなくすために補助金を出すという案が出ていました。

この種の話は、企業に補助金を出せば、いわゆる壁と言われる収入の屈折点は埋まる話であることから分かりますように、お金があれば解決する話です。つまり、市場経済の中で生きている民間企業が、人手が足りないなら自分で賃金を上げたり、ボーナスで社会保険料を還付したりすれば済む話で、そういうことをやっているところもあるということです。

 どうも、みんな人手不足とか成長戦略という言葉にはわくわくするところがあるようでして、年金局がつくった悪い制度が成長という正義をもたらす企業をいじめているという構図で物事を理解しているようなのですけれども、この話はなんていうことはなく、付加価値生産性が低い企業に補助金を与えるているだけの話なんですね、我々、政治経済学からみると。

そこでもし何もしなければ、経営者は生き延びるために、アニマルスピリッツを発揮したり、起業家精神を発揮して付加価値を高めようとします。そうしたことをやっている前向きな企業は今、幾つもあるわけですが、そういう企業のライバルである低い付加価値生産性の企業に補助金を与えるというのが今、なされているわけですけれども、正直者がばかを見る政策ですね。

 こういう話が出てきた当初から、私は何もしないのがベストだ。それが国民経済や成長戦略としても一番いいと言っていたわけですが、絶対に避けたいのは、壁でもないのに人のお金を使って穴埋めをすることだということを、周りに話したり、年金局にもそういうことを伝えていました。その意味で、支援強化パッケージは落第点です。立憲民主党の今回の補助金を出そうというものも落第点。

もちろん、就業調整している人たちは、多くは社会保険への誤解と無知に基づいて就業調整をしている面がありますので、これに対しては広報活動を徹底すると同時に、その広報活動に企業にも協力してもらおう。以前にも話しましたように、新しく適用拡大がなされた対象者全員に公的年金シミュレーターを試してもらうように、企業側に義務づける法律をつくるぐらいのことはやっていいと思うし、そして就業調整を考えている彼らに、年収ではなく生涯収入という意識で自分のライフコースを決めてもらうという意識改革をやってもらいたいと思います。

 ここでも繰り返し話しましたけれども、労働市場が弛緩から逼迫に転じて労働力希少社会に入った事実は、それまでの常識を180度ひっくり返してしまいます。

労働力希少社会では人手不足倒産が起こります。起こっても、完全雇用は大体守られます。それで、数少ない労働者を企業が奪い合うわけですから、企業は被用者保険を完備していないと競争上不利になります。今は「年収の壁」を扱うテレビを見ていても、コメンテーターたちは被用者保険があるところに転職したほうがいいよという話をテレビの中でもやっているわけですけれども、だから、労働力希少社会に入った段階の私の言うことも180度変わってくるわけですが、中小企業を守るためにですね、(日商の)小林さんのところとかね、労使合意により任意包括適用の広報活動を、雇う側にも働く側にもしっかりと広報してもらいたいと思います。

 それで、常時5人以上の個人事業所の非適用業種を解消した場合でも、70万人の人たちが厚生年金を利用できないわけです。これを放置しておくと、市場がそういう企業を淘汰していきます。それでいいのですかということで、しっかりと任意包括適用を広報して、小林さんたちもみんなでそれを利用するという、そういう方向にいかないと生きていけなくなってきたんですね。

その話の延長線上で、今回出された49ページの検討の視点にある、事業主が被保険者の保険料負担を軽減する提案は、どの制度がベストかではなくて、今の支援強化パッケージとかよりはましだという話です。何が望ましいかではなくてですね、世の中から、壁だ壁だ壁だと言われて、本当は年金局のみんなは壁だと思っていないですよね。でも壁だと言われて、何か制度をつくれと言われてこの制度をつくったわけだけれども、今、年金局の彼らが提案しているのは、他からお金を持ってこようとしていないんですね。これは私は評価していいと思う。何よりも、壁でもないのに人のお金を使って穴埋めしない原則は守っているので、私は今の制度よりはいいと思う。

 事業主が被保険者の保険料負担を軽減するようなことをやるといろいろ問題があるのではないかという意見もあったけど、コーホートで見ると、この辺りの若い人たちが一体、誰がこれから第3号になろうという人になっていくのかというのがあるので、コーホートで見て、多分、この制度をつくっていって民間で適用していたとしても、40代、50代の人たちが多く利用して、そのあとの若い人たちはあまり利用しないですよねということですね。

 今回の年金局案は、20時間未満の厚生年金ハーフとか、岸田内閣が言っていた勤労社会保険との接続もいいと思います。年金局案も、厚生年金ハーフも労使折半を変えているから、それなりに批判されることは分かっているのですけれども、厚生年金ハーフの着想の源はドイツのミニジョブで、半分しか、使用者側しか払っていない制度をあの国はつくりました。ドイツは必要が制度の形を変えていったわけですが、私はドイツが持っている、そうしたプラグマティズムを高く評価していいのではないかと思う。原理原則にこだわらずということです。

 以前、厚生年金ハーフを小野委員から評価してもらったポイントは、20時間未満の厚生年金ハーフはマルチワークの人たちにも適用できるという点でした。今日はそういう話が複数事業所勤務者に対する被用者保険の適用等を続いているわけで、そこから来ているわけですが、この箇所に標準報酬月額とかいう言葉がいろいろ出てきたりして、いかにもアナログ感があるんですね。

全世代型社会保障構築会議の中間報告にも最終報告にも、「社会保障のDXに積極的に取り組む」とあります。医療DXはみんな有名ですけれども、結構、幅を持って、スペースを持って社会保障DXも書かれているのですが、2022年12月の最終報告書には、「社会保障におけるデジタル技術の導入を積極的に図ることによって、社会保障給付に要する事務コストを大幅に効率化する」。それで、「関係省庁が連携しながら、政府一体となって社会保障制度全体におけるデジタル技術の積極的な活用を図っていく」とあります。ぜひマイナンバーを用いればどこまでできるのかを含めて、デジタル庁と意見交換をしながら、複数事業所勤務者に対する適用あたりはどこまでできるのかを検討してもらえればと思います。時間はあると思いますので。

 第3号被保険者の検討に当たってについてですが、1985年の改革で一体、何をやったのかというと、片働き世帯の定額部分を2人分の基礎年金に読み替えたんですね。だから、1985年の改革で片働き世帯の負担と給付はなんにも変わっていません。夫が自分のものだと思っていた定額部分が半分になって、それが基礎年金として分割されて半分は奥さんのものになっただけで、2004年の共同負担規定で今度は報酬比例部分も半分になったというだけで、1941年の被用者年金創設のときからずっと賃金比例の保険料を払ってきた男性というのは、1階も2階も全部、自分のものだと思っていた年金給付が、いつの間にか半分になったというだけの話なんですね。男性って何かかわいいなと思うのですけれども、年金局はしっかりとこの辺りのことをしてもらいたいと思う。

そして、前回も言いましたが、配偶者が第3号であるときの共同負担規定は離婚時だけでなく、平時でも徹底して、ねんきん定期便にも反映させてもらいたいと思う。そうすると、男性が抱いている3号はお得だという意識の壁、まあかわいい間違いなのですが、そういうものも崩れていくかなというのがあります。

 今日、学生のアルバイトの話が出てきているわけですけれども、これは表に出ない議論として外国人アルバイトの話が関わってきますので、これはやはり表に出していいのではないかというのがあります。なぜこういう制度がこういう形になっているのかというところで、かなり表に出ない話としてあるので、留学生アルバイトのところも学生アルバイトのところの議論として一緒にやってもいいのではないかと思っております。

 以上です。

○菊池部会長 ありがとうございました。

 小林委員、どうぞ。

○小林委員 私の方から、最初に、被用者保険の適用拡大に関し、それぞれの要件について、資料1の22ページの「見直しの方向性案」にある記載の順に意見を申し上げます。

 まず、労働時間要件については、事務局からお示しいただいた、見直しを行わないとすることに賛成いたします。なお、本要件を引き下げるべきとの御意見もありますが、引下げは手取り収入減を避けたい人の就労時間短縮が増え、中小企業はただでさえ人手不足の中で、さらに人員の確保に悩まされ、労務管理業務も増大する問題がございます。

 次に、賃金要件についてです。これはいわゆる「106万円の壁」に関わるものであり、資料の24ページを見ると、最低賃金額の単価による週20時間の就業で、既に8.8万円を超えているのが12都府県ある一方で、8.8万円未満は35の道と県であります。引下げは国民年金加入者との不公平を招くとともに、今以上に就業調整の拡大や人手不足の誘因となることが懸念されます。また、短時間労働者の出入りが多い事業者等にとって、保険加入や保険料納付に係る事務負担の増加が経営にどのような影響を与えるかなどについて、引き続き、検討を深めていくべきと考えます。

 また、仮に、一部報道のとおり撤廃するとした場合、週20時間の時間要件のみが新たな壁となり、8.8万円に達しない道と県では新たな加入対象者が生じることになります。今後の最低賃金の動向次第ではございますが、撤廃する場合には全国47都道府県で8.8万円を超える状況の達成を前提とすべきなのではないでしょうか。

 次に、学生除外要件については、お示しいただいた内容で異論はございません。

 続いて、企業規模要件の撤廃と、常時5人以上の従業員を雇用する個人事業所における非適用業種の解消についてです。この方向性について否定するものではありませんが、適用拡大の対象となる事業所においては、事務負担や保険料負担が新たに発生または増加し、小規模の事業所であればあるほど、その負担は甚大なものとなります。そのため、企業や労働者が制度をきちんと理解し準備することができるよう、時間をかけて丁寧に進めることが必要と考えます。

 また、企業規模要件については、法で定める小規模事業者の基準である20人で一旦区切るなど、事業者の実態に配慮しながら進めていただきたいと思います。

併せて、事業者支援として、会計ソフトの導入費用や専門家によるハンズオン支援、また、保険料負担力の強化に向けた取引適正化の促進や経済全体の成長戦略を進めることが重要であります。そうした取組が実を結ぶことによって、適用拡大による負担増に対応できることを十分に御理解いただきたいと思います。

 最後に、常時5人未満の従業員を使用する個人事業所については、小規模の事業所に生じる事務負担・コスト増は経営存続を左右するほどの影響が出ると考えられることから、お示しいただいたとおり、適用しないとすることに賛成いたします。

 次に、複数事業所に勤務する人の被用者保険適用に関しては、まず、現行の合算実務を含め、煩雑な仕組みを抜本的に改善することが優先課題であります。企業等、現場の事務負担が減ることが明らかでない現時点での適用拡大は時期尚早かと思います。

 また、資料の37ページに、医療保険者の事務負担軽減を目的として、保険料の調整額の還付を不要とする案が示されておりますが、事業主の視点から見て非常に大きな違和感がございます。

 フリーランス等については、お示しいただいたとおり、中長期的な課題として引き続き検討していく方向性に賛成いたします。

 次に、事務局がお示しした「年収の壁」への対応策について申し上げます。

 資料の49ページで、健保組合における特例を参考に、労使間の保険料負担率を調整できる仕組みを創設する御提案が示されております。健康保険においては、従業員300名未満の中小企業が加入事業所の99.7%を占める協会けんぽにはこうした特例はなく、健保組合のみ認められている特例であり、企業レベルで見ると、恐らく大企業での活用が多いのではないかと思われます。

 質問となりますが、負担率調整を行っている健保組合における中小企業の数や割合が分かれば教えていただきたいと思います。

 これを厚生年金に当てはめたとき、恐らく個々の企業ごとに比率を調整する仕組みになるかと思いますが、負担率を上げられる中小企業が多いとはとても思えません。待遇格差を助長し、人材の流出を深刻化させるだけだと思います。また、社内で差をつけることなど、従業員の少ない企業ではあり得ないことだと思います。したがいまして、今回の御提案には賛成しかねます。

 また、資料にはありませんが、去る12日に開催された政府の規制改革推進会議において、現在実施されている「年収の壁・支援強化パッケージ」の助成金制度について、手続の簡素化を早期に実施することになったと伺っております。ぜひ使い勝手のよい制度にしていただきたいと思います。

 なお、今回の御提案を含め、労働者への負担軽減措置ばかりが取り上げられております。中小企業における保険料負担の軽減策についても、ぜひお願いしたいと思います。

 最後に、第3号被保険者制度についてです。40年前にできたこの制度は、共働きの一般化や家族形態の多様化によって時代にそぐわない制度となっており、もはやその役割は終えつつあるのではないかと思います。本制度は、これまで頭を悩ませてきた「年収の壁」問題のおおもとと言っても過言ではありません。長く続いてきた制度ですから、企業も人々もこの制度を前提として物事を進めてきておりますので、混乱が生じないよう、解消時期は10年後、20年後とかの先にするとしても、早急に国民の合意を得て動き出すべきだと思います。

 以上です。

○菊池部会長 ありがとうございます。

 あと、会場からは島村委員、お願いします。

○島村委員 ありがとうございます。

 まず、適用拡大については、いろいろありましたが、私は事務局案に賛成という立場を取らせていただければと思います。特に賃金要件につきましては、最賃の引上げに伴って独自に要件を構えることの意味も多くの労働者との関係で薄れておりますので、撤廃でよいかと思います。非正規労働者の社会保険上の扱いについては、そもそも、労働時間で区切っていたものに賃金要件とか企業規模要件とかも入って、少し混乱していたかと思うので、それを初心に戻す形で労働時間にしていくのはシンプルでよいのではないかと思っております。

 マルチジョブワーカーについては、年金では保険者が政府のみということもあってやりやすくて、他方で、保険者が分立する医療保険のほうが大変ですので、医療保険部会における議論も参考にさせていただきながら進められるとよいと思っております。

 37ページでお示しいただいた参考例も、2社で働くがゆえに調整がかかることを念頭に置くからこそ、やや、もう少し負担が軽いとか重いとか、もやもやするところがあるのかと思いますが、それぞれの会社だけで働くときに負担するものを超えての負担というわけではないので、割り切って調整しないのもありうるかと思いますし、あとは年に1回まとめてとかという還付もあるかなと思います。現場サイドの足かせにならないような仕組みを構築していければと思っております。

 壁対応として事業主負担の割合負担を増やす案についてですが、外国の例でも使用者の分が労働者の分よりも多い例がございます。具体的には、保険料のかかる範囲について、上限が労働者分にはあるけれども、使用者分にはないとか、保険料率が違うとか、そうだとすると、必ずしも労働者と使用者の割合が1対1でなければいけないわけでもないのかなと思い、使用者分を多めにというのはあり得る選択肢なのではないかと思っております。

 ただ、全面的に労使では負担割合を調整できるのではなく、一部でだけの調整が許されるというふうにするのであると、そこはやはり説明が要るのかなと思います。今回の案はあくまでも任意で、事業主の方が賛成し難いのであれば5対5を維持できる仕組みになっています。昨今の深刻な人材不足に対する対応として、優秀な人材を確保するために、社会保険料を多く負担してでもいいから働いてほしいと考えていらっしゃる心ある事業者さんの背中を押すための仕組みであり、そういう事業者さんがいらっしゃるのであれば、それをできる環境にしておく必要性は認められるのではないかと思っております。

 最後に、第3号被保険者制度についてですが、できるだけ将来像を示せるとよいと思う一方で、やや決め切れない難しさも正直感じております。廃止するにせよ、しないにせよ、考えるべき論点がたくさんあるかと思いますけれども、廃止するような場合には、保険料をどうやって賦課するのか。第1号被保険者として整理して、国民年金のほうで保険料を取るのか。それとも今までどおり、第2号被保険者に付随するものとして厚生年金のほうで取るのかなどの財政構造を大きく変えることにもなりかねないので、慎重な議論が必要かと思います。また、育児や介護、病気などの就労阻害事由がある方に対する対応で、第3号被保険者はそういう方々にとってやはり重要な所得保障機能を担っているかと思います。様々なライフステージの中で就労できない時期は起こり得るので、それを夫婦の間でカバーする仕組みとしての第3号には意味があるという気もいたします。

 ただ、その一方で、第1号被保険者に扶養される配偶者の方は自らも第1号となって、たとえ就労阻害事由があったとしても保険料を払う必要があるし、払わないで免除を受けるなら、その分、給付が減ってしまう形になっていて、結婚相手の働き方によって、扶養されている点では同じなのに、違う仕組みでよいのか。そういう場合の所得保障の必要性も等しく認められるかと思いますので、第3号を廃止しない場合には、その点についても考える必要があるかと思っています。ただ、そこまで考えてくると、国民年金の元来の考え方とかをいろいろ変えることにもなりかないので、もう少し慎重に検討していきたいと思っております。

 以上です。ありがとうございます。

○菊池部会長 ありがとうございます。

 すみません。先ほど小林委員の御質問がございましたので、ここでお答えできる範囲でお願いいたします。

○保険課長 保険局保険課長でございます。

 健康保険組合の、会社のほうが多めに負担している中小企業がどれぐらいあるのかということで、これは企業規模別のデータはございませんでして、そういう意味ではデータがないことになります。

 ただ、一般論として申し上げますと、健康保険組合の単一健保と総合健保がございます。単一健保の場合には、基本的に母体が大企業のことが多いと思いますけれども、そちらのほうが平均すると多めに会社が負担している割合が高いということはあろうかと思いますので、その辺りから実際としてはそういうケースが多いのではないかとは推測できますが、データとしてはないのがお答えになります。

 以上でございます。

○菊池部会長 よろしいですか。

 それでは、堀委員、お願いします。

○堀委員 ありがとうございます。私からは3点申し上げたいと思います。

 第1に、適用拡大につきまして、企業規模要件や賃金要件を外し、労働条件のみを要件として学生除外という方向に賛成でございます。また、5人以下の個人事業所につきましては、今後はデジタル社会の進展により、事業所の把握や事務手続などの状況も大きく変化してくると予想されますので、引き続き、議論は続けていただきたく存じます。

 第2に、保険料負担割合の特例につきましては、特段の意見はございませんけれども、特例とはいえども、一度、制度をつくったら継続する可能性があることは前提に考えていくべきなのではないかと思います。

 第3に、第3号における壁と呼ばれる論点についてですけれども、今回の適用拡大において、仮に労働時間のみが要件になったならば、共通した分かりやすい「年収の壁」は結果的には消失するという形になるかと思います。しかし、百瀬委員や小林委員が示唆されたように、代わりに労働時間の壁ができるとするならば、次回の改正において20時間から時間を短縮するなどの議論を行い、是枝委員がおっしゃったように、この点については記録に残していただきたいと考えております。できるだけ多くの方々が適用拡大の恩恵を受けられる方向性で進めていただきたいと思います。

 また、前回の部会において、30歳女性が将来受給できる年金類型についての推計が示されましたが、あの推計を見ると、世代が変われば第3号であることはあまり意味を持たなくなるという感覚を持ちました。第3号につきましては、そのような状況を見据えられるようになってから本格的な見直しが現実的ではないかと考えております。

 他方で、仮に第3号を見直すことになった場合には、年金が賦課方式であることを鑑みて、子育て支援の観点から、同居する末子の年齢が未就学児などに限って現在の第3号のような制度を適用することをお願いしたいと思います。

 また、適用拡大を進めても純粋な無業者は残るわけですけれども、この方たちが本人の収入がないため無年金になってしまう可能性が高いことから、免除と同様に、2分の1を納めたという取扱いでお願いしたいと存じます。

 私からは以上です。

○菊池部会長 ありがとうございます。

 それでは、次に、オンライン御参加の皆様、お待たせしました。「挙手」ボタンでお知らせください。どなたからお願いできますでしょうか。

 永井委員、お願いします。

○永井委員 ありがとうございます。私からは2点発言申し上げます。

 1つ目は、適用拡大です。資料1の28ページ目「被用者保険のさらなる適用拡大」には、2024年、財政検証で示された「将来の所得代替率」が記載されています。企業規模要件の廃止、5人以上の個人事業所の非適用業種の解消、短時間労働者の賃金要件の撤廃などのケース(適用拡大②)では約200万人が適用拡大の対象となりますが、給付水準調整終了後、2052年の所得代替率は過去30年投影ケースでも51.8%となり、現行制度と比較するとプラス1.4%となると示されています。こうした観点からも、私たち連合としても適用拡大を前進させていくべきと考えております。とりわけ、短時間労働者に係る賃金要件は今回の改正において撤廃するべきであると考えますが、週労働時間19時間辺りで調整する人が増えないか、新たな壁にならないかという懸念も持っております。適用拡大により、将来の年金の受給額が増加するメリットもあることについてのさらなる十分な周知・啓発、そして、さらなる検証も必要だと考えております。

 次に、第3号被保険者制度です。今回の見直しの議論において、私たち連合も将来的な廃止を打ち出すべきと考えております。一方で、本人の疾病や育児、介護などで働きづらい人や働きたくても働けない人も一定数いることを踏まえ、仕事と治療の両立支援や、子ども・子育て支援の充実、在宅介護サービスの充実といった第3号被保険者にとどまらない支援策も必要だと考えています。さらには、適用拡大の意義などとともに、丁寧な周知・広報がさらに必要だと考えております。

 以上です。

○菊池部会長 ありがとうございます。

 それでは、嵩委員、お願いします。

○嵩委員 ありがとうございます。まず、遅刻してしまいまして申し訳ございませんでした。

 私からは3点お話しさせていただきます。

 まず、資料1の22ページで、短時間労働者の適用拡大については、労働時間要件の維持、あと、学生除外要件の維持に賛成いたします。

 企業規模要件については、企業規模による区別は、被用者にふさわしい保障という観点から、合理的な区別ではないと思いますので、十分な経過措置を設けることを前提に、企業規模要件の撤廃にも賛成いたします。

 あと、短時間労働者の賃金要件につきましては、現在の最低賃金の引上げの状況に照らして、20時間要件に実質的に吸収される関係にありますことから、撤廃してよろしいだろうと思っております。

 この8.8万円の基準は本来、20時間以上の就労があれば被保険者として厚生年金に加入すべきであるところ、第1号被保険者が負担する保険料との均衡の観点から導入されたもので、第3号被保険者に厚生年金保険料負担が生じることに対して配慮した趣旨ではなかったと思います。実際、この要件は、第3号被保険者の方の就労に影響しているのだと思いますけれども、本来の趣旨もいま一度想起すべきではないかと思っております。

 次に、49ページですかね、労使の保険料負担割合の変更についてですが、現在の労使折半の仕組みから外れる特例となるものなので、導入するとしても、その範囲等については限定的に考える必要があると思います。

 厚生年金における労使の保険料負担のそれぞれの意義については様々な理解があると思いますけれども、労働者の保険料は自らの年金受給権を積み上げるための拠出であって、直接的な対価関係がある一方で、使用者は保険料拠出による受益は間接的であること、あとは、財源負担の比率は労使が厚生年金において対等な立場として貢献していることを示す意味もあると思いますので、使用者の負担割合を当事者の合意のみによって完全に自由に変更できる仕組みについては、年金受給権の意味や保険運営の在り方に変容をもたらすおそれがあることに留意する必要があると思います。

 他方で、昨今の「年収の壁」の問題による就労調整が労働力不足を招く事態があるとすれば、就労調整の生じる可能性の高い収入層に限って、労使合意による使用者の負担割合の増加を許容することは特例措置としてはあり得ると思います。

 ただ、この特例措置は、実質的には労働者の賃金引上げとなりますけれども、それは年金制度に内在する要請からのものではなくて、年金制度の外の要請である雇用政策とか経済政策とか、そういった観点からの要請という点があると思いますので、その点を示して、特例措置が先例となって年金制度において一般化していく布石とならぬように、目的を明確にした上で、これを実施するとしても時限措置で、対象者を限定する。あとは、労働者負担が当事者の合意のみで形骸化しないように、負担割合の変更限度を示す必要があると思います。

 最後に、第3号被保険者制度については、適用拡大によってまず縮小させる方針は引き続き取る必要がありますが、他方で第1号被保険者の育児期間中の保険料免除制度が導入されたり、第3号を取り巻く制度的な状況が変更してきていると思います。例えば第3号について、育児を担っている方への配慮という面があるとしたら、こうした第1号被保険者との整合性についても検討していくべきではあると思いますが、そういった点も含め、今後はより詰めた議論が必要と思いますので、恐らく次回の改正では間に合わないとしても、長期的にはぜひ、もう少し小規模な検討会など、そういったものを発足するなどして、より細かい議論を行っていく必要があると思っております。

 私からは以上です。

○菊池部会長 ありがとうございます。

 平田委員、お願いします。

○平田委員 私から、まず、22ページの適用拡大につきまして、上から意見を申し上げたいと思います。

 まず、労働時間要件ですが、今回は見直さないことに賛成です。何回も申し上げている繰り返しになってしまいますが、拡大に際しては、使用者責任とは何か、被用者性とは何か、なぜ労使折半なのかを国民全体で共有して、その上で議論することが必要だと思います。ここがないと、取りやすいところから取るように見えてしまって、これは現時点では時期尚早だと感じております。

 賃金要件に関しましては、最賃上昇の絡みから、そのうち意味をなさなくなる日が来るであろうかとは思います。しかしながら、現時点で即撤廃するためには議論が足りていないと私は感じています。少なくとも、標準報酬月額の等級の下限が現状のままだった場合に、最低賃金が低い、つまり、そういう地方で暮らす人たち、106万円より少ない年収の人が106万円以上の人と同額の保険料となります。より年収の低い人の負荷が高まることには、この物価高騰の中、そうした人をさらに苦しめてしまいかねないことには懸念を覚えております。

 学生除外については、見直さないで賛成です。

 企業規模要件は、撤廃で賛成です。

 常時5人以上の従業員を使用する個人事業主における非適用業種解消について、これも賛成です。

 中小企業に対する支援の在り方について、これも既にご準備されていることを資料でお示しいただきましたが、本当に多方面から検討した上で効率的に実施していただきたいという強い思いがございます。中小企業さんは、物価の高騰とか人件費の高騰に加えての社会保険料負担となって苦しい。そのときに、稼ぐ力が少ないからだ、頑張れとも言えるのかもしれないですけれども、そもそも、大企業さんとは競争条件が異なることには留意が必要だと思います。

 その上で、適用拡大に関しまして、全体として、今、世論として壁がすごくクローズアップされていて、既にご意見がありましたが、第3号から第2号になることが悪と映るような世論形成がなされているように個人的には感じております。そうではなく、第1号から第2号になり、大きな助けになる人もいることをしっかりと伝えていくことが大切ではないかと思っております。

 続きまして、複数事業所勤務者に対する被用者保険の適用です。こちらは子細な検討をしていただきましてどうもありがとうございました。まずは、事業者の負担を軽減する方向性には賛成です。

 一方で、年金事務所や保険者側に過剰なしわ寄せがあってもスムーズな、正確な運営にはつながらないと思いますので、これもすでにありましたが、DX活用などの下支えを、制度を長期的視点で見つめながら、考えていく必要があると改めて思いました。

 続きまして、労使の保険料負担割合を変更できる特例に関してです。こういうやり方があるのかと、新たな視点をいただいたような気持ちでしたが、現状では私はこちらには反対です。

 理由は2つありまして、既に百瀬委員からありましたけれども、新たな企業間格差を必ず生むと思いました。もちろん、労働者への利益配分が報酬、つまり、賃金なのか、社会保険料の負担なのか、福利厚生なのか、いろいろなやり方があると思うのですが、労働者の職場選びにさらなる複雑なバイアスをかけてしまうことは、あまりよろしくないのではないかという感覚があります。そして、強者がさらに強者になることに一定の合理性はあるのかもしれませんが、例えば地方の中小企業さんが全国展開のチェーンにさらに労働力を奪われかねないことが、本当に全体のためにいいことなのか、ということはいま一度考えたほうがいいように私は感じております。

 もう一つの理由は、働く側の人に関することです。この制度が働く人に、将来及ぼす可能性がある影響を鑑みて、よくよく検討する必要があると思いました。企業の体力が賃金に反映されるのは普通に行われていることですが、個人の保険料負担の有無や多寡に影響してよいとは思えないところです。一旦つくった特例はやめることがやはり難しくなると思います。第3号被保険者制度は、制定当時に持っていた合理性を超えて、今、日本におけるジェンダーギャップの大きな要因になっているのは間違いないと私は考えております。しっかりシミュレーションしてからでないと、安易な仕組みの導入は想定外の将来リスクにつながりかねないのではないか、ということで、そこがまだ考えられていない今は賛成できません。

 最後、第3号被保険者制度に関してですが、だんだん減っていくだろうというところです。その上で制度をどうするかは、残る第3号被保険者が一体、どういう人なのかを、当事者へのヒアリングも含めて、やはりできる限り解像度高く分析していくことが大事なのではないか、その上で他の制度に移していくもよし、第3号を維持するもよしですが、現状、議論が空中戦になっているように感じるのは、対象者が見えていないせいではないかと思いました。第3号制度に関する、皆様からの様々な視点は全てすごく大切だと思っておりますので、これを一つ一つ見ていくことをさらに進めたいと思いました。

 以上です。

○菊池部会長 ありがとうございます。

 それでは、最後の御意見であります。お待たせしました。原委員、どうぞ。

○原委員 すみません。ありがとうございます。

 私からは大きく3つのテーマについてコメントさせていただきます。

 まず、適用拡大についてです。こちらについては、労働時間要件を見直さないことについては賛成です。

 それから、企業規模要件については、撤廃という方向性についても賛成です。ただ、併せて、必要な配慮措置や支援策の検討を具体的に進めていく必要があるかと思います。

 なお、短時間労働者の厚生年金保険の加入については、大枠の加入要件としてもともとあるのが、「1週間の労働時間及び1か月の労働日数が通常の労働者の4分の3以上」という決まりがあるかと思います。加入要件は、基本、労働時間で見ていくという方向性であるべきではないかと考えます。

 それから、2つ目「年収の壁」についてですが、やはりまず広報が大事だと思いますので、社会保険に加入して保険料を負担するということで、給付を受けられるということをもっと広く知ってもらう必要がまだまだあるのではないかと思います。

 目先の手取りは一旦減りますけれども、老後の年金、一生受けられる年金が増えること。また、手取り収入は一旦減少するかもしれませんが、もう少し年収が増えれば、年収増に応じて手取り収入も増えることなど、さらには、厚生年金、健康保険に加入することは、給付も厚くなるなど、いろいろプラスに考えたほうがいいということが社会保険についてはあることを広く伝え続けていったほうがいいと思っております。

 そして、その先にはスキルアップとかキャリアアップにつながっていくこともあると思います。これは本人にとっても事業主にとってもプラスになっていくものと考えております。

 また、参考資料26ページにあった、もともと言われた「年収の壁・支援強化パッケージ」の話ですけれども、これはもともと決まったときは、参考資料にも書いてありますが、人手不足への対応が急務となる中で、短時間労働者が「年収の壁」を意識せず働くことができる環境づくりを支援するため、当面の対応として取り組むこととされたもので、さらに制度の見直しに取り組むものとされています。

 この「制度の見直しに取り組む」というところから、本資料の49ページの特例の検討が今回出されたのかと思っております。そこにあるとおり、これは今回検討するものについては、恒久的ではないこと、時限的なものと考えますけれども、あと、任意の特例的な案についてということなので、そこを考慮して考えてみると、一般的にはやはり中立的な制度設計や他の被保険者との公平性を考慮する必要はあるかと思いますが、特例であれば、もちろん、要件や条件は絞ることも必要となってくるのではないかと思われます。そういったことも鑑みて、特例を導入する場合の論点についてはもう少し議論を深める必要はあると思っております。

 それから、最後に、第3号被保険者制度についてです。様々な意見があると思いますけれども、これまで言ってきたものの繰り返しになるかもしれませんが、昭和60年といった時点から約40年たった今、夫婦とか家族の在り方の実態もかなり変化しています。昭和60年は男女雇用機会均等法もできた年ですが、40年たって、男女の就労の状況、実態も当時と比べれば大きく変化していると言えます。また、財政検証でも示されたように、今後も労働参加が公的年金制度全体にとっても重要な要素と言えます。

 そのような中で、今、第3号被保険者制度について言えることは、まず、適用拡大を着実に進めていくことが必要であって、それとともに、第3号被保険者は縮小はしていくものと思われます。ただ同時に、やはり20年、30年先の将来的な方向性として第3号被保険者制度の在り方をどう捉えていくかについては議論していくこと、これは引き続き必要だと思っております。将来像を考えていくことは、今の若い世代の未来の姿、働き方、特に女性の働き方に対する考え方に影響するほどの重要なテーマだと考えます。

「制度をこのままの姿で残す」ということも考え方としてはあると思います。

 一方で、制度があることで、昭和的とも言える就業調整などといった価値観までもがいつまでも継続してしまうのではないかといった懸念もあります。世代ごとに、特に女性については実態・状況が大きく異なります。「若い世代からの見直しの方向性を探る」なども含めて、「今後のステップ」の議論は必要だと考えます。その上で、将来の無年金・低年金高齢者が出ないような配慮は、夫婦単位である第3号被保険者制度の枠に限らず、議論していくことは必要だと思っております。

 いずれにしても、引き続きの議論は必要かと思います。

 以上です。ありがとうございました。

○菊池部会長 ありがとうございました。

 皆様から貴重な御意見を賜りまして、どうもありがとうございました。

 様々な御意見をいただいたところですが、おおむね、被用者保険の適用拡大の中で、短時間労働者に係る企業規模要件の撤廃、5人以上の個人事業主の非適用業種の解消につきましては、配慮措置や支援策の必要性といった御意見はございましたけれども、基本的には撤廃・解消に向けて進めていくということではほぼ皆様の御意見が一致していたと認識してございます。

 また、労働時間要件と学生除外要件につきましても、様々な御意見をいただきましたけれども、それについてもおおむね御異論はなかったかと思います。学生除外要件については様々な御意見がございましたが、少なくとも、今回、学生の適用をさらに拡大していくべきだといった御意見はなかったと思いますので、その点は確認させていただきます。

 一方で、賃金要件につきましては、撤廃賛成の方も多かったようですけれども、そうではない反対意見の方もおられましたし、また、減額特例といった御議論もありましたので、これも引き続き、事務局で検討していただく。

 それから、保険料負担割合の変更の特例。これは実に様々な御意見をいただいたところです。これも事務局で引き続き御検討いただきたい。

 私、研究者の立場からすると、やはりこの理論的な整理を進める際、まさに最初のほうで労使折半負担の原則という、事務局御自身がそう前提を置きながらの例外という形ですので、嵩委員も様々詰める必要があるという御意見がございましたが、それも含めて御検討いただきたいと思います。

 そして、第3号につきましては、今回直ちに廃止という御意見ではなかったように受け止めさせていただきますが、どうするかについては、これも皆様から様々な御意見を賜りましたので、これも引き続き、事務局のほうで御検討いただきたいと思います。

 引き続き、整理に向けて、御検討を事務局ではお願いいたします。

 それでは、申し訳ございません。あと5分なのですが、もう一つ議題がございまして、スピードアップしなければいけないのですが、事務局から資料2につきまして端的に御説明いただきたいと思います。お願いします。

○国際年金課長 ありがとうございます。国際年金課長でございます。資料2について御説明させていただきます。

 脱退一時金につきましては、前回、3月に、国会で永住者の方が一時的に出国する際に脱退一時金を受給して、その際加入期間がリセットされてしまうので、再入国した後に生活困窮に陥るとか無年金に陥る可能性があるのではないかといった御指摘をいただいたことを踏まえまして御議論いただいております。

 2ページがその際にいただいた主な御意見でございます。2点目と3点目は共通しておりまして、再入国が予定されている場合に脱退一時金を支給することはおかしいのではないかという御意見でございました。これも踏まえまして考えますと、国会の御指摘も、その本質は、再入国が予定されている方に対して脱退一時金を支給することの是非かなと思いましたので、そうした観点で今回は整理を行っております。

 3ページ目は、在留外国人が増えているグラフでございます。

 4ページ目で、こちらは出国した外国人の方々の滞在期間がどのぐらいだったかをグラフに表したものでございます。令和2年、3年は特にコロナ禍で、各国で水際対策が取られたこともありまして、出国者自体は減少しております。また、出国できないことにより在留期間自体が少し延びている特殊な時期ではございますが、その部分を捨象いたしましても、この赤の折れ線グラフ、滞在期間5年超10年以内の方は、令和元年が4.4%、令和2年が5.6%が、令和5年に至っては17.9%まで大きく伸びております。

 続くページを飛ばさせていただいて、6ページでございます。再入国が予定されている方を外形的に判断していく際に一つあるのが再入国許可制度だと思っております。再入国許可は、日本に滞在する外国人の方が一時的に出国して、また再入国しようとする場合に、出国に先立って得ている許可でございます。この再入国許可を受けずに出国した場合、一般に単純出国と言っておりますけれども、その場合は在留資格や在留期間は消滅してしまう。一方で、再入国許可を受けて出国した方は、また再入国した際には従前の在留資格または在留期間がそのまま継続されたものとみなされるとなっております。この再入国許可の有効期間でございますが、その方の持っていた在留期間の範囲内で5年間が上限となっております。

 続くページは、みなし再入国許可でございますけれども、出国の際に意思表示して出国することにより、個別の許可をわざわざ得なくても、出国の日から1年以内に再入国するのであれば、同じ効果がありますというのがみなし再入国許可でございます。こういった再入国許可を得た方が日本に再入国した場合、年金制度に関連して申し上げれば、再度、日本の公的年金制度に加入して、加入期間がどんどん積み上がっていくことになると思っております。

 続きまして、8ページで、こちらが先ほど申し上げた、再入国許可を得た方の割合を在留資格ごとに見たものでございます。御指摘のあった永住者は99.96%と、非常に高いのですけれども、その他の在留資格においても同水準のものがたくさんありまして、必ずしも永住者だけの問題ではないと考えております。

 続く9ページで、こちらは脱退一時金を実際に受給した方々の出国形態を見てきたものでございます。一番上の表を御覧いただきたいのですけれども、脱退一時金を受給した方の出国形態で、単純出国が75%強となっておりまして、4分の3は単純出国しております。ただ一方で、25%弱の方が再入国許可を得て出国している状況でございます。

 続きまして、10ページ、社会保障協定の締結を進めるべきだと前回御意見をいただきましたので、締結状況についてお示ししております。右下にございますように、今、発効国が23か国ございまして、外国人労働者の受入れの多いベトナムとも、現在、作業部会を複数回行うなどして、協定の締結に向けて取り組んでいるところでございます。ただし、協定によっては、相手国の意向等によりまして、通算規定がないものもあるのが事実でございます。

 続く11ページで、先ほど申し上げたように、そもそも、協定が発効しているか発効していないか。また、発効していたとしても、そこに通算規定があるかないかという3グループに分けて脱退一時金受給者の国籍を見たものでございます。左側半分、グレーの49.7%はまだ協定が発効していない国の国籍を持っていらっしゃる方になっております。また、右の半分に行きましても、オレンジの36.4%は通算がない協定の発効国の国籍の方となっております。

 なお、右側につけましたのは脱退一時金申請書でございまして、社会保障協定の通算が利用できる場合に、仮に脱退一時金を受給してしまうと、加入期間がリセットされてしまうので、通算ができなくなりますということは申請書にも書きまして注意喚起しているところでございます。

 続きまして、12ページで、こちらは脱退一時金を受給した方の被保険者期間を見たもので、令和元年度、5年以下で99%以上の方をカバーしていたのですけれども、令和5年度になりますと、それが84.3%まで低下している状況でございます。

 そういったことを踏まえまして、13ページ、14ページに今回御議論いただきたい見直しの方向性についてまとめております。

 まず、13ページは、上半分は現行制度になっておりまして、2点目です。前回の改正について一応振り返っております。前回の改正、令和2年改正では支給上限を3年から5年に引き上げておりますけれども、その際の理由としましては、在留資格の見直し。具体的には、そのとき、令和元年に在留期間の上限が5年になる特定技能1号が創設されていること。また、制度創設当時と比べまして、3年から5年滞在している外国人の方々の割合が非常に増加していることを踏まえて改正しているところでございます。

 下半分で、2つ目の○でございますけれども、最近の状況を見ますと、令和2年改正時と比べまして、先ほど4ページのグラフでお示ししたとおり、滞在期間5年から10年という方の割合が令和2年の約6%から令和5年で約18%まで増加しております。在留外国人自体も増加していらっしゃいますので、老後を日本で暮らす可能性がある外国人の方が増加してくると考えております。

 3点目ですけれども、在留資格の関係では、さきの通常国会で入管法等の一部改正法が成立しておりまして、技能実習に代わり、育成就労制度が創設されることとなったところでございます。育成就労制度は、特定技能1号水準の技能レベルの人を育てて、その分野において人材を確保していこうという制度でございますので、この3年足す5年の計8年、日本に滞在する方が増加すると考えられます。

 そうした中、現行制度においては、再入国許可つき出国をした場合でも脱退一時金の受給が可能となっておりまして、その滞在期間の途中の一時的な帰国の際にも脱退一時金を受給することができてしまう。そういった場合に受給してしまうとそれまでの年金加入期間がなくなってしまうことになりまして、これは外国人の方々の年金受給権確保の阻害要因になる可能性が否定できないのかなと考えております。

 そういうことで、続く14ページでございます。検討の方向性といたしまして、1つ目、老後を日本で暮らす可能性がある外国人が増加していると考えられることから、将来の年金給付に結びつけやすくなる方向での見直しの検討を進めるべきではないか。一方で、外国人の滞在期間の長期化が進む中、保険料納付が老齢年金に結びつかない外国人の方々にとっては、脱退一時金の必要性が高まっている側面もあると考えられる中で、そうした観点からも、必要な見直しの検討を進めてはどうかとさせていただいております。

 2つ目の○ですが、具体的な見直しの方向性といたしまして、1点目、在留資格にかかわらず再入国許可つきで出国した方に関しましては、当該許可の有効期間内は脱退一時金を支給しないとすることについてどうお考えになるか、御意見を賜りたいと思っております。

 なお、4行目の括弧書きにございますけれども、再入国許可つき出国をした場合であっても、日本に戻るのをやめようと途中で考え直された方が再入国しないまま許可期限を経過した場合には、脱退一時金の受給は可能となると考えております。

 その下のなお書きですけれども、先ほど来申し上げておりますように、今回御提案している見直しの方向性は、なるべく外国人の方に老齢年金の受給権を確保していただくためのものですので、施行の時点で既に、その後、十分に年金加入期間を確保することができないような方もケースによってはあり得ると思っております。そういった方々に関しましては、必要な経過措置を設けることとしてはどうかと考えております。

 3つ目の○で、在留資格の見直しや、在留外国人の滞在期間の長期化を踏まえて、現行の支給上限を5年から8年に引き上げることについてどう考えるかとしております。

 最後ですけれども、いろいろ制度の見直しをしていくとなった場合には、在留外国人の方に年金や脱退一時金の仕組みや趣旨といった必要な情報がしっかりと伝わるように、今後、運用上の工夫を図ることとしてはどうかと考えておりまして、そういった点についても御意見を賜れればと思っております。

 以上です。

○菊池部会長 ありがとうございます。

 それでは、御意見、御質問があればお願いいたします。申し訳ございませんが、時間が過ぎておりますので、コンパクトに御協力いただければ幸いです。

 是枝委員、お願いします。

○是枝委員 事務局案は、在留外国人の将来の年金受給に結びつきやすくなる改正だと思います。特に受給資格期間10年を満たし得る可能性がある者に対して、その可能性を実現しやすくするものとして妥当なものだと思います。賛成いたします。

○菊池部会長 コンパクトにありがとうございました。

 ほかにはいかがでしょうか。会場からいかがですか。

 島村委員、どうぞ。

○島村委員 ありがとうございます。

 私も基本的に賛成なのですけれども、脱退一時金を再入国許可が失効したときに請求できるところは重要なのではないかと思っています。それは、出国してさらに2年たった後の情報の周知になるかと思いますので、そもそもの出国のタイミングで脱退一時金とかの仕組みをちゃんと理解していただけるように、連絡先をちゃんと聞いておいてフォローできるように、2年後にここから連絡が来たらちゃんと見てねというところまで併せてやっておかないと支給を逸してしまうケースがすごく多いかなとも思いますので、先ほどのデジタル化という話もありましたが、そういうものが進むことでつながり続けられるスキームをつくっていただければと思っております。

 以上です。ありがとうございます。

○菊池部会長 ありがとうございます。

 是枝委員、どうぞ。

○是枝委員 すみません。再入国しないまま許可期限を経過した場合に、改めて年金局とか年金事務所等から何らか通知を行うことを想定されているのでしょうか。

○菊池部会長 いかがでしょうか。

○国際年金課長 もし改正するとなった場合には、今後、その運用について検討してまいりたいと思います。

 ただ、2年経過したので今から申請できますとか、そういった御案内をできるかどうかについては、なかなか難しい点もあるかと思いますので、いろいろと検討が必要かなとは考えております。

○菊池部会長 そこは多分、島村委員がおっしゃったように、出国段階でいかにしっかり説明するか。あとは、今日の前半でもありましたけれども、DXの推進でやはりどんどん社会保障も進めなければいけないという、そこにも関わってきますね。ありがとうございます。

 ほかにはいかがでしょうか。

 オンラインの皆様からいかがですか。

 永井委員、どうぞ。

○永井委員 ありがとうございます。

 資料②14ページ、見直しの方向性②の一番下に、「在留外国人に年金や脱退一時金の仕組みや趣旨など、必要な情報を伝えるための運用上の工夫を図る」とあります。現場・職場で聞きますと、一時金の申請のしにくさなどもよく指摘されますので、実務的な側面も含めて、課題を明確にした上での必要な対応を御検討いただきたいと思います。

 以上です。

○菊池部会長 ありがとうございます。

 嵩委員、どうぞ。

○嵩委員 ありがとうございます。

 まず、再入国許可を受けている場合には、外国人の方にも保険給付につなげていく観点から、脱退一時金の支給を認めないことに賛成いたします。

 他方で、給付の拡大、つまり、支給上限額を5年から8年に拡大することについてですが、外国の方も日本滞在中には障害と死亡のリスクに対する保護が及び、潜在的な利益は、保険給付が生じないとしても、受けている点に照らせば、保険料の一部返還を認めるという、この仕組みですけれども、これは保険原理には必ずしも沿わないので、支給上限額を5年から8年にさらに拡大していくことについては望ましくないとも言えますが、外国人の方にとって働きやすい環境整備などの観点があると思いますので、そうした政策的な判断に対して特に強く反対するものではないことを申し上げたいと思います。

 よろしくお願いいたします。

○菊池部会長 ありがとうございます。

 平田委員、どうぞ。

○平田委員 私の身近にも外国人労働者の方が、いろいろなレベルというのはなんですけれども、いろいろな職種で拾えているのを感じます。その上で、彼らが日本で働いて、そのことが最終的によかったと思えるような方向性の改正に強く賛成いたします。今までの皆様の御意見にも共感しております。

 以上です。

○菊池部会長 ありがとうございます。

 ほかにはよろしいですか。

 ありがとうございます。

 そうしますと、御意見をいろいろいただきましたが、この事務局の提案自体については特に御異論なしということでよろしいでしょうか。

(委員首肯)

○菊池部会長 ありがとうございます。それでは、提案を御了承いただけたということで、進めていただくことにします。

 遅くなって申し訳ございません。予定している議事は以上でございます。

 今後の予定につきまして、事務局からお願いします。

○総務課長 次回の議題や日程につきましては、後日公表いたします。

○菊池部会長 それでは、本日の審議は終了いたします。

 御多忙の中、お集まりいただきまして、どうもありがとうございました。