第37回 社会保障審議会
企業年金・個人年金部会 議事録
日時
令和6年11月8日(金)10:00~12:00
場所
全国都市会館 3階 第2会議室
出席者
森戸部会長 渡邊部会長代理(オンライン) 岩城委員
大江委員(オンライン) 金子委員 小林(由)委員 小林(洋)委員 谷内委員(オンライン) 原田委員 藤澤委員 松田委員
水崎委員(オンライン) 山口委員(オンライン)
(オブザーバー)
鮫島企業年金連合会理事長 松下国民年金基金連合会理事長
議題
DC制度の環境整備について
「経済財政運営と改革の基本方針2024」等について(報告)
アセットオーナープリンシプル(案)について(報告)
その他
議事
議事内容
○森戸部会長 では、第37回「社会保障審議会企業年金・個人年金部会」を開催いたします。皆様、お忙しいところをありがとうございます。
本日ですが、大江委員、谷内委員、水崎委員、山口委員、渡邊部会長代理はオンラインで御参加いただいております。
本日は、島村委員から御欠席との連絡をいただいています。
参考資料3に名簿がございますが、前回まで委員でいらっしゃいました富樫幸子委員が退任されまして、後任に全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会中央執行委員でいらっしゃいます水崎恵一委員が就任されましたので御紹介します。
御出席いただきました委員の方が3分の1を超えていますので、会議は成立しておりますことを御報告申し上げます。
それでは、議事に入らせていただきますが、まずは事務局から資料の確認をお願いいたします。
○海老企業年金・個人年金課長 資料の確認をさせていただきます。
本日の資料といたしましては、資料1「iDeCoの加入可能年齢・受給開始可能年齢」。
資料2「拠出の在り方」。
資料3「DBの給付減税の判定基準・手続き」。
参考資料1から参考資料4までということで、御用意をしております。
○森戸部会長 ありがとうございます。
それでは、議題に入りたいと思います。
先ほど御紹介した資料に基づきまして、議題1から3を議題といたします。
まず事務局から、議題1から3について説明をお願いいたします。
○海老企業年金・個人年金課長 まず資料1を御覧ください。資料1「iDeCoの加入可能年齢・受給開始可能年齢」です。
まずiDeCoの加入可能年齢の引上げについてです。
資料の3ページ、iDeCoの加入可能年齢の引上げに関しては、令和4年の資産所得倍増プランにおいて、iDeCoの加入可能年齢の引上げについて、働き方改革によって高年齢者の就業確保措置の企業努力義務が70歳まで延びていること等を踏まえて、iDeCoの加入可能年齢を70歳に引き上げる、こういったことが盛り込まれているところです。
次のスライドですが、このプランを踏まえた今後の検討というところで、当部会においてまとめていただいているものですが、iDeCoの加入可能年齢の引上げに関しては、70歳まで引き上げることとする。詳細な要件等については、今後検討していく、とされているところです。
スライドの5ページですが、60歳以降における現状の公的年金と私的年金との関係を整理しているものです。今年の1月にもお示しをしている資料です。
60歳以降の働き方によって、私的年金を活用できる期間が異なるということ、また、企業年金の導入状況によって、65歳以降のところに関しても私的年金を活用できる期間が違ってくるといった状況になっているところです。
資料の6ページです。今年の3月にまとめていただきました、本部会における議論の中間整理の抜粋、iDeCoの加入可能年齢の引上げに関してです。
2つ目の○、公的年金との関係に関して、iDeCoを含む私的年金は公的年金の上乗せの制度として位置づけられてきている。その上乗せの在り方について、どのように解釈をしていくのかという点。公的年金制度の制度改正の議論も踏まえて、総合的に検討するべきではないかといった点、こういった御意見があったところです。
具体的なiDeCoの加入要件に関しましては、一番下の○のところですけれども、国民年金の保険料納付を十分に行ってきて、これ以上納付ができない人について認めてはどうかといった御意見。国民年金を受給しながら、iDeCoにも拠出できる人まで範囲を広げなくてもよいのではないか。公的年金と相まってというところの意味を公的年金の上乗せの自助努力を促すという点で捉えれば、必ずしも保険料納付済期間を資格要件にしなくてよいのではないかということ。実際の事務負担ですとか、加入者にとっての分かりやすさ、年金状況ですとか、働き方等によって、有利、不利が生じないシンプルな制度とすることが重要、このような御意見があったところです。
スライドの7ページです。実務上の負担というところで意見がありましたけれども、実務上の課題について、今年の1月の部会における御議論をまとめているものです。
手続面での課題、システム面・費用面での課題です。
まず手続面での課題に関しては、過去の保険料納付済期間の確認など、要件が複雑化した場合というのは、加入者御本人の手続の負担が増加をするのではないかということ。また、事務負担も課題になってくるのではないか。さらに要件が複雑ですと、加入者自身に十分に御理解いただけないのではないか、結果として活用しにくい制度になってしまう可能性があるのではないか。
また、システム面・費用面においては、要件が複雑化すると、システム開発の負担が大きくなるのではないか、このような御意見があったところです。
8ページと9ページは、現状のデータをお示ししているものです。
8ページは、iDeCoの加入者及び運用指図者数の推移ですけれども、iDeCoは、現在、加入者が328万人、運用指図者が91万人、このようなデータになっているところです。
9ページは、iDeCoの加入者の種別と割合でございます。2号の方が大半を占めているところですけれども、右側、年齢構成のところですが、50代、60代以上の加入者も一定数いるような状況になっているところです。
次のスライドから、本日御議論いただきたい点です。iDeCoの加入可能年齢を70歳まで引き上げる、この議論の場合は赤で書いていますが、国民年金被保険者以外の者、老齢基礎年金受給者、iDeCoの老齢給付金を受給した方、こういった方々に関するiDeCoの加入資格要件をどのように考えるのか、ここが御議論をいただきたい点になります。
下の図でいきますと、赤の点線のところ、国民年金被保険者の方というのは、既にiDeCoに加入できることになっていますので、国民年金被保険者以外の方に関する加入要件をどのように考えていくのか、こういったところに関する御議論です。
次のスライドは、本日御議論いただきたい点をまとめているものです。スライドの11ページを御覧ください。iDeCoの加入可能年齢の引上げに関する論点です。
課題といたしましては、先ほど申し上げたとおり、70歳まで引き上げるということであると、国民年金の被保険者以外の者に関する新たな加入要件を定める必要があります。先ほど御説明をいたしましたとおり、これまでの主な御指摘としては、公的年金との関係性、保険料納付済期間を十分に行ってきた人にすべきという意見から、必ずしもそこは資格要件にしなくてもよいのではないか、こういった御意見がありました。また、老齢基礎年金を受給しながら、iDeCoにも拠出できる人まで範囲を広げなくてもよいのではないかという御意見がありました。働き方の違い、年金の加入状況によって、有利、不利が生じないシンプルな制度、分かりやすいほうが普及促進につながるという点。あとは、実際に運用する実務的な課題、加入者にとっての分かりやすさ、こういったところを重視するべきではないかといった御意見がありました。
そこを踏まえまして、下のブルーのところ、御議論をいただきたい点というところです。
1つ目の○、これまでの議論を踏まえまして、長期的な老後資産の形成を促進し、働き方に中立的であり、かつ加入者にとってシンプルで分かりやすい制度とするため、60歳から70歳までのiDeCoを活用した老後資産形成を継続しようとする者であって、老齢基礎年金やiDeCoを受給していない者を加入・拠出可能とするといったことについて、どのように考えるのかというところについて御議論をいただければと思います。
具体的には、2つ目の○のところですけれども、現在の要件では、国民年金の被保険者に加えて、公的年金の保険料を納めつつ、上乗せとして私的年金に加入してきた人が、60歳から70歳にかけて引き続き老後の資産形成を継続できるという観点から、iDeCoの加入者・運用指図者だった方、企業型DC等の私的年金の資産をiDeCoに移管する者であって、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給していない方にiDeCoの加入・拠出継続を認めるという要件について、どのように考えるのか。この点について御議論いただければと思います。
次のページにイメージ図をつけさせていただいています。12ページを御覧ください。引上げについてのイメージです。
先ほど御説明をいたしましたとおり、現状は国民年金の被保険者であって、老齢基礎年金やiDeCoの受給を行っていない方、この方々がiDeCoに加入可能ということでございます。
今回の引上げのイメージは下のほうになりますけれども、赤の線で囲ったところ、左側で入られているブルーの方のところ、ここを60歳から70歳まで、国民年金の被保険者以外であっても、資産形成継続をできるようにしていくといったことについて、どのように考えるのかというところを今回御議論いただければと思っております。
戻っていただいて、11ページの一番下の○のところです。こういった方々、国民年金被保険者以外の方と新しく広げる方々の拠出限度額に関して、どのように考えるのかというのがもう一つ論点としてございます。国民年金被保険者以外の者であるというところ、それから、制度の分かりやすさ、ほかのiDeCo加入者の拠出限度とのバランス等を踏まえてどのように考えるのか、この点についても御議論いただければと思います。
続きまして、iDeCoの受給開始可能年齢の上限の引上げに関する資料です。
めくっていただきまして、14ページからです。令和4年の資産所得倍増プランにおきまして、受給開始年齢の上限の引上げに関して検討するということが盛り込まれていたところです。
15ページ、本部会において御議論いただきまして、中間整理において、iDeCoの受給開始可能年齢の引上げに関しましては、2つ目の○のところ、iDeCoが老後の所得確保の手段の一つであるといった性質も踏まえると、現在でも高齢期における手続は困難であるという現状、さらに引き上げた場合の実務上の課題、ここも勘案すべきという御意見があったところです。
16ページです。実務上の課題をまとめたものです。運営管理機関にヒアリングをした結果としてまとめさせていただいています。
手続面での課題ですが、手続をする方が御高齢になることによって、手続がより困難となる。また、御家族とそういった情報の共有がなかなか難しくなる場合がある。実際に受給開始年齢を引き上げると、受け取りの場面での退職所得控除の手続なども非常に複雑になってくるケースが生じるのではないかといったような御指摘。あと、御遺族がいない中で亡くなるということで、御本人もしくは御遺族に対しても給付されずに、供託されるようなケースが増加するのではないかといったこと、こういった御指摘があったところです。
また、システム面・費用面での課題というところですけれども、現状、65歳以下で受給を開始される方が大多数というところで、現時点で70歳以上での受給は極めて少数、1.5%程度というところです。また、令和2年改正で70歳から75歳に受給開始可能年齢は引き上がっているところですけれども、これに加えて、システム改修をするというところに過大な負担があるのではないか、こういった御指摘があったところです。
17ページをめくっていただきまして、令和2年の改正に関する施行状況です。
令和2年改正で、iDeCoの受け取り上限は70歳から75歳に引き上げられているところです。
施行は令和4年4月ということになってございまして、施行日以降に70歳に達する方で、iDeCoの受け取りをまだされていない方がいらっしゃるところです。この方々は、令和4年4月に施行されたところですので、令和6年現在では最大72歳という年齢になってございます。ですので、75歳で自動的に裁定される方というのは、令和9年4月から初めて生じてくる、このような状況になっているところです。
18ページに関しては、前回もお出しをしていますが、平均寿命ですとか、健康寿命、認知症有病率の概況について、まとめさせていただいているものです。
19ページでございます。iDeCoの死亡一時金の関係データということで、死亡一時金の給付件数、総額に関しても、増加傾向にあるというデータです。
20ページを見ていただきまして、本日御議論いただきたい点というところです。先ほど申し上げましたとおり、これまでの御指摘のところにありますが、iDeCoは自身の老後の所得の確保の手段の一つであるといった性質があるというところ、さらに引き上げた場合の実務上の課題を勘案するべき、こういった御意見があったところです。
この点、平均寿命あるいは健康寿命、こういったところも見つつ、遺産形成ではなく加入者に給付するためには、受給開始年齢の上限の設定が必要であるということ、また、令和2年制度改正では、70歳から75歳に受け取り可能年齢を引き上げたところですけれども、令和9年4月以降に初めて75歳で受給開始される方が生じます。ですので、現時点では具体的なニーズ、実務上の課題というのは、把握がなかなか難しい。70歳で受給を開始される方は、全体の1.5%という現状です。また、年金受け取りを選択することにより、現在でも70歳以降での運用は可能であるといったこと、こういったところが指摘され得るところです。
それを踏まえまして、一番下のブルー、本日御議論いただきたい点でございます。iDeCoの受給開始可能年齢の上限は引き続き75歳とし、令和9年4月以降の状況を踏まえて検討することについてどのように考えるのか、こういったところについて御議論いただければと思います。
最後に論点のまとめと書いてございますが、最後の22ページ、今の2つの論点について1枚の紙にまとめているものをおつけしておりますので、御参考にしていただければと思います。
引き続きまして、資料2の説明に移らせていただきます。資料2「拠出の在り方」でございます。
おめくりいただいて、拠出限度額に関するこれまでの議論です。
ページをめくっていただいて、まず3ページでございます。令和2年、前回改正の附則の検討規定及び附帯決議においても、個人型確定拠出年金に係る拠出限度額に関する検討を行うべしということが盛り込まれているところです。
めくっていただいて、令和4年の資産所得倍増プランにおいても、iDeCoの拠出限度額の引上げに関する検討というものが触れられているところです。
また、今年の経済財政運営と改革の基本方針2024においても、iDeCoの拠出限度額の引上げについて、2024年中に結論を得るといったことが盛り込まれております。
6ページ、7ページですけれども、新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2024年改訂版においても、6ページの下、企業型DCの改革というところで、特に若年層の年金不安が解消されるよう、拠出・運用・給付の各段階を通じた包括的な見直しについて検討を進めるといった点が触れられております。
次のページ、iDeCoの改革というところで、iDeCoに関して資産形成の必要に応じた拠出限度額の引上げ等について、大胆な改革を検討し、結論を得る、こういったことが盛り込まれているところです。
8ページは、昨年の自民党・公明党の税制改正大綱の概要です。この中で、私的年金に関する公平な税制の在り方といったところが触れられています。給付の在り方に関する御指摘、あるいは私的年金、退職給付の在り方に関して、拠出限度額の引上げの検討に併せて、共通の非課税拠出枠であったり、個人退職年金勘定等の御議論も参考にしながら検討を進めていくべきではないか、こういったことが触れられていたところです。
9ページは、前回の改正の際の議論の整理、令和元年の議論の整理の抜粋になります。この際にも、将来像の検討の中で、諸外国の各種私的年金に共通の非課税拠出限度額があるといったことであったり、あるいは全国民共通の退職所得勘定、個人型DCを活用した穴埋め型、この辺の御議論があったところです。
こちらに関しましては、働き方ですとか、勤め先の企業によって、有利、不利が生じないというところで、賛同する御意見があった一方で、企業年金での特性、退職金由来であるといった特性、あるいは企業年金の普及・拡大の観点から、慎重かつ丁寧な議論が必要、こういった御指摘もあったところです。
10ページと11ページですが、令和3年度税制改正要望に係るこれまでの議論の整理ということで、こちらの部会でまとめているものになります。
こちらの中でも、前回の改正のお話を踏まえての将来像の検討です。今回の改正は第1段階ということで、さらに普及・拡大に向けた限度額の引上げであったり、あるいは企業年金がない方への支援の充実、1号、3号の方への議論の発展などについても触れられていたところです。
穴埋め型といったような提案であったり、こういった提案に関しては、11ページの冒頭にもございますけれども、労使でやってきたものに関しては、自助努力に置き換えられないのではないかといった御指摘も出ていたところです。
また、諸外国の仕組みなども参考に、議論を深めていくべきではないかといった御指摘がなされておりました。
12ページは、令和6年3月の本部会における議論の中間整理です。
拠出・運用・給付一体での議論というところで、税制に関する御議論を一体的にやるべきではないかといった御指摘がありました。
2の拠出の在り方に関しましては、2つ目の○のところ、総論として、私的年金制度が働き方や勤め先によって、有利、不利が生じない制度、シンプルな制度にすることが重要といった御意見がありました。
また、iDeCoの限度額に関しては、第2号被保険者の半分以上が上限いっぱいに拠出されている現状を踏まえて、引き上げるべきではないかといった御意見。企業・労働者間での格差拡大ですとか、税の公平性、こういったところを踏まえながら、水準について慎重に検討するべきといった意見があったところです。
一番下の○、企業型DCの限度額に関しましても、算定式を現状に合わせて見直していくべきではないかといった御指摘があったところです。
スライドの13ページです。拠出の在り方の続きのところでございます。いわゆる穴埋め型ですとか、共通の非課税限度額の設定に関する御議論は有効ではないかといった御意見もあれば、そこは行うべきではないといった御意見もあったところです。
また、企業型DCのマッチングに関しては、制限をなくすべきという御意見と、そこは企業側のインセンティブを阻害する懸念があるのではないかといった御意見があったところです。
国民年金基金制度に関しましては、併せて検討するべきといった御意見をいただいていたところです。
14ページです。今年の厚生労働省の税制改正要望の概要をつけさせていただいています。
15ページは、拠出限度額の考え方のスライドになります。
16ページは、現状の拠出限度額、令和6年12月以降の限度額です。
17ページは、これまでの拠出限度額の変遷をつけているところです。1号、2号、3号、それぞれ制度創設時から段階的に変わっているものもあれば、制度創設時から変更がないものもあるといったところを見ていただければと思います。
18ページは、企業型DCの拠出限度額の考え方です。
企業型DCの拠出限度額は、図を見ていただきますと書いてありますとおり、給付時に退職前給与の6割に相当する水準を公的年金と私的年金とでカバーするというところで設定されているものです。
目標となる給付水準を満たすために必要な保険料率を、民間の事業所の大部分をカバーする賃金水準に乗じて限度額とするということで、2014年に現在の5.5万円になっているところです。
19ページは、iDeCo・国民年金基金の限度額でございます。
マル1、図のところに矢印がありますけれども、まず1号に関してですが、1号被保険者に関しては、国民年金基金創設時、1991年に当時の厚生年金基金の保険料、2階プラス3階部分を勘案して設定をされており、iDeCo導入後は、iDeCoと国民年金基金との組合せ・選択で6.8万円ということになっています。
マル2のところですが、企業年金がある2号被保険者の方の2万円というところですけれども、こちらは2017年にマッチング拠出の実態の大半をカバーする水準を勘案して設定しております。
マル3、企業年金がない国民年金第2号被保険者、2.3万円というところですけれども、こちらに関しては、2010年に他の企業年金に入っていたとしたら受けることができる税制優遇と同程度の優遇措置を図ることを目的として、設定をされているものでございます。
次が現状になります。
21ページは、iDeCoの掛金の状況になります。21ページは、1号、3号でございます。1号の方は、赤いところ、6.8万円の上限にいる方が14%ぐらい、3号の方は4割ぐらいが上限まで出されている状況です。
次のページは、iDeCoの第2号被保険者の方々です。この方々は、上限まで拠出されている方の割合というのは、いずれの区分でも高い状況になっています。
23ページから25ページは、年齢区分ごとに見たものですけれども、年齢階層が高くなるほど、掛金は高くなるという傾向が見てとれるかと思います。
26ページ、企業型DCの掛金総額別の加入者割合ですけれども、企業型DCに関しましては、左側、5.5万円の上限のところに関して7.4%ぐらい、右側、2.75万円の場合は10%ぐらいという状況にいらっしゃる方も一定数見てとれます。
27ページは、年齢階層別に見まして、年齢が高くなるほど高くなる傾向は見てとれるところです。
28ページは、マッチングの導入状況でございます。マッチングの導入状況は、直近で23.9%ということで、全体の4分の1程度です。
29ページは、国民年金基金の事業概況でございます。こちらは現状34万人というところですけれども、右側のグラフの掛金のところ、6万円以上という上限の階層にいらっしゃる方が全体の16.7%という状況になっています。
30ページは、確定拠出年金の給付の状況でございます。こちらは1件当たりの額のところを見ていただければと思いますけれども、企業型DCに関しては462万円、iDeCoに関しては、1件当たり301万円、今、このぐらいの数字になっています。
ここからが本日御議論いただきたい点です。
32ページを御覧ください。先ほど見ていただきましたとおり、まず課題としては、働き方やライフコースの変化等に伴って、企業年金・個人年金の充実を図る必要が高まっている中、拠出の在り方について検討する必要があるということです。
これまでの主な御指摘のところでございます。iDeCoの限度額に関しましては、制度の分かりづらさであったり、あとは拠出額の変更が加入者の負担になっているのではないか、このような御指摘がある。また、企業年金がない中小企業においては、iDeCoプラスの活用促進の観点も重要ではないか、こういった御指摘もいただいているところでございます。
企業型DCの拠出限度額に関しましては、退職給付制度、企業年金制度を活用しながら、従業員の老後の所得確保の支援に取り組んでいる企業の制度設計の妨げになるおそれがあるのではないかといった御指摘、また、本年12月から、DB制度ごとの掛金もDCのところに反映されていくことに伴って、実際、今の枠にはまらずに、企業型DCの事業主拠出を減額することが必要な事業主も一定数いるという指摘があります。
企業型DCのマッチング拠出に関しては、制限をなくすべきという御意見があります。
その点を踏まえまして、33ページ、拠出限度額に関する共通の御指摘というところですけれども、まず1つ目の○ところです。今、企業型DCは5.5万円、iDeCoの限度額はその内枠として管理されておりますけれども、企業年金の有無ですとか、事業主拠出の差異、また、企業年金が3.5万円未満の場合に、拠出限度額に活用できない隙間が生じるといったところの御指摘がありました。
企業型DCの限度額は2014年に現在の額に、iDeCoに関しては2017年に現在の額になったところでございますが、賃金ですとか、物価、こういった情勢を反映させた拠出限度額にするべきであるといった御意見がありました。
また、若い頃にはなかなか枠を使い切れないという状況もあるので、枠全体を引き上げていくべきではないかといった御意見がありました。
マッチングの制限の撤廃とかと、引上げで、自助努力の活用が格差拡大につながらないように配慮すべきといった点ですとか、いわゆる穴埋め型というのは、企業年金を自助努力に置き換えることを助長するのではないか、このような御意見もあったところです。
本日御議論いただきたい点としては、こういった御指摘も踏まえて、働き方や企業年金がある者とない者の公平性・中立性、自助努力に対する支援、企業年金の特性、拠出の実態、私的年金の普及、経済・社会情勢の変化等から、拠出限度額はどのような在り方とするべきか、この点について御議論いただければと思います。
引き続きまして、資料3でございます。資料3「DBの給付減額の判定基準・手続き」でございます。
スライドの2ページでございます。定年延長の際の給付減額の判定例ということで、昨年の10月にも資料を示させていただいていますけれども、定年年齢の後ろ倒しに伴って、給付額を維持する場合であっても、給付額の現在価値を計算する際の割引期間が長くなることによって、計算上、給付額の現在価値が減少する。このような場合には、給付減額に該当する。
給付減額と判定された場合には、手続要件として、給付減額に該当する者の個別同意を得ることになっている。現状、このような制度になっているところです。
ここのところに関する御議論ということで、次のスライド、手続のところですが、給付減額に該当することになった場合は、手続要件として、給付減額に該当する者の個別同意を得る、これは現在の仕組みを整理させていただいているものです。
これに関する御議論として、4ページでございます。部会におけるヒアリングの際にも、こちらは御意見をいただいておりまして、大きく給付減額の判定基準のところに関するものと手続に関するところ、こちらについて御意見をいただいています。
給付減額の判定基準に関しては、基準の在り方に関する見直しをしていくべきではないのか、あるいは給付減額の判定のところの判定基準のやり方をもう少し何とかできないのかといった御意見であったり、あるいは給付減額の手続のところに関しては、手続の簡素化、特に同意手続を省略することができないのか、このような御意見があったところです。
こちらに関しましては、5ページになりますが、前回の令和元年の議論の整理の中でも触れておりますが、この際にも議論をいただいているところです。この際にも手続の簡素化、あるいは給付減額の基準の見直しについて御意見をいただいたところですけれども、こちらは引き続き御議論となっていたところです。
6ページになりますが、昨年の10月に当部会で御議論をいただいた議論のご紹介です。
判定基準に関しては、各制度で公平に評価するといったところをどう考えるのか。
また、今の基準というのが、企業が制度を見直す際の足かせになっているのではないかといった御意見がありました。
給付減額の手続に関しては、個別同意というのは緩和するべきではないといった御意見がありました。
また、手続に関しては、企業の御負担になっているといった御意見があったところです。
それを踏まえまして、7ページになります。本日御議論いただきたい点です。
DBの給付減額の判定基準・手続に関してですけれども、課題の一番上に書いてありますとおり、定年延長に伴い支給開始年齢を引き上げる場合、給付の名目額が増額する場合であっても、給付の減額と判定されることが、定年延長の阻害要因になっているとの御指摘がある。
他方、基準に関しては、見直しに当たって、各DB制度がそれぞれ違う中で、一定の基準を定めて不利益性を定量評価するというのは、なかなか限界があるのではないか。
他方、手続のところで申しますと、給付減額に関しては、加入者の期待権等に関わる変更ですので、現行では対象者の個別同意の取得を要件として課すなど、慎重な取扱いとしている、こういったところに留意する必要がある。
ここを踏まえまして、本日御議論いただきたい点ですけれども、引き続き現行の判定基準を原則とするものの、一定の要件を満たす場合であって、加入者の3分の2以上で組織する労働組合の合意がある場合には、例外的に給与減額として取り扱わないことができるといったルールを定めることについて、どのように考えるのかというところです。
考えられる要件といたしましては、加入者に係る給付設計の変更に限ったものであったり、また、給付の名目額が増加する変更であること、それから、最低積立基準額については、従前とおりの取扱い、また、給付の減額は慎重な取扱いを要するというところで、労使の十分な話合いを前提とする例外的な取扱いなので、労使の交渉ができる体制として、対象加入者の3分の2以上で組織する労働組合の合意があること、このようなことで手続を少し見直してはどうかということについて、御議論いただければと思っております。
8ページは、イメージ図ということで、今回お示ししているものですけれども、赤のところのルートをつくってはどうかということについて、御議論いただければと思います。
9ページですが、部会でも判定基準のところは御指摘がありましたけれども、現行の判定基準、また、共通の基礎率を用いるような場合、それぞれメリット・デメリットがあるというところをまとめさせていただいているものです。
10ページは、DB制度における予定利率ということで、用語が様々ございますが、少し分かりにくいので、整理をしたらどうかという御意見をいただいておりましたので、こちらで整理をさせていただいています。
11ページは、現行の判定基準を御参考につけております。
資料3については、以上でございます。
あとは、参考資料について簡単に触れさせていただきます。
参考資料1に関しては、めくっていただきまして、これまでの議論、どういったことをやってきたかということをまとめているものですので、御参考にしていただければと思います。
参考資料2でございます。参考資料2は、今回の御議論の参考にということで、つけさせていただいています。
iDeCoの加入可能年齢・受給開始年齢の参考資料といたしまして、ざっと見ていただきまして、老齢給付金の年齢別の受給開始割合であったり、iDeCoの年金給付の受給期間別の割合、5ページは平均余命などの推移を参考につけさせていただいています。
それから、拠出の在り方に関する参考資料ということで、拠出の在り方に関しては、現行制度の成立の経緯ですとか、考え方に大きく関係しますので、そちらに関係する資料をつけさせていただいています。
8ページは、年金制度の仕組みです。
9ページからは、企業年金制度の変遷に関する資料をつけさせていただいています。
8ページ、9ページ、10ページ、11ページは、経緯であったり、期待されている役割であったり、こういったものをまとめている資料を御参考につけております。
制度ごとの特徴は、13ページ、14ページにまとめています。
15ページからは、過去にもお示しさせていただいておりましたけれども、限度額の考え方です。今回お示ししたものとは少し図が違うのですが、一応それぞれ設定されたという考え方の資料です。
17ページは、マッチング拠出における限度額を設定したときの考え方を参考につけています。
18ページは、企業型DCの限度額を超えた場合の調整の状況を御参考につけています。
19ページは、DBの掛金の状況です。
20ページは、掛金の算定方法に関するものです。
21ページは、現行の拠出限度額に係る給付水準の一定の試算です。これは昨年9月にお出ししているものを基に作成している資料になります。
22ページは、財政検証の前提の御参考です。
めくっていただいて、税制に関する資料も参考につけております。
24ページは、私的年金に関する税制の参考です。
25ページは、諸外国の状況です。
26ページは、所得控除に関する概要をまとめています。
27ページは、退職所得受け取り時の制度を整理しています。
28ページ以降、29ページから、関係機関からの令和7年度の税制改正要望に関する内容をまとめておりますので、こちらも御参照しながら御議論いただければと思います。
説明としては、以上です。
○森戸部会長 ありがとうございます。
それでは、議題1から3について、委員の皆様から、御質問、御意見をいただきたいと思いますが、大江委員が途中退席の予定ですので、冒頭、お話しいただければと思います。ちょっと時間が押してしまいまして、すみません。よろしくお願いいたします。
○大江委員 御配慮いただきまして、誠にありがとうございます。
それでは、早速ですけれども、iDeCoの加入可能年齢の引上げについては、働き方によらず、70歳まで老後資産づくりが続けられるという事務局案に私は賛成でございます。
iDeCoも公的年金も受給せず、老後資金をまだ準備する側でいたいという人だけが加入できるという制約条件も含めて、御提案の案でよいと私は考えます。
DCの受給開始年齢については、現在の75歳までで十分なので、これ以上の引上げは不要と考えます。
DC関係の拠出限度額につきましては、インフレもありますし、賃金も上昇してきておりますので、これに対応して上限を引き上げる必要があると考えます。
具体的にiDeCoと企業型と分けてコメントさせていただきたいと思います。
まずiDeCoですが、2号被保険者については、企業年金のない方の限度額を企業型DCの上限と同じ額まで引き上げる。そして、勤務先の企業年金の多寡によってiDeCoの限度額が低減をするという内枠の制約は機会平等の観点からは致し方ない、と考えます。本来であれば、NISAのように1人何万円というのが分かりやすく、普及・利用拡大に資するとは思うものの、お勤めの方に御自身の勤務先の退職金や企業年金を認識してもらうということは、iDeCoの加入だけではなくて、老後資金準備として必要だと思いますし、知ることで、準備すべき老後資金が減り不安を小さくするという効果もあるのではないかと考えます。
企業型については、参考資料を提出させていただいております。こちらは、弊協会が企業型DC導入事業主の御担当者に協力いただいて行っている実態調査になります。
提出をしております資料の1ページを御覧いただきますと、会社からの掛金に加入者自身が任意で上乗せする仕組みがあるを企業は62.8%となっています。その仕組みのひとつである、全員加入のDCにプラスして選択できる選択DCとは、全員に会社が掛金を拠出しており、これに加えて、もともと御本人の給料や賞与だった一部を、例えばライフプラン掛金というような形の名目で切り出しして、それを本人は会社掛金に上乗せすることもできるし、給与等でもらうこともできるという、こういう仕組みでございます。これが19.4%です。
会社拠出がなくて、本人の給与・賞与から切り出した掛金だけを拠出するという仕組みは、完全選択制ということで表記しておりまして、これが11.5%です。
それから、解散した厚生年金基金の掛金を、DC掛金とするか、給与として受け取るかを選ぶ退職金前払い選択制が6.9%です。
そして、DC法にも定められた加入者掛金を出す仕組みであるマッチング拠出が60.8%という状況でした。
次のページで、加入者が掛金を上乗せする仕組みごとの拠出額を見ていただきますと、マッチング拠出というのは1万円以下が大半になっていて、低く抑えられています。これはほかの仕組みはない事業主掛金額以下という制約によって、低く抑えられていると言えるのだと思います。
3ページです。企業型DCの導入事業主様に制度改正要望を聞いた結果です。上段は数を限定せず要望を上げていただいたもの、下段は最も重要と思うものを上げていただいたグラフになります。
黄色の部分がマッチングの事業主掛金額以下という制約の撤廃を要望している部分なのですけれども、下段のところを見ていただきますと、最も要望するという項目の2番目に挙がっております。
マッチングによる加入者掛金というのは、社会保険料の標準報酬の対象でもありますし、加入者本人にとっても、拠出、口座管理といった点で負担が軽く、最も私は正当な加入者掛金を拠出する仕組みだと思っています。ぜひマッチングの事業主掛金額以下という制約を撤廃いただいて、マッチングの使いにくさをなくして、企業での導入も加入者本人の拠出の額も広げられるようにしていただきたいと思います。
そして、加入者本人の拠出については、本人が拠出の有無や額を決められる掛金は、マッチングであれ、選択制であれ、前払い選択制であれ、加入者掛金として見える化をして、その取扱いは統一すべきだと思います。
会社掛金というのは、労使合意した規定に基づいて会社が拠出する掛金です。限度額も会社掛金と加入者掛金と別に設定することが必要なのではないかと考えます。そうしないと、インフレ、賃金上昇に併せて企業型DCの拠出限度額を引き上げていく、これは必要だと思うのですけれども、これを引き上げるということが給与や賞与から切り出す額を増やしていくということにつながってしまいます。
選択制DCというしくみは、労使ともに社会保険料の負担軽減につながるということが、導入・利用促進のメリットとしてうたわれている現実があります。ただ、こういった利用は、企業年金が本来目指した姿ではなく、公的年金、雇用、医療、介護といった幅広い社会保険にフリーライドするような人たちを生み出す仕組みとして使われてしまっているということを意味し、このまま選択制の利用拡大を看過してはいけないと考えます。
困ったときに支え合う社会保険というのは、日本のすばらしい仕組みで、これはみんなが応分な負担をすることで、将来も維持をされるものです。ですから、加入者掛金と会社掛金を区別して、限度額を設定していくという検討が今後必要なのではないかと思います。
その他、導入企業からの制度要望として、先ほどの資料の3ページに戻っていただきますと、直近、要望として急速に増えているのが、商品除外手続の簡素化という部分と、60歳受け取りにあたっての加入者等期間が10年あるということの制約の撤廃です。
次のページを御覧ください。商品見直しを行った担当者からは、「除外商品保有者情報を事業主に提供してもらいたい。そのことによって、除外予定の商品からほかのラインナップされている良質な商品への運用指図を切り替えてくれという案内を保有者に個別にメールなどでタイムリーに案内をしたい」、「しっかりフォローしたい」という要望があります。特に商品見直しが進んでいる大企業でこの要望が多くなっております。現在は除外予定商品の保有者を事業主が把握できないことによって、加入者全体への案内しかできず、結果的に除外予定商品への指図のままになっている人が多数出てしまっているという現状があります。
もう一点の60歳受け取りにあたっての加入者等期間が10年あるということの制約の撤廃というのは、現在、50代とか、60代でも転職が増えてきている中で、企業型DCの加入資格喪失時に受給権を得られないというケースが発生してきているということです。事業主としては、何歳で転職してきても、会社の処遇として同じことを提供したいということです。長く働く時代になって、60歳という年齢が、引退とか、老後資産形成の完了を意味しなくなりつつありますので、これも今日の本筋ではないのですが、検討に加えていただきたいと思います。
最後に、参考資料2の27ページに、今回、退職所得控除の調整について取り上げられていまして、加入者目線で2点申し上げたいと思います。
iDeCoや企業型DCというのは、一時金で受け取る場合に、前年以前、19年の退職一時金と合算する仕組みがあります。受け取り順序によって使える控除額が大きく異なるというのは、一般には分かりにくいところがあります。
もう一点、前年以前、19年ということですので、例えば40歳以降の転職のときに受け取った退職一時金が合算対象となって、20年近く前の退職に関する源泉徴収票をきちんと保管しておいて添付をしないと、一時金での受け取りができないというのは、40代、50代での転職が増えてきている昨今の事情には合っていないのではないかと思います。
すみません、長くなりましたが、以上になります。ありがとうございます。
○森戸部会長 ありがとうございます。
多岐にわたる、また、参考資料も御紹介いただいて、非常にいっぱい貴重なポイントがあったのですけれども、時間もあれなので、すぐ先に行きたいと思います。申し訳ありません。大江さん、ありがとうございました。
それでは、ほかの委員の方、御意見のある方はいかがでしょうか。
金子委員、お願いします。まず現場というか、こちらのほうからお願いします。
○金子委員 金子でございます。
久しぶりの部会なので、いろいろと言いたいことがたまっておりまして、ちょっと長めになるかもしれませんけれども、お許しください。意見は多分5、6点申し上げることになると思います。
まずiDeCoの加入可能年齢の引上げについてです。国民年金被保険者以外について、今回、要件案が示されたわけですが、iDeCoの加入可能年齢を前回60歳から65歳まで引き上げる際にも、この部会で他の委員の方が御指摘されていましたけれども、60歳以降にiDeCoに加入する人は、それ以前に既にiDeCoや企業型DCに加入していた方がほとんどだということだと思います。今回、加入可能年齢を70歳まで引き上げる場合においても、当然同様の傾向が当てはまるはずで、DCを継続しようとする者を加入条件にすることは全く違和感がないと思っております。
次にiDeCoの受給開始可能年齢についてなのですが、2022年に受給開始年齢がそれまでの70歳から75歳までに引き上げられたばかりですので、この引き上げられた期間に受給を開始する人がどれくらいいるのかを見極めた上で、受給開始可能年齢をさらに75歳以上に引き上げるのかを議論するというのが、冷静な判断ではないかと思っております。
3つ目は、iDeCoの限度額についてなのですが、2号被保険者のiDeCoの拠出状況を見ますと、現在、iDeCo独自の非課税拠出限度枠は、加入者自身による老後の所得確保の足かせになっているように見えます。非正規労働者までを含めた公平性を考えると、iDeCo独自の非課税拠出枠を廃止し、非課税枠については、企業型DCとiDeCoを合算した非課税限度枠だけに絞った方がいいのではないかと思っております。
その際、懸念点として、企業年金の実施意欲をそぐおそれがあるとの指摘もありますけれども、このような見直しが必ずしも企業年金の実施意欲をそぐ方向だけに向かうとは限らないのではないかと思っております。iDeCo独自の非課税限度枠を廃止し、国民のiDeCoへの関心が高まるのであれば、iDeCoと同じ枠に拠出する企業年金があることによって、企業はキャリア採用を有利に進めたり、あるいは人材流出を防ぐことも期待できるはずで、企業年金の実施意欲を高めることも考えられるのではないかと思っております。
そうはいっても、企業年金の実施意欲をそぐことになるとの懸念には一定の配慮をすべきで、政府のリードにより企業年金の広報を行うなど、企業年金を広めていく方向の対策も併せて行うことが肝要ではないかと思っております。
4つ目はマッチング拠出なのですが、たしか2016年の部会で、損害保険協会さんが興味深い資料を示されていました。それは事業主掛金が低い加入者の大半が加入者掛金の上限に達していましたという資料だったのですけれども、これは2号被保険者のiDeCoの掛金分布と同じような状況で、事業主掛金以下と定めるマッチング拠出の制限が、加入者自身による老後の所得確保の足かせになったと考えております。このため、事業主掛金拠出以下と定めるマッチング拠出の制限は、廃止すべきではないかと思っております。
最後、企業型DCの拠出枠についてです。企業型DCの拠出枠を決めるパラメーターとして、大部分をカバーできる賃金水準という金額が用いられていますが、これは2014年に決めたときに使ったものだと思うのですけれども、2014年から10年もたっていれば、その水準は増加しているはずですし、今後も増加するかもしれないと思っております。それに対応する部分については、企業型DCの限度額に反映するような仕組みにしておくべきではないかと思っております。
また、今回の書類にはあまり出てこなかったので、もしかすると、検討から外されてしまっている可能性もあるので、今から言ってもしようがないのかもしれませんけれども、iDeCoの加入可能年齢を70歳まで引き上げるに当たって、DCを継続しようとする者を加入条件にするとの案が示されていましたが、そうすると、利用の鍵を握るのは、60歳までにiDeCoや企業型DCに関心を持ち、始めていただくことになってくると思います。50代の方でも新たにiDeCoを始める動機づけのためにも、生涯拠出枠やキャッチアップ拠出を導入すべきではないか思っております。
以上でございます。
○森戸部会長 非常にコンパクトにまとめていただいて、ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。まずこの現場といいますか、こちらのほうでございますか。
小林洋一委員、お願いします。
○小林(洋)委員 ありがとうございます。
私からは、3点コメントをさせていただきます。
1点目は、iDeCoの加入可能年齢・受給開始可能年齢についてです。これまでも申し上げておりますが、私的年金の利用拡大に向けては、働き方や勤務先に左右されず、シンプルで分かりやすい制度とすることが重要です。
また、中小企業における人手不足は深刻であり、経営者としては、能力や意欲のある方であれば、年齢に関係なく、可能な限り長く働いていただきたいと思っているのが実情です。就労意欲に影響しない制度であるとともに、個人の選択を阻害しない自由度の高い制度とすることも重要と考えております。
このような点を踏まえますと、加入可能年齢については、事務局から御提示いただいた方向性で進めていただき、拠出限度額についても、特に差をつけない形とするのがよいと思います。
また、受給開始年齢の上限については、令和2年改正で75歳に引き上げられ、令和9年4月以降に初めて実例が出てくるという状況であり、現時点では具体的なニーズや実務上の課題が把握できないとされていることから、上限については75歳のままとし、令和9年4月の施行以降の高齢者の就労状況やiDeCoの受給の選択状況等を見つつ、改めて検討するのが適当ではないかと思います。
2点目は、iDeCoの拠出限度額についてです。これにつきましては、中小企業の立場からぜひ御検討いただきたい視点がありますので、申し上げさせていただきます。
それは、iDeCoプラスの在り方との連動についてであります。中小企業では、DBやDCのような、いわゆる企業年金はハードルが高いのが実情です。そうした中、社員が加入している個人年金に事業者が相乗りできる形で福利厚生を充実させられる意義を持つiDeCoプラスは、中小企業にとっては、事実上、企業年金を代替するものであると言えますし、これを大いに活用できるようにしていただくことが重要と思います。
そういう前提でiDeCoの拠出限度額について見るとき、資料2の19ページのとおり、企業年金加入者と未加入者との間では、私的年金の拠出限度額に大きな格差が存在しております。iDeCoの拠出限度額は2010年から据え置かれたままであり、2018年からiDeCoプラスがスタートしたものの、限度額は引き上げられませんでした。
22ページの左の円のグラフを見ますと、上限まで拠出している方が半分近くいらっしゃいます。例えば、そういう方に事業者が拠出をすることにしたとき、拠出総額が抑えられてしまっており、具体的に2万3,000円が上限になってしまっているのは、おかしいのではないかと思います。社員は将来の年金額のことを考えて掛金を出している、もっと言えば「出せている」のですから、事業者の拠出は、社員の拠出額を減らす方向で調整させるのではなく、これにプラスできるという仕組みに制度設計を考え直していただけないかと思います。
また、iDeCoの最低拠出額が5,000円であることが、所得の低い若年層の制度活用のハードルを高くしている、という指摘が以前あったと思います。私的年金の普及拡大のためには、制度を活用していない人たちや事業者に活用を広げていくという観点が重要と思います。高卒の新入社員などにしてみれば、あまり実感の湧かない遠い将来に向けて、毎月何千円も出すのは、実際問題として厳しいと思います。また、新しくこういう福利厚生を始めようとする事業者にとっても、入り口のハードルは低い方が活用は増えるのではないかと思います。その意味から、最低拠出額の引下げを検討していただけないかと思います。これにより資金の管理・運営業務に支障が出るというのであれば、そこにこそ公的支援を入れることで解決すべきと考えます。
3点目は、給付減額の判定基準についてです。事務局からお示しいただいたとおり、現行の給付減額の判定基準を原則とするものの、一定の要件の下、労使間での合意が得られるのであれば、給付減額として取り扱わなくて済むように見直す、ということでよいのではないかと思います。
以上です。ありがとうございます。
○森戸部会長 ありがとうございました。
時間の関係もあるので、今日は事務局にその都度振らないので、課長は安心されているかもしれませんが、もし何かあったらそちらからお願いいたします。コメントなどがあれば、お願いします。なければ、そのまま行きます。
それでは、ほかに現場のほうで御意見がある方はいかがでしょうか。
岩城委員、お願いします。
○岩城委員 ありがとうございます。
iDeCoの加入年齢を70歳まで引き上げることで、老後資産形成を継続しようとする人を支援できる制度になるのはとてもいいことだと思います。ただ、やはり資格要件を広げ過ぎるのは制度を複雑にしてよくないと思います。
そこで、やはりiDeCoを含む私的年金は公的年金の上乗せであるということを踏まえて、国民年金、厚生年金、この公的年金の保険料を納めつつ、上乗せとしてiDeCoに加入している人が継続できるようにするということで、適用拡大で厚生年金加入となれば活用できる。運用指図者であった人とか、あるいは企業型DCから移管した人も厚生年金に加入していれば継続、積み増しができる。つまり、長く働く人にはやはり老後不安とか、それなりに理由がある人が多いと思いますので、より自助努力をしやすい制度にするということです。
既に満額を支払っている国民年金第1号被保険者は将来、自分が60歳になったときに仮に基礎年金拠出期間が5年延長になっていれば引き続き拠出ができるということで、老齢基礎年金などを受給しているが、それでも追加で資産形成をしたいと考える人を排除することになりまして、制度の包括性に欠けるという懸念もあるのですけれども、ここを考慮した制度とすることはやはり実務面での負担が大きくなり過ぎるのではないかと思います。
範囲を広げるよりもiDeCo、企業年金共通の話となりますが、多様な働き方やライフステージに応じた柔軟な拠出の在り方を確立して、自身の将来に合った老後資産形成が公平に行えるようにすることを検討してはどうかと思います。
議題1の3つ目のポツ及び公正中立な拠出の在り方についても関わりますけれども、1つ目はNISAのように生涯拠出可能額というものを設けてキャッチアップ拠出を可能にすることなどで拠出額に柔軟性を持たせることはできないのか。70歳まで拠出ができるようになる人も、生涯拠出額を上限とすればよいのではないかと思います。
2つ目に、現在の拠出限度額が賃金や物価の上昇、将来的な公的年金の取得代替率とか実質年金額に対応して時代に合った調整を行っていくということができないのかということ。
3つ目が、企業年金がある人とない人で、やはり拠出限度額に差異が生じていることなどから、企業年金の有無にかかわらず、全ての加入者が公平に拠出できる限度額というものを設定していくのはどうなのかということ。
4つ目が、企業型DCにおけるマッチング拠出について制度撤廃を検討して、従業員が自由に掛金を決定できるようにすることはできないのか。このようなことを考えます。
やはり大切なのは自助努力を促進して加入者自身のリスク許容度とキャリアプラン、ライフプランに合った資産形成ができるようにすることです。老後資産形成をするための合理的なお金の置き場所として私的年金、企業年金をより使いやすい制度にすることがやはり必要だと思います。
2つ目、受給年齢上限引上げについては75歳と設定されている現状を維持して、将来的な変更についてはさらに加入者の実際のニーズに応じて制度を調整、再検討するという考え方は非常に合理的だと思います。現行の受給開始年齢を維持することで、加入者自身がやはり退職資金を計画しやすいというのも大きなメリットにつながるかと思います。
結論としては、とにかく人生が長いということで不安を生じているという実情を踏まえて、柔軟なリタイアメントプランが可能になることと、個人の自由度が高まる制度にしていくことが必要です。
J-FLECで認定アドバイザーを増やしていく取組をしていますので、今後はどなたでも専門家に相談することが可能になります。一人一人のライフプラン、キャリアプランに合ったマネープラン、リタイアメントプランをつくって実行することができる制度を目指していくのが大切なのかなと思います。
もう一点、税制についてなのですけれども、こちらはしっかりと議論を深めていくべきだと思います。現状は、税制面でメリットが大きいという理由で退職一時金として受け取る人が圧倒的に多いのですが、インフレが進む中で本当にそれでよいのかということを考える必要が出てきました。
逆に言えば、年金受給額が高い場合に税金額が高くなることや、手続が煩雑、あるいはコストがかかるなども相まって年金受給を選択する割合が非常に少ないのですけれども、しかし、運用を続けながら取り崩すということでインフレ対策の一助になることや、運用期間を延ばすことで元本割れの可能性が生じる確率も下げられるかもしれないなどというメリットもあります。税制を変更することで、年金受給という選択肢を広げることができるのならば大いに検討に値すると思います。
以上です。
○森戸部会長 ありがとうございました。
では、藤澤委員お願いします。
○藤澤委員 ありがとうございます。
基本的なスタンスとしては、働き方の違いや勤め先の違いによって有利、不利が生じないように、共通の非課税拠出限度額を設ける必要があると考えています。そういった方向に近づけていくという意味で、資料1のiDeCoの加入可能年齢の70歳引上げについては賛成いたします。公的年金の上乗せの解釈を整理いただいて、実務上の取扱いとのバランスも加味した御提案いただいた方法で問題ないと考えています。
2点目ですが、資料2の18ページの「企業型DCの拠出限度額の考え方」についてです。こちらのモデルを拝見すると、公的年金の水準について一律のモデルでセットしている形になってございますが、公的年金の財政検証で年金額の分布推計が今回示されたということもございますので、分布推計を使ってそのモデルの妥当性の検証をしていただきたいと思っています。
その上で、幾つか課題が見つかれば、それを解決するような方向で抜本的にこの拠出限度額の考え方を見直すということを、これは短期的というよりも、中長期的には考えていただきたいと思っています。労働参加の進展によって若年世代ほど厚生年金の被保険者期間の長い人が増加する。特に女性のところですが、そういった数値も示されていますので、公的年金の水準が一律のモデルで本当に妥当なのかどうかは一度議論してもいいと思っています。
2点目は少し細かい点で、私的年金の保険料を給与掛ける8.5%と計算している部分ですが、カナダも同じように給付立ての給付を拠出立てに置き換えるようなファクターを使った仕組みがございます。一定の制度を仮定して基礎率をセットした上でそのファクターを計算するということをやっています。
恐らく、この8.5%の計算についても一定の制度を仮定して計算基礎率をセットして計算しているものと推察しています。そうすると、例えば死亡率は恐らく厚生年金基金の時代に設定された形になっていますので、終身年金だとすると保険料の水準というのは長寿化の影響もあって直近の死亡率を使って計算すると、保険料の8.5%よりも高くなるのではないかと思っています。そのような計算基礎率の影響も踏まえて、拠出限度額をセットするということを短期的にはやってもいいのではないかと思っています。
あとは、ほかの委員もおっしゃっているように、物価とか賃金が上がっているといったところ、これは企業型DCに特化した話ではないのですけれども、1号とか3号とか、そういった部分についてもスライド分については上乗せするというところもぜひ検討していただきたいと考えています。
以上でございます。
○森戸部会長 ありがとうございます。
では、ほかにいかがでしょうか。
松田委員、お願いします。
○松田委員 ありがとうございます。
資料1と2について意見を申し上げたいと思います。
これまでiDeCoの加入可能年齢の引上げにつきましては、国民年金の被保険者であることを前提とすべきと申し上げてまいりました。今回、iDeCoを活用した老後の資産形成を70歳まで継続する老齢基礎年金や、iDeCoを受給していない方に限定するということで、iDeCoの加入可能年齢を70歳まで引き上げるための例外的な要件と受け止めております。今後も被用者保険の適用拡大や第3号被保険者制度の見直しなど、公的年金の制度改正の議論を踏まえた総合的な検討が必要であると考えております。
資料2の拠出の在り方についてです。企業型DCやiDeCoの拠出限度額につきましては、税の公平性や労働者間の格差が広がらないよう留意しつつ、検討する必要があると考えております。
また、企業型DCのマッチング拠出の従業員の拠出限度額につきましては事業主の拠出を基本とする企業年金制度であり、事業主が拠出額を増やすインセンティブを阻害する懸念がありますので撤廃すべきではないと考えております。
以上です。
○森戸部会長 ありがとうございます。
では、小林由紀子委員お願いします。
○小林(由)委員 ありがとうございます。
私からは、iDeCoの加入可能年齢、企業型DCの拠出限度額、DBの給付減額判定基準の3点について意見を申し上げたいと思います。
まずiDeCoの加入可能年齢についてですが、本来は60歳以降の国民年金保険料の納付期間と併せて議論されるべき問題と考えますが、今回の御提案につきましては高齢期の働き方やライフ選択が多様化する中で、意思ある者にとっては老後所得の維持・確保に向けた自助努力の機会が拡大されること、特に65歳以降の厚生年金被保険者については就労先の制度状況にかかわらず70歳までその機会が確保され、環境改善が図られるという点は評価できると考えております。
なお、65歳以降の拠出上限額については、分かりやすさの観点に加えて現行制度との連続性や加入者間の公平性に留意の上、決定する必要があると考えております。公的年金保険料の負担状況を踏まえた公平性の観点からは、企業年金制度のない会社に就労する厚生年金被保険者の現行拠出上限額を基本として検討することが妥当ではないかと考えます。
続いて拠出の在り方についてですが、これまでも申し上げてきましたが、拠出限度額については私的年金全体の普及・拡大を図るという観点からも、iDeCoだけを取り出して議論するのではなく、企業年金、個人年金を通して全体として引上げを図っていくべきと認識しています。
骨太方針2024で言及されているiDeCoとは異なって、企業型DCの拠出限度額についてはここまでほとんど議論が進んでいないと認識しています。2014年の引上げ以来、10年経過していること、その後の社会情勢変化も踏まえれば改めて引上げに向けた議論を前に進める必要があると考えます。
その際に論点となる働き方や、企業年金のある者とない者の公平・中立性に関しては、働き手が負担する税や社会保険料並びにそれらが持つ所得再配分機能に関しても十分勘案する必要があると考えます。
企業型DCの掛金引上げによって高所得者層のみに税制の恩恵が偏るという見方があることも承知していますが、一方で高所得者や企業の負担が年金受給者全体の給付水準維持に貢献をしていることも事実です。そうした実情も十分考慮した上で私的年金全体としての拠出限度額の在り方、ひいては拠出・運用・給付一体での税の在り方を議論すべきと考えます。
最後に、定年延長に伴って支給開始年齢を引き上げた場合の給付減額判定についてです。企業年金制度の多くが退職一時金由来であり、労使間の議論もその前提で行われてきたことを踏まえると、本来は退職時点の一時金換算額を基準として議論をすることが自然であり、かつ望ましいと考えます。今回提案のあった、給付の名目額を判定基準とし、予定利率の影響回避を目指すという考え方については、高齢者雇用の促進に向けて対応する企業の手続負荷を軽減するという観点で一定の前進と受け止めておりますが、企業年金については会社ごとに給付方法や設計が異なる中で、例えば終身年金を有する制度等においては引き続き従来同様の手続が必要となるケースもあると認識をしています。各制度における給付の評価の公平性を担保しつつ、等しく円滑な制度移行の妨げにならないような方法の実現に向けて、引き続き継続検討をお願いしたいと考えます。
以上です。
○森戸部会長 ありがとうございます。
では、原田委員お願いします。
○原田委員 ありがとうございます。
資料1、2、3のそれぞれについてコメントさせていただきます。
まず資料1でiDeCoの加入可能年齢についてですが、皆さんおっしゃるとおり、働き方の違いによる差異というのはできるだけなくすべきで、特に機会、チャンスの差異というのはまずなくす方向で検討すべきと思っております。
ただ、金額の枠は、いろいろな状況によって多少の差異があるのはやむを得ないとも考えております。
加入可能年齢についてですが、やはり私も被保険者である、要は老後のための公的年金、私的年金というものを積み立てている期間であるというのは考え方として原則的なものではないかと思っているものの、国の抜本的な改正も大変だということもあり、できるところから手をつけるということで、今回については事務局から御提示いただいた案についてはいいのではないかと考えております。
特にiDeCo等で積立てを継続しているところに絞る点についてもいいのではないか。今から始めますという方までというよりも、これまでもやられてきた方が続けられるということでいいのではないかと思っております。前も申し上げましたけれども、受給者の方がiDeCoで積み立てるというのは非常に違和感がありまして、そこはなしでいいのではないかと思います。
それと、被保険者でなくなった後の限度枠についてはどういう基準がいいのかということは考えたほうがいいと思いますが、これまでの被保険者としての状況などということは、あまり考えずにと言ってはいけないのですが、複雑になると思いますので統一したほうがいいと思っております。
それから、受給開始可能年齢の引上げにつきましては皆さんの御意見と同じで、まだ早いのではないかと思います。今、75歳到達には実際の方がいないので、まだいいのではないか。
特にあまり引き上げ過ぎると、先ほど説明資料にあった遺産形成ではないという趣旨にも反してくるという気がして、どんどん引き上げることに関しては注意しなければいけないと思います。
それから、資料2の「拠出の在り方」についてですが、私はiDeCoの限度額引上げについては税の面からも企業負担、本人負担というのは別々に考えたほうがいいのではないかという気がしております。企業負担はDCにしろDBにしろ、DCは本人の口座に入るということはありますけれども、純粋な所得ではないのではないかと思っておりまして、税の専門の方に聞くと、何をばかなことを言っているんだと言われるかもしれませんが、自由になるお金ではないということからすると、まだ所得としてみなすというのは無理があると思っています。
そうなってくると、企業負担というのは法人税法の問題なのではないか、損金の問題なのではないかと思います。ちょっと乱暴な整理かもしれませんが。
ですから、本人負担は純粋に所得からの拠出になりますので非課税ということが税制優遇というのははっきりしているので、本人負担を独立させるというほうが分かりやすいのではないかと思います。
DCの拠出限度額をいわゆるDBでの使い残しが使えるようにしたという面で大きな一歩だったと思いますので、これをまず軌道に乗せた後に全体的に検討すればいいのではないかと思います。
それで、本人負担、自助努力というところですけれども、これはiDeCoもマッチング拠出も同じ限度額にするというのも一つの考え方ではないか。会社負担が上限というのは撤廃した上で、限度額はiDeCoもマッチング拠出も同じ、本人が負担する部分については一緒ですよとしたほうがいいのではないかと思います。
ただ、iDeCoの限度額も1号、2号というような形で働き方というよりも、企業から給料をもらう人と、自分でそれも含めて稼いでいる人との取扱いは異なってもいいのではないかと思います。
ちょっとずらずら言いましたけれども、抜本的に変えるのはなかなか難しい。もう少し時間をかけるべきではないかとも思いますので、取りあえず先ほど藤澤さんがおっしゃった8.5%という率の検証とかもありますが、物価とか賃金とかの上昇分というのは取りあえず限度額に反映させて、かつ枠を広げるという対応はDC全体の限度額、それから国民年金基金の上限額、これらについても同じですけれども、に反映させるべきではないかと思います。
それから、3点目で資料3のDBのところです。この部分はどちらかというと私が専門なのでお話ししますと、減額判定の手続については話合いがちゃんとできていれば何でもいいというほど、それはそこまで軽いものではないと思っています。受給権の保護、権利の保障というところからすると、慎重にあるべきというのは当然のことだと思っています。
ですが、今回の例としてよく挙げられるのが定年延長ですが、実際に定年延長される企業様で企業年金をどうしようかといったときに、減額を回避するために抜本的な改正はせずに、今の定年が60歳だとすると60歳での支給開始を原則として会社を辞めるまで繰下げができますという選択肢を追加するという対応にとどめているケースが見られるんです。
それは減額を回避するためにやられているケースがあるので、今回御提案いただいた内容であれば、横滑りというのは入りませんけれども、やはり何らかのプラスがある形であれば減額にならないというのは非常に大きな効果があると思います。実際に採用しやすい、制度をちゃんと見直しやすい取扱いなのではないかと思っていまして、正直、100点というわけにはいきませんけれども、かなり私はありがたいと言うと変ですが、効果があることなのではないかと思っております。
ただ、本質的にどういったものを減額とするのかという議論は、これからまた改めてやって公平な判定基準というものをつくるべきだと考えております。
ただ、1点だけどうしても気になるところといいますか、どうかなと思っていたところが、3分の2以上の組合の同意があるという条件ですけれど、当然3分の2以上の同意くらいは必要だと思っておるのですが、組合の組織率で3分の2ある会社がどのくらいあるのかがちょっと心配で、実際にこのケースに当てはまる制度がどのくらいなのだろうというのがちょっと心配です。特に総合型とか多くの事業所が加入されているDBでは、小さい会社さんで組合がないとか、あっても3分の2いかないというケースもありますし、逆に大企業でも非組合員の割合が高いというのは結構あるんですね。
ですので、そうなってくると3分の2以上の組合があってという条件が、せっかくの使いやすい基準が使えるケースが非常に限られてきてしまうのではないかというのが気になる点でございます。
以上です。
○森戸部会長 ありがとうございます。
3分の2は恐らくほかのところでも使われている基準だから、それを言い出すと多分また全体の話になってしまうと思うのですけれども、私は何もコメントしないと言いつつ1点だけ、給付減額の話なので、さっきもおっしゃいましたが、完全に横滑りだと駄目なんだけれども、一応名目額基準ということで、それは数理人の信条に反するところはないですか。
何か素人の考えだなと、同じ額ならば5年後でもいいというのは数理人的にはあり得ないと思わないのか、それが100点じゃないというところかなと勝手に思ってそこだけちょっと気になっていますが、いかがでしょうか。何か数理人代表みたいに聞いて申し訳ないですけれども。
○原田委員 私も、価値が減るか増えるかというところはやはり基準の一つとして必要だと思っていて、今までのように金利がマイナスだったりすると、今の100万円も5年後の100万円も同じ100万円だというようなイメージはありつつも、金利がある世界になってくるとやはり価値というのは違ってくると思うので、名目、横スライドであればいいじゃないかというのは私が直面するお客様の心情としては非常によく分かるのですが、一方で数理人として考えたときには、そういう経済価値的な部分の評価ということを考えると、横滑りでもいいよねとはなかなか言えないと思っております。
○森戸部会長 ありがとうございました。
もちろんその点も全体を踏まえて、ほかの点もありますので、私も別にこの基準に大きく反対しているというわけではございません。ありがとうございます。
では、オブザーバーの方はまた後で御意見があれば伺いますが、オンラインのほうで御意見がある方から手が挙がっています。
では、谷内委員お願いします。
○谷内委員 谷内です。お疲れさまです。
私からは資料1、2、3、それぞれについて意見を述べます。
まず資料1のiDeCoの加入可能年齢ですが、60歳以上70歳まで資産形成を継続しようとする方に加入を認めるという方向性について、既にほかの委員の方からも同じ意見が出ておりますが、私も賛成です。①国民年金被保険者だけでなく②iDeCoの加入者・運用指図者や③企業型DC等の私的年金の資産をiDeCoに移換する者にiDeCoの継続加入を認めるとの話でしたが、これらは過去の保険料納付実績を尊重した措置だと認識しています。
具体的に、60歳手前でいつまでに加入あるいは資産移換をすればいいのかという細かい要件はなお検討が必要ですが、総論としては、今般の改正の方向性には賛成です。また、既に年金を受給している方は対象外とするとの方針にも賛成です。
一方で、60歳以上70歳未満の方の拠出限度額をどう設定すべきかという問題があります。考え方は2つありまして、1つは60歳直前の加入者区分に応じた拠出限度額を継続して適用する方法、もう1つは一律の拠出限度額を設定する方法がありますけれども、私は後者の方法すなわち60歳以降の拠出限度額は一律とすべきと考えます。前者の方法すなわち60歳前の加入者区分に基づいた拠出限度額で管理しようとなると、例えば60歳の手前で、第2号加入者から第1号加入者に転じて6万8000円の拠出限度額を享受するなど、加入者の恣意的な行動を誘発しかねないので、60歳以降の拠出限度額は一律とすべきと考えます。
では、幾らくらいが適当かというところですが、私は、60歳以降の拠出限度額は一律で月額6万8000円としてはどうかと考えます。理由は、2022年から新たに加入対象となった第4号加入者すなわち任意加入被保険者の拠出限度額が6万8000円であり、現行制度のの取扱いと整合的であるということ。
また、資料1の9ページにiDeCoの加入者の年齢構成が示されていますが、iDeCoの場合、全体の4分の3以上が40代以上で占められており、実態として人間はある程度年齢がたたないと老後を意識することが難しいので、そうした実態にも即しているのではないかという点。
最後に、一律6万8000円という高水準の限度枠を設けることは、キャッチアップ拠出と同等の効果が得られるものと考えます。
資料1の最後としまして、iDeCoの受給開始可能年齢について継続検討するという方針にも賛成します。
続きまして資料2、拠出限度額の在り方です。
特にiDeCoについては、第2号被保険者の拠出限度額は統一すべき、あるいは企業型の5万5000円に合わせるべきという意見が、先ほどから多くの委員から出ています。これは、シンプルで分かりやすい制度の構築や、あるいは雇用の流動化への対応という観点からは私も賛同します。
加えて、iDeCoの第2号被保険者の拠出限度額は、マッチング拠出との兼合いも踏まえて考える必要があります。資料2の19ページには、企業年金がある国民年金第2号被保険者のiDeCoの第2号被保険者の拠出限度額は、マッチング拠出の実態の大半をカバーする水準を基に決めているとあります。マッチング拠出については、加入者掛金を事業主掛金以下とする要件の撤廃を主張する委員もいますが、もしこの要件を撤廃するのであれば、なおのことiDeCoの拠出限度額も引き上げるべきと考えます。さもないと、企業型DCを単独で実施することが難しい中堅・中小企業の従業員においては、加入者本人がiDeCoに拠出する水準がマッチング拠出を導入している企業の従業員に比べて拠出水準が低く抑えられる不合理が生じます。第2号被保険者のiDeCoの拠出限度額の引上げについては、こうした観点からも検討すべきと考えます。
加えて、生涯拠出枠も検討すべきと考えます。特に、本年2024年1月からは新NISAでも生涯拠出枠的な考え方が導入されているので、iDeCoでもぜひ導入を検討すべきです。
最後に3点目、給付減額の判定要件です。今回示された方針は、労使で事前協議を密に行うことによって給付減額に係る同意手続をある程度緩和する措置だと認識しており、この改正の方向性は賛成します。ただし、ちょっと気になる点が2点あります。
1点目は、給付の名目額についてです。改正案では、給付の名目額が増加することを要件にしています。例えば、この要件を満たすために、給付額1万円のところを1万飛んで1円にするのか妥当なのかということは、なお検討が必要と考えます。
また、2点目としまして、改正案は労働組合の存在を前提にしていますが、労働組合が組織されていない企業も多数あります。とりわけ、中堅・中小企業においては労働組合が組織されていない傾向にあることから、過半数代表者に係る要件を設けるなど、労働組合が無い場合の対応も検討が必要と考えます。
私からは以上です。
○森戸部会長 ありがとうございました。
では、次に水崎委員お願いいたします。
○水崎委員 初回の参加にもかかわらず、オンラインで大変失礼いたします。
私からは、資料3のDBの給付減額の判定の手続についてです。御意見の中にもありましたけれども、定年延長の議論を検討する際に給付の名目額が増加する場合でも減額と判定されてしまう現在の制度に関して、定年延長の阻害要因になっているという御意見がありました。これは一定理解ができますし、今回事務局から示された一定の要件を満たす場合に給付減額として取り扱わない。これを認めるというのは、各企業で定年延長の議論をする上で退職金・企業年金制度も含めた前向きな検討、議論を促すという点についてはよいかと思っています。
その上で1点確認と、1点意見として述べさせていただきます。
まず資料3の7ページ目に、給付の名目額が増加する変更の要件の中で注釈として、「給付設計の変更対象者に係る予定利率ゼロの下での通常予測給付現価」という記載がありますけれども、この点について少し補足説明があればよろしくお願いします。
2点目は意見ですけれども、この仕組みは加入対象者の3分の2以上で組織する労働組合があり、さらに労使協議にて合意がなされることが条件となっています。これは労働側として極めて重要だと考えています。したがって、原則としてはこの条件以外で代替するのは避けることが望ましいとは考えます。一方で、様々な意見がありましたけれども、組合の組織率の話もありますので、この件に関してはどういうものを認めるかというのは継続的に論議をしていく必要があるのではないかと思っています。
私の発言は以上とさせていただきます。
○森戸部会長 ありがとうございます。
それでは、資料3の7ページの記述について事務局から御説明をよろしいですか。
○榎企業年金・個人年金課基金数理室長 御質問ありがとうございます。
資料3の7ページで、給付の名目額のところに注釈を入れておりました。それで、「予定利率ゼロの下での通常予測給付現価」がどういう意味なのかというところで、少しテクニカルな言葉も使っていて分かりにくかったかと思います。少しかみ砕いて御説明をさせていただくと、この予定利率ゼロの下での通常予測現価というのはおおむね年金でもらう場合の総支給額に相当するようなものだと御理解をいただければよいかと思います。
今回、論点として出ているような定年延長に伴って支給の開始を後ろ倒すという場合を想定して、なおかつ毎月もらえる年金は変わらないというような場合、こういう前提で考えると、年金をもらう場合に10年とか20年とか有期の形で年金をもらっているケースであれば、この予定利率ゼロの下での通常予測給付現価は一切変わらないというイメージになろうかと思います。
他方で少し細かく申し上げれば、終身年金の場合はその支給開始が後ろに遅れる分だけ総支給額という意味合いでは少し減ってくる可能性もある。そういうものが過去の予定利率ゼロの下での通常予測給付現価の中では筋として評価される。そういったイメージでお考えいただければと思います。
以上です。
○森戸部会長 ありがとうございます。
以上の補足でよろしいでしょうか。
○水崎委員 ありがとうございます。理解できました。
○森戸部会長 ありがとうございました。
では、山口委員お願いいたします。
○山口委員 ありがとうございます。山口です。よろしくお願いします。
既にいろいろな委員の方がおっしゃったことと重なるかもしれませんけれども、3点意見をお伝えさせていただきます。
まずiDeCoの加入可能年齢について70歳に引き上げるという点は私も賛成で、今の加入要件というのは場合分けが細かくて、例えば自分が60歳になって加入可能かどうかはその場になってみないとその人の働く状況によっても分からないというところがあり、個人から見たときの予測可能性を高めるという意味では枠はなるべく共通化を図り70歳に引上げることには賛成です。
受給開始可能年齢を75歳で現状維持ということについても賛成で、事務局から御説明がありましたように、遺産のために残すわけではなく、老後の生活に充てるための資産形成という趣旨と、年齢を経てきますとそれぞれの判断力の個人差が大きくなってくるかもしれないので、事務的な手続も必要になることも考え併せて、現状の年齢で維持するのが妥当ではないかと思っております。
拠出限度額につきましては資料2のスライド19のところに図が示されていて、これを見ながら考えておりますけれども、全体的な上限額については上限に張りついている層がそれぞれについて一定割合いるという意味では、もう少し上限を引き上げる検討はしてもよいかと思います。
それから、先ほども御意見がありましたけれども、やはり年齢を経てからのほうが加入している割合は高いのですが、これからを考えますと若い層の人たちが少しずつでも若いときから関心を持つという意味もあると思いますので、若い方たちにとっても加入のハードルを下げる検討はしてもよいかと思います。
さらに、この図の整理は制度側からの整理なのですけれども、個人の必要性なども考えますと、例えば企業年金がないところの上限額2.3万円というのはこれで十分なのかどうかということも再度見直しをしていただきたい部分で、全体としては加入する側にとって制度の統一感があって、自らがどういう制度を利用できるのかを理解して手続が取れるようなつくりにしていただきたいと考えております。
以上です。
○森戸部会長 ありがとうございました。
では、渡邊部会長代理お願いします。
○渡邊部会長代理 ありがとうございます。
御説明について、いろいろ勉強になりました。私からも幾つか見解を述べさせていただきたいと思います。
まず、加入可能年齢の引上げに関してですが、この引上げがなぜ行われるのかといったような場合、継続的な資産形成を支援するということが大きな目的になっていたかと思います。その点からしますと、新規の加入は認めずに、以前からiDeCoなどを利用してきた方に限って継続を可能にするといったような今回の御提案について賛同したいと思います。
その場合の拠出限度額の在り方なのですが、やはりシンプルにしたほうが望ましいのではないかと思っております。実際にシンプルにといったような場合にどのようなところで合わせるのかといったことには見解の相違があろうかと思いますので検討が必要となりますが、とりあえずシンプルに金額は共通にしたほうがいいと考えております。
次に、受給開始可能年齢については既に多くの委員の方から御指摘がありましたように、私も現在の状況などを踏まえますと、特に引上げの必要性というのは考えられません。ですので、現状維持とするのが望ましい、適切だと考えております。
また、拠出の在り方といった点については、こちらも多くの委員から御意見があったところではございますが、少なくとも現行の限度額を算定している算定式の考え方、退職前給与の6割を公的年金と私的年金とで用意できるようにする、そこから導いた限度額だということになりますと、少なくとも最新の状態を反映した金額にする必要性があろうかと思っています。
さらに、それとの関連で考えますと、第1号被保険者の方の6.8万円といったような水準についても見直しが必要なのではないかと思っております。第1号被保険者の方が2階部分と3階部分に相当する備えを行うのだといったような考え方からしますと、この6.8万円という金額についても、現状の最新の状況を反映したものに見直す必要があるだろうと思っています。
最後に、給付減額判定といったような点に関しては、事務局御提案の案に賛同したいと思います。労使交渉を尊重してといったような視点が加えられている要件の設定であろうかと思いますので、適切な要件設定ではないかと思っております。
私からは以上です。
○森戸部会長 ありがとうございました。
では、もしオブザーバーの方で御意見があればお願いします。
○鮫島企業年金連合会理事長 企業年金の立場で、2点申し上げようと思います。
まず、DCの拠出限度額でありますけれども、私どもはこの点につきましてはかねて申し上げておりますが、公的年金の給付調整、あるいは高年期の長期化という趨勢的な変化のほか、先ほどからお話が出ております物価・賃金が上昇局面に入っていることを考えますと、iDeCoだけではなくて企業型DCについてもぜひ引上げをお願いしたいと考えています。昨今、人的資本経営が叫ばれることもありまして、今後企業が退職給付についても見直しを検討することが考えられますけれども、現在の状況が続きますと柔軟な制度設計の妨げになったり、あるいは制度の実質的な縮小につながるケースが増えるおそれがありますので、このタイミングでの引上げをぜひお願いいたします。
次に、マッチング拠出です。これも先ほどお話が出ておりましたけれども、資産管理の一元化、あるいは手数料の面で加入者にとってメリットの大きい仕組みですが、加入者掛金を事業主掛金以下とする現在の規制の下では拠出限度額を十分に活用できないケースが発生しています。加入者の自助努力を後押しする観点から、この規制の撤廃をお願いいたします。
2点目、定年延長時の給付減額の判定基準についてであります。昨年のヒアリング等において、企業年金としましては給付の名目額が維持、増額される場合は給付減額としない扱いを要望してまいりました。今回の事務局案は、新たに名目の給付額が増加する場合は給付減額としない取扱いを設けるということでありますので、私どもは一歩前進と評価をしております。
ただ、1つお願いがありまして、これは先ほど複数の委員からお話が出ておりましたけれども、要件の1つである加入者の3分の2以上で組織する労働組合があることという点に関してであります。こうした労働組合がない企業も相応にあると承知しておりますので、加入者の3分の2以上で組織する労働組合がない場合でも、少なくとも加入者の3分の2以上の個別同意がある場合には給付減額としない扱いを認めていただきたいと思っております。中小企業が加入する総合型DBなどで今後定年延長を考える場合にも重要な点になりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
以上です。
○森戸部会長 ありがとうございます。
では、松下理事長お願いします。
○松下国民年金基金連合会理事長 国民年金基金連合会でございます。
まず、今回の加入可能年齢の引上げ案につきましては、本年1月の当部会におきまして私どもから意見を申し上げさせていただきましたけれども、実務上の課題、煩雑性の問題でありますとか、あるいはシステム開発の負担等々の課題を一定程度御配慮いただいた内容になっているのではないかと考えておりまして評価をさせていただきたいと思います。
一方で、この案によりますと、国民年金被保険者以外の方が新たな加入者になるということに伴いまして、実際の具体的な資格確認の方法などにつきましては今後の事務構築において非常に重要な検討課題だと認識をしております。引き続き協議をお願いしたいと思います。
それから、受給開始可能年齢の引上げにつきましても皆様から御意見が出ておりますように、令和2年度の制度改正におけます75歳までの引上げの実態を見極めてということで、極めて妥当な御判断だと思います。現在、最初の対象者が生じてまいります令和9年に向けて実務的な対応を行っている私どもといたしましても、この内容は妥当だと考えております。
それから、資料2の限度額の引上げについてでありますが、当連合会からは1号被保険者に係る論点について昨年の5月にもヒアリングで要望を申し上げたところでありますが、もう一度、コメントをしたいと思います。
御案内のとおり、1号被保険者につきましては現在国民年金基金制度とiDeCoの両方を合算して6万8000円という限度額になっているわけですけれども、これは両制度の制度創設以来、一度も変更されていないということで、今後の老後の資産形成の一層の推進という観点からはぜひ引上げをお願いしたいと考えている次第です。
本日の資料におきましても、資料2の23ページでありますが、iDeCoの掛金額につきましては高齢者層を中心に限度額いっぱいまでという方が一定割合存在しているということでありますとか、国民年金基金の加入者につきましても掛金月額が6万円超の方が全体で約17%いらっしゃる。これは制度の創設時は8%弱ということでありましたので、この間で約2倍強に伸びている。こういう実態を踏まえますと、限度額を引き上げるというニーズは潜在的にかなり強いものがあるのではないかと考えております。
いずれにしましても、1号被保険者にとりまして国民年金基金制度とiDeCoは公的年金を補完する制度としてそれぞれの特徴を生かして非常に重要な役割を担っていると理解をしております。昨年のヒアリングでも強くお願いしたところでありますけれども、現在いろいろな働き方の変化によりまして被保険者区分間の移動が頻繁に起きるということが今後ますます想定されますことも踏まえますと、両制度を運営する当連合会といたしましてはこの2つの制度間、あるいは被保険者区分間において偏りのないバランスの取れた取扱いになるようにぜひ御検討をお願いしたいと思います。
私からは以上でございます。
○森戸部会長 ありがとうございます。
一応、皆様から御意見をいただきました。最後に、部会長は意見を言うなという意見もあるかもしれないのですけれども、私は割と前に出てくるタイプのキーパーということでお許しいただければと思うのですが、2、3点簡単に。
まず上限拠出限度額、iDeCoの企業型DCなどいろいろありますが、やはりフェアで公平で、しかしシンプルなものがいいんだと思いますが、いろいろな問題というのは実は限度額が十分上がれば結構解決する問題があるのではないか。つまり、少ない枠を何かちまちまいろいろな理屈で奪い合うから何か変なことになっていて、もっとざっくり枠がいっぱいあれば結構かなりの問題が解決するのではないか。それは身も蓋もない意見ですけれども、そういうふうにも思いますので、そういう方向で考えられればいいのかなというのが1点です。
それから、給付減額絡みですが、今回の案に反対するものではありませんけれども、より根本的に、皆さんからも御意見が出ていましたが、労働組合がしっかりしたといいますか、多数組合がある場合はいいけれども、ではないときにどうするんだというのは、それを緩和すべきだとかという話とは別で、そもそもおよそ企業年金はいろいろなことを労使合意にかからせているわけですが、組合がないときの労使合意というのは本当にちゃんとしているのかという観点で、別に給付減額に限らず考えるべき問題であるとは思います。
ただ、そう言いつつ、やはりこの問題は、企業年金は労働条件だと私は思っていますので、結局企業年金のほうで給付減額の要件をどう決めようが、全体として労働条件の変更として法的に有効かというチェックはかかると私は思っています。
だから、これはこれで、つまり大きく言えば定年延長をするというメリットの代わりに企業年金はこれでいいのではないかという全体としてまさに労使合意においてもそういう妥協といいますか、労働条件変更が行われていると思うので、企業年金だけの話で終わるわけではないのでこちらの要件は割とシンプルに決めておけばいいのではないかと私は思っているところがあります。
ただ、労働条件変更として有効かどうか、そのルールがどうあるべきか。これは労働法の問題かもしれませんが、別途あるのだろうとは思います。
ここまでが私の委員としての意見で、今日の全体のまとめということではありませんが、皆様からいろいろ御意見をいただきましたが、まず70歳までの加入可能年齢、iDeCoの話ですね。これは事務局案について基本的に賛成多数というか、大きな反対はなかったかと思います。
ただ、限度額をどうするかというのはいろいろ御意見がありましたが、シンプルにしようというところは割と一致していたかと思います。
それから、受給開始年齢でしょうか。75というのはまだ現状維持でいいのではないか。これも異論がなく、皆さん大体意見が一致していたかと思います。
あとは、全体の限度額の話はいろいろ御意見をいただいて、マッチングの在り方とかも含めていただきましたが、でも全体としては時代も変わっているし、計算方法も含めてもうちょっと上げていいのではないかという意見が割と多かったかと思います。
給付減額に関してはさらなる緩和とか、逆に注文もいろいろありましたが、給付減額についても事務局案について大きな反対はなかったのかなとは思います。
そんな感じで、全体としてはそういう御議論をいただいたと思いますが、あとは事務局にさらに詰めをお願いしたいと思います。
ちょっと時間を過ぎてしまいましたが、一応皆さんから御意見をいただきましたので、事務局はよろしいですか。
それでは、ほぼ予定の時間になりましたし、皆さんの御協力もありまして無事、本日の議事は以上で終了といたしたいと思います。
では、今後の予定等について事務局からお願いいたします。
○海老企業年金・個人年金課長 次回の議題や開催日程につきましては、追って御連絡をさせていただきます。
○森戸部会長 ありがとうございました。
それでは、第37回企業年金・個人年金部会を終了いたします。御多忙の折、お集まりいただき、皆様ありがとうございました。お疲れさまです。