法政大学年金裁判の会 ニュース №27

発行 2016年 12月 27日

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 横内 廣隆

証人尋問行われる

石坂証人(原告側)、河原証人(原告)熱弁する

第21回法廷は12月22日(木)午前10時から東京地方裁判所<527法廷>で開かれました。午前中は被告側の津田健証人(被告側証人・三菱東京UFJ信託銀行)、市川英明証人(法政大学職員)の尋問が行われ、午後は原告側の石坂悦男証人(原告側証人)、河原由治(原告証人)の尋問が行われました。傍聴には15名(原告8、連絡会他7)が参加しました。その他、学生らしき20名位の傍聴者がありました。

 津田証人への尋問は、本人が法政大学の年金担当者でもなく、会社を代表する立場でもないことを条件にした一年金数理専門家としての出廷であるため、尋問内容と証言内容は一般論に終始したものでした。市川証人は本件改定事務局担当者であることから鋭い尋問が続きました。「20年破綻」グラフは市川氏の作成で、理事会の決裁を受けて「年金学内ニュース」に掲載したことが明らかになり、計算の基礎が現実と大きく異なっている点を指摘されると「1999年時点での計算基礎」と答え、受給者が減少する傾向は認識していなかった等々と、のらりくらりの答弁でした。また2000年度の採用者であることから過去の年金改革に伴う事実関係の認識に相違のあることも明らかになりました。

 午後になり石坂証人の証言内容は第36条の減額規程を作った時の理事会の共通認識は、大学が潰れるとか、大震災などを想定したもので、後の金子理事も「事情変更の法理」は否定している。条文だけの解釈でなく、1条の目的、8条の管理等を含め規程全体の構成・精神との関係で解釈されるべきである。累積した70億円の未償却過去勤務債務は大学が償却することになっている等の証言であった。河原証人は大学の年金は社会保障上の権利で賃金の後払いであること。20年破綻のグラフは①年金の収支だけで責任準備金の積立状況の記載がなく、年金財政のシミュレーションではない、②3.5%の予定利率で計算されているが、第二拠出金は4%で固定されていて作表上の整合性がない、③受給者は減少する。④加入者は増大するが、これらの現状が反映されていない間違った作表であること。その上で、理事長の文書と同封された部長会の文書、学部長会、付属校長の文書等が一斉に郵送される異常の中で2/3を3名上回った結果であって無効である。受給権は本来、受給者一人ひとりの権利である、と証言しました。

 午後4時半に閉廷しましたが、裁判長から今後の日程が提示され、次回は最終準備書面に基づいて開かれることになりました。3月27日(月)午後1時半の開廷です。これが最後の法廷で、後は裁判所の判決を待つことになります。

 今後は、証人尋問の内容、今までの準備書面のやり取りの内容を受けた最終準備書面の内容検討に入ります。弁護団の総力を上げた作業になります。最後まで頑張りましょう。

 〈傍聴者:新井忠さん談〉石坂・河原証人の証言は、大学の年金制度破綻の説明の虚偽性を明らかにしたものでした。両証人の健闘を称えたいと思います。ご苦労さまでした。

 *石原証人、河原証人の陳述書を希望される方はご連絡ください。